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喪黒福造「小さくなった身体で、プチ四駆に乗ってレースをしましょう!」 大学講師「ゆ、夢の光景だ……」

1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/09/13(木) 06:15:04.559 ID:4p984tSvD.net
喪黒「私の名は喪黒福造。人呼んで『笑ゥせぇるすまん』。

    ただの『せぇるすまん』じゃございません。私の取り扱う品物はココロ、人間のココロでございます。

    この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり。

    そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。

    いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。

    さて、今日のお客様は……。

    青木鉄弘(32) 大学講師

    【走れ!プチ四レーサー】

    ホーッホッホッホ……。」


6 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/09/13(木) 06:19:31.907 ID:4p984tSvD.net
青木の研究室。本棚には、科学関係の著書がズラリと並んでいる。

青木は机に向かう。机の上には、何かの車をデザインしたプラモデルの箱がある。

プラモの箱を開ける青木。青木は、箱の中にある車のプラモを組み立て始める。

青木(僕の趣味は……、これだ……)

プラモの箱には、「スーパープチ四駆」「TAMURA」と書かれている。このプラモの製造元は、田村模型だ。


東京、六本木ヒルズ。建物の中で、「六本木プチ四駆グランプリ」が開かれている。

室内には、愛用するマシンを持ったプチ四駆愛好家たちが大勢集まっている。もちろん、青木の姿もある。

彼らはいい年をした大人ばかりだが皆、子供のように目を輝かせている。

プチ四駆愛好家たちの中にいる場違いな男――喪黒福造が、得体の知れないオーラを醸し出している。

専用のサーキットに、青木・喪黒らプチ四レーサーたちが自らのマシンを置く。

喪黒が持つマシンは――。黒色のボディに、喪黒の目・鼻・口のシールが貼られた気味の悪いデザインだ。

スタートの合図とともに、スイッチが入ったマシンが走る。

7 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/09/13(木) 06:21:33.324 ID:4p984tSvD.net
青木「いいぞ……!アストロフェニックス……!」

青木の愛車アストロフェニックスが、サーキットの先頭を走る。一方、喪黒のマシンは一番後ろにいる。

レースに夢中になるプチ四レーサーたち。それに対し、なぜか静かなままの喪黒。

コーナー。喪黒のマシンと並走していたあるマシンが、不自然にコースアウトをする。

レーサーA「ああっ!!」

喪黒のマシンは、徐々に追い上げる。ストレートを走っている中、別のマシンを追い越す喪黒のマシン。

他のコーナーでも――。喪黒のマシンと一緒に走っていたマシンが、なぜかコースアウトをする。

レーサーB「またコースアウトだ!!」

いつの間にか……。青木のアストロフェニックスに次いで、レースの2番手となる喪黒のマシン。

喪黒のマシンを見つめる青木。

青木(このマシン、なかなかやるな……)

終盤になると……。青木のアストロフェニックスと、喪黒のマシンの差はさらに縮まっていく。

青木(アストロフェニックス、逃げ切ってくれ!)

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