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上条当麻「ん、とある禁書キャラが戦うスッドレか」

1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/05(土) 22:10:24.619 ID:IaMw2ijV0.net
上条「はぁ…」テクテク

上条「いよいよ財布の中が空っぽになっちまったか……」

上条「これじゃ購買部のパンも買えねぇ……っていうか、そういえば俺の出席日数って本格的に大丈夫なのか??」

上条「小萌先生の家って確か近くにあったよな……よし、行くか」ダッ

ゴンッ!!

そう言って走り出し、曲がり角を曲がった所で誰かとぶつかってしまったらしい。

上条「いてて……あ、すみません」

上条 vs >>4

61 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 01:30:14 ID:UN1ithL40.net
上ジェルマンってあれか、期待

62 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 01:42:43 ID:tDsh958J0.net
削板「うーん、最近は根性ある奴とやりあってねぇなぁ」テクテク

削板「どこかにいたら戦いたいんだが……お?」

──────────

上条「くっそー……絶対この辺だと思ったんだけどなぁ……」テクテク

上条「テッラ5人衆に襲われた時落としちゃったんだよなぁ、財布」テクテク

上条「そりゃ中身は空っぽだけどさぁ……あれだって無料ってわけじゃないんだし…」

削板「おーいカミジョー」ダッダッダッ

上条「ん?……削板か、良い所に来たな。ちょっと聞いてくれよ」

──────────

削板「ほーん、分裂した根性無しに根性入れてたら財布落としちまったのか」

上条「あぁ。だから手分けして探してくれねぇかなって」

削板「ああいいぞ」

上条「本当か!助かっ…」

削板「ただし条件がある。それは今からこの俺と根性比べをすることだーっ!」バーンッ!!

上条「くっ……助かったと思ったのにまたなんか無駄に大怪我しそうな事案が!?あとその背後で炸裂したカラフルな煙はなんだよ!!」

削板「そうと決まれば……いくぜ!」グッ

上条「まだやるって決めてねぇんだけどなぁ……」

上条「……しょーがない、お前は別に悪い奴じゃないし、こうなったらとことん付き合ってやr」

削板「すごいパーンチ」ゴッ!!

上条「るぅぅぅんぉおあああああ!!?」

ガラガラガラ…ガッシャーン!!

ツンツン頭は遠くのコンテナ群に激突し、その山に埋もれて見えなくなってしまった。

63 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 01:51:34.729 ID:tDsh958J0.net
上条「いてて……くそ、動けねぇ」

アンナ「……あら?」テクテク

アンナ「(前後の流れは全く読めないけど、何だか面白そうね)」

アンナ「ちょっといいかしら?」

上条「だ、誰かいるのか…?見えねぇけど……よかった、ちょっとこの瓦礫の山を何とかしてくれ」

アンナ「その前に、わらわ特製の痛み止め兼治療薬を投与してあげるわ。そのまま引っこ抜いて体を怪我したら困るでしょう?」スッ

上条「あ?あーそうだな、じゃあお言葉に甘えもごっ!?」

アンナ「じゃあね」テクテク

上条「お、おいこれ退かす方は……!?もごもご、まぁ治療薬貰えたのは驚いたけど……」ゴクン

ミシッ

上条「ん……?これ、この感覚に、中年おっさん味……まさか」

メキメキメキッ

上条「ごっがぁぁあああああ!!?」ビクンビクン

──────────

削板「カミジョーの奴遅いな……いつもならすぐ出てきそうなんだが」

──────────

64 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 02:07:46 ID:tDsh958J0.net
上条の全身が悲鳴を上げる。激痛と共に出血し、意識や自我が曖昧なものとなっていく。

上条「(この感覚は……間違いない、なら…やってやるよ、何度でも)」

コンテナの山の中で『一人』取り残され、手足も動かせない彼は、それでも力ある言葉を放つ。

上条「……俺は、『お前』を知ってるよ。具体的な経緯なんかはわからないけど、それでも……お前を知っている」

そこには誰もいないはずなのに。

上条「……お前はただ、「人に夢を与えたかった」。それが一番最初に抱いた、お前の夢だ。違うか?」

呼応する声があった。

サンジェルマン『……何故、それを』

上条「『お前』から聞いた」

サンジェルマン『……なるほど』

その台詞は、『彼』を納得させるだけのものだったのだろう。

サンジェルマン『……私はただ、人々に「夢」を与えたかった』

上条「………」

サンジェルマン『例えそれが「虚構」のものであったとしても、いつかそんな夢を実現する者が現れるように。私は、彼らの目標となり……生きる活力を与えたかった』

上条「……じゃあ、さ……俺に力を貸してくれないか?」

サンジェルマン『………』

上条「お前と共に闘いたい。そして、お前の夢を叶える手伝いがしたい。それが……今抱いている俺の『夢』だ」

サンジェルマン『……ずるい言い方だ』

上条「かもしれない」

サンジェルマン『………、あぁ』

この少年の置かれた状況から察するに、この場を脱するだの対話でもあったのだろう。
だけど、その言葉が嘘でないことは、少年の脳を使っている彼には理解できた。
だから。

