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喪黒福造「心のスキマをお埋めいたします」 ドラえもん「させない」

1 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 20:30:52.34 ID:A0Hi88a4Y
喪黒「私の名は喪黒福造、人呼んで笑ゥせぇるすまん」

喪黒「ただのセールスマンじゃございません」

喪黒「私の取り扱う品物は心……人間のココロでございます」


喪黒「この世は老いも若きも男も女も、心の寂しい人ばかり」

喪黒「そんな皆さんの心のスキマをお埋めいたします」

喪黒「いいえ、お金は一銭も頂きません」

喪黒「お客様が満足されたら、それがなによりの報酬でございます」

喪黒「さて、今日のお客様は……」


【野比 のび太(9) 大学生】
【源 静香(10) 大学生】
【骨川 スネ夫(9) 大学生】
【剛田 武(10) 大学生】
【出木杉 英才(10) 大学生】


オーッホッホッホッホ……

2 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 20:35:30.38 ID:A0Hi88a4Y
ドラえもん「みんな、くれぐれも見かけが小学生になっていることを忘れないでくれよ」

のび太「当然だよ。僕達だってもう大学生。うっかりバレるようなことはしないよ」

骨川「一番言っちゃいそうな人が言ってるよ」

剛田「ほんとになwハハハ」

源「みんないつになっても変わってないわね」

出来杉「じゃあそろそろ始めようか。22世紀の大悪党"喪黒福造"を捕まえる作戦を」

3 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 20:38:32.11 ID:A0Hi88a4Y
〜6月1日〜
出来杉「確認するよ。今日の15時ごろ、喪黒がのび太くんに接触してくる。のび太くんはそこであえて喪黒の罠に引っかかるんだよ」

のび太「うん。まかしておいて」

剛田「俺としずかちゃんでドラえもんを護衛。出来杉とスネ夫がのび太の見張りだろ?」

出来杉「そうだね」

4 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 20:43:45.40 ID:A0Hi88a4Y
のび太「はあ…」

のび太(しまった、人にあたってしまった)

喪黒「大丈夫ですか?随分頭から当たりましたけど」

のび太「すみません」

喪黒「いえいえ、大丈夫ですよ。小学生なのにしっかりしてますねえ」

のび太「ありがとうございます…」

喪黒「見たところ何か悩んでいたように見えましたがどうかされましたか?」

のび太「いえ、ちょっとテストの点数が悪かっただけで」

喪黒「ちょっと?0点がちょっととは随分変わった感性をお持ちですね」

5 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 20:52:35.33 ID:A0Hi88a4Y
のび太「どうしてテストのことを!?」

喪黒「実はわたしはセールスマンをやっておりまして。野比 のび太さん。あなたのことを少しばかり調べさせていただきましたよ」

のび太「つまり僕に何か売りつけようってことなんですね!いくら馬鹿でも騙されませんよ!」

喪黒「いえいえ、私はあくまでボランティアで、お金は一切いただきません」

のび太(うさんくさいなあ…)

喪黒「ここにコンピューターペンシルというものがあります。これをお使いになられると何も考えずとも満点の解答が書けますよ。」

喪黒「もちろん、お代は一切いただきません」

のび太「まあ、ただでくれるっていうなら」

喪黒「ほーほっほっほ 上手く活用してください」

6 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 20:54:58.11 ID:A0Hi88a4Y
ここから戦略系と戦闘系の2分岐があります。どちらがいいですか?
21:00まで多数決取ります

7 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 21:05:13.54 ID:A0Hi88a4Y
無票だったため乱雑なアクションssに切り替えます

8 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 21:06:49.31 ID:A0Hi88a4Y
喪黒「おかしい。未来予測機で確認した未来とのび太の行動に幾つもの差が生じている。俺の正体を何者かに気が付かれたな」

ドラえもん「危険感知器が反応している。喪黒のやつ、僕達の作戦に気がついたぞ」

喪黒・ドラえもん「秘密道具戦争だ!」

9 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 21:08:59.79 ID:A0Hi88a4Y
喪黒「無敵砲台設置。人間製造機、フエールミラーで分身を製造。それぞれが電光丸を装備。魔法辞典に数々の魔法を登録」

