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喪黒福造「あなたも記者ならば、一級品のスクープを手にしてみたいでしょう?」 新聞記者「そうに決まってますよ!!」

1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/09/25(火) 19:11:37.177 ID:DTqDnszTD.net
喪黒「私の名は喪黒福造。人呼んで『笑ゥせぇるすまん』。

    ただの『せぇるすまん』じゃございません。私の取り扱う品物はココロ、人間のココロでございます。

    この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり。

    そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。

    いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。

    さて、今日のお客様は……。

    長谷川丸男(41) 新聞記者

    【報道最前線】

    ホーッホッホッホ……。」


20 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/09/25(火) 19:49:54.484 ID:DTqDnszTD.net
黒塗りの車が横田基地を出る。後部座席にいる長谷川は、すっかり神妙そうな表情になっている。

長谷川のモノローグ「俺は、自衛隊幹部たちや米軍幹部たちと密約を結んだ。あの例のタブーは絶対に口外しない……と」
             「あのタブーについて黙ってさえいれば、手厚い支援のもとで俺を出世させる……と彼らは言った」
             「一連の真相を隠蔽した上で、墜落事故に関する書籍を俺名義で発表する……」
             「その後、俺は御用ジャーナリストとして独立し、ゆくゆくは大学教授のポストに収まる……」
             「それが、彼らが俺に与えた余生だ。もしもあのタブーを口外したら、当然俺は殺されるだろう……」


夕方。覇気のない虚ろな表情で、街の中を歩く長谷川。

長谷川(新聞記者としての俺は……。会社に縛られてはいたものの、まだ生き生きと活動できた……)
     (しかし、これからの俺は……。巨大な権力の監視下で、仕事のやりがいも自由も全くない人生が待っている……)
     (これじゃあ、透明な牢屋に入れられた囚人と変わらない……。一体何のための人生なんだ……)

道を歩く長谷川の後ろ姿を見つめる喪黒。

喪黒「世の中には様々な謎がありますが……。一方で、人間は何かしらの形で探究心を持ち合わせているものです」
   「『真実を知りたい』というのは、人間にとって当たり前の欲求であり……。文明の発展はそのおかげとも言えましょう」
   「しかしながら……。社会が複雑化したことに伴い、世の中や人々は何かしらの形でタブーを抱えることとなりました」
   「なぜなら……。人間は一方で、『真実を知りたくない』『物事を秘密にしておきたい』という気持ちも同時に持っているからです」
   「真実を知ってしまい、タブーに触れてしまった重みに……。果たして人間は耐えられるのでしょうか?ねぇ、長谷川さん」
   「オーホッホッホッホッホッホッホ……」

                   ―完―


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