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ガヴリール「月乃瀬ドロップアウト」
- 1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 03:53:52.497 ID:KPGtEl8S0.net
- あ、委員長久しぶり。髪切った? 似合ってるわよ。
月乃瀬さんは変わってないって……まあ、私はそういうの興味ないから。お金もないし。
え、ガヴ? ガヴだったら外の自販機までジュース買いに行ってるけど。呼ぼうか?
必要ない? わかった。そのうち戻ってくると思うから。
同窓会っていうから早めに集まると思ってたけど、そうでもないのね。
それで最近はどうなの?
へぇ、上野さんの所のお子さん産まれたんだ。名前は?
良い名前ね。委員長も口添えとかしたの? やっぱり。どことなく委員長の気配がするもん。
私? 私は……まあ、ぼちぼちってところかな。
大学卒業して……うん、夢破れて普通に働いてる。そうそう、広告代理店。
救いっていえば、ガヴが私の居場所を確保していてくれることくらいかしら。
おかえりって凄くいい言葉なんだって、大人になって気づけたぐらいだからね。
サターニャとラフィ?
二人とも家業を継いだみたい。
でも、あの味音痴のサターニャが、大評判のケーキ作るんだもの。私びっくりしちゃった。
ラフィも経営学部の経験とか生かして、浮き沈みしながら頑張ってるみたい。
忙しそうだけど、人のエグイ所を間近で見られるって嬉しそうにしていたわ。
あの性癖、本当に死ぬまで直らないのかしらね。
二人とも結構頻繁に会うけど、わりあい元気そうだから、心配はいらないと思う。
- 72 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:38:59.919 ID:KPGtEl8S0.net
- ガヴは私にないものをたくさん持っていた。
『○であるならかくあるべき』の塊であった駄天前のガヴに、悪魔なら悪逆非道であるべきに反する私は、焼けつくような憧れを抱いた。
その矢印に嫉妬の色が混ざっていないと言えば嘘になる。
ガヴが駄天したとき、やっとここまで堕ちて来てくれたという想いがあった。
同時に、彼女を助けられるのは私だけという独善的な独占欲も湧いて出た。
コツコツと貯金を積み立てるみたいな日々だった。
ガヴはだらだらと堕ちて行き、私は表面上だけ必死になってそれを食い止めるそぶりをみせた。
そんな日々は、あっという間に奇形化して、
次第に私はガヴに求められ続けることに愉悦を覚えていることに気付いた。
気付いて、無視した。
ゼルエルさんがガヴを更生しに来たとき、胸中はかなり暗い言葉で溢れていた。
視界の利かない洞窟で、頼りの松明を理不尽に取り上げられるように感じていたのだ。
私は、ガヴリールを自分のために利用していた。
それは断じて間違いではないが、もう一方の側面もあったことを、やっと理解することができた。
自覚してしまったのだから、もうタプちゃんに顔向けできない。
親愛なるヴィーネと言われたのなら、
怖いけど勇気を出して、親愛なるガヴと返そう。
- 73 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:39:39.359 ID:KPGtEl8S0.net
- 今日も学校を休むことにした。
大学は別に義務教育じゃないんだから、無断で欠席しても咎められることはない。
ただ、高い学費を払ってくれるお父さんとお母さんのことを想ったら、
良心の呵責とかそういうのが無いわけではないのだが。
ガヴから既読はすぐについた。多分一分もかからなかったと思う。
偶然スマホを見ていたのか、あるいは頻繁にチェックしていてくれたのか。
どちらかは定かではないけど、私的には後者の方が嬉しく思える。
『返信遅い』
私が数日越しに考えた内容はスパッと無視されて、
ガヴから返って来たのはそんな一言だった。
ガヴはどんな顔をして、どんな風に拗ねて、この文章を打ち込んだのだろう。
考えるだけで、身体の底から熱に似た感覚が湧き上がってきた。
早鐘を打つ胸を押さ得着けて、手の平から、自分の熱さを感じ取ろうとする。
『すごく待った。礼儀とかなっていないあたり、やっぱり悪魔だ』
私は二つの意味でニヤニヤしそうになるのを堪えながら、
若干震えている手でメッセージを入力した。
『ごめん』
『誠意が足りない。私は二週間強もまつむ』
『まつむ?』
『待った』
『打ち間違え?』
『うるさい』
