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毒使い娘「キヒヒッ……王子様を毒殺しちゃえばいいのね?」
- 1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 21:25:04.019 ID:Rw4pNNws0.net
- <毒使い娘の家>
毒使い娘「ご用件は?」
大臣「我が国の王子を……毒殺して欲しい」
毒使い娘「王子様を? どして?」
大臣「王子は次期国王であり、我が娘の婚約者でもある」
毒使い娘「ふうん……だったら生かしておいた方があんたにとって都合いいんじゃないの?」
大臣「いや、私にそのような野心はないし、残念ながらあの方は王の器ではない……」
大臣「王となられても民はもちろん、本人も決して幸せにはなれない」
大臣「ならばいっそ今のうちに……と考えたのだ」
毒使い娘「よっぽどダメダメなんだねえ、その王子様」
- 41 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 22:56:39.642 ID:cu1RaDGx0.net
- >毒使い娘「キヒーッ!」
可愛く思えてきた
- 42 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 22:56:46.612 ID:LlxnAlSX0.net
- 面白い
- 43 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 22:58:48.199 ID:Rw4pNNws0.net
- ブス「基礎はこんなところねん」
毒使い娘「あんた教え方がうまいから、上達が早いよ。ブスだけど」
ブス「おだてても、なにも出ないわよん」
ブス「ところであんた、なるべく早くお城の料理人になりたいんでしょ?」
毒使い娘「うん」
ブス「だったらなにか得意料理を身につけるべきだと思うわぁん」
ブス「一ヶ月しかないんだし、あれこれやるより、一つに絞った方が効率いいしね」
毒使い娘「そうだね……考えとく」
- 44 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:02:28.495 ID:Rw4pNNws0.net
- 毒使い娘「ねえねえ」
青年「なんだい?」
毒使い娘「王子様を料理で毒殺しちゃうってことは、つまり最後の晩餐になるわけだから」
毒使い娘「王子様の好きな料理を作ってあげたいんだけど……王子様の好きな料理ってなんだろね?」
青年「ボクはキノコライスが好きだよ。お米とキノコを混ぜたやつ。亡くなった母上の得意料理さ」
毒使い娘「いや、あんたの好みじゃないって」
青年「あっ! ――そ、そうだね! ご、ごめんっ!」
毒使い娘「でもキノコライスか……いいねえ、それにしよう!」
毒蛇「オメーは毒キノコを扱うから、キノコの扱いには長けてるしな」
- 45 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:08:23.101 ID:Rw4pNNws0.net
- 青年「……君はどうして毒使いに?」
毒使い娘「ああ、あたしんち代々毒使いの家系でね」
青年「へぇ〜」
毒使い娘「子供の頃から毒の勉強や調合ばかりやらされて、一通り学び終えたから」
毒使い娘「独り立ちして城下町近くに引っ越してきたってわけ」
毒蛇「独り? オレを無視すんなよ」シャーッ
青年「アハハ」
毒使い娘「狩猟用の毒や医療用の毒なんかを作って売って、細々やってたんだけど」
毒使い娘「このたび、ようやく王子様毒殺という大役を任されたってわけよ!」
青年「君は……すごいな」
青年「まだ若いのに、他人に負けないものを持ってて、自分の力でお金を稼いで……」
青年「それにひきかえ、ボクは……全然ダメだ」
- 46 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:11:28.253 ID:Rw4pNNws0.net
- 毒使い娘「そんなことないって」
毒使い娘「あんただって、自分の足であたしんとこまで自殺しに来たじゃない」
青年「ど、どうも……」
毒使い娘「それにさ、あんたはあたしにここまで付き合ってくれてるじゃない」
毒使い娘「本当に……嬉しかったんだから」
毒使い娘「あたし、あんたが死ななくて、本当によかったと思ってるよ」
青年「!」
青年「……ありがとう」
毒使い娘「じゃ、また明日ね〜!」
青年「またね!」
- 47 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:12:20.116 ID:HguYaNckr.net
- いい感じじゃあないか
- 48 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:12:49.076 ID:SzUNnLPa0.net
- なにこの毒使いかわいくね?
