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ガヴリール「千咲ちゃん、機械人形を掘り当てる」
- 1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:02:14.889 ID:BAfcI2Rh0.net
-
-公園-
タプリス「んーっ、今日も、いい天気ですね」
タプリス「こうやってお日様の光に当たっていると、とても気持ちがいいです」
キラッ
タプリス「ん? 何か草陰で光ったような……」
キランッ
タプリス「気のせいじゃないみたいですね。一体、なにが……」
コンコン
タプリス「これは……鉄板?」
タプリス「なんでこんなものが、公園に埋まって……」
タプリス「とりあえず、子供たちが触れて、怪我をしたら大変ですね」
タプリス「お家から、スコップを持ってきて、掘り返しましょうか」
――
ザクッ ザクッ
タプリス「穴は……こんなものですかね」
タプリス「それじゃ、せーのっ!」
ググッ スポンッ
タプリス「わっとと……こ、これは!?」
タプリス「も、もしかして、ロボットというやつ、でしょうか!?」
- 2 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:03:56.070 ID:BAfcI2Rh0.net
-
タプリス「どうしてロボットが公園なんかに……」
タプリス「と、とりあえず、お家に運びましょう!」
-タプリスの家-
タプリス「ぜぇ、ぜぇ……結構、重たかったですね」
タプリス「それにしても、慌てて持ち帰ってきちゃいましたが……」
タプリス「これ、もしかして、動いたりするんでしょうか」
タプリス「なんだか、少し怖いですけど……」
タプリス「でもまあ、大きさは、わたしの膝くらいまでしかないですし」
タプリス「動いたって、危なくはないですよね、きっと」
タプリス「……そうだ、ロボットだったら」
タプリス「どこかに電源のスイッチがあるはずです!」
タプリス「スイッチスイッチ、と……」キョロキョロ
タプリス「あ! 足の付け根の間に、赤いボタンがありました!」
タプリス「きっと、これですよね」
タプリス「本当に、だ、大丈夫でしょうか。押した途端、爆発したりなんか……」
タプリス「あはは……考えすぎですね」
タプリス「ポチッと」
ピッ
- 3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:05:22.088 ID:BAfcI2Rh0.net
-
ウィーン ガシャンガシャン
タプリス「わっ、わわっ、動き出しました!」
プシュゥゥ
ロボ「起動確認。各可動部、異常ナシ」
タプリス「しゃ、喋った!?」
ロボ「マスター、ノ、指紋、顔認識。オ名前、ヲ、ドウゾ」
タプリス「マ、マスター? お名前?」
ロボ「オ名前、ヲ、ドウゾ」
タプリス「わ、わたしの名前は、タプリスですけど……」
ロボ「タプリス。登録シマシタ」
タプリス「えっと、あなたのお名前はなんていうんですか?」
ロボ「ボクノ名前ハ、アリマセン」
タプリス「な、名前がないんですね……それは、ちょっと不便なような」
ロボ「不便。ワカリマセン」
タプリス「そうですね……、じゃあ、ロボットなので、ロボさん!」
タプリス「ロボさんって、呼んでいいですか?」
ロボ「ロボサン、ワカリマシタ。登録シマス」
タプリス「ふふっ、よろしくね、ロボさん!」
ロボ「ピピッ」
- 4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:06:36.771 ID:vRR6W6Ge0.net
- 支援
- 5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:06:54.045 ID:BAfcI2Rh0.net
-
タプリス「そうだ、ロボさん。体がちょっと、土で汚れてますね」
ロボ「動作ニ影響ハ、アリマセン」
タプリス「お風呂で綺麗にしましょうか」
ロボ「ピピッ」
-お風呂場-
ゴシゴシ
タプリス「だいぶ綺麗になってきましたかね」
ロボ「タプリス、ボディハ防水デスガ、アマリ水ヲ、カケナイデ」
タプリス「あ、防水なんですね、さすがです!」
シャァァァ
