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パチンカスになった俺がメンヘラ女を好きになった話を語っていく

1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 10:58:05.561 ID:Odf1ZQp/0.net
一昨日スレ立てした者です。

書き溜めたので語っていきます。

平日のこの時間に立ておいてあれですが、一応サラリーマンです!!

2 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 10:58:32.873 ID:OUuCMs9Sa.net
一昨日スレ立ててた?

3 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 10:58:53.922 ID:Odf1ZQp/0.net

年齢:当時はたち
顔:キモオタ(ピザではない)
職業:大学生
趣味:アニメ、パチスロ

アスカ(仮名)
年齢:当時22歳
顔:芸能人詳しくないので漫画で例えると、五等分の花嫁の一花
職業:フリーター
名前の理由:初見で何故かアスカと思ってしまったから(別にアンタばかぁ?とか言われてない)

その他登場したら簡単に書きます

4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 10:59:41.676 ID:Odf1ZQp/0.net
>>2
はい!!
次は新規で立てるように忠告貰った者です!

5 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:00:14.971 ID:Odf1ZQp/0.net
その日は期待の新台、
そして歴史に名を残すことになる名機【SLOT魔法少女まどかマギカ】の導入日3日目だった。

その頃パチスロ歴半年ほどの俺は、
ホールまでの道のりで過去最高の高揚感を感じていた。

もともとアニオタではあったが、
パチンコやスロットをしていなかった俺がパチンカス(スロカス)になったのは、
バイトの夜勤明け、先輩に無理やり連れていかれたことが原因だった。

以来ちょくちょくホールに足を運ぶようになった俺は、
半年ほどのスロライフをアニメタイアップに捧げていた(主に化物語とかエウレカセブン)

そんな俺にとって、2011年の覇権アニメがついにホールにやってくるとうことは、
某大統領が緊急来日するくらいの衝撃だった。

昼過ぎにホールに到着。
ネットの評判や版権を考えるとなかなか空きがないかと思って過疎店を選んだのが功を奏し、
見事、6台中1台の空き台をGET!!!!!


スロットやらない人には台の感想とかどうでもいいと思うのでそのあたりは割愛します。

6 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:00:22.739 ID:lSeJALj00.net
さては昨日スレ立ててただろ

7 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:01:47.410 ID:Odf1ZQp/0.net
で、打ち始めてから3時間くらい。
俺はあろうことか騒音と紫煙に塗れるパチンコ屋の中で滂沱の涙を流していた(ガチです)

昔ニュースでCR冬ソナがリリースされたとき、
おばちゃんが行列作ってたり、台の前で手を合わせて泣いてたりする姿を見たけどあんな感じ。

なにがそうさせたかって?

別にぼろ負けして生活費をなくしたとかそんな落ちはない。

これはスロカスにしかわからないと思うけど、
まどマギてスロットとしてはもちろん、版権の活かし方の完成度が異常だった。

約束する・・・!
必ず貴女を救ってみせる・・・!
なんど繰り返すことになっても・・・ッ!

これをホールで聞いた途端俺は堪え切れず嗚咽し咽び泣いた。
信者ですまん。

その時である。

「あ……キモ……っ」

頭の上から確かに聞こえた。
やかましいホールの中で確かに聞こえた。
蔑むというかドン引きした女の涼やかな声。

アスカとの出会いだった。

8 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:02:31.349 ID:S7q/YGnFa.net
ATの化物面白いよな
パチンコの方も好き

9 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:02:43.080 ID:Odf1ZQp/0.net
>>6
昨日漫喫のPCから立てようとしたらエラー出てできませんでした。。。
あれ・・・?もしかして立ってましたか・・・?

10 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:03:18.483 ID:Odf1ZQp/0.net
我に返った俺は急激に夢から醒めていった。
同時にさー、と血の気が引いていくような、立ち眩みするような寒気に襲われ、
矛盾するように顔中が熱を帯びていくのを感じた。

声がしてコンマ数秒で振り返る。
視界はぼやけている。そりゃあさっきまで「ほむほむぅ・・・ほむほむぅ・・・」などと男泣きしていたのだから当然だ。

で。

そこにいたのがえらい美人。

に見えた。

さすがに鮮明に覚えているわけじゃないけどこれだけははっきり覚えてる。

振り返って初めに俺の目に飛び込んできたのは、
すらっと長く、細いくせにやけに肉付きのいい黒タイツに包まれた脚だった。

そりゃあ座ってるから当然だよね。

すっごいむらむらしたんで印象的に覚えてる。

振り返るまでは反射だけど、そこから先はなんていうか自然な流れで、
ふとももに釘付けになりそうな視線を上昇させた。

黒タイツのおみ足が生えているのはデニムのショートパンツ。
上半身は黒色のパーカーで前のジッパーは閉まっていたけどフードはかぶってなかった。
顔は普通にかわいい。
ショートカットでちょっときつそうな眼をしていた。

11 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:03:45.378 ID:Odf1ZQp/0.net
ドラマとかだったら、

「何見てんの?」
「いや、なにそれ俺に言ってんの?」
「そうだけど何?」
壁ドーン!
「……ほら、もっかい言ってみろよ?」
「……しゅき」

とかなるのかもしれんけど、俺はキモオタだ。
冷ややかな視線と罵倒に下半身は立っても足腰は立たない。
壁ドンとかイケメン行為は到底不可能である。

なんで何か言うでもなく、もちろん行動を起こすでもなくただ目を泳がせることコンマ数秒。
アスカは素っ気なく去って行ってしまった。

やけに長々書いてるけどここまで数秒くらいの出来事。
実際、当時その瞬間は一瞬で過ぎ去ったと思う。

その日、アスカに罵倒され、涙もまだ乾いていない瞳でまどマギをぶん回し、
昭和初期のサラリーマンのボーナスくらいの勝ち額を手にして帰った。
現在の貨幣価値にしておよそ7万円である。・・・すまん、ゆとりなんで合ってるかしらん。

アスカとのエピソードはもう少し先の話。

その日以来俺はほぼ毎日のようにまどマギを打っていた。
バイトは基本的に夕方から0時までだったし、
大学は、適当にさぼったり空き時間に真ん前にあるパチ屋に行ったりしてた。

そうこうしながら1週間ほどが過ぎる。

俺は相変わらずまどマギにどっぷりはまっていたけど、
さすがにあの日以降泣いたりはしなかった。いや、えらい負けて半べそになることはあったけど。

で、とある週末のこと。

俺がもともとまどマギの初打ちをしようとシフトを休みにしていた休日のことだ。

その日、アスカ襲来その2が起きた。

12 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:04:03.102 ID:lrzdF9Kfd.net
(やべぇ、気持ち悪い奴だ)

13 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:04:13.341 ID:Odf1ZQp/0.net
折角丸一日をフリーにしたというのに、俺はその日見事に寝坊した。

俺はリア充なので当然休日ともなればツレとのサーフィンや行きつけの美容室から逆指名が入ったり片手では足りないくらいの数の美女からデートのお誘いがあるのだが当然すべて断って無理やりに空けたスケジュールだったので無念ほんとに無念今でも後悔している。

寝坊の理由は確か前日の夜になんかのアニメを一気見してたんだと思う。シュタゲだったかな・・・?

そんなこんなでホールにやってきたのはお昼を回った頃である。

そして俺の目には残酷な光景が飛び込んできた。

まどマギが、空いてない。

人生二度目のホールでの涙を禁じ得ない瞬間だった。いやマジで。

仕方ないので俺はまどマギが空くまでホールを彷徨うことにした。
化物語の前を通り過ぎ、撫子の「中だよぉ」というナビに興奮しつつ、
意味もなく北斗の島でJOJO立ちしたりした。

週末だけあって過疎店でもそれなりの賑わいを見せていたが、
その中でも一際目を引くコーナーがあった。
パチンコ屋行かない人は想像できないかもしれないけど、
出玉がなんかナイル川みたいになっているのだ。

ようはコインが入った箱が、台座に乗せられて行列を作ってるのね。
その時は行列ていうか池?なんていうか通路に所せましと溢れ返ってた。

うわ、すっげ、と思い、そんな出てるんなら自分も打とうかな、てことでそのコーナーに俺侵入。
そしたらやおら、

「うわぁあ――……ッ!!」

と、悲鳴みたいな嬌声?みたいな短い叫びが聞こえた。

誰あろう。

アスカだった。

14 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:04:42.648 ID:Odf1ZQp/0.net
前回遭遇した時は俺が座ってたから気づかなかったけど、
アスカ意外とちっさい、そして細身。
そんな矮躯を弾ませるみたいに背もたれに背中をぶつけてた。

はじめ俺は、アスカの悲鳴は俺が背後に立ったことが原因かと思った。
何せ出合い頭の罵倒だ。そして汚物を見るようなあの冷徹な蔑みの視線(脳内補完)
初対面でそんな態度をとった男がいきなり後ろに現れたら、うら若き乙女が悲鳴を上げるのも納得できる。

結論から言って思い過ごしだった。

アスカは短い悲鳴の後嬉々として台に向かい合い、
子供が初めてもらった玩具で遊ぶみたいにはしゃぎながらレバーを叩いていた。
後に知ることになったが、その時アスカは超番長ボーナス(一番いいボーナス)を引いていた。

で、まあ、それってなかなか出ないもので、
物珍しさでギャラリーが数人集まったりした。
いち早く現場にいた俺は台の真後ろからそれを眺めていたが、
番長のことなど何も知らんのでなにが起きてるのかわからない。
( ゚Д゚) ← たぶんこんな顔してた。
ギャラリーが好奇の視線を向ける中、アスカはきゃっきゃいいながらレバーを叩く。
派手に画面が光ってアクションが起きようものなら、
「よっし」と小さく気合を入れたり、
「っいくぞー!」と溜を作ったり、
「やたっ!」とかガッツポーズして、
それはそれはオーバーリアクションしていた。

すっげーかわいい。

などと俺は思わない。
このころの俺はまだ中途半端な自尊心を内に秘めた自称イケてる大学生。
初対面で悪態をついてきた女の奇行を冷ややかに見下していた。
いちいちリアクションがうぜえ。てか女がパチ屋にくんな。BBAになってから出直せ。

後に稀代のマゾヒストとして覚醒する俺の、口に出さない罵声は続いた。

15 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:05:45.531 ID:Odf1ZQp/0.net
>>8
差枚管理はちょっと・・・
キャラ目当てで打ってました。
君の知らない物語が収録されてたら実機買ったかも

16 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:06:45.355 ID:Odf1ZQp/0.net
>>12
罵倒に切れがないな。
>>12さんが女性ならジト目写真をうpした上でグレードの高い暴言を頂きたいです。

17 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:07:18.772 ID:Odf1ZQp/0.net
結局その日はまどマギを打てずに帰宅した。
別の台でいくらか勝ったのでツレに奢ったけど何を打ってどんな展開だったかまでは覚えてない。
とりあえず番長コーナー(アスカのいたコーナー)は終日盛況で、その日の当たりコーナーだった。

それからもしばらく俺のまどマギ熱は続き、
比較的台の確保しやすいそのホールに通う日々が続いた。

そんなある日だ。

給料日を前に、種銭が尽きた。

なんだあの魔法少女。可愛い見た目でえげつないくらい俺からしぼりとってくぞ?いやマジでマミる。

正確には一文無しなったわけではない。

光熱費や食費、いくらかの現金は所持している。

しかし、俺はそこまでディープなパチンカスではなかったはずだ。
きっちり適度に楽しむ遊びとして趣味の範囲にとどめていたはずなのだ。

しかしながらSLOT魔法少女まどかマギカに対する俺の思いはエントロピーを凌駕した。

なによりネットに上がっているドヤ画像、動画のように、俺もアルティメットバトルがしたい!!
アニメ最終回をホールで流して咽び泣きたい・・・!!!!