- 49 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:16:56.056 ID:Rw4pNNws0.net
- <食堂>
毒使い娘(よ〜し、王子様に毒を盛るためのメニューも決まったし、頑張ろう!)
毒使い娘(これに入ってる毒薬で、王子様を死なせれば10万ゴールド……)
ブス「あら、またその変わった小瓶をいじってるのねぇん? なにが入ってるの?」
毒使い娘「ああ、これ? 毒――」
毒蛇「ふんっ!」ギュッ
毒使い娘「ぐえっ!」
毒使い娘「キヒヒ、調味料よ、調味料。料理人になった時のためのね」
ブス「ふぅ〜ん、ちょっと見せてもらってもいい?」
毒使い娘「いいけど、絶対舐めちゃダメだよ。秘伝の調味料なんだから」
ブス「そんなことしないわよぉん」
ブス「……どうもありがと。返すわ」
ブス「ところで、なんの料理に専念するか決まった?」
毒使い娘「決まった! キノコライス!」
- 50 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:20:12.495 ID:Rw4pNNws0.net
- 毒使い娘「ご飯と、キノコをま〜ぜ〜て〜」ジャッジャッジャッ
毒蛇「おおっ、いい匂いじゃん!」シャーッ
毒使い娘「でしょ〜? あたし、才能あんのかも」
毒蛇「まあ、元々手先は器用だしな」
毒使い娘「いいお嫁さんになれるかな?」
毒蛇「なれねえよ。もらってくれる奴がいねえ」
毒使い娘「ぐむう……」
- 51 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:23:11.311 ID:Rw4pNNws0.net
- 毒使い娘「さ、食べてみて!」
青年「いただきます……」モグッ
毒使い娘「――どう?」
青年「……おいしい! おいしいよ!」
毒使い娘「キヒヒヒッ、やったぁ! これなら王子様喜んでくれるかな?」
青年「うん、絶対喜んでくれると思うよ」
毒使い娘「そういってもらえると、嬉しいねえ」
毒使い娘「毒の調合もいいけどさ。料理って……楽しいね!」
青年「!」ドキッ
青年「そうだね!」
- 52 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:24:42.468 ID:oq29+xSJ0.net
- 毒使い娘「キヒーッ、自殺志願者!?」
完全に手塚キャラで再生される
- 53 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:26:20.477 ID:Rw4pNNws0.net
- 一ヶ月後――
<食堂>
ブス「あんたたち、一ヶ月間休まずサボらずよく頑張ったわねん」
ブス「約束の免状よぉん」
毒使い娘「ありがとぉ〜」
青年「ありがとうございます!」
ブス「これを持ってけば、門番にも料理人として扱ってもらえるはずよぉん」
ブス「頑張ってね、ブキミ女!」
毒使い娘「うん! 色々ありがとう、ブス!」
- 54 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:28:57.801 ID:SdVTx6mN0.net
- http://www.zsdad.youdontcare.com/16.html
- 55 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:29:28.942 ID:Rw4pNNws0.net
- 毒使い娘「よぉし、明日は二人でお城に行こうね」
青年「……いや、ボクは行けない」
毒使い娘「え?」
青年「ごめんね、ボクにも事情があって」
青年「詳しいことはいえないんだけど……」
毒使い娘「いや、いいっていいって。こっちこそ変なことに巻き込んじゃってごめんね」
青年「…………」
- 56 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:33:00.046 ID:Rw4pNNws0.net
- 毒使い娘「でもさ、もしあたしが捕まらずに無事やり遂げられたら、また一緒に遊ぼうね」
毒使い娘「あたし、あんたのこと気に入ってるしさ」
青年「……そうだね」
青年「ボクも……もしボクが普通の人だったら……君と一緒になりたかった」
毒使い娘「へ?」
青年「それじゃ……」タッタッタ…
毒使い娘「…………」
毒使い娘「あいつ……なんか変じゃなかった?」
毒蛇「そうか? いつもあのぐらいのテンションだろ」
