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斧戦士「攻撃当たんねえ!」闇魔術師「嫌われたくない……」竜「火を吐けない」姫「触手になりたい!」

1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:06:08.679 ID:pnXL/PCj0.net
― 訓練所 ―

斧戦士「いくぜっ! どぉりゃぁぁぁぁぁっ!」ブオオンッ

女剣士「おっと」サッ

斧戦士「あっ」

女剣士「たっ!」シュバッ

ピタッ…

女剣士「あたしの勝ちだな」

斧戦士「オーノー!」

女剣士「あんたは大振りしすぎ。あんなの避けて下さいっていってるようなもんだ」

女剣士「パワーはあるんだからそこを直せば、きっと飛躍的に――」

斧戦士「ふん、斧は大振りしてナンボよ! 直すつもりなんてないぜ!」ザッザッ

女剣士「ったく……」

2 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:09:18.268 ID:pnXL/PCj0.net
― 城下町 ―

斧戦士「あ〜……くそっ! このところ全然勝てなくなってきた……」

ビュウッ…

斧戦士「……っと、風か」



幼女「あっ!」

幼女「あたしの帽子が! 木に引っかかっちゃった!」

幼女「取れない〜!」ピョンピョン

闇魔術師「クックック、どれ俺に任せてみろ」

幼女「ひっ!?」

3 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:11:21.017 ID:pnXL/PCj0.net
闇魔術師「闇の手よ……伸びろ」ズオオオ…

グジュグジュグジュグジュグジュ…

手の形をした闇のオーラが帽子をつかんだ。

闇魔術師「はい、どうぞ」ニタァ…

幼女「ひいい……!」ガタガタ…

闇魔術師「え」

幼女「うわぁぁぁぁぁん! 怖いよ〜!」タタタタタッ

闇魔術師「……あ」



斧戦士「…………」

4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:13:16.565 ID:pnXL/PCj0.net
闇魔術師(なぜだ……俺が何をしたというんだ……)

斧戦士「おい、あんた」

闇魔術師「…………!」

斧戦士「今の……見てたよ」

闇魔術師「えっ!」ドキッ

斧戦士「災難だったな……」

闇魔術師「問題ない……いつものことだ」

斧戦士「こうして出会ったのもなんかの縁、酒場で一杯どうだ?」

闇魔術師「よかろう」

5 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:17:08.850 ID:pnXL/PCj0.net
― 酒場 ―

ワイワイ… ガヤガヤ…

斧戦士「あんた、闇魔法の使い手か?」

闇魔術師「うむ」

斧戦士「昔、闇魔法で大暴れした≪暗黒教≫なんてやべぇ団体もあったし」

斧戦士「闇魔法の使い手なんてみんな悪党だと思ってたが、子供助けるようなこともするんだな」

闇魔術師「なにをいうか!」ギロッ

斧戦士「うおっ!」ビクッ

闇魔術師「闇魔法は魔法属性の一つに過ぎず、断じて悪などではない!」

闇魔術師「使い方を誤らねば、闇魔法だって人々の役に立つことができるのだ!」

斧戦士「わ、悪かった悪かったよ」

6 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:19:21.600 ID:pnXL/PCj0.net
斧戦士「だけどさ、悪でないって主張するなら、もう少し明るい格好した方がいいんじゃねえか?」

斧戦士「あんたのそのローブ、いかにも闇ですって感じだし」

闇魔術師「……む」

闇魔術師「まあ、これは……魔法というのはどうしても気持ちが大切だからな」

闇魔術師「闇魔法を扱うなら、こういう身なりをしていた方が精度が高まるのだよ」

斧戦士「そういうもんなんだ」

闇魔術師「そういうものなのだ」

斧戦士「他の魔法に取り組むつもりはないのか?」

闇魔術師「このままじゃろくに仕事にもありつけぬし、それも考えたのだが……」

闇魔術師「我が家は代々闇魔法の家系でな。そう簡単に他の魔法に浮気するわけには……」

斧戦士「分かる! 分かるぜぇ、その気持ち!」

7 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:21:37.699 ID:pnXL/PCj0.net
闇魔術師「分かるということは……お前も?」

斧戦士「ああ、俺は斧の豪快さに憧れて、斧使いになったんだが」

斧戦士「このところは剣技の進歩がすごくて、すっかり勝てなくなっちまったんだ」

斧戦士「今や斧なんて時代遅れの武器、なんていう野郎もいるしよ……」

斧戦士「だけど俺も、他の武器に乗りかえるなんてことはしたくねえんだ!」

斧戦士「斧の凄さを見せつけて、みんなを見返してやりてえんだ!」ズンッ

闇魔術師「ククク……我らジャンルは違えど、同じ志を持つ者同士のようだ……」

闇魔術師「……やってやろうではないか」

斧戦士「おう、やってやろうぜ!」

8 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:24:17.965 ID:pnXL/PCj0.net
闇魔術師「しかし、がむしゃらに動いても効果がないのは目に見えている」

斧戦士「ああ、でかい手柄を立てたり、偉い人とコネ作ったりしなきゃな」


ワイワイ… ガヤガヤ…

傭兵A「聞いたかよ、東の山にドラゴンが出没するって」

傭兵B「え、マジかよ? ドラゴンっていや、最上位の魔物じゃねえか!」

傭兵C「俺らで退治すりゃ、一気に名を上げられるぜ!」

ガヤガヤ… ワイワイ…


斧戦士「オーノー! 渡りに船とはこのことだな!」

闇魔術師「うむ……竜を退治したとなれば、斧と闇魔法の評判を上げるには十分すぎる」

9 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:25:06.440 ID:TOtcolvCr.net
オーノー!

