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少年「おっちゃんが王か！」国王「教育の必要があるようだな」
- 1 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:10:09.432 ID:RrOQRiXx0.net
- ＜城＞
国王「西の山に現れたドラゴン退治……ようやく志願者がやってきたとのことだが？」
姫「よかったわね、お父様」
大臣「はっ……しかし、その志願者というのが……」
国王「なにか問題があるのか？」
大臣「……実際にご覧になられた方が早いと存じます」
国王「そうか……。では、志願者をこの謁見の間に通すがよい」
大臣「かしこまりました！」
- 2 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:11:29.686 ID:WmlfPqKB0.net
- おつ！感動したよ！次回も楽しみ！
- 3 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:15:04.934 ID:RrOQRiXx0.net
- 少年「うひゃー、おっきい部屋だなー！ オレんちよりずっとでかいや！」ｷｮﾛｷｮﾛ
国王「！」
姫「まぁ……」
国王「大臣……まさか、この少年が……！？」
大臣「はい……。ドラゴン退治の志願者、です」
少年「んん？ お、可愛い女の子がいる！ オレの好みだなぁ〜」ﾍﾍﾍ…
姫「えっ、私のこと？」
少年「それと隣にいるヒゲのおっちゃん……おっちゃんが王か！」
国王「お、おっちゃん……！？」ｷﾞｮｯ
- 4 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:16:20.478 ID:WmlfPqKB0.net
- 涙がとまんないよ
- 5 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:19:08.511 ID:RrOQRiXx0.net
- 大臣「コ、コラッ！」
少年「なんだよ、ハゲおっさん」
大臣「ハゲじゃない！ 薄毛だ！」
少年「似たようなもんじゃん」
大臣「ぐぬぬ……！」
少年「顔真っ赤だけどどうしたんだ？ 昼間から酒でも飲んでるのか？」
大臣「飲んでおらん！ 若い頃に酒で失敗して以来、酒は控えて……」
大臣「――って、そんなことはどうでもいい！ 陛下になんという口のきき方だ！」
大臣「目上に対する言葉づかいを知らんのか！？」
少年「えー？ オレいつもこんなだけど、オレの村の村長のおっちゃんは怒らないぞ？」
大臣「たかが村長と一国の王を一緒にするなぁっ！」
- 6 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:20:15.057 ID:WmlfPqKB0.net
- 長い三行で
- 7 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:21:14.599 ID:uAeYDgWfa.net
- 以下ラーメンスレ
- 8 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:21:45.780 ID:hXMmYzOKp.net
- 尊師「当職も退治してその女をダーキニーにするナリ」
- 9 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:23:31.409 ID:RrOQRiXx0.net
- 少年「なんだよ、たかがって」
少年「村長のおっちゃんはすげえいい人だぞ！ お前とちがってな！ ハゲてないし！」
大臣「だから薄毛っていえ！」
大臣「いいか、陛下はこの国で一番偉いんだ！ 村長よりもずっとな！」
少年「ふうん、よく分かんないや」
大臣「分かれぇっ！」
- 10 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:25:17.301 ID:WmlfPqKB0.net
- http://i.imgur.com/A605cYW.jpg
- 11 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:27:31.297 ID:RrOQRiXx0.net
- 姫「えぇと……なかなかユニークな方ですわね」
少年「へへっ、そうか！ 褒めてくれてありがとな、ねえちゃん！」
姫「ね、ねえちゃん……」
大臣「コラーッ！ 姫様に向かって……！」
国王「もうよい、大臣」
大臣「し、しかし……！」
国王「もうよい、といっておるのだ」
大臣「失礼しました……！」ｻｻｯ
- 12 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:31:18.582 ID:RrOQRiXx0.net
- 国王「キミ」
少年「なんだ？ おっちゃん？」
国王「年齢は？」
