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安価で学園能力バトル
- 1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 15:41:47.13 ID:VN5peL030.net
- 主人公は異能者養成学園の校門前にいた。
主人公の能力 >>5
- 2 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 15:44:25.70 ID:VN5peL030.net
- 主「ここか……」
学園をいざ目の前にすると、校門をくぐるのをやや躊躇した。
主「ノリで入学したけど、俺なんかが入って大丈夫かな……」
ウロウロと校門前を歩いていたが、意を決して中に入る。
主「俺のクラスは、と」
クラス分けの掲示板の前まで来た。
- 3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 15:47:06.09 ID:X6iFnqnB0.net
- ksk
- 4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 15:47:22.71 ID:c3IbrNBb0.net
- ksk
- 5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 15:47:24.44 ID:l0BJi/wo0.net
- 季節が反転する
- 6 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 15:47:27.90 ID:X6iFnqnB0.net
- 身体能力一時強化、しかしその間理性を失うand食った奴の能力を得る
- 7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 15:48:45.07 ID:VN5peL030.net
- A、B、C、Dと4クラスに分かれているらしい。
どうやら能力の強さによって振り分けられているようだ。
Aが最も優れた能力者で、アルファベット順に下がっていくといった具合だ。
主「なるほど。俺は>>10クラスか……。ちょっと不安になってきた」
- 8 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 15:49:10.86 ID:c3IbrNBb0.net
- c
- 9 :!ryokin:2014/07/19(土) 15:49:35.44 ID:hvGkT1Af0.net
- S
- 10 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 15:49:44.18 ID:yIS6I7/10.net
- d
- 11 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 15:52:53.27 ID:VN5peL030.net
- 主「まぁ、妥当なとこだよね。俺弱いし」
主人公はDクラスへ向かった。
どうやら校舎の一番端っこらしい。
主「ん。なんだあれ」
向かう途中、廊下に人だかりができているのが目に入る。
主「まだ時間あるし、行ってみるかな」
- 12 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 15:54:47.78 ID:VN5peL030.net
- 「おめぇどこのクラスだオラァ!」
時代錯誤のリーゼントが何やら喚いている。
「ひぃぃ……。すいません……」
その目の前に、怯えきった様子の女生徒がいた。
肩ほどまで黒髪を伸ばしていて、前髪をぱつんと切りそろえている。
不良「すいませんじゃねぇんだよ! 質問に答えろや!」
ぱつ子「ひぅぅぅ……」
- 13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 15:55:48.71 ID:VN5peL030.net
- 主「どうしよう……。助けようかな」
少しためらった。
主「俺弱いしな……」
助けるか? >>15
- 14 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 15:56:49.09 ID:t0VmVltI0.net
- 警察に通報
- 15 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 15:57:34.51 ID:X6iFnqnB0.net
- 性交する
- 16 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 15:57:43.49 ID:jphKa5Lu0.net
- うるさいので不良も女子生徒も倒す
- 17 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 15:59:41.62 ID:VN5peL030.net
- 主「やばい。なんかムラムラしてきた」
主人公にはリョナ気質が備わっていた。
不良「なんとか言えやコラァ!」
ぱつ子「だ、誰か……」
ぱつ子は助けを求めたが、みんな見て見ぬふりをしていた。
主「待て」
主人公が割って入る。
不良「なんだぁ? てめぇは。下がってろ!」
主「お前が退け。その子は俺の獲物だ」
- 18 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:01:05.46 ID:VN5peL030.net
- 不良「は? 何言って」
言いかけた不良の顔面に主人公の拳がめり込んだ。
主「退けと言ったはずだ」
そしてぱつ子の方へ振り返った。
ぱつ子「あの、助けていただいて、ありが」
主「頼む。一発やらせてくれ」
ぱつ子「……はい?」
- 19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:02:38.67 ID:VN5peL030.net
- 主「君は怪我をしているだろう? 早く保健室に行かないとな!」
ぱつ子をお姫様抱っこで抱え上げると、保健室へ向けて疾走した。
ぱつ子「きゃああああ! 降ろしてくださいいいいい!!!!」
廊下に絶叫がこだまする。
主「ここか!」
キキッ! と音をたてて主人公は止まった。
主「さて! やるか!」
ぱつ子「いったい何をですかぁ!」
- 20 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:05:08.50 ID:VN5peL030.net
- ガラガラと音をたてて保健室の扉が開いた。
「何かしら? 病人?」
保険医だろうか。白衣を着た女性が椅子に座ったままこちらへ向き直った。
モデルのようなスタイルをしている。
主「まぁ、病人というか。なんというか、体の一部が腫れているというか」
主人公は自分の股間を見やった。
保「あら、それは大変ね」
主「と、いうことだからあなたは出て行ってください。あとは僕と彼女の問題なので」
保「……どういうこと?」
ぱつ子「私にも分かりません……」
- 21 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:06:31.95 ID:VN5peL030.net
- 保「あとは私がやっておくから。あなたは教室へ戻ってなさい」
強い口調でそう告げた。
主「くそっ。邪魔しやがって」
主人公は保健室前の廊下に取り残される。
主「まぁ、仕方ないか。初日から飛ばし過ぎも良くないしな」
諦めてDクラスへ向かうことにした。
- 22 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:08:39.08 ID:VN5peL030.net