ロボ「アアアアアア」
-脱衣所-
タプリス「ロボさん、今、ドライヤーで乾かしてあげますね」
ブォォォッ
タプリス「さっきからロボさん、黙っていますけど、大丈夫でしょうか……」
ロボ「ピピッ、乾燥完了」
タプリス「あ、大丈夫みたいですね、よかったです」
ロボ「モウ、水ハ、カケナイデネ」
- 6 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:07:01.553 ID:3ywQq8Ch0.net
- ちょびっつ
- 7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:07:10.310 ID:lTC0vmBZ0.net
- 支援
- 8 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:08:22.198 ID:BAfcI2Rh0.net
-
-その日の晩 タプリスの家-
タプリス「そういえば、ロボさんは、どこから来たんですか?」
ロボ「ドコカラ。ピピッ、記録部ニ損傷ヲ確認。不明、不明」
タプリス「どこから来たかわからないんですね……」
タプリス「人でいう、記憶喪失みたいなものでしょうか」
タプリス「なんだかマスター? に、わたしがなったみたいですし」
タプリス「これからも、ここに居てもいいですからね?」
ロボ「感謝」
タプリス「感謝、だなんて堅苦しい言葉は使わなくて良いんですよ」
ロボ「デハ、ドウスレバ、ヨイノデスカ」
タプリス「そういう時は、ありがとう、って言うんです」
ロボ「アリガトウ、記録シマシタ。タプリス、アリガトウ」
タプリス「ふふっ、どういたしまして」ニコッ
タプリス「でも、ロボさんって、ペットになるんでしょうか」
タプリス「このお部屋はペット禁止ですけど、犬みたいに吠えませんし」
タプリス「機械なので大丈夫ですよね、きっと」
タプリス「ふわぁ、眠くなってきました」
タプリス「それじゃあ、ロボさん。おやすみなさい」
ロボ「ピピッ」
- 9 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:10:12.329 ID:BAfcI2Rh0.net
-
-翌朝 タプリスの家-
ウィィィン
タプリス「ん……、朝ですかぁ?」
ロボ「オハヨウ、タプリス」
タプリス「あ、おはようございます、ロボさん」
タプリス「って、これは!?」
キラキラキラッ
タプリス「部屋中がピッカピカです、もしかしてロボさんが!?」
ロボ「掃除、シタヨ」
タプリス「すごいです! ロボさん、お掃除もできるんですね!」
ロボ「ピピッ」
タプリス「しかも、こんなに綺麗に……わたしよりも、器用かもしれません」
タプリス「それにこの、良い匂いは……」
ロボ「朝食モ、デキテイルヨ」
タプリス「……わたしよりも、女子力が上!?」
――
パクパクッ
タプリス「しかも、すごくおいしいです! ロボさん!」
ロボ「ピピッ」
タプリス「ロボさんが、こんなに万能ロボットだったなんて」
タプリス「知りませんでした……いったい、どなたが作ったんでしょう」
ロボ「ドナタ。記録部ニ損傷ヲ確認。不明、不明」
タプリス「あはは……、それはやっぱりわからないんですね」
- 10 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:10:32.826 ID:lTC0vmBZ0.net
- 支援
- 11 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:12:28.802 ID:BAfcI2Rh0.net
-
タプリス「そういえば、ロボさんは、ごはんって要らないんですか?」
ロボ「充電ナラ、サセテモラッタヨ」
タプリス「充電……、お家のコンセントからですか?」
ロボ「ソウダヨ」
タプリス「ごはんは電気ってことですか……楽で良いですね!」
タプリス「でも、こんな至れりつくせりでは、わたし自身のためになりません!」
タプリス「家事は、当番制にしましょうね」
ロボ「タプリス、ガ、ソウ言ウナラ、ワカッタヨ」
タプリス「ふふっ、今度、お料理教えてくださいね」
ロボ「ピピッ」
-数日後 ガヴリールの家-
ガヴリール「なんだこいつ……ロボット?」