Qべえ「その願いは、諭吉を賭けるのに相応しいものかい?」
俺「生活費でも、なんでもいい……さあ、叶えてよインキュベータ……ッ!!!!」

数時間後

俺「あたしってホントバカ……」

人生で初めて借金を考えた。適当なことを言って親に泣きつくか?

現在の戦力は諭吉未満樋口以上。ここで引けば、案外給料日まで生き延びられるかもしれない。
しかし俺は魔法養分ギャンブラー。迷ったら特攻である。

しかしまどマギはこれ以上危険だ。
なら何を打つ?

僅かな思考の末、俺の脳裏にはいつかの光景がフラッシュバックした。
そう、例の番長大爆発である。

当時まだそこそこの主力としてホールで稼働していた番長は、
その店でも一島分の台数を抱えていた。出る可能性は十分ある・・・!

で、番長コーナーに俺降臨。

確か平日だったと思う。空き台は十分あった。
その中から全く台に対する知識の無い中一台を選び着席。
いざ。
参る。

数分後。

樋口一等兵、野口二等兵数名、討ち死に!!!!

俺はラインの中から何も聞かずに金を貸してくれる友人を探した。

18 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:07:34.272 ID:Odf1ZQp/0.net
あえて触れていなかったが、その時番長コーナーにいたのは俺を含む数人。3,4人だったと思う。

その中の一人にアスカがいた。

いや、気づいてたよ。
というか俺もこのホールの常連だから、
こいつがホールに入り浸ってる依存症だって知ってたよ?
でさ、前述したとおり、アスカていちいちオーバーリアクションなのさ。
空席を挟んで一つ隣がアスカだったんだが、
負けてることも相まってアスカの一挙手一投足がいちいち癪に障る。

俺はラストホープ野口をサンドへ挿入し、死んだ魚の目で台と向き合う。
その時だ。

「もーふーりーむーかずーあるいていけーるさっ、いつかーまーたあうそのーひーまでー♪」

アスカの歌声が聞こえた。

あ?なにこいつ、パチ屋をカラオケか何かと勘違いしてんの?
いや、店内の有線うるさいし、騒音やばいからはっきり聞き取れないけどさ。

上半身を小刻みに揺らしながら笑顔で口を動かすアスカ。
多分アスカの声を聴きとれたのは俺がその姿を凝視していたからだろう。

俺は負債のこともあり、憤怒を抑えきれなくなりそうだった。
こいつ、パチンコ屋なんかにいるんだから18は越えてるんだよな?
なんですか、わたし天然なんですー☆みたいなアピールですか?
こんなとこでぶってんじゃねーよ!!!!わかったら今すぐにその歌声を止めろ!!!!

いつかの自分へ特大ブーメランを投げつつ。

俺は自分の台の演出と向き合っていた。

で、確か卓球だったと思う。(すまん番長とか全然打ってないんで覚えてない)

スタープラチナを従えてそうなごっつい主人公がなんか卓球やってんの。
俺は数人の同士を討ち死にさせる間にこの手の演出が外れるのを何度も見てきた。

財布の中も空になりすさむ心で、
はいはいワロスワロス、と演出を進める。
確かベランダでもやしを栽培しているツレがいたはずだ。分けてもらえば当面のsy

「イタダキラアアアアアアアシュッ!!!!!!!!」

ファッ!?

19 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:08:01.705 ID:Odf1ZQp/0.net
あ、当たった・・・。
しかもラッシュということは、一発逆転の可能性がある!!!
これを伸ばせば・・・いける!!!

ふははは、すまんな愚民共!
俺はベランダでもやしを栽培している貧乏学生とは違うんだよ!!!

台「すまんかった」

俺の一発逆転への願いは数分で終わった。
確かちょっと伸びて、150枚くらい?出たと思う。
すぐ交換すれば数日分の食費になる。これでレトルトのご飯を買い、もやしを貰おう。
そう思い、時間も時間なので箱にメダルを移し、腰を上げる。

「えっ!? それやめるの??」

アスカだった。

驚いた。
いや、アスカも驚いてたし俺も驚いた。
真ん丸な目を見開いて、さりげなく俺の二の腕をつかんでいる。
勢いと微弱な拘束のせいで俺は中腰になった。

「……いや、まあ、ないかなって?」

これはパチンカスが逃げるときに使う常套句。
悪いのは俺ではない。そもそも勝てるフィールドに立てていない。
それが分かっただけでも収穫だ。ここはスマートに戦略的撤退を・・・

「や、今の通常ラッシュでしょ? それにまだ引き戻しの前兆もあるし、
そもそもちょうどソーン手前でうんたらかんたらふじこふじこ!!!!」

この娘は何を言ってるんだ。
同類である俺にすらそれは別次元の言語に感じた。

要約すると、

「へいへい兄ちゃん。あんたもう泣き寝入り決めて逃げ帰るのかい?
いけないねえ、そんなんじゃ。あんたは勝負に対する熱がなっちゃいない。
いいかい? そいつはまだ刃を隠してる。
聞こえないかい?
鞘に収められた白刃が今か今かと抜き放たれるのを待ってる声が・・・!」

いや、俺逃げなきゃ死ぬじゃん。
とりあえずここで辞めてはいけないらしかった。
正直早く帰ってさやかさんの同人誌ですっきりしたかったが、
アスカの勢いに負けて俺は持ちメダルを飲ませる作業を始めた。

20 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:08:19.677 ID:Odf1ZQp/0.net
で、その後の俺、無事死亡。
3000円相当あったメダル、消滅。
わかってたけどさ。酷くない?
あの女は店長からの刺客だったんだ・・・!と横目に睨む。
奴はきっちり何箱かの持ちメダルを保有していた。サクラやろ、あいつ?
今度こそ一文無しになった俺は離席を決意。
主人公がライバルとくだらない対決を始める準備をしていたが、お構いなし。
なんか上半身裸で腕立て伏せしてるところね。俺はノンケなんでパス。
どうせハイワロ対決に行って片言の黒人にぶっとばされるんだろ?
この時時刻は確か20時半ごろだったと思う。
帰宅を決め込んだ俺は未練がましく一台だけあったまどマギの空き台をポチポチしてた。
なんだこりゃ。めっちゃへこんどる。うたんでよかったわ。まあ、どうせまけたんですけどね。

卑屈になりながら出入り口へ。

そして。

アスカ襲来その3

「ねえ!!!」
「?」

んだ、こいつ。
なけなしの残金をかっぱいどいて、その上さらに俺に追い打ちかけよってか?

「さっきの台当たったよ? お金おろしに行くの? だったら抑えとかないとダメじゃん!」

要約すると俺の打っていた台は、どうやら俺が辞めた後に大当たりに当選したらしい。
あのガチムチ野郎、俺がいなくなるやライバルをぶっ倒しやがったのか。
てかそんなこといちいち報告しにきやがったのかこいつは?
などと考えていると、アスカはぐいぐい俺の腕を引っ張ってくる。

「ちょ、なに」
「早く戻って!」

戻ってどうする。
現在進行形で大当たり中の台を指さして、
「いやー、そいつ俺がさっきまで打ってたんすよ。当たると思ってたんだよねー?
悪いけど返してくれない?」とでも言えってか?

「ちょ、ちょっと、あの」
「早くしないとわたしが掛け持ちで怒られるから!!!!」

心底焦ったみたいにアスカは言った。

21 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:08:36.186 ID:Odf1ZQp/0.net
席に戻ると確かに当たっていた。
液晶には完全勝利の文字とどや顔のガチムチ。

「どうぞ」

アスカが俺に着席を促す。
え、いいの?

「いいよ。ほら早く」
「あ、ありがとうございます……!」

これまで内心で悪態をついていたが、もちろん面と向かって文句を言ったことはない。
キモオタにリアル女子を罵倒するなど難易度が高すぎる。しかし敬語とは我ながら・・・
この時ばかりはアスカが天使に見えた。
真実、アスカのルックスはいい方なのであながち間違いではない。

そして俺は気づく。

画面は完全勝利(当たってますよ、という告知画面)

これ、回すにはメダルいるよね?

俺今おけらだけど??

22 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:08:51.750 ID:Odf1ZQp/0.net
足元にメダルが落ちてないか探そうとして気づく。
アスカが自分のメダルを残しているのだ。
当の本人は自分の台を引き上げて帰ろうとしている。
これはさすがに・・・

「あ、すいません……」

うんしょっ、てな具合に箱を抱えるアスカに、どもりながら俺は言った。

「メダル忘れてますよ」
「?」
「いや、その」

俺の台を指さすと、アスカは合点がいったとばかりにぱあ、と明るくなる。

「ああ、いいよ。それ!」
「え?」
「使っていいよ。頑張って!」

なんやこいつ、ほんまに天使かよ。
この時俺は完全に初対面の時のことを記憶の彼方へ消し去った。
この荒んだパチンコ屋に女神が降臨したのだと確認した。

そこからの展開は省く。

結果から言ってそっから例の台はびっくりするぐらい出た。
その日の負けを帳消しにして、閉店時間を迎えてもまだ出ていた。
俺はその日初めてパチ屋の会員カードを作り、時間延長サービスを使った。

一応、パチンコやらない人に説明しとくと、カード会員になると、
通常の営業時間より20-30分長く遊戯ができる(店舗と地域によるが)
あ、てかこれ言うと地域特定されるのかな?まあいいや。

で、延長するとその日は現金に交換ができなくて、
カードにポイントみたいにためておいて、次の日以降で交換することができる。
再来店を促進する目的だろうな。

結局俺は数万円分のメダルをカードに入れ、
すっかすかになった財布をけつのポケットに入れて帰宅した。

23 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:09:09.224 ID:Odf1ZQp/0.net
2日ほど冷蔵庫の残りと友人のおすそ分け(強奪ともいう)で食い繋ぎ、例の店に向かった。
取り急ぎ前回の出玉を現金に交換しなければならない。
しかしパチンカスとは悲しい生き物で、【打つ】以外の目的があって来店した場合でも、
あの空間に入ってしまうとどうしても打ってしまう。
たちが悪いのは自分で薄々そのことに気づいていて、バイトの休みの日にホールに行ったことだ。
大学? ああ、その日は2限しかない日だったんだホントだよ?

アスカいるかな・・・

ええ、はい。俺はアスカを探していました。
これは強がりとか演出で言うんじゃないけど、
例のことがあるまで俺は本当にアスカを嫌っていた。
元がひねくれ屋で卑屈だから、目立つことをする人間が嫌いだったのもある。
アスカは初対面があれだったし、パチ屋とかいう底辺の集まりの中で際立って異彩を放っていたから攻撃しやすかったのだ。

そして当然のようにアスカは番長を打っていた。
こいつ、どんだけ好きやねん。

俺は即座に財布の中身を確認。
ふむ。小銭が数枚ある。
外の世界より数十円高い自販機の前へ行き、セブンアップを購入。
ジョージアのコーヒーと迷ったが、女の子は缶コーヒー嫌いという謎の先入観から炭酸飲料を購入。
前回のお礼のつもりだった。

アスカのもとへ舞い戻り、声をかける。

「やあ、こないだはどうも」
「あー、ゾーン取り残しの人だー! しかも高設定ぽいのに捨てようとしてたよねー?」
「はは。面目ない。つい冷静さを欠いていたよ」
「あの後どうだった?」
「ああ。おかげで大勝さ。君には感謝してるよ。あ、これ、よかったらどうぞ」
「わ、セブンアップ! わかってるー!」

無論俺の妄想だ。

現実は近くまで行ったけど声をかけられず。
なんなら相手に気取られないくらいの距離を保って一人きょどっていた。
そして俺は。

アスカの隣の番長に座った。

24 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:09:25.088 ID:Odf1ZQp/0.net
尻の財布を抜き取る(大げさに肘突き上げる)
折り畳み財布をスナップを聞かせて片手で開く。
颯爽とオニューの会員カードを抜きだし、サンドへ!!!!(牙突並みの勢い)

お願い・・・届いて・・・・・・ッ!

