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小説書き始めたから序章だけ読んでくれ

1 :以下、VIPがお送りします:2018/03/04(日) 16:55:07.60 ID:ZGQ+vIMSF
葉青はこの頃の奔走に対して段々と疑問を抱き始めていた。
只生活の為には已むを得ないという事実の前に、狭く薄汚い世間のうちにも培って来た道徳やら倫理を都合よく解釈し、どうにか今日までは自分を納得させていたのである。
然し幾ら真っ当な生き方を望んだ所で、固より不法滞在者の葉青は、同じ身上の中国人達から離れて生活する術も到底持たない。
なければ父の遣いを続けるより他に手段もない訳で、そこに無力な自分を恨めしく思う小さな自尊心であったり、日に日に壊れていく父を未だに正しいと信じていたい子供心の歪な葛藤が孕んでいるのである。
葉青は淋しかった。そうして自らの淋しさに絆された今夜は平生呑まない麦酒を二缶も開けた。肴も無く空き腹にがぶがぶ遣ったから直ぐに酔いが回った。
葉青は酔って何をするでもないが、収まりの効かない鬱憤を束の間でも忘れてぼうっとしていられるのは何だか楽しかった。
ところへ父が帰宅し、呂律の回らない調子で娘の名を呼ぶのを聞いて、葉青の陽気な心持は一転して暗くなった。
その上何処ぞで引っ掛けて来たらしい日本人の若い女を横に連れているので、葉青は居た堪れなくなり彼らと入れ違いに家を出ようとした。が、父は葉青を引き留めて「出て行くのは結構だが仕事はしろ」と云った。
父は返事も待たず、葉青の手に中身の詰まった封筒を掴ませると「電話番号を書いた紙も中に入ってる。話は付けてあるから明日中に受け取って来い」と云った。
葉青は伏し目がちに首を縦に振った。頷くしかなかった。それから女の方をちらと観察してみると、艶やかな出で立ちから屹度淫売婦だと察しが付いた。
女から返された哀れみ混じりの笑みから逃げる者の如くに、葉青は家を飛び出して市街の方に向かった。去り際に父は朝まで戻って来るなと云った。葉青は端からその積であった。

2 :以下、VIPがお送りします:2018/03/04(日) 17:03:50.72 ID:ZGQ+vIMSF
あげ
この序章で続き読みたいか聞かせて欲しい

3 :以下、VIPがお送りします:2018/03/04(日) 18:01:25.45 ID:mvY64uUop
すごい文体だな。どこに発表するの

4 :以下、VIPがお送りします:2018/03/04(日) 18:45:02.46 ID:ZGQ+vIMSF
どこかは決めてないけど、一般かな。
ていうか久々に来たけど今本家ってこんなに勢い死んでるんだね。

5 :以下、VIPがお送りします:2018/03/05(月) 21:15:27.14 ID:6GS2Y0Xvc
なんで不法滞在者が主人公?なのかが気になる

6 :以下、VIPがお送りします:2018/03/07(水) 10:41:34.38 ID:PwmaXWVNA
>>4そうだよ。ちなみにカクヨムかpixivがオススメ

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