朝の香りは素晴らしいけれど

以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします

茶色の軽く焦げ目のついた麦パン、緑色のみずみずしいレタス、紫色のレッドオニオンにマヨネーズのかかったツナ、卵の白身にコンソメジュラ、赤ピンクのトマトは食欲をそそる色をしていて、奥には黄身が隠れているだろう。
黒色のアイスコーヒーをズズリと啜る。朝らしい香りが鼻を突く。私はそれらを一口で飲み込み、じっくりと咀嚼する。サンドウィッチの色は消えていた、私が消したのだ。後に残ったのは苦く冷たいだけの液体とトレイ、透明な紙置きと小さな満腹感だけだった。
席を立ち店を出ると、人混みがあった。そこはすでに私の場所ではなくなっていた。時間にコントロールされたパペットの群れは次第に私を飲み込み、気がつけば私自身にも糸が括りつけられ、逃げることは出来なくなっていた。