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劣等生「俺感情がねぇんだ……」
- 1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/13(日) 13:29:28.41 ID:Z51cw0Vw0.net
- 『私たちは学内差別撤廃同盟「スリー・ハーブズ」です。私たちは生徒会と部活連に対し、対等な立場における交渉を要求します』
「プハッ!」 ──思わず噴き出した達也に教室内から奇異の目が集まったが、
「クックックックックッ……」 ──笑いの発作はその程度で収まってくれなかった。
「ねぇ、笑ってていいの?」 ──尚も放送設備を通じたアピールは続いていたが
耳から入ってくるそれを意識から締め出すことで、達也はようやく笑いを止めることができた。
「そう、だな」 ──だが、まだ少し、口調が怪しい。 「放送室を不正利用していることは間違いない。 委員会からお呼びが掛かるか」
「……何がそんなに可笑しかったんだ?」
「いや、これが笑わずにいられるか。お前はよく平気だな、レオ」
──再びこみ上げてくる笑いの衝動をこらえているのが、傍で見ていても分かる。
「スリー・ハーブズ……ククク……平均という発想自体が、区別を認めているんだがな」
「平均?」 「どういうことですか?」
「three halves、つまり1.5…… 要するに、『1』科と『2』科を平均して1.5ってこと。
差別撤廃とか言っておきながら、一科と二科の区別を存続させることを前提とした命名じゃないか」
──一瞬、キョトンとした顔をしていたが、直後、エリカとレオが盛大に噴き出した。
「な、なにそれ?」 「あ、アホだ、こいつら」
──苦しそうに身をよじる二人の傍らで、美月も失笑をこらえ切れずにいる。
- 2 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/13(日) 13:30:27.53 ID:Z51cw0Vw0.net
- 「おっと、お呼びが掛かったか。 じゃあ、行ってくる」
「あ、はい、お気をつけて」
──見送りの言葉は、美月のみ。 残る二人に、その余裕は無かった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
──途中で深雪と合流し、放送室へと向かう。しかし、その足取りは、それほど速いものではなかった。
「これは、ブランシュの仕業でしょうか?」
「団体は特定できないが、その手の輩の仕業には違いないだろうね」
──悪い予想が的中した割には、達也の表情には何処と無く安堵感が漂っている。
「いや、あの間抜けな放送をしたヤツが、知り合いじゃなくて良かったな、と」
──視線の問い掛けを感じて、言い訳するように達也は答えた。
「壬生先輩、でしたよね?」
「ああ。あんな放送をしたヤツと知り合いだなんて思われるのは恥ずかしすぎるからな」
「確かに、スリー・ハーブズという名称は滑稽ですが、要求自体は結構真面目なようですよ」
「バカをやっているという自覚無しに、真面目にバカをやるヤツの方が救い難い……っと」
- 3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/13(日) 13:30:57.19 ID:Z51cw0Vw0.net
- 東に横浜港、北に(度重なる日中直接軍事衝突にも関わらず)二十一世紀末の現在においても尚、繁盛を続けている横浜中華街を臨む高台に、二人を乗せた電動車は止まった。
「……敵国の工作員がウジャウジャいるって分かってるのに閉鎖も検問も行わないなんて、政治家は一体何を考えているのかしら」
中華街を見下ろしながら忌々しげに呟く藤林の隣で、達也は肩をすくめた。
「あの街は本国の圧政から逃れた華僑の、本国に対する主要抵抗拠点の一つ、というのが建前ですから」
「そんなの嘘に決まってるじゃない」
「建前ですから」
「限度というものがあります。
こっちが勝ったといっても講和条約が締結されていない以上、我が国と大亜連合は三年前から休戦状態にあるだけで、法的には交戦関係が継続中なのに。
工作活動の拠点になってる、って誰もが分かっていながら、誰もメスを入れようとしないだなんて」
「もしかしたら、その『誰か』は結構な数に上るかもしれませんよ」
今にも舌打ちしそうな勢いの藤林に、達也は飄々とした口調で答えた。
そのつまらなさそうな回答に、藤林は目を丸くして達也を凝視した。
「……何か知ってるの?」
「いえ、単なる願望ですよ」
- 4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/13(日) 13:39:22.14 ID:0qPBQDQk0.net
- 3行で説明しろぼんくら
- 5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/13(日) 13:41:38.60 ID:LEvULEA40.net
- http://i.imgur.com/94L3Edk.jpg
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