10 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:26:31.160 ID:pnXL/PCj0.net
斧戦士「おい、お前ら!」

傭兵A「なんだ?」

斧戦士「今のドラゴン退治の話、俺らも一枚噛ませてくれねえか?」

傭兵A「えぇ〜? あんまり人数が増えるとなぁ……」

闇魔術師「よろしく頼む」ヌゥッ

傭兵A「ひっ!? ビ、ビックリした!」

傭兵B「まあ、いいんじゃねえか? なにしろ相手が相手だし、人数は多い方がいいだろ」

傭兵A「それもそうだな……。分かった、あんたらも仲間に入れてやるよ」

斧戦士「ありがとよ!」

11 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:29:15.281 ID:pnXL/PCj0.net
次の日――

― 東の山 ―

斧戦士「ここか……」

闇魔術師「竜がいてもおかしくはなさそうな山だな」

斧戦士「だが、妙だな……俺も竜については多少聞きかじっちゃいるが」

斧戦士「こんな人里に近い山で暮らすなんてありえねえんだが……」

傭兵A「おい、なにくっちゃべってやがる! ついて来ねえと置いてくぜ!」

斧戦士「おう、悪い悪い!」

ザッザッザッ…

12 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:29:34.165 ID:6po9U+cQd.net
支援

13 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:31:22.676 ID:pnXL/PCj0.net
ザッザッザッ…

傭兵A「お、いやがったぞ!」

傭兵B「あれが竜か! はじめて見た!」

傭兵C「で、でけえ……」


竜「…………」ズゥゥゥン


闇魔術師「おお……なんという迫力! これが竜というものか……!」

斧戦士「…………?」

14 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:34:17.809 ID:pnXL/PCj0.net
傭兵A「みんな、気をつけろよ!」チャキッ

傭兵B「おう!」チャキッ

傭兵C「慎重にいかねえと、あっという間に全滅だぜ!」チャキッ

剣を構える傭兵たち。

竜「…………」オロオロ…

傭兵A「お前らも援護頼むぜ!」

闇魔術師「分かっている……」ズズズズズ…

斧戦士「…………」

闇魔術師「ん? どうした?」

斧戦士「俺は一回だけ竜を見たことあるんだが、あんなもんじゃなかった」

斧戦士「もっととんでもないデカさだったぜ」

闇魔術師「ということは、あれはまさか――」

斧戦士「ああ……竜の子供だ」

闇魔術師「……なんだと?」

15 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:36:21.671 ID:pnXL/PCj0.net
傭兵A(そーっと近づいて……)

傭兵A「どりゃ!」ザシュッ

竜「グッ!」

傭兵B「もいっちょ!」ズバッ

竜「グアアアッ……!」

竜「すぅ〜……」

斧戦士「気をつけろ! 火を吐いてくるぞ!」

傭兵A「マジかよ、やべえ! みんな、下がれぇ!」

竜「フーッ!!!」


シーン…


傭兵A「……へ?」

16 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:38:32.668 ID:pnXL/PCj0.net
竜「あ、やっぱりダメだぁ……。吐けない……火を吐けないよぉ……」

傭兵A「…………」

傭兵A「こいつ……ひょっとして弱いんじゃね?」

傭兵B「ああ、さっきから全然攻撃してこないしな」

傭兵C「だとしたらチャンスじゃねえか? こんなんでも竜には違いないしな」

傭兵A「そうだな……死体にしちまえば“竜殺し”ってことにはかわりねえか!」

傭兵A「よーし、やっちまえーッ!!!」

竜「ひっ……!」



ザシュッ! ズバッ! ザクッ! ドシュッ! ザンッ!

17 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:40:28.762 ID:pnXL/PCj0.net
傭兵A「ひゃははは、体丸めてやがる!」ザシュッ

傭兵B「うはっ! 完全に怖気づいてるぜ!」ザクザクッ

傭兵C「オラオラ、少しは反撃してみろよ! このヘタレ竜!」ザンッ

竜「ひいいいいいっ……!」

傭兵A「お前らもやれよ! こいつは斬りがいがあるぜ!」ズバッ



斧戦士「…………」

闇魔術師「…………」

18 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:41:21.189 ID:TOtcolvCr.net
これはひどい

19 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:41:53.282 ID:jiWm0qvt0.net
ほう

20 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:42:14.316 ID:B0tKro0vM.net
面白くなったら呼んで

21 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:42:59.586 ID:7y96k6Vy0.net
これがゴブリンスレイヤーか

22 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:43:50.822 ID:pnXL/PCj0.net
斧戦士「おい……」

傭兵A「?」

斧戦士「その辺にしとけよ」

傭兵A「はぁ? なにいってやがる」

傭兵B「こいつの首を町に持ってかえりゃ、一躍ヒーローだぜ!」

斧戦士「それ以上やるってんなら……まずは俺が相手だ!」ズンッ

斧を構える斧戦士。

傭兵A「はぁ? ギャハハッ、んな斧で俺らと戦う気かよ!?」

傭兵B「おもしれえ、まずてめえから血祭りに上げてやるよ!」

斧戦士「…………」

23 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:44:03.877 ID:YAm013Dz0.net
>>20
面白いから恋

24 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:46:19.273 ID:pnXL/PCj0.net
斧戦士「ふんぬっ……ぬおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」ブオンッ

ドカァンッ!!!

ミシミシ…

傭兵A「ちょっ……あんなでかい木を……」

傭兵B「ケッ、ビビるな! あんな大振り、見せかけだけ――」

闇魔術師「俺も相手になろう……」

闇魔術師「闇の魔力で動きを縛れば、あの斧をもろに喰らうことになるな……」ズズズズズ…

傭兵A「な……! てめえまで……!」

傭兵ABC「…………」ゴクッ…

傭兵A「ちっ、行こうぜ!」

傭兵B「なんだこいつら……」

傭兵C「魔物に肩入れするなんてイカれてやがる……」

タタタッ…

傭兵たちは逃げ去っていった。

25 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:47:32.819 ID:TOtcolvCr.net
やだかっこいい

26 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:48:39.783 ID:pnXL/PCj0.net
斧戦士「ふぅ……逃げてってくれたか。ありがとよ、闇魔術師」

闇魔術師「いや……あの竜と、いつも疎まれている俺の姿がダブってしまったのでな」

斧戦士「おい竜、大丈夫か?」

竜「う、うん……ありがとう。いたた……」

斧戦士「傷だらけじゃねえか……。薬草はあるけどこんなデカイ体に効くかな……」

闇魔術師「問題ない。俺が闇魔法で治癒してやろう」ニタァ…

竜「え、ホント? ありがとう!」

斧戦士「闇魔法って回復もできるのか!」

闇魔術師「この闇オーラで傷口を覆えば、すぐさま治る」グジュグジュグジュ…

斧戦士(うげ……なにあれ)

竜「やだ! やっぱり治さなくていい!」

闇魔術師「なぁに、すぐ終わる……」グジュグジュグジュグジュグジュ…

竜「やだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

27 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:50:49.688 ID:pnXL/PCj0.net
……

斧戦士「なるほど、火を吐けなくて、親から見捨てられちまったと」

竜「うん……竜にとって火を吐けないってのは恥さらし、竜として認められないから」

竜「お父さんとお母さんにここに置き去りにされちゃったんだ……」

斧戦士「ライオンは子供を谷底に突き落とすなんていうが、竜の世界も厳しいんだな」

闇魔術師「こんな竜を退治するのは気がひける。別の仕事を探そうではないか」

斧戦士「そうだな」

斧戦士「なあボウズ、この辺で悪さしてる魔物だとか山賊だとか知らねえか?」

竜「ごめん、分からない」

竜「あ、でも、触手のおじさんならなにか知ってるかも!」

斧戦士「触手のおじさん?」

28 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:51:59.510 ID:YAm013Dz0.net
触手のおじさん?