- 不良「おい」
声をかけられたので振り向くと、先程の不良が仲間を引き連れて立っていた。
1、2、3。
……3人か。
主「あー、これはめんどくさい」
逃げる? 戦う? >>24
- 23 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:09:42.48 ID:c3IbrNBb0.net
- たたかう
- 24 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:09:46.67 ID:X6iFnqnB0.net
- ワンパンKO
内臓引きずり出して校門に吊るしておく
- 25 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:11:55.23 ID:VN5peL030.net
- 不良達「このボケが! 死ねやぁ!」
有無を言わさず殴りかかってきた。
主「……はぁ。めんどくさ」
数秒後。
足元に三人の亡骸が転がっていた。
主「死体処理する側のことも考えてほしいよなぁ……」
見せしめに内臓を引きずり出して校門に吊るしておいた。
主「うん! これはなかなかのアートだな!」
主人公は満足した表情を浮かべ、自身の教室に向かった。
- 26 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:14:09.54 ID:6ERGP9H/0.net
- またお前かよ何度も同じようなスレ立てやがっていいぞもっとやれ
- 27 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:14:49.33 ID:VN5peL030.net
- 教室へ着くともうホームルームが始まっていた。
女教師「遅いわよ! 初日から遅刻って何考えているの!?」
ぴしゃりと言い放つ。
新任なのか随分と若い。なかなかにエロい体をしている。
主「はぁ……。すいません。不良に絡まれた女の子を助けていたので……」
教師はため息をついた。
女教師「そういうテンプレ的な言い訳は良いから。早く席に着きなさい」
初日からあまり目立ちたくないのにな。
主人公は再度謝ると、そそくさと席に着いた。
- 28 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:18:42.48 ID:VN5peL030.net
- 女教師「主人公君のためにまた同じ話をするけど」
厭味ったらしい言い方だった。
女教師「この学園では成績によってクラスが振り分けられるの。
それこそ、学期中に編成が変わることもあるわ」
黒板にチョークで詳細を書きながら説明する。
女教師「2年次に進級するとき、Dクラスのままだった場合。
またはCクラスで下位の成績だった場合。
この二つの条件、いずれかを満たした生徒は……」
そこで教卓に両手を置き、一呼吸ついた。
女教師「殺処分よ」
どよめきがクラスに起こった。
- 29 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:21:57.13 ID:VN5peL030.net
- 「聞いてねーぞそんなの!」
「殺処分って何よ!」
教室中に文句が飛び交う。
女教師は目を閉じて黙って聞いていたが、
静かに両手を上げると、そのまま教卓に叩きつけた。
バァン!
大気が震えるほどの音だった。
生徒は一様に耳を両手で押さえる。
女教師「うるっさいわねぇ……」
なるほど。こいつも能力者か。
ただ一人冷静な主人公が、納得したようにうなずいていた。
- 30 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:24:56.13 ID:VN5peL030.net
- そのあと何事もなかったように説明は進んだ。
先程とは打って変わって騒ぐ生徒はいない。
全員が口をつぐんで真剣に耳を傾けている。
「要約すると、こういうことだよね」
ホームルームが終わった後、
クラスメートたちでやいのやいのと相談が始まった。
何しろ殺処分されるというのだから。
誰もそんなことは望んでいない。
「上のクラスに上がる条件は、このくらいかな」
クラスメートがカリカリと音をたてて、黒板に文字を並べ始めた。
- 31 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:27:35.30 ID:VN5peL030.net
- 1.中間・期末技能テストでいい成績を収めること。
2.能力バトルで上位成績者からポイントを奪う。
3.特殊技能資格を取得すること。
大きく分けるとこの三つだ。
主「なるほど。とりあえず上のやつに勝てばいいんだな」
主人公は先程の不良を思い出した。
ちゃんと能力バトルで屠っておけばよかったかな。
少し後悔する。
「いや、それが一番難しいと思うよ」
クラスメートが口を挟んだ。
- 32 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:32:22.46 ID:VN5peL030.net
- 主「なんで?」
「そりゃ当然だろ。僕たちがDクラスになった理由を考えて見なよ。
能力で劣ってる僕たちが勝つなんて、番狂わせでもない限り無理なんだよ」
ドヤ顔で言ったので主人公は少しムカついた。
主「へぇ? じゃあ能力で劣ってる俺たちがテストでいい点とれるとでも?
それとも上のクラスのやつが取れないような難しい資格を取れるって?
それこそ番狂わせでもない限り無理なんじゃないかなぁ。
勝負ってのはその時のあやで何とかなると思うんだよね。
でもテストや資格試験って努力の積み重ねを発揮するわけでしょ?
そんなところで太刀打ちできるわけないよね。何を考えているのか知らないけど。
そもそもがまだ初日で何もわからない状況であーだこーだ言うのがナンセンスだよ。
かしこぶって仕切りたいのは分かるけどさ。
人に意見できるような器じゃないよね、お前」
息継ぎもせずに一気にそこまで言った。
- 33 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:34:39.10 ID:VN5peL030.net
- 主「で? 何か言いたいことある?」
クラスメートは悔しそうに俯いた。
「……別に。何も」
主「はい、論破。俺の勝ち。これも能力バトルで勝ったことにならないのかな。
ああでも意味ないか。俺より下のレベルのやつに勝ってもポイント奪えないみたいだし。
あー、すげー時間無駄にしたわぁ」
俯いたままの生徒の顔を、下から見上げながら言う。
主「じゃあトイレ行って来よっと」
勝ち誇った顔で主人公は廊下に出た。
- 34 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:37:11.01 ID:VN5peL030.net
- 主「なんでこんなにトイレが遠いんだよ……」
Dクラスは旧校舎の一番端っこにあるのだが、
本校舎の方まで来ないと綺麗なトイレが無いのだった。
主「和式便所でうんこしたくないしなぁ」
洋式のトイレでのんびりと排便を済ませると、
すっきりした顔で扉を勢いよく開けた。
「いったぁ!!!」
どうやら廊下に人がいたらしい。
女生徒叫び声がする。
主「あ、ごめんなさい」
反射的に謝罪の言葉が出た。
- 35 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:41:00.47 ID:VN5peL030.net
- 主「あれ。声がしたのに誰もいない」
キョロキョロと廊下を見渡したが、人の姿はない。
「ここよ、ここ! まったく信じらんない!」
下を向くと、自分のおなかのあたりにこちらを見上げる怒った顔があった。
腰ほどまでに伸ばした金髪を、真っ赤なカチューシャで留めている。
主「ああ、ごめんねぇ。……ところでなんで子供がいるんだ?