- 57 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:37:25.289 ID:Rw4pNNws0.net
- 翌日――
<城門>
毒使い娘「ジャーン、免状よ! どうよ?」バッ
門番「おおっ、それは料理人の免状!」
門番「分かった……料理長に取り次いでやるから、ちょっと待っていろ!」
毒使い娘「気持ちいい〜……一ヶ月間、苦労したかいがあったね」
毒蛇「ま、大変なのはここからだけどな」シャー
- 58 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:41:56.370 ID:Rw4pNNws0.net
- <城の厨房>
料理長「お前が新入りか」
毒使い娘「よろしくね」
料理長「さっそくだが、今日は王子直々にリクエストがあってな」
料理長「どうしても“一番新しい料理人の料理”を食べたいそうだ」
料理長「よって、今一番新しい料理人となると、お前になってしまうのだが……やってくれるか?」
毒使い娘「やるやるぅ!」
毒使い娘「キヒヒ、いきなり大チャンスだねえ」ボソッ
毒蛇「ああ、都合よすぎて怖いくらいだ」ボソッ
- 59 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:45:08.916 ID:Rw4pNNws0.net
- 毒使い娘「ご飯とキノコをま〜ぜ〜て〜、バターとニンニクも入〜れ〜て〜」
毒使い娘「よぉく炒めて〜」ジャッジャッジャッ
毒使い娘「よっしゃ、出来上がりぃ!」
毒使い娘「あとはこいつに毒薬をふりかければ……王子様を毒殺できるけど……」
毒使い娘「…………」
毒蛇「どうした?」
毒使い娘「あのさあ」
毒蛇「うん」
毒使い娘「人を毒殺しちゃうって、もしかしてとんでもないことなのかもしれないね」
毒蛇「え、今さら!?」シャーッ
- 60 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:50:06.025 ID:Rw4pNNws0.net
- 毒使い娘「いやほら、あたしに付き合ってくれた彼も、死のうとしてたのをやめたわけじゃない?」
毒使い娘「だからさ、王子様も……死ぬことなんかないんじゃないかって」
毒使い娘「いくら王として不向きだからってさぁ、死ななきゃならないなんてことあるかなぁ?」
毒蛇「まあ……な」
毒蛇「じゃあどうする? やめるか?」シャー
毒使い娘「どうしよう……」
毒蛇「オレが決めることじゃねえ。お前が……決めろ」
毒使い娘「…………」
- 61 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:52:48.400 ID:HguYaNckr.net
- 毒蛇さんイケメン
- 62 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:55:11.914 ID:Rw4pNNws0.net
- 料理長「なにをやっている? あとはその調味料をふりかけるだけだろう?」
料理長「王子はお待ちかねだ。とっととかけてしまえ」パッパッ
毒使い娘「あっ」
料理長「これでよし。あとはメイドに持っていかせれば――」
毒使い娘「ああっ、ダメダメぇ!」
毒使い娘「これはあたしが持ってくよ!」
料理長「しかし、新入りが王子に会うなど許されることでは――」
毒使い娘「キヒーッ!!!」ギロッ
料理長「持ってって下さい!」
- 63 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:55:52.813 ID:LlxnAlSX0.net
- キヒー万能説
- 64 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:57:15.622 ID:cu1RaDGx0.net
- 眠いけど支援
- 65 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/07(水) 23:59:10.479 ID:Rw4pNNws0.net
- 毒使い娘「…………」スタスタ
毒蛇「おい……このメシ、王子のとこに持ってって……どうすんだよ?」
毒使い娘「分かんない」
毒蛇「分かんないって……まだ毒殺を実行するかしないかの決断もできてねえだろ!?」シャーッ
毒使い娘「とにかく持っていく……王子様に食べさせるかどうかは、その時また考える」
毒蛇「いきあたりばったりすぎるぜ……」
毒蛇「まあいい、最後まで付き合ってやるよ!」シャー