29 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:52:34.278 ID:pnXL/PCj0.net
竜「この山で暮らしてる触手の魔物だよ!」

竜「物知りで、ボクもいつもお世話になってるんだ!」

闇魔術師「ほう……」

斧戦士「俺らは人間だけど、会ってくれんのか?」

竜「大丈夫だと思う。特にそっちの魔術師さんは、人間っぽくないし」

闇魔術師「ほっとけ」

斧戦士「分かった! ボウズ、その触手のとこに案内してくれ!」

竜「うん、分かった! ついてきて!」ズシンズシン…

30 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:55:26.029 ID:pnXL/PCj0.net
触手の生息地――

竜「おじさん!」

触手「……む? おおっ、竜の子供か」ウネウネ

斧戦士(マジで触手じゃんか……!)

闇魔術師(さながら陸上のイソギンチャクといったところか)

触手「この人間たちは?」ウネッ

竜「この人たちはいい人だよ。ボクが退治されそうになってるところを助けてくれたんだ!」

触手「今時珍しいタイプの人間だな」

竜「で、この人たち、おじさんの知恵を借りたいんだって!」

触手「私の?」

斧戦士「実は……」

31 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 20:58:27.508 ID:pnXL/PCj0.net
触手「ふぅむ、大手柄を立てるチャンスや大物とのコネクションを欲しているのか」ウネウネ

竜「なにか心当たりない?」

斧戦士(あるわけねーよな)

闇魔術師(触手に頼ってそんなものに巡り合えたら苦労はせん)

触手「……一つだけある」ウネッ

斧戦士「え、あるの!?」

触手「私の知り合いにこの王国の姫がいる」

触手「ちょうどお前たちのようなフリーな戦力を探していると聞いていた」

斧戦士「マジかよ!」

闇魔術師「この国の姫なら、コネクションとして申し分ないな」

斧戦士「で、どうやったら会えるんだ!?」

触手「どうやったらもなにも、彼女はもうすぐここに来るはずだ」

斧戦士「ここに!?」

闇魔術師「やってくるだと!?」

32 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:00:30.224 ID:pnXL/PCj0.net
闇魔術師「労せずして、この国の姫と会えるなどツイてるな!」

斧戦士「おう! 逆玉狙っちゃったりして……」ウヒヒ…

触手「…………」ウネ…

竜「おじさん、なんだか浮かないうねり方してるね。どうして?」

触手「いや……」


「こんにちはー!」タタタッ


触手「お、噂をすれば来たぞ」

斧戦士(いったいどんな人だろう……)ドキドキ…

闇魔術師(俺としたことがドキドキしてきたぞ……)ドキドキ…

竜(お姫様かぁ……)ドキドキ…

33 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:03:22.023 ID:pnXL/PCj0.net
姫「あれ? 今日は人がいっぱいね。わっ、竜までいる!」

触手「うむ、来客があってな」ウネウネ

斧戦士(おおっ、可愛い! 結婚したい!)

姫「そうだったんですか! 師匠も人気者になりましたね!」

斧戦士&闇魔術師(師匠……?)

姫「私、この王国の姫です! どうぞよろしくお願いします!」グネリッ

斧戦士&闇魔術師&竜「!?」ギョッ

斧戦士(なんだ!? 体がすごい曲がり方したぞ!?)

闇魔術師「あ、あの……さっきの“師匠”というのは……? まさか……?」

姫「ええ、私どうしても触手になりたくて、師匠に弟子入りしたの!」

姫「修行の成果があって、今ではこの通り!」ウネウネウネ

斧戦士「オーノー!」

闇魔術師「えええ……」

竜「ぐにゃぐにゃしてるぅ……」

34 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:04:56.493 ID:YAm013Dz0.net
つまり膣の中も・・

35 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:06:27.472 ID:pnXL/PCj0.net
竜「おじさんにこんなお弟子さんがいるなんて知らなかったよ」

触手「いや、弟子にした覚えはないんだが……」ウネェ…

姫「いーえ! たしかに弟子にするっておっしゃってました!」グネリッ

闇魔術師(今、首が180度くらい回ったぞ……)

斧戦士「えーと、どうやったらそんなになったんだ?」

姫「毎日のストレッチと……あとお酢を飲むことかしら」

斧戦士(そんなんで、絶対そんなにならないだろ……)

触手「それより、この者たちがお前に相談があるようなのだ。聞いてやってはくれんか」

姫「はいっ! 師匠命令とあらば!」ビシッ

36 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:08:34.230 ID:pnXL/PCj0.net
……

姫「それなら、ちょうどいい仕事があるわよ!」

姫「私、あなたたちのような名前が売れてないフリーな戦力を探してたの!」

姫「もちろん、うまくいったら、斧や闇魔法を存分に支援してあげるわ!」

斧戦士「よっしゃあ!」

闇魔術師「……で、どのような仕事なのだ?」

姫「やって欲しいのは、ある男女の護衛よ」

斧戦士「護衛か……」

闇魔術師「男女とは? 誰のことだ?」

姫「うーん、それを説明するのはここよりお城の方がいいわね」

斧戦士「結構込み入った話みてえだな」

闇魔術師「分かった、場所を変えよう」

37 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:10:32.854 ID:pnXL/PCj0.net
竜「あ、あの……」

斧戦士「ん?」

竜「ボクもついていっちゃ、ダメかな?」

斧戦士「別にいいけど……どうして?」

竜「ボクも、なにかお兄さんたちに恩返しをしたいんだ!」

斧戦士「へっ、気にすることないのによ」

闇魔術師「ついてきたければついてくるがいい」

姫「うーん、だけど竜がやってきたら、お城が大騒ぎになっちゃうわ」

竜「それなら大丈夫! ボク、人間に化けれるから! それっ!」ボワンッ

姫「えっ!?」

38 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:11:25.488 ID:mq6Rt706a.net
見てるぞ

39 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:12:03.576 ID:YAm013Dz0.net
えっ!?