ここは小学校じゃないよ」
主人公はできるだけ優しく言った。
子供の顔がみるみる真っ赤になる。
子供「子供じゃないよ! ここの生徒だもん!」
- 36 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:43:24.42 ID:VN5peL030.net
- 主「はぁ?」
主人公は面食らった。どう見ても10歳くらいにしか見えない。
主「飛び級制度とかいう奴か? 進んでるなぁ」
しみじみとした様子で言う。
子供「違うわよ! 正真正銘、ムチムチの女子高生だよ!
今日付けで1年A組に配属されたんだもん!」
真っ赤な顔で喚く。
主「……マジか」
ん? A組?
主「君、A組なの?」
子供「そうだよ! 謝って!」
これはチャンスだな。主人公はそう思った。
- 37 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:46:07.82 ID:VN5peL030.net
- 主「謝れ? 嫌だよ、ばぁーか」
あっかんべーをしながら言う。
子供は一瞬きょとんとした顔を見せたが、
ギリギリと歯を食いしばると目に涙を浮かべた。
子供「なんで馬鹿とかいうの!? そっちからぶつかってきたのに!」
地団太を踏みながら叫ぶ。
そうだ。こいつを怒らせれば。
主「怒り方が完全にガキじゃん。お家に帰ってママのおっぱいでも吸ってまちょうねぇ」
心の底から馬鹿にしたように言う。
子供「……もう怒った。能力バトルよ」
来た!
主人公は心の中でガッツポーズをした。
- 38 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:47:21.22 ID:VN5peL030.net
- 子供「くらいなさいよ! Aクラスの能力>>41を!」
主「おら、かかって来いよ。クソガキ」
どうせこんなナリじゃ大したことないだろう。
主人公は口元を歪めて笑った。
- 39 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:49:29.36 ID:Ur9UxIw10.net
- ksk
- 40 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:49:46.38 ID:c3IbrNBb0.net
- かそくした
- 41 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:49:47.39 ID:l0BJi/wo0.net
- 体を大きさを6倍に成長させる
- 42 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:49:54.24 ID:Tp/aOlDx0.net
- st
- 43 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:49:55.49 ID:P/qqws+dO.net
- 自分にかかる重力を操れる
例 浮いたり壁に反って歩いたり走ったりできる
- 44 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:56:24.76 ID:VN5peL030.net
- 主人公「はっ! あがくと余計に痛い目見るぜ!」
子供の顔面めがけて拳を振り下ろす。
しかし子供、しかも女に手を上げるというのはいささか抵抗があった。
軽くぶつける程度でいいだろうか。
真剣勝負では、その一瞬の躊躇が命取りになる。
ピコピコハンマー
子供「”打ち出の小槌”!」
確実に主人公の拳はその顔面を捉えたはずだった。
主「いっ!?」
なにやら固いものを殴った感触があった。
よく見るとそれは膝だった。
子供「踏みつぶしてやるんだから」
遥か頭上から声が降ってきた。
- 45 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 16:59:22.17 ID:VN5peL030.net
- 見上げると、中腰になった巨大な子供がいる。
それでも天井に背中をするほどの大きさだ。
主「わぷっ」
金色の髪の毛に飲み込まれた。身動きが取れない。
メリメリという音をたてて天井の破片が中空を舞う。
子供「死ねぇ!」
主「やば」
激しい爆音と砂埃を立てて、主人公は巨大な足の下敷きになった。
主「あ、がっ……」
- 46 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:00:43.51 ID:VN5peL030.net
- 子供「あははー! どう? 痛いぃ?」
全体重をかけて、ぐりぐりと足をひねる。
主「ぐぷっ」
口から鮮血が溢れた。
子供「許さないんだから。そのまま死んじゃいなさい」
主「……っ」
そのまま意識がブラックアウトした。
- 47 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:03:30.04 ID:VN5peL030.net
- 主「……っ!?」
ガバッ、と勢いよく飛び起きた。
状況を整理するためキョロキョロとあたりを見渡す。
保「あら、お目覚め?」
どうやら保健室のようだ。保険医が妖艶な笑みを浮かべている。
主「いってぇ……」
全身が包帯でグルグル巻きになっていた。
保「私の能力で治しておいてあげたけど。運が悪かったら死んでたよ、君」
主「……」
その言葉に、ぞわぞわとした何かが背中を上がってくるのを感じた。
- 48 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:06:36.39 ID:VN5peL030.net
- 気絶している間に放課後になっていたようだ。
学校に残っていても仕方がない。主人公は家に帰ることにした。
主「まだいてぇな。クソ」
歩くだけでも体が軋むようだった。
主「やっぱA組は伊達じゃねぇなぁ」
呟くように言うと、口元を歪めた。
主「さっさと強くなって絶対に殺してやる」
主人公の心の中に、どす黒いものが広がっていった。
- 49 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:08:03.13 ID:VN5peL030.net
- 保険医の能力のおかげだろうか。
一晩寝ると体の痛みもすっかり引いていた。
主「順番で行けばC組なんだろうけど」
朝の支度をしながら考える。
主「チマチマいくのは性にあわねーな。今日はB組狙っていくか」
とりあえず学校についたら生徒名簿でも覗いてみるか。
そう思いながら玄関をくぐった。
- 50 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:10:04.69 ID:VN5peL030.net
- 退屈な授業が続いていた。
基本的に能力バトルは早朝、昼休み、放課後にしかできないらしい。
学校へ着くなり、昨日の一件で手ひどく怒られた。
主「早く放課後にならねぇかな」
授業も上の空で、そんなことばかり考えていた。
- 51 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:12:02.10 ID:VN5peL030.net
