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のび太「6年生になって2ヶ月か…」

1 :以下、VIPがお送りします:2021/05/22(土) 19:55:37.29 ID:/Lrx8KdGV
とうとう、6年生になってしまった。
相変わらず冴えない毎日だ。
勉強はダメ、スポーツもダメ、しずかちゃんのことは好きだけど、やっぱり出木杉の存在は気になる。

でも少しずつ変わっていっているところもある…


【学校】
のび太「あ、スネ夫。おはよう!」

スネ夫「なんだのび太か、おはよう」(そのまま歩き去る)

のび太「…」


最近、みんなの態度がそっけない気がする。
別に嫌がらせを受けているわけではないけど。

31 :以下、VIPがお送りします:2021/05/22(土) 22:54:02.04 ID:/Lrx8KdGV
【晩御飯】
パパ「そう言えば、そろそろ修学旅行の時期じゃないか?」

のび太「7月の頭に行く予定だよ」

パパ「そうか。どこに行くんだ?」

のび太「えーとどこだったっけ?」

ドラえもん「覚えてないの?」

パパ「おいおい」

ママ「栃木の方じゃなかった?」

のび太「あ、確か日光と、なすびってところだったかな?」

ドラえもん「なすび?」

32 :以下、VIPがお送りします:2021/05/22(土) 22:58:02.78 ID:/Lrx8KdGV
パパ「那須高原の那須のことかな?」

のび太「そうそう、それかも」

ドラえもん「ホントに分かってるの?」

パパ「良いね」

ママ「でしょう、那須高原でのんびりしたいわ。のびちゃんは山が好きだから、きっと楽しめるわ」

のび太「ま、裏山にはよく行くけどさ」

パパ「お土産、楽しみにしてるぞ」

ママ「ちょっとパパ、気が早すぎますよ」

のび太「…」

ドラえもん「?」

33 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 10:52:10.03 ID:qEoqoO6/J
【のび太の部屋】
ドラえもん「今日も宿題終わったの?」

のび太「何とかね」

ドラえもん「すごいじゃない」

のび太「別に遊ぶ相手もいないから宿題しただけさ」

ドラえもん「みんなは?」

のび太「知らない。忙しいんだってさ」

ドラえもん「そうなんだ。僕もしずかちゃん達と全然会ってないな」

のび太「スネ夫は勉強、しずかちゃんはピアノ、ジャイアンは店番」

ドラえもん「大変だね」

のび太「みたいだね」

34 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 10:57:02.23 ID:qEoqoO6/J
のび太「ねえ、ドラえもん」

ドラえもん「なんだい?」

のび太「前にタイムマシンで結婚式の前日に行ったときさ、しずかちゃんは僕との結婚を決めてくれていたし、ジャイアンとスネ夫とも友達のままだったよね?」

ドラえもん「うん、そうだね」

のび太「じゃあ、いずれは僕たちが見たことがそのまま起きるってことだよね?」

ドラえもん「一応ね。でも必ずとは言い切れないよ」

のび太「そうなの?」

ドラえもん「現時点ではその通りになるけど、ちょっとした弾みで未来は少しずつ変わってしまうからね。変わってしまう可能性も少なくともある」

のび太「そっかー」

ドラえもん「どうしたの?」

35 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 11:00:32.81 ID:qEoqoO6/J
のび太「何だかね、スネ夫ともう話すことないまま小学校卒業しちゃいそうで。それにジャイアンとしずかちゃんとも段々話すことがなくなりそうな気がしてさ」

ドラえもん「またまた、そんなわけないでしょ」

のび太「最近ピリピリしてるんだ。まあスネ夫が休み時間勉強してるところちょっと邪魔しちゃった僕も悪いんだけどさ」

ドラえもん「へぇ、スネ夫くん休み時間も勉強してるんだ」

のび太「ジャイアンから聞いたんだけど、受験するんだってさ」

ドラえもん「そっかー。やっぱりな」

36 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 11:08:38.67 ID:qEoqoO6/J
のび太「知ってたの?」

ドラえもん「ううん、知らなかったけど。いつかはこうなると思ってた」

のび太「どうして?」

ドラえもん「だってスネ夫くんのパパは、大企業の社長だぞ」

のび太「それが受験とどう関係するのさ」

ドラえもん「だって、スネ夫くんのパパの会社はいずれスネ夫くんが継ぐだろ?」

のび太「まあ、そうかな。それで?」

ドラえもん「それでって…じゃあさ、大企業の社長ってどんなイメージがある?」

のび太「え?そうだな…まあお金を一杯持っていて」

ドラえもん「うんうん」

のび太「あとは頭が良くて優秀ってイメージかな」

ドラえもん「つまり、スネ夫くんは大人になるまでに頭が良くて優秀な人にならなくちゃならないんだ」

のび太「そっか!それで頭の良い子が集まる名門私立に受験しようとしているのか」

ドラえもん「きっとそういうことだろうね。今までスネ夫くんは塾や家庭教師があるものの遊んでばっかりだっただろ?だから今相当我慢して頑張っているんじゃないかな」

のび太「我慢か…」

37 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 11:13:41.98 ID:qEoqoO6/J
ドラえもん「きっと、焦っているんじゃないかな。ピリピリしてるのもきっと焦っているからだと思うよ」

のび太「そうなんだ。僕スネ夫のことなんか知らずに、のんきなことを」

ドラえもん「まあまあ、気にすることないよ。のび太くんののんきな部分は呆れることもあるけど、反対に助かっている人もいると思うよ」

のび太「そうなのかなぁ?」

ドラえもん「そうやってみんな悩んで大人になって行くんだ。のび太くんもスネ夫くんも、ジャイアンとしずかちゃんも」

のび太「何か先が思いやられるなぁ」

ドラえもん「でもいつかきっと元通りになるさ。のび太が頑張っていれば」

38 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 11:20:08.82 ID:qEoqoO6/J
のび太「そう言えば」

ドラえもん「?」

のび太「僕が大人になった世界って、ドラえもんが居なかったよね?」

ドラえもん「………そうだね」

のび太「大人になるってことは、ドラえもんともお別れしなくちゃいけないんだ」

ドラえもん「やめようよ、その話は」

のび太「みんなとの関係がギクシャクして、ドラえもんともお別れしなくちゃいけないんなら、僕大人になんか!」

ドラえもん「そういうこと言わないの」

のび太「だって!」

ドラえもん「のび太くん落ち着いて」

のび太「…大きくなるってことは、お別れがその分増えるんだよ。僕が幼稚園児から小学生へと大きくなっておばあちゃんとお別れした。これから大きくなってドラえもんとお別れ。そしていずれは他の人たちとも…」

ドラえもん「のび太くん、そう言ってくれて嬉しいよ。僕も君とお別れしたくない。でもこの世に生まれた以上、いつかはお別れをしなくちゃいけないんだよ」

のび太「それは分かっているけど…」

39 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 11:27:32.75 ID:qEoqoO6/J
ドラえもん「でもね、別れがあるから出会いもあるんだ。これからのび太くんは沢山の素敵な人たちと出会うはずだよ。大きくなるってことは寂しいことだけじゃないさ」

のび太「そうかな」

ドラえもん「こればかりは考えても仕方ない。悩むより今を楽しみなよ。会えるうちに沢山の想い出を作るんだ」

のび太「想い出か…」

ドラえもん「そうそう」

のび太「分かったよ。それとドラえもん、お願いがあるんだ」

ドラえもん「なあに?」

のび太「ドラえもんはいつ帰っちゃうの?」

ドラえもん「…」

のび太「ドラえもんとの大切な時間を無駄にしたくないんだ!決められた時間喧嘩をして過ごしたくないし」

ドラえもん「のび太くん」

40 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 11:33:41.57 ID:qEoqoO6/J
のび太「教えてよドラえもん」