40 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:12:32.501 ID:pnXL/PCj0.net
竜は一瞬で少年になった。

少年「……ね?」

斧戦士「おお、すげえ! ちゃんと服までできてやがる!」

闇魔術師「子供の竜が人間に化けると、やはり子供になるのだな」

姫「可愛い……捕獲しちゃいたいぐらいよ……」グネリッ

少年「ひっ!」

闇魔術師「どうして今までそれをやらなかったのだ?」

闇魔術師「そうすれば、さっきのように狙われることもなかったろうに」

少年「竜の世界では、人の姿に化けるのは誇りを捨てることだって教えられてるから……」

斧戦士「なるほどなぁ。で、捨てちまっていいのか?」

少年「ボクあまりそういうの気にしないから」

姫「柔軟なのはいいことよ! 師匠や私のようにね!」ウネウネウネ

斧戦士(あんたは柔らかすぎなんだよ!)

41 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:14:41.417 ID:pnXL/PCj0.net
姫「それじゃあ師匠、行ってきます!」

触手「うむ」ウネウネ…

ザッザッザッ…

触手「…………」ウネ…

触手(パワーだけはある斧戦士、嫌われたくない闇魔術師、火を吐けない竜、触手になりたい姫、か)

触手(なんともわけの分からん組み合わせだが……)

触手(何か……やれるかもしれんな)

…………

……

42 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:16:08.706 ID:ECzep0PBd.net
みてる

43 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:17:51.331 ID:pnXL/PCj0.net
斧戦士「ところで姫様よぉ、なんで触手になりたいなんて思ったんだ?」

姫「私、幼い頃、この山で迷子になって師匠に助けられたことがあるの」

姫「それで師匠みたいになるのが夢になって……」

闇魔術師「しかし、人間と触手は種族が違う。よく“なりたい”と思ったものだ」

姫「だってうちの騎士団長、まるで熊みたいだし、私も“なれる”って思っちゃったのよね」

斧戦士「ハハハ、なんだそれ」

闇魔術師「人を熊呼ばわりなど、ひどい話だ」

少年「いくら熊に似てても、人間は人間だよねえ」

姫「えーっ、ホントにそっくりなんだから!」

ハハハハ… ワイワイ…

44 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:17:59.366 ID:e/xAdTLDd.net
わくてか

45 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:20:18.087 ID:pnXL/PCj0.net
― 城 ―

姫「門番に話つけてきたから、あなたたちも中に入れるわよ」

斧戦士「まさか城に来ることになるとはな……」

闇魔術師「さすがに緊張するな」

少年「うわー、おっきい……」

姫「さ、ついてきて!」



「おや? 姫様、お帰りなさいませ」ヌゥッ

46 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:22:29.797 ID:pnXL/PCj0.net
騎士団長「今日はお客をお連れですか」

斧戦士「く、熊ァ!?」

闇魔術師「なんでこんなところに熊が!?」

少年「熊、怖いよぉ……!」

姫「ちょっと、あなたがビビってどうすんのよ」

騎士団長「おや、皆さん私のあだ名をご存じで? 光栄ですな」

斧戦士(そりゃ分かるって……)

姫「ね、熊みたいでしょ」

斧戦士&闇魔術師&少年「うん」

騎士団長「ハハハ、光栄ですな」

47 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:24:51.194 ID:pnXL/PCj0.net
姫「ただいま!」

執事「お帰りなさいませ、姫様」

執事「お客様もようこそいらっしゃいました。さ、こちらへどうぞ」

スタスタ…

斧戦士(すげぇ〜、城なんてはじめて入った!)キョロキョロ

闇魔術師(いいのかな……俺みたいなのがこんなところに来て)キョロキョロ

少年(絨毯フカフカだぁ〜)キョロキョロ

姫「三人とも、キョロキョロしすぎ」

姫「お姉ちゃん、入るわよ」コンコン…

「どうぞ」

斧戦士(お姉ちゃん!? ――ってことは、第一王女サマか!)

ギィィィ…

48 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:27:45.157 ID:pnXL/PCj0.net
姉姫「あら、いらっしゃい」ニッコリ…

姫「お姉ちゃん、協力してくれそうな人たちを連れてきたわ!」

姉姫「まぁっ、ホント?」

斧戦士(おお、キレイだ……!)

闇魔術師(だが、安心はできん……前例がいるからな)

斧戦士「あの、お姉さん、たとえば夢が“スライムになること”なんてオチはないっすよね?」

姉姫「そんなことありませんけど」

斧戦士&闇魔術師(よかった……)ホッ…

少年「?」

姫「なにホッとしてるのよ!」

49 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:28:48.051 ID:YAm013Dz0.net
ホッ・・

50 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:30:00.768 ID:diweA+yOM.net
斧ののか

51 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:30:38.785 ID:pnXL/PCj0.net
執事「皆さまに紅茶です。どうぞ」コトッ

斧戦士「これうんめえ!」グビグビ

少年「ホント! もっと欲しい!」グビグビ

闇魔術師「……コホン。ところで、護衛任務についてうかがいたいのだが」

姫「お姉ちゃん」チラッ

姉姫「実は私、一ヶ月後、我が国で隣国の王子様と三日間≪婚前デート≫をするのです」

斧戦士「デート?」

姉姫「デートといっても大勢の兵を引き連れた、大都市訪問といったところですが……」

闇魔術師「そうか、この王国は隣国と同盟関係を結ぼうとしている」

闇魔術師「そのために、あなたが嫁がれるというわけか」

姉姫「そうなんです」

姫「うちと隣国が同盟を結べば、かの帝国もそう簡単に手を出せない勢力になるわ!」

斧戦士「戦略結婚ってやつか……」

闇魔術師「政略な」

52 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:32:10.681 ID:YAm013Dz0.net
性略か

53 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:32:36.255 ID:pnXL/PCj0.net
少年「つまり、同盟のために、好きでもない人と結婚しなきゃいけないってこと?」

姉姫「いいえ、そんなことはありません。私もあの方のことを愛しています」

姉姫「ですが、結婚前の最後のデートぐらい、二人で自由なデートをしてみたいのです……」

姫「そこで、お姉ちゃんは公式行事のデートはそっくりな替え玉にお願いして」

姫「隣国の王子様と独自にデートすることにしたの!」

姫「その二人をあなたたちに護衛してもらいたいのよ!」

斧戦士「俺たちが……」

闇魔術師「頼みたい仕事というのは、お忍びデートの護衛というわけか……」

姫「そう、こんな仕事まさか兵士には頼めないし、傭兵の知り合いなんかいないし」

姫「どうしようって悩んでたところに、あなたたちと出会えたってわけ!」

少年「わぁっ、いいじゃない! やろうよ!」

斧戦士&闇魔術師「…………」

54 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:34:38.269 ID:pnXL/PCj0.net
斧戦士「いや、さすがにそれは……まずいんじゃ」