少年「１３だ！」
国王「なるほど、１３歳……まだまだ若気の至りで許される年頃だ」
国王「とはいえ、鉄は熱いうちに打て、という言葉もある……」
国王「教育の必要があるようだな」ｽｸｯ
大臣「へ、陛下……！？」
- 13 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:32:41.233 ID:WmlfPqKB0.net
- アフィなの？
- 14 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:36:35.596 ID:RrOQRiXx0.net
- 国王「ちなみに、キミは……どのぐらい強いのかな？」
少年「村じゃ一番強いぞ！ 山でクマやオオカミだって倒したことある！」
国王「なるほど、ドラゴン退治を志願するだけのことはある」
国王「それにそれほど強ければ、礼儀など知らなくとも十分生きていけるからな」
国王「だが、キミはすぐさま思い知ることになるだろう」
国王「世の中、上には上がいる、ということをね……」
少年「！」ｿﾞｸｿﾞｸｯ
少年（す、すげえ殺気だ……！）
- 15 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:39:41.972 ID:WmlfPqKB0.net
- もうダイレクトにブログで書いたらいいのに
- 16 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:41:06.879 ID:RrOQRiXx0.net
- 国王「カアアッ！！！」
バッ！
気合とともに、国王の衣装がはじけ飛ぶ。
王冠は砕け散り、マントは粉みじんになり、国王の全身にはブリーフだけが残った。
国王「ふぅぅぅぅぅ……」ﾌｼｭｩｩｩ…
少年「すげえ体だ……！」
少年は即座に、“岩”を連想した。
王の温和な顔の首から下には、まさしく岩石のような胴と四肢が秘められていた。
一体どれほど鍛えれば、これほどの肉を得られるのか、想像もつかない。
- 17 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:42:46.797 ID:ueJcNoo/0.net
- 本日のホモスレ
- 18 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:45:18.897 ID:RrOQRiXx0.net
- 国王「ゆくぞ」
少年「来いっ、おっちゃん！」
ギャンッ！！！
国王は猛烈な勢いで、少年に襲いかかる。
十メートル近くあった間合いは瞬く間に縮まり、国王の左拳が唸りを上げる。
国王「砕ッ！！！」
ボゴォッ！！！
少年の小さなボディに、国王の拳がめり込んだ。
- 19 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:46:55.989 ID:rTbwkRKJa.net
- 〜完〜
- 20 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:48:24.514 ID:RrOQRiXx0.net
- ズガァンッ！
少年の体は壁に叩きつけられた。
大臣「うわぁっ！ お、おいっ！ だれか、医者を――」
国王「必要ない」
大臣「し、しかし……！」
国王「あの小僧、ワシの拳の衝撃を体をひねることでわずかに逃しよった」
国王「しかも吹き飛ぶ寸前に蹴りまで……やりおる」ﾆｨｨ…
国王の頬には小さな傷がついていた。
- 21 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:51:14.977 ID:RrOQRiXx0.net
- 少年「げほっ……やるなぁ、おっちゃん！」
国王「キミこそな」
少年「もし、体をひねってなきゃ、内臓がオシャカになってたかもな」
国王「キミの蹴りもみごとだったぞ。かわしてなければ、鼻骨は粉砕されていただろう」
互いの一撃を称え合う二人。
大臣「あんな一撃絶命の攻撃をし合って、笑い合っているなんて……！」
姫「一撃絶命？ 人間、内臓や鼻がダメになっても死にはしないわよ」
- 22 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 21:57:08.976 ID:RrOQRiXx0.net
- 国王「では再開しようか……連ッ！」
少年「！」
ボッ！ ビュバババッ！ ビュオッ！ ブオンッ！
大砲にも勝る迫力の拳を、左右の腕から次々繰り出す国王。
それらを軽快なフットワークでかわす少年。
国王「いい目と足だ……。が、かわしているだけは勝てんぞォ！」
少年「分かってら！」
- 23 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:00:22.208 ID:RrOQRiXx0.net
- 少年は飛び上がると、国王の顔面に回し蹴りを浴びせた。
バキィッ！
国王「ぐ……！？」ﾖﾛｯ…
