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俺がひたすら好きな小説の名文を貼っていくスレ
- 1 : :2018/06/13(水) 23:01:32.047 ID:1h9Xuzph0.net
- 初心者なので細かいとこは許して。
俺の独断と偏見で選んだので、「これ名文じゃねぇじゃん!」っていうのがあるかもしれないけどスルーで。
「これだ!」っていう文があったら、どんどん貼ってくれると嬉しいです。
- 157 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 01:29:52.643 ID:UqiDZXJY0.net
- >>154 ハルキストってわけじゃないけど、村上春樹は好きだ
昔、私は自分のしたことについて後悔したことはなかった
しなかった事に就いてのみ、何時も後悔を感じていた
『光と風と夢』中島敦
- 158 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 01:30:16.192 ID:uF+BpYOAa.net
- 早く嘘を殺さないと、真実のほうが殺されそうで怖かった。
吉田修一「悪人」
- 159 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 01:31:35.287 ID:UqiDZXJY0.net
- >>156 >>158 好き、琴線に触れまくり
愛は、イコール執着だよ。その相手にきちんと執着することだ。
『スロウハイツの神様』辻村深月
- 160 :美作 :2018/06/14(木) 01:31:59.551 ID:r+aSZNmq0.net
- 今は忘れたい 二度と見たくない だけど後で思い出したい
人間 奥田民生
- 161 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 01:33:16.052 ID:UqiDZXJY0.net
- 月日は百代の過客にして、行き交う年もまた旅人なり。
『おくのほそ道』松尾芭蕉
- 162 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 01:34:40.246 ID:UqiDZXJY0.net
- 智に働けば角が立つ、情に棹させば流される、意地を通せば窮屈だ。とかくにこの世は住みにくい。
『草枕』夏目漱石
- 163 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 01:36:12.960 ID:UqiDZXJY0.net
- (それは世間が、ゆるさない)
(世間じゃない。あなたが、ゆるさないのでしょう?)
(そんな事をすると、世間からひどいめに逢うぞ)
(世間じゃない。あなたでしょう?)
(いまに世間から葬られる)
(世間じゃない。葬むるのは、あなたでしょう?)
『人間失格』太宰治
- 164 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 01:36:37.838 ID:uF+BpYOAa.net
- 兄さんがこの眠から永久覚めなかったらさぞ幸福だろうという気が何処かでします。同時にもしこの眠から永久覚めなかったらさぞ悲しいだろうという気も何処かでします。
夏目漱石「行人」
- 165 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 01:37:52.253 ID:UqiDZXJY0.net
- ぼくは諸君のために歌おうとしている。すこしは調子がはずれるかもしれないが、とにかく歌うつもりだ。
諸君が泣きごとを言っているひまに、ぼくは歌う。諸君のきたならしい死骸の上で踊ってやる。
『北回帰線』ヘンリ・ミラー
- 166 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 01:40:24.168 ID:UqiDZXJY0.net
- ストックが底をついたので終わりです。
書き込んでくれた皆、ありがとう。メモさせてもらいました。
有名どころを選んだつもりでしたが、どうだったかな。いつかドマイナー編をやるかもしれません。その時はよろしく。
- 167 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 01:41:19.927 ID:G7f97bSJa.net
- ありがとう
読んだことある本でも読み返したくなったよ
- 168 :美作 :2018/06/14(木) 01:41:40.718 ID:r+aSZNmq0.net
- このこえは わらわれて むしされて つまりワタシはただのガラクタ
アブストラクト・ナンセンス Neru
- 169 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 01:42:47.523 ID:1EfMKt2J0.net
- とても面白かったです。
ありがとう!
またどこかで、お目にかかりましょう。
- 170 :美作 :2018/06/14(木) 01:42:49.268 ID:r+aSZNmq0.net
- >>166
おつ 俺も終わるわ 邪魔したな
- 171 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 01:43:31.956 ID:UqiDZXJY0.net
- 皆凄く嬉しいこと言ってくれる、ありがとうねー。
- 172 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 01:45:17.340 ID:UqiDZXJY0.net
- >>169 邪魔だなんて、欠片も思ってないよ!ありがとう。おやすみー
- 173 :美作 :2018/06/14(木) 01:47:11.394 ID:r+aSZNmq0.net
- おやすみ
- 174 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 02:08:15.960 ID:r1E15iq60.net
- 真実はまるでダイヤモンドのようだ
透明で美しく、ぶつけられると痛い
自作小説()
- 175 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 02:22:32.090 ID:23+mTjFJ0.net
- 俺もやる!