- 74 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:40:23.452 ID:KPGtEl8S0.net
- 『ガヴはいまどこにいるの?』
『やっすいビジネスホテル』
『迎えに行こうか?』
『滞在費はあるからいい』
『もったいないから節約したほうがいいんじゃない?』
そこで、ラリーが少し止まった。具体的には四分前後程度だったかな。
割と気難しいあの子が機嫌を損ねてしまったかと気を揉んでいると、ふと長い英数字の羅列が送られてきた。
http/から始まっているので、なにかのURLだろう。
『なにこれ』
ガヴからの返信はない。
流石にブラクラ? とかそういう悪質なものは送ってこないだろう。いくらガヴでも。
私がサターニャだったら、まあ警戒しておいて損はないだろうが。
私は意を決してから、青く着彩されたURLに触れてみた。
画面に表示されたのは、簡素という表現を突き詰めたようなシティホテルのホームページだった。
下の方に記載されているグーグルマップを見てみれば、ここから二駅と離れていないことがわかる。
上着を羽織って、行方不明のサイフを探しながら、私は『何号室?』とだけ尋ねる。
『5-7号室』
瞬きしたら返信が来ていて、なんだか叫びたいような衝動に襲われた。
- 75 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:41:17.156 ID:KPGtEl8S0.net
- 私がホームページで睨んだ通り、ホテルの外観は薄汚れた白亜の外壁に、
コピー&ペーストで量産したような縦長の直方体だった。
そこに出入りする、年若い女性とくたびれた中年がいた。
親子か不倫かデリバリーヘルスか……いずれかの判別はつかないけど、共通して表情がそぎ落とされていた。
ジェイソンのホッケーマスクと言われても納得できてしまいそうだ。
私はそこに、数週間前の自分を見出した。
ロビーの管理は杜撰で、担当と思しき厚化粧の女は、どう考えても部外者でしかない私を見ても何も言わなかった。
それどころか目で早く行けと言っているように感じる。
見えざる壁に押し出されるようにして、私は丁度よくやって来たエレベーターに乗った。
空調が利いていないのか、やたらと暑い。
絶えず額から出てくる汗を拭くため、ポケットに手を突っ込もうとする。
だが、何回やっても上手く取り出せない。
パーキンソン病に罹患してしまったのか、手足がガクガクと震えて止まらない。
呼吸が安定しない。鼻息が荒くなったと思ったら、肺から急速に空気の塊がうちあげられる。
歯の根が嚙み合わない。
頬どころか、顔中が熱い。痛いくらいだ。
自分がどうしちゃったのか考えようとするけど、
眠たい時に本を読もうとするみたいに、思考が対象を上滑りして、上手く考えがまとまらなかった。
- 76 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:41:52.377 ID:KPGtEl8S0.net
- 5階に到着したベルと一緒に、私のなかで爆薬が炸裂した。
作りたてのロボットみたいなぎこちない動きでエレベーターを降りる。
ロビーの監視カメラには、さぞ不審な人物として映っていたことだろう。
私は意味もなくきょろきょろしながら、虱潰しに部屋番号を見て回った。
『5-7号室』が早く見つかって欲しいような、それとも永遠に探し続けていないような、微妙な気持ちだ。
五階にある部屋は全部で13部屋。思った以上に広い作りになっているのか、それとも部屋が狭いのか。
どちらでもいいが、そのぶんだけお腹の痛みに耐える時間も長引いてしまう。
『5-6号室』を見つけたとき、私はもう帰ってしまおうかとさえ思った。
新しい環境へ進むときのような、恒常化した期待と新鮮な不安とが私のなかで蜷局を撒いていて、
足を前に出すことがとても労力のいる行為に感じられたのだ。
隣の部屋だ。
『着いた』
ただ、賑やかな私の表層に反して、
驚くほど冷静にメッセージを打ち込むことができた。
『遅い』
- 77 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:42:38.110 ID:KPGtEl8S0.net
- 「どうしてヴィネットってガヴリールの世話をするの?」
放課後の教室で、ふとサターニャが聞いていた。
「あ、それは少し興味があります。
ガヴちゃんがいないから言えますけど、それなりにストレスも溜まりますよね?」
そんなラフィの言葉をタプちゃんが継ぐ。
「それは私も疑問でした。
月乃瀬先輩が全力を尽くしても、天真先輩の更生は無理だったんでしょう?