少年「まだまだあっ！」
さらに、よろめいた国王の全身にたたみかけるように打撃をぶつけていく。
ガッ！ バキィ！ ドゴッ！ ベキィ！ ドッ！
大臣「へ、陛下ぁぁぁっ！」
姫「お父様ったら……楽しんじゃって」
- 24 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:01:12.626 ID:hP79OZSbr.net
- 内臓がダメになったら死ぬのん
- 25 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:03:13.367 ID:RrOQRiXx0.net
- 少年「どうだ！ 今のは効いたろ、おっちゃん！」
国王「効いたよ」ﾆｨｯ
ドゴンッ！！！
国王のアッパーが少年の顎に突き刺さり、その小さな体をシャンデリアまで打ち上げた。
少年「いってぇ〜！」
国王「連打はよかったが、スキを作ってしまうのはいただけんな」ﾁｯﾁｯ
少年「ちぇっ……」
- 26 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:06:23.863 ID:RrOQRiXx0.net
- 国王「さて……と、そろそろ本気でやるとするか」ｺｷｯ
少年「うんっ！」ｻｯ
国王と少年の表情から、今まであった“緩み”が消える。
大臣「バカな……！ 今までの戦いは本気ではなかったのか！？」
姫「当然でしょう。せいぜい準備運動といったところね」
- 27 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:10:20.600 ID:RrOQRiXx0.net
- 国王「打ッ！！！」
ビュオンッ！
国王の正拳突き。強烈な突風が吹く。
国王「蹴ッ！！！」
グオンッ！
国王の回し蹴り。局地的な竜巻が発生する。
大臣「うひゃあああっ！ 飛ばされるぅっ！」
姫「大臣、私の後ろにいた方がいいわ」
大臣「そっ、そうしますぅ！」ｻｻｻｯ
- 28 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:12:25.248 ID:iWl8ELJO0.net
- 王が自分でドラゴン倒せばいいじゃん
- 29 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:13:43.042 ID:wGU9owbO0.net
- 姫何様だよ
- 30 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:14:50.765 ID:ZN6ZLExOd.net
- ギャグで書いてるのか真面目に書いてるのか教えてほしい
- 31 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:14:57.179 ID:RrOQRiXx0.net
- 国王「ふん……よくぞかわしたな」
少年「すげえパンチとキックだな……おっちゃん」
少年「だけど、どんなにすごいパワーでも当たらなきゃ意味がねえぞ！」
ヒュッ！
国王（消えたッ！？）
その直後、国王の右頬にヒジがめり込んだ。
メキィッ！
国王「がっ……！？」
- 32 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:18:14.893 ID:RrOQRiXx0.net
- 少年は部屋の中を縦横無尽に駆け回り、四方八方から打撃を浴びせていく。
シュタタタタッ！
少年「たあっ！」ﾋｭｯ
ドゴォ！
国王「ぐふっ……！」
少年「こっちこっち！」ﾋｭﾋｭｯ
バキィ！
国王「ぬぅぅ……！」
少年「どりゃあ！」ｼｬｯ
ボゴォ！
国王「ぐほぉ……ッ！」
- 33 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:19:30.419 ID:vrDgT48D0.net
- はやくドラゴン倒しに行けよおっちゃん
- 34 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:20:49.443 ID:ie3uKgjh0.net
- はよドラゴン倒せや
- 35 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:21:10.287 ID:CTNcBeAW0.net
- いいなあ、楽しそう
- 36 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:21:15.223 ID:gTiZ4xZ90.net
- パンツ脱いどくべき？
- 37 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:22:39.547 ID:RrOQRiXx0.net
- 国王（こ、この小僧……ッ！ なんというスピード！）ﾌﾞｵｯ
ドズッ！
国王「ぐっ……！」ﾌﾞｵﾝｯ
ドゴッ！
ガッ！
ズガッ！