- キーンコーンカーンコーン。
授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
主「よし。放課後だ」
昼休みに名簿を見たので、B組のやつらは大抵頭に入っている。
主「手当たり次第にやってやるぜぇ」
とりあえずどこへ行くのがいいかな。
中庭? 教室? etc.? >>54
- 52 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:12:45.56 ID:Tp/aOlDx0.net
- st
- 53 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:13:22.18 ID:Tp/aOlDx0.net
- st
- 54 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:13:23.83 ID:P/qqws+dO.net
- 理科室
- 55 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:13:24.25 ID:c3IbrNBb0.net
- プール
- 56 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:16:08.63 ID:VN5peL030.net
- 主「たのもー!」
ガラガラと音をたてて引き戸が開いた。
実験のようなことをしていた数人の生徒が、いっせいにこちらを向いた。
主「放課後までお勉強してないでさぁ。能力バトルしようよ」
言いながら理科室を見渡す。
Aクラスが一人。Bクラスが4人。Cクラスが3人か。
主「できたらお前かお前かお前かお前がいいな」
Bクラスの4人をそれぞれ指さしながら言った。
- 57 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:18:12.66 ID:VN5peL030.net
- 「……なんなの? あなた?」
ショートヘアの黒髪をサラサラとなびかせながら、
黒縁のメガネをかけた生徒がこちらへ歩み寄ってきた。
おあつらえ向きにB組の生徒だった。
主「早くポイント稼ぎたくてさぁ。頼むよ、ねっ」
顔の前で両手を合わせ、片目を閉じてお願いする。
黒縁「……はぁ。私、あなたみたいにチャラチャラした人、嫌いなんですよね」
メガネの奥で大きな瞳がギラリと妖しく光った。
- 58 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:21:09.34 ID:VN5peL030.net
- 「じゃあがんばってねー」
残っていた数人の生徒は、テキパキと用具を片付けると理科室を出て行った。
主「ん? 別に出て行くことないのに」
主人公は首を傾げる。
「はあ」黒縁がわざとらしく大きなため息をついた。
黒縁「何も知らないのね。すべてにおいて能力バトルは優先されるんですよ。
つまり部活動中にケンカ売られたら部活は中止になるの」
主「そうなんだ」
黒縁「楽しい実験中だったのだけれど」
ビリビリと空気が震えた。
- 59 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:22:29.11 ID:VN5peL030.net
- 主「実験する部活って何? 面白いの?」
黒縁「はぁ……。お願いだから黙ってください。
とっとと終わらせるよ。私の>>63で」
主「まぁなんでもいいけど」
昨日のような不覚を取らないため、主人公は身構えた。
- 60 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:23:37.84 ID:c3IbrNBb0.net
- 得体の知れない生物をアナルから高速で出産
- 61 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:23:46.11 ID:Tp/aOlDx0.net
-
- 62 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:24:13.53 ID:Tp/aOlDx0.net
- st
- 63 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:24:15.22 ID:l0BJi/wo0.net
- 相手を取り込んで融合する
- 64 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:24:15.28 ID:P/qqws+dO.net
- 圏内=自分までネットワークに繋がってる物を操れるwi-fi人間
(一つの物しか操れない重複操作は無理
電源を落としてるのやネットへの接続が切れてるのも無理)
- 65 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:29:55.55 ID:VN5peL030.net
- 黒縁「さっさと行きますよ……」
無防備にこちらに歩いてくる。
主「ずいぶん余裕だね」
プロティスト
黒縁「ええ。どうせあなたDクラスのようだし。私の”溶融香炉”の敵ではありません」
主「んん?」
何やら黒縁の表面がテラテラと光っているのに気付いた。
そう、まるでナメクジのような。
主「あ」
気付くと目の前に立っている黒縁の、
体の表面が粘液に覆われている。
- 66 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:32:29.06 ID:VN5peL030.net
- 黒縁「遅いっ!」
先程までの緩慢な動きと相まって、一瞬反応が遅れてしまった。
主「くそっ!」
横に飛びのいた主人公のわき腹のあたりに黒縁の右腕が付着する。
何かがぶつかった感触はほとんどない。
それはデロデロとスライムのように溶けていった。
主「なんだよこれ」
頭がボーっとして立っているのがやっとになった。
体中をけだるさが支配している。
黒縁「捕縛完了です。勝負は終わりですね」
無表情のままそう告げた。
- 67 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:37:59.56 ID:VN5peL030.net
- 主「何言ってんだよ。まだ終わってねーぞ」
そう強がるが、目の前にいる相手に飛びかかる力が湧いてこない。
黒縁はそんな様子を見て鼻で笑った。
黒縁「今、あなたは私に取り込まれました。言ってしまえば支配下にあるの。
むしろよく意識を保っていられるもんだと、少しばかり驚いてるけど」
その言葉に主人公は自分のわき腹のあたりを見た。
黒縁の右腕が完全に同化している。
主「同化するとか、どうかしてるぜ」
黒縁「……くだらないこと言う人も嫌いです」
主「うぇっ!?」
体の自由を奪われた主人公は、自らの頭を机の角に叩きつけた。
目の前に血の飛沫が舞う。
こいつ……。
そのまま5度ほど激しくぶつけたところで、完全に意識が途切れてしまった。
- 68 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:39:23.27 ID:PgsZ28cB0.net