だったら、天真先輩を何とかしたいという月乃瀬先輩の目論みは失敗しているはずでは?」
言われてみればそうだ。
私にはガヴの周りを支える義理も義務もない。
それにも関わらず、どうしてこんなに甲斐甲斐しくしてあげているのだろう。
考えてもよくわからなかった。
わからなかったから、私は咄嗟に思い浮かんだ言葉を、そのまま吐き出すことにした。
「……嫌いじゃないから、かな?」
「そんなの誰だって一緒ですよ?」
「ですです」
「いえ、私は嫌いよ? だって不倶戴天の怨敵ですもの」
「もうサターニャさんは素直じゃないんですから」
「な、なによ! バカにするんじゃないわよ!
この大悪魔ともあろう者が……」
「はいはい。わかりましたわかりました」
「ムキーっ!」
バイトのガヴがさっさと帰ってしまったことを除けば、その日も教室は平和だった。
- 78 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:43:18.475 ID:KPGtEl8S0.net
- またある日、私はガヴの連絡を受けて夕飯を作りに行っていた。
私だってお金はないのに、ガヴは「ツケで」とかほざいていたので、ちょっと制裁を加えてやったりしていたかな。
その日の天気が安定しなかったのも原因かもしれない。
私が手早く作った品々を、ガヴは無表情で食べ進める。
美味しいとも不味いとも言わないが、気に入ってくれているのは、食べるスピードの速さから察することができた。
外で長く降っていた小雨が上がったようだ。
古いアパート特有の、天井を叩く音が聞こえなくなった。
「ねえガヴ、美味しい?」
「うん。不味いって言ったことないじゃん」
「それもそうね」
カチャカチャと食器と食器がぶつかる音が響く。
ガヴがPCの電源を落としているから、空調に似た駆動音も聞こえない。
私はふと、わざらしい溜め息を吐いてみた。
ガヴがちらりとこちらを向くが、すぐに目の前のピラフに戻ってしまった。
ガヴの方から、音が聞こえなくなる。
私はなんとなしにそっちの方を見る。
「……美味しいよ、ヴィーネ。いつも、助かってる」
それは笑顔というより、表情筋を無理やり吊り上げただけと言ったほうが正しかったが、れっきとしたガヴリールの笑顔だった。
- 79 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:44:01.000 ID:KPGtEl8S0.net
- 「……あ、あれ? ヴィーネ、おい、なんで泣いてるの」
珍しく慌てた様子でそんなことを言ったから、私は自分の頬に触れてみる。
そこに生ぬるい雫の感触があって、首を傾げる。
「あ、あれね。
うん、私のほうも日頃の感謝とか足りなかったと思うから、
もっと、こう頻繁に」
「違うの」
「違うって、なにが。
え、と。ともかく私がなにかしたのなら、謝るから」
ガヴが珍しく必死になっている。
そんな顔をするのはネトゲのイベントのときくらいかと思っていた。
今度は自覚できるほどの熱が目頭に集まって、ブワッと大粒が漏れ出て来た。
嗚咽もしゃくりもなにもないのに、ただ涙だけが出てくる。
頭がおかしくなったんじゃないかと疑ったけど、最近、大きく心を揺さぶられるようなことも思い当らない。
「違うの」
高校生で今よりも未熟だった私は、その時の自分を説明するための言葉が「違う」しかなかった。
だからそればかりを連呼して、ガヴを困らせることになってしまう。
「……ほら、早く食べちゃって。冷めたら、作った本人としては複雑だし」
「あ、うん。……えーと、ヴィーネ。悩みがあるなら聞くからな」
「――ありがとう」
なにが違うって、私はただただ嬉しかっただけなのだ。
ここにいてもいいよと許されて、あなたが必要だと求められて、あなたがいてくれて助かっていると感謝されて。
それはすなわち、存在の肯定に他ならなかったんだから。
- 80 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:44:37.013 ID:KPGtEl8S0.net
- 数十秒くらい、そこで立ち尽くしていたと思う。
まるで『5-7号室』の扉が私と反発する磁力を放っているかのように、前へ進むことを躊躇させていたのである。
そこにはガヴに対する様々な不安があった。
かつて抱いた不安とまるで同じそれらは、つまるところ、
私の想うガヴが消えていないかという自己中心的な猜疑心の表れだ。
サターニャとラフィと向き合って、本質が変わらない限り、それは同じ人物だということを知ったはずだ。
けれど臆病な私は、ことガヴリールに関してはそう考えることができなかった。
だけど、
いくつもの後押しをされて、私はここに立っている。
別に、自分の運命に立ち向う勇者というわけではない。
ただ、少し離れてしまった友達と再会するだけの単純な話なのだ。
どうやら、鍵はかかっていないようだった。
こういうホテルではロビーでカードキーを手渡されるのが定石だと思っていたのだが、
私がドアノブを捻ると、扉は呆気なく開いた。
不用心だと思うが、好都合でもある。
- 81 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:45:41.676 ID:KPGtEl8S0.net
- 一瞬、時間があの時まで巻き戻ったのかと錯覚した。
物が散乱した部屋に、凄い勢いで網膜を疲弊させる薄暗闇。
光源はカーテンに切り裂かれた細い光と、ガヴが操作するノートPCの明りだけ。
……もう、そんなに画面に近づいたら、目が悪くなるわよ。
そんなことを考える頃には既に、肉体は私の制御下から離れてしまっていた。
「……あのさヴィーネ。
入ってきていきなり抱き着くのはいかがなものか」
私だって自分の行動に面食らっているのだから勘弁してほしい。
「……なあヴィーネ、泣いてる所悪いけどさ、状況を鑑みたら、泣く権利があるのは私だぞ?