国王（まるで鉄の重さを持った蜂……ワシの打撃ではとらえきれぬッ！）ﾌﾞｵﾝｯ
速さで劣る国王は一方的に攻め立てられ、みるみる打撲傷を増やしていく。
大臣「陛下が完全に翻弄されている……ッ！」
姫「ボールが通りすぎてからバットを振る打者のような醜態ね……無様だわ」
- 38 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:23:31.719 ID:NIpdTlO8p.net
- ドラゴン(通称)
- 39 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:27:50.561 ID:RrOQRiXx0.net
- 少年（――よし、完璧に背後を取った！）ｼｬｯ
少年（おっちゃんの延髄に、全体重を乗せた蹴りをブチ当ててフィニッシュだッ！）
少年が国王の後頭部めがけ、渾身の蹴りを放つが――
国王「甘い」ｷﾞｮﾛｯ
少年「！？」
ガシィッ！
少年の右足首は、国王の巨大な手によって掴まれてしまった。
- 40 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:28:43.096 ID:jJUQHNUr0.net
- つまんね
- 41 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:31:41.270 ID:Nr5nzkB2r.net
- とっととドラゴン倒しにいけよ
- 42 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:31:46.152 ID:RrOQRiXx0.net
- 少年「し、しまった……ッ！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ…
国王「小僧……チェスという遊びは知ってるかね？」
少年「し、知らないっ！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ…
国王「ならば覚えておくといい」
国王「王（キング）は全方位に対応しているのだとッッッ！」ﾌﾞｵﾝｯ
国王は少年の足首を握ったまま、その全身を床に叩きつけた。
ズガァンッ！！！
少年「ぐ、は……ッ！」ｹﾞﾎﾞｯ…
- 43 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:34:15.863 ID:WmlfPqKB0.net
- もう王様行けよ面倒臭い
- 44 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:34:53.592 ID:RrOQRiXx0.net
- 国王「先ほどの言葉を返そう」ﾆｨｨ…
国王「どんなすごいスピードでも、捕まってしまえば全く意味がない！」ﾌﾞｵｵﾝｯ
ドゴォ！！！
ズガァ！！！
ビタァン！！！
少年の体によって、床には大きなクレーターが出来上がった。
少年「が、ふっ……！」
国王「もう逃げられないよ……。キミがミンチになるまで、この攻撃は続くのだ」
- 45 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:38:14.440 ID:krgJ9U7qE.net
- 単純につまらん
- 46 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:38:29.624 ID:RrOQRiXx0.net
- 少年「逃げられないだって……？ そいつはどうかな……？」ｺｷｯ
国王「――む！？」
少年「ていっ！」ｽﾙｽﾙｯ
国王「こ、こいつ……！ 足首の関節を外して……ッ！」
ボグゥ！！！
少年の飛びヒザ蹴りが、国王の鼻に炸裂した。
国王「〜〜〜〜〜〜！！！」ﾌﾞｯｼｬｧｧｧ
少年「どうだ、おっちゃん！」
- 47 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:41:32.114 ID:RrOQRiXx0.net
- 鼻血まみれの顔面で国王が笑う。
国王「まだ王子だった頃、よくオークやミノタウロスを素手で狩ったものだが――」
国王「キミの戦力はそれら以上だ」ﾆﾀｧ…
少年も大きなダメージを受けているにもかかわらず笑顔である。
少年「おっちゃんこそ……！」ﾆｺｯ
少年「オレ、自分が世界で一番強いと思ってたけど、まだまだ世界は広いんだな！」
- 48 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:44:12.446 ID:RrOQRiXx0.net
- 国王「さぁ、いよいよこの戦いも最終章を迎える時が来たようだ」
少年「そうだな！」
国王＆少年（――決着をつけよう！！！）
姫「やめてぇぇぇっ！！！」
- 49 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:48:50.796 ID:NQHKRig00.net