- 176 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 02:38:54.188 ID:23+mTjFJ0.net
- 担当が他の医師でなくラモスでよかった、あいつとは通じるところがあって、時が来れば伝えてくれるだろうし、僕だって最後まで聞かずとも理解できるだろう。
夜はポーカー、週末は別荘で過ごしながら、十五年も積み上げてきた友情が重くのしかかって、さぞ辛いことだろうが、男同士、
いざというときには、真実を語ることのほうが、カラフルな飲み薬や、少しずつこの静脈に流れ込むバラ色の液体にも似た華やかな嘘より、はるかに価値がある。
「リリアナが泣く」フリオ・コルタサル
- 177 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 02:50:37.793 ID:23+mTjFJ0.net
- ベコン=レ=ブリュイエール行きの乗車券は、特に変わったものではない。
それは、フランスで初めて発行された当時から変わらぬままの、あの形をしている。
帰りの券には、「帰り」という意味の赤い「R」の判が押されていて、それはマルセイユ行の乗車券でも同じである。
裏には同じ約款が記載されている。
こういった乗車券を見ると、一枚の紙片に数字を印刷させるだけでお望みの価値を与えられる為政者たちの権力を、
それから、連鎖反応的に、一フランだろうと百万フランだろうと一様に徴収する行政上の手続きを思わずにはいられない。
乗車券を持たない客に対しては、検札係が、ありきたりな紙でできた、ちょっと変わった形の切符を、宣伝用のパンフレットに記された担当者のサインと同じくらいの無意味なサインで有効にしてから渡すのだが、
ベコン=レ=ブリュイエールへの旅には、そんな切符のほうが似つかわしい。
『あるかなしかの町』エマニュエル・ボーヴ
- 178 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 02:55:29.915 ID:ni2j6i2d0.net
- 見てるぞ
- 179 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 03:12:36.376 ID:23+mTjFJ0.net
- わたしのウクバール発見は、一枚の鏡と一冊の百科事典の結びつきのおかけである。
鏡は、ラモス・メヒーアのガオーナ街のとある別荘の廊下の奥で、人をおびやかしていた。
事典はもっともらしく『アングロ・アメリカ百科事典』(ニューヨーク、一九一七年版)と呼ばれていたけれど、一九〇二年版の『ブリタニカ』の忠実だが時期を失した焼きなおしだった。
話は五年ほど前にさかのぼる。
その夜、ビオイ=カサレスを夕食のともにしたあと、わたしは彼を相手に長ながと議論していた。
語り手が事実を省略もしくは歪曲し、さまざまな矛盾をおかすために、少数の読者しか――ごく少数の読者しか――恐るべき、あるいは平凡な現実を推測しえない、一人称形式の小説の執筆についてである。
廊下の遠い奥から、鏡がわたしたちの様子をうかがっていた。
(深夜には避けられない発見だが)わたしたちは鏡に妖怪めいたものがあることに気づいた。
そしてビオイ=カサレスが、鏡と交合は人間の数を増殖するがゆえにいまわしい、といったウクバールの異端の教祖の一人のことばを思いだした。
「トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス」J.L.ボルヘス
- 180 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 03:28:05.651 ID:23+mTjFJ0.net
- 冴えない人生は美しくないけれど、少なくとも詩的ではある。
空っぽのベッドの詩は美であり、時計の秒針の詩も美のようなものであるとチャールズは認めているが、冴えない人生においては、効率性や優雅さ、そして世界のごくささやかな部分を知り尽くすことにこそ美がある。
チャールズは買い出しの習慣に優雅さを見出す。
冷蔵庫のドアポケットのいつもの場所に、いつもの銘柄のミルクを滑り込ませることを効率的だと感じる。
ピクルスとマヨネーズの間に。
チャールズは秒針から与えられる情報を享受する。
『AM/PM』アメリア・グレイ
- 181 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 03:35:02.612 ID:23+mTjFJ0.net
- その火は、まだ火にはなっていない。
実際には。
だが、ロータスの車体から漏れ出した高品質の燃料は、もはや液体ではなくなっている。
この瞬間に、燃料は荒々しくその姿を変える、ありたきたりな表現では“吠える”と描写される音を、実際には酸素に食いつく獣のようなとてつもなく大きな騒音を伴いながら。
まだ火にはなっておらず、モンテカルロのこのいつになく暖かい春の強烈な日差しの中、今のところ目に見えない、無色の、熱の雲だ。
その雲が、彼を背後から押すと同時に包み込む。
メカニックオーバオール、下着、髪につけたブリリアンティンでさえ、彼を保護し、肌を守る壁だ。
この瞬間に、オーバオールと荒れ狂う熱は隣り合わせに接しており、拮抗している。
まだ火にはなっていない、その火。
『モンテカルロ』ペーテル・テリン
- 182 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 04:14:33.040 ID:23+mTjFJ0.net
- 少年が恍惚となると、いつも目の前に比喩的な世界が現出した。
毛虫たちは桜の葉をレエスに変え、擲たれた小石は、明るい樫をこえて、海を見に行った。
クレーンは曇り日の海の皺くちゃなシーツを引っかきまわして、その下に溺死者を探していた。
黄金虫の近づく桃の実は薄化粧をしており、疾走する人のまわりには、像の背の火焔のように、空気が乱れわだかまりへばりついていた。
夕焼は兇兆であり、濃沃度丁幾(のうヨードチンキ)の色をしていた。
冬の樹々は天に義足を投げ出していた。
それから煖炉のそばの少女の裸体は、もえる薔薇のように見えるのだが、窓に歩み寄ると、それは造花であることが露見して、寒さに鳥肌立った肌は、けば立った天鵞絨(ビロード)の花の一片に変貌するのであった。
「詩を書く少年」三島由紀夫
- 183 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 04:24:44.445 ID:23+mTjFJ0.net
- でもそこにひとつの律動が生まれてきたことに気づいたのはいつのころだったか。
私はその律動を追い、削ってのこったことばの単純さをよろこび、もっともっとさらして、ちょうど白昼のひとのいない岩かげに太陽をいっぱい吸って、ただ堆み積なっている白い珊瑚虫の骨片群のような文字のつらなりにしたいなどと思いはじめたのだった。
しかし、そのようにはならないで、律動に筆の調子をさらわれる症状があらわれると、かたむいたまま、のめりこんで行く文体にかたまりかかってきたことに気づきだしたのだ。
削る、ということばに気づいたとき、私は文体の透明を予想したのだった。
珊瑚虫の骨片群を頭のなかにえがいたのも、さらされたあとの、あの腐蝕をまぬがれた色彩とたがいにふれあって生ずる乾いた音に、終局の自分の文体を重ねたかったからだ。
「削ることが文章をつくる」島尾敏雄
- 184 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/14(木) 04:27:14.108 ID:23+mTjFJ0.net
- 伊藤整と堀江敏幸も引用したかったけど
さすがに寝ないとヤバイのでこれまで
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