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女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ
- 1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 20:54:47.966 ID:AX83nDzZ0.net
- キンキンキンキン!
俺「ついていける!」
女剣士「嘘…!」
俺(この日の士官学校の決闘祭のために半年、彼女の剣の流派を研究した甲斐があった)
女剣士「こんな試合、お父様も失望する…」
女剣士「この私が、貧民の我流剣士なんかに負けるわけには…!」ブワッ
審判(これは殺す気の一撃だ…!)ゾクッ
俺(来る、炎刀流奥義・絶炎華!)
俺「我流奥義、絶炎返し!」カァンッ
女剣士「う、そ….こんな、ことは…」ドサッ
審判「しょっ、勝負あり! 決勝戦、俺選手の勝利です!」
観客「うおおおおおお!」
- 2 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 20:54:56.667 ID:AX83nDzZ0.net
- 二年後…
友「士官学校、最後の決闘祭も大詰めだね」
友「三年連続俺君の優勝かなあ」
俺「どうだろうな。イケメンの奴、今年は実家絡みでとんでもない師匠を見つけてたみたいだ」
俺「俺でも勝てるかどうか…」
クラスメイト「おい、準決勝戦でイケメンが敗れたぞ!」
俺「!」
友「は、はぁ!? 何かの間違いだろ!」
俺「相手は…」
クラスメイト「女剣士って奴だよ。去年、決闘祭はベスト8まで勝ち残ってなかったはずだけど…」
俺「女剣士…!?」
俺(馬鹿な、あいつは俺に敗北してから士官学校に来なくなったはずだ…)
俺(てっきりショックで学校を辞めさせてしまったのかと心配していたが…)
- 3 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 20:55:55.816 ID:AX83nDzZ0.net
- 女剣士「ふ、ふふ…やっと、やっと貴方に再戦できる」ニヤ
俺「ど、どうしたんだ、その身体…」
俺(酷使しすぎてボロボロ…筋肉がむしろ貧相になっている。明らかなオーバーワークで身体を壊している!)
女剣士「二年間、貴方が、憎くて憎くて、仕方ありませんでした」
俺「あれは、正当な決闘で…!」
女剣士「私は父様の自慢の娘…貴族家の家督を継ぐはずだったのに!」
女剣士「決闘祭で我流の貧民相手に遅れを取って家の名に泥を塗ったと、家を追い出され…家名を失い…!」
女剣士「私の全てだった…人生そのものだった、炎刀流の使用さえ禁じられた!」
俺「そ、そこまで…!」
- 4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 20:56:39.355 ID:AX83nDzZ0.net
- 女剣士「それもこれも、全てっ! 貴方が、あのような節操のない、卑劣な手段で私を負かしたせいで!」
俺「ひ、卑劣な手段…?」
女剣士「貴方は、私の炎刀流の奥義を破るためだけの技を半年掛けて編み出して、切磋し続けていた…!」
女剣士「あんな、あんな技…! 実力では私が勝っていた! だというのに!」
女剣士「あまりに陰険…!」
俺「…相手の技に対応した返し技を使うのが、卑怯だと?」
女剣士「ここは戦場じゃない! 学生が他の学ぶべきことを蔑ろにして、あんな技を覚えるなんて…!」
俺「俺は、貴女をそれだけ警戒して…同時に、尊敬していた」
女剣士「!」
俺「貴女の家がそれ程厳しいとは知らなかった、申し訳ないことをしたとも思う」
俺「だが、それ以上世迷言を吐いて失望させないでくれ」
- 5 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 20:56:53.544 ID:Ermvu4v/0.net
- 定期にするな
- 6 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 20:58:04.300 ID:AX83nDzZ0.net
- 女剣士「…そうね、貴方と口論をしにしたわけじゃない」スッ
女剣士「始めましょうか」
俺「…そんな痛々しい身体で、試合なんてしていたら…取り返しのつかないことになるぞ」
女剣士「黙れ! 私は、とっくに引き返せないんだよ!」タァン
俺(以前より遥かに速い!)
キンキンキンキン!
キンキンキンキン!
俺「うぐっ…この立ち回りは!」
女剣士「どう? 決定打が、全く出せないでしょう?」ニマァ
女剣士「この二年間…ずっと、ずうっと貴方だけを観察し続けて、貴方だけを想い続けてきたの」
女剣士「今日この日の立ち合いのために」
女剣士「どれだけ、この日を恋い焦がれていたか…」ハァハァ
女剣士「まさか、卑怯とは言わないわよね?」ニコォ
俺「……」ゾクッ
- 7 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 20:58:23.403 ID:AX83nDzZ0.net
- 俺(ダメだ…このままだと、相手の剣筋に破綻なんか作れるわけがない!)