- 国王という立場上、玉座を放り出して竜退治に出かけるわけには行かないのか
- 50 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:49:32.896 ID:RrOQRiXx0.net
- 国王「なんだ？ 娘よ」
姫「もうやめてよ……こんなみっともない戦い。とんだ茶番だわ」ﾌｩ…
姫「お父様、あんなチマチマした戦いで互いを褒め合ったりして、恥ずかしくないの？」
国王「なんだと？」ﾋﾟｸ…
姫「ていうか、さっきからウズウズしてて仕方ないの」ｳｽﾞｳｽﾞｯ
姫「私が本当の戦いを教えてあげるわ。どれ、二人同時にかかってきなさいな」
国王「本当の戦い？ ワハハハッ、笑わせおるわ！」
国王「元々はワシ製のオタマジャクシに過ぎない小娘ごときが、戦いを語るとはな！」
姫「――あ？」
- 51 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:50:26.982 ID:f40Ez6aRr.net
- とっととドラゴン倒せよ
- 52 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:50:52.874 ID:aUKsT+LXa.net
- ほ
- 53 ：止禁載転←：2015/11/04(水) 22:53:08.185 ID:1DLtHxZW0.net
- くぅ疲
- 54 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:54:00.183 ID:RrOQRiXx0.net
- 姫「そんなだから、お母様が呆れて実家に帰ってしまうのよ」ﾎﾞｿｯ
姫「夫婦喧嘩じゃ、いつもお母様にボコボコにされてたし……」ﾎﾞｿﾎﾞｿｯ
国王「オイ、今なんつった？」
姫「難聴かしら、お父様」ｷﾞｭﾝｯ
姫は一瞬で接近し、父である国王の右耳をつまんだ。
国王（油断……！ いつの間にこのような歩法を……ッ！）
姫「だったらこんな耳いらないわよね」
国王「キサマ……ッ！」
姫「動かないで。動くと耳たぶをちぎっちゃうわよ」ｷﾞｭ…
姫「そう、まるで日めくりカレンダーを引きちぎるようにね……」
- 55 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 22:57:13.705 ID:RrOQRiXx0.net
- 少年「お、おっちゃん！」
大臣「陛下っ！」
国王「来るな、二人とも！ これは親子の問題だ！」
姫「そうよ、これは私たち二人の問題……」
姫「さぁ、お父様、この窮地を一体どうやって乗り切るのかしら？」
国王「乗り切る必要などない。ちぎりたければ、ちぎるがよい」
姫「！」
国王「だが、耳を引きちぎった瞬間、ワシの拳はキサマの鎖骨を粉砕していることだろう」
姫「…………ッ」
- 56 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:00:06.883 ID:RrOQRiXx0.net
- 国王「…………」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ…
姫「…………」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ…
娘が耳たぶをちぎれば、父はそれによって生じる刹那のスキを確実に見逃さない。
親子の情など欠片も混ざっていない高純度な殺気をぶつけ合いながら、にらみ合う二人。
少年「おかしいよ！ 親子なのに、あんな風にいがみ合うなんてさ！」
少年「オレだって、父ちゃんや母ちゃんとはケンカしたことないのに！」
大臣「仕方ないのだよ、少年。あのお二人は元々不仲だったからな……」
- 57 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:03:37.857 ID:RrOQRiXx0.net
- 姫「鎖骨を砕かれた姫っていうのも、悪くないかもしれないわね」ﾆｺｯ
国王（指に力が入った！ 来るか……！）
姫（鎖骨の二本や三本くれてやるわ……引きちぎってやる！）ｷﾞｭｯ…
国王（やれい、娘よッ！ それが開戦の合図よ！）ｸﾞｯ…
少年（姫のねえちゃん、やる気だッ！）
大臣「あわわわ……」
緊張と殺気が極限まで高まる――！！！
- 58 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:06:40.327 ID:RrOQRiXx0.net
- ドラゴン「やめるんダッ！」ﾊﾞｧﾝｯ
部屋に飛び込んできたのは、一頭のドラゴン。
大臣「えぇぇぇぇぇ！？」
少年「西の山から下りてきたのか！？ どうして！？」
ドラゴン「ワタシに匹敵するでかい殺気が、いくつもぶつかり合ってるんダ……」
ドラゴン「なにが起きてるのか、気になるに決まってるだロ！」ｽﾞｼﾝｯ
- 59 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:06:52.205 ID:iLpfclFSa.net