毒使い娘「ありがと!」
- 66 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 00:04:42.581 ID:LhYClAdw0.net
- <王子の部屋>
コンコン…
毒使い娘「失礼します。お食事をお持ちしました」ガチャッ…
王子「!」
王子「――やぁ」
毒使い娘「あ、あんた……!」
王子「参ったな、まさか君自ら運んでくるとは思わなかった」
王子「ボクの最後の晩餐を……」
- 67 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 00:09:56.114 ID:LhYClAdw0.net
- 毒使い娘「どうして……どうしてあんたがここに!?」
毒蛇「そうか……オメー、王子様だったのか」
王子「うん……そうだよ」
王子「この国の法では、ボクが生きている限り、次期国王はボクだ。辞退は許されない」
王子「だけどボクに王位を継ぐ器はない……」
王子「ならボクがこの国のためにできることはただひとつ」
王子「死んで、他の優秀な者に次の王になってもらうことなんだ……」
- 68 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 00:14:27.213 ID:LhYClAdw0.net
- 毒使い娘「ダメよ……ダメぇ」
毒使い娘「あんた、あんなに楽しそうだったじゃない……なのになんで死ぬのぉっ!」
毒使い娘「やだよ、あたしやだぁっ! あんたに死んで欲しくない!」
毒使い娘「あたし……あんたが好きだもの!」
王子「……ボクも君のことが好きだよ」
王子「だけどボクは……生きているわけにはいかない」
王子「さ、その皿をよこすんだ」
毒使い娘「ダ、ダメェェェッ!」
- 69 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 00:18:40.655 ID:LhYClAdw0.net
- 毒使い娘「これはあたしが食う!」バクッ
王子「な!?」
毒使い娘「全部……全部食ってやる!」ガツガツ
王子「なんてことを! ――すぐ吐き出すんだッ!」
毒使い娘「キヒヒ……もうダメ、飲み込んじゃったから」
王子「あああっ……!」
王子「なら……君一人死なせるものか! ボクも食べる!」ガツガツ
毒蛇「ケッ、バカどもが……元々はオレの毒だし、オレも付き合ってやるぜ!」ガツガツ
毒使い娘「ううう……あたし、あんたらと死ねるなら笑って死ねるよ……キヒッ」ムシャムシャ
王子「ボクもだよ……。人生の最期に、君たちに出会えて本当によかった……!」ムシャムシャ
ガツガツ… ムシャムシャ…
- 70 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 00:20:35.430 ID:0Lsa/1tH0.net
- なんかワロタwww
- 71 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 00:23:11.681 ID:LhYClAdw0.net
- ……
毒使い娘「……死なないね」
王子「ホントだね」
毒蛇「どういうことだ……? 毒はたしかにふりかかってたのに……」
毒使い娘「よく分かんないけど……」
毒使い娘「みんな助かってよかったぁ〜〜〜〜〜!」
王子「よかったぁ〜〜〜〜〜!」
毒蛇「よかったなぁ〜〜〜〜〜!」シャーッ
- 72 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 00:27:34.495 ID:GVg7Uf/T0.net
- ブス、お前……
- 73 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 00:27:40.822 ID:KukVQSaP0.net
- はよ
- 74 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 00:28:26.925 ID:LhYClAdw0.net
- 毒使い娘「ねえ……」
毒使い娘「本当によく分かんないけど、あたしら毒食って助かったんだからさ」
毒使い娘「もう死ぬなんてやめよ?」
毒使い娘「もう死んだようなもんだから、怖いもんなんかないでしょ?」
毒使い娘「生きようよ! でさ、やっぱり死にたくなったら、今度こそ完璧に毒殺したげるからさ!」
王子「……うん」
王子「君の料理を食べたからか、なんだか甘ったるくて清々しい気分だ」