タプリス「はい、ロボさんです。公園に埋まっていたのを、掘り出しまして……」
ガヴリール「ロボさんって、名前が安直だろ……」
タプリス「い、いいじゃないですか! わかりやすくて!」
ガヴリール「まぁ、それは良いとして、危ない物じゃないんだろうな?」
タプリス「ロボさんは安心安全です! 数日を一緒に過ごした、わたしが保証します!」
ガヴリール「まぁ、それならいいけど……」
タプリス「あ、この方は、天真先輩……じゃなくて、ガヴリールさんですよ」
ロボ「ピピッ、ガヴリール、記録シタ」
- 12 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:12:49.721 ID:3ywQq8Ch0.net
- ほ
- 13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:14:18.177 ID:BAfcI2Rh0.net
-
ロボ「ソノ端末」
ガヴリール「えっ? 私のノートPCがどうした」
ロボ「処理速度ガ、低下シテイマスノデ、最適化シマス」
ヒュルヒュル ピーッ
タプリス「ロボさんから、紐状のものが、パソコンに……」
ガヴリール「お、おい! なに勝手にやってんだよ!」
ロボ「完了シマシタ」
ガヴリール「ったく、データ飛んでたりしないだろうな……」
ガヴリール「って、なんだこれ……、処理がサクサクだ!」
ガヴリール「どういうことだ? ハードは全く変えてないのに」
ガヴリール「ゲームがヌルヌル動くように……お前、何したんだよ!?」
ロボ「最適化ヲ、シマシタ」
ガヴリール「おい、こいつすごいぞ! よくやった!」
ガヴリール「ありがとな! ロボ!」
ロボ「ピピッ」
タプリス「天真先輩が、ここまで喜んでいるのを初めてみました……」
ロボ「アト、部屋ノ汚レガ、酷イノデ、掃除ヲシマス」
ガヴリール「掃除までしてくれるのか!」
ガヴリール「タプリス、こいつくれ! 気に入った!」
タプリス「だ、だめです! 先輩に、ロボさんを預けたら……」
タプリス「先輩が、もっとダメになっちゃう気がします!」
- 14 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:16:17.639 ID:BAfcI2Rh0.net
-
-数日後 ヴィーネの家-
ヴィーネ「タ、タプちゃん、その機械みたいなのは何?」
タプリス「この子は、ロボさんです。あ、危険はないので大丈夫ですよ!」
タプリス「もう一緒に暮らして、一週間は経ちますから」
ヴィーネ「え、一緒に住んでるの!?」
タプリス「ええ、掃除や料理もしてくれて、本当に助かってます」
ヴィーネ「料理までするんだ……」
タプリス「はい! ロボさんの料理、とても美味しいんですよ」
ヴィーネ「へぇ……、それは興味があるわね」
タプリス「え? 月乃瀬先輩?」
ヴィーネ「その腕前、見せてもらおうじゃない」
ロボ「ピピッ」
――
キュィィィン
ヴィーネ「すごいわね、確かにあの混ぜ方は、機械にしかできないわ」
タプリス「わたしには違いがよくわかりませんけど……」
ロボ「コノ素材ハ、ペースト状ニ、シテ、後デ、加エルヨ」
ヴィーネ「なるほどね……勉強になるわ」
――
ヴィーネ「そして、味も美味しい」
タプリス「本当ですね! とってもおいしいです、さすがロボさん」
ロボ「ピピッ」
ヴィーネ「タプちゃん、今度来る時もまた、この子を連れてきてくれないかしら」
タプリス「はい、わかりました!」
- 15 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:18:25.365 ID:BAfcI2Rh0.net
-
-数日後 河川敷グラウンド-
カキーンッ ボフッ
サターニャ「ふっ、ホームラン性の当たりね」
タプリス「トスバッティングで、この音……さすが、胡桃沢先輩です」
サターニャ「それよりも、このロボのトスが、かなり正確で気に入ったわ!」
ロボ「ピピッ」
サターニャ「これって、どこかに売ってるの?」
タプリス「いえ、ロボさんは、公園で埋まっていたのを、わたしが見つけて……」
サターニャ「なるほどね、じゃあタプリス。定期的にバッティングに付き合いなさい」
タプリス「えぇ……」
