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異能力者養成学校に入学したから安価

1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 00:35:00.29 ID:LAmxKKqh0.net
俺の能力>>3

2 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 00:35:20.79 ID:5gkK+cSh0.net
細胞変化

3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 00:35:26.31 ID:jqj3/2KV0.net
天照

4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 00:39:59.84 ID:LAmxKKqh0.net
教師「では、クラス分けの面接を開始します。あなたの能力は?」

俺「はい。天照です」

教師「天照?」

俺「はい。天を照らせます」

教師「それは、どういった分野で役に立つのでしょう」

俺「キャンプの時ですね。ただ虫が寄ってくるのが難点です」

教師「分かりました。参考にしておきます。ありがとうございました」

俺「はい。ありがとうございました」

俺は教師に一礼すると部屋を出た。

5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 00:43:40.04 ID:LAmxKKqh0.net
「あ、いて!」
「きゃっ!」

扉の前で人とぶつかった。
足元を見ると、黒髪ロングで前髪ぱっつんの小柄な少女がおでこを押さえてうずくまっている。

俺「すいません。大丈夫ですか?」

ぱつ子「あ、はい! こちらこそすいません! お怪我はありませんか?」

床にしりもちをついたままなので、パンツが見えそうだ。
俺はそちらを見ないようにして手を差し伸べた。

俺「こっちは平気だよ。君もここの生徒?」

ぱつ子「はい! これから面接なんです。ちょっと緊張しています」

すいません、と再度頭を下げると、彼女は部屋に入っていった。

俺「あー、かわいい子だったなぁ」

彼女の感触がまだ握った手に残っている。俺は残り香をクンクンと嗅いだ。

6 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 00:45:34.94 ID:LAmxKKqh0.net
先生「面接を開始します。あなたの能力は?」

ぱつ子「は、はい! よろしくお願いします。私の能力は>>8です」

7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 00:46:05.85 ID:7jv4EJN/0.net
対象をアルパカにする

8 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 00:52:20.14 ID:zhGwonQW0.net
kskst

9 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 00:55:33.46 ID:LAmxKKqh0.net
先生「加速下、ですか?」

ぱつ子「はい。誤って安価を取ってしまっても、下のレスを採用する能力です」

先生「ちょっと聞いただけじゃわかりませんね。やってみせてください」

ぱつ子「分かりました。じゃあ先生私のことを殴ってください」

先生「……大丈夫なんですか?」

ぱつ子「はい! 大丈夫です」

ぱつ子は満面の笑みを見せた。

10 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 00:58:23.01 ID:LAmxKKqh0.net
先生「じゃあ、行きますよ」

そう言って拳を振りかぶる。

先生「せーの!」

ドゴン!教室に鈍い音が響いた。

先生「大丈夫ですか!」

慌てて駆け寄るが、ぱつ子は涼しい顔だ。

ぱつ子「ええ。殴られた衝撃は、下の人に移りました」

先生「そ、そうですか。ちなみに、その下の人というのは?」

ぱつ子「私より立場が下の人間です。まぁしもべというか」

先生「……わかりました。参考にさせてもらいます。ありがとうございました」

ぱつ子「はい! ありがとうございます!」

11 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:00:22.25 ID:LAmxKKqh0.net
翌日

俺「いててて……」

なぜか殴られたわけでもないのに、昨日からずっと左頬が痛んでいた。

俺「虫歯かな」

支度をすませると、学校へ出発した。

12 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:03:37.78 ID:LAmxKKqh0.net
校門前

俺「ん、なんだろう。人だかりが」

校門前に人垣ができていた。

俺「ちょっくらごめんよ」

人の間を縫うようにしてその中心部へと向かう。

13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:04:16.32 ID:LAmxKKqh0.net
「おいいいいい!!!!! お前なめてんのかぁあああ!!???」
「ぶっ殺すぞ!!!」

テンプレ的な不良二人組がすごんでいるのが目に飛び込んできた。

俺「あれ、あの子は」

ぱつ子「ひいいい」

どうやら絡まれているのは昨日の少女のようだ。
どうしよう。助けるべきか>>14

14 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:07:42.79 ID:7jv4EJN/0.net
そんなことよりオナニーだ

15 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:12:20.02 ID:LAmxKKqh0.net
俺「やめろ! お前ら!」

颯爽と俺登場。死ぬほどかっこいい。

「なんでてめぇは!? ああん!?」
「ぶっ殺すぞ!!!」

ぱつ子「あ、昨日の」

うるんだ瞳でこちらを見つめてくる。
が、急に我に返ったように慌てた表情を作った。

ぱつ子「だ、ダメです! 私のために危険を冒さないでください!」

縋るように言う。
俺は黙って首を振った。

俺「別に君のためじゃないさ。これは俺のオナニーだから」

ぱつ子「え、お、おな……?」

ぱつ子はきょとんとした顔になった。

16 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:13:36.53 ID:7jv4EJN/0.net
マジかよ

17 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:14:50.14 ID:LAmxKKqh0.net
「俺らの間に入ってくるってことは分かってるんだろうな?」
「ぶっ殺すぞ!!!」