- 主人公の態度と実力が全く釣り合ってないんだが
- 69 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:40:32.86 ID:VN5peL030.net
- 主「……」
例に漏れず保健室で目を覚ました。
黒縁「気付きました?」
濡れタオルを絞っていた黒縁がそう声をかける。
主「……君が看病してくれてたの?」
黒縁「ええ。私が怪我させたんだからね」
額にタオルが乗せられると、ひんやりとした感触が伝わってきた。
主「……いいやつだな。お前」
黒縁「そうですか?」
小首を傾げてそう言った。
- 70 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:43:34.59 ID:VN5peL030.net
- 黒縁「じゃあ、私はこれで」
主「ああ。また明日な」
歩き出そうとした黒縁が、足を止めて振り返った。
黒縁「……明日?」
主「ああ。明日も会おう」
力強く頷く。
主「俺、お前のこと好きになったわ」
「はあ」黒縁はため息を吐く。
黒縁「……私、チャラチャラしててくだらないこと言って弱い人が大嫌いなんです」
そう言って踵を返すと歩き出した。
黒縁「さようなら」
主人公はその背中を黙って見つめていた。
- 71 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:46:02.44 ID:VN5peL030.net
- 主「ああ。黒縁……」
主人公は自室のベッドで悶えていた。
主「黒縁……。黒縁ぃぃぃ……っ!」
枕を抱きしめ、バタバタと足でベッドを叩く。
主「よし、決めた」
動きを止め、すっくと立ち上がった。
主「俺は黒縁のために強くなる。そのために特訓だ」
ジャージに着替えると夜の闇に飛び出していった。
- 72 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:48:37.84 ID:VN5peL030.net
- 主「ふゎ……、眠ぃ……」
翌日。授業の大半は寝て過ごした。
明るくなるまで特訓をしていたせいだ。
主「……もう放課後か」
さすがにこうも惨敗が続くと、バトルする気も少し失せていた。
女教師「ちょっと、主人公君。ちょっと来なさい」
主「はい?」
なにかエロい展開でもあるのだろうか。
だらしなく口元を緩めて教師の後についていった。
- 73 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:51:11.50 ID:VN5peL030.net
- 女教師「あなたが真面目に授業を受けないって、他の先生から苦情が来ているのよ」
生徒指導室のパイプ椅子に腰かけ、足を組み替えながらそう言った。
思わず目線がそちらへいってしまう。
女教師「……聞いてるの?」
明らかに苛立ったようにしている。
主「……はい。聞いています」
教師にこっぴどく怒られるなんて何年振りだろうか。
そのまま1時間ほど涙目で説教を受けた。
- 74 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:54:29.88 ID:VN5peL030.net
- 子供「あー、もう! なんなよ毎日!」
長い金髪を風にたなびかせながら、中庭で子供が地団太を踏んでいる。
その足元には数人の生徒が倒れていた。
子供「倒しても倒してもゴキブリみたいに湧いてきて! キリがないわ!」
足元の生徒をけっ飛ばした。
呻くような声が漏れる。
「あーあー、やめなよ。倒れてる人をやるのは」
子供「ああ!?」
振り返ると、整った顔立ちの生徒が立っている。
短く切りそろえた黒髪はまるで坊ちゃん刈りのようだった。
- 75 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:56:59.83 ID:VN5peL030.net
- 子供「あっはは! 何よその髪型! 中学生みたい!」
咎めた生徒を指さすと、おなかを抱えて笑った。
坊ちゃん刈りも「ふふふ」とにこやかに笑う。
坊「君も小学生みたいでかわいいね」
ニコニコとした笑みを浮かべたまま言った。
子供「……ふん。前にその言葉を言ったやつはね、
全身の骨を砕かれて無様に脱糞してたわよ」
ジロリと睨み付ける。
坊「そうなんだ。僕はお漏らしはしたくないなぁ」
相変わらずの笑みをたたえたまま、そう返した。
- 76 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:58:00.58 ID:VN5peL030.net
- 坊「そういうことだから。能力>>80で抵抗させてもらうね」
子供「はんっ! A組に勝てると思わないことね!」
中庭に大きな風が吹いた。
- 77 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:58:19.73 ID:Tp/aOlDx0.net
- st
- 78 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:58:22.14 ID:P/qqws+dO.net
- 範囲7mまで自分が記憶してる場所まで瞬間移動
- 79 :以下、VIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:07:06.79 ID:lprKV6tXM
- ワロw
- 80 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:59:22.02 ID:P/qqws+dO.net
- >>78
- 81 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:59:23.02 ID:Ur9UxIw10.net
- 無音で暗闇の閉所に数日間閉じ込めて精神的に追い詰める能力
- 82 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 17:59:23.10 ID:Tp/aOlDx0.net
- st
- 83 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:05:00.13 ID:VN5peL030.net
- 強風が中庭の木の葉を散らした。
ピコピコハンマー
子供「確定死刑よ! ”打ち出の小槌”!」
みるみるとその体大きくなると坊ちゃん刈りを見下ろした。
子供「どうかしら!?」
勝ち誇ったように言う。
坊「はー、すごい能力だねぇ。壊れないといいけど」
子供「はぁ?」
ブラックボックス
坊「怖くなったらすぐ言ってね? ”不死鳥の巣箱”」
子供「えっ。あれ」
気付くと闇の中にいた。
- 84 :以下、VIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:07:38.17 ID:lprKV6tXM
- オナラで防御
- 85 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:07:37.93 ID:VN5peL030.net
- 坊「ごめん! ホントごめんね……?