「おー、どうもー」

やったぜ。

もはやコミュ障と言われることを甘んじて受けよう。
一連の行動はアスカに俺の存在を気づいてもらう為だ。

「あ、ども」精一杯のスマイル0円をお見舞い。
「こないだどうだった?」
「おかげさまで、えっと、閉店まで」
「よかったね! なに、絶頂とか入ったの?」
「え、ぜっ」

俺氏、困惑。
なにこの娘、誘ってんの?
もちろん今ならわかる。絶頂ラッシュね。ちなみに俺は絶頂童貞です。
あたふたしつつも、その程度の下ネタで動じない男を保つ俺。
アスカはにこっとして自分の台に向き直った。
会話終了。
おい、ちょっと待て、どうすんだこのセブンアップ。

俺。

最 大 の 勇 気

「……よかったら、これ、飲みますか?」

言ってやったぜ!!!!

「え? あ、わたし炭酸無理」

ほむぅ・・・・・・

25 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:09:37.547 ID:Odf1ZQp/0.net
なにやら気まずくなった。
多分俺だけ。
アスカはそんなこと気にしてない感じでもう自分の台打ってる。
座った手前、すぐどっか行くと明らかにアスカ目当てなのがバレるから俺は血を吐く覚悟で番長を打つ。
正直俺は番長は苦手、というか嫌いだった。

今だからわかるけど、指摘されてる通り、番長2はまどマギシステムの先駆けで、
まどマギが面白いなら番長2も面白いと感じるのが大方だろう。

そういう意味では俺は、まどマギだから、まどマギが好きだったんだと思う(哲学)

前回結構出しておきながら、
番長を打つのは嫌だったので適当に回してなんか理由つけてやめようと思った。
まだ俺は知らない。
この選択こそが大きく俺の今後を分岐させることを。

打ち出して数百ゲーム。
規定ゲーム数ごとにくる前兆とレア役なんかでざわざわ。
システムを理解していない俺でも、なんか騒がしい、くらいは察せられる。
今回は前回の出玉もあるので臭い間は辞めないようにしよう。お、俺なんかできる奴ぽい?
そして騒めく液晶。
と、対照的に。

リール「ぬるー…………」

違和感ッ!圧倒的違和感……ッ!

なんかゆっくりリールが回りだし、
お気づきでしょうみなさん、
あれが来ました。

「え、超番!!!」

言ったのはアスカだ。
俺の台の異変にいち早く反応したのは本人ではなく隣の娘っ子だったのである。

26 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:09:55.242 ID:Odf1ZQp/0.net
そっからなんかもうアスカ大興奮。
俺はふーんこれすごいの引いちゃった?流れ来てる?
みたいな気分だった。
や、フリーズて気づいてたかな・・・?ちょっと曖昧で覚えてない。
そもそも今でも番長2とサラ番のフリーズはわからん。
単独で超番長ボーナスが成立したらフリーズなの?
でも強弁当とかBB完走でもぷちゅんするよね?(番長2は全然打たなかったのでサラ番の知識で申し訳ない)
七を揃えて突入。

「漢の魂、もやしてやるぜえええええ!!」

辞めて、アスカさん。
恥ずかしいから大きな声出さないで。

俺はガン見してくるアスカを気にしながらレバーオン。
ナビが出ない。
液晶付きの台で純正ボーナスが搭載されていることに衝撃を覚えたので、
この時のことは意外と覚えてる。
すげーベルそろう。なにこれ。もりもり増える。確か300枚くらいだっけ?
で、たまにくるカットインをリールぐーるぐるさせながら揃えた。
すると途中。

「ねえ、お願い、やらせて!」リアルにこんなこと言ってきたのだ、アスカが。

ちょっとドキッとしたけどさすがにわかるよ?
超番代われってことでしょ?
うんいいよ。
カットイン発生のタイミングで席を立とうとするとアスカ、こちら側に身を乗り出してくる。
そしてそのままボタンを押してリールを止める。

「……しっ!」

ガッツポーズ。小さめでクールだ。
俺は椅子を立つタイミングを逸した。
あろうことかアスカはぐいぐい俺に体を寄せてくる。
今でもなんかたまにジャグラー打ってるカップルがこんな姿勢なの見かけるけど、
なにこれ、めっちゃ恥ずかしい。
アスカは隣の席からレバー音もリール停止もすべて自分でし始めた。
一方俺は。

女の子の柔らかさとほのかに香るいい匂いに下半身に血が上るのを抑えた。

27 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:10:28.249 ID:Odf1ZQp/0.net
超番長ボーナスを消化し終わり、頂ラッシュへ。
心底俺は驚いた。ART機なのに気づけば下皿いっぱい。
300枚くらいだから6000円相当か?
それがものの数分で出てきて、しかもまだ増えるという。

「天国ループ次第だねー」

アスカはそう言って自分の台に帰っていった。
そこからは天国ループ(当時の俺は超番の恩恵とか知らない)とか上乗せやらで伸ばす。
特になんかあったわけでもないし、稼働内容なんて覚えてないから一気に終了まで飛ばします。
俺の当たりが終わるまでアスカはずっと隣で打ってた。
出ては飲まれ、出ては飲まれでちょっとずつマイナスが増えてる感じだったかな。
印象的だったのはBBは毎回操を選択し、時折楽曲を口ずさんでいたことだ。
当たり前のことだが、アスカは常に奇行をしているわけではなかった。
隣の台の超番を体ごと乗り出して消化するのは十分奇行だが・・・。
けれど毎度毎度レバーに気合をコメロォ!!みたいなのはなく、
いわゆる叩きどころで力が入っていたり、小さく声をあげたりしていた。
今までは俺の見る目のせいで悪目立ちして見えたんだろう、と思う。

28 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:10:41.657 ID:Odf1ZQp/0.net
最終的にその日も俺は大勝。
前回の勝ちも合わせて交換し、所持金は一気に10万くらいになった。
今回は当たり終了後すぐにやめるのではなく、少しだらだら打ってた。
引き戻しとかなんとかより、いっぱい出てしまうとどうしてもまたさっきみたいにならんかな、
といわゆる未練が出てしまうのだ。
そして短い賢者タイムが終わり、メダルを箱に詰めて終了。
店員さんを呼んでジェットカウンターへ。ちなみに俺は今現在でも3箱くらいは自分で運ぶ。
少し嬉しかったのは辞め際にアスカが、
「辞めるんだ。……わたしもやめよっ」
と言ったことだ。
なにそれ、「俺君が帰るならわたしも帰るっ! 一人にしないでっ!」てこと?
「せっかく最後伸びたし、今ならプラスだからねー」
引き際引き際―、と彼女は仰せ。
しってまんがな。
忘れられてるだろうけどここは過疎ホール。
閉店間際とか、週末とか推し日(そんな露骨じゃないけど)でもなければ、
ジェットカウンター(出したコインを数える機械)やカウンターは比較的すいてる。
同じタイミングで辞めたこともあり、俺とアスカはカウンターでもご一緒に。
そこで景品を受け取り、自然な流れで謎の窓口へ二人で向かう。

正直言って俺はこの時アスカを意識していた。
なんでこんなところにいるのかわからないが、見た目はかわいいし、
変人だと思っていた挙動も視点が変われば愛らしく思える。
ここしかない、と俺は思った。

29 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:18:17.814 ID:Odf1ZQp/0.net
俺は声を振り絞った。

「この後、よかったら飯行きませんか? 俺、車出すんで!」

謎の小窓の前で言った。
アスカが先に交換したので、物を受け取ってじゃあねーとならないように、
アスカが出てきた諭吉さんを財布に入れるタイミングで声をかける。

「ええ……」

死にたくなった。
露骨に顔をしかめられたからだ。

「や、あのさあ……。君の方が出してるよね、今日」
「?」

あ、そういうこと。

「もちろん俺のおごりです!」

ついでに車出すとか言ったことに変な不信感持たれたんじゃないかと、
なんなら現地集合でもいいすよ、場所指定してください!とかてんぱりながら言った。

アスカは少し考えるそぶりを見せる。というか多分本当に考えてた。
うーんとか、唸っている姿を横目に俺は景品を謎の小窓に突き出す。
おばちゃんの声が金額を告げ、諭吉が大挙して現れる。
おばちゃんが諭吉を数える中、

「……んんん。よし行こうか」
「まじですか!?」

窓の向こうのおばちゃんがびくっとする。
え、数え間違えた?この辺は俺の想像。
なんか頭の中独り言でいっぱいにしておかないと落ち着かなかったからいろいろ考えてた。

「車出してくれるなら、お酒はなしだよね?」
「もちろん!」

いかがわしい印象を持たれたくなくて酒なしを肯定。
おや、この娘さらっと車出してくれるとか言ったよな?乗るんか?これはもう、いいってことだよな?
刹那で矛盾する思考を抱えながら俺は、なにかとてつもないことを成し遂げた気持ちになった。


行き先はパチンコで勝った場合の謎の定番である焼肉だ。

30 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:18:50.216 ID:Odf1ZQp/0.net
焼肉屋にやってきた俺とアスカ。

すっかりデート気分の俺。

時間も時間なので適当にチェーンの食べ放題へやってきた。

特に店での出来事は語るほどのことはない。というか覚えていない。

俺は努めて冷静にジェントルメンなエスコートをしようとしていっぱいいっぱいだった。

そこでようやく俺はアスカの名前と年齢と職業を聞いた(なんか肉が来るまでに自己紹介タイムみたいな流れになったのだと思う)


「22歳だよー、俺君より年上だからね。ちゃんと敬って」


えっへんみたいに胸をそらしたのが印象的だった。

同時に、まさか目の前の童顔な女が年上だとは今まで思っていなかったので驚きもした。

正直年下だと思っていたが、よくよく考えれば俺がハタチで知り合った場所がパチンコ屋ということは、

同い年か年上の可能性の方が高いわけだ。特に女のこともなればなおさらだ(これは俺の主観。実際どうかはわからない)

31 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:20:11.516 ID:Odf1ZQp/0.net
初対面からずっと敬語で話してたのでそのスタンスは変えず、

けれど俺から歳を聞く気はなかったが、弾みで年齢がわかったらタメ口にしようと思っていた。おもっきり宛が外れる。

アスカは年上のお姉さん、という感じではなかったが、抜けてるようで実際そこそこしっかりしている感じはした。

店に入ってから店員へのやり取りもなぜか率先してしていたし、禁煙喫煙を尋ねられた時も「俺君、吸う?」みたいな感じで確認してきた。

「普段はバイトしてるよ。うん、フリーター。休みの日はスロット打ってることが多いなー」

年上でフリーターの女性、というと実は俺には他に同じような知り合いがいたが、その人とアスカでは印象が違いすぎた。

そんで俺の悪い癖。

ちょっといいな、と思っていた女性(推定で年下)が、実は年上でフリーターでパチンカスだった。

その事実は少し自分を鬱にさせた。アニオタな三流大学生の分際で、アスカのプロフィールにちょっと引いたりしていた。

勝手にこの人と付き合うのはどうなんだろう、とか、今から思えば何様だよ、てぐらい上から目線で彼女候補としてのアスカを選定していた。

言いたくないが俺はモテない。自分から行動しないと女っけなど皆無と言っていい。

だから折角美少女(年上でしかも成人してるけどあえてそう言わせてくれ)とお近づきになったのだ。

仲良くしていて損などあるはずがないだろう。

白状するなら下心満載だった。

32 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:20:26.647 ID:Odf1ZQp/0.net
俺は数少ない女性との会話に使える話題を慎重に選びながら会話を運ぼうとしたが、

結局まともに話せたのはパチスロの話題だけだった。それもアスカから振ってきたのだが。

「俺君さ、あんまり番長慣れてないよね?」

妄想力のたくましい俺にとってなかなか貴重な音声サンプルを入手した瞬間だった。

しかしながら慣れてないって表現はどうだろう。

「あ、はい、前のが初打ちです」
「だよねだよねー」

とここでアスカがくつくつと笑い出した。

なんか思い出し笑いしてる。口元に手を当てて喉をならしていた。

「でもさ、あれ、本気でやめようと思ったの? さすがに無知すぎるよ俺君w」

うわあ、この人笑うとやっぱりすげーかわいい。もっと蔑む様に言ってください。

「だってさ、設定狙いみたいな打ち方してるのに、直撃引いて引き戻しも見ないでやめるってさw

しかも後もうちょっとでゲーム数もかかるのに、うわー、もーだめ、ごめん笑っていい?w」

とっくに笑ってますがな。

俺はどうぞ、と促す。したらアスカは遠慮するのをやめて、あっはははは、みたいに笑いだした。もう漫画みたいに腹抱えて。

「しかもめっちゃ辛気臭い顔してんのw 

この世の終わりかってくらいw

でさでさ、泣きそうになりながらメダル箱に詰めてるし、うわうわ、流石にやめるとかないよね、て思ったら立ち上がるしーw」

俺はこの時人生で初めて面と向かって鼻先を指刺されて笑われた。アスカは笑い人形みたいにけらけら笑っている。

そして俺はその時。

新たな快感の境地を開いたのだ。

話と全然関係ないけど、これがおそらく俺の性癖の目覚めだった。

33 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:23:41.442 ID:ryTPrqi1M.net
書き方も話もおもしろい
仕事終わりまで落ちないでくれ

34 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:26:58.997 ID:lSeJALj00.net
早く投下しろよ

35 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:27:21.945 ID:t3vuN0VYr.net
パチンカスはやはり脳が壊れてるなぁ

36 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:28:23.127 ID:pTZyFsz30.net
セックスまだ?