闇魔術師「うむ、バレたらただでは済まん……」

姫「どうしてよ! あなたたち、大きな手柄を立てたいんでしょ!?」

斧戦士「だけどよぉ……」

闇魔術師「国際問題にも発展しかねんし……」

姫「なによ! さっきまであんなに……!」

姉姫「おやめなさい」

姉姫「いいのです。無理強いするわけにはいきませんから……」

姫「……分かったわ」

執事「姫様……」

55 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:37:27.259 ID:pnXL/PCj0.net
姫「…………」

少年「どうして姫お姉さんは、自分のお姉さんにデートさせてあげたいの?」

姫「私が触手になりたいだとか、今までのびのび生きてこれたのはお姉ちゃんのおかげだった」

姫「お姉ちゃんが王女としての責務をしっかり果たしてくれたから、私は好き勝手やれたの」

姫「だから……だから……」

姫「だから、お姉ちゃんのたった一度のワガママくらいなんとしても叶えてあげたいのよ……」

少年「姫お姉さん……」

斧戦士「…………」

闇魔術師「…………」

56 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:40:06.585 ID:mq6Rt706a.net
おもしろい

57 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:40:41.571 ID:pnXL/PCj0.net
斧戦士「よし、決めた!」

斧戦士「俺……やっぱり力になってやるよ!」

闇魔術師「俺もだ……」ニタァ…

少年「ボクもついてく! いいでしょ!」

姫「え、いいの!?」

斧戦士「だって、今の話聞いちまってさぁ……やらないのは男じゃねえだろ!」

闇魔術師「うむ、俺の闇魔法の見せどころと見た」

姉姫「ありがとうございます……!」

執事「よかったですね、姉姫様」

姉姫「はい……!」

執事「お三方、どうかお二人をよろしくお願いします……」

斧戦士「おう、任せとけ!」

58 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:42:41.926 ID:diweA+yOM.net
ショタドラゴンは可愛いの?

59 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:43:28.390 ID:pnXL/PCj0.net
帰路につく斧戦士たち。

斧戦士「いやぁ〜、まさかこんな大仕事が舞い込んでくるとはな」

闇魔術師「しかし、やることはデートだ。危険はさほどでもなかろう」

斧戦士「そうだな。せいぜい観光旅行を楽しもうぜ!」

少年「ボク、楽しみ!」

斧戦士「ボウズ、デート中はくれぐれも竜になるんじゃねえぞ」

少年「分かってるよ。ボクの正体は四人だけの秘密ね!」

斧戦士「それじゃ俺、こっちだから」

闇魔術師「うむ」

少年「じゃーねー! 斧お兄さん!」

スタスタ…

斧戦士(この護衛を成功させて、あの姫とコネができれば……)

斧戦士(近衛兵になんかしてもらったりして……)グフフ…

60 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:45:38.830 ID:pnXL/PCj0.net
すると――

斧戦士「――ん?」

黒剣士「…………」ザッ

斧戦士(なんだこいつ……いきなり現れやがった!)

斧戦士「えーと、誰だ?」

黒剣士「……勝負を申し込む」

斧戦士「は? なにいって――」

シュバッ! ――ギィンッ!

鋭い斬り込みを、かろうじて防御する。

斧戦士「ぐっ!?(なんて速さだ……!)」

黒剣士「さあ、今度はそちらの番だ……」

61 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:47:24.030 ID:pnXL/PCj0.net
斧戦士「こなくそぉっ!」ブオンッ

黒剣士「ずいぶんと大振りだな」シュバッ

ザシィッ!

肩を斬られる。

斧戦士「ぐあああっ……!」ブシュッ…

斧戦士「くそっ、このっ!」ブンブン

斧戦士(ちくしょおおおお! 当たんねええええええ!!!)ブンブンブン

黒剣士「そんな力任せでは、薪割りがせいぜいだな」

黒剣士「トドメだ……」ジャキッ

斧戦士(やべえ……やられる……!)

62 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:49:32.369 ID:pnXL/PCj0.net
闇魔術師「おい、どうした!?」タタタッ

少年「どうしたの!?」タタタッ



黒剣士「……む。まあいい、実力は把握できた」

タタタッ…

闇魔術師「なんだあいつは? お前の友達か?」

斧戦士「はぁ、はぁ、はぁ……んなわけねえだろ……」

少年「大丈夫!?」

斧戦士「ああ……だけど、お前らが来なきゃヤバかった……」

闇魔術師「大した傷ではない、すぐ治癒してやろう」ニタァ…

斧戦士「え、治癒ってまさか――」

闇魔術師「もちろん、これだ」グジュグジュグジュ…

斧戦士「オーノー!」

63 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:50:16.196 ID:EDHf4EMvr.net
不穏な空気に

64 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:52:36.046 ID:pnXL/PCj0.net
……

斧戦士「やっと終わった……」

闇魔術師「回復してやったのだ。少しは感謝しろ」

斧戦士「分かってるよ! ありがとよ!」

闇魔術師「ところで今の剣士……いったい何者だったのだ?」

斧戦士「分かんねぇ……。黒ずくめで顔も隠してたし……」

斧戦士「だが、今度の護衛……もしかしたら、一筋縄じゃいかないかもしんねえ……」

闇魔術師「うむ……」

少年「うん……!」

斧戦士(マジで殺されそうになって、やっと分かった……!)

斧戦士(このままじゃダメだ、このままじゃ……)

65 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:55:24.691 ID:pnXL/PCj0.net
― 訓練所 ―

斧戦士「……お前に折り入って頼みがある」

女剣士「?」

斧戦士「俺を鍛えてくれ!」ガバッ

女剣士「いきなりどうした?」

斧戦士「今度、重要な仕事をすることになってな……。今のままじゃダメだって分かったんだ!」

女剣士「どんな仕事だ?」

斧戦士(正直に話すわけには……いかねえよなぁ……)

斧戦士「んーと、ある女性を守る、的な?」

女剣士「!? 誰だ、その女性というのは!」

斧戦士「それは……内緒だ!」

女剣士「なんだそれ!」

66 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:56:43.390 ID:pnXL/PCj0.net
女剣士「教えてくれなきゃ、稽古なんかつけない!」

斧戦士「……頼む!」

斧戦士「どうしても、やり遂げなきゃならないんだ!」

女剣士「……いいだろう。だが、手加減はしないぞ!」

斧戦士「もちろんだ!」

67 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 21:58:15.664 ID:pnXL/PCj0.net
斧戦士「どぅりゃあっ!」ブオンッ

女剣士「だから、あんたは大振りすぎる!」

斧戦士「やっぱりこのスタイルを変えなきゃダメかぁ……」

斧戦士(闇魔術師は闇魔法で人助けしようとし、竜のボウズはプライドを捨てて人に化けた!)