なんて言ったって一か月近くも放置されたんだからな?」
それは申し訳ないと思っているけど、別に私は泣いてなんかいない。
ちょっと前に急いでご飯を食べてしまったから、しゃっくりが止まらなくなっているだけだ。
なぜか喉とか胸とかが痙攣しているけど、これは断じて嗚咽なんかじゃない。
「ああもう、しゃーないなぁ」
世界がガヴだけになった気がした。
私の鼻先に、ガヴの感触が押し付けられる。
幼い子が荷物を抱きかかえるように、
ガヴは私の頭を抱擁し、
また包容してくれた。
頭上から、私を月乃瀬から解き放すような福音が降ってくる。
「……ほら、ヴィーネ。泣いていいよ」
私は悪魔なのに。
私はこんなにも勝手だったのに。
それにも関わらず一つ余さず許されてしまったのなら、
もうどんな顔をしてガヴに向き合えばいいのかわからなくなる。
優しい香りと、柔らかなガヴの全てを間近で感じる。
それだけで、残酷なほど、ガヴはガヴのままでいてくれたことが伝わってきた。
だめだ。
そう思っても後の祭り。
既に私のなかでは、何かが決壊してしまっていた。
- 82 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:46:14.138 ID:KPGtEl8S0.net
- どれくらいの間、私はガヴに受け止めてもらっていたのだろう。
暴力的な感情の渦を吐き出して、吐き出して、吐き出して。
それでもまだまだ尽きない欲求の嵐に、私は抗うことができなかった。
背骨を圧し折ってしまいかねない強さでガヴを抱きしめ返して、原子一つぶんでいいから空いている距離を埋めようとした。肉体がもどかしかった。
ガヴは――たぶん苦笑していたのだろう――「痛いよ」なんて言いながらも、私が全身でもたれかかるのを抗おうとしなかった。
もう私は火の元の近くにある火薬庫みたいな有様だった。
ガヴに頭を撫でられるたびにまた涙があふれて、
ガヴの両手の力が少し強まるたび、
心の中の器たちが充溢していくのを感じる。
それは自尊心であり、自己肯定欲求であり、ガヴリールの傍にいられるという単純明快な喜びでもあった。
- 83 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:46:51.047 ID:KPGtEl8S0.net
- まだお昼を食べていないというガヴのため、取り敢えずデリバリーのピザでも頼むことにした。
自分一人が食べるんじゃ居心地が悪いというガヴの説得に折れた私も、とりあえずシーザーサラダを注文しておいた。
後でメニュー画面を見たらグラタンなんかもあったらしくて、少し後悔した。
届くまでの間、私は取り敢えずガヴの部屋を片付けることにする。
いくらなんでも脱いだ後の下着やら靴下やらが散らばっているのは、女の子以前に人としてどうかと思う。
ホテルの部屋にはご丁寧なことに洗濯機まで設置されていたので、100円を投入してから、かき集めた布の塊を放り込んだ。
「……ガヴ、流石に片付けなさいって」
「ヴィーネにしてもらう予定だったんだよ。大幅に遅れちゃったけど」
私は返事をする気力を失った。
だけど、そうやって頼りにしてもらうことは嬉しい。
電車で席を譲ってもらった気分になる。
洗濯が終わった私は、なんとなしにガヴのPCを覗いてみた。
いつもの通りゲームキャラクターが派手なエフェクトを撒き散らしているのかと踏んでいたが、
映し出されていたのは無味乾燥とした文字の羅列だった。
- 84 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:47:26.348 ID:KPGtEl8S0.net
- 「……なにこれ。ゲームってこんなになっちゃったの?」
それとも、ストラテジーってジャンルなのかな。
ガヴは頭上にはてなマークを浮かべる私を横目で見て、あからさまな溜め息を吐くと、
「あのさ、高校卒業してゲームばっかりしてたら、それニートじゃん。
こう見えても私は社会人の一人なの。性格に言えば社会天使だけど」
それもそうだ。
っていうか、画面を見れば『魔界』とか『天界』とか書いてある。
「これは……なにしてるの?」
「ほら、魔界と天界の行き来って手続きいるじゃん。
それと、こっちでいうパスポートの発行も必要になってるんだ。
で、私はその手続きを行ってる。
パスポートセンターと検問所、それと入国審査所が合体した感じ」
「へぇ……」
そういうことは寡聞にして知らなかった。
「じゃあガヴはこの仕事に携わる資格の勉強を」
「ギリギリ滑り込めたって感じだね。二点足りなかったら切られてた。