王子「ボクはもう死んだ身……精一杯生きてみるよ」
王子「――王子として!」
- 75 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 00:33:52.426 ID:LhYClAdw0.net
- パチパチパチパチパチ…
ブス「王子様、いい顔になったわん」
王子「あなたは……!」
毒使い娘「ブスじゃん!」
毒蛇「なんでここにいんだよ!?」シャーッ
ブス「あんた、よかったわねぇ〜、好きな人を毒殺せずに済んで」
毒使い娘「キヒヒ、まあね」
毒使い娘「――って、なんであんた、毒殺のこと知ってんの!?」
毒蛇「おいブス……オメーさては、なにかやったな?」
ブス「そうよぉ〜、ブキミ女の持ってた毒薬の瓶は、ただの砂糖が入った似たデザインの瓶と」
ブス「すり替えておいたのよ!」
毒使い娘&王子「えええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
毒蛇(そうか……。一度、毒の入った瓶をこいつに渡したことがあったが、あの時か)
- 76 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 00:36:00.001 ID:h1Hk0CGOr.net
- ブス有能
- 77 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 00:39:02.258 ID:LhYClAdw0.net
- 毒蛇「オメー、最初からなにもかもお見通しだったってわけか!」
ブス「もっちろん!」
ブス「ブキミ女の正体と目的も、王子様のことも、全部分かってたわぁん」
ブス「なにも悪いことしてない王子様が毒殺されちゃうのはあまりにも不憫……」
ブス「けど、アタシじゃ王子様を立ち直らせることはできないわ」
ブス「だから……毒を扱うブキミ女ならって賭けてみたのよ。毒を以て毒を制す、ってやつね」
毒使い娘「ふうん、つまりあたしはブスの掌の上で踊らされてたわけだ」
毒使い娘「やるじゃん、ブスのくせに」ギロッ
ブス「修行が足りないわねえ、ブキミ女」ジロッ
王子「こ、怖い……!」
毒蛇「全世界でワースト2の女同士のにらみ合いだ……寒気がするぜ」シャー…
- 78 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 00:42:59.141 ID:XYBSyXPF0.net
- みたいなのどうよかと思って開いたら
- 79 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 00:44:55.258 ID:LhYClAdw0.net
- 毒使い娘「でもどうして、なにもかもお見通しだったの?」
毒使い娘「あんたの正体は王家を守る凄腕のエージェントだったってこと?」
ブス「んなわけないでしょ?」
ブス「アタシはしがない食堂のオ、ン、ナ」
ブス「だけど、パパがなに企んでるかぐらいは察しがつくわ」
王子「そうか……! 君は大臣の娘だったのか!」
ブス「イエッス!」
ブス「あ、だけど勘違いしないでねぇ〜ん。アタシはあんたらの仲を引き裂くつもりはないから」
ブス「毒が入った料理で心中できるような二人に割って入ろうとするほど野暮じゃないわん」
毒使い娘「話が分かるじゃん、ブスのくせに」キヒッ
ブス「幸せになりなさいな、ブキミ女」ムフッ
王子「二人とも、いい笑顔だ……」
毒蛇「ワースト2の女同士が仲良しになった……吐き気がするぜ」シャー…
- 80 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 00:48:18.924 ID:LhYClAdw0.net
- ブス「王子様……」
王子「は、はいっ!」
ブス「さっきもいったけど、本当にいい顔になったわ。昨日までとは別人よ」
ブス「今のあなたなら、お父様の後を継いで、立派な王になれるわ」
ブス「――ねえ、パパ?」
大臣「……うむ」
- 81 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 00:53:26.174 ID:LhYClAdw0.net
- 王子「大臣……」
大臣「殿下、申し訳ございません」
大臣「私はあなたの毒殺を企てておりました」
大臣「どうか……私に死罰をお与え下さい!」ガバッ
王子「いや……大臣が私利私欲ではなく、真に国のためボクのためを思ってやったことだというのは」
王子「ボクもよく分かっている」