俺「分かってる? なんのことだ?」

肩を竦めた。

「この学園ではもめごと全てが許されているんだ。能力を使ったことに限りな」
「ぶっ殺すぞ!!!」

俺「え? そうなの?」

振り返ると、ぱつ子が黙ったまま首をコクリと倒した。

俺「そうなのか! 天照!」

あたりがまばゆいばかりの光に包まれた。

18 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:16:46.34 ID:LAmxKKqh0.net
「うわっ! いきなり能力使うとはこいつきたねぇな!」
「ぶ、ぶっ殺すぞ」

俺「ばははっはは!!!! 勝てば官軍とはよく言ったものよの!」

最大出力の天照をぶっ放す。
後ろではぱつ子が憧れの視線を俺に投げかけていることだろう。
待っててね、ハニー。
こいつらを倒したら力いっぱい抱きしめてあげるからね。
俺はそんなことを考えていた。

19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:17:51.75 ID:LAmxKKqh0.net
「ふ、ふざけんな! このままやられる俺らじゃねーぞ!」
「確かに!」

「俺の能力>>20発動!」
>>21発動!」

俺「な、なんだと!?」

20 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:19:48.18 ID:7jv4EJN/0.net
膝からミサイル

21 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:21:07.50 ID:XShwCF2mI.net
墓場からゾンビ作成(ただし使用者は死ぬ)

22 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:24:15.21 ID:LAmxKKqh0.net
「膝からミサイル!」

シュウウウウウウウウ。
あたりに消火器を噴射するような音が響いた。

俺「あ、危ない!」

ぱつ子をかばって地面に伏せる。
うはぁ! めっちゃいい匂い! やべぇ!
俺が興奮していると、後方で爆炎が上がった。
おそらく数人の生徒が巻き込まれて爆死したであろう。

俺「……大丈夫?」

顔を上げ、腕の中のぱつ子に声をかける。

ぱつ子「……はい」

うるんだ瞳で見つめ返してきた。

23 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:26:57.28 ID:LAmxKKqh0.net
「もういっちょう!」

またミサイルが発射される。
これは難なく避けた。
というか実はさっきのも簡単に避けれたが、
ぱつ子に覆いかぶさりたくてわざとギリギリで避けたのだった。

「くそ! もう左右とも打っちまった!」

不良は膝を叩いた。
どうやら左右一発ずつしか打てない能力らしい。

「うがあああああああああ!!!!!」

その横でもう一方の不良が絶命した。

24 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:28:24.46 ID:7jv4EJN/0.net
>>23
不良2はどうしてこんなに命懸けなんだよ....

25 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:29:19.80 ID:LAmxKKqh0.net
「おい、不良B? 嘘だろ……? 起きろよ、なぁ?」

フラフラとした足取りで近づき、抱き上げるが、どうみても絶命している。
俺は黙って首を横に振った。

「不良B……、不良Bいいいいいいいいい!!!!!!」

不良Aの絶叫が晴れ渡った空に吸い込まれていった。
そのとき。
遠くの墓場で死人が生き返ったことを、ここにいる誰も気づいていなかった。

26 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:33:47.97 ID:LAmxKKqh0.net
能力を使った揉め事だということで、この出来事は不問になった。
しかし、不良Bという尊い犠牲があったことを、我々は忘れてはいけない。

ぱつ子「怖かったです……」

俺「ぱつ子……」

ぱつ子は瞳を潤ませていた。
俺はそっとその肩を抱き寄せる。

ぱつ子「俺さん……」

俺「大丈夫だよ。もう心配いらない」

ぱつ子の目が、何かを発見したかのように大きく見開かれた。

27 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:36:24.65 ID:LAmxKKqh0.net
ぱつ子「あ、もうクラス分け発表されたみたいですね」

俺の後方にある掲示板を見ていたようだ。
そのまま俺の手を振り払い、駆けていってしまった。

俺「あ、ホントだ」

俺は涙目で掲示板へ向かった。
クラスは4段階。
A、B、C、Zと別れている。

28 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:39:04.51 ID:LAmxKKqh0.net
俺「あ、俺Zクラスだ」

隣のぱつ子を見ると、ウキウキとしたような顔をしていた。

ぱつ子「やったぁ! 私Bクラスですよ!」

そう言ってピョンピョンと跳ねる。
俺は不思議に思った。

俺「なんでBだと嬉しいの?」

ぱつ子がこちらを向き、首を傾げた。

ぱつ子「え? だって、これ。能力順に振り分けられるんですよ」

びしっ、と一本指を突き出した。

ぱつ子「優れている人はA、その次はBって感じで」

俺「じゃあZは……」

ぱつ子「はい! Zクラスは絶望のZって揶揄されてます。いわゆる無能力者の集まりです」

ぱつ子が満面の笑みを浮かべてそう言った。

29 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:41:32.08 ID:LAmxKKqh0.net
俺はしょんぼりとしたまま教室のドアを開けた。
ざわついていた教室が、一瞬静まり返った。

「おい、あいつだよ」
「マジか」
「やべぇよな」

途端にまたざわつきが大きくなる。

俺「ん? やばいって俺の話?」

「うわ!」
「やばいって!」
「目合わすなよ! 殺されるぞ!」

ひそひそとしたそのやり取りに、俺は疑問を抱いた。

30 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:43:20.54 ID:LAmxKKqh0.net
「あんたかい。A級殺しは」

