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喪黒福造「まさに、ここは夢のパチンコホールなのです」 元会社員「そ、その話がもしも本当ならば……」

1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:33:26.242 ID:j2llxG4QD.net
喪黒「私の名は喪黒福造。人呼んで『笑ゥせぇるすまん』。

    ただの『せぇるすまん』じゃございません。私の取り扱う品物はココロ、人間のココロでございます。

    この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり。

    そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。

    いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。

    さて、今日のお客様は……。

    谷村東吉(45) 元会社員

    【パチンコ依存症】

    ホーッホッホッホ……。」


2 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:35:20.709 ID:j2llxG4QD.net
昼。ビジネス街。とある会社。執務室の中で、中年の会社員が管理職に叱られている。

部長「谷村君。私は君のことを信頼していたんだぞ。それなのに、よりによって横領を行うとはな……」

谷村「も、申し訳ありません……。会社のお金は、全てパチンコで使い果たしてしまいました……」

テロップ「谷村東吉(45) 会社員」

部長「一時は、君を警察に告発することも考えた。しかし、それは我が社のイメージダウンにつながる恐れもある」

谷村「は、はい……」

部長「だから……。君が自発的に会社を辞めることを条件に、告発はしないでおく」
   「その方が、君にとっても我が社にとってもベターな解決策になる」

谷村は無言のまま、部長に頭を下げる。


夕方。落ち込んだ表情で街の中を歩く谷村。

谷村(パチンコ依存症がたたり、とうとう俺は会社をクビになってしまった……)

谷村の目の前に、パチンコ屋の建物が見える。自動ドアのガラス越しから、スロットを打つ客たちを目にする谷村。


3 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:35:33.321 ID:vyEDKTF30.net
吉宗打ちてぇなぁ トボトボ

4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:36:39.450 ID:R/qRZFbf0.net
ダニ村「オ、オスイチだぁ〜」

5 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:37:23.905 ID:j2llxG4QD.net
谷村(ううう……)

谷村の手が震え始める。迷った表情になる谷村。

谷村(スロットを打ちたい……。傷ついた俺の心を、パチンコを打つことで癒したい……)

例の男――喪黒福造が街の中を歩いている。パチンコ屋の側を通りかかる喪黒。

ふらふらとした足取りで、パチンコ屋の中に入る谷村。喪黒は谷村の姿を目にする。

喪黒「…………」

パチンコ店。パチンコ台の前に座り、スロットを打つ谷村。谷村はハンドルを握りながら、目から涙を流している。

谷村(ちくしょう……。ちくしょおおおお!!)


夜。パチンコ店を出る谷村。彼はしょぼくれた表情で街の中を歩く。

谷村(また負けた……。今の俺は金がないから、飯代をケチろう……)

コンビニ。カップラーメンと野菜ジュース、菓子パンをレジ前へ運ぶ谷村。

谷村(よし……。これは今日の晩飯と、明日の朝飯にしよう……)

6 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:38:51.067 ID:0g68FN5u0.net
野菜ジュース買ってんじゃねえよ

7 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:38:51.273 ID:ytLjqO+bd.net
パチンコ台に座ってスロットを打ちながらハンドル握るってどういう状況だよ

8 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:39:13.726 ID:j2llxG4QD.net
自宅マンション。廊下を歩き、自分の部屋の近くへ到着する谷村。

彼の部屋の玄関のドアには、数え切れないほどの張り紙が張られている。張り紙はどれも罵倒語が書かれている。

張り紙「金返せ」「ドロボー」「全財産売れ」「クソ野郎」「腎臓売ってでも返済しろ」「人間のクズ」「社会人失格」……などなど。

谷村はドアの前の張り紙を一つ一つ剥がし、部屋の中に入る。室内で、カップラーメンにお湯を注ぐ谷村。

谷村(くそっ……!!俺がこうなったのも、元はといえばパチンコのせいだ……)

割り箸を割り、カップラーメンをすする谷村。

谷村(だが、俺はパチンコをやめたくてもやめられない……。どうすることもできない……)


