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盲目聖女(♀)「おや……懐かしい顔だね。」

1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/08/14(水) 03:18:12.111 ID:a1hZKH1ed.net
聖女「いつか私を裏切り、姿をくらました○○くんじゃないか。……この感じ、そうだろう?」

聖女「どうしたの、突然私の前に現れたりして。……今度こそ、私を殺しに来たのかい?」

聖女「ふふ……ああ、分かるよ。たとえ目が見えなくともね。私は“これ”を失ってから、他の感覚が鋭くなった。ま、よくある話さ。」

聖女「キミのことはなんでも覚えているよ。歩き方の癖から生じる靴の音。身体の大きさから来る音の反響の仕方。そしてなにより、キミの匂い。」

聖女「私がまだ“まとも”だったころの……私の大切な、かけがえのない思い出。…………それを思い出してしまった。ほんの少し、嫌な気分だよ。」

聖女「それでも私は、キミを歓迎し、祝福するよ。それが今の私の務め。多くの命を奪ってきた私に科せられた、罰。」

聖女「……それで?今日はこんなところへなんのご用だい?…………どうやら、茶を飲みに来たわけでもなさそうだ。」

聖女「…………キミは今も昔も、ずっと変わらないね…。顔を見ずとも分かる。……キミはいつも、辛そうな顔をして剣を握るんだね。」

聖女「ふふふ、分かるとも。キミのことは、恐らくキミ以上にね。キミ以上にキミのことを愛しているし、私はキミ以上に、キミを憎んでもいる。」

聖女「その因果を断ち切りに来たというのなら…………私には、どうすることもできない。というより、どうもしたくないといったほうが適切なのかな。」

聖女「キミが私を憎む気持ちを、私はどうしてやることも出来ない。それならば、私はキミを愛する者として、この命をキミに捧げてあげたいと思っている。」

聖女「…………どうぞ。まさか目の見えない女の首くらい、違わずに撥ねられるだろう?痛いのは、誰だって嫌だからね。」

聖女「……いい人生だった。今度はキミとも、仲良くやりたいが…。」

聖女「………………。」

聖女「……そう、か。…………聖女の私が言うのもなんだが……これで少しは、私も救われると、思っていたんだが…。」

聖女「…………今度は、お茶でも飲みながらゆっくり……昔話でもしよう。私はいつだってここにいる。キミのことを、待っているよ。」

聖女「それじゃあ…………またね。」

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