37 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:29:37.247 ID:Odf1ZQp/0.net
>>33
俺も職場から書き込んでますw
とりあえず書き溜めてる分は全部吐き出します。

38 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:30:00.927 ID:Odf1ZQp/0.net
>>34
すいません、急ぎます!!

39 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:30:30.987 ID:Odf1ZQp/0.net
>>35
もっと角度をつけた罵倒で頼む

40 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:30:55.223 ID:Odf1ZQp/0.net
>>36
あるけど、ないよ?

41 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:31:46.909 ID:SDWcJkIDM.net
セックスのとこだけでいいから早く

42 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:33:06.647 ID:Odf1ZQp/0.net
アスカはその日の俺の道化振りがツボに入ったらしくその後も何度か思い出してはくつくつ笑っていた。
エムとして半覚醒状態になっていた俺だが、ここで主導権を握られるのはまずい、と直感して軽く切り返す。

「あ、そんなに俺のこと見てたんすか?w
もしかしてちょっと気にしてたりします?w」

言って、けっこうどきどきしてた。
何せ自分が好意を持っている相手に探りを入れているのだ(彼女候補としては保留中)

「そりゃあ気になるよー」
「!?」

なん……だと……?

「あの台は結構いい挙動してたしね。あんまり一気に伸びてなかったし、展開に恵まれてない風だったけど。
わたしも移動しようかなー、て思ったけど自分のが当たってたしねー」

いつから異性として気にしていたと錯覚していた?

「しかもさ、俺君が辞めようとした途端、後ろ張り付かれてたよ?
あれ多分打ち子だよね。わたしああいうの、がっついてるみたいで嫌いなんだ」

打ち子、とはスロットの勝ち額で生活をしている所謂プロが雇ってる人間だ。
俺みたいに無知な人間がいい台をやめるとすぐさま確保し、打つか雇い主に献上するかが主な仕事で生きがい。
しかしあんな過疎ホールにプロの軍団とかいるのか?

「どうせだったら君が打つ方がいいからさ。慌てて引き留めたんだよ?」
「それって俺と並び打ちしたかったってことですか?w」
「だってあのまま返したら俺君自殺でもしそうだったもんw」

彼女は精一杯の憐れみを俺にくれた。駄目だこれ、全然男として見られてない。

ふと俺は思い出す。

俺がアスカを気にし始めたきっかけであるあの事件。
あの出来事をアスカはどれくらい気に留めているんだろうか。

ここではもちろんそんなことは聞けず、
後に知ったがアスカは全くそんなこと覚えていなかった。そりゃそうか。

「わたし思ったこと直ぐ口に出すからさー、たぶんその時はそう思ったんだろうね。
……うん。そりゃあスロット打ちながら泣いてる人いたらキモイよ」

それを聞いたとき。
俺は悲しみと快楽の二律背反に支配された。

43 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:33:54.168 ID:Odf1ZQp/0.net
>>41
おk
めっちゃ鬱だからパンツ履いててな

44 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:34:14.286 ID:Odf1ZQp/0.net
焼肉はそんな感じでつつがなく終了。
収穫は、アスカの連絡先(ラインを交換した)と、そしてなんと住所。
もちろん、解散した後アスカをストーキングしたとかそんなではない。俺が紳士的に彼女を自宅まで送り届けたのだ。
てっきり自転車かなんかで店に来ていると思っていたがどうやらバスらしい。バス通いでパチンコ屋て・・・。
車の中で聞いたが俺が飯に誘ったとき少し考えていたのはどうやって帰ろう、みたいなことらしかった。

少し残念だったのは、どこまで行っても彼女にとって俺はパチンコ屋で知り合った他人、という認識で、
全然異性として見られてやしなかったこと。
家(学生が下宿してそうなアパート)の前で下した時も、ありがとー、と言ってぱたぱた走り去っていって、
こうなんというか、ちょっとくらいこっちを振り向いて余韻に浸るとか、その時目が合って頬が赤くなったりとか、

一切なかった。

だからその手の話は全くしなかったし、次回以降のデートの約束なんてできやしない。
当然、彼氏の有無も確認できなかった。
まあなんだ。こんな時間まで二人で食事なんてでかけるくらいだ。きっと彼氏なんていないだろう。
ちょっと迫ればいい感じになれるかもしれない。俺はどこまでも楽観的で下種だった。

だから気づくはずもないのだ。

俺の楽観的な思い込みが、大きな間違いであるなんてことに。

45 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:35:12.611 ID:Odf1ZQp/0.net
それからのこと。

俺は数日経ってアスカにメッセージを送った。
本当は翌日、というか別れた後にでもやりとりを始めたかったのだが、
心のどこかでアスカから「今日はありがとー!すっごく楽しかったから、今度またどこか遊びに行かない?」、
なんてメッセージが来るのを期待していたのだ。
帰宅から一時間。アスカからの連絡はない。
俺のモテない男たるゆえん発動。こっちからメッセージを送る。既読つかない。返事来ない。
そして一時間後。なんか「寝ました?」みたいなメッセージを追撃しようとか考えているとついに俺のスマホがバイブレーション。
SMSの通知とかそんなありきたりなオチは用意していない。
送り主には「アスカ」の文字!!!!

『お風呂入ってたーごめん。おやすみー』

こんな感じで終了。
俺は俺で、あ、はい、おやすみなさい。みたいな感じのことを返事した。翌朝確認すると既読の文字。あー、あー、あー・・・・・・。

ちなみにこの『お風呂』という文字にはお世話になった。ふぅ・・・

46 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:35:35.538 ID:Odf1ZQp/0.net
そんなことがあったから直ぐに次のメッセージを送れなかったのだ。
まあ、パチンコ屋にいけば高確率で会えるわけだが。
流石に俺も授業とバイトがある。そんなもんすっぽかしてしまえ、と言われればそうなんだが、
なんとなくそんな感じの現実に打ちひしがれてアポなしで顔を合わせることに気後れしていた。

俺は大学の講義中にあーでもない、こーでもない、みたいな感じで文章をひねり出し、
比較的ナチュラルに、かつ紳士的に、そしてエキセントリックにそこはかとなく思いを伝える感じでメッセージを送信した。

『今度いつ打ちに行きます?』
許してくれこれが俺の精一杯だ。原文そのままである。

思い出すと痛かったが、女性とやりとしてることを友達にそれとなく知られたくて、
メッセージの通知に相手が気付くようにスマホは机に放りだしていた。

「え、なになに俺、アスカって誰だよーw」
「ちょwおまww勝手に人の携帯みんなよ」
「えー、俺君彼女ー? どの学部の子ー?」
「だからおまえらwww女とラインしてるだけだろ?w
あんま騒ぐなってwwwまあ、こないだ知り合って、飯食って家まで送った子?」
「fuu!!!! 俺ちゃんやるぅ! さっすが俺、俺たちにできないことを平然とやってのける」
「そこにしびれる憧れるぅーw」

「やめろっておまえら……」

「俺もうそういうの、卒業したから」


こんなやり取りがしたかった。
返信があったのは帰宅してバイトの準備してる時だった。死にたい。

『バイト休みの日(*^-^*)』

うん。それがいつだか教えてもらっていいかな?

『そうなんですね! 何曜日ですか??』
見よ、聞き方を変え、さらに選択肢を与えることでがつがつした印象を消し去る高等テクニックを!!!!

『手帳見ないとわからない』
見ろや。

『見てください(*^^)v』


『めんどい』


ん? スマホ壊れたかな?

『 め ん ど い 』

おーけー死のう。

47 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:35:57.870 ID:Odf1ZQp/0.net
アスカは結構口が悪い。
いや、本音が出やすいというか正直というかなんというか。
そりゃあ初対面で「キモッ」とか言われた身である。まあ、だから知ってたといえば知ってた。
本人の名誉のために言うが、口が悪いといっても誹謗中傷が酷いというわけではない。
こう、なんというか言葉を選ばない感じだ。
女子特有の「察してよ」みたいな感じがないのだ。

例文:ごめんっ、寝てた! じゃあ今日また学校でね☆
訳 :いや、変な時間にメールしてくんなよ。めんどいから言いたいことあったら学校で言えや。
   あーでも空気読んでみんなの前では話しかけんなよ?

こういうのがない。
ただ前述の「めんどい」とか「だるい」とか、そういう発言は多かった気がする。
けれど「死ね」とかその類の罵倒はなくて、なんか変にモラルがあるというか、口が悪いてのと矛盾するけど育ちがいい感じがした。

あ、それとさおまえら。

すまんな、さっきの話の続きな?