目の前にでかい図体の壁みたいな大男が現れた。

俺「A級殺し?」

言って首をひねった。まったく心当たりがない。

「とぼけるなよ!」

ドン!とその大男が机を叩く。

「朝っぱらから校門前で、A級のゾンビ使いを殺したらしいじゃねぇか」

ああ。あいつか。
俺は合点がいった。

31 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:51:14.84 ID:LAmxKKqh0.net
俺「いや、違うよ。あいつは勝手に死んだんだよ」

大男「とぼけるな!」

バァン!と机を殴りつける。

大男「俺は待っていたんだよ。お前みたいな男をな」

ゆらり。
空間が歪んだような気がした。

32 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:52:35.93 ID:LAmxKKqh0.net
「お、おい。あいつ」
「そうだ! 間違いねぇ!」

教室のざわめきが大きくなった。

大男「ちっ、目立ちたくないからわざわざZに来たんだがな」

大男がばつの悪そうな顔をする。

33 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:54:30.50 ID:LAmxKKqh0.net
「あいつとA級殺しの戦いかよ……」
「どっちが勝つんだ!?」

外野の盛り上がりが鬱陶しい。
そんなにこいつはすごい男なんだろうか。

大男「お前も、そろそろ気付いたんじゃねぇか。俺がだれだか」

全く心当たりがないので、俺は沈黙を選んだ。

「すげぇ集中力だぜ」
「さすがA級殺しだな!」

34 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:55:18.47 ID:LAmxKKqh0.net
大男「じゃあ、行かせてもらうぜ」

ゆらり。
また大気が揺らめいた。

大男「くらえ! 俺の能力!>>35

35 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:56:17.37 ID:s42OQWn20.net
燃える脇毛

36 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 01:59:09.98 ID:LAmxKKqh0.net
俺「うっわぁ! あぶねぇ!」

間一髪で避けた。
ゆらりと空間が揺れる。

大男「どうだい。A級殺しでもちょっとは楽しめそうかい」

大男はニタリと笑った。
陽炎が生まれるほどの熱量。
それがあの男の脇の摩擦により生まれている。

俺「ちっ、やっかいだな」

後ろに飛び退き、距離を取った。

37 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:02:24.39 ID:LAmxKKqh0.net
大男「くらええええええええんんんんううううえええいい!!!!!」

ぶうん。
空気の揺れる音が響く。

俺「ぐううっ!!!?」

右足に荷重をかけて、ヘッドスライディングの要領で左に一気に飛ぶと、
倒れた机や椅子を使って必死に攻撃を防いだ。
帯びた熱の巻き起こす風が、教室に竜巻を読んだ。

「きゃあああああ!!!!」
「うわあああああ!!!!!」

絶叫がこだまする。
見ると他の生徒たちがうずくまっていた。
無理もない。ここは無能力者の集まり”絶望のZ”なのだから。

38 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:06:31.58 ID:LAmxKKqh0.net
俺「やめろ! 他の生徒を巻き込むな!」

そう叫びながらも、俺は自分の心配しかできずにいた。
実際問題防戦一方で、反撃の糸口すら掴むことができない。
偽善の一言は、ただの時間稼ぎにすらならなかった。

大男「だからわざわざ俺はZクラスに入ったんだよ! 邪魔するやつが一人もいないからな!」

大男が腕を横になぐと、熱風が一面を支配した。

「…………っ!!!!」

教室には悲鳴を上げるものはもういない。
彼らの声帯はとっくに焼き切れていた。
どうにか。
どうにかして、反撃しなくては。
俺はそのときが来るのを、必死に耐えていた。

39 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:08:52.54 ID:LAmxKKqh0.net
ガラガラガラ。
場にそぐわない間の抜けた音をたてて、教室の扉が開いた。

「ちーす! すいません、寝坊して」

ヘラヘラと笑うチャラい男が同時に入ってきた。

「って、うわ! あっつ!」

チャラ男が頓狂な声を上げる。
そして眉根を寄せると、言った。

「まったく、初日から飛ばすねぇ……」

40 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:10:49.35 ID:zW02dtPd0.net
ワッフルワッフル

41 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:11:45.60 ID:LAmxKKqh0.net
この時を待っていた。
俺は大男に向けて疾走した。

俺「うわああああああ!!!!!!」

大男「何ぃ!?」

先程数えた教室にいる人数。
そして戦いながら数えた机の数。
比べると、机の数が一つ多かった。
つまり。
遅刻してやってくるイレギュラーがいるはずなのだ。

俺「くらえ! ゼロ距離天照!」

扉が開け放たれたことによって、熱風は一気に去っていった。
次の手が来る一瞬間に近づければ勝てる。
俺はそう確信していた。

大男「ぐわああああああ!!!!!」

42 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:13:17.33 ID:ljAYzeYM0.net
つづけたまえ

43 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:15:31.77 ID:LAmxKKqh0.net
俺は右腕をガシリ、と掴まれた。