俺(女剣士は、俺よりも俺の剣筋に詳しい)ゾォッ
女剣士「…右手を上げる、下げて掬い上げようとする」ブツブツ
俺「う、動きを完全に読まれた!?」
女剣士「魔禁流奥義・天道貫」ゴウッ
ドスッ
俺「うぐっ、太腿を…!」
俺「お、俺の負け…」
女剣士「何を言っているの? まだ戦えるでしょう?」
俺「は…?」
- 8 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 20:59:27.294 ID:AX83nDzZ0.net
- 俺(確かに、足が動く…? 出血も、少ない…)
俺(いや、違う。きっちり重要な神経を削られてる)ゾクッ
俺(あいつは、ギリギリ決闘のストップが入らない外傷で抑えつつ、俺に後遺症を残して剣士生命を断つつもりだ!)
女剣士「気づいたみたいですね。もっとも、降参やストップが入ってもその前に殺して差し上げますが…」
女剣士「このまま甚ぶられてくれるのなら、全身麻痺で許してあげましょう…ふふ、ふふふふ…」
女剣士「責任を取って、生涯介護して差し上げますよ。夢絶たれた貴方が無様に生き続ける様を、一生横で嘲笑ってあげます」
女剣士「さあ、次は左腕の膝をいただきましょうか」
- 9 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:00:54.639 ID:AX83nDzZ0.net
- 俺(もう、降参しながら逃げて助けが入るのを期待するしか…)
俺(これ以上やられたら、俺の身体はもう一生戦場に立てなくなりかねない)
女剣士『決闘祭で我流の貧民相手に遅れを取って家の名に泥を塗ったと、家を追い出され…家名を失い…!』
俺(…いや、正面からやってやる)
俺(俺は悪いことをしたとは思っていない、だが…)
俺(それが、俺にできる償いだ)
女剣士「あなたの左腕、いただきます」ザシュッ
俺「うぐっ!」
俺(位置がわかっていたのに、対応できない!)
俺(これは、完全に俺を殺すための剣術だ!)
女剣士「次はどうしましょう? 右腕? 左足?」
女剣士「それとも、もう首の神経を削らせてもらいましょうか」ハァハァ
- 10 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:01:17.995 ID:mne/2XJP0.net
- これもうハッピーエンドじゃん
- 11 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:01:56.095 ID:SlT0gk8Q0.net
- 神経だけを切るってできるんですか教えてください博士
- 12 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:02:12.562 ID:AX83nDzZ0.net
- 俺(守りに徹しろ! 相手の剣筋を見極めろ!)
キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン!
女剣士「まるで、二年前とは正反対の展開になりましたね!」
女剣士「貴方の剣術を探りながら迎え討とうとする私と、私の剣を研究してきた貴方!」
女剣士「結果もきっと、そうなるでしょうね!」
俺(落ち着け……奴の剣術に対して、俺の剣術が詰んでいるわけじゃあない)
俺(かといって、か細い隙を狙う余裕はない!)
俺「賭けに出させてもらうぞ!」バッ
俺「我流奥義・虎牙閃!」ギュンッ
女剣士「……」ニィッ
女剣士「前回の決着を忘れたようですね! 虎牙返し!」
- 13 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:03:39.347 ID:AX83nDzZ0.net
- 女剣士(勝った…勝った…勝った! 私が、私が、あの剣士に勝った…!)ハァハァ
女剣士「フフ、フフフフ…!」
俺「…我流奥義・猫崩れ」シュッ
女剣士「えっ…」
ドスッ
女剣士「…どうして? どうして?」ガクン
俺「…お前なら、虎牙閃を破ってくると思っていた」
俺「猫崩れは、俺がずっと前に、虎牙閃の直線的で読まれやすい弱点を補うために考えた技だ」
俺「途中から動きを分岐する。虎牙閃のように荒々しくなく、ふわりと動いて間合いを詰める」
俺「もっとも…今日まで、使う機会はなかったがな」
女剣士「そんな…そんな、どうして、ここまでしたのに…どうして?」
俺「…戦術を、対策に絞り過ぎたからだ。だから動きを読まれる。俺は、弱みにはちゃんと補う術を用意している」
審判「しょ、勝利、俺! 士官学校決闘祭、三連覇だ!」
女剣士「どうして、どう、して…」ブツブツ
俺「……」
- 14 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:05:15.811 ID:kDhVsW6Pa.net
- かわいそうなのは抜けない
- 15 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:06:44.485 ID:IXk/T6u10.net
- は?
