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少女「ねえ、お兄さん、お家に泊めてくれない?」
- 1 :以下、VIPがお送りします:2014/11/15(土) 04:05:01.26 ID:JeB948ZkV
- ――時刻は午後9時
少女「ねえ、お兄さん、お家に泊めてくれない?」
男「家に帰らないとダメだ」
少女「今日は帰りたくないの」
男「なんで?」
少女「それは言えないの」
男(いや、ここで連れ帰ったら速攻逮捕だろ……)
男「このあったかいココア、さっき買ったのあげるから、もう帰りなさい」
少女「ありがとう……でも、帰るわけにはいかないの」
男(この子、可愛いし連れて帰るか……?)
男(いや、ここは誘惑に負けるわけにはいかない)
男「すまん!」
男は少女を振り返ることなく走った。
- 19 :以下、VIPがお送りします:2014/11/15(土) 06:17:37.87 ID:JeB948ZkV
- 話と関係ないですが、もし見てくれてる人いたらレスしてくれると励みになります。
さすがに、一人で自慰小説書いても虚しいだけなので;;
- 20 :以下、VIPがお送りします:2014/11/15(土) 06:37:29.61 ID:JeB948ZkV
- 男は電気を消した。睡眠を取るために消しただけで、他意はない。
少女と男は互いに反対の方を向いている。
男「明日には帰れよ」
少女「そういう約束だったわね」
男「銭湯で君が自分のことちゃんと話してたの聞いて安心したわ」
少女「……」
男「本当は家もわかるんだろうし、嫌なこともあるだろうけど、頑張れや」
少女「……そうもいかないのよ」
- 21 :以下、VIPがお送りします:2014/11/15(土) 06:43:05.43 ID:JeB948ZkV
- 男「どうして?」
少女「私も自分ではわからないのでけれど、さっき銭湯で話したことも、徐々に思い出してきたことなのよ」
少女「だから、今も、一体自分が誰なのか、どこに住んでるのかすら、はっきりと覚えていないわ」
男「記憶喪失の一種ってことか?」
少女「そういうのとも違うの。なんだか、自分の存在自体が自分でも疑わしい、という感じかしらね」
男「思い出したら何でも話してくれ、出来る限り力になる」
少女「じゃあ、一つお願いしてもいいかしら?」
少女はその言葉を口にしたあと、男の返答も聞かないうちに、その華奢な身体で男の腰を後ろから抱きしめていた。
- 22 :以下、VIPがお送りします:2014/11/15(土) 07:59:00.30
- 〜〜ここでCM〜〜
エアウィーヴでもパラマウントベでも
丸八でも西川でもお好きなのを
- 23 :以下、VIPがお送りします:2014/11/15(土) 09:06:44.38
- スレタイが犯罪っぽくって、
今読み始めた
はは、おもしろいわ
スレタイが失敗だったかも
- 24 :以下、VIPがお送りします:2014/11/15(土) 10:07:53.41 ID:JeB948ZkV
- スレタイで失敗してしまったのか…
実はここに投稿するの初めてだったもんでな。
もう少し考えるべきだったな
- 25 :以下、VIPがお送りします:2014/11/15(土) 10:08:36.54 ID:JeB948ZkV
- 続き書きます
- 26 :以下、VIPがお送りします:2014/11/15(土) 10:14:59.39
- 男「……!?」
男「ど、どうしたんだよ、急に」
少女「……怖いのよ、とても」
男「……どういうことか説明してくれ……」
少女は力いっぱい男を抱きしめているようだが、そうとは思えないほど少女の身体は小さく、儚いものだと男は感じた。
少女「私ね、だんだん思い出してきたのよ、忘れていたこと全部」
少女「どんな家で育って、どんなことをしてきたのか」
少女「そして、どんな風に私の人生が幕を閉じたのかもね」
- 27 :以下、VIPがお送りします:2014/11/15(土) 10:22:32.86 ID:JeB948ZkV
- 男「幕を閉じるって、よくわからないんだが……?」
少女「辞書でお引きなさい」
男「いや、そういうことじゃないんだ、つまりは……」
少女「……ええ、言いたいことはわかるわ」
男「……君はもう、死んでいるのか……?」
- 28 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 10:26:52.72 ID:JeB948ZkV
- 男は極限まで思考を巡らせた。
それは現実に起こりえない現象に理由付けするためだ。
たいていの大人なら、10歳の子供が言うことには耳を貸さず、嘘だと思うだろう。
だが、少女の口から放たれたその言葉には少しのイタズラ要素も含まれているようには思えず、嘘とは思えない不思議な信憑性を帯びていた。
男(私は幽霊と対話していることになる)
- 29 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 10:33:55.16 ID:JeB948ZkV
- 少女「……自分がもう死んでいるというのがわかるの」
少女「というのも、私が死んだ時のことが、鮮明かつ克明に私の記憶に存在しているの」
少女「それは夢のような矛盾や曖昧さがあるものではなかったわ」
少女「それと……今は、一体西暦何年かしら?」