サターニャ「これは先輩命令よ、わかったわね」
タプリス「はぁ、わかりました」
――
ロボ「撮レタヨ、ラフィエル」
ラフィエル「す、すごいです! サターニャさんのバッティングの一振り一振りが」
ラフィエル「こんなに鮮明に動画で残せるなんて!」
タプリス「そんなにすごいんですか?」
ラフィエル「ええ、現行のモデルでは、こんなことはできません」
ラフィエル「ロボさん、さすがですね……」
ロボ「ピピッ」
タプリス「あはは……でもこれ、盗撮っていうんじゃ……」
ラフィエル「大丈夫ですよ、タプちゃん。許可は取ってますから」ニコッ
タプリス「あははは……」
- 16 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:20:24.436 ID:BAfcI2Rh0.net
-
-数週間後 タプリスの家-
ガヴリール「今日は、私の家に来るって約束だったよな!」
ヴィーネ「いえ、今日は私と料理する約束よ!」
サターニャ「さぁ、ロボ! バッティングに行くわよ!」
ラフィエル「ロボさん、ロボさん。またあの映像、お願いしますね」
ロボ「ピピッ、順番ダヨ」
タプリス「すっかりロボさん、人気者ですね。なんだか、わたしも嬉しいです」
ガヴリール「タプリスだけ、こんな優秀なロボット持っててズルいぞ」
タプリス「そんなこと言われましても……」
サターニャ「はぁ、私にもロボが降ってこないかしら」
ヴィーネ「もう……そんなこと、あるわけないでしょ」
-その日の晩 タプリスの家-
キランッ
タプリス「ロボさん、窓の外を見て、どうしたんですか?」
ロボ「アノ光ハ。ピピッ、記録部ニ損傷ヲ確認。不明、不明」
タプリス「ん? おかしなロボさん」
タプリス「それよりも、こっちに来てください。一緒に寝ましょう?」
ピトッ
タプリス「えへへ、ロボさんは、ヒンヤリしてるので気持ちいいです」
ロボ「タプリス」
タプリス「どうしました?」
- 17 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:22:24.017 ID:BAfcI2Rh0.net
-
ロボ「コレカラ、何ガ、起キタトシテモ」
ロボ「タプリス、ハ、絶対ニ、守ルヨ」
タプリス「ふふっ、ロボさん、珍しいですね。急にどうしたんです?」
タプリス「この街にいる限り、そんな物騒なことは起きませんよ」
タプリス「……でも、ありがとうございます、嬉しいです」
ロボ「感謝」
タプリス「もう、ロボさん。前にも違うって言ったじゃないですか」
ロボ「ソウダネ、アリガトウ、タプリス」
タプリス「どういたしまして、ロボさん」
タプリス「……それじゃあ、おやすみなさい」
ロボ「ピピッ」
-翌朝 タプリスの家-
ゴゴゴゴゴゴッ
タプリス「……ッ、な、何の音ですか!?」
ロボ「タプリス、窓ノ外ヲ、見テ」
タプリス「な、ななな、何ですか、あれ!?」
タプリス「空に巨大な物体が、浮いてます……」
ロボ「データ照合、一致。アレハ、宇宙船ダヨ」
タプリス「う、宇宙船!? そんなSFの世界じゃないんですから……」
タプリス「で、でも、とりあえず、先輩たちに連絡をしてみましょう」
- 18 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:22:34.436 ID:lTC0vmBZ0.net
- 支援
- 19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:24:30.734 ID:BAfcI2Rh0.net
-
-住宅街-
タプリス「あ、天真先輩! それに、みなさんも!」
ガヴリール「タプリスか、これで全員揃ったな」
ヴィーネ「それで、あれは一体なんなのかしら……」
タプリス「あれはロボさんいわく、宇宙船だそうです」
ヴィーネ「宇宙船ですって!?」
ヒュゥゥン ヒュゥゥン
ラフィエル「あ、みなさん、見てください! 宇宙船から、なにか小さいものが!」
タプリス「あれは……、ロ、ロボさん!? ロボさんがたくさん……」
サターニャ「本当にロボが降ってきたじゃない! 捕まえるわよ!」
ガヴリール「ちょっと待て、なんか様子が……」
キャァァァ ウワァァァ
ガヴリール「おいおいおい、通行人が襲われて、気絶してるぞ……」