ドラえもん「今は言えない」

のび太「どうして?」

ドラえもん「だって、確かに喧嘩はしなくなるかもしれないけど」

のび太「良いじゃない」

ドラえもん「君は僕に気を遣うだろ」

のび太「当たり前じゃないか」

ドラえもん「僕はいつもの君と僕との関係でいたいんだよ」

のび太「いつもの…」

ドラえもん「いつもみたいに遊んで、笑って、時には喧嘩をしたって僕は構わないさ。それが僕にとって最高の時間なんだから」

のび太「でも、前みたいに突然帰るなんて嫌だよ」

ドラえもん「分かった。未来へ帰る1週間になったら必ず伝えるよ」

のび太「うん」

ドラえもん「さあさあこんな暗い話は辞めにして、修学旅行しっかり計画たてなくちゃね」

41 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 11:38:46.48 ID:qEoqoO6/J
のび太「修学旅行は、まだ先だよ。今日しおりを配られたばかりだし」

ドラえもん「当日まであっという間だよ」

のび太「そう言えば、夜はジャイアンとスネ夫と同じ部屋だったよ」

ドラえもん「良かったね」

のび太「それまでに関係が戻っていれば良いんだけどな」

ドラえもん「大丈夫大丈夫」

のび太「2日目に少し班行動があるんだけど、それはしずかちゃんと出木杉くんと委員長の4人だったよ」

ドラえもん「最高じゃん」

のび太「しずかちゃんは嬉しいけど、出木杉くんがなー」

ドラえもん「出木杉くん良い子じゃん」

のび太「だからこそ、しずかちゃんが取られないか心配で」

ドラえもん「じゃあ出木杉くんに負けないように、うんと勉強しないとね」

のび太「はいはい、分かりました」

ドラえもん「ウフフフフ」

42 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 11:40:21.35 ID:qEoqoO6/J
大山時代のモブ女子で良さげな子が思い浮かばなくて、
水田バージョンから委員長をお借りしました。悪しからず。

43 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 14:27:15.26 ID:qEoqoO6/J
それから数日が経った。
相変わらずスネ夫とは話していない。

ジャイアンとしずかちゃんも話はするけど、遊ぶことはない。
このままで良いのだろうか…


のび太「どう?ピアノの調子は」

しずか「うーん、まあまあかしら」

のび太「そっか、良かった」

しずか「いいわね、のび太さん」

のび太「え?」

しずか「ううん、何でもないわ。またね」

44 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 14:29:42.68 ID:qEoqoO6/J
【のび太の部屋】
のび太「うーん」(宿題をやりながら考え事)

ドラえもん「さっきからどうしたの?あんまり捗ってないみたいだね」

のび太「それはいつものことさ」

ドラえもん「確かに」

のび太「何か何もしないまま、時間だけが過ぎていく感じ」

ドラえもん「じゃあたまには出掛けよっか」

のび太「あ、うん」

45 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 14:32:27.13 ID:qEoqoO6/J
【タケコプターで空中散歩】
のび太「なんかこうやってドラえもんと出掛けるの久しぶりだね」

ドラえもん「そう言えばそうだね。最近のび太くん勉強頑張っていたから」

のび太「だって宿題終わる頃にはいっつも日が暮れてるんだもん」

ドラえもん「どこ行こっか」

のび太「取り敢えず町内を一周してから裏山かな」

ドラえもん「オッケー」

46 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 14:36:09.30 ID:qEoqoO6/J
のび太「あれ、ジャイアンだ」

ドラえもん「ホントだ、配達の帰りかな?」

のび太「おーいジャイアーン!あれぇ?ジャイ子ちゃんが店番してる」



ジャイアン「おお、ジャイ子。遅くなって悪かったな」

ジャイ子「いいのよ」

ジャイアン「もう戻っていいぞ」

ジャイ子「いいわよ、あたしもうちょっと店番してる」

ジャイアン「漫画の続きがあるだろ」

ジャイ子「でも…」

47 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 14:40:20.38 ID:qEoqoO6/J
ジャイアン「いいから、ジャイ子は気にすんなって」

ジャイ子「お母ちゃんもお兄ちゃんもお店のことで頑張ってるのに、あたしだけ何もしないなんて」

ジャイアン「大丈夫だって。ジャイ子には才能があるんだ。ジャイ子の好きな漫画で頑張れば良いんだ」

ジャイ子「お兄ちゃん」

ジャイアン「将来売れっ子になって恩返ししてくれればいいんだ。だからお店のことは俺に任せろ」

ジャイ子「お兄ちゃんだって、歌や野球があるでしょ?」

ジャイアン「俺には才能はないんだ。それに将来の跡継ぎだからよ。いいから戻った戻った」


のび・ドラ「…」

48 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 14:45:47.20 ID:qEoqoO6/J
【タケコプターで空中散歩】
のび太「ジャイアンも大変なんだな」

ドラえもん「そうだね。ジャイ子ちゃんも店番してるとなると…お店の経営状態があまり良くないのかも」

のび太「それなのにジャイアンいつも笑顔で」

ドラえもん「ジャイアンが大人しくなったのも、本当は気持ちに余裕がないかもしれないからかもしれないね」

のび太「ジャイアンに何かしてあげられることないかな?」

ドラえもん「こればかりは家庭の事情だから、首を突っ込まない方がいいよ。本人もあまり聞かれたくないことかもしれないし」

のび太「そうなのかな」

ドラえもん「のび太くんはいつもののび太くんでいるのが、きっとみんな救われると思うよ」

のび太「そんなもんかー」

49 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 14:48:27.57 ID:qEoqoO6/J
【裏山】
のび太「やっぱ裏山は最高だね」(昼寝)

ドラえもん「ほんとほんと、空気も美味しいし」

のび太「ここに来ると気持ちが落ち着くね」

ドラえもん「そうだね」

のび太「あれ?出木杉くんだ」

ドラえもん「ホントだ」

50 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 18:24:23.93 ID:Bn0Y8gvI/
つづけたまえ

51 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 18:44:37.91 ID:qEoqoO6/J
のび太「やあ」

出木杉「あ、のび太くんにドラえもん」

ドラえもん「久しぶり出木杉くん」

出木杉「久しぶり」

のび太「うわぁすごい、上手だな」(スケッチブックを覗く)

出木杉「いや〜」

ドラえもん「ホント上手、出木杉くんは絵も上手なんだね」

出木杉「そんなこと。近いうちに駅前の再開発があるみたいで、景色が変わる前に描いておきたいって思ったんだ」

のび太「あ、パパが言ってた。駅も高架駅に変わるんだよね?」

出木杉「うん。だから今の景色を忘れないように、よく目に焼き付けて描き写しているんだ」

のび太「ふーん」

52 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 18:48:15.21 ID:qEoqoO6/J
【空中散歩】
ドラえもん「出木杉くん、絵が上手だったね」

のび太「まあね」

ドラえもん「のび太くん?」

のび太「いつまでもこのままじゃいられないのかな」

ドラえもん「え?」

のび太「どうしても変わっちゃうんだろう。街も人も」

ドラえもん「まあ世の中そんなもんさ」

のび太「まあね。あ、しずかちゃん」

53 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 18:51:50.14 ID:qEoqoO6/J
しずか「…グスン」

のび太「しずかちゃーん!」

しずか「あ、のび太さんにドラちゃん」

ドラえもん「やあ」

のび太「ピアノの帰り?」

しずか「ええ」

のび太「何か元気ないね。ピアノの練習上手くいってないの?」

しずか「ええ、まあ…」

のび太「元気だして。しずかちゃんならきっと上手くいくよ。だってしずかちゃん、あんなにピアノ上手なんだもん」

しずか「無責任なこと言わないで!」

のび・ドラ「?!」

54 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 18:55:38.49 ID:qEoqoO6/J
しずか「あなたに分かるの?一生懸命やってるのに上手くいかないもどかしさ」