- そしてぼくはもらした
〜完〜
- 60 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:09:34.937 ID:RrOQRiXx0.net
- ドラゴン「そこの二人！ 戦いをやめるんダ！」
ドラゴン「オマエたちはワタシを退治したいのだろウ！？」
ドラゴン「そのワタシが来た以上、もはや父と娘で争う意味はないハズダ！」
姫「…………」
国王「…………」
姫＆国王「引っ込んでろ、トカゲ」
ドラゴン「！！！」
- 61 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:13:13.264 ID:CTNcBeAW0.net
- ドラゴン日本語しゃべれるのかよ
- 62 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:13:28.519 ID:RrOQRiXx0.net
- 姫「ここまでエキサイトしちゃったら、もうトカゲとか関係ないのよ」
国王「うむ、トカゲはトカゲらしく、尻尾でも切ってやがれ」
ドラゴン「な、なんだトォ！ わざわざ出向いてやったのにその態度はなんダァ！？」
ドラゴン「人間とは、もっと礼儀正しい生き物ではなかったのカ！」
国王「ハァ？ トカゲに礼儀を尽くす必要などあるまい！」
姫「それに、今は戦いの最中……戦場に礼儀など邪魔なだけよ！」
姫「仮に戦場に礼儀があるとすれば、それは全力で敵を叩き潰すという礼儀だけよ！」
ドラゴン「なるほど、いいだろウ！ そっちがその気なら、こっちも暴れまくるだけダ！」
- 63 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:16:53.039 ID:RrOQRiXx0.net
- ドラゴン「いくゾ！ ちっぽけな人間ドモ！」
姫「面白くなってきたわ……なんなら私一人で全員相手にしてもいいわよ」
国王「ほざけ、小娘！ トカゲもろとも葬り去ってくれるわ！」
三者から発せられる殺気が重なり合い、彼らが囲む空間に“死の三角形”が出来上がる。
この瞬間、“死の三角形”内にいた微生物は跡形もなく全滅した。
大臣（もうオシマイだ……！ 誰にも止められん！）
大臣（この城が廃墟になるまで……いや、国が滅ぶまで、戦いは続く！）
- 64 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:17:58.039 ID:Inc9gha8a.net
- ワロタ
なんだこれ
- 65 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:19:47.006 ID:RrOQRiXx0.net
- 少年「もうやめてくれよぉっ！！！」
国王「！」
姫「！」
ドラゴン「！」
少年「オレが……悪かったんだ……」
少年「元はといえば、オレが“礼儀”できてなかったから……こんなことになったんだ」
少年「オレ、ちゃんと謝るから……。おっちゃんのことも、陛下って呼ぶから……」
少年「だから、もう……やめてくれよ……」ｸﾞｼｭｯ
- 66 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:21:34.935 ID:RrOQRiXx0.net
- 少年「ごめん……なさい……」ｸﾞｼｭｯ
国王「…………」ｷｭﾝｯ
姫「…………」ｷｭﾝｯ
ドラゴン「…………」ｷｭﾝｯ
実年齢未満の幼さを持つ純朴な少年の涙は、三人の戦意を削ぐに十分な効力を持っていた。
- 67 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:25:35.678 ID:RrOQRiXx0.net
- 国王「ワシも……大人げなかった。すまなかったな、皆の者」
姫「私こそ、ついつい王女としての気品を忘れてしまいましたわ」
ドラゴン「ワタシも……戦いを止めにきたというのに、軽率だっタ……」
少年「へへへ、これでみんな仲直りだな！」
少年「おっと、みんな仲直りですね、陛下！」
国王「よせよせ、今さら敬語を使われても逆に気持ち悪いだけだ」
国王「拳を交えた者同士に、かたっくるしい礼儀など不要よ！」ﾆﾔｯ
少年「ホントか、おっちゃん！」ﾆｶｯ
姫「私もねえちゃんでいいわよ」
ドラゴン「ワタシもドラちゃんでいいゾ」
- 68 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:27:16.075 ID:aUKsT+LXa.net
- ほ
- 69 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:28:45.140 ID:RrOQRiXx0.net
- 国王「ところでドラゴンよ、何故おぬしは西の山に現れたのだ？」
ドラゴン「西の山の紅葉があまりにもキレイでな……ついやってきてしまったのダ」