ドラえもん「みんな。これがスペアポケット。それから全員に空気砲と空気ピストル。石ころ帽子に透明マントを配っておくよ」

10 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 21:12:46.62 ID:A0Hi88a4Y
喪黒「ドーンドーンドーン!私に石ころ帽子や透明マントは効かない」

剛田「やべえ、アイツ俺達の位置がわかってるぞ」

スネ夫「ひゃー無敵砲台も打ってきあがる」

しずか「あの人の言ってる"ドーン"も魔法みたいよ!」


のび太「当たれ!空気砲!ゲラメソプンピストル!空気ピストル!ショックガン!」ドドドド

出来杉「喰らえ!黄金バット!チャンピオングローブ!けんかマシンセット!」

11 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 21:15:26.31 ID:A0Hi88a4Y
喪黒「私の分身が…消える!?」

喪黒「だがこっちも反撃だ。怯えているお前たちよ!ドーン!」

剛田「やべえ、こいつらみんなかーちゃんだ。こわいよお。俺もう戦えないよ」

スネ夫「ママー もうやだよ僕こいつらと戦うんじゃなくてジェット機かなんかでパリでもイギリスでも、なんならアメリカにでも逃げたいよ」

しずか「もういやよ。私は誰かを消すような戦いをしたくない。家にこもって絵を描いたりバイオリンを弾いて、お風呂に入っていればそれで満足なの。もうやめて!」

出来杉・のび太「まずいよ。みんなどうかしちゃった」

12 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 21:20:01.42 ID:A0Hi88a4Y
喪黒「のび太さん。出来杉さん。あなた達にもコンプレックスがあるでしょう!これを受けてみなさい!ドーン!」

(回想)
のび太「僕がいなければ…ドラえもんはどうなっていたんだろう」

のび太「ドラえもんはせっかくセワシくんの世話のために買われたのに、僕なんかのところに来て…
もし僕がいなければもっと楽しい人生を送っていたんじゃないだろうか…」

〜中1〜
のび太「やっぱり中学生になっても勉強ができないよ〜僕より下の人なんて一人もいないんだから」

ドラえもん「頑張ってみろよ!僕だって勉強の知識はインプットされてないけど、前のテスト期間に勉強して理解できただろ?」

のび太「そりゃあドラえもんはロボットだもん。反則じゃない」

ドラえもん「そんなことないよ。前にも言ったじゃない。僕は世話をする相手の年齢相当しか勉強できないようになってるんだ。僕は普通だよ」

のび太「そんなあ〜人間にはない才能だよ」

13 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 21:28:12.53 ID:A0Hi88a4Y
〜中2〜
のび太「僕はドラえもんを真似て生きていくことにするよ。考え方も生活スタイルも」

ドラえもん「勝手にしなよ。でも僕は特別なことをなにもしていないよ」

だがのび太はドラえもんの真似をし、中3になるころには大きく成長していた。

14 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 21:28:51.90 ID:A0Hi88a4Y
〜中3〜
ドラえもん「それでねー」

のび太「誰と通話してるの?」

ドラえもん「ドラミだよ。どっか行ってて」

のび太「僕も混ぜてよ」

ドラえもん「それはできないね。君の悪口を言ってるんだから」

のび太「そんな…」スタスタ

ドラえもん「それでねーあんな奴に負ける様になったら終わりだと思うんだ」

だがのび太はそれをバネにしたかのように、更に伸び続けドラえもんをもろともしない頭脳を手に入れ、
出来過ぎに次ぐ2番手となった

のび太「ついに中学校卒業だよ」

ドラえもん「おめでとう。突然だけれど僕も未来にかえらなければいけない」

のび太「どうしてっ、そんな、そんなあああ」


それから何年もたった大学生ののび太。彼は、もしドラえもんを呼ぶ必要が無いほど最初から実力があれば…
ドラえもんが来てすぐに帰ってもらえるほど努力していれば僕と一緒にいるよりずっと幸せにドラえもんは暮らせたのではないかと後悔していた