のび太「え…」

しずか「そんなの勝手よ」

ドラえもん「しずかちゃん」

しずか「ふぅ…ごめんなさい、あたしったら。今日は帰らせてもらうわ。のび太さん、ドラちゃんまたね」

のび・ドラ「うん、またね…」


のび太「怒らせちゃった…」

ドラ「うん…」

55 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 19:06:15.96 ID:qEoqoO6/J
それから数日が経った。
相変わらず、スネ夫とは口を利いていない。
ジャイアンも挨拶はするものの、お店のことについて聞いてしまいそうで極力話さないよいにしている。

しずかちゃんもあれから話していない。



委員長「すごいしずかちゃん、予選突破したんだね」

しずか「ええ」

委員長「すごいわー」

しずか「でもこれからが大変」

委員長「しずかちゃんなら大丈夫よ、頑張って」

しずか「うん」

のび太(予選は通過したみたいだね)

56 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 19:10:44.66 ID:qEoqoO6/J
【図書館】
のび太(ああ、こんな調子で修学旅行楽しめるのかなぁ?)

出木杉「のび太くん、何ぼんやりしてんの?宿題終わった?」

のび太「い、いや、まだだけど…」

出木杉「もう、しっかりしてよ」


そして何故か、最近週に何回か出木杉くんと図書館へ行くようになった。

57 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 19:14:38.77 ID:qEoqoO6/J
出木杉「あー、旨い」(サイダーを飲む)

のび太「うん。美味しい」(サイダーを飲む)

出木杉「最近暑くなってきたね」

のび太「そうだね」


出木杉「のび太くん、もしかしてしずかちゃんと喧嘩した?」

のび太「いいや、別に」

出木杉「そっか。最近二人が話しているの見てなかったからさ」

のび太「そう。出木杉くんはしずかちゃんと話してる?」

出木杉「まあ、ちょこちょこね。たまに一緒に勉強したりはするけど」

のび太「そうなんだ」

58 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 19:17:06.37 ID:qEoqoO6/J
のび太(やっぱりしずかちゃんは出木杉くんが好きなんじゃないか。確かに二人が一緒になった方が彼女のためになるよな)

のび太「出木杉くん、しずかちゃんを…」

出木杉「しっかしさ、しずかちゃんも変わっているよね」

のび太「え?」

出木杉「僕と一緒に勉強しているのに、のび太くんの話ばっかりするんだよ」

のび太「え??」

出木杉「いつものび太さんが、のび太さんがってね」

のび太「えっ???」

59 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 19:22:24.79 ID:qEoqoO6/J
出木杉「実は、僕のライバルはのび太くんかもよ?」

のび太「ええっ????ぼ、僕がライバル??」

出木杉「ははは、そんなに驚くことないだろ?」

のび太「だって、僕だよ?バカでグータラな野比のび太だよ?」

出木杉「それは関係ない。それにグータラかどうかは兎も角、少なくとも君はバカではないと思うよ。テストの点があまり取れないだけで」

のび太「じゃあ…やっぱり出木杉くんも?」

出木杉「うん、僕はしずかちゃんが好きだ」

のび太(カッコいい…)

60 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 19:27:35.46 ID:qEoqoO6/J
出木杉「しずかちゃんとは仲が良いと思っているし、話も合う。勉強やスポーツも正直自信はあるよ。でも正直君にどうしても勝てないことがある」

のび太「勝てないこと?」

出木杉「それは時間さ」

のび太「時間?」

出木杉「まずしずかちゃんとのび太くんは家の方向が同じ。僕だけ違う。だから帰り道に関われる時間が違う」

のび太「確かに出木杉くんの家、学校から近いもんな」

出木杉「そして、僕はまだしずかちゃんとは5年間の付き合いだけど、のび太くんはもっと小さい頃から一緒だろ?しずかちゃんと過ごした歴が違う」

のび太「そう言えば物心ついた頃には、しずかちゃんと遊んでいたな」

61 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 19:33:16.49 ID:qEoqoO6/J
出木杉「それに、聞いた話だと、のび太くんとしずかちゃんは何度も大冒険をしたらしいじゃないか。過去の世界や遠い宇宙の世界。海底や地底だったり」

のび太(そう言えば、僕らは色んな世界へ行って、幾度となく困難を乗り越えてきた。ドラえもんやジャイアン、スネ夫も一緒に…)

出木杉「そんなに一緒にいるなんて、過ごした時間が濃すぎるよ…」

のび太「…」

出木杉「でもね、僕分かるんだ。のび太くんが良い人だって。本当は頼れる存在だって。じゃなきゃ、しずかちゃんがあんなにのび太くんのこと褒めるわけないもの」

のび太「え?しずかちゃん、僕のこと褒めてるの?」

出木杉「そうだよ。その大冒険の話もしずかちゃんから聞いたわけだし」

のび太「そうだったんだ…」

62 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 19:39:59.38 ID:qEoqoO6/J
出木杉「のび太くん、君は本当は賢いから分かっていると思うけど、ドラえもんはいつかは帰る。それにこれからは勉強や部活でもっと忙しくなる。今までみたいに大冒険は出来なくなるよ」

のび太「う、うん」

出木杉「だからモタモタしてると、僕がしずかちゃんに告白するよ」

のび太「えっ?!」

出木杉「僕は本気だよ。しずかちゃんの気持ちが僕に動き始めたらすぐ告白するつもりさ。ぼんやりしていられないぞ」

のび太「そんな」

出木杉「へへへ、冗談さ」

のび太「なんだ〜」

出木杉「でも、しずかちゃん魅力的だから、これから更にモテるようになると思うよ。だから早く仲直りしないと」

のび太「あ、しずかちゃんから聞いてたの?」

出木杉「まあちょっとね」

63 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 19:50:22.97 ID:qEoqoO6/J
出木杉「まあ、正直応援したくない気持ちもあるけどね。でもしずかちゃんに元気がないのは、僕も悲しいから」

のび太「出木杉くん、でも仲直り出来るかな?」

出木杉「やっぱり告白しちゃおっかな〜」

のび太「それはダメ!」

出木杉「ははは、面白いねのび太くん」

のび太「もう、からかわないでよ」

出木杉「ハハハ」

のび太「ハハハ」


こうして、僕と出木杉くんはライバル且つ親友になった。
本当は出木杉くんも辛いところがあったはずだけど、彼は本当に強いしカッコいい。
だからこそ、彼にしずかちゃんを取られちゃいけない。

僕が唯一出木杉くんと対等に戦える場所だから。

64 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 21:44:47.95 ID:qEoqoO6/J
【修学旅行当日】
ママ「のびちゃん、忘れ物はない?」

のび太「大丈夫だよママ」

ママ「お財布は持った?」

のび太「大丈夫ったら〜」

パパ「それじゃあ、お土産を楽しみにしてるぞ」

のび太「うん、任せて!」

ドラえもん「そうだ、のび太くん。これを持っていきなよ」

のび太「これは?」

ドラえもん「これは夜みんなで遊ぶと良いよ。こっちはもしもジャイアンが…」

のび太「あ、なるほどね」

ドラえもん「じゃあ、楽しんできてね」

のび太「ありがとう。それじゃ、行ってきます」

65 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 21:48:25.33 ID:qEoqoO6/J
【学校の玄関】
出木杉「これから栃木県へ1泊2日の修学旅行へ行きます。最後までみんなが怪我なく帰れますように、そしてなかなか出来ない貴重な体験をさせてもらうので少しでも多く学べるように、真剣に取り組み、仲間と最高の想い出を作りましょう」