男「2014年だが」
少女「……やはりね、思ったとおりだわ」
少女「私が生きていたのは……1945年ね、まぁ、死んだ年のようだけれど」
男「……1945年……」
男はある可能性を見出していた。
- 30 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 10:43:55.46 ID:JeB948ZkV
- 少女「自分はここにいるのに、死んでるかもしれないなんて、どんな気分だと思う?」
男「考えたこともないな、そんなこと」
少女「私の記憶の話をするわ。私の死んでしまった時の話」
男「……辛く、ないのか?」
少女「だからこうして抱きしめてるんじゃない」ギュッ
男「……聞いているから、出来る限りでいい、話してくれ」
少女「そう、させてもらうわ」
少女は自分の死を語りだした。
- 31 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 11:07:59.30 ID:JeB948ZkV
- ―――――――――――
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――1945年2月
少女「お父様、東京は大丈夫なのでしょうか?」
父「大丈夫さ、心配いらないよ。その代わり、お父さんはこれからもっと一緒にいてあげられなくなるけど、少女は大丈夫かい?」
少女「……大丈夫です」
父「そうか、偉いぞ!」
少女「……お父様、一つお願いがあるのです」
父「どうした、言ってみてくれ」
少女「私を、お父様と同じ場所で働かせてください」
父「……それはできない」
少女「なぜですか、私はもう未熟じゃありません」
父「確かに少女は医学の知識も、もう医者見習いレベルではあるが」
少女「では、なぜ……!!」
- 32 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 11:25:34.88 ID:JeB948ZkV
- 父「本で得た知識と、現実というのは違うものだよ」
父「頭ではわかっていても、実際は難しいことはたくさんあるんだ、わかってくれ」
そうして少女は医者である父の手伝いはさせてもらえなかった。
少女(現実は違うとは一体どういうことなのかしら)
――――1945年3月
街中にサイレンの音が鳴り響く……東京大空襲の始まりだった
- 33 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 11:33:39.52 ID:JeB948ZkV
- 父の病院には何百人もの人が運ばれた。
幸い、戦火は病院までは辿り着いていない。
私は、街から離れた館からは出してもらなかった。
ただ、燃え盛る街を眺めているだけ。
コンコン、アケテクダサイ!!
館の外から声がする。
侍女が対応をしていた。
どうやら、怪我人が出て、この館まで連れてきたらしい。
私は不謹慎にもチャンスだと思った。
父に認められるための。
- 34 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 11:46:14.13 ID:JeB948ZkV
- 少女「私が治療します」
私は館の玄関まで出て行った。
少女「どなたが怪我をされたんですか」
私は玄関から外にいる人を見た。
中年の男性が、両腕がなく血まみれになった女性を背負っていた。
中年「お願いだ、妻を……妻を助けてくれぇ」
少女(でも、これはもう・・・・)
女性から出ている血液量は、もう致死量に至っていることは容易に分かった。
中年「お願いだよ、だずけてくれよぉ、頼むよぉ」
少女「も……もう奥さんは……」
中年「いや、死んじゃいねえよ、ほら見てくれよ、ほら……」
中年は瞳孔も開いて息絶えている女性を少女の顔の前に突きつけた。
女性はもう何も映ることのない眼球を少女に向けていた。
その表情は、死ぬときの凄まじさを物語っていた。
- 35 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 12:20:41.86 ID:JeB948ZkV
- 少女は、義務感に駆られてはっきりと言ってしまった
少女「奥さんはもう、助かりません、出血量から見てもう助からないんです」
少女「というより……もう亡くなっています」
そのはっきりとした言葉に中年は固まってしまった。
そして、何かに見切りをつけたかのように眼の色を変えた。
中年「なんでだよ、お前らはこんないいところに住みやがって、誰も助けられないくせによぉ!」
少女「……」
中年「お前らを呪ってやるよ」
そうして、中年男は、モノとなってしまった妻の死体を抱えて帰っていった。
- 36 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 12:25:02.17 ID:JeB948ZkV
- 少女はその日、眠ることができなかった。
- 37 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 12:32:01.03 ID:JeB948ZkV
- 少女(私だけ、お金があるというだけで、こんなところで生きている)
少女は罪悪感に苛まれた。
――――翌朝
外を眺めると、街の朱はすっかり黒に変わってしまっていた。