翌朝。駅の近くのあるパチンコ店。店の前に、客たちが行列を作っている。

列の中には、谷村の姿もある。ヨレヨレのスーツ姿で、疲れ切った表情の谷村。

テロップ「谷村東吉(45) 無職・元会社員」

パチンコ店の側を通る喪黒。喪黒はまたしても、谷村の姿を目撃する。

パチンコ店が開店し、一斉に店の中に入る客たち。

9 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:41:13.711 ID:j2llxG4QD.net
当然のことながら、いつものごとく谷村もパチンコ台の前に座る。

谷村(たとえ会社をクビになっても……。今日、パチンコで勝てば収入は取り返せるんだ!)

ハンドルを握りしめ、一心不乱でスロットを見つめる谷村。

谷村(よ、よしっ……!!今日は久しぶりに勝てるかもしれない……)

液晶の画面に映るアニメキャラ。鳴り響くBGM。ある程度時間が経った後、谷村はがっかりした表情になる。

谷村(せっかく勝てると思ったのに……)


昼。パチンコ店を出る谷村。上の空で道を歩く谷村は、前の方にいる喪黒と身体がぶつかる。

谷村「うわっ……。す、すみません……」

喪黒「あのぅ……」

谷村「な、何ですか?」

喪黒「ちょっと気になることがありましてねぇ……」

谷村「え!?」

10 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:42:13.959 ID:OYcfJkDfa.net
パチンコとスロット混在しすぎだろ
ここまでくると流石にわざとらしい

11 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:43:12.547 ID:n0vDIUd3a.net
面白ければなんでもいいよ

12 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:43:12.912 ID:j2llxG4QD.net
喪黒「そういえば、今朝……。あなたが朝早くからパチンコ屋に入るところ、私、見ましたよ」

谷村「そ、そうですか……。よく気がつきましたね」

喪黒「昨日の夕方も、あなたはパチンコ屋の中に入っていましたねぇ」

谷村「私のこと、見ていたんですか……。そんな場面まで覚えているなんて……」

喪黒「それどころか、今のあなたはスーツもヨレヨレ……」
   「仕事をしている様子には見えないし……。もしかすると、お金に困っているのではないですか?」

谷村「そうですよ……。現在の私は食事代にも困っているんです」

喪黒「それはお気の毒ですなぁ。何なら、あなたの昼食は私がおごりましょう」


とある大衆食堂。店の中で昼定食を食べる喪黒と谷村。

谷村「ありがとうございます。あなたのおかげで、私は飢えをしのぐことができました」

喪黒「どういたしまして……。しかし、あなたの根本的な問題は何も解決していないでしょう」


13 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:43:28.966 ID:UG/Q92QOa.net
はよ

14 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:45:13.495 ID:j2llxG4QD.net
谷村「どういうことですか?」

喪黒「食事代にさえも困っているということは……。おそらく、今のあなたは多額の借金があるはずではないですか?」

谷村「おっしゃる通りです。今の私は、サラ金に借金を抱えているんです」

喪黒「なるほど……。私の仕事柄、あなたを放っておくわけにはいきませんねぇ」

喪黒が差し出した名刺には、「ココロのスキマ…お埋めします 喪黒福造」と書かれている。

谷村「ココロのスキマ、お埋めします!?」

喪黒「実はですねぇ……。私、人々の心のスキマをお埋めするボランティアをしているのですよ」

谷村「は、はあ……」

喪黒「あなたのような人を救うのが、私の仕事なんです。食事が終わった後、相談に乗りましょうか?」


BAR「魔の巣」。喪黒と谷村が席に腰掛けている。

喪黒「そうですか……。谷村さんは、典型的なパチンコ依存症のようですなぁ」

谷村「はい。パチンコにのめり込んだせいで、私は多くのものを失いました」

15 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:47:14.714 ID:j2llxG4QD.net
喪黒「金銭だけでなく……。家庭も、仕事もすっかり失ったのでしょうねぇ」

谷村「その通りです。パチンコで生活費を使い込んだせいで、妻は息子を連れて家を出て行きましたし……」
   「パチンコのために会社の金を横領したせいで、私は仕事をクビになりました……」
   「それどころか、複数の消費者金融に金を借りたせいで……。私には多額の借金があるんです」

