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少女「魔女! 今日こそ倒してやるわ! 覚悟しなさい!」 魔女「どうじゃ小娘? 今日は茶でも飲まんか? お菓子もあるぞ?」
- 1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 22:50:47.471 ID:ieesrE450.net
- 魔女「……ふふ。来おったか」
バーン!
少女「魔女! 今日こそ倒してやるわ! 覚悟しなさい!」
魔女「どうじゃ小娘? 今日は茶でも飲まんか? お菓子もあるぞ?」
少女「子供扱いしないで!」
魔女「事実子供じゃろうに……」
少女「ぐぬぬぬぬ……! いいわ、すぐに撤回させてあげる! 私の実力っ! 思い知りなさい!」チャキッ
魔女「やれやれ……。剣を向けるからには命を賭ける覚悟がある、と受け取って良いのじゃな?」
少女「当然! ……行くわよっ!」ダダッ
魔女「……ふん」パチン
少女「ぐっ……!? う、動けない……!」
魔女「いい加減に学習せんか。これで何度目じゃよ」
少女「……」
魔女「はぁ……。寝込みを襲うなり油断させて隙を突くなりすればよかろう」
少女「そんなのっ……! そんなの卑怯だもん……」
魔女「……やはりまだまだ子供よのう」
少女「うぅ……」
魔女「さて……。小娘、先程命を賭けると言ったな?」
少女「……」
- 2 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 22:53:48.268 ID:ieesrE450.net
- 魔女「小娘よ、覚悟は良いな?」
少女「ふ、ふんっ……!」
魔女「妾は魔女じゃ。命を奪うと言ってもあっさりと殺したりはせぬ」
少女「……」
魔女「とても痛くて、とても苦しくて。涙を流す余裕すら存在せぬ。そんな責め苦が三日三晩絶え間なく続くのじゃ」
少女「……」プルプル
魔女「心配せずとも気が触れることはない。妾の魔法で死に至る瞬間まで──」
少女「……や」
魔女「んー? なんじゃって?」
少女「イヤ……イヤぁ……! たすけてぇ!」ポロポロ
魔女「嫌? 助けて? 何甘えたこと言っておるのじゃ。泣けば許すとでも思っておるのか?」
少女「ごめ゛っ、ごめんなさい゛っ……! ごめんなさい……! うぇぇ……ごめんなさいぃ……」ポロポロ
魔女「……謝るなら、まあ、許してやらんこともない」
少女「ゔぇぇぇぇ……! ん゛ぇぇぇぇん……!」
魔女「まったく、仕方のないやつじゃのう……。うるさくて敵わん」パチン
少女「……すやぁ」
魔女「少し脅かしすぎたかの……。ふふ、大人しくしておれば愛らしいのにのう。……ゲフンゲフン。さて、魔法で家に送り返してやるか」
少女「すー……すー……」
魔女「……おやすみ」チュッ
シュン──
魔女「やれやれ。はぁ……まったく……」
- 3 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 22:55:04.745 ID:KON9p5sbr.net
- はよいちゃいちゃしろ
- 4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 22:57:39.981 ID:ieesrE450.net
- 〜数日後〜
魔女「ふんふーんふんふんふーん」
少女「魔女ー!」
魔女「む……」
少女「魔女ー?」
コンコン
魔女「……」
少女「魔女ー? おーい!」
コンコンコンコンコンコン
魔女「……留守じゃよ」
少女「いるじゃない! お邪魔するわよ!」
ガチャッ
魔女「はぁ……」
少女「お掃除をしに来たわ!」
魔女「この前の負け分か」
少女「そうよ。勝負に負けて、見逃してもらって……。その借りはきっちりと返すわ。じゃないと次に挑めないもの」
魔女「律儀じゃのう……。もう妾のもとへは来ないと言ってくれるのが一番なんじゃが」
少女「それは無理ね」
魔女「せめて、そこまで妾を殺したいと思う理由を聞かせてほしいのう」
少女「……魔女を倒して実力を示す。それだけよ」