ジャイアン「ったく、出木杉は真面目だなー」

のび太「まあまあ」


校長「それでは、修学旅行へ出発!」

児童たち「おー!!」

66 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 21:53:34.76 ID:qEoqoO6/J
先生「それでは3組もバスに乗るぞ。1班から順に進みなさい」


のび太「僕の席はここか」

委員長「のび太さん座るわよ」

のび太「あ、委員長」

委員長「楽しみましょう。同じ班だし宜しくね」

のび太「うん、宜しく」


のび太(しずかちゃんは、出木杉くんと隣か…)

67 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 22:00:35.99 ID:qEoqoO6/J
こうしてバスは出発した。
最初に先生からの注意事項があって、その後は委員長が企画したバスレクが始まった。


委員長「それではバスレクその1。今回は栃木県に行くので栃木県クイズを始めまーす」

児童「シーン…」

委員長「始めまーす!盛り上がっていきましょー!!」

ジャイアン「イェ、イェーーーイ!全問答えてやるぜ!!」

安雄「おっしゃー!!」

児童「イェーイ!!!」

スネ夫「…」

しずか無言で拍手

のび太(クイズなんて分かるわけないのに)

68 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 22:04:00.00 ID:qEoqoO6/J
委員長「第1問!三択です。栃木県の県庁所在地はどこ?さあみんな小4の頃を思い出して!」

出木杉「ふむふむ」

のび太(流石にこれは分かるでしょ)

ジャイアン「わかんねえ」

スネ夫「…」

委員長「@栃木市 A宇都宮市 B足利市 さあどれ?」

69 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 22:07:03.66 ID:qEoqoO6/J
委員長「@の栃木市だと思う人!」

ジャイアン「栃木県なんだから栃木市だろぉ!」挙手

シーン…

ジャイアン「あれ?」

委員長「Aの宇都宮市だと思う人!」

その他「はーい!」

ジャイアン「えっ?!」

委員長「Bの足利市だと思う人!」


委員長「正解は…Aの宇都宮市!」

ジャイアン「マジかよ!」

のび太「クスクス」

ジャイアン「おい」

のび太「あ…」

70 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 22:11:56.63 ID:qEoqoO6/J
委員長「第2問。次も三択です。栃木県宇都宮市の名物と言えば次のうちどれ?@いかにんじん Aゼリーフライ Bぎょうざ」

出木杉「なるほどね」

しずか黙ってうなずく

たけし「くそっ、わかんねえ」

のび太(そう言えば浜松と争ってるみたいなこと、パパが言ってたな)

71 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 22:16:42.27 ID:qEoqoO6/J
委員長「@のいかにんじんだと思う人」

シーン…

はる夫「いかにんじんって何?」

委員長「Aのゼリーフライだと思う人」

ジャイアン「よく分からねえけど、ゼリーのフライ、旨そう。はーい!」挙手

シーン

ジャイアン「あれ?」

はる夫「ゼリーフライって何?」

安雄「お前さっきからうるさい」

委員長「Bのぎょうざだと思う人!」

その他「はーい」

委員長「正解は…Bのぎょうざ!!」

モブ@「やったぜ!」

ジャイアン「またかよ!くそっ」

委員長「剛田くん気にしないで。次もあるわ!」

72 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 22:19:51.09 ID:qEoqoO6/J
委員長「因みに@のいかにんじんは隣の福島県の郷土料理で、Aのゼリーフライは埼玉県行田市の名物。でもゼリーじゃなくて、おからを主としたものを衣をつけずに揚げた料理らしいわ。銭形で銭が訛ってゼリーになったって説があるわ」

のび太「へぇー」

しずか「為になるわー」

先生「よく調べておる。関心関心」

73 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 22:25:00.48 ID:qEoqoO6/J
委員長「第3問!三択です。栃木県の人口はおよそ何万人?@129.3万人 A194.4万人 B287.1万人」

のび太「おっと、急に難しくなったぞ」

しずか「出木杉さん、分かる?」

出木杉「一応ね」

しずか「まあ、すごい」

のび太(楽しそうだな)

スネ夫(えーっと…群馬県と人口が近いのは覚えてるんだけど。AとBどっちだ?)

ジャイアン「やっぱりわかんねえ」

74 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 22:29:05.83 ID:qEoqoO6/J
委員長「@の129.3万人だと思う人」

児童「はーい」

のび太「はーい(なんとなくこれかな)」

ジャイアン「はーい!はいはい!」

委員長「Aの194.4万人だと思う人」

出木杉「はーい」

しずか「はーい」

スネ夫「はーい」

児童「はーい」

はる夫「出木杉が挙げてるから間違いないな。おれもAにしよう」

安雄「ずるいぞ」

委員長「Bの287.1万人だと思う人」

児童「はーい」

75 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 22:32:20.33 ID:qEoqoO6/J
委員長「正解は…Aの194.4万人です!」

スネ夫「良かった…」

ジャイアン「くそっ、いつになったら正解できるんだ!」

委員長「因みにBの287.1万人は、茨城県の人口です」

のび太「へぇー」

委員長「@の129.3という数字は、ドラちゃんの身長体重の数字です」

のび太「あ、それで@を選んだのか僕」

ジャイアン「ドラえもんじゃ、しょうがないかー」

76 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 22:42:12.03 ID:qEoqoO6/J
委員長「第4問!三択です。今日の午後見学する日光東照宮。さてここで神として祭られている人物は誰?@徳川家康 A前田利家 B毛利輝元」

のび太「え、もうわからないや」

出木杉「ふむふむ」

しずか(@かしら?)

スネ夫(前田利家は加賀百万石だから石川だろ。毛利は広島の方のはずだから、答えは@かな)

ジャイアン「徳川家康しか知らないや」

77 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 22:46:14.83 ID:qEoqoO6/J
委員長「@の徳川家康だと思う人」

児童「はーい」

出木杉「はーい」

スネ夫「はーい」

しずか「はーい」

ジャイアン「俺は家康を信じるぜ!はーい」

委員長「Aの前田利家だと思う人」

児童「はーい」

委員長「Bの毛利輝元だと思う人」

のび太「はーい(なんとなくだけど)」

78 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 22:53:58.24 ID:qEoqoO6/J
委員長「正解は@の徳川家康」

スネ夫「あ、良かった…」

のび太「あー、間違えたー」

ジャイアン「やった!正解した!」

委員長「剛田くん、初正解?」

ジャイアン「おうよ!」

委員長「みんな!初正解の剛田くんに拍手」

パチパチパチパチ

ごうだ「よせよ、照れるじゃねえか//」


こんな感じでバスレクをみんな楽しみ、宇都宮市にある栃木県子ども総合博物館に行った。
そこでは宇宙やロボットなど色んなコーナーがあって楽しめた。

79 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 22:59:47.32 ID:qEoqoO6/J
お昼は名物の餃子を食べ、午後は日光東照宮と日光江戸村へ。
ジャイアンが水戸黄門の真似をしていたけど、お前は印籠を見せられる方だろうと皆からツッコまれていた。

しかしよく考えたら、皆ジャイアンにツッコミを入れられるほどの関係になっていたんだな。


僕は神社とか興味がなかったけど、ジャイアンがいたお陰で楽しめた。
途中先生と出木杉くんが解説してくれたのもデカい。

そして意外にも委員長と結構話した。
前から仲良くなれたかもしれないな。


スネ夫はほとんど口を開かなかった。
しずかちゃんは他の女子や出木杉くんとは話していたけど、僕とは一回も喋らないまま終わった。

80 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 23:09:23.76 ID:qEoqoO6/J
そして夕方、那須高原にある宿に到着した。
温泉付きの立派なホテル。
到着したとき、みんな感動した。