ドラゴン「お騒がせして、すまなかっタ」ﾍﾟｺﾘ…
姫「紅葉ですって？ まぁステキ！ みんなで見にいきませんこと？」
国王「それも面白いかもしれんな。よしこの五人で、パーッとやるか！」
少年「やったぁ！」
大臣「うーむ、私は……」
少年「薄毛の大臣閣下も、遠慮なさらずぜひご一緒して下さいよ！」
大臣「いや……私もハゲおっさんでいいよ」
- 70 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:31:23.367 ID:CTNcBeAW0.net
- このあと山に新たな強敵が……
- 71 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:32:08.966 ID:RrOQRiXx0.net
- ＜西の山＞
国王「みんな、ジャンジャン飲んでくれ！」
国王「今この時この場においては身分も親子も種族も関係ない！ 無礼講だ！」
少年「さすがおっちゃん！ ねえちゃんもドラちゃんもいっぱい飲もう！」
姫「もういただいてますわ」ｳﾌｯ
ドラゴン「ワタシはタルごといかせてもらおうカ」ｶﾞﾌﾞｶﾞﾌﾞ…
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……！
国王「――む！？」ｿﾞﾜｯ…
国王「な、なんだ！？ この異常な殺気は！？」
- 72 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:36:33.759 ID:RrOQRiXx0.net
- 大臣「ウ〜イ……」ﾋｯｸ
大臣「無礼講と……おっしゃいましたよね……陛下……」ｹﾞﾌｯ
少年「おっさん……どうしたんだ……！？ 目つきが……」
国王「い、いかんっ！ そういえば大臣は酒を飲むと、人も強さも変わってしまうのだ！」
国王「しかも、これまで禁酒していた分、タチの悪い酔い方をしておる！」
姫「えええっ！」
少年「すげえ圧迫感だ……！ オレたちよりずっと強いぞ！」
ドラゴン「うム……竜の帝王クラス、あるいはそれ以上かもしれン……！」
国王「ここで止めねば世界が滅ぶ！ 四人がかりでなんとしても食い止めるのだァ！」
大臣「無礼を……働かせていただきますよォォォォォ！！！」ｸﾞﾜｯ
- 73 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:40:32.042 ID:RrOQRiXx0.net
- ……
……
大臣「ぐぅぅぅぅ……ぐぅぅぅぅぅ……」ﾌｺﾞｰﾌｺﾞｰ
ようやく大いびきで寝静まった大臣と、半死半生の四人。
ドラゴン「みんな、生きてるカ……？」
姫「ええ……ど、どうにか……」
少年「お、おっちゃん……オレ、よく分かったよ……」
国王「なにが……？」
少年「礼儀って、とっても大事なんだね……」
国王「……でしょ？」
おわり
- 74 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:46:25.968 ID:Inc9gha8a.net
- いいオチだった
- 75 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:47:47.650 ID:13la2dBE0.net
- オチが
- 76 ：ゴミ処理機 ◆GOMIcBk5cM ：2015/11/04(水) 23:50:14.988 ID:f8DZcP6qM.net
- オチが素晴らしい
- 77 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:50:39.746 ID:GTYLoe710.net
- 乙
- 78 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/04(水) 23:51:40.747 ID:GD1LbGIZK.net
- ちゃんと教育できたな
- 79 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/05(木) 00:02:04.381 ID:6nNttG9zp.net
- 王国の人材豊富過ぎだろ
- 80 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/05(木) 00:13:43.479 ID:rTMkvji9H.net
- 意外と良かった
- 81 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/05(木) 00:25:20.825 ID:1yRjSvY/0.net
- ワラタ
- 82 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/11/05(木) 00:42:15.641 ID:yBFHbT/z0.net
- いいオチだった
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