そんなに怖がると思わなくて……」
子供「わああああああああん!!! わあああああ!!!!!」
子供が中庭の地べたに突っ伏して泣いていた。
坊「困っちゃったな……」
子供「うわあああああああ!!!! ああああああああ!!!!」
泣き叫ぶ声はそのまま30分ほど続いていた。
- 86 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:09:49.91 ID:VN5peL030.net
- 子供「ぐすっ……。ぐすっ……」
坊「……落ち着いたかな?」
座り込んだままの子供の顔を、坊ちゃん刈りが中腰で覗き込んだ。
それをジロリ、と睨み付ける。
子供「……絶対許さない」
坊「だから、ごめんって」
ピコピコハンマー
子供「嫌なの! 許さないの! ”打ち出の小槌”!」
またみるみると体が成長した。
坊「……まだやるのかい」
呆れたように言った。
- 87 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:12:12.34 ID:VN5peL030.net
- 子供「わああああ!!!!!」
ドシンドシンと音をたてて地鳴りが響く。
坊「くっ……!?」
横っ飛びで間一髪避けた。
子供「さっきのは油断してただけなんだから!
もう同じ手は二度と食わないし!」
救い上げるように右手を薙ぐと、坊ちゃん刈りの体が中空を舞った。
坊「うわっ!」
子供「ズバーン!」
バレーのアタックのように、そのまま地面に叩きつけた。
- 88 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:15:18.18 ID:VN5peL030.net
- 坊「ぐぅっ……」
立ち上がろうとしたがそれはかなわなかった。
どうやら数か所骨折しているようだ。
痛みもひどいが、一部の部位が麻痺したように動かない。
坊「ごめん。参った。もう降参するから」
倒れたままひらひらと手で仰ぐ。
子供「嫌だよ。許さない。もう殺すって決めたもん」
怒りに満ちた表情でそう言うと、右足を振り上げた。
坊「……くっ」
諦めたように固く目を閉じた。
- 89 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:18:52.58 ID:VN5peL030.net
- 保「はーい、ダメダメ。ストップ」
その声に子供の動きが止まった。
子供「だってこいつが……」
保「やり過ぎよ。治療するこっちの身にもなって」
子供「でも……」
保「でもじゃないっ!!!」
子供「ひぐっ!?」
保「やめなさい! 分かったわね!?」
子供「……はい」
涙目の子供がシュルシュルと縮んでいった。
- 90 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:21:49.56 ID:VN5peL030.net
- 坊「助かりました。ありがとうございます」
保「いいわよ別に。こっちの都合でもあるから」
坊ちゃん刈りは保健室のベッドに横になっていた。
坊「でも、すごいですよね。おそらく何か所か骨折していたはずなのに」
自分の両手をまじまじと見る。
それを聞いて保険医は笑った。
保「あんまり舐めないでよ。うちの教師は全員元A組しかなれないんだから」
坊「……そう、だったんですか。道理で」
驚きのあまり、呆けたような顔でそう言った。
- 91 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:23:50.20 ID:VN5peL030.net
- 入学してから約3か月の月日が流れた。
主「うしっ! 時は来たり!」
いつもよりも気合を入れて髪型をセットした。
主「だいぶ遅れちまったが、鮮烈なデビューを飾ってやろう」
主人公の中で、二度の敗戦は無かったことになっているらしい。
主「じゃあ、行くかね」
下心丸出しのだらしない顔で、主人公は家を飛び出すのだった。
- 92 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:26:52.73 ID:VN5peL030.net
- その日は放課後が待ち遠しかった。
あれ以来授業も真面目に受けている。
特訓も毎日欠かさずに続けていた。
主「意外と授業でやることはためになるんだよなぁ。これは盲点だった」
そのすべてを吸収してきたつもりだ。
たゆまぬ努力は自信に、そして確信に変わりつつある。
キーンコーンカーンコーン。
主「さて。行くか」
終業を告げるチャイムの音が、戦いのゴングのように聞こえた。
- 93 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:27:47.78 ID:VN5peL030.net
- 主「さて、どこへ行こうか」
中庭? 教室? etc.?>>95
- 94 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:28:40.06 ID:Tp/aOlDx0.net
-
- 95 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:29:05.68 ID:Tp/aOlDx0.net
- st
- 96 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:29:12.64 ID:c3IbrNBb0.net
- プール
- 97 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:29:14.45 ID:l0BJi/wo0.net
- 特殊学級
- 98 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:33:42.41 ID:VN5peL030.net
- 主「なにかここだけ異様な空気が漂っているな。
強者がいるに違いない」
ドア上に掲げられたプレートに「特殊学級」と書かれている。
イレギュラー
主「この異能者だらけの学園で、さらに”特殊”なんだ。
寒気すら覚えるな」
意を決してドアに手をかけると、一気に横にスライドさせた。
主「誰か相手してくれないか」
教室を見渡しながら言う。
もっと大勢いるものかと思ったが、意に反して一人しか生徒がいなかった。
特「あう?」
その巨体が振り返った。
- 99 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:36:58.00 ID:VN5peL030.net
- 主「まぁ一人なら好都合! 手合せ願おうか!」
叫ぶや身構える。
しかし特殊学級の生徒は首を傾げるばかりで反応がいまいちだった。
特「……あう?」
主人公はやや苛立つのを覚えた。
主「こちらが気勢を上げてやってきているというのに、なんなんだその態度は」
それを聞いた特殊学級の生徒がポンと手を打った。
合点がいったらしい。
特「うあああああああああ!!!!!!!!!!」
突然奇声を上げて突進してきた。
- 100 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:38:38.44 ID:VN5peL030.net
- 特「あううううあああ!!!!>>103」
主「くっ!? 奇襲で能力発動とは!」
こいつ、なかなかやるな。
主人公がニヤリと口元を歪めた。
- 101 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:40:28.45 ID:Tp/aOlDx0.net
-
- 102 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:43:48.43 ID:PMSYsZWs0.net
- ksk
- 103 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:44:28.84 ID:XG+YGFpe0.net