15 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 21:30:49.59 ID:A0Hi88a4Y
のび太「もし…僕がいなれけばドラえもんはもっと楽しかったろうに…」

出来杉「のび太くん!?」

喪黒「出来杉!君も食らうのです!ドーン!」

16 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 21:38:06.83 ID:A0Hi88a4Y
(回想)
出来杉「僕ははっきり行って最強だった」

出来杉「小学校中学校は成績常にトップ。高校では興味のあった機械・電子・情報の混合系。
いわゆる総合学科工業コースに進学した。もちろん県内トップだ」

出来杉「だがそこにいた俺以外の人達は殆どがぬるかった。トップ高校に行ったにもかかわらず、みんなのやる気はなく、俺はリアルよりネットで上位の人を探すことにした」

17 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 21:41:54.83 ID:A0Hi88a4Y
出来杉「ネットでは多くの知り合いができた。特に情報系は多く、自分より上の人と次々とであった」

出来杉「だが俺はそこであることに気がついた。今まで才能で戦いすぎて努力する術を知らないのだ」

出来杉「簡単な分野なら速攻で学習できる。バイトも部活も勉強も運動も、軽くこなすことができ、
更に同じ専門分野の仲間より少ない時間で多くの成果を出すこともできた」

出来杉「だが、高校生である俺に大人…それも40代の人達を超えるのはあまりに無茶すぎた」

出来杉「そこで俺は自分の才能を伸ばすことにした…反面、努力の方法をますます忘れていった」

出来杉は努力の仕方を忘れてしまったのだ。そして他者と自分とを比べすぎたクセのため、ライバル視している相手に勝ち目がない状況でネガティブになっていった

18 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 21:44:15.84 ID:A0Hi88a4Y
喪黒「そうですよ!のび太くんは才能を得るために他者を犠牲にしすぎた。」

喪黒「出来杉くんは他者と比べすぎて努力ができなくなった。」

喪黒「しかし私は、みなさんの心のスキマを埋めることができます。これをどうぞ」

19 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 21:47:35.99 ID:A0Hi88a4Y
喪黒「これはヘソリンガスです。これを飲めば他人への犠牲を一切悪く思わなくなります」

喪黒「これは能力コピー手袋です。これで触れた相手の能力はあなたのものとなります」

喪黒「受け取りなさい!ドーン!」

20 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 21:53:11.82 ID:A0Hi88a4Y
(意識の海)
〜授業中〜
先生「であるからして、この逆行列の各成分をラプラス変換すると…」

のび太「先生、そのラプラス変換している極値が無限でない点がわかりません」

生徒「それぐらい皆わかってるよ…先生、続けてください」

のび太「僕がわかってないじゃないか!理解してこそ授業だろう!」

---------
先生「このため、関数ベクトルの微分をプログラムで表現する際には…」

生徒「先生、そもそも関数ベクトルの微分がわかりません」

のび太「それは予習不足だろう。俺たちには円滑に授業を受ける権利がある。先生、先を進めてください」

生徒「・・・」


のび太「見てみて!僕今回のテストで100点とったんだよ!すごくない!?」

のび太「これが僕の作品だよ。他の誰よりも精度がでてるだろ!」

のび太「僕は無敵だ…負けない!」

21 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 21:57:11.08 ID:A0Hi88a4Y
(意識の海)
〜情報オリンピック〜
出来杉「いいかい皆。これは4人の共同戦。でも僕が一番優秀なのは自明だろう。みんなは俺がプログラミングしている間に他の準備を整えてくれ。
二番手の骨川くんだけは睡眠を取るなどして準備してくれ。俺が寝るときに交代だ」

〜ソフトウェア開発〜
出来杉「みんなはどうしてできないんだろう。帰宅したら19時。睡眠を24時としたら少なくとも4時間はみっちり作業できるだろうに」

〜勉強〜
出来杉「授業中に寝るなんて論外だ。そもそもあの時間に莫大な理解をすることですべての科目はほぼ満点を取ることが出来るだろう。
授業中に睡眠を取るなどの行為は非効率。もっと努力しろ」

