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あかり「キャンプだよぉ」
- 1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 20:34:40.197 ID:xSFLuq6r0.net
- あかり「橋の下ダンボールとブルーシートでおうち作るよぉ!」
- 2 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 20:37:56.235 ID:xSFLuq6r0.net
- あかり「赤座家もついに没落だよぉ」
あかり「一家離散だよぉ」
あかり「あかりはこの橋の下で立派に」
あかり「生きていくよぉ」
あかり「わぁい!サバイバルあかりサバイバルだぁいすき!」
「おっとお嬢ちゃん待ちな」
あかり「だれっ!?」
- 3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 20:39:34.363 ID:xSFLuq6r0.net
- 櫻子「ここはあたいのテリトリーだよ」
あかり「櫻子ちゃん!」
櫻子「おやや?なんだい赤の字じゃないかい」
あかり「こんにちはだよぉ」
櫻子「こんにちは、あかりちゃん」
あかり「ここは櫻子ちゃんのテリトリーなのぉ?」
櫻子「そうさ西の奴らと揉めて抗争で勝ち取ったあたいの」
櫻子「・・・愛すべきシマさ」
あかり「(ひえぇぇぇ)」
- 4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 20:43:57.575 ID:xSFLuq6r0.net
- 櫻子「って言っても知り合いのよしみだ」
櫻子「使いな、あかりちゃん」
櫻子「他にも何人か既に」
櫻子「この橋の下に住み着いてもいるんだ」
櫻子「あたしがショバを提供してんだシノギは別だがな」
櫻子「友達なら理由はいらねぇよ」
- 5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 20:45:37.242 ID:xSFLuq6r0.net
- あかり「わぁい!櫻子ちゃんありがとう!」
櫻子「なぁに礼なんていらねぇさ」
あかり「あかりここに住むよぉ」
櫻子「仲間と上手くやんな」
櫻子「それじゃあ」
あかり「ありがとぉ櫻子ちゃん!」
- 6 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 20:48:41.900 ID:xSFLuq6r0.net
- あかり「うぅそれにしても」
あかり「こんな場所で生活するなんて」
あかり「きったない川の水しかアイテムがないよぉ」
あかり「せめて火がないとどうにもならないよぉ」
あかり「うえーん」
「おや?新入りかい?」
あかり「だれっ!?」
- 7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 20:50:39.422 ID:xSFLuq6r0.net
- ちなつ「みねぇ顔だな」
あかり「ちなつちゃん!」
ちなつ「ん?なんだい赤提灯の旦那じゃねぇかい」
あかり「んもうぅー!あかりを見ない顔だなんて!!」プンスコ
ちなつ「よく見りゃ見覚えのある団子だよ、すまないな」
あかり「団子でしかあかりのこと認識してない!?」
- 8 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 20:52:25.872 ID:xSFLuq6r0.net
- ちなつ「なにか困ってるようじゃねぇか」
あかり「そうだよぉ」
ちなつ「どうせ火の事だろ」
あかり「よくわかったよぉ!すごいよぉ!」
ちなつ「路上生活者の一番の懸念は火の確保なのさ」
あかり「そうなんだぁ」
ちなつ「冬になると雪がひでぇ降り方しやがる、気をつけな」
あかり「ひええええ」
- 9 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:00:19.688 ID:xSFLuq6r0.net
- ちなつ「そうそう火だったな」
あかり「そうだよぉ」
ちなつ「こっちきな」
あかり「なぁに?ってええ!これは!?」
ちなつ「そうさ電気コンロさ」
あかり「ハイテクだよぉ!」
ちなつ「一々可燃物で火を起こすなんざトーシローのやることなのさ」
あかり「で・・・電気はどうしてるの!?」
ちなつ「盗電だ」
あかり「ひえええええ」
ちなつ「耄碌ババアの家から引っこ抜いて電気拝借してるのさ」
ちなつ「電気コンロをONにすればババアの家の電気メーターがふりふりって寸法さ」
ちなつ「こうやって電気会社に怪しまれないって話だ」
あかり「すごいよぉ!」