で、ゼルエル姉さんにいろいろ斡旋してもらって、取り敢えず簡単な仕事を何件か回してもらったってところかな」
ガヴの指先は軽快にキーボードの上で踊っている。
カタカタという小気味のいい足音が、耳に染み入って、まるで実家にいるような安心感を私にもたらす。
「……資格試験、すごく難しかったんじゃないの?」
「まあ、最低でも司法試験と同レベルだよね。
私が天使学校主席じゃなかったら即死だった」
- 85 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:48:12.816 ID:KPGtEl8S0.net
- あっけらかんとそう言ってのけたので、却って現実味が重くのしかかってくる。
手紙によればゲーム機類はおろか、スマホさえ没収されていたという。
地上で液晶に囲まれることが常態化していたガヴにとって、
それらを奪われることは臓器の一部を切り取られるに等しい苦痛だったに違いない。
断腸の思いとか、そんな感じ。
あのガヴがそこまでしてでも取りたかった資格に興味が出てくるのは、あたりまえと言えた。
「どうしてガヴは、この仕事をやりたいって思ったの?」
私が質問した瞬間、耳当たりの良い音が止まった。
ガヴはすっかり顔を背けてしまって、こっちを見ようともしない。
その耳がなんだか赤くなっているような気がするのは、私の見間違いだろうか。
「……特例でさ、魔界と天界を自由に行き来できるようになるんだよ。
もちろん下界も」
絞り出すような声だった。
ガヴの耳の赤みは更に増して、その表情を正面から見ることができないのが本当に悔やまれる。
だがそれ以上に私は喜びを感じていた。
自分の周辺だけ春が訪れたかのような、随喜とまで言ってしまってもいい喜びだ。
「なに笑ってるんだ」
「笑ってないわよ?」
ガヴはどこか不服そうな顔つきで唇を噛んでいた。
そんな表情の一つ一つに、私はたまらない近さを感じていた。
- 86 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:48:47.885 ID:KPGtEl8S0.net
- 「……聞かないの?」
「え?」
これでもうこの話は終わりだと思っていたから、流石に面食らってしまう。
こっちを見たガヴは、心なしか赤くなった顔で軽くねめつけてきて、
「なんで、私がそんなもののために頑張ったのか」
「……ネトゲのため?」
「違う」
これは馬鹿げた会話だった。
たぶんだけど、私もガヴもとうに答えなんてわかりきっているはずなのに、どちらも自分の感情と真正面から向き合うことができていないだけ。
要約してしまえば、素直じゃない二人が焦れ合っているに過ぎない。
でも私は、格好つけるのは似合わないと、好きなことをやれと、負けるなと言われた。
それに、怖いけど踏み出すと決意した。
月乃瀬から解き放たれた今の私は、ヴィーネとして存在しているんだ。
「ねえ、もしかして」
「うん」
「私の、ため?」
「……」
答えはなかった。
私の服の袖がぎゅっとつままれ、
その手は私の手に降りて行って、
指の間にガヴの指が差し込まれて、
接着剤でくっつけたみたいに、強く握りしめられた。
- 87 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:49:17.912 ID:KPGtEl8S0.net
- 「……ガヴは、いつまでホテルで暮らすつもりだったの?」
「流石にもう少ししたら、不動産にでも行こうかって考えてた」
「どうして、待ってくれていたの?」
「……だって、タイミングが合わなかったらもうしわけないだろ」
ああ、いつかの自分もそんなこと言っていた。
「新しい家に呼べばよかったんじゃない?」
「……うるさいな」
「ねえ、どうしてガヴは、待っていてくれたの?」
質問を重ねるたびに、一年という時間が溶けていくような気がした。
ガヴが墜ちてきたのか、私が追いついたのか、もうこの際どうだっていい。
「……ヴィーネは。
待っていてくれるって言ってくれて、私がどんだけ嬉しくて、救われたのか。
きっとわからないだろうな」
「え?」
私はそんなことを言った記憶はない。
なにか勘違いをしているのではないか。
そんな胸中が面に出ていたのか、ガヴはまるで馬鹿をみるかのような目をして、本当に大きく嘆息する。
「卒業式の日。私が決意表明した日だよ」
「……あ」
それは本当に些細なやり取りで、ともすれば記憶から零れ落ちてしまっていてもなんらおかしくない言葉のはずだった。
けれどガヴは、いいや、それでもガヴは、そこにあった私の答えを縁にしていてくれていた。