魔女「さっぱりわからん」
少女「いいわよ、分からなくて。さ、掃除を始めるわね」
魔女「むぅ……」
- 5 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:01:12.996 ID:ieesrE450.net
- 少女「それにしても毎回毎回よくこんなに散らかせるわね……」
魔女「あー……片付けは苦手でのう……」
少女「だらしのない魔女ね! やっぱり早く倒さなくちゃ!」
魔女「どうしてそうなる……」
少女「あっ、そろそろお昼にしましょうか」
魔女「その辺に転がってるパンでも食べるかのう」
少女「……」
魔女「お菓子の方が良かったかの?」
少女「もうっ! いつもどんな食生活してるのよっ!」
魔女「食事なんてつまらんし」
少女「いっつも一人で寂しく食べてるからでしょ? ……今日は私と二人よ。きっとつまらなくはないわ」
魔女「そういうものかのー」
少女「しょうがないから私が作ってあげる。簡単なものしか作れないけど」
魔女「怪我などせぬようにな?」
少女「子供扱いしないで!」
魔女「子供じゃろうて……」
少女「すぐに撤回させてあげるわ! そのヘボ舌を唸らせてあげる!」
- 6 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:04:38.016 ID:BEnYu+Xk0.net
- 見てるぞ
- 7 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:04:41.502 ID:ieesrE450.net
- 少女「……ぐすっ」
魔女「そら、出来たぞ。いい加減に泣き止むがいい」
少女「うー……!」ゴシゴシ
魔女「ふふ、それでは食べるとするか」
少女「……いただきます」パクッ
魔女「どうじゃ? かなり久しぶりじゃが上手いもんじゃろう?」
少女「おいしい……」パクパク
魔女「実は毒を盛ってあるのじゃが」
少女「んぐっ……!? ゴホッゴホッ!」
魔女「嘘じゃよ。ほれ、水」
少女「んくっ、んくっ、んくっ……ぷはっ! はぁ……はぁ……」
魔女「実は今の水に毒が」
少女「ひぃっ……!?」
魔女「嘘じゃよ」
少女「……」ジトー
魔女「単純すぎて逆にからかい甲斐がないのう」
少女「魔女めぇ……!」パクパク
魔女「ふふふ、そこまで美味そうに食べてもらえると作った甲斐はあったの」
少女「くそぅ……くそぅ……! こんなに料理が上手だなんて……!」ムシャムシャ
魔女「おかわりもあるぞ」
少女「……おかわりっ」
- 8 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:08:21.880 ID:ieesrE450.net
- 魔女「ふぅ、食べた食べた」
少女「ごちそうさまでした。……どうだった?」
魔女「どう、とは?」
少女「ご飯、つまらなかった?」
魔女「……悪くはなかった、かの」
少女「えへっ」
魔女「そなたの慌てふためく顔も見られたしのう。むふふ」
少女「そ、それは忘れなさいよ!」
魔女「いーやーじゃー」
少女「ぐぬぬぬぬ……!」
魔女「力尽くで言うことを聞かせたらどうじゃ? ん?」
少女「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぅ!」
魔女「ふふははは! 無理じゃったな! そうじゃそうじゃ! 妾に勝てぬから今こうしてここにいるんじゃもんなあ!」
少女「ムキーッ! いつか絶対倒してやるんだからーっ! もう帰るっ! さよならっ!」
魔女「うむ、じゃあの。もう来なくて良いぞ」
少女「また来るわよ! ベーッだ!」
ドタドタ バタン
魔女「ふふ……またの」
- 9 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:12:10.181 ID:ieesrE450.net
- 〜数日後〜
ドンドンドンドン!
魔女「な、なんじゃなんじゃ!? 小娘か!?」
男「魔女さん! 大変なんだ! 魔女さんっ!」
ドンドン!