- 10 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:03:27.505 ID:xSFLuq6r0.net
- ちなつ「あたしゃ橋の下電気網を一手に担ってる」
あかり「すごい!」
ちなつ「使いたきゃあたしに使用料を払ってもらうところだが」
あかり「あかりお金ないよぉ・・・」
ちなつ「新入りはタダで使っていい事にしてるんだ」
あかり「えっ・・・!」
ちなつ「はやく生活の基盤気付いて電気代払えるようになりな」
あかり「ちなつちゃん!」
ちなつ「分けてやるよ、電気、大事に使え」
あかり「ありがとうだよぉ!」
- 11 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:05:06.859 ID:xSFLuq6r0.net
- あかり「ちなつちゃんはやっぱりいい子だなぁ」
あかり「あかり、ちなつちゃんのこと大好きだよぉ」
あかり「わぁい!古びた電気コンロも貸してもらったよぉ!」
あかり「うーん次はあかりどうやってお仕事探すかわからないよぉ」
あかり「あかりの手元に情報が全くないよぉ」
「お困りかい」
あかり「だれっ!?」
- 12 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:07:17.528 ID:xSFLuq6r0.net
- 京子「橋の下のキョッピーとは」
京子「わたしのことだよ」
あかり「京子ちゃん!」
京子「なにかお困りのようだね」
あかり「そうだよぉ、あかりお仕事探したいけどどうしたら・・・」
京子「それならこの電話で片っ端から電話をするんだな」
あかり「電話!?こんな橋の下に電話線が通ってるの?」
京子「まぁね」
あかり「すごいよぉ!」
京子「公衆電話の電話線を引っこ抜いて拝借してるのさ」
あかり「わぁ!」
- 13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:12:16.626 ID:xSFLuq6r0.net
- 京子「なぁに掛ってくることはねぇが」
京子「掛けるだけならどうってことねぇ」
あかり「凄いよ京子ちゃん!ありがとぉ!」
京子「礼にはおよばねぇさ」
あかり「京子ちゃん・・・」
京子「・・・・・・・・・」
京子「なぁ・・・赤団子の幼馴染よ」
あかり「・・・なぁに?」
京子「人は誰かと繋がるものなんだよな・・・」
あかり「・・・それが人と人の在り方ってものだよぉ」
京子「この電話・・・私は誰かと通じたいのかもな・・・」
あかり「京子ちゃん・・・」
京子「人はみな・・・」
- 14 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:16:10.391 ID:xSFLuq6r0.net
- 人は皆
何処かで生きている
人が存在している以上その場所占有するもの、それが人
誰かと誰かが出会う時
その場所は人と人との繋がる場所になる
この世界
地球の上で存在している人は
確かにその場所にいる
だけど容易に繋がることは出来ないのは何故だろう
確かにそこにいるのに
- 15 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:17:11.716 ID:xSFLuq6r0.net
- 距離が問題?
いいや距離が近くても繋がらないのが人なのだ
何が為に人はいて
繋がろうとするのか
意思か?
大いなる自然の法則か?
それともそうあるべきと造られたのか?
何が神
人は人であって
人だから仕方ないのだ
- 16 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:18:48.922 ID:xSFLuq6r0.net
- あかり「そうであっても」
あかり「あかりと京子ちゃんは」
あかり「確かに繋がってるよ」
あかり「こんな橋の下でも」
あかり「ホームレスになっても」
あかり「あかりたちは巡り合ってお友達として繋がるんだよ」
あかり「それはきっと生まれ変わっても」
あかり「だってこんな場所であってもあかりたちはお友達として繋がったんだから」
京子「あかり・・・」
- 17 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:21:51.386 ID:xSFLuq6r0.net
- かくあれ。と
そんな言葉聞きたくはなかった
あかりちゃんたちはあかりちゃんたちの意思で
そう在ったのだ
それは何ものも否定することは出来ない事だった
あかり「すいませ〜ん、あかりというものですけどぉここのバイトにぃ〜えっ住所!?参ったなぁ〜あかり・・・」
ガチャっ!