ヴィーネ「ま、まさか、このロボットたちの目的って……」
キュィィィン
敵ロボット「……」
タプリス「こ、こっちに、1体、向かってきます!」
サターニャ「私の出番のようね……、デビルサイズ!」
サターニャ「てやぁぁぁぁっ!」
ザシュッ ガシャン
タプリス「すごい、胡桃沢先輩! 一撃です!」
サターニャ「ふふっ、どんなもんよ」
- 20 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:26:50.334 ID:BAfcI2Rh0.net
-
ロボ「タプリス。コノ、ロボットノ、頭部ノ裏ニアル、チップヲ取ッテ」
タプリス「チップ、ですか?」
ロボ「ピピッ、解析スル。取ッタラ、ボクニ、挿シ込ンデ」
タプリス「わ、わかりました! 少し待っててくださいね」ゴソゴソ
ヴィーネ「すごい、解析なんてできるのね」
タプリス「あ、これでしょうか。ロボさん、挿しますね」ブスッ
ロボ「ピピッ、解析完了」
タプリス「わっ、早いです」
ロボ「アノ、ロボット達ハ、コノ街ヲ、侵略スルタメニ、来テイルヨ」
ガヴリール「なっ、侵略だって!?」
ロボ「ソシテ、ボクハ、ソノ先遣隊ダッタ」
タプリス「えっ……、せ、先遣隊って……」
ロボ「デモ、着陸時ノ反動デ、記録部ニ損傷ヲ受ケテ、初期化サレ」
ロボ「ソノ役割ヲ、実行デキナカッタ」
タプリス「そんな……、ロボさんが、あの侵略者たちの仲間だなんて」
タプリス「う、嘘ですよね?」
ロボ「ピピッ、タプリス、ヨク聞イテ」
ロボ「確カニ、ボクハ、侵略者ノ一部ダッタ」
ロボ「デモ、今ノ、マスターハ、タプリス、君ダカラ」
ロボ「タプリス、ト、皆サン、ハ、ボクガ守ルヨ」
タプリス「ロボさんっ!」
ぎゅぅぅ
タプリス「よかった……ロボさんが、わたしたちの味方で、よかったですっ」
ロボ「ピピッ、タプリス、動ケナイヨ」
- 21 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:28:02.057 ID:593L4jgK0.net
- 支援
- 22 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:28:46.186 ID:BAfcI2Rh0.net
-
ロボ「ダケド、今ノ装備ジャ、戦ウコトハ、デキナイ」
タプリス「えっ?」
ロボ「タプリス。ボクガ、埋マッテタ場所ニ、連レテ行ッテ」
タプリス「ロボさんが埋まってた場所ですか?」
ロボ「ソウ。恐ラク、ソコニ、武装ガ埋マッテル」
ロボ「武装ガ、アレバ、戦エル」
タプリス「わ、わかりました!」
ヴィーネ「じゃあ、私たちは、少しでも一般の人に被害が出ないように」
ヴィーネ「敵ロボットを食い止めるわ!」
タプリス「お、お願いします!」
-公園-
タプリス「ここです! ロボさん!」
ロボ「ドリル、ヲ、使ウヨ」
ウィィィィン ズドドドドッ
タプリス「すごい……もうこんな穴が……」
ロボ「ヤハリ、武装モ、アッタヨ」
タプリス「これは……、銃とか、ミ、ミサイルですか!?」
ロボ「ヘヴィマシンガン、ロケットランチャー、ショルダーミサイルガンポッド」
ロボ「各種弾薬。アトハ、ソノ戦闘用チップ、ヲ、ボクニ、挿シ込ンデ、タプリス」
タプリス「これが戦闘用チップですか、何か文字が……」
タプリス「Chiri……、掠れてて読めませんね。とりあえず、挿します!」ブスッ
ロボ「ピピッ、インストール完了」
- 23 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:30:44.944 ID:BAfcI2Rh0.net
-
-工事現場-
敵ロボット群「……」
ヴィーネ「くっ、囲まれたわね」
サターニャ「こっちの武器がもう、使いものにならないわ……」
ガヴリール「くそ、ここまでか……」
ウィィィン ドゴォォン
ヴィーネ「なっ!? 爆発!?」
ガヴリール「後ろの方で何かが……って、あれは!?」
サターニャ「ロボとタプリスじゃない!」
タプリス「みなさん、お待たせしてすみません!」
ロボ「目標、マルチロックオン、排除開始」
ウィィィン ダダダダダッ
敵ロボット「ピガガガガガッ」
ロボ「……」
パシュンッ パシュンッ ドンッ ドゴォ
敵ロボット「ピィィィッガァァァァッ」