俺「ぐああ……!」

苦悶に顔を歪め、額に脂汗が浮く。
右腕の骨が悲鳴を上げた。
今にも砕け散りそうだ。

大男「くくく……。捕まえりゃあ、こっちのもんだぜ」

色を失った目であさっての方を向きながら、呟くように言った。
ゼロ距離天照で一時的に視力を奪ったはずなのに。

俺「な、なんてやつだよ。お前は」

ギリギリと締め上げられる右腕に意識を持っていかれながらも、
俺の口からやっと出た言葉はただの強がりだった。

44 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:17:40.18 ID:LAmxKKqh0.net
「はーい、はい。ストップストップ」

声のする方を見ると、チャラ男がもうすぐ横まで来ていた。

大男「なんだ。お前は」

相変わらず虚ろな目をギョロギョロとさせながら言う。

「はーあ」チャラ男がため息をついた。
「もうやめてくれよ。せっかく快適な学園ライフを、と思ってZに入ったんだからさ」

そう言って、俺と大男の肩に手を置いた。

45 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:20:12.99 ID:LAmxKKqh0.net
大男「こっちは楽しんでんだ! すっこんでろ!」

叫びながら腕を振ると、空間が歪んだ。
それと同時にチャラ男も顔を歪める。

チャラ男「いい加減にしろ、って言ってんだよ」

肩に置かれた手に、ギリギリと力が込められる。
信じられないような力だった。

俺「ちょ、俺、関係ないんだけど」

大男に捕まれた右腕と、チャラ男に捕まれた右肩が、
分子構造ごと粉砕して消えてなくなりそうだった。

46 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:21:23.49 ID:LAmxKKqh0.net
大男「効かん!」

ぶうん。腕を振り回す。
チャラ男がバックステップでそれを避けた。

「はーあ」またため息をつく。
チャラ男「じゃあ見せちゃおうかね。俺の能力を>>47

47 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:24:03.37 ID:UvkKmtvI0.net
女にする

48 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:24:10.78 ID:Npk2Wfub0.net
異次元追放

49 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:26:41.85 ID:LAmxKKqh0.net
チャラ男「ほい、っと」

ぽわわわん。
現実世界にそぐわないような、かわいらしい音が鳴り響いた。

大女「あれ、えっ?」

狼狽した様子で自分の体を確かめ始めた。
股の中にまで手を突っ込んでいる。

大女「ゆ、許さないんだから!」

ぶうん。腕を振った。
しかし、何も起こらない。

大女「あれれぇ?」

首を傾げた。

50 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:28:23.88 ID:LAmxKKqh0.net
チャラ男「女ってのはムダ毛処理するからね。お前の腋毛を燃やす能力は使えないよ」

そう言って笑った。

大女「そ、そんなぁ」

目に涙をためて、しょんぼりと俯いてしまう。

俺女「いやいや、かわいくないからね。それ」

どうして性格まで女になっているんだろうか。
俺にはとうてい理解ができなかった。

51 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:30:34.24 ID:LAmxKKqh0.net
ぽわわわん。
音が響くと元に戻った。

大男「わ、やったぁ! 男に戻ってる!」

わーい、わーい。と言ってピョンピョンと飛び跳ねる。

俺「おい、なんであいつ性格が女化してんだよ」

ひそひそとチャラ男に言った。

チャラ男「さぁ? もともとそういうやつなんじゃねーかな」

俺は身震いがした。
そこでふと疑問に思う。
こいつはどの程度の強さなんだろうか。
少なくとも、あの大男を手玉にするほどの力は持っていそうだった。

52 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:32:42.72 ID:LAmxKKqh0.net
チャラ男「俺のランク?」

俺は黙って頷いた。

俺「ああ。わざわざZに来たって言ってただろ? ホントならどのクラスなんだよ」

チャラ男「Aの上位だな」

即答だった。

チャラ男「でも、ダメダメ。Aなんて馬鹿みたいに戦ってばっかで」

目を閉じて、顔の横で大仰に手を振る。

チャラ男「ゆるーく、やりたいんだよ。俺は」

53 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:34:38.13 ID:LAmxKKqh0.net
俺「俺はAに行きたいけどな。もっと強いやつと戦いたい」

「はぁ?」チャラ男が目を剥いた。

チャラ男「ばっかばかしいな。お前の天照とかいう奴も、Aクラスはあるんだろうが」

そう言ってため息をついた。

チャラ男「あそこは強いだけじゃダメなんだよ。人の心を、捨てないとな」

悲しげな表情で、俯いてしまう。

54 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:37:09.40 ID:LAmxKKqh0.net
一方その頃Bクラスでは。

ぱつ子「ひいいいい。やめてくださいいいい」

グイグイと髪の毛を引っ張られているぱつ子が、必死にそれに抵抗していた。

DQN女「あははは! こいつ面白れぇ!」

馬鹿女「1年間よろしくな! ぱつ子ちゃあん!」

両側から髪の毛を引っ張り続ける。

ぱつ子「やめてえええええ」

そう言いながらもぱつ子は、加速下の能力を発動した。

55 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:38:25.11 ID:LAmxKKqh0.net
俺「ぎゃあああああああ!!!!!!!!」

俺は頭を抱えて床を転がった。

チャラ男「うお!? どうしたんだよ!」

驚いたチャラ男が立ち上がる。

俺「わっかんねーけど! 髪の毛が引っ張られてるみたいでいたいいいいい!!!!」

俺は床をゴロゴロと転がり続けた。

56 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:39:30.85 ID:LAmxKKqh0.net
DQN女「お前演技だろ痛がってんの」