あかり「また切れたよぉ」
あかり「すいませ〜ん、あかりというものですけどぉここのバイトにぃ〜えっ1?親御さんの許可!?それは・・・」
ガチャ
あかり「くっっっっそが!!!!!!!!!!」
- 18 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:24:17.303 ID:xSFLuq6r0.net
- あかり「全然バイト先みあたらないよぉ」
あかり「そもそも14歳の就労は非合法だよぉ」
あかり「あかり参ったなぁ」
あかり「これじゃあマネーが貯まらないよぉ」
「おっと、金の話かい?」
あかり「だれっ!?」
- 19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:27:04.142 ID:xSFLuq6r0.net
- 結衣「金の話はあたしにまかせな」
あかり「結衣ちゃん!」
結衣「おっと?シャバでの呼び名を知ってるとは生かして・・・ん?あかり?」
あかり「あかりだよぉ!」
結衣「八丁堀のあかりじゃねぇかい、どうしたんだよぉ」
あかり「金がねぇよぉ!」
結衣「・・・なぁに・・・やっぱりそう言う話でねぇか」
あかり「なにかいい話があるの?」
- 20 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:33:10.689 ID:xSFLuq6r0.net
- 結衣「簡単な話よ」
あかり「わぁ!」
結衣「ここにあるブツが入ったかばんがある」
あかり「ふんふん」
結衣「それを言われたところまで運ぶのが」
結衣「八丁堀の仕事だぜ」
- 21 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:34:30.915 ID:xSFLuq6r0.net
- あかり「それだけでいいのぉ!?」
結衣「おうよ報酬は・・・(ゴニョゴニョ)」
あかり「・・・!!!」
結衣「こんなもんでどうだい」
あかり「あかりやるよぉ!」
結衣「よし良く言った!」
あかり「わぁい!」
結衣「バイクの運転は?」
あかり「免許はないけど重機・戦車含め限定解除だよぉ」
結衣「よーし行ってこい!」
あかり「わぁい!」
ブロロロロロロロロロ・・・・
- 22 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:35:16.705 ID:fcAc8JcE0.net
- 狂気を感じる
- 23 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:35:39.189 ID:aOLb3rC3d.net
- 八丁堀が違法薬物に手を
- 24 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:38:18.419 ID:xSFLuq6r0.net
- あかりちゃんはハイウェイを駆け抜ける
どこまでも続くと思われる直線を
かっ飛ばしていく
自由がそこにはあった
自由は空気や空や過ぎ去る光の
速さの中にあった
あかりちゃんは久々に気分が高揚してくるのを感じてきた
鼻歌がこぼれる
あかりちゃんは破滅的にスピードに酔っていた
あかり「オーバーヒートするよぉ♪」
https://www.youtube.com/watch?v=xEt9Nxssc9c
- 25 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:39:15.116 ID:4jFinCEOM.net
- またお前か。待ってた
- 26 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:42:38.955 ID:xSFLuq6r0.net
- あかり「風が気持ちいいよぉ」