- 触れた生物をおともだちにする能力
- 104 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:45:01.84 ID:Tp/aOlDx0.net
- st
- 105 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:45:04.12 ID:P/qqws+dO.net
- 触れられたら相手も同じ池沼になる 二度と戻らない
- 106 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:45:04.29 ID:Ur9UxIw10.net
- パルプンテ
- 107 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:45:08.25 ID:PMSYsZWs0.net
- コネコネしたパンを瞬時に量産する
- 108 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:45:19.69 ID:c3IbrNBb0.net
- 部屋の全員を同じ金属の樽の中に閉じ込める
- 109 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:50:37.81 ID:VN5peL030.net
- 主「うおっ!?」
間一髪体を仰け反らせて拳を避けた。
くらったら一撃で持っていかれそうな質量を感じる。
フューネラル
特「”混沌より出でし魔物と従者の宴”」
呟くように言った。
主「……なんだよ。なんか雰囲気あるな」
教室の空気が重くなったような印象を受ける。
ジリジリと空気が焼け付いた。
特「うああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
主「やべぇな! こりゃ!」
地面を強く蹴りつけた。
- 110 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:54:24.31 ID:VN5peL030.net
- 主「くっ!」
飛びのきドアの上枠に掴まると、反動を利用してそのまま廊下へ転がり出る。
特「あうああああ!!! うあああああ!!!!!」
滅茶苦茶に腕を振り回しながら主人公のあとに続いた。
主「ちぃっ!」
バリィン!
窓を突き破り、空中に飛び出した。
3階だから死なないはず。
主「うおおおおっ!?」
バサバサと音をたてて、緑樹の中を落下していった。
- 111 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:54:27.96 ID:STPRhoNx0.net
- 今来産業
- 112 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 18:57:39.80 ID:VN5peL030.net
- 主「いってぇ……」
着地に失敗し、したたか腰を打ち付けた。
だがなんとか立ち上がれる。
特「ああああううううううあああ!!!!!」
上を見上げると、特殊学級の生徒がちょうど窓枠に足をかけているところだった。
主「悪いな。ちょっと卑怯だけど勝たせてもらうぜ」
そう言って両手を広げた。
特「あああうううう!!!!」
勢いをつけて飛び出す。
主人公と同様に緑樹をクッションにするようだ。
サーキュレーター
主「残念だったな。”四季神”発動!」
特「あう?」
完全に緑の散った枯れ木をへし折りながら、巨体が上から降ってきた。
- 113 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:00:22.28 ID:P/qqws+dO.net
- なるほど春か夏の緑木を冬の枯れ木に変えたのか
- 114 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:01:51.07 ID:VN5peL030.net
- 足元で特殊学級の生徒が気を失っている。
主「よし。これが特訓の成果だ」
四季を反転する能力。
なかなかに強力だった。
主「まぁ季節感無くなっちゃうから、一応戻しておくかね」
両手を広げると、また木々に緑が戻った。
主「ポイントは、と。……うおっ!? 1800!?」
ポイントのおおよその目安。
D組 0〜500
C組 501〜2000
B組 2001〜5000
A組 5001〜
主「こいつひとりだけで、もうB組に上がれそうじゃねぇか……」
よし、今日の目標はB組昇級だ!
主人公は気合を入れなおすと学校内に戻って行った。
- 115 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:03:07.82 ID:VN5peL030.net
- 主「次に人がいそうなのは、と」
どこへ行こう? >>118
- 116 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:03:30.75 ID:XG+YGFpe0.net
- kskst
- 117 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:03:32.34 ID:nfyBMFLN0.net
- てす
- 118 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:03:52.76 ID:Tp/aOlDx0.net
-
- 119 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:04:21.57 ID:jphKa5Lu0.net
- 校舎裏
- 120 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:04:23.42 ID:c3IbrNBb0.net
- 園芸部
- 121 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:04:25.78 ID:STPRhoNx0.net
- 図書室
- 122 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:04:31.20 ID:Tp/aOlDx0.net
- st
- 123 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:07:26.61 ID:VN5peL030.net
- 主人公はあてもなく校舎内を歩いていた。
終業してかなり時間が経っているので、
残っている生徒がほとんどいない。
もう日が傾きかけている。
主「ん? こっちは部室棟か?」
部活中の生徒は残っているはずだ。
そちらに足を向けると、ひとつの部屋が目に入る。
主「園芸部……。文化部か。縁が無いからちょっと覗いてみるかな」
ガラガラと無造作に扉を開いた。
- 124 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:10:34.16 ID:VN5peL030.net
- 主「たのもー。……あれ?」
黒縁「……はぁ。またあなたですか」
植木鉢に水をやっていた黒縁は、心底嫌そうな表情を浮かべた。
主「黒縁ちゃん! 俺、黒縁ちゃんのために強くなったよ!」
園芸部の部室が少しざわついた。
「え、黒縁さん。お付き合いなさっている人がいるの?」
「なかなかかっこいい人じゃないの」
きゃいきゃいと黄色い声が飛ぶ。
黒縁「……いえ。あいつはただのくだらない人間です」
ジトリ、とした目つきで言った。
主「相変わらずひどいなぁ」
それでも主人公はニコニコとしていた。
- 125 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:12:36.83 ID:lvDy18Av0.net