さすがにその様子に気づいたようだった。

ぱつ子「え、なんのことでしょう」

馬鹿女「とぼけんな!」

バァン!と机を殴りつける。

57 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:40:32.47 ID:LAmxKKqh0.net
DQN女「お前は死刑決定。私の能力>>58でな」

馬鹿女「さんせーい! 私も>>59使っちゃうわ」

ぱつ子「ひいい! やめてくださいいい!!!!!」

58 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:41:14.24 ID:UvkKmtvI0.net
能力が安価で変化する

59 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:42:40.26 ID:198eRJO40.net
淫乱

60 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:44:13.15 ID:ruB/ozkK0.net
しえん

61 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:46:13.59 ID:y4DZcc9U0.net
紫煙

62 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:48:18.11 ID:LAmxKKqh0.net
                      オールチェンジ
DQN女「じゃあ発動しようかな。私の『千変万化』を」

ぱつ子は息を呑む。
自分を取り巻く空間の、色が変わったような気がしたからだ。
   プライベートアクトレス
馬鹿女「『淫乱』」

教室から地鳴りが響く。
いや。
二人から湧き出るその迫力に、ぱつ子はそのような幻覚を見たのだ。

馬鹿女「ふふ。行くわよ」

その言葉が、空気を切り裂く刃となった。

63 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:51:54.36 ID:XShwCF2mI.net
まだやってたのか
頑張れ!

64 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:52:41.35 ID:LAmxKKqh0.net
「あああああ!!!!」

教室にいる男子の3分の1ほど。6名がぱつ子に殺到した。

ぱつ子「きゃああああああ!!!!!!!」

制服の四方を掴まれる。
必死に抵抗するが、全方位から引っ張られているため、引き裂かれそうだった。
      プライベートアクトレス
馬鹿女「私の『淫乱』が効く人間が、これだけしかいないとはね。やはりBクラス。レベルが高いわ」

呟くように言った。

ぱつ子「やめてええええ!!!!!」

自分の体を抱きかかえるようにして必死に耐えることしかできなかった。

65 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:55:14.69 ID:LAmxKKqh0.net
ぱつ子「加速下!」

別に叫ばなくても能力は使える。
が。
そうすることで能力に対する相乗効果があることを、
ぱつ子は信じて疑わなかった。
そしてそれは、実際に実を結ぶことになる。

俺「いやああああああ!!!!!」

Bクラスから遠く離れたZ組で、俺は衣服を引き裂かれた。

俺「もう、嫌」

くすんくすん、と涙をこぼした。

チャラ男「大変だな。お前も」

66 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:56:28.74 ID:LAmxKKqh0.net
DQN女「あはは! やるじゃない!」

その口元を歪めた。
     オールチェンジ
DQN女「『千変万化』発動!>>67

ぱつ子「えっ……!?」

67 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:57:41.12 ID:XShwCF2mI.net
と思ったがすんごく眠いから寝るよ!
おやすみ!
ゾンビをうまくつかってやってくれ!
面白いスレだったよ

68 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:58:29.26 ID:Npk2Wfub0.net
像召喚

69 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 02:59:47.04 ID:LAmxKKqh0.net
DQN女「ぐーぐー」

寝てしまったようだ。

ぱつ子「分かったよ……! ゾンビをうまく使うよ!」

そう誓ったが、ゾンビの術者はもう死んでしまっていた。

70 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:03:07.86 ID:LAmxKKqh0.net
「お前ら。うるせーんだよ」

先程まで机に突っ伏していた生徒が、ゆっくりと顔を上げた。
肩ほどまで伸ばしたぼさぼさの黒髪で、制服をだらしなく着崩している。

「おちおち寝ていられやしねぇ」

立ち上がると馬鹿女の前に立った。
そのままガシリ、と頭を抱える。

馬鹿女「えっ」

驚愕の声を上げるのと、ほぼ同時に。
ゴキリ。
首の骨の砕ける音が響いた。

「よし。これで静かになったな」

そう言って踵を返すと、また机に突っ伏した。

71 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:08:07.68 ID:LAmxKKqh0.net
「おかしいんですよ、この学校は! 初日から死者が10名を超えています!」

その少女は黒髪のショートヘアを揺らしながら、豪奢な机をバンバンと叩いた。
赤ブチのメガネがとてもよく似合っている。

「ははは。まぁまぁ」

皮張りの一人掛けソファに座った初老の男性が、それを笑って受け流した。

「その程度なら許容範囲ですよ。弱者は罰せよ、がうちのモットーですから」

そう言って朗らかな笑い声を上げる。
白髪がゆらゆらと揺れた。

「もう!」赤ブチメガネの少女が頬を膨らませる。
「だからダメなんですよ! 理事長は!」

理事長と呼ばれた男性は、口元を歪めて静かに笑った。

72 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:11:39.22 ID:LAmxKKqh0.net
理事長「二人でいる時くらい、『お父さん』って呼んでくれてもいいんじゃないの?」