喪黒「ほう……。谷村さん。あなたの借金の総額は、どれくらいになるんですか?」

谷村「600万円は超えていますよ」

喪黒「600万円を超える借金……!さすがにそれは、あなた自身も危機感を覚えるはずでしょう?」

谷村「もちろん、何とかしたいと思ってますよ!でも、私にはどうにもなりません」

喪黒「借金を返す当てがないし、おまけにパチンコをやめたくてもやめられないから……というわけでしょうなぁ」

谷村「そうです……。まさに、今の私は八方ふさがりの状態なんです!」

喪黒「ねぇ、谷村さん。あなたはパチンコの負けを、パチンコの勝ちで取り返そうとしたでしょう?」

谷村「ええ。私も典型的なギャンブル依存症の人間ですから、そういう心理状態になりましたよ」


16 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:47:31.740 ID:ji5ccTqu0.net
C

17 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:49:15.304 ID:j2llxG4QD.net
喪黒「でも……。パチンコの負けが重なり続けた結果、今のあなたは借金まみれになったのですよねぇ」

谷村「はい。見ての通りですよ……。弁解の余地は、一切ありません」

喪黒「大丈夫です。ある方法を使えば、あなたの借金は何とかなりますよ」

谷村「えっ!?」

喪黒「谷村さん、あなたにぴったりの所へ案内しますよ。交通費も私が負担しますから」

喪黒に誘われ、外に出る谷村。2人はいつの間にか、高速バスに乗っている。

谷村「ずいぶん遠くまで行っていますね」

喪黒「次のバス停を降りたすぐ近くに、とってもいい場所があるんですよ」

バスを降り、歩道を歩く喪黒と谷村。歩道の側には、高速道路といくつかの大型店舗が見える。

喪黒「着きましたよ、谷村さん」

喪黒が指し示した場所は、オレンジ色の建物のパチンコホールだ。敷地内には、『異世界 PACHINKO & SLOT』の看板が見える。

谷村「ここはパチンコ屋じゃないですか……。一体、こんなところで何をしようって言うんですか?」

18 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:51:11.630 ID:j2llxG4QD.net
喪黒「谷村さん。この店で、好きなだけパチンコをやってください」

谷村「何ですって!?」

喪黒「『パチンコ異世界』は特殊な店なんです。つまり、このパチンコ屋はいくらでも大出血サービスをしてくれますよ」

谷村「ええっ!?」

喪黒「いや、それどころか……。『パチンコ異世界』では勝ちがあっても負けることは一切ありません」
   「まさに、ここは夢のパチンコホールなのです」

谷村「そ、その話がもしも本当ならば……」

喪黒「あなたはお金を稼ぎたい放題稼ぎ、気がついたら借金を完済しているというわけです」
   「どうです、悪い話ではないでしょう?」

谷村「ゴクッ……」

喪黒の話を聞き、唾を飲む谷村。

喪黒「さあ、『パチンコ異世界』に入りましょう。谷村さん」

喪黒に誘われ、谷村は『パチンコ異世界』の中に入る。


19 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:52:38.782 ID:65YZXHWn0.net
傷ついた心をパチンコ打つことで癒すとか、人間じゃねーだろ

20 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:53:13.169 ID:j2llxG4QD.net
『パチンコ異世界』。店内の中を歩く喪黒と谷村。

谷村「あれ?この店はお客さんが少ないですね……」

喪黒「ここは開店して間もないですし、高速道路の近くにありますから……」

谷村「なるほど。それで、一般人に店の存在があまり知られていないんですね」


4円パチンココーナーにいる喪黒と谷村。

喪黒「谷村さん。お好きな台を打ってみてください」

谷村「ど、どうも……」

パチンコ台の前に座る谷村。

喪黒「じゃあ、私は控室でゆっくり休みますよ。用があったら呼んでください」

谷村の元を去る喪黒。

谷村「よーーーし!!この台で、思う存分稼いでやる!!」

引き締まった表情で、パチンコ台のハンドルを握る谷村。

21 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:55:11.186 ID:j2llxG4QD.net
パチンコ台。液晶の画面に映るアニメ映像。鳴り響くBGM。巨大ロボットを操縦する主人公。

主人公が必殺技を叫ぶ。巨大ロボットが持つ剣により、真っ二つに切られる敵のロボット。敵のロボットが爆発する。

谷村(いいぞ……!調子が出てきた……!)