- 88 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:50:01.815 ID:KPGtEl8S0.net
- 視界をピンク一色に染め上げんばかりの桜が想起された。
私にとってあの日とは、ガヴを引き止めることに失敗した悔やむべき忌日だったけど、
図らずも本懐を果たすことができていたわけだ。
「私は、正直なところ、自信がなかった。
自分の普段の態度を鑑みれば、
そうまでして繋ぎ止められる存在じゃないって考えていた」
奇しくもその悩みは、どこかの誰かととても似ていた。
「だから、せめてダメ元で言ってみた。待っていてくれるかって。
たぶんヴィーネは、話を合わせていてくれるだろうって睨んでたけどね」
だから、ガヴがぽつぽつと露わにする自分の患部の、
そこに苔むした微熱のような痛みを、
自分のものであるかのように感じられる。
痛みを共有できるという事実を受けて、
ジッとしていられない感覚が湧き上がってきた。
「……でも、ヴィーネは本心から私のお願いを聞いてくれた。
仕方ないなって、私の世話を焼いてくれたみたいに」
ガヴの声に少し涙の響きが加わり始めた。
だから、繋いだ手にもう一方の手を重ねた。
「……うん、つくづく駄目な天使だよな、私。
だって、そのとき、私は悪魔に救われたんだから」
その上から、更に手が乗せられた。
「駄天したとき、やってしまったって思った。
やけっぱちになっていた部分もあったんだよ、確実に。
だから私は自分を守るためには、飽きつつあるネトゲを続けるしかなかった。
ガヴリールという人物が行うであろう行動をとり続けて、お前らを必死になって囲っていた」
ガヴは不器用に、自嘲するような笑顔を作って、
「私はきっと、ヴィーネに依存していたんだ」
- 89 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:50:36.840 ID:KPGtEl8S0.net
- 私にとってガヴリールとは、居場所だったのかもしれない。
もちろん、サターニャやラフィ、タプちゃんだってとても大切で代え難い存在だ。
もしも彼女らを脅かす存在がいたとしたら、
私は全精力でそれを退ける手助けをするだろうと誓うことができるほどに。
けれど、私のなかの相関図で、ガヴだけは少し外れたところにいた。
それがどういう意味を有するのか、今の私はしっかりと理解することができる。
「……私は、ヴィーネが離れて行ってしまうことが怖かった」
少し、ガヴの顔がこちらに近づいた。
瞳に涙を溜めて、薄い唇は何かを堰き止めながら震えている。
いつ見ても、人形のような整った顔立ちだった。
「いつだってヴィーネは私の世話を焼いてくれた。
私にとってそれは、駄目になった自分がここにいてもいいっていう赦しだった」
菫色の瞳が、水面に映る夜空のように揺らいでいる。
じっと見つめていると、吸い込まれてしまいそうだと本気で思えてしまう。
「……目的と手段が入れ替わるのは、すぐだったんだ」
繋がりが一端解かれて、するすると、私の顔まで伸びてくる。
両頬で感じるガヴの手のひらは、まだ繋がりの余熱を宿していた。
「ねえガヴ。親愛なるって……どういう意味か知ってる?」
私も負けじと顔を寄せると、
息がかかるほどの距離まで迫って、ガヴの瞳が少し見開かれる。
頭も心臓も痛くてたまらないのに、
超常の力に固定されてしまったかのように、
そこから離れることができなかった。
- 90 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:50:56.988 ID:KPGtEl8S0.net
- 「し、知らない」
「知らないで、手紙に使ったんだ」
「格式上だろ、そんなもの」
「でもね。意味、知っておいたほうがいいわよね」
「……うん」
私も、ガヴの顔に両手を添えた。
私とガヴ以外の全てが停止していて、
夜も朝も全て木端微塵に破壊されてしまっていて、
そんなポエマーなことを考えてしまう。
さっきまでのかまびすしい心臓の音も、
荒すぎる呼吸も、全てが何処かへ消え去ってしまっていた。
「大ざっぱに言えば」
だから、ずっと秘めていた言葉さえもが、ゆるりと舌を滑って伝えることができた。
「――愛しているってこと」
自分のなかの枷が千切れ飛ぶ音が、遠雷のように聞こえて、
全てを忘れて私たちはつながっていた。
唇を中心に、お互いを不可視の手錠で拘束し合うように。