笑顔を崩さずに言う。

「嫌ですよ。あなたのことは嫌いですから」

徐々にお互いの顔から、表情が消えた。
しばし、無言で見つめ合う。

理事長「まぁ」

沈黙を破ると、笑みを浮かべた。

理事長「君には期待していますよ。生徒会長さん」

「ふん」赤ブチメガネの少女は鼻を鳴らした。
会長「分かっていますよ。『お父さん』」

一文字ずつ区切るように言って睨み付けると、理事長室を後にした。

73 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:15:05.96 ID:LAmxKKqh0.net
1か月後。
俺は”絶望のZ”という言葉の本来の意味を、ようやく理解した。

俺「なんだよ、これ」

自分の教室の前で、放心して立ち尽くしていた。

チャラ男「まぁ、しょうがねーんじゃねーの。弱いのが悪いんだよ」

真顔でそう言い放った。
俺はその胸倉を掴む。

俺「弱いのが悪い、だ!? 人が死ぬ理由が、それでいいのかよ!?」

Z組の教室中に死体が転がっていた。
生き残ったのは俺とチャラ男、あとは大男だけだ。

チャラ男「よくはねーけど、しょうがねぇだろ」

遠くを見つめながら、言った。

74 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:18:05.49 ID:LAmxKKqh0.net
学園内の諍いは苛烈を極めていた。

『能力を使った揉め事は、不問に処す』

このルールが、弱者を死の淵へと追いやっているのだった。

俺「ゼロ距離天照!」

「がああああ!!!!!」

俺の能力に殺傷能力はない。
しかし。
視力を奪われた人間を殺すのは、容易いことなのだ。
そう。それが例え、能力者でも。

俺「……ごめんな」

この学園に入学して、何度謝罪したか分からない。
その罪悪感も、徐々に薄れていってしまった。

75 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:22:13.94 ID:LAmxKKqh0.net
ぱつ子「俺さん!」

廊下を歩いていると、ぱつ子が駆け寄ってきた。

俺「ああ、ぱつ子か」

表情を変えずに言う。

ぱつ子「元気。無いみたいですね」

やや、寂しげな顔をしていた。

俺「そりゃ。そうだろう。こんな青春じゃあな」

Aクラス 生存者。40名中39名。
Bクラス 生存者。40名中17名。
Cクラス 生存者。40名中1名。
Zクラス 生存者。40名中。3名。

俺「異常なんだ。この学園は」

76 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:26:13.32 ID:LAmxKKqh0.net
ぱつ子「Aクラスを潰さないと。私たちに未来はないですよ」

真剣な顔をして言う。

俺「マジで、言ってんのかよ」

ぱつ子「はい。大マジです。殺人者のリストはご存知ですか」

俺「ああ、知ってるよ」

ここまで生き残っている生徒なら全員が知っているであろう。
学園内の殺害ランキングのことだ。
蹂躙された下位クラスのほとんどが、Aクラスの人間に殺されているのだ。
しかも、ほぼ3人の手によって。

ぱつ子「あれを叩かないと。私たちに未来はありません」

その言葉に一切に揺らぎはない。俺は意識が遠のくのを感じた。

77 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:26:44.85 ID:MPxdCxmq0.net


78 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:30:41.83 ID:LAmxKKqh0.net
殺害ランキングと強さには、一切関係が無い。
まずはそう断っておこう。
強さと残虐さ。
それが上回っている人間がランカーとなる。
トップランカー10位のうち、Aクラスの人間が8人を占める。
残りはBクラスに一人。Cクラスに一人だ。
中でも、上位3人の残虐性は異常だった。
Zクラス、Cクラスをそれぞれ壊滅させたものまでいる。
完全に俺の理解の上を行っていた。

俺「こいつらに、勝てと」

ぱつ子「ええ、そうよ」

ぱつ子は満面の笑みでそう答えた。

79 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:35:08.77 ID:LAmxKKqh0.net
「おーす。なんか楽しそうな話してるね」

俺は身構えた。
短めに切りそろえた黒髪を揺らしながら、長身だが細身の男がゆらゆらと近づいてきた。

ぱつ子「あれです。Cクラスの生き残り」

俺「ああ、あれが」

どう見ても隙だらけな様子で、ゆらゆらとだらしなく体を揺り動かしながらこちらに近づいてくる男を、
俺はまっすぐに見据えた。

80 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:37:27.97 ID:8nA16xFo0.net
しえん

81 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:38:00.98 ID:LAmxKKqh0.net
「あはは。そんなにさぁ、身構えないでよ」

全然まで迫ると、その男はせせら笑うようにして言った。
その距離約3メートル。一息で飛びかかれる位置にいる。

俺「こっちはふたりなんだけど。そんな余裕で良いの?」

俺は精いっぱいの虚勢を張った。
明らかに相手の方が書く上であることを自覚している。

「え、あはははは」

その男は一瞬きょとんとしたあと、高らかに笑った。

「別にいいよ。そんな駆け引き」

顔から表情が消える。

「こっちが圧倒的に強いのは分かってるからさ」

82 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:41:02.32 ID:LAmxKKqh0.net
ざざざざ。
空気が一斉にこの場から引いていった。

やばい。

この感情のみが俺を支配する。

「ああ」

男が口を開く。

「だからいいって。君たちに興味ないから」

そう言って口元を歪めた。

「強いやつとしか、戦いたくないからね」

両手を広げると、風が吹き荒れた。

83 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:43:25.98 ID:LAmxKKqh0.net
「俺はさぁ、考えたんだ」

