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男性アイドルグループメンバー(46歳)「ココロのスキマ、お埋めします?」

1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/06(水) 00:43:18.043 ID:qytUWyrhD.net
喪黒「私の名は喪黒福造。人呼んで『笑ゥせぇるすまん』。

    ただの『せぇるすまん』じゃございません。私の取り扱う品物はココロ、人間のココロでございます。

    この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり。

    そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。

    いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。

    さて、今日のお客様は……。

    山内元気(46) 男性アイドル

    【青春実現プロジェクト】

    ホーッホッホッホ……。

2 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/06(水) 00:46:37.320 ID:qytUWyrhD.net
宮城県――。

藁ぶき屋根や田んぼ、畑など田舎風の景色。男性アイドルグループがテレビ番組のロケ撮影。

スタッフ「カーット!OK!」「お疲れ、今日の撮影はこれまで!」

テロップ「アイドルグループ『東京ボーイズ』。
      城山武(リーダー)。山内元気。松川敏夫。国谷哲司。長岡義人」

移動中の車内にて、東京ボーイズ

山内「あーあ、宮城県で農業なんて正直だりぃよ。この番組飽きた」

松川「何言ってんだよ元気。『鉄腕ガッツ』の番組あっての『東京ボーイズ』だろうが」

城山「そうだぞ。俺たちはこの番組で農業アイドルやってるから、好感度で飯が食えてるんだ」

国谷「元気なんて、『鉄腕ガッツ』の肉体労働担当がなかったら、性格最悪のクズだからなー」

山内「チッ」

3 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/06(水) 00:48:58.688 ID:qytUWyrhD.net
東京・六本木――。

キャバクラで、キャバ嬢に囲まれながら山内元気は酒を飲んでいる。

山内「ウイ〜ッ、ヒック……。どいつもこいつも……」

キャバ嬢A「山内さん大丈夫?」

山内「うるせぇなぁ、てめぇに俺の気持ちなんか分かってたまるかよ!」
   「俺はお前と違って芸能界一筋でやってきたんだよ!」

キャバ嬢B「今日の山内さん、機嫌が悪いね」
キャバ嬢C「嫌な予感がするなぁ……。彼、前に他の店で暴れたことがあるし……」

山内「あぁ、何か言ったか?ヒソヒソと俺の悪口を言いやがって……」

キャバ嬢C「ひぃ……」

山内は「てめぇ!」と叫んでキャバ嬢Cに拳を振り上げるも、拳が喪黒に当たる。

4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/06(水) 00:50:58.064 ID:qytUWyrhD.net
喪黒「痛いですなぁ……。男のくせに、レディに手を挙げるのはもっての他ですぞ」

山内とキャバ嬢たち「だ、大丈夫ですか!?」

喪黒は「大丈夫じゃありません……」と、血が出ている額を指す。

山内「ほ、本当にすみません!119番を呼びますか?」

喪黒は背広からケチャップを取り出し、「なーんちゃって!おでこの血の正体はこれ!」。

キャバ嬢たち「ああ、びっくりしたぁ!!」

山内「おっさん!あんた、いたずらが過ぎるぞ!!」

喪黒「ホーッホッホッホ、でも先に手を出したのはあなたの方でしょ」

山内「うう……」

喪黒「おかげで、気まずい雰囲気になりましたなぁ」
   「でも私がいい店を知っているから飲み直しに行きましょう。山内元気さん」

5 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/06(水) 00:52:48.298 ID:qytUWyrhD.net
BAR「魔の巣」。

喪黒「自己紹介が遅れました。私はこういう者です」

喪黒が差し出した名刺には、「ココロのスキマ…お埋めします 喪黒福造」と書かれている。

山内「ココロのスキマ、お埋めします……だと!?」

喪黒「私はセールスマンです。お客様の心にポッカリ空いたスキマをお埋めするのがお仕事です」

山内「人生相談か、カウンセラーみたいなものか?」

喪黒「まぁ、それに近いかもしれませんなぁ」
   「ところで山内さん、あなたの心には大きなスキマができているようですなぁ」

山内「いや、そんなことは……」

喪黒「だから酒に溺れ、キャバクラで従業員を殴ろうとした」
   「それだけでなく、あなたは芸能活動や番組撮影にも飽きている」

山内「どうして、それを!?」

喪黒「あなたの顔に書いてありますよ」

6 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/06(水) 00:54:34.999 ID:qytUWyrhD.net
山内「俺は10代のころからずうっと芸能活動をやってきたんだ」
   「オフクロに無理やりオーディションに連れて行かされ、そのままダニーズ事務所に契約させられた」
   「契約から数年後、事務所は俺を含めたメンバーを5人集め『東京ボーイズ』を結成した」