『めんどい』

になんて返事しようか俺が五時間くらい悩んでいたら、

『木曜日休みだったよ!!(^^)!』

て返事来たわ。

いやー、リア充ですまん。


俺は木曜提出のレポートを音速で書き上げ、山下に提出を頼んだ。
これで完璧だ☆

48 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:36:18.229 ID:Odf1ZQp/0.net
さて。

そんなこんなでアスカとプライベートなやり取りをし、
ホールでもちょくちょく顔を合わせては一言二言会話をしていく内、
俺は本格的にアスカのことが好きになっていた。
ただデートに誘う勇気がわかなくて、前回のように勝ったから奢るスタイルで誘おうとして、
その結果俺はパチスロの勝ち方を覚えたのだが、それは本編と関係ないんで割愛する。
とにかく勝つために躍起になった。
ゾーン狙いやら天井狙いやらその他もろもろ。幸いスマホとかいう便利なツールがある時代だ。
物事を調べるならグーグル先生に尋ねればいい。
アスカは相変わらず番長ばっかり打ってたので、たまに並び打ちしたりした。
その頃にはゲーム数解除やモード移行のこともそれなりに知識として持ち合わせていたので、
正直番長を打つ、という行為自体は気が進まないことが多かった。
でもアスカの隣なら・・と、新成人だった俺はキャバクラに通うおっさんの気持ちを理解したのだ。
大人の階段上っちゃったぜ。
しかし俺の思惑はそう上手くはいかず、
やってみればわかるけど、スロットで勝つとなると、矛盾してるみたいだけど打ってない時間が長くなる。
これは本当にうまい人に言わせれば違うのかもしれないけど俺の場合そうだったし、正直マナー違反でさえあるかもしれない。
で、打たない時間が長くなるとどうなるかっていうと、これもまた矛盾するみたいだけど帰るタイミングがなかなか思い通りにいかない。
なので多少の勝ちが出てもアスカとタイミングが合わなかったりとかで、
なんかもう、スロットで勝つことが目的なのかアスカを誘うことが目的なのかわからなくなってきた。

そこでだ。

俺は秘密兵器を投入することにした。

困ったときのヒューマンコンサルタント、アニさんの登場である。

49 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:36:55.998 ID:7gAGLzt+M.net
客観視できてない悲しき童貞か

50 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:37:23.337 ID:Odf1ZQp/0.net
さて。

そんなこんなでアスカとプライベートなやり取りをし、
ホールでもちょくちょく顔を合わせては一言二言会話をしていく内、
俺は本格的にアスカのことが好きになっていた。
ただデートに誘う勇気がわかなくて、前回のように勝ったから奢るスタイルで誘おうとして、
その結果俺はパチスロの勝ち方を覚えたのだが、それは本編と関係ないんで割愛する。
とにかく勝つために躍起になった。
ゾーン狙いやら天井狙いやらその他もろもろ。幸いスマホとかいう便利なツールがある時代だ。
物事を調べるならグーグル先生に尋ねればいい。
アスカは相変わらず番長ばっかり打ってたので、たまに並び打ちしたりした。
その頃にはゲーム数解除やモード移行のこともそれなりに知識として持ち合わせていたので、
正直番長を打つ、という行為自体は気が進まないことが多かった。
でもアスカの隣なら・・と、新成人だった俺はキャバクラに通うおっさんの気持ちを理解したのだ。
大人の階段上っちゃったぜ。
しかし俺の思惑はそう上手くはいかず、
やってみればわかるけど、スロットで勝つとなると、矛盾してるみたいだけど打ってない時間が長くなる。
これは本当にうまい人に言わせれば違うのかもしれないけど俺の場合そうだったし、正直マナー違反でさえあるかもしれない。
で、打たない時間が長くなるとどうなるかっていうと、これもまた矛盾するみたいだけど帰るタイミングがなかなか思い通りにいかない。
なので多少の勝ちが出てもアスカとタイミングが合わなかったりとかで、
なんかもう、スロットで勝つことが目的なのかアスカを誘うことが目的なのかわからなくなってきた。

51 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:37:57.352 ID:1s0yamZIa.net
発達だろ

52 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:38:05.688 ID:Odf1ZQp/0.net
アニさんは5つ年上の大学の先輩だ。
俺が2回生に上がるタイミングで卒業した。年齢でわかると思うが2年留年している。
名前は仮称だけど、元ネタは進撃の巨人のアニ。
単純に見た目があんな感じの女性で、イメージするなら、アニがベルトルトの伸長を獲得したらこんな感じといった具合。
想像できなかったらぐぐってくれ。

知り合ったきっかけはアニさんがゼミのTAに来ていたことだ。
アニさんは見た目DQNだし、TAとか柄じゃないのは明らかだが、なにやら卒業の絡みで渋々TAを引き受けたらしい。
今は卒業して自由人をしている。
働いているのかどうか怪しい。しかし生計は成り立っている。お金とかどうしてるんですか? て聞いたら、
「身体売ってる」て即答しそう。まあ、アニさんはそんな人。

そしてこの人は校内外を問わず凄い顔が広い。
一度ひょんなことからアニさんの携帯の着信に出たことがあるが、聞いたことない言葉喋ってる人がかけてきていた。

アニさんは在校生の一部ではカリスマみたいな扱いになっていて、よく人の相談に乗っている兄貴肌な人だった。

俺はいろいろあってアニさんとそれなりに仲が良く、嘘みたいだがアニさんの自宅に何度か出入りしたこともある。

53 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:38:52.418 ID:Odf1ZQp/0.net
前置き長くなったけど本題。

俺はアスカとの仲を進展させたくてアニさんにラインした。

『アニさん、相談いいですか?』

返事は半日後くらいの夜中。俺が珍しくバイト夜勤のときだった。

『発情期?』

まて、その発想はおかしい。

『違いますよ汗
ちょっとお話したいことがあるんです』

『回りくどいのとかうざいから、本題から言えよ』

この人はこの人で口が悪い。

俺は気になる女性がいてその人といい感じになりたいという旨のメッセージを送った。
するとアニさんはわかった。話聞いてやるから家こい、とのこと。
夜勤であることを伝えたところ、じゃあ次の日の夕方でどうだ、とのこと。
奇しくもその日はアスカがホールに現れる日(俺がアスカにラインを送るとき、だいたいその話題)、
しかし背に腹は代えられん。
俺は断腸の思いで了承し、バイトが終わって一眠りしてからアニさん宅を訪問した。

54 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:40:18.865 ID:ViGz/Noqr.net
こいつぁやべースレ開いちまったか

55 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:40:43.146 ID:Odf1ZQp/0.net
「ゴム買ってきた?」

すまん、本当に言われたんだこれ。
ピンポン鳴らして扉開いたと思ったら開口一番だ

俺あたふた。手にはコンビニの袋を持ってたけど、これは差入れというかお土産で、適当にお菓子とか飲み物かってきたものだ。
それを指して冗談を言っているんだと思い、首をふるふる。
アニさんは舌打ち。何故だ。

「あー……あったかなー、あった気がするけどどうだろなー」

みたいなことを言いながら玄関から部屋に戻ってく。
俺も後ろついてく。
アニさんは自分のバックやらベッド周辺やらをごそごそ。
ちなみにアニさんの服装は黒いタンクトップとスウェット。おもっきり部屋着。
前かがみになったらタンクトップがめくれてパンツ見えてた。

「まあいいや、めんどくせ。おい俺、うまくやれよー」
「いや、なんの話すか」
「なにて、ナニだろ。したいんだろ?」

この人の思考回路がわからない。

56 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:41:30.827 ID:Odf1ZQp/0.net
「だってさ、女落としたいて、おまえ無理だろ。鏡見ろよ。変な夢見る前に性欲満たしてやれば諦めつくだろ」
「すいません、アニさん、この部屋首吊り用のロープとかないですか?」

年上に罵倒されるという意味では同じでも、アスカのそれとはまったく異なっていた。アニさんのそれは非常に心をえぐる。

「ラインのやりとりスクショしてきたけど、どう見ても脈なしだろ。おまえ遊ばれてんだよ。忘れろ童貞」
「どどど、童貞ちゃうわ!」
「あー、あたしが喰ったんだっけ?」
「……」

アニさん絡みの話はどうしても創作臭くなるが、これはマジである。
俺が初めてアニさんに相談事をしたのは大学に入って間もなくできた彼女のことで、
当時経験のなかった俺はそれを気にしてアニさんに相談したのだ。
じゃあとりあえず恥かかないように教えてやるよ、みたいな感じでそのままアニさんと寝た。これなんてエロゲ?

57 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:42:05.557 ID:Odf1ZQp/0.net
「あんときは酒飲んでたしあんま覚えてないんだわ」
「はじめてだったのに……ヒドイッ!」
「あほか。酒でも入ってないとおまえとなんかできるか」

なんでこの人、言葉の暴力で俺を殴殺しようとしてるの?

「まあいいや」

よかねーよ。

「とりあえずな、俺。その女はやめとけ」
「なんでですか?」
「どう考えても地雷だろ、そいつは」
「……」
「いいか? 22てことは大学出たてだろ? そんで趣味がパチスロのフリーターて、やべーやつじゃん」

あんたが言うなよ。

「おまえさ、目に見えてる地雷が転がってるところ、匍匐前進で進むつもりか?」

しかも、とアニさんは続ける。

「性格もやべー。おまえの話しか聞いてないけど、おまえ曰くその女は天然なわけだろ?」

確かに天然といえば天然かもしれない。

「あのな。女の天然てのは3種類だ。ただのアホか、計算高いアホか、メンヘラ。
ただのアホなら救われるわな。ただのアホだから、22でフリーターで趣味がパチスロでおまえなんかとラインしちゃってる、
頭が残念な女でしかないから誰も傷つかない」

俺は今ものすごく傷ついてますよ?

「けどさ、世の中ほんまもんのアホてのは意外といない。特に女はな。曲がりなりにも一人で生きてんならそれなりに計算はできる。
だからその女も計算高いアホか、メンヘラの可能性が高い。
前者だとして、じゃあどんな計算でおまえとつるんでるんだ? メリットねーだろ。まあ、デメリットもねーのかもしれないけど。
ただまあ、無駄なわけだ。女てのはな、ロマンチックでない無駄は嫌うんだよ。だからそいつが計算高いアホの可能性は却下。
だったらもうそいつはメンヘラな訳だろ? おまえさ、その女とかかわった挙句に腹割かれて死ぬのは嫌だろ?」

いや、その理屈はおかしい。なんでナイスボートエンドなんだよ。

「はあ……。ま、あたし個人の意見だからいいけどさ。けど実際、その女とは進展ないんだろ?」
「いや、だからアニさんに相談してるんじゃないですか……」
「あたしはドラえもんか」

なんだそのつっこみ。確かにアニさんは胸がない。寸胴という意味ではスタイルのいいドラえもんだ。
おっと誰か来たようだ、はいはい今開けますよ……ぎゃああああああああああ。

58 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:42:55.464 ID:Odf1ZQp/0.net
>>54
ふふ・・・変化球も嫌いじゃないですよ?
出来れば物理でいじめてほしいんですが・・・?

59 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:43:13.663 ID:Odf1ZQp/0.net
結局、アニさんからは有益な意見を得られなかった。

「っせーな、あたしにグダグダ相談してる暇あったらドライブでもなんでも適当に誘えやああ!!」

アニさんがこんな感じでキレて相談会終了。
こんな人だけど頼りになる人なんだマジで。だから俺は落胆した。
頼みの綱のアニさんがこれでは、俺はどうすればいいんだ。

そして帰り際。

「おい」

玄関で呼び止められる。

「なんすか?」

もういいよあんた。俺帰ってげんなりしてるマイサンを慰めないといけないんだよ。

「ケータイ、鳴ってる」
「はあ? や、鳴ってないすよ」
「鳴ってた」
「なんで過去形なんすか」
「あたしがさっき鳴らした」
「はい?」
「まー、なんだ。いい案があったからラインで送ってやったんだよ。見てみな」
「! ……え? 通知ないすけど」
「ほんとか? ちょっと開いてみろ」

俺、携帯のロック解除。ほら見ろラインなんてーースマホひょい。
俺唖然、あまりの早業にリアクションが追い付かない。
アニさんは「あー、こいつかー」とか言いながらなんか操作してる。

「ちょっとなにしてんすか!?」
「ん? ほれ」

向けられたスマホの液晶にはアスカに送信済みの「ドライブ行きましょう。いつがいいですか?」のメッセージ。
待てこらおいおいおいおいおいおい。

「いや、なにこれ、どういうこと!?」
「『ドライブ行きませんか?』だとかわされる可能性が高いだろ? こういう時は断定した方がいいんだよ」
「そういう意味じゃなくて!」
「あー、人助けしたら疲れたわー、あたし夜に予定あるから寝るわ。おまえもう帰れ。じゃな」

スマホを押し付けられてその勢いで外へ追い出される。靴は、アニさんが蹴飛ばしてきた。

ちょっと待てよおい、どうすんだよこれ。
とにかくこの後のことをシュミレーションしないと……
ばたんと扉が閉まると同時に、こんな時に限って俺のメッセージには、

『既読』

の文字が。

アニさああああああああああん!!!!!!!!!!