魔女「そなたか。血相を変えてどうしたのじゃ?」
男「ああ、よかった……! 魔女さん、大変なんだ……! 娘が……娘がっ……!」
魔女「小娘が……? 詳しく話せ!」
男「街で流行病が蔓延してて……む、娘がそれに……」
魔女「なんじゃ、病か。驚かせおって」
男「ただの病気じゃないんだ! 四日で死んでしまう恐ろしい病気で──」
魔女「わかったわかった。薬を作ってやるから。それで? 今何日目なんじゃ?」
男「……今日で四日目に」
魔女「なっ……!? ばっか、小僧、どうしてもっと早く来ないんじゃ!?」
男「ただの風邪だと思って……! お願いします! どうか娘を助けてください!」
魔女「当たり前じゃ! すぐに家に行く! 薬なんぞ作っておったら間に合わん! 妾が直接治す!」
- 10 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:15:12.378 ID:YLKNcIH30.net
- これは世界滅ぼしますわ
- 11 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:15:33.588 ID:ieesrE450.net
- 少女「……」
女「ああ……神様……」
シュン──
魔女「小娘っ!」
女「きゃあっ!?」
魔女「むっ……これは不味い……! もう一刻の猶予も残っておらぬ……!」
少女「……」
女「ま、魔女さん……! 娘が──」
魔女「わかっておる! 退け! ……あとしばし向こうを向いておれ」
女「は、はい……」ソソクサ
魔女「妾には病の仕組みが理解出来ぬ故、魔法では治せぬが……」
女「……」チラチラ
魔女「……今治してやるからの」チュッ
少女「……」ピクッ
魔女「じゅるるるるるるっ!」
少女「ふあっ……!?」ビクン
女「む、娘が目を覚ました……!」
魔女「じゅるり……。ふぅ、これでひとまず安心じゃな。病は妾が残らず吸い出した。あとは栄養をつけて休養すれば大丈夫じゃ」
女「娘がちゅーで回復した……」
少女「ま……」
女「はいはい、ママはここにいますよ」
少女「ち、が……」
魔女「では妾は帰る。あとで小僧に薬を持たせるから、街の皆に配ると良い」パチン
シュン──
- 12 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:18:06.832 ID:z0vPjrh1d.net
- 少女みずはすで脳内再生余裕
- 13 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:18:57.069 ID:ieesrE450.net
- 〜三日後〜
魔女「けほっけほっ……あぅ……」
少女「魔女ー……? いるー……?」ソローリ
魔女「うーん……うーん……」
少女「……!」
魔女「けほっ……けほけほっ……ずびー……」
少女「魔女っ……!」
魔女「んー……」
少女「大変っ……すごい熱……!」
魔女「小娘か……。たいしたこと……ない……けほっけほっ!」
少女「バカッ! 大したことあるわよ! 待ってて、今お医者様を──」
魔女「待て……」ガシッ
少女「ど、どうしたの? 早くお医者様に診てもらわなくちゃ!」
魔女「無駄……なのじゃよ……。なに、寝ていれば治る……だから……けほっけほっけほっ!」
少女「ダメよそんなの! すぐに連れて戻ってくるから寝てなさい! いいわね!?」
バタバタバタ……
魔女「ずびー……。あぅぅ……」
- 14 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:22:25.341 ID:ieesrE450.net
- 少女「先生……どうですか……?」
医者「儂にはどうにもできねえな」
少女「そんなっ!」
魔女「じゃから言ったろ。寝てれば治る。寝るくらいしかできぬのじゃよ」
医者「まーた無茶しやがって。今度は誰の肩代わりしたんだ? え?」
魔女「……」プイッ
医者「ま、いいけどよ。お人好しも程々にしねえと、いい加減くたばっちまうぞ」
少女「あの、先生……それってどういう……」
医者「こいつはな、他人の──」
魔女「なんでもない。……なんでもないよ」
医者「……なるほどな」チラッ
少女「先生?」
医者「悪いけど儂はもう帰るぜ。何もできなくてすまねえな。栄養剤くらいは置いてってやるからよ」
魔女「ふふっ、すまんの。けほっ」
少女「……」
医者「お嬢ちゃんもあんまり遅くならねえようにな。また身体壊したら目も当てられねえぞ?」
ガチャッ バタン
魔女「……」
少女「……」
- 15 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:26:33.521 ID:ieesrE450.net
- 少女「私のせい、なんだね……」
魔女「違う」