ジャイアン「すっげー!」

出木杉「綺麗なホテルだね」

ジャイアン「俺、こんなとこ泊まって良いのかな?」

しずか「たけしさんったら」

委員長「ここのホテル、温泉も素敵って有名よ」

しずか「まあ、嬉しい」


先生「晩御飯は18時からだが、その前にお風呂だぞ。1組から順に入るから決められた時間までは部屋で待機するように」

児童「はーい」

しずか「もっとゆっくり入りたかったわ」

委員長「まあまあ」

81 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 23:12:45.26 ID:qEoqoO6/J
【306号室】
ジャイアン「ふぅ、やっと着いたぜ」

のび太「そうだね」

ジャイアン「じゃ、風呂の時間になるまで何かして遊ぼうぜ」

のび太「いいね」

スネ夫「僕はいいや」

ジャイアン「スネ夫。修学旅行くらい楽しめよ」

82 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 23:15:04.55 ID:qEoqoO6/J
スネ夫「別に。楽しんでるつもりだけど」

ジャイアン「折角の修学旅行だぞ。もっと盛り上がろうぜ」

のび太「そうだよ」

スネ夫「僕は来週末模擬試験があるんだ。1分でも時間を無駄に出来ないんだ」

のび太「スネ夫…分かったよ。それなら…」

ジャイアン「お前はバカだよ」

のび太「えっ」

83 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 23:20:53.81 ID:qEoqoO6/J
スネ夫「何だよ!僕がバカだって?」

ジャイアン「そうだ、お前は大バカ者だ」

スネ夫「何言うんだ。僕は6年生になってからこの3ヶ月で偏差値を10も上げたんだぞ!県庁所在地も分からなかったジャイアンに言われたくないやい!」

のび太(それは言えてるな…)

ジャイアン「いいか。勉強なんてものはいつでも出来る。況してや受験本番じゃなくて飽くまで模試だろ?」

スネ夫「それが何だって言うんだ!」

ジャイアン「修学旅行はな、今日限り!一度きりなんだ!」

スネ夫「修学旅行なんか、中学でも高校でもあるじゃないか!」

ジャイアン「バカ野郎!お前と一緒に行けるのは一生のうち、今日だけだろうが!!」

84 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 23:33:07.42 ID:qEoqoO6/J
スネ夫「…!!」

ジャイアン「スネ夫。俺は今日が凄く楽しみだった。それはお前とのび太が居るからだ。幼稚園からずっと一緒だった心の友と部屋まで一緒なんて最高じゃん」

のび太「僕もだよスネ夫。小さい頃から一緒だったし、ドラえもんの道具でたくさんの大冒険をしてきた仲じゃないか」

スネ夫「…」

ジャイアン「スネ夫」

スネ夫「えっ」(ジャイアンの両手がスネ夫の両肩に)

ジャイアン「お前は修学旅行楽しめてるのか?」

スネ夫「…」

ジャイアン「本当にこれで良いんだな?」

スネ夫「うぅ…」泣き出す

のび太「スネ夫」(スネ夫の背中をさする)

85 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 23:42:59.67 ID:qEoqoO6/J
スネ夫「僕だって好きでやってるわけじゃないんだ。受験だって別に僕が望んだことじゃない」

のび太「スネ夫…」

スネ夫「でも仕方無いんだ。骨川家の長男として生まれた以上、名門校に通ってパパの会社を継がないといけないんだ。だから僕も受け入れて精一杯努力してるんだ」

ジャイアン「それは見てて分かるぞ」

スネ夫「でも不安なんだ。僕が出木杉くんやしずかちゃんみたいに優秀じゃないし、勉強すればするほど、どんどん自信がなくなっていくんだ」

のび太「お母さん厳しいの?」

スネ夫「いや、そうでもないよ。でも期待に応えないと。パパやママをガッカリさせたくないと思って」

のび太「そうだったんだ…」

ジャイアン「スネ夫、こう思い悩んだときは、思いっきり遊んで忘れようぜ」

スネ夫「えっ」

ジャイアン「どうせ家帰ったら勉強漬けだろ。それなら息抜きできるときにした方がいいぜ!それに俺も家帰ったら遊ぶ時間があまりないからよ」

スネ夫「え?」

のび太(2人とも、大変なんだな)

ピンポーン

86 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 23:45:10.70 ID:qEoqoO6/J
ガチャ
のび太「出木杉くん」

出木杉「やあ。今からトランプやるんだけど来ない?」

のび太「いいねー。ねえ、二人とも行こうよ」

ジャイアン「おう!行くぞスネ夫」

スネ夫「で、でも僕は…」

ジャイアン「いいから来いって」

スネ夫「うん…」

87 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 23:50:19.04 ID:qEoqoO6/J
【305号室】
出木杉「おまたせー」

のび太「お邪魔しまーす」

ジャイアン「おう!」

スネ夫「やあ」

安雄「じゃあやるか」

はる夫「何する?」

安雄「大富豪で良いんじゃない?」

ジャイアン「よし、やろうぜ」

88 :以下、VIPがお送りします:2021/05/23(日) 23:52:48.78 ID:qEoqoO6/J
安雄「じゃあその辺座ってよ」

出木杉「大丈夫だった?」小声

のび太「何が?」小声

出木杉「さっきジャイアンとスネ夫くんの大声が聴こえたからさ、心配になってね」小声

のび太「あ、それで。大丈夫だよ」小声

安雄「配るよ」

のび太「OK」

89 :以下、VIPがお送りします:2021/05/24(月) 00:01:11.60 ID:8EDvcXeU1
スネ夫「…」

のび太(スネ夫のやつ、やっぱり遊ぶ気分になれないのかな?)


ジャイアン「よし、6の3枚出し」

はる夫「うわ、無理だー」

ジャイアン「もうすぐ上がれそうだ」

出木杉「じゃあ」Qの3枚

ジャイアン「何?!」

安雄「すげー」

スネ夫「甘いね。」

90 :以下、VIPがお送りします:2021/05/24(月) 00:03:07.91 ID:8EDvcXeU1
スネ夫「2、3枚ね」

みんな「なに?!」

スネ夫「ついでに、5,6,7,8の階段革命からのJ2枚で上がり」

安雄「すげー」

スネ夫「ははは、ゲームのことでなめてもらっちゃ困るなぁ」

のび太「あのー」

スネ夫「えっ?」

のび太「僕まだ一枚も出してないんだけど…」

スネ夫「全く、のび太は相変わらず弱いんだから」

のび太「もう、なにさ」

みんな「ハハハ」

スネ夫「ハハハ」

のび太(スネ夫が久しぶりに笑った!)
ジャイアンと目が合う

ジャイアン(スネ夫、良かったぜ…)

91 :以下、VIPがお送りします:2021/05/24(月) 00:08:20.97 ID:8EDvcXeU1
それからは大浴場に入り、バイキングを食べた。
本当に美味しかった。

しずかちゃんはお風呂の話で委員長と盛り上がっていた。


食事のあとは広間を借りて学年レク。
何だかんだで楽しかった。

相変わらずしずかちゃんとはお話出来てないけど、今はスネ夫が元気になったことだけで大満足だった。



しずか(のび太さん…)

委員長「どうしたの?」

しずか「ううん、何でもない」

92 :以下、VIPがお送りします:2021/05/24(月) 00:14:26.20 ID:8EDvcXeU1
【お土産コーナー】
のび太「どれにしよっかな?」