俺は閉ざされたドアの向こうに新しい何かを求めて全力でノックした。

60 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:43:32.937 ID:Odf1ZQp/0.net
『なんで?』

これがアスカの返事である。
なんで、て言われても。

『あなたのことが好きだからです。もう、パチンコ屋だけでは我慢できません。
僕のレバーも……オンしてくれませんか?』

言えるわけねえよ。

どうすればいい?
アニさんは電話しても出ないし、部屋の前でばたばたしてたら隣の人が不審者を見る目を向けてきたし。
自分で解決しないとだめなの? これ。
いやマジで誰か助けて。
この当時安価とか知ってたら投稿してたかもしれない。
いや待て、焦る必要ないじゃないか。
素直に話せばいいじゃない。

『アスカさんのこと、知り合いに話したらなんか悪ふざけでライン送られて……。ごめん、迷惑だった?』

結構勇気を出して送った。
どうよこれ、完璧だろ?
下心は隠しつつ、けどワンチャンあるんじゃないか? という可能性を残すこの文章!!!
そしてさり気なく敬語を忘れて二人の距離を縮める。イッツパーフェクト。今日から俺を魔術師と呼べ。

『あ、そか。わかった!(*^^)v』

会話終了。

61 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:43:47.707 ID:Odf1ZQp/0.net
次に俺が行動を起こすのにはやはり時間が必要だった。
流石の俺もこれはもうアスカに脈がないことを悟り、
でもなんかこう諦められず、会えない時間が愛を育てるとはこのことだろうかとか思ったりした。
同時に『恋とは一人でするもの、愛は二人で作り上げるもの』みたいな言葉も思い出した。
二人で愛、作れてるのかな? ねーだろ。
どうしようもない自己嫌悪の中、多分、一週間くらい空いただろうか、俺は再びアスカにメッセージを送信。
相変わらず、情けないがいつもの文面だ。
ややあって。

『明日』

やけに短い短い返事。
俺はもうこないだのことで下心を見抜かれて距離を置かれているのだろうと察した。
アスカだって女だ。
自分で回りくどいことをしない人、と言っておきながらあれだが、これはもう完全に、
「あんたをそういう目でみることはないから。傷つかないようにもう諦めて?」的な奴だろう。
明日、という返事に「わかりました」とだけ返し、結局返事はなかった。
次の日、俺は気怠さで講義をさぼった。
家でゴロゴロして、しかしパチンコ屋に行くこともない。
夕方くらいまでずっとスマホゲーをしていたが飽きて携帯を放り出した。
もう寝よう。バイトは休みだしすることもないし。
どれくらい時間が経ったかわからない。ほんの少しだった気もするしそうでない気もする。
まどろむ俺の耳元でスマホが短くバイブした。

『ごめん、今日いけない』

アスカだった。

62 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:44:23.851 ID:Odf1ZQp/0.net
見てる人いたらすいません、
ちょっと電話入ったんで少し離れます!!

63 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:45:34.651 ID:Odf1ZQp/0.net
>>49
見落としてた。
これは名誉のために弁解する!!
どどど、童貞ちゃうわ!!

ほんとに離れますすいません

64 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:46:19.766 ID:7GarnF1EM.net
変なやつにストーカーされて可哀想だな、アスカ

65 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:52:11.832 ID:1s0yamZIa.net
喉の奥からこみ上げるものを感じながら、
『どうして?』
と送った。もしかして病気になったのか?それはそれで心配だが、まだいい。
脈がないだけじゃない、アスカに嫌われたか?

だが、すぐにその答えが出た。
『彼女とエッチする(*^^)v』

・・・彼女?
レズ?
頭が真っ白になるのと同時に、何故か下半身に血液が集まる。
俺も混ぜてください、という一言はさすがに送れない。

そんなことを考えながら家を出ると、アニさんが現れた。

66 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:55:20.846 ID:f+mklGn7a.net
おもろいよ、すき。
アニさんともヤッて。

67 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 11:56:47.768 ID:7GarnF1EM.net
はよ

68 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:04:36.865 ID:Odf1ZQp/0.net
>>65
マジか。
俺3Pとか未経験だから、是非その展開に期待したい。
けどアニさんにはもうたたないわw

69 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:05:22.849 ID:Odf1ZQp/0.net
>>64
ほんまそれな

70 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:05:48.247 ID:Odf1ZQp/0.net
>>66
すまん、アニさんとはやらないw

71 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:06:20.200 ID:Odf1ZQp/0.net
本格的に終わりを感じた。
俺は始まってもいない恋が終わったことを実感して胸の中がどろどろになっていくのを実感する。
こう、悲しいやら情けないやら、叫びだしたくなるのにそうしようとしたら泣きそうになる感じだ。
うんまあ、鬱だよね。
もう画面を見るのも嫌だったが、そこはモテない俺、未練たらたらに、

『あー、バイト? なんか予定できた?』

みたいなメッセージを送った。
明らかに詮索してるくせに、俺全然気にしてないよ、て感じで余裕を見せたかった。
するとすぐに返事はきた。

『ごめん』

意味わかんねえよ。
ここまでくると矛先のわからない理不尽な怒りが沸いてくる。
それを向ける先は決まっている、アスカだ。

俺は初めて、

ア ス カ に 電 話 し た 。

72 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:07:02.305 ID:Odf1ZQp/0.net
>>67
ただいま!

73 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:07:43.264 ID:Odf1ZQp/0.net
コール音が数秒。
冷静になっていく頭。
襲ってくる後悔。
電話してどうすんの?
遠回しに振られてる相手に告白でもするつもりか?
どうせそんな度胸もないくせして、勝手に空回って電話して、なにがしたんだよ。
あー、もういいや切ろう。切ってアスカのアカウントは削除しよう。もうあの店にもいかない。

『……もしもし?』

なのに、自暴自棄になっていた俺を一瞬で冷静にさせるような、アスカの声が応答した。

『……ごほごほ』

咳払い、だったと思う。
アスカの声は明らかに普段の元気がなくて……というか、もしかして風邪?

「あ、すいません、なんか様子変だと思って。風邪ですか?」

すらすら嘘が出てくる自分が嫌だった。

『んー……たぶん。なんかガッツでない。今日はうちで寝てるんだー……』

それはいけない。僕のビックマグナムで点滴を……

『どうしたの、俺君。……あは、なんか久しぶりだね。最近どうしてたの?』
「や、なんか忙しくて。さみしかったすか?」
『あはは。なにそれ』

嘘でも肯定してくれるとテンション上がるんだけどな・・・。

『とにかく今日はごめんね。もう家から出るとか無理って状態なんだ。熱測るから切るよ?』

なんか切ろうとする理由が妙に斬新だった。

「ちょっと待ってください」
『?』

反射的に引き留める。相手体調崩してんのにそういうところが経験不足というかがっついてるというか。
情けなかったけど自己嫌悪に陥るのは後だ。
ここで一歩踏み出さないと本当に終わってしまう。

勝手に一人で始めた恋で、
勝手に一人で終わらせようとしていた恋だけど。

まだ終わってないのなら、みっともなくてもしがみついていたい。

全部想像通りで、アスカは俺のことなんて全く興味なくて、うざくて、それで遠ざけようとしてるんだとしても、
俺はまだ自分の気持ちをちゃんと形にしてない。

74 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:08:09.140 ID:Odf1ZQp/0.net
だから。

「今から家行きます」
『……』
「すぐ行くんで待っててください。しんどいかもしれないけど寝ないでください」
『え……、ええ……?』
「途中でなんか、おかゆみたいなの買ってきます。家出られないなら食べるもんないでしょ?」

貧乏学生の俺の尺度だった。

とにかく。

ここで動き出さないと、本当に終わってしまう。
始まる前に終わってしまう。
好きだって気持ちが免罪符になるなら、もうどうにでもなれだ。

「車出すんで、じゃあ!」
『ちょ、待って俺くn――』

切った。
もう一方的に電話切った。

玉砕することになるだろう。
きっとこんな最悪な形での告白は実らないだろう。
だけどちゃんと終わらせられるなら、それでいい。

たぶん、俺の人生最大の暴走だったと思う。

75 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:09:01.458 ID:Odf1ZQp/0.net
――ゴム買ってきた?

途中コンビニに入って、俺はアニさんの言葉を思い出した。
生娘のように顔が赤くなる。鏡なんてみてないけど解る。うわ、ピュアボーイかよ。一応これでも非童貞だ。
一人でぶつぶつ言いながら俺はなにか食材になるものを探す。
おかゆて言っちゃったし……米……は、これでいいかサトウのごはん。で、ネギと、卵。塩と梅干とか……いや、塩はあるか。
こんなことをうわ言みたいに繰り返した。

そして俺は思い至る。

アスカ、もしかして生理じゃないの?
あー……だったらどうしよう、俺。
これで押しかけて、マジで最悪じゃん。声すっげーしんどそうだったしさ。
なにもかもが後になってからいろいろと思考が追い付いてくる。
ここで頓挫して帰宅する言い訳も何通りも思いついた。
けど、さすがにここで引き返すほど俺はへたれではない。本当はそうかもしれないがこの時ばかりは気持ちを振り絞った。

よし、行こう。

行ってちゃんと気持ちを伝えよう。

何故か告白を前提にして行動する俺だった。

76 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:09:29.709 ID:Odf1ZQp/0.net
補足だが。

家でアスカとの通話を切った後、一方的に切ったにもかかわらずアスカから連絡はない。
これは暗に来てもいいよ、ということなのか、それともそれすら出来ない体調なのか。

コンビニでの買い物を終え、少し運転。到着。近くでコインパーキングを探して駐車。
歩いて5分もかからないくらいの距離にアスカのアパートはあるが、
道のりはやけに遠く感じた。

で、思い出す。

俺、アスカの部屋知らねーわ。

電話をかける。

出ない。

おいおい。

メッセージを送る。

『つきました。今、出てこれますか?』

アニさんに見せたらぶっとばされそうな文面だ。疑問形禁止。

もしかしたらこのまま返事がないかもしれない。いや、これもうすでにブロックとかされてる?

ネガティブな想像がめくるめく中、突如震えるスマホ。しかも、アスカから電話だ。

「あ、もしもし……?」
『俺くーん……どこー……?』

アスカの普段の元気を七割引きにした声が端末越しに聞こえる。

『あー、いた。……ほらここー、ここー』

オートロックの二十扉。ガラス張りの奥。アスカを発見。

『入ってきてー』
「いや、オートロックでしょ? 開けてもらえないと入れないすよw」
『あー、そかそかw』

どうやら本気で言ってたらしい。
アスカに施錠を解除してもらい、中へ入る。
なんかいろいろぐだぐだになったけどそこは割愛。

77 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:09:50.063 ID:Odf1ZQp/0.net
アスカの服装は、パジャマ。

それはもうパジャマだ。

ひまわりみたいな色と柄のパジャマで、なんというかすごく無防備。
アニさんの部屋着姿とパンツではマックスにならなかった俺の相棒も、
アスカのそんな姿には迸る熱いパトスを抑えきれなかった。・・・ふぅ。

普段はパーカーで意識してなかったけど、アスカは体格の割に胸がでかい。
その存在はパジャマのぼたんを窮屈そうに押し上げていて、ちょっと無理な体制をとろうものなら、
遠慮なしにはじけ飛んでしまいそうだった。見てはいけないと思いつつも、俺はその豊かなふくらみにくぎ付けになる。
よくよく考えると、パジャマなんだから下着はつけていないんじゃないか? などと考えると、
双丘の頂点がわずかに尖って見えて・・・

「……えっち。きもい」

!?