例えば神がいるとして
それは存在に宿らないと思う
あかりちゃんが感じているのは
風であり光であり
世界の光景そのものだった
人は人として通じるのに
神の介在などあるはずもなかった
それでも神があるとするなら
それは周囲に満ちているそれら何がしかだと
思う
あかりちゃんはそう思った
- 27 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:45:58.380 ID:xSFLuq6r0.net
- 「おぉ〜次のきたかぁ〜」
「ア〜」
そしてあかりちゃんは
酷くナチュラルな人間を相手にしていた
お脳が何かで溶けて
とてもナチュラルな
動く肉と化したなにかだった
さすがのあかりちゃんもこれには引いた
「じゃあ〜うけとったからなぁ〜〜〜」
昔読んだ絵本の魔法の国の引っこ抜かれたマンドラゴラを
あかりちゃんは思い出した
人というより植物に近い彼らは確かに
非常にナチュラルだった
なにが神
- 28 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:51:02.291 ID:4+rYaVpq0.net
- なんなんだ…
- 29 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:53:12.380 ID:xSFLuq6r0.net
- あかり「ただいまだよぉ」
結衣「おーおかえり」
あかり「ちゃんと渡してきたよぉ」
結衣「警察に追われてないのか?」
あかり「え?警察?」
結衣「あ・・・なにもないならいんだ・・・いいんだ」
- 30 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:54:13.745 ID:xSFLuq6r0.net
- あかり「そっかぁ」
結衣「はい、賃金だ」
あかり「わぁい!」
結衣「うちは雇用保険は差っ引く事になってんだ」
あかり「ええええ!詐欺だよぉ!」
結衣「しかたないさ、これも組織の方針さ」
あかり「組織?」
結衣「ああ・・いや・・・あかり急に退職したら当面の生活困るだろ?その為の保険なのさ」
あかり「わぁ!なんだかしっかりしてるねぇ」
結衣「ああ・・・もし業務中なにかあればすぐにメキシコまで逃げるのを保証されてるし悪いこたぁねぇ」
あかり「メキシコ?」
結衣「やべ・・・なんでもなねぇよ、あかり」
あかり「?」
- 31 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 21:56:00.887 ID:xSFLuq6r0.net
- 結衣「まぁ、また頼むわよ、八丁堀よ」
あかり「わぁい!あかりも是非ともまたしたいよぉ!」
結衣「ほう、そうかい」
あかり「見入りがいいしねぇ!」
結衣「あぁまた頼むよ」
あかり「やったぁ!」
結衣「それじゃあ、またな、あかり」
あかり「うん!結衣ちゃん!」
- 32 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 22:00:16.799 ID:xSFLuq6r0.net
- 金
かね
生きるために必要な紙幣
我々が我々の生活たらしめる
経済活動の源泉
根本
原動力
根幹
それら全ては
兌換する商品やサービスを保証する信頼という
複雑相互に組み込まれた仕組みで
全てを統べる価値としての圧倒的力を持つ
金が全てを統べる力を持つなら
金は神か?
あかりちゃんは夜になるとそう思い出す
- 33 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 22:02:02.686 ID:xSFLuq6r0.net
- ないものに焦がれる
恋をする様に
金について思いを巡らせる
欲しくて手に入れたくて
しかたないそのものを
考える
金は神か?