男はスタスタと無防備に近づいてくる。

「どうやったら強いやつと戦えるかって」

やばい。
やばいやばいやばいやばいやばい。
やばいやばいやばい。

俺「逃げろ!」

重圧に負けて叫ぶ。
ぱつ子が一瞬呆気にとられた顔をして、そして駆け出した。

「そいつの全力を引き出してやればいいのさ」

ぱつ子が全身を鮮血に染めた。

84 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:45:42.98 ID:LAmxKKqh0.net
俺「ぱつ子ぉぉぉおおおお!!!!!」

駆け寄ろうとしたが、足が竦んだ。
この男に。
背を向けていいものだろうか。
俺はゆっくりと振り返る。

「へぇ」男は眉をひそめる。
「意外とさぁ、冷静なんだね」

ケタケタと笑った。

「俺はクロ」

スッ、と表情が消えた。

俺「クロ」

殺すべき相手の名前を、俺は心に刻んだ。

85 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:48:36.05 ID:LAmxKKqh0.net
俺「ああああああああ!!!!!!」

先手必勝。
まずは相手にブチ込む。
それだけを考えて突進した。

俺「ゼロ距離天照!」

「はぁ」クロはため息をついた。

俺「ぐぅ!?」

腹部に鈍い衝撃を受けて遥か後方に吹き飛ばされた。

俺「ぐぶううう」

口から血が噴き出す。
そのまま俺は壁にめり込んだ。

86 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:52:16.68 ID:LAmxKKqh0.net
クロ「やめてくれよな。そういう馬鹿の一つ覚えみたいなやつ」

また無防備に近づいてきた。

殺せ。
殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ。

クロ「学園内のやつらの能力なんて、こっちはほとんど把握してるんだよ」

殺せ殺せ殺せ。

クロ「お前はその程度なんだわ」

言って腕を振り上げた。

俺「殺すうううううううううああああああ!!!!!!」

めり込んだままその壁を全力で蹴り跳躍すると、
両手を掲げてクロに向けて飛翔した。

87 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:54:43.03 ID:LAmxKKqh0.net
俺は血塗れで床に突っ伏した。

「はぁ」またため息が聞こえる。

クロ「だからやめろっての。最愛の彼女殺してやったのに、全然化けやしねぇ」

そう言って踵を返すと、また無防備にスタスタと歩いて行ってしまう。

待てよ。

それは言葉にならなかった。
黙ってクロの後姿を見つめる。

俺は意識を失った。

88 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 03:59:54.69 ID:LAmxKKqh0.net
理事長「生徒会長は、コネでAクラスに入ったんだってさ」

そう言ってからからと笑った。

会長「話というのは、それだけでしょうか」

赤ブチのメガネの奥で、目がギラリと光る。

理事長「あははは。そんなに怒らないでくださいよぉ。私が言ったことじゃありませんからね」

会長「用件だけ言ってください」

「ふうん」理事長が窺うような視線を這わせる。

理事長「じゃあ、単刀直入に言いますよ」

89 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 04:03:29.21 ID:LAmxKKqh0.net
理事長「Aクラスでの生き残りが多すぎます。あと1週間で半分にしてください。以上」

そう言ってソファの背もたれに身を預けた。

会長「……その言葉。正気ですか」

理事長が顔を上げた。

理事長「うん。だから真面目に仕事してね」

会長「……はい。分かりました」

イラついたように理事長をねめつけると、
踵と返して部屋を出ていった。
わざと扉が音をたてるようにして閉める。

会長「1週間で半分だと……? あの耄碌ジジイが」

無人の廊下に会長の大きな足音だけが響いていた。

90 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 04:06:54.98 ID:LAmxKKqh0.net
翌日。教室に入ると教壇の前に立った。

会長「あなた達に、忠告したいことがあります」

静まり返った教室に、ピンと糸が張った。

会長「あなた達、堕落していませんか」

全員の顔を睨み付ける。

会長「ここに入った意義は、いったいなんでしょうか」

一人一人にその言葉の意味が染み渡るまで、
じっくりと間を取った。

会長「ふざけんなよ。カスどもが」

静かにそう言うと、教壇に拳を叩きつけた。

91 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 04:10:14.13 ID:LAmxKKqh0.net
「私たちは真面目にやっていますけど」

金髪の縦ロールで、巨乳の生徒が言った。

「僕たちは真面目ですよ」

白目をむいてよだれを垂らした生徒が言った。

「一生懸命、マジメです」

体の3分の1が機械でできている生徒が言った。

「いひゃああああ!!! まじめだよおおおおうううう!!!!」

坊ちゃん刈りで、牛乳瓶の底みたいなメガネをかけた生徒が言った。

会長が再び教壇を拳で叩いた。
教室が静まり返る。

会長「あなたたちは、不真面目よ。不完全だわ」

ギラギラとした視線を生徒たちに投げかけた。

92 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 04:13:18.00 ID:LAmxKKqh0.net
「じゃあ、どうすればいいのだろうか」