斧戦士(あの姫様だって触手になりたい一心で、あんな人間離れした柔軟さを手に入れた!)

斧戦士(俺ももう“斧らしさ”とか“男らしさ”とかいってらんねえ!)

斧戦士(強くならねえと……!)

斧戦士「もういっちょう!」ヒュオッ

女剣士「おおっ! 今のはよかったぞ!」

68 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:00:24.657 ID:pnXL/PCj0.net
他のメンバーもそれぞれ――

闇魔術師「…………」ズズズ…

闇魔術師「……瞑想終了」

闇魔術師「もっと魔力を上げておかんとな……。いざという時、枯渇したらまずい……」



竜「フーッ! フーッ!」

竜「ダメだぁ……どうしても火が出ない……!」



姫「よっと」グネリッ

姫「ど〜う? こんなに曲がるようになったのよ」グネリッグネリッ

執事「姫様、お見事です」パチパチ



…………

……

69 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:05:04.010 ID:pnXL/PCj0.net
一ヶ月後――

― 城 ―

国王「ただいまより、我が国の第一王女と隣国の王子殿による婚前デートを開始する!」

国王「皆の者、盛大に出発を祝ってくれたまえ!」


ワァァァァ……! ワァァァァ……!

ドンドコドン… ドンドコドン…



「姉姫様バンザーイ!」 「隣国王子バンザーイ!」 「行ってらっしゃいませー!」

ワアァァァァァ……!


城の周辺は、大勢の民衆と兵士が集まり盛り上がっていた。

70 :以下、?ちゃんねるからVIPがbィ送りします:2018/12/05(水) 22:07:33.458 ID:pnXL/PCj0.net
その裏では――

姉姫「よろしくお願いします……」

王子「バレないように頼むよ」

影姉姫「はいっ!」

影王子「お二人もごゆっくり!」

姫「さあ、あっちに護衛の三人が待ってるわ!」

執事「姫様たち、早く! このパレードを抜け出せるのは今しかありません!」

姫「行ってくるわ、執事!」

執事「城でデートの成功をお祈りしております」ペコッ

71 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:09:31.305 ID:pnXL/PCj0.net
王子「フッ……君たちが護衛役かい? まあ、三日間よろしく頼むよ」

斧戦士(こいつが……隣国の王子! どことなくいけ好かない奴だぜ……)

王子「さっそく自己紹介してもらおうか?」

斧戦士「斧戦士だ! 攻撃がなかなか当たらねえ!」

闇魔術師「闇魔術師だ……皆に嫌われている」

少年「ボクはりゅ……じゃなかった、ただの人間の子供です!」

姫「あなたの義理の妹になる姫よ! 夢は触手になること!」グネグネ

王子「…………」

王子「フッ、期待してるよ」

斧戦士(あっ、意外といい人かも)

72 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:12:31.193 ID:pnXL/PCj0.net
姫「それじゃお姉ちゃん、デートコースをみんなに教えてあげてくれる?」

姉姫「ええ」


一日目 湖畔の村に宿泊(名物のクリームシチューを食べる)

二日目 西の山で登山&キャンプ

三日目 古城を訪問


姉姫「このように考えてます」

斧戦士「へぇ〜、なかなかいいデートプランだな。大都市訪問なんかよりよっぽど面白そうだ」

姫「そりゃそうよ、私とお姉ちゃんと執事で考えたんだから!」

姫「さ、お姉ちゃんと王子さんは馬車に乗ってもらって……しゅっぱーつ!」

73 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:14:35.806 ID:pnXL/PCj0.net
道中――

ガラガラガラガラガラ…

ザッザッザッ…

姉姫「こうして、王子様とゆっくりデートができるなんてホント嬉しいです」

王子「ボクもだよ」


斧戦士(ゆっくりとデートといきゃいいがな……)

斧戦士「ところでさっきから、後ろをつけてきてる奴がいるな」ヒソヒソ…

闇魔術師「ああ、全身を白いローブで覆っている」ヒソヒソ…

闇魔術師「どうする……? 俺の闇魔法で威嚇してみるか?」

斧戦士「いや、やめとこう。ただの旅人かもしれねえし」



白ローブ「…………」ザッ…

74 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:16:51.015 ID:pnXL/PCj0.net
デート開始から一時間ほど経過――

バババッ

武装兵A「その馬車、止まれ!」

武装兵B「ここから先へは通さんぞ!」

ザザッ…

武器を持った集団が一行の行く手を塞いだ。



斧戦士「なんだ!?」

少年「うわぁ!?」

75 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:18:51.581 ID:pnXL/PCj0.net
武装兵A「隣国の王子を引き渡してもらおう。我々の手で成敗してくれる!」

斧戦士「なにいってやがる! この馬車に王子なんか乗ってねえよ!」

武装兵A「ふん、調べはついているのだ!」

斧戦士「なにい……!?」

少年「あわわわ……」

斧戦士「なんなんだこいつら!?」

闇魔術師「おそらく、隣国を嫌ってる一派……それも≪過激派≫の連中だろう」

闇魔術師「隣国との同盟を阻止するため、やってきたにちがいない」

武装兵A「その通り! 我らは隣国との同盟など断じて認めん!」

武装兵B「王子を引き渡せばよし。さもなくば、全員痛い目を見るぞ!」

76 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:21:28.381 ID:pnXL/PCj0.net
斧戦士「ここは俺に任せときな」ズイッ

武装兵A「や、やる気か!?」

斧戦士「お前ら全員、武器を構えろよ」

武装兵A「みんな、構えろぉ!」

バババッ

斧戦士(よーし、全員の武器がうまく並んだ!)

斧戦士(この一ヶ月……俺は筋トレだってこなしてきたんだぜえっ!)

斧戦士「ぬううんっ!!!」ブオオンッ

バキキキィィンッ!!!