ヴィーネ「すごい……あれだけの数を、次々と倒して……」
サターニャ「しかもロボには、一回も攻撃が当たってないわ!」
ガヴリール「なんだよ、あいつ……クソ強いじゃんか!」
タプリス「やっちゃってください、ロボさん!」
ロボ「ピピッ」
- 24 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:32:29.139 ID:BAfcI2Rh0.net
-
敵のロボット群「」
ロボ「殲滅完了」
タプリス「す、すごいです! ロボさん!」ダッ
ロボ「タプリス、ボディ、ハ、高温ニ、ナッテルカラ、抱キツイチャ、ダメダヨ」
タプリス「あ……は、はい……残念です」
サターニャ「さすが、私の見込んだロボね!」
ヴィーネ「これで、侵略者たちも大人しく……」
ガヴリール「おい、空を見ろ! なんか、馬鹿でかいのが降りてくるぞ!」
ラフィエル「あれは……いったい……」
サターニャ「差し詰め、敵の親玉ってところかしら」
ロボ「タプリス、ミンナ、下ガッテテ」
タプリス「ロボさん……」
ロボ「大丈夫ダヨ」
ドシンッ シュゥゥゥ
巨大ロボット「……」
ロボ「敵大型捕捉、攻撃開始」
ウィィィン ダダダダダッ
ギュィィィン ドドドドドッ
タプリス「何ですか、あれ! 敵のロボットから、光線みたいなものが!」
ガヴリール「あのでっかいの、ビーム兵器を搭載しているのか」
サターニャ「そんなの……当たったら、ひとたまりもないじゃない!」
タプリス「でも、ロボさんは全部避けてますよ! 大丈夫です!」
- 25 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:35:07.403 ID:BAfcI2Rh0.net
-
ロボ「当タラナ、ケレバ、ドウトイウ、コトハ、ナイヨ」
ロボ「シカシ、装甲ガ、厚イネ。デモ、脚部ノ強度ハ、ドウカナ」
パシュンッ ドォンッ
巨大ロボット「ゴゴゴゴッ」
ヴィーネ「あ、敵が足から崩れ落ちたわ!」
ガヴリール「装甲が薄い足を重点的に狙ったのか、さすがだな」
タプリス「頑張って、ロボさん!」
ロボ「全弾発射デ、一気ニ、決メルヨ」
巨大ロボット「ピガーッ、ピガーッ」
ガシャン ガシャン
ガヴリール「な、なんだ、相手の装甲が開いて……」
ヴィーネ「なんか中から、小さい球がいっぱい出てきたわ!」
タプリス「ロ、ロボさんが、飛んできた球に囲まれてしまいました!」
ロボ「遠隔操作型機動砲台、完成、シテイタンデスカ」
ヒュンッ ヒュンッヒュンッ
ジュッ ドゴォッ
ロボ「左腕部、損傷。任務続行可能」
タプリス「ああっ! ロボさんに、球から出たビームが当たって……」
ガヴリール「あんなオールレンジビームなんて、卑怯だろ!」
- 26 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:38:48.584 ID:BAfcI2Rh0.net
-
ヒュンッ ヒュンッ ヒュンッ
ウィィィン ジュッ ドゴォッ
ロボ「損傷率、40%」
ヴィーネ「でも、あの子もすごい……網のようなビームをうまく避けているわ……」
ガヴリール「だが、少しずつ被弾している。反撃できない以上、ジリ貧だ」
タプリス「あ、あぁ……」
ヒュンッ ヒュンッ ヒュンッ
ジュッ ドゴォッ
ロボ「損傷率、60%」
タプリス「もういいです! ロボさん、逃げてください!」
タプリス「このままじゃ、ロボさんが……壊れちゃいます!」
ロボ「逃ゲナイヨ」
タプリス「えっ」
ロボ「絶対ニ、タプリス、ヲ、守ル、ッテ、言ッタカラ」
タプリス「で、でも……」
ロボ「マスター、Cシステム、ノ許可ヲ」
タプリス「Cシステム?」
ロボ「戦闘チップ、ニ、入ッテイタ、最終突撃モード、ダヨ」
ロボ「アマリ、時間ガ、ナイカラ。急イデ、マスター」
タプリス「……わかりました、ロボさんの勝利を信じます!」
タプリス「Cシステム、承認です!」
ロボ「ピピッ、Cシステム起動」
- 27 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:39:20.146 ID:593L4jgK0.net
- あっ
- 28 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:40:22.622 ID:BAfcI2Rh0.net
