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なぁ、Twitterであえぎ声を書くバイトってssが面白い面白いって話題になってるんだけど

1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/04/08(木) 22:25:32.780 ID:bfMVm1HEd.net
どこが面白いのかわからん
俺の読解力が無いだけなんだろうけど面白ポイントどこ?

2 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/04/08(木) 22:27:29.023 ID:bfMVm1HEd.net
https://twitter.com/ryo_nyamo/status/1379999094752509952?s=19

これ
(deleted an unsolicited ad)

3 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/04/08(木) 22:27:58.336 ID:bfMVm1HEd.net
どこが面白いん?

4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/04/08(木) 22:30:35.992 ID:bfMVm1HEd.net
大学時代、ひたすらあえぎ声を書くバイトをしていたことがある。

先輩から紹介してもらった、エロゲメーカーのバイトだ。


その会社のエロゲはストーリーに力を入れていて、所属するライターも自分の文章にプライドを持っている人ばかりだった。

彼らからすると、Hシーンのあえぎ声を書くなどというのは苦痛でしかなく、学生バイトにでも任せておけということになったらしい。


仕事がどういう感じだったかというと、

1. まず、「チャックを開けた」とか「腰を動かすスピードが速くなっていく」といったHシーンの「ト書き」部分だけを渡される。

2. ここに私が「んっ……」とか「あんっあんっ」といったあえぎ声をてきとうな塩梅で足していく。

3. シナリオライターのチェックを受けて終了。

という流れだった。


簡単に思えるかもしれないが、これが意外に難しい。

まず、Hシーンにはある程度の長さがあるので、その範囲内で的確に盛り上げていく必要がある。

使う音に緩急をもたせ、飽きさせず、かつ少しずつボルテージを高めていかなければならない。

さらに、テキストの長さを調整することも重要だ。

短すぎると気持ちいい感じが伝わらないのだが、かといって長すぎるとボイスが冗長になる。

このように、エロを俯瞰的に捉えるバランス感覚と、計画的なペース配分が求められているのだ。

思うままにキーボードを叩いていればいいなどという仕事では決してなかった。


最初の仕事は「妹もの」だったが、2回目のHシーンという設定で、「あ」の音の配分に苦労した。

はじめから「あああああ」など言ってると手慣れた淫乱みたいだし、かといって「あん」ではエロさが足りない。

苦労の末に完成させたものの、ライターには「もっと速く上げられない?」と言われる始末。


どうしたものか……と、前任者が残したパソコン(キーボードの「A」だけ妙にテカテカしている)の前で悩んでいると、あるファイルの存在に気づいた。

5 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/04/08(木) 22:30:42.042 ID:bfMVm1HEd.net
「あえぎエディタ.xls」と題されたエクセルファイルは、前任者が残したあえぎ声専用のマクロであった。

縦に並んだセルにセリフを一つずつ入力していくと、各セリフに含まれる母音・子音等の音声的要素が自動で数値化される。

さらに、その数値を足し引き計算することで、「絶頂度」と呼ばれる値が算出される仕組みになっていた。

この「絶頂度」がミソで、この値がシーンの最初から最後に向かって少しずつ上昇していくように文章を組み上げていくと、理想的なあえぎ声が出来上がるのである。

かくのごとき驚くべき神エクセルを、前任者は独力で作り上げたようだった。

そして、秘密のツールとして上司には隠しつつ、後任である私にこうしてこっそり教えてくれようとしたのだろう。

このツールのおかげで、私の仕事はずいぶん楽になり、安定したクオリティであえぎ声を出し続けられるようになった。


そうして仕事をしているあるとき、私はあることに気づいた。

あえぎ声を入力するセルには、理論上どんな文章も入れることができる。

つまり、あえぎ声以外のテキストでも、その「絶頂度」を算出できるのだ。

そこで私は、試みに文学史上の名作の「絶頂度」を出してみた。

たとえば、「私はその人を常に先生と呼んでいた。」は12、「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。」は30という具合だ。


予想もしていなかったことだが、こうして調べていくと、傑作の多くは私の仕事と同じ原則で書かれていることがわかった。

つまり、最後に向かうほど「絶頂度」が高まっていくのである。

とくに顕著なのは芥川で、「下人の行方は、誰も知らない。」など絶頂度367だ。

薬漬けになった人妻が白目を剥いて失神するシーンでもせいぜい330程度なので、どれほど驚異的な数字かお分かりいただけるだろう。

「絶頂度」はあらゆる文章に通用する普遍的な法則だったのである。


この事実に気づいた私は、それからあらゆる文章をあえぎ声だと思って書くようにしてきた。

そして、人生のあらゆる場面で成功をおさめてきた。

就活のエントリーシートでも、重要なのは「絶頂度」の配分である。

たとえば学歴欄でも、「絶頂度」の高い名前の大学を中退し、最終学歴とすることで、ずいぶん見え方が変わってくるようだ。

(大学名によっても異なるが、概して「卒業」よりも「中退」のほうが絶頂度は高くなる。)


さて、お気づきの方もいるかもしれないが、この文章もここまで少しずつ絶頂度を高めるように書いてきた。

↑この一文の絶頂度は290だ。

かなり高まってきているので、この辺りで文章を終わりにしたい。

んほぉぉぉぉ! あああぁぁん!!

6 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/04/08(木) 22:31:28.059 ID:YfNGlV7U0.net
下世話な下ネタと合理性が両立するおかしさ

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