初対面の再現かと思った。
アスカの冷ややかな視線。そして蔑むような眼。うっ・・・ふぅ。

言い忘れたが現状。

アスカとともに部屋に入り、ベッドに倒れこんだアスカに布団を被せていたところだ。
首元までふとんを持って行ったところで俺の眼球は扇情的な女性の肉体に魅了され、先の回想に至る。
この至近距離なのでばれたらしい。

「……すいません」
「あんまり近くに寄らないで。わたし寝るからー……」

拒絶というより、当たり前の恥じらいというか少し冗談交じりな気がした。
まあ、男部屋に上げて寝るっていうくらいだから、拒絶も何もないんだが。

アスカは本当に寝てしまった。

俺はアスカが目覚めた時ように買ってきた材料でおかゆでも作ろうかと思うが、
勝手にキッチンを使うのはどうだろう。冷蔵庫開けることになるかもしれないし、
食器類も触らないといけない。
目が覚めてから許可とってした方がいいんじゃないか?
そんな考えが俺を尻込みさせた。
アスカが静かな寝息を立て始める。起きるのはいつ頃だろう。

意中の女性と、部屋で、二人っきり。

とりあえず俺はトイレを借りた。

神に誓う。

アスカ本人には指一本触れていない。

78 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:10:12.961 ID:Odf1ZQp/0.net
アスカの部屋は、まあ、女の子の部屋? て感じではなかった。
片付いている、というよりは物が少なくてさっぱりしてる。
ベッドと透明なアクリルのテーブル。小さい本棚とその上にテレビ。CDラック。
リフォームの匠が機能的に改造して片づけました、みたいな感じだ。こう、必要最低限のものが所定の位置にある、という感じ。
壁に立てかけてあるギターが少し気になった。アスカて趣味でギターとかやるのか? 軽音とかやってても違和感ないけど。
おもむろにCDラックに近づき一枚手に取ってみる。アスカとの会話のネタにでもなればいいと、どんなアーティストのものかと興味があった。
初めに手に取ったのは無地のCD。100均とかで売ってるCD-Rて感じだ。vol1と書いてある。気になって隣、その隣も見たが案の定vol2、vol3、vol4と続いた。
ヒント。立てかけのギター。
もしかして自分で演奏した曲か?
気になるが真偽はこのCDの中にしかない。
少し部屋を見渡したが、コンポとかは見当たらない。となるとPC……だが、さすがに勝手に起動するのはどうだろう。

お?

無地オリジナルCDに紛れて、押忍!番長のサントラがある。あー、好きだもんね、アスカ。
なんとなく笑いが出た。少しアスカを知れた気になった。そりゃあ勝手に部屋探索したらね。うわ、マジモンのストーカーみたいじゃん俺。

洒落になんねえ・・・。

それからしばらく携帯弄ったりとで時間をつぶしているとアスカが目を覚ました。

「んあー……」

本当に言うから驚きだよ。
アスカは顔をこちらに向ける。

「え……? なに、なんで……?」
「?」
「なんで家いるの!?」

軽くパニックを起こしたアスカを宥める。少し元気になってたみたいだ。
とりあえずここまでのやりとりを説明する。ラインのやり取りとかも見せて。
するとアスカはあー、とか、うー、とか言いながらそういえばそうだったな、みたいに納得した。
いや、理解したって感じで納得はしてなかったかもしれない。

「あっ!」

がば、と目の前に透明人間がいて、そいつを抱き締めるみたいな動作をアスカが見せる。

「……ちょっと、出てて。着替えたい」

赤面したアスカという世にも奇妙なものをもっと網膜に焼き付けておきたかったが、
俺は背中を押されてトイレに監禁される。

「わたしがいいって言うまで出てくんなよっ!」

乱暴に言われ俺は素直に従う。
おっといけない鍵を閉めなくては。

なぜかって?
万が一アスカが外から開けてきたら大変なことになるだろう常考?

79 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:10:32.403 ID:Odf1ZQp/0.net
さて、お互いにひと段落ついて、
まあ、いろいろ話した。
先に言っとくが俺はこの日告白はしていない。
出来なかった。

アスカは自宅で電話した時に比べれば元気になっていたように思う。
俺が飯用に材料を買ってきたことを言うと、じゃあ、作るねー、と一人で始めてしまった。

「なんじゃこりゃー! これ、おかゆぐらいしか作れないじゃん!」

だからおかゆ作るつったろ。病人は黙りなさい。そして手伝わせろ。新婚みたいにさせろ。

「わたしは病人だけど、俺君は健常者でしょ?」

健常者て。
こっちのことを気にしてくれたのがうれしかった。
ちなみに手伝うという俺の進言は、お客さんは座ってなさい、というアスカの一言で却下された。

待ってる間退屈だったので、アスカにPCを貸してくれと頼んだ。
二つ返事でいいよーとのことだったので少し複雑な感じがしたが、
念のため、例のCDを再生していいか聞いた。

「……ん。……いいよ。イヤホンしてね」

さっきのやり取りがあっただけに少し歯切れの悪さが気になった。

CDの中身は予想通りオリジナル?の曲だった。
なんかこう、市販品とは違って自分たちで録ったものをCDに書き込んだ、て感じの音だ。
予想と違ったのはボーカルが男だったこと。
俺はてっきりアスカが歌っているものと思っていた。

これ誰?とか聞けるはずない。
なんか悶々とした。

だってのに。

「いい曲でしょ?」
「あー……はい。はじめて聞きました。結構有名なバンドですか?」
「ミラーマインド。知ってる?」
「あー……ツレがなんか言ってた気がします。俺ははじめてききました! 結構売れてるんですか?」
無論、そんなもん初耳。こういうの知ってる方がオシャレな感じがして食い下がった。

「ううん。デビューしてないから、マイナー……ていうか、知ってる人しか知らないバンドw」
やばい墓穴だ。

「そすかw あー、ライブハウスとかの物販で買ったんですか?」
「……」
「え……?」
「直接もらったよ?」
「知り合い……なんですか?」
「彼氏」
「……なにが?」
「ヴォーカルの人」

80 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:12:55.283 ID:Odf1ZQp/0.net
視界が弾けた。
頭が真っ白になって気付いたら俺は自宅にいた。
明け方頃だった。
一気に情報が入り込んできて、整理が追い付かなかった。

「彼氏」

さらっとアスカは言った。
今までなんでそんなこと考えなかったんだろう。
いるよねー……そりゃあ。彼氏。
アニさんの言うとおりだよ。これパターン2だわ。計算高いアホだわ。
え? 俺? みっともないアホだよ。

一人で舞い上がったアホそのものだろ。今度こそ完全に終わった俺の恋。

――彼氏
何度も何度もその瞬間が目に焼き付いて離れない。
苦笑したみたいにわらぅて、困ったみたいに小首をかしげていた。
少しだけ哀愁を感じさせる表情で、陰があるのを取り繕って無理に明るくふるまう感じ。
気を使ってくれたんだなて、俺でもわかった。
アスカ、いや、アスカさんは俺の気持ちとか当然気付いてて、
そんで傷つけないようにて気を使って、
だけどこれ以上はもう駄目だなって、お互いの関係をはっきりさせたんだろう。
だとしたら俺は……ガキだ。

情けないよりも、みっともないよりも、恥ずかしいよりも、バカでアホよりも先に、
どうしようもなく、ガキだ。

別に、年齢は2つしか違わないけど、
でも、なんかこう、自分の中にあるものに差を感じて苦しかった。

アニさんに一言。

『彼氏いました』

とライン。
返事は少ししてから返ってきた。

『バーカ』

知ってるわそれぐらい。

自分が抜け殻になるのがわかった。
結局アニさんの言うとおりだった。忠告してくれたのに俺バカだわ。

『バーカ』

アニさんのメッセージ二度目に見るとなぜか少し笑えた。

やかましいわ。

81 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:15:05.865 ID:7GarnF1EM.net
セックスはよ

82 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:16:54.960 ID:t3vuN0VYr.net
>>39
こんな子供になってしまって両親が可哀想

83 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:17:05.612 ID:Odf1ZQp/0.net
数日後、俺、再びアニさん宅へ訪問。
言いたくないけど言う。
やらせてもらうつもりだった。
もうこの行き場のない思いをどんだけ下種な方法でもいいから消化したかったのだ。
アニさん美人だしさばさばしてるし、頼めばさせてくれるだろう。
今から思えばマジで最低だった。若気の至りというのか? 恥ずかしいし情けない。

俺は泣きながら腰を振って、ただただ溢れてくる快感に身を任せた。

いっそ感情なんて溶けてなくなってしまえばいい、全部残さずいろんなものと一緒に吐き出してしまえばいいと思った。
そしてアニさんの中で果てた俺はもう一生分の感情を垂れ流して、
無駄に長い人生を浪費して既定路線みたいな一生を終えましたとさ。fin

84 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:17:41.509 ID:Odf1ZQp/0.net
>>81
これで満足でしょうか?ニチャァ

85 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:18:31.299 ID:Odf1ZQp/0.net
>>82
やめて。そういうまじなやつやめて。土下座するんで許してください靴を舐めます。

86 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:19:07.513 ID:Odf1ZQp/0.net
「やんない」

アニさん、一閃。

それは差し入れた缶ビール三本をアニさんが飲み干したタイミングでのことだ。
ちなみに俺は素面。これからって時に酔っ払ってられるか。
で、酔いが回ったのか僅かに顔を上気させているアニさんを床に押し倒し、
強引にキスをした。
そのまま舌を入れて口の中をかき回してやろうと思ったが、
アニさんは唇をきゅっと閉じたまま受け入れてくれない。
仕方ないからアニさんの薄い胸を揉もうとして手を伸ばし、手のひらが触れたところで言われた。

さっきまでと変わらずほんのり赤い頬。
俺のせいで乱れた服装。へそ丸出しのアバンギャルド。
明るい色の髪が放射状に散らばっている。

無表情に、アニさんは俺を拒絶した。

瞳だけが真剣で、そこには敵意とか、嫌悪とか、憐憫とか、
そういう感情は一切なかった。

で、俺、アニさんに突き飛ばされる。

壁に頭をぶつけて視界に星が飛ぶ。

アニさんの攻撃はそれだけで終わらない。

がっ、と無遠慮にアニさんは俺のズボンを脱がせる。
はじめベルトを締めたまま脱がそうとするものだから、
俺は少し部屋の中で引きづられた。
で、パンツも奪われ下半身丸出し。
当然アニさんは止まらない。
もともとそのつもりだったはずの俺は、にもかかわらず微力な抵抗をする。
アニさんの手首をつかんで、「やめましょうよ」というと、

「はなせ」

マジこわったので従った。

87 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:19:41.913 ID:Odf1ZQp/0.net
アニさんは自分の手に唾を垂らす。すげー扇情的。AVとかで見たことあるけど、
女の人が舌をベローと出して白っぽい唾が糸を引いて落ちていく光景。
目の前でそれを見て官能的な気分に苛まれた。
湿ったアニさんの手が俺のものを握りこむ。
そして数度、手のひらで上下にしごかれ、
そのあとは滑らかな動きで先端を刺激された。

で、終わり。

吐き捨てるみたいにアニさんは言う。

「気持ちいいか? 良くないだろ。そういうことだ。だから、やんない」

俺のものは、生理的にはばっきばきだったけど、
言われてみれば確かに、気持ちよくはなかった、のかもしれない。
目の前で繰り広げられるその行為が、まるで他人事のように感じられた。
こーんと、ティッシュケースの角が額に直撃する。

「煙草吸ってくる。それ、自分で処理してパンツはいてろ」

そう言って上着を羽織るアニさんは既に煙草に火をつけていて、
めちゃくちゃかっこよかった。
颯爽と去っていく背中を眺めながら俺はもう涙が止まらない。
自分の中の、最後の防衛線が決壊したみたいだった。
俺ははじめてまどマギを打ったあの日のように止めどなく溢れる涙を抑えきれず、
号泣しながら一人で抜いた。

88 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:22:15.745 ID:S7q/YGnFa.net
わろた

89 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:24:23.160 ID:7GarnF1EM.net
きっしょ

90 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:39:27.010 ID:Odf1ZQp/0.net
焦った・・・
書き留めてたの会社のoutlookにコピペして張ってたらどっか行った。

宛先不明で帰ってきてほんとよかった・・・

91 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:40:24.097 ID:Odf1ZQp/0.net
「落ち着いたか?」
「……おかげさまで」

恐ろしかったのはタイミングの良さ。
アニさんは俺が一人で果てるのとほとんど同時に部屋に戻ってきた。
この人何なの? エスパー?
賢者タイムも半ばに俺はアニさんに向き直る。

速攻で土下座した。

「すんませんでしたッ!」

我ながら最低だと思ったからだ。
確かにアニさんは粗暴で、口が悪くて、DQNで、デリカシーがなくて胸もないが、
生物学上は女性なのだ。だから俺は性欲のはけ口にしようとしたわけだし、
でもそれは男として最低だ。あれ? 自分で言っててこれ反省してる?