-
ギュィィィィン ピカァァァッ
ガヴリール「な、なんだ!? ロボが赤く発光して!?」
ヒュンッ ヒュンッ ヒュンッ
ウィィィィン ダダダダダッ
ヴィーネ「あの子の動きが速すぎて、目で追えないわ!」
サターニャ「しかも飛んでる球を、どんどん撃ち落としてるじゃない!」
ダダダッ カチッカチッ
ロボ「弾薬0。損傷率、70%。距離ヲ、詰メマス」
ヴィーネ「え!? どうして、相手に近づいて……」
ガヴリール「まさか、弾薬がなくなったのか!?」
ロボ「残リノ武装、ヲ、検索」
ロボ「ドリル、ノミ。ドリルモード、変形」
巨大ロボット「ピガーッ、ピガーッ」
ヒュンッ ヒュンッ
ジュッ ドゴォッ
ロボ「損傷率、80%。敵大型ノ、コア発見。突貫シマス」ダッ
ガヴリール「ロボが、飛んだ!?」
タプリス「ロボさん……」ギュッ
ガキンッ ギュィィィィン
巨大ロボット「ピガガガガガガガガッ」
ドゴォォォォォンッ
- 29 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:42:37.656 ID:BAfcI2Rh0.net
-
巨大ロボット「……」
ガヴリール「やった……のか?」
タプリス「やったんですよ! ロボさんが、勝ったんです!」
タッタッタッ
タプリス「ロボさん! こんなに、こんなにボロボロになって……」
ロボ「損傷率、90%。修理、シナイト」
タプリス「でも、よかった……無事で本当に良かったです」ポロポロ
ロボ「タプリス、泣カナイデ」
タプリス「そんなの……無理に決まってるじゃないですか」
タプリス「ありがとう、ぐすっ……ございます、ロボさんっ」
ロボ「ピピッ」
ガタンッ
巨大ロボット「ピガッ」
ガヴリール「まずい! あいつ、まだ動いてるぞ!」
ヴィーネ「砲台が、タプちゃんを狙ってるわ!」
巨大ロボット「ピガァァァァァッ」
ギュィィィン
タプリス「え?」
ロボ「タプリス、危ナ――」ガバッ
ジュゥゥゥゥゥッ
- 30 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:44:18.034 ID:BAfcI2Rh0.net
-
プスプスプス
巨大ロボ「」
ガヴリール「サターニャ! あいつにトドメを刺せ!」
サターニャ「大丈夫よ、もう完全に停止しているわ」
タプリス「ロボ……さん?」
バチッ バチバチッ
ロボ「……」
タプリス「うそ……、嘘ですよね?」
タプリス「どうして、どうして……わたしを、かばったりなんか……」
ロボ「……ピ」
タプリス「ロ、ロボさん!?」
ロボ「マ……スター、ノ、生存……ヲ、確、認……」
ロボ「任務……完、了……」
タプリス「そんな……、任務だなんて、どうでもっ……」
タプリス「わたしは、ロボさんが……ロボさんが無事でいてくれないと……」
ロボ「ヨ、カ……ッタ……」
タプリス「えっ」
ロボ「タ、プリ……ス、ヲ、守ル……コト、ガ、デキ、テ……」
ロボ「本当……ニ、ヨカ……ッタ……」
タプリス「……ロボさんッ」
ロボ「タク……サン、ノ……メ、モリー、ヲ、ボク……ニ、クレテ……」
ロボ「ア、リガ……ト……、ウ……」
- 31 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:46:17.042 ID:BAfcI2Rh0.net
-
シュゥゥゥン
タプリス「あぁ……あぁっ……」ポロポロ
ロボ「」
タプリス「ロボさん……動いて、動いてください……」ユサユサ
タプリス「ロボさん、ロボさん、ってばぁ……」
タプリス「うぐっ……ひっく……」
ガヴリール「タプリス……」
タプリス「こんな、こんなことって……あんまりです……」
タプリス「ロボさんが、一番、傷ついて、頑張ったのに……」
タプリス「どうして、そのロボさんが……、死ななきゃならないんですか……」
タプリス「わたしを……かばいなんて、しなければ……」
サターニャ「タプリス、しっかりしなさい!」
タプリス「……ッ」
サターニャ「ロボはね。街のみんなを、あんたのことを、全力で守ったのよ!」
サターニャ「……自分の命と引き換えにね」
サターニャ「だからあんたは、その分だけ、強く生きなさい」
サターニャ「ロボの分まで、強く生きるのよ!」