きっと街には死体がゴロゴロ転がって、怪我をしている人もたくさんいるだろう。
少女は一晩考えた。
そして結論を下した。
こんな思いをするくらいなら、死んでもかまわない、と。
- 38 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 12:41:40.86 ID:JeB948ZkV
- 結論を下してからの行動は早かった。
侍女に『必ず戻ります』とだけメモを残し、街へ向かった。
――街、焼け野原
父の病院を目指す。
蒸せるような、木の焼けた匂いと肉の焼けた匂いが立ち籠める。
辛うじて戦火から逃れた病院はたくさんの人で溢れかえっていた。
少女「お父様!」
人混みの中に、必死に治療に専念する父の姿を見つけた。
父「なんでこんなところにいるんだ!危ないだろう!」
少女「私、思ったんです。こんな思いをするくらいなら死んだほうがマシだって」
その少女の言葉を聞いて、父は大方のことを悟ったようだった。
- 39 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 12:52:00.75 ID:JeB948ZkV
- 少女の気持ちを理解したのか、父は少女に手伝いをさせた。
それからも空襲が続いたが、8月頃にはなくなり、やがて終戦を知らせる玉音放送が流れた。
悲しみは幾分もあったが、それ以上に安堵があった。
- 40 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 12:57:39.48
- ――――終戦後
少女は戦争中の治療経験により、10歳にしてほとんどの治療ができるようになっていた。
父「少女はきっと日本を変えるような素晴らしい医者になれる。だからこれからもっと勉強するんだ」
少女(私は、もっと人を助けたい)
―――1945年12月
街の復興は進んだ。
それでも街はまだ黒く、食料は足りなかった。
少女は病院で医者として父の手伝いをしていた
そこにある一人の男性が診察に着た。
父「少女、その人に消毒液を」
少女「はい」
少女は男性の元へ寄った。
少女「少し染みますけど我慢してくださいね」
消毒液をつけようとした時、男性の手が異常に震えていることに気づいた。
- 41 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 13:04:54.45 ID:JeB948ZkV
- 少女は顔を見上げた。
そこには、痩せ細って前とは体格も変わってしまった中年男がいた。
中年「ひ……久し振りだね、お嬢ちゃん」
中年男の向ける目は明らかに10歳の女の子に向けるものではなかった。
怨念と殺意のこもった目だ。
中年「どうしようもよぉ、なかったのは分かるがよぉ、半年経っても忘れられねえのよ」
父「……どうかしたんですか?」
中年「……死ねえぇえぇぇぇえ!!」
それは一瞬のことだった。
中年のポケットから放たれたナイフの刃の軌跡は、少女の首元を通過した。
――――――――――――
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- 42 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 13:16:18.22 ID:JeB948ZkV
- ――男の部屋、ベッド
少女「私の記憶はここまでよ。精神的には死んですぐだからこんなに鮮明に覚えているんでしょうね」
男「……」
男は少女の口から放たれた言葉があまりにも壮絶であったために言葉がでなかった。
男「……理不尽だよな」
少女「そうね、理不尽だわ」
男「明日、病院があった場所、行ってみるか?」
少女「もうきっと変わってしまっているでしょうけど」
男「だから今日は、このままでいいから、安心して眠れ」
少女「そうさせてもらうわ」
男「日本はもう、平和なんだよ」
- 43 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 13:31:15.00 ID:JeB948ZkV
- ―――翌朝
少女の記憶を元に病院を探した。
少女「70年でこんなにも変わってしまうのね、それでも川の位置とかでなんとなくではあるけれども、分かりそうだわ」
男と少女は30分ほど歩いた
少女「記憶ではこの辺なのだけれど……」
男「もしかして、あれかな?」
男の指差す先には、街でも大きな部類に入る病院があった。
- 44 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 13:34:02.24 ID:JeB948ZkV
- 少女「あれからお父様は病院を大きくしていったのね」
男「それにしても立派な病院だ」
携帯で調べてみると、そこの病院の名前が少女の苗字と同じだということがわかった。
男たちは病院の中に入り、院長と話をしたい旨を伝えた。
最初はもちろん断られたが、少女の名前を口にした瞬間、確認する、と言われ、院長室へと通される次第となった。
- 45 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 13:42:54.90 ID:JeB948ZkV
- 通された院長室には一人の男性が立っていた。
院長「よく来たね」
男「突然すみません」
院長「いやいいさ、少女ちゃんのことを聞きたいんだってね」