- 91 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:51:16.854 ID:KPGtEl8S0.net
- 知性と心のある生き物は、たとえどんなに頑強であろうが、一人で生きていくことは叶わない。
自分の瞳だけでは、自らを見ることができないからだ。
だから私たちは、自分の代用として、心という概念よりわかりやすいものを用意する。
それは過去の栄光だったり、厳然たる成果物だったり、華々しい賞賛だったり。
そういったものに依存して、私は私を認識できる。
極論、それは物である必要はない。
家族を守ることに生きがいを見出した父親や、子を育てることを存在意義とする母親。
あるいは大好きな人といることを幸せに感じる者のように、幸福の基準を他人に委ねることだってあるのだ。
きっとそれは共依存。
けれど、暖かく充実した共依存だ。
私は自分じゃ月乃瀬しか見ることができない。
だから私にはガヴが必要だった。
- 92 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:51:29.654 ID:KPGtEl8S0.net
- サタニキア『大学ダルイ><』
ラフィエル『元気だしていきましょう』
タプリス『大学って疲れるんですか?』
サタニキア『疲れるのは人間関係よ天使』
タプリス『私たちにも人間関係って言葉は当てはまるんですかね?』
ガヴリール『割とどうでもいい』
ヴィネット『大学ダルイ><』
ガヴリール『元気だしていけ』
タプリス『月乃瀬先輩がぐれました。これも胡桃沢先輩のせいです』
サタニキア『悪魔としては正しい成長だと思う』
ラフィエル『じゃあサターニャさんは退化していますね』
サタニキア『ガヴリールが羨ましい。在宅ワーカーとか卑怯よ』
ガヴリール『あぁ? 勉強漬けの一年を送るか貴様?』
サタニキア『ごめんなさあ』
ラフィエル『弱いですサターニャさん。しかも打ち間違えてます』
ヴィネット『そういうわけで一日頑張って行きましょう! 青天! 素晴らしい朝!』
タプリス『躁鬱ですか月乃瀬先輩』
ガヴリール『いつものヴィーネ』
- 93 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:51:41.999 ID:KPGtEl8S0.net
- ラフィエルが画像を送信しました。
ラフィエル『忘れていた気がしたので』
サタニキア『よくやったわ』
ガヴリール『さすラフィ』
タプリス『胡桃沢先輩変な顔』
サタニキア『ヴィネットが半泣きだからそっちを見て欲しい』
ヴィネット『やめろ』
ラフィエル『可愛いですよ』
ガヴリール『可愛いぞ』
ヴィネット『はいはい、もう登校しましょう! 溶けだしそうな青! 健やかな朝!』
タプリス『可愛いです月乃瀬先輩』
サタニキア『かわいい』
ヴィネット『もういい大学休む』
ガヴリール『休みすぎて単位落としそうって言ってたじゃん』
ヴィネット『(´・ω・`)』
ガヴリール『wwwww』
タプリス『白羽先輩、wってなんですか?』
ラフィエル『タプちゃんは知らなくていいです』
- 94 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:51:55.048 ID:KPGtEl8S0.net
- 旗色が悪くなったので、すごすごと退散する。
ラフィから送られてきた画像は、まあ保存しておくけど。
「ヴィーネ、もう八時回ってるけど大丈夫なの?」
「へ? あ、ヤバい」
「走れヴィーネ。邪知暴虐の時間に負けるな」
ガヴは寝転がってPCと向き合いながら、そんな無責任なことを言った。
靴を履いて、鞄を背負い直して、私は玄関のドアを開ける。
月明かりよりも強い、眩しい輝きが、私の部屋に差し込んだ。
背中に視線を感じ、振り返る。
ガヴが、いつものやる気も気力もない笑みを浮かべていた。
「行ってらっしゃい」
「うん。行ってきます」
逃した鳥が、籠の中に戻って来てくれた。
私はそんなことを考えながら、新しい待ち受け画像を見る。
そこに映っている、前に進んだという事実を、
私はやっと肯定することができた。
- 95 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:52:20.889 ID:KPGtEl8S0.net
- えーと、ごめん。要約したつもりだったけど、結局長々と話しちゃったわね。
時間潰しになったかしら? ああ、それならよかった。
あ、そろそろガヴも戻ってくるって。
ジュース買ってきてくれるみたいだけど、委員長もなにか飲みたい物ある?