サンジェルマン『       』

聞き慣れない言葉だった。
しかし、その単語と数字の言い回しには覚えがあった。
すなわち、
魔法名。

サンジェルマン『……私は、人の想いを、夢を!守りたい!!』

その言葉と同時に、上条の『左手』が黒く硬質化していく。

サンジェルマン『この世界に、諦念の「涙」なんていらない!!』

そして、周囲から放たれた炭素の槍が、彼に自由を与えるべくコンテナの山を打ち砕いていく。

上条「──行こう」

65 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 02:16:04 ID:5bCwOkAc0.net
クソかっこいいけどこいつら金の入ってない財布のために戦うんだよな…

66 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 02:23:43.300 ID:tDsh958J0.net
削板「ちょっと遅いな……心配だし様子見に行くか」ダッ

ガラガラガラ…

削板「ん……?」

上条「悪い、待たせたな」

削板「いやそれはいいんだが……なんかすげー血が出てるし、左手と頬の辺りが真っ黒だし、大丈夫か?」

上条「大丈夫だ、問題ない」

削板「そうか……よくわからんが、根性振り絞って立ち上がったのはわかるぞ。そんなもの見せられたら、俺も根性見せるしかねぇよな!」グッ

上条「……行けるか?サンジェルマン」

サンジェルマン『誰にものを言っている』

削板「すごい……パァァンチッ!!」ゴッ!!

上条「おおおおっ!!」パキーン!!

上条「(……あいつの能力は、とりあえず消せる。まずはとにかく近づいて……)」

削板「相変わらず面白ぇな、その右手!!」ドンッ!!

ドドドドド……!!

根性の男が地面を殴りつけると、その衝撃が伝播し地を破壊しながら上条に襲いかかる。

上条「くっ……サンジェルマン、頼む!」ズズズ…

サンジェルマン『任された。命は繋ごう』

ツンツン頭の肉体の主導権が左手を起点に入れ替わる。

サンジェルマン『シャンボール』

走る上条の左右から、黒く硬質化した炭素の槍が鞭のようにしなり、破壊の渦を吹き飛ばしていく。

67 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 02:29:41.684 ID:liPxy4KPd.net
上条さんもはや超能力者よな

68 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 02:34:46 ID:Vu2mXLJO0.net
上条さんがこうなるのってどの辺の話なんや

69 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 02:42:43 ID:QcqGJnWN0.net
>>68
最新巻
アニメならダイジェストで進めて6期の序盤相当

70 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 02:45:03.287 ID:tDsh958J0.net
削板「あん?その右手……打ち消し以外の能力もあるのか?」

サンジェルマン『いいや。今この少年には、二つの意思と力が共存しているというだけだよ』ダッ

削板「(アストラル・バディとかドッペルゲンガーみたいな話だな……)」

削板「とにかく、半端な根性じゃ押し返されるってことか」スッ

サンジェルマン『む……?』

削板「はぁぁぁぁぁぁああああ……」ゴゴゴゴ…

削板「超すごいパァァンチッ!!』ドッッ!!

ドドドドド…!!!!

サンジェルマン『これは……受け止めるのは厳しそうだな』グッ

サンジェルマン『テトラクテュス、それは10を形作る数字の三角。その完全性にて我を上昇させよ!』スッ

上条の両手指から炭素繊維の糸が展開され、トランポリンのようにその体を高く飛ばす。

削板「へぇ、色々できるんだな。だが空中じゃ避け切れねぇだろ」

サンジェルマン『くっ…』

再び狙いを定めた鉢巻の少年の目が光を放ち、謎の波動でその身を包む。

削板「超すごい…パァァンチ!!」ゴッ!!

サンジェルマン『能力者!!バトンを受けとる用意はできたか!』ズズズ…

上条「あぁ!!ゲホッ…!」

『能力者が魔術を行使する反動』によって心身にダメージを受けるが、それ以上の危機が上条の思考を先鋭化させていく。

71 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 03:03:24.129 ID:tDsh958J0.net
上条「うおおおおお!!」パキーン!!

ジリジリジリジリジリ…

上条「(くっ……何だこの質、打ち消し切れねぇ……!!)」メキメキメキッ

上条「おぉああああああッッ!!」グイッ

ドォォォーン……

削板「(ギリギリの所で上に反らしたか……)」

ヒューン…

上条「やべっ…着地!」

サンジェルマン『そのくらいならお安い御用だ』ズズズ…

上条の左手から炭素繊維の糸が網のように広がり、その体を受け止める。

上条「ぐっ……助かった」ズズズ…

制御権の戻った上条は、微妙に絡まった残りの糸を右手でほどいていく。

上条「(正直に言って、もう意識のラリーを何度も続ける程の体力は残っちゃいねぇ……だけど)」ダッ

上条「(削板(あいつ)は、目と鼻の先!!)」ダッダッダッ

削板「へぇ、そこまでボロボロになってもまだ向かってくるか……やっぱ大した根性だぜ、お前」グッ

上条「(このまま直接向かっても、あいつの攻撃を受け止めるのはもう難しい)」

削板「(あいつが俺に拳を叩き込めるまでの距離を逆算、そこまでは根性を溜めて、この一撃で決める!)」

削板「はぁぁぁぁぁあああああ……」ゴゴゴゴ…

上条「(恐らく、次の攻撃で俺は倒れるのだろう。……だから!)」ダッ

72 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 03:09:13 ID:Xqhu0E9x0.net
見てるぞ