―――――――――
院長「彼女のことは先代からいろいろ聞かされたよ……もちろん殺されてしまったこともね」
男(やっぱり少女の記憶は事実なんだ)
- 46 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 13:48:34.90 ID:JeB948ZkV
- 男(目の前にその少女がいるわけだが、同一人物とは思えないよな、普通)
院長「先代も大往生だったんだが、10年ほど前に亡くなってね。それからは私がこの病院を継いでいるんだよ」
院長「どうして少女ちゃんのことを聞いてくるのかは不思議だけど、よく先代は言っていたよ」
院長「少女ちゃんはもっと様々な場所で活躍して、いろんな人に知られる存在であるべきだった、と」
少女「……お父様……」
院長「実際そうだったと思うよ。10歳だったそうだからね」
男「そうだと私も聞いています。ちょうど……この子くらいの」
院長「……こ…この子っていうと……どの子かな?」
男(…え?……見えてないのか……)
少女は下を向いて俯いている。
- 47 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 14:01:06.76 ID:JeB948ZkV
- 男「あ、やっぱりなんでもないんです」
院長「そ、そうかい?」
院長「そうだ、せっかくだからお墓参りをして行って上げてくれないか」
男「は、はい」
少女「……」
男(これ以上は少女が可哀想なだけだ、早めに切り上げよう)
- 48 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 14:02:51.13 ID:JeB948ZkV
- ―――――病院前
男は院長に丁寧に挨拶をしてから病院を後にした。
男「墓参り……行くか?」
少女「……そうするわ」
男は少女の手を握り、少女が眠る墓へと向かった。
- 49 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 14:12:54.41 ID:JeB948ZkV
- ――――――霊園、少女の墓前
広い霊園をより深く入ったところに、少し背伸びをした、周りよりも大きい目な墓があった。
墓石には少女の名前が刻まれていた。
そしてその横には、少女の父と思われる墓が立てられていた。
少女「私は、これからどうすればいいのかしらね」
男「……」
少女「幽霊に行く宛なんてあるのかしら。それに、どうやって成仏すればいいんかしら。わからないことだらけね」
男「こうしてても仕方ないな、寒いし、掃除してから帰ろう」
二人は、二人分の墓石を掃除した。
それほど手間はかからなかった。
きっと普段から誰かが綺麗にしてくれていることがわかった。
- 50 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 14:14:48.72 ID:JeB948ZkV
- 掃除が終わり、二人は帰ろうとした時だった。
不意に誰もいなかったはずの後ろから声が聞こえた。
「少女……少女なのか……!!」
少女「……お……お父様……?」
- 51 :以下、VIPがお送りします:2014/11/15(土) 14:16:10.22 ID:AtjL7DcgK
- >>31
父「確かに少女は医学の知識も、もう医者見習いレベルではあるが」
↓
父「確かにお前はは医学の知識も、もう医者見習いレベルではあるが」
- 52 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 14:17:10.15 ID:JeB948ZkV
- 後ろを振り向くと、そこには薄っすらと、40歳位の男性が立っていた。
きっと幽霊の一種だろうことはすぐに分かった。
そして、少女の父であることも。
- 53 :以下、VIPがお送りします:2014/11/15(土) 14:21:14.30 ID:AtjL7DcgK
- >>40でも、
父が少女と言ってるから、これでいいのかな
名前を言ってるのに、少女はその名が思い出せないという設定の会話の記憶かな
- 54 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 14:24:08.05 ID:JeB948ZkV
- 少女と男性は徐々に距離を詰めた。
それは、長い間探し求めたものが、本物かどうか、確認するかのようだった。
少女「……お父様」
父「……お前には辛い思いをさせてしまった。悔やんでも悔やみきれんよ」
少女「あれは仕方のないことだったのです。いわば……運命のようなもの」
少女は、そう、涙を流しながら言った。
- 55 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 14:25:38.76 ID:JeB948ZkV
- >>53
男、とか父、といった代名詞を使っているのでなんと表現しものか迷った結果こうなりました笑
ややこしくなってすみません。
基本的に、「少女」というのは名前と考えて頂いて構いません。
- 56 :以下、VIPがお送りします:2014/11/15(土) 14:27:04.19 ID:G60eNIu79
- なんでこういうSSって一緒に風呂とか必ずあるんだろう
途中まで読んでたのに
ロリコンの妄想?