喪黒「で、今に至る……と?」

山内「ああ」

山内「俺は普通の人生を送り、普通の人並みの青春を味わい、普通の大人として生きたかった」
   「でも、それができなかった。周りの大人たちに振り回され、俺もそれに合わせて生きてきた」

喪黒「その結果、いろいろなことが積もり積もってあなたはパンク寸前……」
   「だが、あなたの悩みを本当に分かってくれる人がいないし、甘えられる人がいない」

山内「そうなんだよ」

喪黒「甘えたいという気持ちの裏返しが、女性に対する暴力になって表われているのです」
   「これまでにも、あなたは女の人に対してひどいことをかなりやってきたかもしれませんなぁ」

山内「ご名答だね。ここじゃ言えないようなひどいことをたくさんしてきた。時には犯罪っぽいことも」

喪黒「でも、その犯罪っぽいことをしても、今までは事務所がもみ消してくれたのでしょう」

山内「その通り。うちの事務所は政財界や警察に顔が利くから」

7 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/06(水) 00:56:34.822 ID:qytUWyrhD.net
喪黒「ですが山内さん……。あなたはもう心身とも限界に見えますよ」
   「このままでは、あなたが自らを破滅に追い込む可能性もあるかもしれません」

山内「何だとぉ!?」

喪黒「例えば、いきなり車が多く走っている車道に飛び込んでいくとか!!」

山内「そ、そうだよ!!そうなんだよ!!この間、俺はそれをやらかしてみんなに呆れられたんだよ!」
    あんた、よくそこまで人のことを見抜けるなぁ!驚いたよ……!!」

喪黒「ホーッホッホッホ、私はだてに長年人間を観察してませんよ」

山内「喪黒さん、俺はいったいどうすりゃいいんだ……!?」

喪黒「もう一度10代に戻って、普通の人並みの青春時代を送ることができればいいのですがねぇ……」

山内「とはいえ、10代に戻れるわけないからなぁ……」

喪黒「大丈夫です!10代に戻れなくても、青春は取り返せます!」

8 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/06(水) 00:58:40.950 ID:qytUWyrhD.net
山内「青春を取り返す、ねぇ……。でも俺は遊びはこれでもかとやってきたから、遊びにも飽きてるんだよなぁ」

喪黒「だったら私があなたに気合を入れてみましょう。山内さんの名前のように、元気づけをするのです」

山内「ハハ、面白い奴だなあ」

喪黒は山内に向かって右手の人差し指を差し出し、「さぁ、私の手をよーく見ててください」。

喪黒「ドーーーーーーーーン!!!」

山内「うわああああああああ!!!」

9 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/06(水) 01:01:34.110 ID:qytUWyrhD.net
ダニーズ事務所。

若手アイドルたち「山内先輩、おはようございます!」

山内「おう!お前ら頑張れよ!」

「東京ボーイズ」リーダー・城山武が山内に寄って来る。

城山「いよぅ、元気!マリーさんがお呼びだ!」

山内「副社長が?一体俺に何の話があるんだ?」

副社長室。椅子にダニーズ事務所副社長のマリー喜多島が座っている。

マリー「元気、新しい仕事が入ったわよ」

山内「俺に?」

マリー「実はね、あなたは養育テレビの新番組の司会者になることが決まったの」

山内「養育テレビ……JBCか。国営放送じゃねぇか。大学も出ていない俺が教養番組の司会者だなんて……」

マリー「心配いらないわ。番組の共演者たちはアイドルの卵の女子高生ばかりよ」
    「それに、あなたなら台本通りに喋っていれば十分司会者をこなせるはずだから」

10 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/06(水) 01:03:22.042 ID:qytUWyrhD.net
BAR「魔の巣」。