パチンコ台の中を勢いよく動き回る数多くの銀玉。スロットに表示される「777」の数字。

谷村(やった!!とうとうやったぞ!!)

谷村の椅子の後ろに、パチンコ玉が入ったドル箱がいくつも積み重なっていく。

控室。テーブルに向かい、ゆっくりと漫画を読み続ける喪黒。喪黒の前に、興奮した様子の谷村が現れる。

谷村「喪黒さん!!」

喪黒「これはこれは……。谷村さん」


夜。パチンコ店を出て、バス停の前にいる喪黒と谷村。谷村の顔は、充実感のある表情をしている。

谷村「喪黒さん……!『パチンコ異世界』で、私は27万円稼ぎましたよ……!!」

22 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:56:26.094 ID:n0vDIUd3a.net
意外と現実的な額だった

23 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:57:14.394 ID:j2llxG4QD.net
喪黒「ね?だから言ったでしょう。『パチンコ異世界』は勝ちがあっても負けがない、夢のパチンコホールなのだと……」

谷村「いやぁ、まさかこんな店があるとは……。久しぶりに気持ちのいい思いをしましたよ!」

喪黒「ギャンブルで勝つというのは、脳内麻薬を大量に分泌するものなんですよ」

谷村「ねぇ、喪黒さん。これからも、この店に通い続けていいですか?」

喪黒「もちろん……と言いたいところですが、あなたには約束していただきたいことがあります」

谷村「約束!?」

喪黒「そうです。谷村さんが『パチンコ異世界』に通うのは、今の借金を返済するためだけにしておいてください」
   「借金を全て返し終わった後は、『パチンコ異世界』には2度と通ってはいけません。いいですね、約束ですよ!?」

谷村「わ、分かりました……。喪黒さん……」


テロップ「1か月後――」

とある消費者金融。窓口と女性社員と会話する谷村。彼の表情は、1か月前と違い余裕に満ちたものとなっている。

谷村「今日で私の借金は、返済完了ですよね?」

女性社員「はい」


24 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 17:59:29.183 ID:j2llxG4QD.net
自宅アパート。コタツに向かい、ノートパソコンを見つめる谷村。

谷村(借金を返し終わったなら、新しい仕事を探すしかないが……。この年で再び正社員になるのは、難しそうだな……)


夜。居酒屋チェーン店。若いバイトリーダーに命令される谷村。

バイトリーダー「谷村さーーん!!モタモタしないでくださいよーー!!」

谷村「す、すみません!!」

和風のユニフォームを着た谷村が、料理を積んだお盆を慌てて運ぶ。機械の呼び出し音を聞き、とあるテーブルへ向かう谷村。

部長「おお!谷村じゃないか!」

テーブルの前には、谷村が働いていた前の会社の上司と社員たちが座っている。

社員「谷村係長、こんなところで働いていたんですね……」

谷村「あの、ご注文は……」

一同から注文を聞き、テーブルを離れる谷村。しばらくして、テーブルから前の会社の関係者たちによる嘲りの声が聞こえる。

一同「ざまあみろ!!」

谷村(くそっ……!!あの店に通いさえすれば、俺はお前らよりも稼げるんだぞ……!!)

25 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 18:00:31.707 ID:u5lCAry10.net
毎回毎回クソ設定のつまらん話ししか書けないのになんでスレ立てするの?
馬鹿なの?

26 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 18:02:37.573 ID:j2llxG4QD.net
翌日。高速バスに乗る谷村。谷村はバスを降り、『パチンコ異世界』の中に入る。

谷村(そうだ……!俺には『パチンコ異世界』があるんだ!)