武装兵A「な……!?」

「ひいいっ!」 「俺の剣が……!」 「槍が折れた!」

斧戦士「お前ら……出直してきなぁ!」ビシッ

ワァァ…… ヒィィ……

武装集団はあっさり逃げていった。

77 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:23:17.782 ID:pnXL/PCj0.net
斧戦士「どうよ?」

闇魔術師「おお……やるではないか」

少年「すごーい!」

姫「あなたこんなに強かったのね!」

斧戦士「あいつら見たとこ武器もろくに持ったことない素人集団だろ?」

斧戦士「さすがにそんなのに負けらんねえよ。武器もナマクラだったしよ」

ワイワイ…

斧戦士(後ろにいる白ローブも動き無し、か……)



白ローブ「…………」

78 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:25:39.723 ID:pnXL/PCj0.net
― 湖畔の村 ―

村長「これはこれは旅の方々、湖畔の村へようこそ」

姉姫「この村の名物であるクリームシチューを食べさせて頂きたいのですが」

王子「お金はたっぷりある。全員に振る舞ってくれたまえよ」ジャラッ

村長「おお、これはこれは……ずいぶんと裕福な旅人様ですな」

村長「シチューはあちらにある民家でご用意します」

村長「夜になるまでは、しばらく村を散策していて下され」

姫「は〜い!」グネリッ

村長「おわっ!?」

少年「ボク、シチュー楽しみ!」

79 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:28:10.084 ID:pnXL/PCj0.net
村を自由に歩き回る一行。

姉姫「のどかで、キレイなところですね……」

王子「うん、公式のデートだったら絶対来られなかっただろう」



姫「あんなにのびのびしたお姉ちゃん見るのはじめて……」グネーッ

少年「姫お姉さんはいつものびのびしてるもんね」

斧戦士「だが、気になるな……」

闇魔術師「なにがだ?」

斧戦士「決まってんだろ。なんでこのデートがあの≪過激派≫どもにバレてたかってことだよ」

闇魔術師「ううむ……たしかに。極秘デートのはずなのに……」

斧戦士「ま、いいか! クリームシチューが楽しみだぜ!」

闇魔術師「あまりよくない気もするが……俺も楽しみだ」ニタァ…

80 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:28:46.413 ID:uWKBzjQbr.net
支援

81 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:30:14.156 ID:pnXL/PCj0.net
夜になり――

村娘「うちの村自慢のクリームシチューです! 熱いうちに召し上がって下さい!」

モグモグ…

斧戦士「うんめえ!」

闇魔術師「うむ、これはたまらん。色が黒ければもっとよかった」

少年「おいしーっ!」

姫「トロ〜リしてて、ますます体が柔らかくなりそう!」グネグネェ…

姉姫「濃厚で、それでいてまろやかで、とてもおいしいです……!」

王子「フッ、君を料理人として、スカウトしたいぐらいだよ」

村娘「皆さん、ありがとうございます!」

82 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:32:41.628 ID:pnXL/PCj0.net
斧戦士「おかわりください!」バッ

少年「斧お兄さんだけ、いっぱい食べてずるい!」

斧戦士「覚えとけボウズ、体が大きい奴はたっぷり食べる権利があんだよ」

少年「体の大きさだったらボクだって……!」

闇魔術師「おいっ! 戻ってはならんぞ、こんな家の中で!」

少年「あ、いっけない」

姫「んもう……ハラハラさせないでよ」

姉姫「?」

王子「?」

アハハハハ… ハハハハハ…

83 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:34:44.174 ID:pnXL/PCj0.net
姉姫「この辺りは治安はいかがですか?」

村娘「今はとても良好です。騎士団の人達がよく対応して下さったおかげで……」

姉姫「それはよかった」

村娘「ただ……先ほど気になる知らせが入ってきたんですよね」

姉姫「というと?」

村娘「昔逮捕されて、牢獄にいた≪暗黒教≫の教祖が、何者かの手引きによって脱獄したとか……」

村娘「看守の人達は、鋭い爪のようなもので倒されてたそうです」

姉姫「まぁっ……」

姫「物騒な話ね……」

闇魔術師(暗黒教だと……!)



斧戦士「…………」ピクッ

84 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:37:22.310 ID:pnXL/PCj0.net
斧戦士「お前ら……どうやらちょっと忙しくなりそうだぜ」

闇魔術師「どうした?」

斧戦士「外が騒がしい……おそらく山賊かなんかだ……!」

闇魔術師「なんだと!?」

斧戦士「俺と闇魔術師だけ外に出る。みんなはこのまま中にいてくれ」

姉姫「どうかお気をつけて!」

姫「頼んだわよ!」

王子「君たちの働きに期待しているよ……フッ」

少年「脂汗、ハンカチで拭く?」

王子「ありがとう……フッ」フキフキ

85 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:40:27.082 ID:pnXL/PCj0.net
村の入り口で、村長たちが山賊と対峙していた。

村人「村長、どうしましょう!?」

村長「大丈夫じゃ。今の山賊どもは賢い……金さえ払えば帰っていくケースが多いという」

村長「あ、あの……どうかこれでご勘弁を」ジャラ…

首領「へっ、ずいぶんと用意がいいな」

首領「一応もらっとくが、オレたちはこんなもんどうでもいいんだよ」

首領「もっといえば、この村自体どうでもいい」

村長「おっしゃる意味が……」

首領「一つだけ質問に答えろ。この村に旅人集団が来てるはずだ。どこにいる?」

村長「あちらの民家ですが……」

首領「よし、そいつらだ! 間違いねえ! そいつら“だけ”を狙え!」

山賊A「へい!」

山賊B「分かりやした!」

ウオォォォォォ……!

86 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:40:29.160 ID:oQB7iZBl0.net
みてるぞ

87 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:41:20.011 ID:JLF6oLyv0.net
俺も少年になろうと思えばなれるのかな…

88 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:43:07.261 ID:pnXL/PCj0.net
斧戦士(他の家や村人はスルーして、まっすぐこっちに来やがった!)

山賊A「こいつが護衛か!」ダッ

山賊B「やっちまえ!」ダッ

斧戦士「ふんぬうっ!」ブオオンッ

ドカッ! ザシュッ!