一笑にふして
あかりちゃんは寝返りを打つ
そんなもの決まっている
初めからわかっている
全てはそういうことだから
「金は神だよぉ」
- 34 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 22:02:46.358 ID:II3wXv1V0.net
- なにこれちょっとこわい
- 35 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 22:04:09.693 ID:xSFLuq6r0.net
- そういうことだから
それがあかりちゃんの答え
論拠なんてない
だけどそれが全て
あかりちゃんは
そういうものに焦がれる
そういう生活を
橋の下での路上生活を続けて
そう思う
何が
一体だれがそれを
否定できよう
あかりちゃんは・・・
- 36 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 22:07:45.540 ID:xSFLuq6r0.net
- 向日葵「だけどそうであっても」
あかり「どうしてそう言えるの?」
向日葵「決まっていないからですわ」
あかり「決まっているんだよぉ」
向日葵「それなら赤座さんは何故?」
あかり「それはあかりがここにいるからだよぉ!」
向日葵「それが唯一の答えですわ」
あかり「見解の相違だよぉ」
向日葵「無限通りの一でしかないと?」
あかり「それは酷く主観の話だよぉ」
向日葵「金が神なら客観などありはしない」
あかり「・・・!!!」
- 37 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 22:09:48.399 ID:4jFinCEOM.net
- 相変わらず素晴らしい言語センス
- 38 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 22:10:55.180 ID:xSFLuq6r0.net
- 無限に弧を描く
いつか来た場所にまた戻る
幾重にも
幾重にも
世界はそうなっている
人の思考は時代を越えて
何度でも同じ場所を辿る
この世界
果てしなく遠い惑星
――あの彼方にある海王星であっても
165年の周期を経てかつての軌跡を辿る
全ては螺旋のように進みながら
弧を描き軌跡をなぞる
- 39 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 22:15:07.790 ID:xSFLuq6r0.net
- DNAが辿る
RNAの塩基が保証する
そうして現実は螺旋のように続いている
そのように続いている
向日葵「だから踊りましょう」
あかり「そうすればあかりは良くなるの?」
向日葵「前に進めすわ」
あかり「本当に?」
向日葵「本当にの本当には本当が含まれないのですわ」
あかり「じゃああかりは何を乗せよう」
向日葵「希望で足りますわ」
あかり「わかったよぉ・・・」
あかり「櫻子ちゃんも、ちなつちゃんも、京子ちゃんも、結衣ちゃんもみんなみんな・・・」
そうしてあかりちゃんは踊り出した
- 40 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 22:18:22.691 ID:xSFLuq6r0.net
- 音楽が流れている
緩やかやで穏やかで
春の日の朝の木漏れ日の中にいるような音楽が流れる
あかりちゃんはワルツを踊る
影のようにフォローする向日葵ちゃんがいる
とっても穏やかで
まるで人のいないセーヌの岸のほとりのようだった
- 41 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 22:18:36.266 ID:xSFLuq6r0.net
- かつての栄華も全て綺麗に流す
かつての血も全て
そういうものが持ち得るからこその穏やかさ
あかりちゃんはそういうものに触れる
何かがあるから
別の何かが大切な輝きを持つ
そういうようなもの
あかりちゃんと向日葵ちゃんはワルツを舞う
花のように小鳥のように
- 42 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 22:22:15.349 ID:xSFLuq6r0.net
- あかり「あかりは此処で生きるよぉ」
向日葵「はいですわ」
あかり「でも忘れないよぉ」
向日葵「嬉しいですわ」
あかり「あかりが大切にするんだよぉ。他の皆は忘れてしまっても」
向日葵「そういうものが赤座さんが赤座さんの理由ですわ」
あかり「向日葵ちゃん、ありがとう」
向日葵「いいえ、なんでもありませんわ」
あかり「あかりは向日葵ちゃんのようになりたいな」
向日葵「きっとなれますわ」
あかり「そうなのかなぁ」
向日葵「かくあれ。などないのですわ」
- 43 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 22:29:55.128 ID:a9Ahvmhx0.net
- うすしお
- 44 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 22:33:49.466 ID:xSFLuq6r0.net
- 向日葵「だから・・・」
だから向日葵もあかりちゃんになりたいと思う
人は相互に見つめ合っているから
あかり「?」
向日葵「だから赤座さんは赤座さんのままで」
あかり「うんっ!」
向日葵「そうして赤座さんが歩いていけばいいのですわ」
あかり「ありがとう、向日葵ちゃん!」
- 45 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/04/30(木) 22:34:01.973 ID:xSFLuq6r0.net
- そうしてあかりちゃんは
向日葵ちゃんの手を離す
ワルツは途切れる
それが必要な事であると知りながら
向日葵ちゃんは途切れた切ない指先に思いを巡らせる
赤座あかりちゃんは離れていく
惑星同士が公転により位置を交錯した後徐々に距離を広げる様に
向日葵は思う
重なることがあれば再びあれば
「また、ワルツを」
おわり
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