王子「今回のことは忘れて、どうかこれからも国のために尽くしてほしい」
大臣「殿下……!」
王子「それに、大恩人の父君を死なせるわけにはいかないしね」チラッ
ブス「さっすが王子! 婚約者から下りたことを後悔したくなっちゃうわぁ〜ん」
王子「ア、アハハ……」
- 82 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 00:54:51.873 ID:0Lsa/1tH0.net
- お前が婚約者だったのか…
- 83 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 00:59:28.933 ID:LhYClAdw0.net
- 王子「じゃあ改めて、君に伝えたい」
毒使い娘「へ?」
王子「どうかこれからも、ボクと一緒にいて欲しい」
毒使い娘「へ……え……あの、その……」キョドキョド
毒使い娘「やっぱりさ、あたしみたいなのが王子様とくっつくなんてまずいんじゃ……」
王子「好きだ!!!」ギュッ
毒使い娘「キヒーッ!!!」
毒蛇「なんつう声出しやがる!」シャーッ
ブス「でもお似合いだわん。ちょっぴり妬けちゃうくらい」
毒蛇「これからも、あいつらの親友でいてやってくれよ」
ブス「もちろんよぉん。あの二人だけじゃ不安だしね」
毒蛇「へっ……もしオレが人間だったら、あんたに惚れてたかもしれねえな」
ブス「あらアタシ、蛇でもかまわないわよん?」ペロリ…
毒蛇「前言撤回します、ごめんなさい」
- 84 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 01:03:45.158 ID:LhYClAdw0.net
- そして――
<王の間>
王子「父上、みんな! ボクは歴代の王に負けないような立派な王になることを目指します!」
王子「ボクはもう……逃げません!!!」
ワアァァァァァ……! ワアァァァァァ……!
国王(後継ぎとはいえ、半ば見放していたのだが……いつの間にか立派になりおって)
国王(今や余に劣らぬほどの王者の風格を身につけている……!)
国王(妃よ……天国から見ててくれているか……)
- 85 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 01:09:17.273 ID:LhYClAdw0.net
- 毒使い娘「いい決意表明だったよ、かっちょよかった!」
王子「アハハ、ありがとう。どうかボクを支えて欲しい」
王子「あ、だけど毒薬の研究は続けていいからね」
毒使い娘「キヒヒ、当然よぉ。あんたが死にたくなったら、毒殺しなきゃいけないんだから」
王子「二度とあんなこと考えないよう頑張るよ」
毒使い娘「キヒヒ……どうかしらねえ?」
毒蛇「やれやれ、バカコンビがとんでもねえバカップルになっちまったぜ」シャー
後に王子は王位を継ぎ、「王国史上最も偉大な王」として語り継がれる名君となる。
そのかたわらには常に、毒蛇を首に巻き、ひきつった笑みを浮かべた王妃がいたという――
〜おわり〜
- 86 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 01:11:38.840 ID:0Lsa/1tH0.net
- 乙おつ
おもしろかった
- 87 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 01:11:53.579 ID:GVg7Uf/T0.net
- 久々に良い感じに臭いSSスレだった
- 88 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 01:13:42.410 ID:V58to0Jn0.net
- 84年前の少女たちが「今の女子高生と同じ姿」と衝撃走る(動画)
http://mgtab.hatenablog.jp/entry/2016/12/07/235512
- 89 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 01:24:26.803 ID:cIOoLEAgr.net
- キヒヒヒ乙
とてもよかった
- 90 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/08(木) 01:29:25.107 ID:wYQjFEBx0.net
- >>1乙!
またスレ立ててくれよ
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