ジャイアン「おいのび太、まだかよ」

スネ夫「相変わらずのろまなんだから」

のび太「うるさいなぁ全く」

ジャイアン「先戻ってるぞー」

のび太「分かったー」


のび太「うーん、どうしよっかな?」

先生「決まったかね?」

のび太「いえ、まだです」

先生「迷うのは良いが、モタモタしてると自由時間が無くなるぞ」

のび太「ええ」

先生「久しぶりに骨川くんの笑顔が見られて安心したよ」

のび太「そうですね。僕も良かったです」

93 :以下、VIPがお送りします:2021/05/24(月) 00:24:24.54 ID:8EDvcXeU1
先生「野比くんと剛田のお陰だな」

のび太「いえ、そんな」

先生「お前たちはな、成績は芳しくないが、でも人のことを思いやる力がある。それは本当に立派なことだぞ」

のび太「ありがとうございます。実は僕も不安だったんです。」

先生「え?」

のび太「このまま関係がギクシャクしたままなのかなって」

先生「そうか。でもそれなら心配ないよ。君は人のことを信じられる人だ。だから骨川くんがまた笑顔になれるのをずっと待つことが出来たんじゃないか?」

のび太「そうなんですかね?」

先生「君は君が思っているより、ずっと優秀な生徒だ」

のび太「確かに成績も伸びました」

先生「うーん、勉強はもうちょっと頑張らなきゃいかんな」

のび太「先生、厳しいですって」

94 :以下、VIPがお送りします:2021/05/24(月) 00:27:31.53 ID:8EDvcXeU1
先生「ハハハ。ま、野比。その人のことを信じる力。それはこれからも大事にしてくれよ」

のび太「はい!」

先生「他にも君が信じて待っている人がいるんじゃないか?」

のび太「え?」

先生「じゃあ、また後でな」


委員長「それでねー」

しずか「うんうん。あ、のび太さん」

のび太「しずかちゃん…」


委員長「あ、私ったら財布忘れてきちゃった。一旦部屋に戻るわね」

しずか「じゃあ、あたしも戻るわ」

委員長「すぐ戻るから、ここで待ってて」ソソクサ

しずか「ちょっとー」

95 :以下、VIPがお送りします:2021/05/24(月) 00:33:40.68 ID:8EDvcXeU1
のび太「やあ」

しずか「こんばんは」

のび太「しずかちゃんもお土産を?」

しずか「ええ」

のび・しず「…」


のび太「そ、そう言えば、ピアノのコンクール、予選通過したんだってね。おめでとう」

しずか「ええ、ありがとう…」

のび太「この間はしずかちゃんがどれだけ苦労しているかも知らないで、無責任なこと言ってごめんね」

しずか「いや、いいの。あたしもあの時は先生にすっごく怒られて、上手く弾けない自分にもイライラしてて…。こちらこそ八つ当たりしちゃってごめんなさい」

のび太「しずかちゃんは悪くないよ」

しずか「そんなことないわ。あの後、のび太さんに強く当たったこと後悔してね。あんなこと言わなきゃ良かったって」

のび太「そうなの?」

しずか「だって、あれからお話しできなかったじゃない?」

96 :以下、VIPがお送りします:2021/05/24(月) 00:40:28.70 ID:8EDvcXeU1
しずか「のび太さんとはずっと一緒だったのに、話さない日が続くのはやっぱり調子狂っちゃうわね」

のび太「僕もしずかちゃんと話せなくて、何て言うか…」

しずか「うん」

のび太「悲しかった」

しずか「!」

のび太「だって、しずかちゃんとお話するの凄く楽しいし。しずかちゃんと一緒に遊んだり出掛けたり、時にはお菓子を作ってもらって…。しずかちゃんといつも一緒にいるのが当たり前で幸せだったのに。一緒にいるのが気まずいだなんて…」

しずか「あたしもよ。のび太さん」

のび太「え?」

しずか「のび太さんと一緒にいるのが1番楽しいし、幸せよ」

のび太「しずかちゃん」

しずか「明日の班行動。今までお話出来なかった分、たくさん話しましょ!」

のび太「うん!」

しずか「あらやだ//」(急に恥ずかしくなる)

97 :以下、VIPがお送りします:2021/05/24(月) 00:42:59.99 ID:8EDvcXeU1
しずか「やっぱりお土産は明日にするわ。またね」

のび太「うん。また明日」


それから僕は部屋に戻ってから、
先生に見つからないように、ドラえもんが貸してくれた22世紀のゲームで皆で遊んだ。

さっきの6人でずっと盛り上がって、あっという間に消灯時間になった。

98 :以下、VIPがお送りします:2021/05/24(月) 00:50:54.59 ID:8EDvcXeU1
【306号室】
スネ夫「何かあっという間だよな」

ジャイアン「だな。毎日修学旅行ならいいのに」

スネ夫「言えてる」

ジャイアン「スネ夫も受験勉強大変だよな。よく出来るよな。お前は偉い!」

スネ夫「いやー。それよりもジャイアンこそ店番毎日やってるじゃない。今まではサボってたのに」

ジャイアン「ああ、それな…」

のび太「どうしたの?」

ジャイアン「お前たちには話すよ。誰にも言うなよ」

のび・スネ「うん」

ジャイアン「実はな、うちの店、今そんなに経営状況が良くないんだ」

スネ夫「そうなんだ」

ジャイアン「きっかけは駅裏の新しいスーパー」

のび太「あ、あそこ結構混んでるよね」

ジャイアン「それに加えて」

99 :以下、VIPがお送りします:2021/05/24(月) 07:54:09.58 ID:8EDvcXeU1
ジャイアン「一部で不買運動が怒ったんだ」

のび・スネ「えっ?!」

ジャイアン「ほら、俺前まですぐ暴力奮っていただろ。それにみんなの物も結構奪っていたし。その内容が町内に知れ渡ってしまってな。同じ学校の親たちが、うちの店で買うのを一斉に辞めてしまって、そこから売り上げは下がる一方」

のび太「そんなことがあったのか」

スネ夫「僕は聞いたことがある」

ジャイアン「それで俺が悪さをしていたのが、母ちゃんだけじゃなく父ちゃんにもバレてしまってな。こっぴどく叱られたよ」

のび太「そうだったんだね」

ジャイアン「一度付いた俺の悪いイメージは簡単には消えないけど、一生懸命店番して、暴力も辞めて、失った顧客をゆっくりでいいから取り戻すんだ」

100 :以下、VIPがお送りします:2021/05/24(月) 11:26:45.08 ID:8EDvcXeU1
ジャイアン「それによ、俺も長男だから、いずれ剛田雑貨店を継がないといけないしな」

のび太「やっぱりそうなんだ」

ジャイアン「俺が今頑張らないと潰れちまう。そしたら、ジャイ子が漫画を描くための道具を買うだけの小遣いをあげられんねえ。ジャイ子には無理させたくないんだ」

スネ夫「ジャイアンも大変だったんだね」

ジャイアン「ま、お陰さまで何とかやってるぜ」

101 :以下、VIPがお送りします:2021/05/24(月) 13:16:24.56 ID:8EDvcXeU1
スネ夫「のび太はいいよな。将来が決められてなくて」

のび太「確かに自由だけど、将来何やりたいか全く思い付かないや」

ジャイアン「まあ、のび太は自由なんだから、じっくり考えればいいさ。それよりよー」

102 :以下、VIPがお送りします:2021/05/24(月) 13:34:48.07 ID:8EDvcXeU1
ジャイアン「お前らって、その…好きなやついるのか?」

スネ夫「どうしたのさ急に」

ジャイアン「そりゃあ、修学旅行の夜はそういう話するもんだろ」

スネ夫「恋バナってやつか」

のび太「へへ、ジャイアンに恋バナは似合わないなあ」

ジャイアン「こんにゃろー!」
ボカボカ

のび太「いてー、暴力辞めたんじゃないの?」

ジャイアン「それはそれ、これはこれだ」

103 :以下、VIPがお送りします:2021/05/24(月) 22:34:35.02 ID:ILj+jTW0L
うちきり?