73 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 03:12:40.508 ID:oS+maXKk0.net
スッドレじゃなくてスレッドだけどな

74 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 03:16:43.664 ID:tDsh958J0.net
削板「(あいつの拳が俺を捉えるまで……)」ゴゴゴゴ…

上条「………」ダッ

削板「(6…5…)」

上条「………」ダッ

削板「(4…)」

上条「(サンジェルマン!!)」ズズズ…

心の中で叫んだ直後、彼の足元からダイヤモンドで形成された六角柱が斜めに突き出し、その体を爆発的に加速させる。

削板「は…!?」

サンジェルマン『(能力者!)』ズズズ…

上条「(サンジェルマン!)」ズズズ…

上条&サンジェルマン『「返す!!」』ドカッッ!!

意識(こんじょう)の範囲外から二人分の拳を受け、削板の体が後方へと吹き飛んだ。

75 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 03:28:44 ID:6WWO5oKwd.net
>>73
昔はスレッドの事をスッドレって言ったりしたのよ

76 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 03:35:05.369 ID:tDsh958J0.net
──────────

削板「中々見つからねぇなぁ……ん?」テクテク

削板「……お、もしかしてこれか?」スッ

上条「ん?……おお、これ、これだよ俺の財布!!」

削板「よかったじゃねぇか、根性振り絞った介があって」

上条「あぁ、よかっ……」フラッ

ドサッ

削板「……お?おーい、大丈夫かー?って、至る所が血まみれじゃねぇか!」

削板「いや、これは俺のせいなのか……?いやでもそこまで内側からボロボロになるような攻撃した覚えも……と、とにかく110番だな!!」スッ

愛と勇気と根性の男は、真紅に染まったツンツン頭を抱えて走り出す。

そして、

サンジェルマン『(……まったく、シュプレンゲル嬢も厄介なことをしてくれたものだ)』

サンジェルマン『(私が存在する限りこの少年を蝕み続け、この少年の右手がある限り私の存在は打ち消され続ける)』

サンジェルマン『(まぁ、ここで私が取るべき行動など決まっているのだがね)』

心の中でそう呟くと、意識のない上条の右手付近に自身を形成する微生物を集束させていく。

サンジェルマン『(さて……しばしのお別れだ、少年。せめて君が少しでも悲しまぬよう意識のない内に消えていくとしよう)』

サンジェルマン『(何、安心したまえ。私という個のサンジェルマンは死しても、サンジェルマンという現象は決して滅ぶことはない)』

サンジェルマン『(私もまた、因果や位相を超越した存在なのだからな)』

誰も知らない場所で、『彼』はひっそりと消滅した。
誰かの『夢』を守るために。


──────────

77 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 03:45:55 ID:tDsh958J0.net
──回想、あるいは事の全貌──

娘々「あらよっと」スタッ

バキバキバキ… パリーン!!


──そして、『世界』は滅亡した。


僧正「…ふむ」

そこには、あらゆる全てが砕け散った黒一色の空間が広がっていた。

ネフテュス「どうやら成功したようね。『鏡合わせの分割』の解除術式は」

娘々「にひひ。まぁ『以前』の状態でも悪い気はしなかったけど、やっぱり暴れ足りない部分もあったしねー」

キメラ『ぎぃんぎぃんぐわんぐわんギィンごぃんごいぃんギィンギィンごぃんぐわんギィン!!』

ヌァダ「あぁ。そのためにもう一度『隠世』を創造し、この世界を外から観測するという話だ」

忘れられた神『』ザッ ザッ ザッ

僧正「おや、もう準備ができたのかえ」

ネフテュス「他の魔神(みんな)は先に行ったみたいね」

娘々「それじゃあわたし達も行きますか」テクテク

ヌァダ「さて、今宵の世界はどのように歪むのか」ザッ ザッ

キメラ『ぎぃんぐわんギィンギィンごぃんごぃんギィンごぃんごぃんぐわんギィンギィィン!!』ザッ ザッ

僧正「……では始めようかの。世界の創造を」スッ

カッ!!

漆黒を極めた無の一点から眩い光が溢れ、世界を色鮮やかに染めていく。

──────────

上条「はぁ…」テクテク

上条「いよいよ財布の中が空っぽになっちまったか……」


──これは、とある神々が世界の変容を見守っていた物語。




78 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 03:53:30 ID:1oYj86Ct0.net


79 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 03:55:15 ID:E3sZbSnF0.net
乙条さん

80 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 03:58:47 ID:nyKwcUl20.net

面白かったわ 次回も期待してます

81 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 03:59:27 ID:y9rS8DMn0.net
今日やってたのか 乙
またゆっくり読ませてもらうわ

82 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/09/06(日) 04:03:33 ID:KAuQsqx/d.net
乙!
ちょっと今までと形式違うけど新シリーズなのかね

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