山内「……というわけなんです」

喪黒「まさにあなたにぴったりの仕事ですよ、山内さん」

山内「は、はあ……」

喪黒「10代が興味を持った話題を番組で扱い、その上、共演者のメンバーは女子高生たち」
   「あなたの青春を取り返すのに、これ以上なく打ってつけの仕事ですよ」

山内「そ、そうですか……」

喪黒「まさに、グッドタイミングでしたなぁ、山内さん」

山内「い、いやぁ……」

11 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/06(水) 01:06:25.566 ID:qytUWyrhD.net
ネットニュース「養育テレビの新番組『青春実現プロジェクトR』が好評」

女性週刊誌「東京ボーイズ山内、養育テレビ教養番組の司会で新境地」

国営放送局「JBC」。社屋で、山内を司会者とする番組撮影が行われている。

ひな壇には共演者たちの10代の女子高生たちが、制服を着て座っている。

スタッフ「お疲れさまでした!」

控室。

女子高生たち「山内さんって、思ったよりも親しみが持てるね」「山内さん、優しくてとっても頼りになりそう」
         「私のお母さん、東京ボーイズのファンなんだよ」「山内さんの実物を見たけど、やっぱりイケメンだね」

山内「いやぁ〜」


宮城県での「鉄腕ガッツ」のロケ撮影。山内は「フンフン♪」と鼻歌を歌う。

城山「元気の奴、変わったな」

松川「ああ」

国谷「前より明るくなったし、ロケも熱心にこなしてる」

長岡「何かいいことでもあったのかなぁ?」

12 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/06(水) 01:08:38.812 ID:qytUWyrhD.net
BAR「魔の巣」。

山内「喪黒さん。最高の気分ですよ!あの番組の司会者を引き受けてから、毎日が楽しいですよ!」

喪黒「それはよかったですなぁ」

山内「あの番組で女の子たちと接していると、気持ちまで若返りそうです!」

喪黒「そうそう、その調子。心に若さと明るさを持つことが何よりです」

山内「いやぁ、まるで10代の青春のころに戻ったような気分だ!!」

喪黒「ですが山内さん。あなたは、番組の共演者の女の子たちとは親と子のような年齢差があります」

山内「わ、分かってるよ……。それくらい……」

喪黒「あと、忠告しておきます。女の子たちは、あなたを頼れる大人の人間として見ているのですよ」
   「あくまでもそのことを忘れないでください。くれぐれも、共演者の女の子に手を出してはいけませんよ」

山内「嫌だなぁ喪黒さん、俺がそんなことするわけないだろ」

喪黒「だといいのですがねぇ。約束です。共演者の女の子には、ぜ・っ・た・い・に、手を出してはいけません」

13 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/06(水) 01:10:42.557 ID:qytUWyrhD.net
国営放送局「JBC」。社屋で、山内を司会者とする「青春実現プロジェクトR」の撮影が行われる。

控室。山内は共演者の女子高生たちと談笑しつつ、ある女の子を見ている。

山内(保倉亜子……。この子は天使か妖精のようにかわいくてきれいだな……)

山内の頭の中に、喪黒の例の忠告が頭の中に浮かぶ。
(喪黒「約束です。共演者の女の子には、ぜ・っ・た・い・に、手を出してはいけません」)

山内(構うもんか……。どうせ、あの喪黒とか言うおっさんには分かりはしないさ)

廊下。山内とプロデューサーが会話している。

プロデューサー「えーっ!?保倉亜子を自分のマンションに呼びたい!?」

山内「ああ。俺は本気だ」

プロデューサー「何のために!?」

山内「決まってるだろ!実はな……」

プロデューサー「い、いくらなんでもそれは……」

山内「俺の言うことが聞けねぇのか!!てめぇ、俺を誰だと思ってるんだ!!」
   「俺は、国民的アイドルグループのメンバーなんだぞ!!」

プロデューサー「わ、分かりました……。やるだけやってみますから……」

14 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/06(水) 01:12:40.480 ID:qytUWyrhD.net
東京・赤坂。山内はマンションで、ガウンを着てソファに座っている。