猫耳を付けた少女が言う。

会長「殺し合いなさい」

教壇に拳を叩きつけると、分子レベルにまでそれが崩壊した。

会長「殺し合いなさいっ!!!!!!!」

教室の空気が、割れんばかりに振動した。

93 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 04:18:35.11 ID:LAmxKKqh0.net
もはや描写すら追い付かないほどであった。
一言で表すのなら、地獄絵図。
その地獄の中で。
Aクラスの生徒は誰一人死んでいないのだ。

核爆発を起こす生徒。
全知全能の神を呼び起こす生徒。
不老不死の生徒。
地獄の底から蘇る生徒。
あらゆる攻撃を受け付けない生徒。
物理現象を無視する生徒。
頭に思い描いたことを実現する生徒。
一定時間無敵な生徒。
時間を止める生徒。
全てを無にする生徒。

それらがしのぎを削っている。
その中で。
会長はため息をついた。
なんて、つまらない。能力なのかしら。
1週間で半分。
調整の効かないその力に。
少女は辟易としていたのだった。

94 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 04:20:16.97 ID:LAmxKKqh0.net
会長「ストップ」

その言葉で生徒全員が動きを止めた。

会長「もう飽きちゃったわ。ストレスが限界なの」

理事長に与えられた任務に、疲れを感じていた。

会長「もうすべて消し去って終わらせることにするわ」

会長は両手を広げた。

95 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 04:21:52.53 ID:LAmxKKqh0.net
会長「私の能力を食らいなさい」

ゆっくりとではあるが、静かに。
生徒全員にその言葉が沁み渡った。

会長「>>96!」

場が、凍り付いた。

96 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 04:23:13.35 ID:9n021Q3O0.net
ジエンド

97 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 04:25:39.37 ID:LAmxKKqh0.net
教室の時が止まった。

会長「非常に。非情に、つまらない。能力ね」

会長はひざを折った。

その翌日。
ランキングが一気に入れ替わることとなった。

98 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 04:28:49.41 ID:LAmxKKqh0.net
クロ「うっひょお。俺2位じゃん!」

クロは掲示板の前で小躍りした。

クロ「あのAクラスの3人がいなくなったのはでかいなぁ」

ため息交じりにそう呟く。

クロ「あいつらを殺るなんて、どんなやつだよ」

そう言って、1位の会長の名前を、睨み付けた。

99 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 04:33:38.93 ID:LAmxKKqh0.net
俺「うう、ん……。ん?」

目を覚ますと、そこは保健室だった。
ちゅんちゅんと鳥の鳴き声が聞こえる。
どうやら朝までここで寝ていたようだ。

俺「セキュリティとかどうなってんだよ。この学校は」

立ち上がると、カーテンを開けた。
そこで。

俺「あわわわわ」

思わず狼狽する。
無防備な姿でぱつ子が横のベットですやすやと寝息をたてていた。

100 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 04:40:30.25 ID:LAmxKKqh0.net
ちょっといやらしい気持ちもあったが、ぱつ子はそのまま寝かせておくことにした。
戦闘向きの能力ではないから、今後の戦いについてこれるはずもない。
俺は保健室でまとめておいた資料を取り出した。
学園のネット掲示板で仕入れた情報だった。

俺「うわぁ。えげつないことになってるなぁ」

気絶している間に状況は一変していた。
Aクラスの壊滅。
残った生徒に、かなり大きな動揺を与えたことだろう。
絶対的な存在が、いなくなったわけなのだから。
とりあえず、俺は状況を整理した。

101 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 04:44:00.71 ID:LAmxKKqh0.net
Aクラス 生存者。40名中1名。
Bクラス 生存者。40名中14名。
Cクラス 生存者。40名中1名。
Zクラス 生存者。40名中。3名。

Cクラスはクロ。Zクラスは俺、チャラ男、大男だ。
他のクラスの状況が知りたかったが、それは掲示板には載っていなかった。

俺「やっぱり、このAクラスのやつだろうなぁ」

Aクラスを壊滅に追い込んだのは、やはりAクラスの人間だろう。
この一人は誰なんだろうか。
廊下を疾走しながら、俺は思考を巡らせていた。

102 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 04:48:10.16 ID:LAmxKKqh0.net
クロ「ばぁ!」

俺「うお!?」

突然頭上から登場したそれに、俺はたいそう驚かされた。
天井から逆さにぶら下がったクロの顔が、目の前に現れたのだ。

クロ「にしし。うまくいった」

そう言って廊下に飛び降りる。

俺「何してんだよ、お前は」

俺は呆れた。
よく昨日の今日でこんな登場の仕方ができるものだ。

103 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 04:50:03.99 ID:LAmxKKqh0.net
俺「ぱつ子を殺す気は、無かったんだな」

とりあえずそう確認しておくことにする。
クロが顔を上げた。

クロ「ん、ああ。お前の本気が見たくてな」

ケラケラと笑う。

クロ「でもダメだ。お前は弱いから」

俺「ああ、そうかよ」

言い返せなかった。
確かに。
俺は弱い。
ぱつ子を、守ってやれない。
悔しさに俺は拳を握りしめた。

104 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 04:57:20.50 ID:UvkKmtvI0.net
アドリブ力凄いな

105 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 05:13:58.70 ID:Npk2Wfub0.net
続きどうぞ

106 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 05:22:58.66 ID:UvkKmtvI0.net
はよ

107 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/28(土) 06:08:12.57 ID:Ua48N8a/0.net
寝たのか

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