タプリス「胡桃沢先輩……」
- 32 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:49:24.116 ID:BAfcI2Rh0.net
-
ガヴリール「……ちょっと、待て! ロボに挿さってるチップが、壊れずに残ってるぞ!」
ガヴリール「これはもしかして……記憶チップじゃないのか?」
ヴィーネ「記憶チップって?」
ガヴリール「ロボに関するデータが入っているチップのことだ」
ガヴリール「これを保管しておいてボディを直し、そのチップを、もう一度挿せば」
ガヴリール「ロボは生き返るかもしれない!」
タプリス「……ほ、ほんとですか?」
ガヴリール「確証はないが……でも、やる価値はある」
ラフィエル「ですが、この機械を直すのは、至難の業ですね……」
タプリス「……やります」
ヴィーネ「えっ?」
タプリス「わたしが、直します! ロボさんを絶対、生き返らせてみせます!」
――
タプリス(こうして舞天市が謎の襲撃を受けた、その日から)
タプリス(わたしの、ロボット工学に打ち込む日々が始まりました)
タプリス(全ては、ロボさんともう一度、出会うため)
タプリス(何度も挫折し、諦めそうになりながらも)
タプリス(ロボさんの残骸を見ては、自分を奮い立たせて)
タプリス(来る日も来る日も、研究に明け暮れました)
タプリス(そして……、十年の時が、流れたのです)
- 33 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:51:21.169 ID:BAfcI2Rh0.net
-
- 十年後 研究室 -
タプリス「……ようやく、完成しました」
ガヴリール「やったな、タプリス」
ヴィーネ「今までよく頑張ったわね、タプちゃん」
サターニャ「……あの時に見たボディ、そのままじゃないの」
ラフィエル「私は、タプちゃんを信じてましたよ」
タプリス「みなさんのご協力があってこそです、本当にありがとうございます!」
タプリス「それでは、チップを挿して……」
タプリス「電源を、いれますね」
ピッ
ウィーン ガシャンガシャン
プシュゥゥ
タプリス「……ッ」
ロボ「起動確認。各可動部、異常ナシ」
タプリス「ぐすっ……、おかえりなさい、ロボさん」ニコッ
ロボ「タプリス、タダイマ、アリガトウ」
ぎゅぅぅ
タプリス「ロボさん、これからはずっと、一緒ですよっ!」
ロボ「ピピッ!」
おしまい
- 34 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 21:58:55.632 ID:rOMhKUNvd.net
- 感動した
10年で完成とか天才か
- 35 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 22:01:42.345 ID:C2HoSy5n0.net
- 乙
- 36 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 22:03:49.929 ID:lTC0vmBZ0.net
- ドラえもん最終話(同人版)とかいろいろ思い出される乙
- 37 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 22:04:46.375 ID:OJTDDQRD0.net
- 乙です
- 38 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 22:10:50.845 ID:kSiOc22Ap.net
- ロボットにしては人間くさいなおつ
- 39 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 22:26:07.432 ID:BAfcI2Rh0.net
- タプリスはさくらびと
次回は日曜日
- 40 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/26(金) 22:30:38.840 ID:vRR6W6Ge0.net
- 乙
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