「ピンポーン」とドアチャイムが鳴る。玄関の前には、制服を着た保倉亜子が立っている。

山内「おう、入れよ」

亜子が山内の部屋の中に入る。山内はグラスにウイスキーを注ぎ、もう一方のグラスに何かを入れる。

山内「まあ一杯やれよ」

亜子「これ、お酒じゃないですか?」

山内「気にすんなよ。俺は煙草も酒も10代の時にやったよ」

亜子「山内さんって不良だったんですね」

山内「ごちゃごちゃ言わずに飲めよ」

亜子「でも、子供がお酒を飲むのは身体に……」

山内「飲め!!」

亜子にすごい剣幕で迫られ、亜子はグラスに入ったウイスキーを飲む。

15 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/06(水) 01:15:22.038 ID:qytUWyrhD.net
亜子「あ……。や、や、まうち……さ…ん。がらだ……が……し……び……れ」

亜子は動きが鈍くなる。

山内「どうだ、効いてきただろう。新型の危険ドラッグを混ぜておいたからな」
   「それにアルコールも加わって効果は抜群」

亜子「ああああ……」

山内は、亜子を組み倒し無理やりキスをする。亜子は涙目で「や……め……」と言う。

山内「この顔つきがたまらねぇ!!一発やらせろ!!」

亜子「く……くるし……い……。ぐ……る……じ……い……」

山内「オーバーな演技すんなよぉ」

亜子「ウッ……。ウウゥ……。オオオオ……」

亜子はしきりに悶えた後、意識を失い首が垂れた状態になる。

山内「おいっ!!どうしたっ!!しっかりしろ!!」

山内が亜子を揺さぶるけど返事がない。山内は亜子の様子がおかしいことに気づく。

16 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/06(水) 01:18:39.863 ID:qytUWyrhD.net
声「山内元気さん、あなたは約束を破りましたね」

山内が振り向くと、後ろには喪黒が立っている。

山内「も、喪黒さん!?あんた、どうしてここに!?」

喪黒「ちょっと様子を見ようとあなたのもとを訪ねたら、たまたま玄関のドアのカギが開いていたのですよ」
   「そんなことより」「私は忠告したはずです。番組の共演者の女の子には絶対に手を出してはいけないと」

山内「ううっ……」

喪黒「にも関わらず、あなたは番組の共演者の女の子に手を出してしまった」

山内「ああ、俺のせいだよ!!でもな、俺は天下のダニーズ事務所に所属しているんだ!!
    人が一人死ぬくらいなんだ!!こんなの、事務所の力を使えば難なくもみ消してくれるからな!!」

喪黒「そうですか……。あなたは自分がしたことの重大さが分かっていないようですねぇ……」
   「ならば私の手で分からせてあげましょう!!」

喪黒は山内に右手の人差し指を向ける。

山内「なっ……」。

喪主「ドーーーーーーーーーーーン!!!」

山内「ギャアアアアアアアアア!!!」

17 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/06(水) 01:22:33.263 ID:qytUWyrhD.net
喪黒のドーンからしばらく経ち、目を覚ました山内。すると、そこには二人の男性が立っている。

二人の男性「山内元気さんですね」「私たちは警視庁の者です」

山内「そ、そんな…………」

翌朝、喪黒は駅のベンチでスポーツ紙を読んでいる。

スポーツ紙の見出し「東京ボーイズ山内元気容疑者(46)を逮捕 危険ドラッグ使用の疑い」
             「共演者の女子高生死亡 酒に薬物混ぜ飲ませる」

駅のホームを行く高校生たち「大変!!東京ボーイズの山内元気が逮捕されたよ!!」
                  「共演者のJKに薬の入った酒を無理やり飲ませて、死なせたんだって!!」
                  「山内君があんなことをする人だと思わなかったぁー!!」「マジ、ショックー!!」

喪黒「青春は一度きりであり、必ず失われるものであるからこそ重要なのです」
   「青春時代が過ぎ去った後、人間は大人としての第2の人生を生きていくことになります」
   「山内さんは青春をいったん取り返した後、全てを失った前科者としての第2の人生を生きていくことになりそうですねぇ」
   「大人としての人生は辛いものです。だから、10代のころの失われた青春が輝いて見えるのでしょう」
   「オーホッホッホッホッホッホッホ……」

                   ―完―

18 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/06(水) 01:24:31.604 ID:YB4hXiBX0.net
おつ
固有名詞の変え方が藤子不二雄っぽくていいな、面白かった

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