少女「お母さんから聞いたわ。私の病気、『吸って』くれたんでしょ? だから……代わりに……」
魔女「……妾がしたくてしたことじゃ。そなたが気に病む必要はないよ」
少女「うぅ……ぐすっ……」
魔女「ふふ、妾を殺すなら今じゃぞ?」
少女「あなたっ……! 冗談でもそんなこと言わないで!」
魔女「冗談なんぞ言わぬよ。これは千載一遇の好機じゃ。こんな機会、おそらく二度とはない」
少女「やめなさい! 本気で怒るわよ……!」
魔女「あれだけ殺したがっておったじゃろ。それが、今、叶う……。だから──」
少女「あなたを殺したいと思ったことなんて一度だってないっ!」
魔女「む……?」
少女「私は! あなたを倒して、私の実力をあなたに認めさせたいだけ! 殺すなんて……そんなこと絶対にしない!」
魔女「い、いや……意味が……」
少女「……」
魔女「……」
少女「……ずっと昔。あなたが領主様の息子に言い寄られた時のこと、覚えてる?」
魔女「うむ……。なんとなくじゃが……」
少女「その時のことよ──」
- 16 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:29:23.838 ID:ieesrE450.net
- 〜十年前〜
クズ男「ねえ、君。君だよ君」
魔女「……」
クズ男「ちょっとー。無視しないでよ。俺のこと知らないの?」
魔女「知らぬわ。たわけめ」
クズ男「たわけ(笑)」
魔女「ふん、くだらん。やはり宴席なぞ来るんじゃなかったわ」
クズ男「つまんないよねー。だからさ、俺と遊ぼうよ。ね? 俺の親父、ここの領主だからさ。なんでも好きなことできるんだよ」
魔女「失せよ。妾は貴様のような奴が嫌いじゃ」
クズ男「えー? いいじゃん(笑) 俺といると絶対楽しいよ? 一晩かけて最高の気分にしてあげるからさ」
魔女「……チッ」
クズ男「はぁ……ったく、この俺が下手に出てりゃいい気になりやがって……。オラァ! 来いよ!」グイッ
魔女「ふふっ、力づくとは。腐った奴じゃのう。手を離せ」
ざわざわ……
クズ男「はあ? お前もう俺のおもちゃ決定だから(笑) 言っとくけど誰も助けてなんてくれねーからな? 俺偉いから(笑)」
魔女「助けなんぞいらぬわ。そもそも偉いのは貴様ではなく、貴様の父親であろう。……最後じゃ。手を離せ」
クズ男「ククク……痛い目見ないと分からないかなあ!?」
幼女「やめなさい!」
- 17 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:33:17.557 ID:ieesrE450.net
- クズ男「……あ?」
幼女「いやがってるでしょ! やめなさい!」
魔女「おい小娘、妾は大丈夫じゃ。お子様は退がっておれ」
クズ男「そうだよガキ。ぶっ殺されたくなかったらすっこんでろ!」
幼女「ひっ……!」
魔女「子供相手に怒鳴るでない。……小娘、気持ちは買うがそなたには関係のないことじゃ。わざわざ怖い思いをすることはない」
クズ男「チッ。ほらさっさと行くぞ。グズグズしてるとそのガキぶん殴るからな」
幼女「!」ビクッ
魔女「わかったわかった。やれやれ、とんだ厄日じゃのう……」
クズ男「へへっ、俺の部屋に行こうぜ(笑) 楽しいことたくさん教えてやるよ(笑)」
幼女「ま、まちなさい……!」プルプル
ざわざわ……ざわざわ……
幼女「おねーさん、いやがっています……! だから、やめ──」
バキッ!
幼女「あぐっ……!」ズサーッ
クズ男「うるっせーよ……なあ……おい……」
シーン……
幼女「い、たい……。うぅ……ぐすっ……」
魔女「……自業自得じゃ」
幼女「うぅ……うぅーっ……! おねーさんから……はなれなさいよ……!」ヨロヨロ
クズ男「んだよオラァ! 死んどけクソガキがぁ!」
ゴスッドカッボコッ
幼女「かはっ……ゔっ……おぇぇっ……」ビチャチャ
- 18 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:35:12.995 ID:YLKNcIH30.net
- けっこうやられててワロス
- 19 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:36:40.674 ID:H6vEOW3Or.net
- 幼女になにしてんだ
- 20 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:36:45.834 ID:ieesrE450.net
- クズ男「うっわ、きったねえ! 靴が汚れちまったじゃねえか……」
幼女「おね、さん……にげて……」ガシッ
クズ男「離れろガキ! ゲロまみれでくっついてくんじゃねえよ! オラッ! クソッ!」
ゲシッゲシッ
魔女「お、おい……。死んでしまうぞ……。妾ならついて行くと言っておるじゃろ……。だからもうやめてやってくれ……」