パチンコ台の前に座り、ハンドルを操作する谷村。液晶の画面に、筋骨隆々のアニメキャラの3D映像が映る。

スロットの中を、多くの銀玉が元気よく泳ぎまわる。谷村の椅子の後ろに積み重なるドル箱。

谷村(この店に通い続ければ、勝ち続けて気持ち良くなれるし……。俺はいくらでも金を稼げるんだ……!)

自信に満ちた表情になる谷村。彼は、このまま順調に勝ち続けているかのように見えたものの……。

パチンコ台の液晶の画面が、突然切り替わる。アニメの3D映像が消え、喪黒の顔が表示される液晶の画面。

喪黒「谷村東吉さん……。あなた約束を破りましたね」

谷村「も、喪黒さん……!!」

喪黒「私はあなたに言ったはずですよ。借金を完済した後は、『パチンコ異世界』には2度と通ってはいけない……と」
   「それにも関わらず……。谷村さんは今、この店に入ってスロットを打っていますねぇ」

谷村「そ、それがどうしたと言うんだ!!パチンコは俺の人生の全てなんだーーっ!!」


27 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 18:04:21.660 ID:fV0zQtgc0.net
続き、はよはよ!

28 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 18:05:02.593 ID:j2llxG4QD.net
喪黒「ほう……、それがあなたの答えですか。約束を破った以上、あなたには罰を受けて貰うしかありません!!」

液晶の画面の中の喪黒が、谷村へ右手の人差し指を向ける。

喪黒「ドーーーーーーーーーーーン!!!」

谷村「ギャアアアアアアアアア!!!」


喪黒のドーンを受け、椅子から倒れる谷村。彼が再び起きあがった時……、店の中は異様な状態となる。

谷村を除いて、客が一人もいなくなった店内。店中のパチンコ台から、一気に溢れ出る無数の銀玉。

いつの間にか、谷村の足元も銀玉で埋まっている。慌てて逃げようとしたものの、銀玉に足を取られて転ぶ谷村。

店にある全てのパチンコ台から、銀玉はなおも溢れ続ける。店内に響き渡る轟音。ゴオオオオッ!!!

谷村の身体は、胸元まで銀玉に埋もれていく。増え続ける銀玉を目にし、絶望した表情の谷村。

谷村「た、助けてくれーーーーっ!!!」


しばらく時間が経った後……。高速道路近くにあった『パチンコ異世界』は、空気の中へ溶けるように消えていく。

29 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 18:08:26.559 ID:j2llxG4QD.net
翌朝。駅の近くのパチンコ店。店の前の歩道に、変わり果てた姿の谷村が突然姿を現す。

耳の穴、両目の穴、鼻の穴、口にパチンコ玉が詰まった状態の谷村。谷村は首が垂れており、完全にこと切れている。

谷村の遺体を目にし、パニックを起こす通行人たち。

通行人たち「ウワアアアアアアアアアアアア!!!」


とある市街地。別のパチンコ店の前にいる喪黒。

喪黒「現在の日本では……、成人人口の3.6%に当たる約320万人が、ギャンブル依存症の疑いがあると言われています」
   「何しろ……。日本はパチンコ店や公営競技が全国各地に存在しており、ギャンブルが非常に身近な環境にあります」
   「ギャンブルによる勝ちは一時的な快感をもたらしますが……。その後で待っているのは、深刻な依存症との戦いです」
   「やめたくてもやめられず、破滅に気がついたときはもう手遅れ……。それがギャンブル依存症の怖さと言えましょう」
   「ギャンブルが人生の全てになったら、人間、おしまいですよ。例えば、パチンコ玉に埋もれて死んだ誰かさんのようにねぇ……」
   「オーホッホッホッホッホッホッホ……」

                   ―完―


30 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 18:09:52.261 ID:fV0zQtgc0.net
おもしろかったです!

31 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 18:10:20.081 ID:Vy2IvjOGa.net
おつ

32 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 18:38:39.552 ID:n0vDIUd3a.net


33 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/10/30(火) 18:47:08.240 ID:5KHWBYdG0.net
おゆ

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