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毒男の怖い話とか音楽とか雑談とか
- 44 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2016/10/27(木) 00:03:11.828 ID:lnUWv1Zi0.net ?PLT(12004)
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私の母親は驚いたことでしょう。
私は逃げるように自分の部屋まで走り、そのまま布団をかぶって頭の中に蘇ってくるイメージを消そうと、もがきました。
その日は朝まで眠れずに記憶と葛藤し、その後数週間は日常生活の合間に蘇ってくる記憶に苛まれ続けました。
なにしろ人と会っていても、いきなり頭を抱えてうめき始めるわけです。
頭がおかしくなったと思った人もいたでしょう。
「蜘蛛を食べれば、許す」
「じゃあ、蜘蛛とってくるね」
冗談かと思いきや、数分も経たぬうち戻ってくるT君のおかあさん
「廊下に巣を張ってる蜘蛛を取ろうと思ってたんだけど、すごい大きな蜘蛛がいたからそっちの方を取って来た」
「うわっ、でっかー!」
「ほーら○○君、食べなさい」
今では分かる。
T君の母親は、本気で蜘蛛を食べさせようとしたわけじゃない。
でも、彼女の目は、加虐の喜びに満ちていた。
彼女はひとしきり大きな蜘蛛を私の口のまわりになすりつけると、ひょいと窓から蜘蛛を捨て、
「おかあさんにいっちゃだめよ!」
と恐ろしい顔をして言った。そしてT君にも、
「これで○○君を許して上げなさい!」
と叱りつけた。
これが私の、蜘蛛を嫌いになった理由です。
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