クズ男「いいや、ダメだ! 絶対に許さねえ! クソガキの家族ごと地獄に叩き落としてやる!」
幼女「にげ……て……」ガクガク
クズ男「テメェいい加減に──」
魔女「……いい加減にするのは貴様じゃ」
クズ男「あ゛ぁ!? へぶぁっ……!?」ドサッ
魔女「ほれ、立たぬか。どうした? 何を這いつくばっておる」
クズ男「あ……あ……?」ガクガク
魔女「たった一発引っ叩いただけで戦意喪失か? ふん、妾と共に居たいのなら、妾より強くなければのう」ニヤリ
クズ男「バ、バケモンかよこいつぅ!?」
魔女「あー、貴様。たしか地獄に叩き落とすとか言っておったな。折角じゃ、地獄がどんな所か見てくると良い。妾がしっかりと送り届けてやろう」
領主「ま、待ってくれ!」ドタドタ
クズ男「お、親父ぃ……! 助けてくれぇ……!」
領主「魔女さん、うちの馬鹿息子が申し訳ないことをした! この通りだ!」
クズ男「親父ぃ……」
領主「お前も謝れ! この馬鹿野郎が!」ベシッ
クズ男「ご、ごべんな゛さい゛ぃ……」
魔女「はっ。そなたら、何を愉快なことをしておる?」
領主「……はい?」
- 21 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:41:45.365 ID:ieesrE450.net
- 魔女「今この場を見て、妾に許しを請うことが大事なことだと思うのか?」
領主「も、もちろんだとも! 私は領主だ。この領地を守ることは何よりも大事なこと! だから魔女さん、どうか……!」
魔女「子が子なら親も親、か。この幼子は目に入らぬのか?」
幼女「コヒュ……カヒュッ……」
領主「こ、こんな子供などに構ってる場合では……」オロオロ
魔女「そうか。……そうか」
領主「そんなことよりも魔女さん……」
魔女「少し黙っておれ。小娘、少し身体を触るぞ? ……ふむ、体内までボロボロじゃのう。人外の術でもなければ治せぬのう」
幼女「ぅ……ぁ……」
魔女「幸運であったな、小娘。妾なら治せる。ふふ、妾を救ってくれた恩、返さなければの」パチン
幼女「ぁ……れ……? いたく、ない……?」
領主「お、おお……まさに奇跡だ……! やはり魔女は凄い……」
クズ男「い、今のうちに逃げ──」
魔女「……」パチン
フッ──
領主「ヒィィッ!? 息子が消えてしまった……!」
魔女「親子共々、人の心というものを学んでくると良い。生きて帰ってこられたら、きっと素敵な人間になっておることじゃろう」
領主「私もぉ!?」
魔女「当然じゃ、馬鹿者」パチン
領主「ぎぇぇぇぇ──」
フッ──
幼女「し、しんじゃったの……?」
魔女「まさか。ちょっぴりお灸を据えるだけじゃよ。ふふ、なんであれ奴らは謝ったのじゃ。少しは手心を加えてやらねばならぬ」
幼女「おねーさんはだいじょぶ?」ジーッ
魔女「なんと、妾の心配とは。ふはは! 大丈夫大丈夫。怪我なんてしておらんよ」
幼女「おケガもそうだけどね、おねーさん、ずっとさみしそうにしてたから。だから、だからね? だいじょぶかなって」
魔女「……!」
幼女「おねーさん?」
魔女「……ああ、大丈夫じゃよ。慣れておるからの」
- 22 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:44:50.865 ID:ieesrE450.net
- 〜現在〜
少女「その時にね、思ったの。そばに居てあげたいって」
魔女「あの時から、何も変わらないんじゃな……。そなたはずっと……大馬鹿者じゃよ……」
少女「えへへ……。だからお願い……死なないで……」ギュッ
魔女「けーほっけほっ! く、苦しいぞ……」
少女「あっ、ご、ごめんね……」
魔女「けほっ、ふぅ……。はぁ、まったく。死んだりせんから安心せい」
少女「でも……私の病気を吸ってあなたが……」
魔女「妾は魔女じゃぞ? 人が死に至る程の病故にこうして、けほっけほっ! ……寝込んではおるがの、そう簡単に死んだりはせぬよ」
少女「そ、そうなの……? 本当? いつもみたいに嘘ついてない?」
魔女「妾そんなに嘘ついておるかの……。ついておったわ……」
少女「心配だからそばに……いや、駄目だわ……。そばに居たいならもっと強くならなくちゃ……」ブツブツ
魔女「堅物じゃのう……」
少女「……私、帰るね。ご飯は作っておくし、お着替えも用意しておくわ。お水はここに、お医者様から頂いた栄養剤はこっちに──」
魔女「ふふ、わかったわかった。……ありがとうの」
少女「きっと、きっとあなたを倒すから。だから……早く元気になりなさいよ! またね、魔女!」
魔女「ふん、生意気な。もう来るでないわ阿呆め」
- 23 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:47:48.100 ID:ieesrE450.net
- 〜ひと月後〜
魔女「……ふふ。来おったか」
バーン!