マジきめぇ
- 57 :以下、VIPがお送りします:2014/11/15(土) 14:29:21.02 ID:AtjL7DcgK
- >>55
読み進めて、その設定がわかった
最初に違和感あるけど、ああそうかでわかる
霞のかかった異空間の雰囲気ね
名前が付くと、生々しい現実的になるものね
- 58 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 14:29:40.78 ID:JeB948ZkV
- それはいわば、奇妙な邂逅であった。
70年の時を経て世に現れた少女と、10年の時を経て世に現れた70年前の男
会った時に既に薄くなっていた男性の影姿は見る見るうちにより儚いものとなっていった。
少女「お父様……!」
父「最後に少女に会うことができてよかったよ。謝りたかったからね」
少女「お父様が謝られることはありません」
二人にはもう、時間は残されていなかった。
- 59 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 14:31:34.09 ID:JeB948ZkV
- >>56
二人がゆっくりと心を交わす場面が作りたかったので仕方のなかったということにしてください;;
全くエロ無しで、比較的ほのぼのとさせたつもりです;;
- 60 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 14:34:20.24 ID:JeB948ZkV
- 気がつけば、少女の父の姿は消えてしまっていた。
残ったのは、さっきよりも儚く、薄くなった少女の影姿
男「……心残りは晴れたか?」
少女「……いいえ、全くね。でも、お父様に会えてとても嬉しかったわ」
男「……君はこれから……」
少女「私ももう行くことにするわ」
- 61 :以下、VIPがお送りします:2014/11/15(土) 14:35:01.82 ID:AtjL7DcgK
- >>56
まあまあ
確かにお風呂要素要らないかも
タイトルもだけど、卑猥さロリコンで釣るって釣れないし邪魔かもね
男じゃなくて女が、それら排除でいいかも
- 62 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 14:37:26.49 ID:JeB948ZkV
- 少女「心残りが何か分かったのよ」
男「……それは」
少女「もっとたくさんの人を救いたかったということよ」
少女「例え両腕がない人でも、死にかけている人でも、諦めるべきではなかったわ」
少女「それに、もっとたくさんの人を助けたかった」
男「成仏したら助けれないだろう」
少女「来世、生まれ変わって、絶対にこの世に戻ってくるわ」
少女「そして、お父様みたいに沢山の人をこの手で救うのよ」
- 63 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 14:44:06.33 ID:JeB948ZkV
- 男は少女の言葉に大いに感銘を受けた。
そして、互いに握手を交わしていた。
男「俺も、待ってるから、思い出したらまた遊びに来たらいい」
少女「また一緒に温泉にでも行きましょうね」
男「今度は別湯でな」
最後の言葉を交わした瞬間、少女の姿は見えなくなった。
- 64 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 14:49:16.25
- ……行っちまったか……
……俺って生きてるんだよな……
……生きてるんだし、また、頑張ってみようかな……
男にとって一連の出来事は一晩の出来事に過ぎない。
しかし、男の中で止まっていた何かの歯車が回り出した。
この冬空の元、決意をした男が一人、そこにはいた。
〜fin〜
- 65 :1 ◆JgI7zsPgmmwD:2014/11/15(土) 14:51:32.74 ID:JeB948ZkV
- これで終わりです。
誤字脱字、わかりにくい描写、きわどさを狙ったかのような不要でキモイ描写等あったかと思います、すみません。
読んでくださった方がいらっしゃれば、感想を残していってくださると嬉しいです。
ではまた。。
- 66 :以下、VIPがお送りします:2014/11/15(土) 14:58:18.27 ID:AtjL7DcgK
- お疲れ
フワフワした、話の展開への期待感はあった
最後の成仏できなかった心残りで、ガクっときた
ありきたりすぎ。
さもさもの、作り話感が出てくる
ここ、直した方がいいかと
- 67 :以下、VIPがお送りします:2014/11/16(日) 03:08:26.61
- 完結のようだけどageとく
- 68 :以下、VIPがお送りします:2014/11/17(月) 03:40:40.83
- 次作期待age
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