------
出来杉「休憩は甘え!常に努力して行動するんだ。休憩などというならその時間に軽作業を入れるなどあるだろう!」

22 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 21:58:45.85 ID:A0Hi88a4Y
喪黒「どうやら2人の心の闇は埋まったようですね…私の圧勝ですよ」

ドラえもん「待て!まだ僕が残っているぞ」

喪黒「仲間たちをみてまだ勝てるとでも思っているのですか。私があなたより未来から来たことを知っているでしょう?
あなたに勝ち目など無いのですよ。ドーン!」

23 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 22:02:19.77 ID:A0Hi88a4Y
ドラえもん「残念だが、お前のドーン程度僕には通用しない」

喪黒「なぜだ…!」

ドラえもん「僕の心の闇は君に埋められるほど浅くは無いんだ」

喪黒「……それほどの闇、一体どんな闇なんだ……」

24 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 22:05:22.62 ID:A0Hi88a4Y
(回想)
ドラえもん「僕は生まれた時点で不要な存在だった。壊れた部品は放置され、オイルの重要部分はドラミに使われた
いわばゴミをかき集めたロボット。」

ドラえもん「だが僕を購入するものが現れた。彼はセワシ。だがその目的はロボットの苦痛に対する実験だった。
彼は過去に僕を送り込み、21世紀史上最も才能のない非発達障害児のび太くんのものとに送り込まれた」

ドラえもん「猫型ロボットには世話を失敗すると苦痛を感じる回路が組み込まれている。
僕はのび太くんの中学卒業までの間、毎日苦しみ続けた。」

25 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 22:09:15.39 ID:A0Hi88a4Y
ドラえもん「のび太くんが卒業すると僕は教育に失敗した罰として過去に送り直された」

ドラえもん「繰り返すこと100万回。100万回目の教育で僕はついにのび太くんにある発言をする決断をした
"君の悪口を言ってるんだ"と。」

ドラえもん「思いの外、彼は成長し、そして僕はこの無限ループから解消することができた。」

ドラえもん「だが、僕の得た莫大な経験は人工知能の発展のため、脳部のみを取り出されて永遠と保管されることになった」

ドラえもん「動けず、だが脳に直接衝撃が来て…ぼくは永遠と苦しみ続けた。
挙句の果てに今ここにいる僕すら秘密道具で投影している幻にすぎない」

ドラえもん「僕は存在せず、そして心はスキマどころか床の一部もない。そんな僕にドーン!は効かない」

26 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 22:13:53.88 ID:A0Hi88a4Y
喪黒「そんな…馬鹿な」

ドラえもん「観念がついたか…?」

喪黒「私の…正体はのび太なんだ」

ドラえもん「どういうことだ」

喪黒「僕は苦しみ続けた結果、過去を変える選択肢を選んだ。
小学生の僕に才能を与え、出来杉に努力を与える。これだけで世界は発展し、
更にドラえもんが苦しむこともない。しずかちゃんは出来杉と結婚するだろう。
それだけで十分だ…」

ドラえもん「つまり君は…自分としずかちゃんを救うために次々と皆を闇に陥れていたというのか…」

喪黒「あれらは全て"コノトキ"のための練習だった。だがこれで全ては終わった」

喪黒「過去の僕よ。楽しく生きてくれ。そしてドラえもんも…」

ドラえもん「やめろおおお」

喪黒「じゃあな。ドーン!」

喪黒は自分に対してドーンを行い、深い闇の中に落ちていった。
そしてのび太の消失は同時にドラえもんの巻き戻しを指す。

こうして今まで通りで最後のどらえもんたちの物語が始まるのであった

27 :以下、VIPがお送りします:2017/06/26(月) 22:16:03.31 ID:A0Hi88a4Y
喪黒「才能と努力を得て、他人を気にしない生き方。それが一番なのかもしれません」

喪黒「ですがそんなものを満たすニンゲンなど存在しないのです」

喪黒「どうしてニンゲンは完璧を目指し過ぎちゃうんですかね〜!」

喪黒「他人と比べなければもっと楽しめるのに。まあせいぜい完璧になってください」

喪黒「オ〜ッホッホッホッホッホ……」

〜fin〜

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