俺くん一生肉エンドじゃないのかよ失望しました
- 16 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:08:36.969 ID:AX83nDzZ0.net
- 三年後…王都にて
俺「任務を終えました。騎士長様」
騎士長「うむ、ご苦労だった。思っていたより、ずっと早くに戻ってきてくれるね、キミは」ニイ
騎士長 「さすがは士官学校、決闘祭三年連続優勝の快挙を果たした男だ」
騎士長「私でも、優勝は二年時に一度だけだったよ」
俺「……」
騎士長「…ふうむ、キミは影があるね」
俺「すいません、決闘祭には苦い思い出があって」
騎士長「ほう?」
俺「…三年たった今でも、行方不明のままなんです。決勝戦の相手が」
騎士長「……」
騎士長「…そうか、キミがいつも探しているのはその女か」
- 17 :キュアイッパンハケン :2019/10/30(水) 21:08:55.918 ID:eN5ScNGsH.net
- キンキンキンがみじかい
- 18 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:09:18.857 ID:AX83nDzZ0.net
- 俺「すいません、反応に困りますよね。こんな話」
騎士長「いや…優秀な部下の悩みだ。私も捜してみるさ」
俺「…ありがとうございます」
騎士長「と、ところで、その娘のことを気にかけているようだが…君のその、恋人か何かだったのかな?」
俺「え? いえ、特にそういうわけではありませんでしたが…」
騎士長「そ、そうかい」ゴホンッ
俺「……?」
騎士A「大変です騎士長様! 騎士Bが、死体で……例の殺人鬼に殺されたのかもしれません」バッ
騎士長「な、なんだと? まさか、あの騎士Bがやられるとは」
俺「何の話でしょうか?」
騎士長「お前が任務に出ている間に、王都に通り魔が現れたのだ…。被害は、既に十三人を超えている」
俺「なっ!」
騎士長「騎士Bまで殺されたとなれば…かなりのやり手だ。二人組でパトロールに当たった方が良さそうだな」
- 19 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:12:21.555 ID:AX83nDzZ0.net
- 騎士長「こんな遅くに出歩くな! 早く戻れ!」
街人「す、すいません!」
俺「…出歩く人は減りませんね。本当に、危うい事態なのに」
騎士長「真剣に罰金でも課すべきだろうか」ハァ
ドサッ…
騎士長「…何の音だ?」
俺「俺が確認します」サッ
騎士長「馬鹿者、不用意に逸れるな!」
女剣士「禁魔流・羅刹」ガシュッ
騎士長「がっ!」
女剣士「あら…外れた。心臓を不意打ちで貫く技なのに」
女剣士「でも、その外傷じゃ無駄! 天道貫!」ザスッ
騎士長「あ、あ、あ…」ドサッ
女剣士「フ、フフ、首の神経を削ったわ。これで貴女ももう、動けないお人形さん」
- 20 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:12:24.378 ID:IXk/T6u10.net
- ここから一生肉エンドか
流石俺くん!!
- 21 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:13:28.753 ID:V2eJoz+n0.net
- 刃牙好きそう
- 22 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:13:52.951 ID:AX83nDzZ0.net
- 俺「き、騎士長様!」
女剣士「…せっかくの再開なのに、他の女の名前を呼ぶの?」ペロ
俺「なぜ、なぜだ女剣士! お前っ…!」
女剣士「あれから三年…ずっと、ずっと、ずっとずっと貴方が憎くて仕方なかった」
女剣士「ただ、ずっと貴方のことを考えていた」
女剣士「起きているときも、寝ているときも、鍛錬のときも、ずっと、ずっと…」
俺「女剣士、お前…」
女剣士「貴方への憎しみを忘れないために、毒を呑んで喉を潰して、身体を焼いて、その痛みが貴方のせいだってずっと言い聞かせてたの」ハァハァ
女剣士「他の生き方を選べないように、人だってこんなに殺したの! 見て、これぜぇんぶ、貴方のせいなの!」ジャラッ
俺(首飾りにした、脊髄の一部…)ゾッ
- 23 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:16:33.000 ID:AX83nDzZ0.net
- 俺「女剣士…お前…」
女剣士「その中で、ようやく気が付いたの。私は、五年前のあの日…本当は、あなたに恋をしていたんだって」ハァハァ
俺(…とっくに、壊れてしまっていたんだな)
俺「…すまなかった。三年前…救ってやれなくて」
女剣士「フフフフ、フフフ、フフフフフフ」
女剣士「謝ることはないわ。おかげで私は、私の中にある、こんなに大きな愛に気が付くことができたの」ハァハァ
女剣士「受け止めて、くれるわよね」グググ
俺「せめてもの償いだ! ここで殺してやる!」ジャキン
女剣士「さあ、愛し合いましょうか」ペロ
- 24 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:17:27.386 ID:mne/2XJP0.net
- 騎士様女だったのかよ
そっちで付き合え
- 25 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:21:20.605 ID:B9Vbl3ky0.net
- 三年が五年なってないか
- 26 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:22:28.875 ID:qlxqDHq9d.net
- これ何回目?
- 27 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:23:30.974 ID:zOKE+Hbma.net
- >>25
ねこねこ殺法で殺しておけばよかったってことじゃない?
- 28 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/10/30(水) 21:48:27.737 ID:AX83nDzZ0.net
- 女剣士「羅刹! 羅刹!」ガシュッ、ガシュッ
俺「そんな不意打ち前提の技が当たるか!」ガンッ、ガンッ
ザクッ
俺(防ぎきれなかった…横っ腹、持っていかれた…)ガハッ
女剣士「ああ、あら、ごめんなさい、貴方の身体に傷をつけるつもりはなかったのに」ペロッ
俺(俺の血を、美味そうに舐めてやがる…)ゾッ
女剣士「貴方、私が思っていた程強くはなかったのね」シュッ
女剣士「手足落としで達磨にして、ずぅっと、生涯愛してあげるわ」ハァハァ
俺(不意打ちとはいえ、騎士長に致命傷を与えた剣の腕は、明らかに俺より数段上だ!)
俺(こいつは狂ってるが、俺と覚悟が違う!)
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