「あたま上げろ」

蹴られた。
こう、足の甲で額を蹴り上げられた。

「痛ッて……!」
「くはははは」

何この人、ドS?
俺最近エムに目覚めそうだったけど引っ込んだわ。

「あー、情けねえ顔。今ならしてやってもいいけど?」
「……いいすよ。アニさん胸ないし」
「無い胸揉んだ手でしこしこやってたのは誰だーおい」
「ちょっと待て、なぜ俺が使用した手を知っている」

そんな馬鹿みたいな話を少しして笑って、飲みなおした。
今度は俺も飲んだ。
困ったことに運転できなくなり、その日はアニさん家に泊まった。

アニさんは、たぶん俺が寝落ちするまで起きてた。
起きて、うわ言みたいな俺の話を聞いてくれてた。
いろいろ罵倒されたり、馬鹿にされたりしたけど、
当初の目的通り自分の中の淀みは全部吐き出せたと思う。
初めに定めた着地点と違ったのは、いろんなものを吐き出したけど、
それでも俺の中の大切なものは残ったこと。こういう詩的な言い方は臭いけど、
人を好きになる気持ちはなくさずに済んだと思う。

「アニさーん、好きです……前提を結婚で、突き合って♂くださーい」
「くはははは。よっしゃよっしゃ越後谷温泉な」

こんな感じのことを回らない呂律で言っていた。

目が覚めるとアニさんはもういなかった。
部屋のカギと書置きが残っていて、
閉めたらポスト入れとけ、という一文と、
昨日のごみはてめーが片しとけ、という一文。

俺は全身全霊で部屋を掃除し、帰宅した。

92 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:40:58.975 ID:f+mklGn7a.net
でも俺も20の時バイト先で同じ高校卒の一個上の先輩と仲良くなって、同棲中の彼氏から引っぺがして付き合った事あったよ。
上手くバイクに興味を持ってくれて、2ケツで色々遊びに行ってたら出来た。
三年で他の男に取られたけどw

93 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:41:11.385 ID:Odf1ZQp/0.net
>>88
もっとさげすむように!!!

94 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:41:53.643 ID:Odf1ZQp/0.net
>>89
ふふ・・・俺クラスになると、この一文はcv花澤香菜で再生されるんだぜ?

95 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:43:01.253 ID:Odf1ZQp/0.net
>>92
まあ俺もリア充イケメンだし?
本気出したら相手の男に悪いかな、て?
あ?
泣いてねーよ!

96 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:43:40.831 ID:Odf1ZQp/0.net
やけに晴れやかな気持ちだった。

アスカのことは、ふんぎりがついたとは言えないけど忘れられそうだ。

それよりもこの数日大学をさぼりっぱなしにしていたことの方が頭を悩ませる。

マイフレンドたちや密かに俺に思いを寄せている女子たちが待ってる。

「日常に帰ろう」

そう言って俺はすべてを胸にしまい込み、
明日からの日常を思った。

思えば夢みたいな日々だったじゃないか。
大好きなまどマギがスロットになって、それが思いのほか完成度が高くて泣いたら人を好きになった。
実にドラマチックな体験だ。

夢の終わり、最後に俺は自分の物語に蛇足をつけた。

そうだ。アスカの彼氏がどんなやつか見てやろう。

マイナーとはいえ、知ってる人は知ってるみたいなバンドと言っていたし、
ネットで検索すればHPとか動画とかが上がってるかもしれない。

よせばいいのに、俺はアスカに聞いたバンド名を検索欄に打ち込んだ。

俺の惚れた女を骨抜きにした野郎だ。さぞかし色男に違いない。

素晴らしきかな3G回線。速攻で液晶に検索結果が映し出される。
ほうほう。動画も上がってるじゃないか。どれーー

『【追悼動画】ミラーマインドよ永遠なれ・・・!』

はい?

97 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:44:37.708 ID:Odf1ZQp/0.net
一旦書き留めた分ここまでです!
さすがに会社じゃ書けないんで続きは時間空きます・・・。

読んでくれてる人!質問ください!

98 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:46:13.151 ID:1s0yamZIa.net
>>97
アニさんに俺も手コキしてくださいと頼んでください

99 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:48:14.372 ID:Odf1ZQp/0.net
>>98
たぶんお金出したらしてくれるんじゃないかな。

100 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:49:53.019 ID:1s0yamZIa.net
>>99
金払うと立たないからいいわ・・・
食事奢るとかならするけど

101 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:50:02.710 ID:MlcL5Uzf0.net
何年前の噺?

102 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:51:36.520 ID:f+mklGn7a.net
確かまどマギは導入当初見た目のミルキーさから
少ししたら誰も恥ずかしくて打ってなかったよね
それが気にならない奴が回し続けて
「ちょっと待てよ、おもろいし出るやんコレ!」
ってなったのが一年後。一旦下げられて再燃して
覇権を獲った機種の代表や

103 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:53:54.538 ID:+Ij5xS0N0.net
>>102
俺もその口だわ
萌えスロとかキモ→面白い→アニメも面白い
今では立派なまどカスです

104 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:55:15.416 ID:0CV5xWCRr.net
はよ書けや

105 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:55:26.348 ID:+Ij5xS0N0.net
アフィいたらまとめてほしいわw
今休みだから見れてるけど続き読めなそう

106 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 12:57:09.894 ID:1s0yamZIa.net
俺アフィじゃないけどまとめとこうか?

107 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 13:01:55.269 ID:+Ij5xS0N0.net
>>106
>>65抜きでたのむわw

108 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 13:29:29.174 ID:Odf1ZQp/0.net
>>101
まどマギ導入なんで、2013年ですね。
曖昧で申し訳ない

109 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 13:29:58.477 ID:0CV5xWCRr.net
>>108
はよしてくれ

110 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 13:42:26.886 ID:Odf1ZQp/0.net
>>102
あんたとはいい酒が飲めそうだ。
スロカスですか?

111 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 13:43:38.636 ID:1s0yamZIa.net
まとめといたよ
アフィなし
消した方がよければ消すわ
http://vi9.livedoor.blog/archives/18287408.html

112 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 13:43:46.166 ID:Odf1ZQp/0.net
>>104
すいません、
ちょっとこっから内容重くて、
今朝の3時くらいまで書いては消してしてたんですがまとめられなかったんです。
職場だとさすがに書けないんで、帰宅してからどうにかします。。。

113 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 13:44:46.764 ID:Odf1ZQp/0.net
>>105
>>106

無知ですいません、アフィてなんですか・・・?

114 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 13:45:36.080 ID:Odf1ZQp/0.net
>>107
個人的に>>65の続きは見たいw
俺ならもっと変態的にねっとり書くけど。

115 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 13:46:30.524 ID:+Ij5xS0N0.net
>>111
神かありがとう
続き出たらそれも頼む...

116 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 13:47:09.392 ID:1s0yamZIa.net
>>113
スレが落ちるとみられなくなるからまとめて転載したってこと

117 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 13:47:11.265 ID:Odf1ZQp/0.net
>>111
まとめとか作ってもらうほどのもんじゃないですよw
折角なんでマイビックマグナムの写メもうpしておきましょうかね・・・

118 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 13:48:16.468 ID:Odf1ZQp/0.net
>>116
りょうかい!
ご教示ありがとうございます!

たぶん続き日中はかけないんですけど、
落ちたらまたスレ立てしてこのURL張り付ければいいですか?

119 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 14:01:36.563 ID:Odf1ZQp/0.net
ふと思ったけど、アスカてメンヘラじゃなくてDQN?池沼の方がしっくり来るのかな・・・
後書き始めてアスカてめっちゃ違和感覚えてきた。そもそも俺は初見でなんでアスカて思ったんだろ・・・。

120 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 14:10:40.908 ID:S7q/YGnFa.net
メンヘラ要素は見当たらんな
変わり者なのは間違いないが

121 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 14:11:29.059 ID:YE1VCdWz0.net
はよはよ

122 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 14:13:15.307 ID:0CV5xWCRr.net
>>119
帰宅って何時なんだ

123 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 14:18:29.015 ID:Odf1ZQp/0.net
>>120
この後ちょっと、あるんですよ、その、彼氏関係で・・・

124 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 14:19:40.860 ID:Odf1ZQp/0.net
>>122

20時には帰宅すると思うけど、
自宅のPCぶっ壊れてて、
スマホで書き溜めることになるから物凄い遅筆になります。。。

125 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 14:23:54.058 ID:YE1VCdWz0.net
>>124
了解
楽しみにしてるよ
仕事頑張って

126 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 14:25:26.679 ID:1s0yamZIa.net
>>118
スレ立ってればたぶん俺が気づくけど、気づかなかったらブログにコメントしてもらえれば見に行ってまとめるわ

127 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 15:24:37.088 ID:QVW4lIZ30.net
保守する?

128 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 15:49:28.993 ID:qF7RvnwV0.net
保守

129 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 15:57:09.543 ID:S7q/YGnFa.net
紫煙

130 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 16:18:24.658 ID:qF7RvnwV0.net


131 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 16:30:29.413 ID:S7q/YGnFa.net
干す

132 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 16:36:14.771 ID:MlcL5Uzf0.net
昔のVIPみたいで懐かしい

133 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 16:38:01.799 ID:xw+C6tMH0.net
続きが気になる上手な引き

134 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 17:07:00.434 ID:1RMhorWQd.net
保守

135 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 17:25:49.556 ID:/14bmRhWd.net
何か読ませてくれるね
続きに期待!

136 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 17:32:36.267 ID:tY/kUPziM.net
作り話じゃん…

137 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 17:39:27.781 ID:S7q/YGnFa.net
捕手

138 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 18:20:29.669 ID:fMspoyScd.net
続きやんの

139 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 18:49:41.582 ID:Odf1ZQp/0.net
>>130
ほむぅ・・・

140 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 18:50:36.339 ID:Odf1ZQp/0.net
今から帰宅します!!!
なんか、いろいろ書き込んでくれてるみたいですけど、
俺なんかリアクションすべきですか・・・?
電車中でスマホで書き溜めしてきますね!

141 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 19:24:53.685 ID:S7q/YGnFa.net
スレ保持するための書き込みだからスルーでいいよ

142 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 19:44:46.854 ID:qF7RvnwV0.net
期待

143 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 20:03:41.334 ID:kLxQ8CKVd.net
>>140
いらん
ただただ続きはよ

144 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 20:11:15.695 ID:076gzHWx0.net
はやくぅ!

145 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 20:13:45.285 ID:CJZMOiHU0.net
待ってるでー

146 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/05/13(月) 20:52:33.588 ID:1n09bqx60.net
もしゅ

147 :以下、VIPがお送りします:2019/05/13(月) 21:44:47.23 ID:TG4s9Jk1E
色々教えてくれた人達ありがとうございます!
今書いてますけど、先謝っておきます!
めっちゃ面白くないw
思い出したら軽く鬱なところだから、書いててテンション上がらないし独白ばっかりになる。
多少脚色したり心象盛ったりしてますけど、書いててきつい。

そんな感じで期待に添えない可能性が高い上、
スマホで書いてて遅いんですが、何卒お待ち下さい。

148 :以下、VIPがお送りします:2019/05/13(月) 22:57:32.46 ID:TG4s9Jk1E
ごめんなさい。
今4000字くらい書きためたんですが、
無理矢理PC動かしてコピペ投下しようとしたらリファラ?とかてエラーになって心折れました…。
会社のPCから投下します。

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