104 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 01:13:13.99 ID:JC5TAkLz0
ごめんなさい。
今日というか昨日は仕事が難航しまして。

きちんと終わりまで書きます。
結末はもう決まっているので。

105 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 01:16:17.45 ID:JC5TAkLz0
のび太「そういうジャイアンは気になる子いるの?」

ジャイアン「え?俺か?」

のび太「うん」

スネ夫「いるの?」

ジャイアン「えーっと…」

のび太「もしかして、ずっと前に会った後藤なつみさん?あの剣道道場の」

ジャイアン「あ、そんな子もいたな」

106 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 01:21:13.23 ID:JC5TAkLz0
ジャイアン「おれは2組の田村さんが可愛いって思う」

スネ夫「田村さんねー」

のび太「あ、あの小柄でおめめがくりっくりな子でしょ?確かに可愛いかも」

ジャイアン「だろ?俺あの子と話してみたくて。なんとか仲良くなれないかな」

のび太「うーん、どうやって話しかけるかだよね」

スネ夫「あのー、盛り上がっているところ申し訳ないんだけど」

のび・ジャイ「なに?」

スネ夫「確か田村さん彼氏いたはず」

ジャイアン「ガーン」

107 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 01:24:38.51 ID:JC5TAkLz0
ジャイアン「ま、他に良い子見つけるぜ」

のび太「切り替え早っ!」

ジャイアン「そういうスネ夫はどうなんだよ」

スネ夫「僕?僕はどうせ来年からは皆と違う学校だし、小学校のうちに彼女作ろうなんて考えたことないな」

ジャイアン「ったく、しけてんなー」

スネ夫「でも、強いて挙げるなら…」

のび・ジャイ「ん??」

スネ夫「1組の…」

のび・ジャイ「1組の?」

108 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 01:28:34.23 ID:JC5TAkLz0
スネ夫「こ、こ、」

のび太「こ?」

スネ夫「コケコッコー」

ジャイアン「さっさと言え」ポカッ

スネ夫「いてて、こ、小林さんかな」

のび太「あ、あの背の高い子?」

スネ夫「そうそう」

ジャイアン「あー、確かに可愛いというか何て言うか優雅な感じだよな」

スネ夫「そうそう。あの上品な感じ。変に気取らず美しく優雅なところなんか、僕ちゃんとお似合いだと思わない?」

のび・ジャイ「はいはい…」

スネ夫「なんだよ」

109 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 01:32:53.07 ID:JC5TAkLz0
スネ夫「小林さん、バレエやってるんだってさ。習い事も何て言うかお嬢様って感じだよな」

のび太「そんなとこまで知ってるんだ」

スネ夫「この間塾で話したからね」

ジャイアン「え?」

のび太「話したことあるの?」

スネ夫「まあ、話したことはあるけど」

ジャイアン「こんにゃろー。何が彼女作ろうなんて考えたことないだよ」

のび太「どう?結構仲いいの?」

スネ夫「それがさ、この間一緒に帰ってさ。もう楽しかったってなんの」

ジャイアン「何だよ。勉強勉強で苦しい生活かと思ったら、思いっきり楽しんでんじゃん!」

スネ夫「まあ、楽しむところは楽しまないと」

110 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 01:36:48.31 ID:JC5TAkLz0
ジャイアン「ま、お前がどうしたいかは知んねえけど、応援するぜ」

のび太「僕も」

スネ夫「ありがとう」

のび太「じゃあ今度は僕の番だね。僕が可愛いって思う人はね」

ジャイアン「5年3組の源静香さんだろ?」

のび太「当たりー。何で分かったの?」

スネ夫「お前、僕たち何年の付き合いだと思ってんの」

のび太「絶対にバレていないって思ってた」

ジャイアン「相変わらずバカだな」

スネ夫「な」

のび太「何さ、この間ジャイアンよりテストの点良かったぞ。ジャイアンこの間0て…」

ジャイアン「ばかお前、それ言うなって」

111 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 01:41:06.46 ID:JC5TAkLz0
スネ夫「それで、源静香さんとは最近どうなんですか?」

ジャイアン「ラブラブなのか?」

のび太「いやー、そもそも付き合ってないし」

ジャイアン「お前そろそろ告白しないのか?」

のび太「告白?」

スネ夫「好きです。付き合ってくださいって言わないの?」

のび太「そんな、恥ずかしい。それに嫌われるかもしれない」

スネ夫(お前、静香ちゃんの気持ちに気付いていないのかよ)

ジャイアン(これじゃ静香ちゃんが大変だな)

112 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 01:45:02.51 ID:JC5TAkLz0
ジャイアン「のび太、モタモタしてると他の男にとられちゃうぞ」

スネ夫「そうそう。しずかちゃん可愛いんだから」

ジャイアン「のび太はこれからしずかちゃんとどうしたい?」

のび太「そりゃあ結婚したい!」

スネ夫「は?!」

ジャイアン「じゃあまずは恋人になるところからスタートだな」

スネ夫「いやいや何言ってんの?」

のび太「分かった。僕勇気を出してしずかちゃんに想いを伝えてみるよ」

113 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 11:00:08.82 ID:JC5TAkLz0
ジャイアン「俺はのび太を応援するぜ」

スネ夫「ま、僕も応援するさ」

ジャイアン「お前は良いやつだからな、しずかちゃんもその事は分かっているはずだ」

のび太「そうかなあ」

スネ夫「ま、もしもダメだったら慰めてあげるから」

ジャイアン「そうとも。その時はリサイタル開いてやる」

のび・スネ「それはだめ!!」

ジャイアン「何だと?!」


そんな感じで、僕らは夜中ずっと話していた。
お陰で次の日の朝は三人とも寝坊して、朝食会場で先生に叱られてしまった。

そして、2日目は那須高原がメインで旅行をする。
途中、那須りんどう湖レイクビューで班行動がある。
そこでは、しずかちゃんと一緒だ。何とか想いを伝えたい。

114 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 18:17:04.85 ID:JC5TAkLz0
【レイクビュー】
先生「それでは集合写真を撮るぞ」

ジャイアン「のび太、スネ夫、来い」

スネ夫「うん」

のび太「うん」

僕ら三人は肩を組んで写真に写った。
学年での集合写真が終わったらクラス単位でも撮影した。

115 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 18:22:59.47 ID:JC5TAkLz0
てか大山時代ならレイクビューじゃなくて、ファミリー牧場だったね。
しかも知らない間にまた名前変わっていたらしいし。
すんません。

116 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 18:34:23.65 ID:JC5TAkLz0
初めは僕たちはみんなでオルゴールを作った。
そして、班行動で好きなところを回った。
といっても2時間しかないので、行動範囲は指定されてしまったけど。

それでもアトラクションや動物との触れ合いを楽しんだ。


出木杉「あー、楽しかったね」

委員長「うん」

しずか「ええ」

出木杉「しかし、スイス鉄道は人気だね。たくさん人が並んでて乗れなかったね」

のび太「それは残念だったよ」

117 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 18:36:22.81 ID:JC5TAkLz0
カメラマン「お、君たち。写真撮ろっか」

出木杉「あ、お願いします」


カメラマン「はい、チーズ」
カシャ

委員長「あ、そうだ。出木杉くん二人でも撮ろう」

出木杉「えっ」

委員長「さあ早く、カメラマンさんお願いします」

カメラマン「あ、はいはい」

委員長・出木杉「イエーイ」
カシャ

118 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 18:39:23.88 ID:JC5TAkLz0
委員長「ありがとうございます。じゃあ次は二人の番」

のび太「えっ!!」

委員長が黙ってのび太の肩を叩く

出木杉「のび太くん」頷く

のび太(委員長、出木杉くん)

のび太「せっかくだし、撮ろっか」

しずか「ええ」

二人は少し照れたけど満面の笑みで、写真に写った。

119 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 18:42:42.80 ID:JC5TAkLz0
委員長「じゃあ、戻りましょ」