ジンジャーエールね。わかった。
ガヴの故郷ってそんなに遠いのかって?
そうね、まあ私たちの名前を見ればわかると思うけど、出身って日本じゃないし。
容易に行き来できるような場所じゃないのは確かね。
……この話は止めにしましょうか。私と委員長の身の安全のためにも。
え? 私が変な風に映った写真を見せて欲しい?
もう流石に消したわよ。自分の変顔を見るのって、かなり精神が削られるのよ?
なんで消したのかって……。
この間、また新しい写真を撮ったんだから。
END
- 96 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:53:18.005 ID:KPGtEl8S0.net
- 共依存ガヴィーネが書きたかっただけなんだ
許してくれ
- 97 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 04:53:42.561 ID:2/KO2E7z0.net
- 乙
文章力?すごいな
面白かったずっと張り付いて読んでた
- 98 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 05:06:00.383 ID:r7dRUpLqM.net
- 乙
- 99 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 05:09:19.998 ID:fi/URpYj0.net
- >>96
してやるよ
そのかわりオナニーして
- 100 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 05:10:02.082 ID:pMPX329J0.net
- 乙
もう眠いから明日読むわ
- 101 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 05:12:50.499 ID:4gkCw6il0.net
- 少ししか読んでないけど湊かなえっぽい
- 102 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 05:44:40.952 ID:PYfYD0jZd.net
- 乙
久しぶりの大作すごく良かった
- 103 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 06:00:02.773 ID:LL2g9gGy0.net
- あ
- 104 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 06:00:40.071 ID:hgx5Y8my0.net
- 乙杯(^^♪乙杯(^^♪
http://i.imgur.com/8drprzn.png
- 105 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 06:22:57.228 ID:LL2g9gGy0.net
- 乙
- 106 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 07:13:53.488 ID:hRjozQN9S.net
- 頭出しくらいしとけよ無能
- 107 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 07:25:06.776 ID:Xb6DNvA1p.net
- いいぞ
- 108 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 07:55:44.206 ID:RZEO/rELa.net
- えらいこっちゃ
- 109 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 08:39:08.940 ID:9B2LQinXd.net
- 面白かった
自分も小説調で書いてる途中だったからちょっと悔しい
- 110 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 08:53:12.125 ID:h+KzmOe30.net
- 身につまされるけどこういうのは好きだ
- 111 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 09:39:29.144 ID:i1NgwTDG6.net
- 幸せな気持ちになった
- 112 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 10:26:47.600 ID:cYG0UGV40.net
- (´・ω・`)
- 113 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 10:27:52.396 ID:mJcIyKAJ0.net
- 素晴らしい、夢中で読んでしまった
- 114 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 10:47:28.384 ID:nKhY09cea.net
- なんでVIPにいるのかわからないって本当そう思うわ
そういう系の仕事の人か
- 115 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 12:38:15.484 ID:StTMnua+d.net
- 乙
- 116 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 14:38:33.726 ID:biNsudSF0.net
- ツマラン
- 117 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 16:38:33.291 ID:ICTHBv0r0.net
- がんばろう
- 118 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 17:26:13.904 ID:8zMO0vAe0.net
- >>116-117
ジャスト2時間スレ落ち回避
- 119 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 19:04:12.489 ID:folm417yS.net
- 一人称視点と心の声が混同してるな
- 120 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 19:05:42.151 ID:USbMLOBtM.net
- もはやこいつしか書いてないでろガブリールSS
そろそろ終わりやな
- 121 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/19(金) 20:40:05.569 ID:LL2g9gGy0.net
- まだあった
総レス数 121
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