山賊AB「ぐあああっ……!」

豪快な斧さばきで、二人を仕留める。

斧戦士「オラァ! バッサリやられたい奴だけかかってきなァ!」

山賊C「てめえ、よくもやりやがったなァ!」

89 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:45:23.292 ID:pnXL/PCj0.net
闇魔術師「一人だけいい格好はさせんぞ」ヌゥッ

斧戦士「オーノー! 夜だと昼間の十倍は怖いぞ、お前!」

闇魔術師「闇よ、渦となりて敵を飲み込め……」

ズオオオオッ…

山賊C「なんだこれ!? 黒いのがまとわりついてきて――」

山賊C「う、うぎゃぁぁぁぁぁっ!!!」メキメキゴキゴキ…

斧戦士「おお、やるじゃねえか!」

闇魔術師「褒めてる場合ではない。まだまだ山賊はいるのだからな」

斧戦士「ちいっ! 全員こっちに向かってきやがる!」

姫「私にも手伝わせて!」グネリッ

斧戦士&闇魔術師「えっ!?」

90 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:47:36.368 ID:pnXL/PCj0.net
斧戦士「あんたは姫なんだぞ! 戦っちゃダメだろ!」

姫「大丈夫、私だって師匠の弟子よ。山賊なんかに負けないんだから!」

山賊D「オラァッ!」ブンッ

姫「あらよっと」ウネリッ

山賊D「な!?」

姫「触手心得其の一……≪常に柔軟であれ≫!」

姫「そして――」ガシッ

山賊にチョークスリーパーを決める。

山賊D「ぐ、ぐるじっ……!」

姫「触手心得其の二……≪獲物を捕える時は一瞬で≫!」グググ…

山賊D「あふぅ……」ガクッ

闇魔術師「失神させた……!」

斧戦士「や、やるじゃねえか、姫!」

姫「でしょ〜!」グネグネグネグネグネ

91 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:48:46.908 ID:mxGY/9ZRr.net
姫強いなw

92 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:50:38.247 ID:pnXL/PCj0.net
首領「なに手こずってやがる! ええい、オレが出る!」

首領「うおおおおおおおっ!!!」ブオッ

斧戦士「ぐっ!」ギンッ

斧戦士「だりゃあっ!」ブンッ

首領「こんな大振りが当たるかよぉっ!」サッ

首領「今だっ! 家の中にいる、姉姫と王子をとっ捕まえるんだ!」

山賊E「へいっ!」

斧戦士(こいつらもデートのこと知ってやがる! なんでだよぉっ!)

斧戦士「やべえっ! こいつらを家に入れるな!」

闇魔術師「くっ!」ズオオオオッ

姫「ダメ、入られちゃう!」

93 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:53:09.095 ID:pnXL/PCj0.net
ところが――

ザシュッ……!

山賊E「ぐはっ……!?」ドサッ

斧戦士「!?」

斧戦士「お前は……!」

白ローブ「…………」ザッ

斧戦士「誰だ!? なにもんだ!? なんで助太刀した!?」

白ローブ「あたしだ、あたし」

斧戦士「この声! ま、まさか……」

バサァッ!

女剣士「そうだ、あたしだ」

斧戦士「オーノー!」

94 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:55:55.598 ID:pnXL/PCj0.net
女剣士「今はあたしのことより、さっさとそいつを倒してしまえ!」

斧戦士「おう!」

斧と棍棒が押し合う。

首領「オレの腕力に張り合うとは……ぬがぁぁぁぁぁっ!」グッ…

斧戦士「パワー勝負なら負けねえぜぇ!」グッ…

グググググ…

斧戦士「ぬぅあぁぁぁぁぁっ!」ムキィッ

首領「ゲェッ! 押され――」

ガシュッ!

首領「ぐ、はぁ……っ!」ドサッ…



「わわっ……首領がやられた!」 「逃げるぞ!」 「ひええ〜っ!」

タタタタタッ… タタタタタッ…

95 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:57:45.725 ID:6izkuQLza.net
姫「ダメ、入られちゃう!」

いやらしい

96 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:57:48.227 ID:+3LwNJSJ0.net
ククク・・面白い

97 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 22:58:17.441 ID:pnXL/PCj0.net
女剣士「ふぅ……あたしに感謝しろよ」

斧戦士「助かったぜ……だけど、なんでお前がここにいるんだよ!?」

女剣士「あんたがどんな仕事をするか気になったからだ」

斧戦士「だからなんで?」

女剣士「ほら、女の人を守る……とかいってたから!」

斧戦士「ハァ? 意味分かんねーよ」

姫「あなたは誰? もしかして……斧戦士さんの恋人?」

斧戦士「恋人じゃねえよ!」

女剣士「恋人じゃない!」



闇魔術師「イチャイチャしおって……闇魔法をぶつけてやりたい」ズズズ…

98 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 23:00:24.852 ID:pnXL/PCj0.net
……

女剣士「話は分かりました。是非あたしも参加させて下さい!」

姉姫「ええ、喜んで」

王子「フッ、ようやくまともな人が入ってくれて嬉しいよ」

斧戦士「傷つくこというのやめてくれる?」

闇魔術師「しかし、気になる……。なぜ山賊がこのデートのことを知っていたのか……」

姫「だったら私に任せて! ちょうど一人、捕まえてあるからさ」グイッ

山賊D「ひ、ひいいいっ……! ボク、悪い山賊じゃないよ! 見逃してぇぇぇ……!」

姫「触手心得其の三、≪拷問は容赦なく≫!」ウネウネウネウネウネ…

コチョコチョコチョコチョコチョ…

山賊D「あひゃひゃひゃひゃひゃっ! ひゃーひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!」

山賊D「げーっひゃっひゃっひゃっひゃっ! あひゃっ……! あひゃひゃっ……!」

少年「うわぁ……」ゾッ…

斧戦士「子供が見るもんじゃねえ」サッ

99 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 23:03:14.502 ID:pnXL/PCj0.net
姫「なんで私たちを襲ったの?」コチョコチョコチョ…

山賊D「た、頼まれっ……頼まれたんでしゅっ!」

姫「誰によ?」コチョコチョコチョ…

山賊D「く、黒っ! 黒ずくめの……剣士っ! 大金、くれたからっ……!」

斧戦士「…………!」

斧戦士「やっぱりあいつか……」

闇魔術師「奴はいったい何者なのだ?」

斧戦士「おそらく、さっきの≪過激派≫に違いねえ! きっとあいつがリーダーなんだ!」

闇魔術師「となると、次はいよいよあの剣士自ら来る可能性が高いな」

斧戦士「おもしれえじゃねえか……。返り討ちにして、斧の強さを見せつけてやるぜ!」

少年「…………」

少年(ボクも、役に立ちたい……)

こうしてデート一日目は終わった――

100 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/12/05(水) 23:06:21.211 ID:pnXL/PCj0.net
次の日――

― 西の山 ―

斧戦士「今日はこの山を登って、山頂でキャンプか」

斧戦士「標高は低い山だが、ナメてかからないようにな」

ワイワイ…

少年「闇お兄さん、大丈夫?」

闇魔術師「この格好で登山はキツイ……」ハァハァ…

女剣士「姫様、体柔らかいですね……」

姫「私、触手目指してるから」グネグネッ

王子「足もとに気をつけて。さ、ボクにつかまって」サッ

姉姫「ええ、ありがとうございます」

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