出木杉「うん」
委員長と出木杉が前を歩く

しずか「楽しかったわね」

のび太「うん」

しずか「もうちょっと時間があればなぁ」

のび太「そうだね。でも」

しずか「ん?」

のび太「しずかちゃんと一緒に廻れただけで、良かったよ」

しずか「あたしも」

120 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 18:44:05.92 ID:JC5TAkLz0
のび太「ねえ、あのさ…」

しずか「なあに?」

のび太「ぼ、僕…」

しずか「うん」

のび太「えーっと…」

しずか「…」

のび太(だ、ダメだ。恥ずかしくなってきた)

しずか「のび太さん?」

121 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 18:53:49.63 ID:JC5TAkLz0
のび太「ふぅー。ちょっと待ってて」

しずか「良いわよ、ゆっくりで。ふふ」

のび太「僕ね、しずかちゃんが好きだよ」

しずか「…//」

のび太「だから、その…これからもしずかちゃんと仲良しでいたいんだ」

しずか「のび太さん」

のび太「僕、しずかちゃんに早く似合う男になれるように頑張るよ。勉強ももっと頑張って、早く100点とれるように。運動音痴は難しいかもしれないけど…でも運動も頑張るよ」

しずか「ふふふ。のび太さん」

のび太「え?」

しずか「のび太さんにはのび太さんの良さがあるわ。そんなに焦らなくて良いわよ。そのままののび太さんで充分」

のび太「しずかちゃん」

しずか「勉強と運動はのび太さんのペースで頑張ってね。いつか100点取れるの楽しみにしてる」

122 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 19:00:24.57 ID:JC5TAkLz0
委員長「二人ともー!お取り込み中申し訳ないけど、もうすぐ昼食時間よー!ちょっと急がないと」(20メートルくらい先から)

しずか「分かったわー!じゃあ行きましょのび太さん」

のび太「うん」

しずか「のび太さん、あたしものび太さんのこと好きよ。前からずっと」

のび太「え?」

しずか「ふふっ」(走りだす)

のび太「…」


のび太「…や、やったぁ!!」



それからお昼を食べて、東京に向かってバスは動き出した。
そして委員長と出木杉くんが気を遣って、バスの席を変わってくれて、帰り道はしずかちゃんと隣になれた。

123 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 21:27:53.13 ID:JC5TAkLz0
みんな疲れてぐったりしている頃だった。
委員長たちが企画したレクもすべて終わってしまって、暇してた頃だった。

運転手「もしあれでしたら、カラオケありますよ」

ジャイアン「カラオケ?!」

児童「か、カラオケ?!」ヒエー

ジャイアン「じゃ、俺様の喉の見せ所かな」

委員長「い、いいですね!先生歌ってください」

出木杉「そうですね。先生歌ってくださいよ」

しずか「先生の歌聞いてみたいわぁ」

先生「おいおい」

124 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 21:30:46.34 ID:JC5TAkLz0
先生「よし、せっかくだから歌ってみるか」

スネ夫「ふぅ、助かった」

ジャイアン「まあ、しゃーねえか」

運転手「上のテレビを着けてビデオ1にしてください。あとはマイク繋げて、画面から曲を選べば歌えますよ」

先生「ありがとうございます」

しずか「先生の歌聞くの初めてね

のび太「ほんと」

先生「緊張するなあ。それじゃ歌います」

125 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 21:35:53.87 ID:JC5TAkLz0
しずか「あ、海援隊よ」

出木杉「この歌いいよね」




♪さよならにさよなら(海援隊)


リンゴの皮を剥くように 過ぎ行く時は渦巻くかたち
下へ下へとあなたが辿れば 昨日が今日に繋がってゆく

遠い昔に 別れた人も
一回りすれば すぐそばにいる

時間は螺旋の階段 さよならさえも繋がってゆく
だからさよならにさよなら
全てのさよならにさよなら

126 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 21:41:39.14 ID:JC5TAkLz0
のび太(そうか。おばあちゃんもきっとそばにいるんだ。そして、これからお別れするドラえもんも、僕が信じていればずっとそばにいるんだね…)

パチパチパチパチ…

委員長「良かったです!先生」

しずか「ええ素敵でした」

モブ2「ブラボー」

運転手「先生、あなた中々上手いですね」

先生「照れるな。次誰か歌うかね」

ジャイアン「はーい!!!」ニコニコ

児童「え…」

ジャイアン「よーし!みんなお待ちかねのジャイアンリサイタル!今回は特別編ジャイアンバスツアーいってみよー!!!」

スネ夫「ああ、悪夢だ」

安雄「どうしよう」

しずか「のび太さん、このままだと」

のび太「そうだ」

127 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 21:47:26.76 ID:JC5TAkLz0
ジャイアン「ちぇ、さすがに新曲はないか」

運転手「ははは、悪いね。もう長年走ってるバスだから」

ジャイアン「じゃあ、渋めの岩渕まこと辺りで良いか」

スネ夫「ジャイアン辞めといたら」

ジャイアン「何でだよ」

スネ夫「だってさ、みんなの体調が悪く、いやバスが壊れ」

ジャイアン「何だって?」

スネ夫「いや、そうじゃなくて」

ジャイアン「ま、歌う前に喉を潤しておかないと」水筒用意

のび太「ジャイアン、それならこれ飲むと良いよ。喉に良いドリンクさ」

ジャイアン「お、気が利くな」

128 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 21:51:49.27 ID:JC5TAkLz0
ジャイアン「じゃ、行ってみよー!」

しずか「のび太さん、何渡したの?」

のび太「まあ見てな」


♪だからみんなで

だから僕は 弱虫なんだ
心の中を探してみたけど
だって僕の勇気なんか
全部出してもこれだけなんだ

そうだ君も 探してくれよ
心の中の少しの勇気を
だって僕と君のを合わせたら
勇気が少し大きくなったろう

きっと みんなの 心を合わせたら
きっと 僕は 弱虫じゃないよ
きっと みんなと 強くなれるよ

129 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 21:57:05.91 ID:JC5TAkLz0
スネ夫「すげー」

のび太「のど自慢ドリンクさ。ドラえもんが万が一に備えて貸してくれたんだ」

しずか「さすがドラちゃん」


ジャイアン「きっと〜みんなの〜♪」

のび太(そう言えばみんなで大冒険してきたよね。僕たち)
のび太ペコたちと、ダブランダーのところへ乗り込んだところを思い出す。

のび太(僕は弱虫だけど、みんなと一緒に乗り越えてきた。きっとこれからも一緒に…)



のび太「…グスン」

しずか「あら、のび太さん大丈夫?」

のび太「うん…大丈夫」

ジャイアン「おお、泣いてくれるのか。心の友よ!」

130 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 22:01:35.54 ID:JC5TAkLz0
そして修学旅行は佳境へ…


♪ポケットの中に(大山のぶ代、ヤングフレッシュ)

僕はここにいる 君のポケットに
君と一緒に 旅するために
待っていたんだよ 気付いてくれるまで
君が夢に見たものは 何だろう

今からそこへ 二人でも行こう
とっても遠くて 近い世界だよ

ポケットの中にも 空が広がり
ポケットの中にも 雲が流れる
こんな素敵な世界があるんだよ
僕と君が 旅する世界


最後は映画第1作の主題歌を、みんなで大合唱して終わった。

131 :以下、VIPがお送りします:2021/05/25(火) 22:05:06.94 ID:JC5TAkLz0
【学校】
先生「みんな気を付けて帰るんだぞ」

児童「はーい」

のび太「楽しかったね」

しずか「ええ、とっても」

ジャイアン「久しぶりに歌えて最高だったぜ!」

スネ夫「一時はどうなるかと思ったけど」

ジャイアン「何か言ったか」

スネ夫「い、いや」

しずか「ふふふ」

のび太「どうしたの?」

しずか「何かいつものみんなに戻った気がして」

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