少女「魔女! 今日こそ倒してやるわ! 覚悟しなさい!」
魔女「どうじゃ小娘? 今日は茶でも飲まんか? お菓子もあるぞ?」
少女「子供扱いしないで! ……用事が先よ」
魔女「ほう?」
少女「行くわよ! すぐにケリをつけてあげる!」ダダダッ
魔女「剣すら構えず正面切って特攻か……。学ばんのう……。妾が指を鳴らせば決着じゃというに」
少女「とりゃあぁぁぁぁっ!
魔女「終いじゃ──」スッ
少女「……大好きっ」ニコッ
魔女「なっ、なななっ……!? あっ、指が……」スカッ
少女「捕まえ……たーっ!」ガバーッ
魔女「のわっ!?」
ガラガラガシャーン
少女「えへへ! 私の勝ちだよ!」ギューッ
魔女「い、今のは反則じゃ! 無し!無ーしー!」
少女「えー? じゃあもう一回やる? ……やっとあなたと一緒に居られると思ったのに」
魔女「ぐぬ……。仕方ないのう……。あー、わかったわかった! 妾の負け! むぅ……こんな小娘にたった50回で負けるとは……」
少女「回数……」
魔女「あっ、いや」
少女「ちゃんと覚えててくれたの!?」
魔女「……た、偶々頭に残っておっただけじゃ! 別に数えてた訳では……! そなたが来てくれて喜んでたなんてこと……あっ」
少女「んぅ〜っ! もうっ! かわいいんだからっ!」
魔女「うぬぅ……妾の威厳が……」
- 24 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:50:28.735 ID:ieesrE450.net
- 魔女「ほれ、茶のおかわりじゃ」コトッ
少女「ありがとう! お茶もこのお菓子も、とっても美味しいわね!」モグモグ
魔女「よく食べるのう。それな、妾が作ったんじゃよ。隠し味にジェコが入っておる」
少女「じぇこ? なにかしら?」パクパク
魔女「森に住むヤモリじゃ」
少女「んぐっ……!?」
魔女「嘘じゃよ」
少女「ゴホッゴホッ! もうっ! やめなさいよ!」
魔女「反応が愛おしくてのう。つい」
少女「今日こそは許さないわ! 私、もう帰るからっ!」
魔女「えっ、あのっ、ちょっとした冗談で、その……」
少女「えへへ、なんちゃって♪ 冗談よ♪」
魔女「なぁっ……!?」
少女「お返しですー。でも、たしかにかわいい反応ね……。私もクセになりそう……」
魔女「こ、小娘ぇ……!」
少女「ふふーん、やめてほしかったらね、言うことを聞いてもらうわよ」
魔女「……言ってみよ」
少女「小娘じゃなくて、名前で呼んで?」
魔女「む……。な、名前で……?」モジモジ
少女「私もあなたのこと、名前で呼んでもいいかしら?」
魔女「では……お互い名前で呼ぶことにしようかの……?」チラッチラッ
少女「うん♪ えへへ……私の名前、呼んでみて?」
魔女「あぅ……。で、ではいくぞ……?すー……はー……」
少女「……」ニコニコ
魔女「──」
おしまい
- 25 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:51:33.838 ID:oU1g5NFqp.net
- なんか、あったかい
- 26 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:51:55.950 ID:rhmGbUYar.net
- よかったぞ
- 27 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:54:12.179 ID:ndpn5Aked.net
- えんどろー思い出した
- 28 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:57:02.715 ID:zmV1nq4U0.net
- いいね
- 29 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/10(水) 23:59:33.406 ID:YLKNcIH30.net
- 終始マレフィセントだったんだけど正解のイメージ教えてくれ
- 30 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/11(木) 00:02:15.346 ID:HUmQo1xP0.net
- よかったよ
乙です
- 31 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/11(木) 00:05:29.451 ID:htoD8RA80.net
- 容姿は好きに想像してくれていいよ
人のイメージ壊したくないし
丸投げだよ丸投げ
- 32 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/11(木) 00:19:05.652 ID:YgEB47Yyp.net
- 魔女は見た目若いイメージだった
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