- ほう
- 126 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:12:44.21 ID:VN5peL030.net
- 黒縁「さすがに今回も私の楽しみの邪魔をしたら、消しますよ。物理的に」
主「ええっ。でも戦いに来たんだけど」
「あら。じゃあお邪魔みたいだし私たちは消えるわね」
「あとは若い二人に任せましょう」
他の部員たちが出て行こうとする。
黒縁「待ってくださいっ!」
ビリビリと空気が震えた。
黒縁「私は戦いません。戦うなら他の人にしてくださいよ」
- 127 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:15:44.13 ID:VN5peL030.net
- 「じゃ、じゃあ。私が行こうかな。能力バトル好きだし」
部員の一人、前髪を切りそろえた女生徒が言った。
ん? どこかで見た覚えがある。
主「あれ。君、ぱつ子ちゃんだよね。入学初日に絡まれてた」
ぱつ子「あー。その節はどうも」
ぺこり。と腰を曲げる。
黒縁ちゃんみたいなきつい子も好きだけど、こういう素直な子もいいなぁ。
主人公はデレデレとその口元を緩めた。
黒縁「……ぱつ子さん。ここにいるゴミ。ちゃんと片づけておいてね」
言葉の節々にトゲが混じっていた。
- 128 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:17:56.85 ID:VN5peL030.net
- 主「あれ? もしかして黒縁ちゃん、嫉妬してる?」
黒縁のまわりでひょいひょいと動き回る。
主「もー、嫌だなぁ。俺は黒縁ちゃん一筋だよ」
なおも動き続けながら言った。
黒縁「……死にたいみたいですね」
メガネの奥で瞳が光る。
ぱつ子「あれぇ。どうなるんだろう……」
ぱつ子がその様子を不安そうに眺めていた。
- 129 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:19:36.23 ID:VN5peL030.net
- 黒縁「ふう。まともに相手するのも疲れました。あとはよろしくね、ぱつ子さん」
そう言って部室を出て行った。
ぱつ子「了解です! やっつけちゃいますよっ! 私の>>132で!」
主「黒縁ちゃん、またあとでねー」
ぱつ子「……無視しないでください」
- 130 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:19:55.72 ID:Tp/aOlDx0.net
-
- 131 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:20:01.91 ID:XG+YGFpe0.net
- kskst
- 132 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:20:22.15 ID:Tp/aOlDx0.net
- st
- 133 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:20:59.03 ID:Tp/aOlDx0.net
- st
- 134 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:21:01.70 ID:l0BJi/wo0.net
- 自爆して自分の肉体だけ再生
- 135 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:24:12.73 ID:Tp/aOlDx0.net
- 爆発テロ攻撃ってことか
- 136 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:28:20.80 ID:VN5peL030.net
- 主「あー、ごめんごめん。それで君は何クラスなの?
俺自分より弱いやつに興味ないからさぁ」
ぱつ子「Aクラスです」
主「え」
ぱつ子「ポイント14800。ランキング6位のAクラスですよ」
ふふっ、とかわいらしい笑みを浮かべる。
主「あ、ああ」
少し後ずさった。
主「冗談だよね。はは。ごめん笑えなくて」
ぱつ子「いいですよ。別に」
主「あぇっ!?」
かなり距離はあったはずだ。しかしその声は耳元で聞こえた。
ポップンポップコーン
ぱつ子「”絵本の世界”!」
その瞬間。
部室棟が消失した。
- 137 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:30:36.69 ID:VN5peL030.net
- ぱつ子「あー、またやっちゃいましたぁ。失敗ですぅ」
てへへ、と頭を叩いた。
ぱつ子「手加減が難しいんだよなぁ」
炎の渦の中で立ち上がる。
ぱつ子「えーと、ああ。そうだった」
ぱつ子は途方に暮れた。
ぱつ子「スマートフォンもポケットに入れてたんだった。これじゃ連絡が取れません」
呆然とその場に立ち尽くしていた。
ぱつ子「どうしましょう」
- 138 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:33:38.87 ID:VN5peL030.net
- 女教師「もう! 能力バトルするときは要連絡! 何回言えばわかるの!?」
生徒指導室でぱつ子は怒られていた。
ぱつ子「すいませぇん……」
女教師「まったく、私が近くにいたから良かったものの」
女教師は再生の超高次能力者。先程消失したすべてを無から創造したのだった。
女教師「少しでも遅かったら一大事よ! 分かったわね!」
ぱつ子「……はぁい」
しょんぼりと俯いたままぱつ子は答えた。
- 139 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:36:32.22 ID:VN5peL030.net
- 主「なんなんだよ、あれ……。Aクラスとか反則だろマジで」
女教師に創造された主人公が身を震わせていた。
主「強くなったつもりだったけど、あれはまだ無理だわ」
完全にやる気をそがれた主人公は家に帰ることにした。
主「Bクラスになるの今日はいいや。明日できることは明日やろうってな。はは」
そう呟いてトボトボと帰路につくのだった。
- 140 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:39:20.62 ID:VN5peL030.net
- 翌朝早く学校につくと、主人公は生徒名簿を改めた。
主「ぱつ子、ぱつ子と……。あった。やっぱり6位か」
ちゃんと記憶しておかねば。
昨日倒した特殊学級の生徒を調べると、52位となっていた。
主「まぁ俺がようやく倒せるのがこのレベルってこった」
名簿をきっちり頭に叩き込むと、自身の教室へ向かうのだった。
- 141 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:40:45.77 ID:VN5peL030.net
- 放課後。
主「よし。今日はどこへ行くかな」>>144
- 142 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:41:17.16 ID:P/qqws+dO.net
- やっと倒せるのが特学ってのも哀れだな
- 143 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:41:35.67 ID:Tp/aOlDx0.net
- st
- 144 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:42:12.92 ID:Tp/aOlDx0.net
- st
- 145 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:42:16.34 ID:XG+YGFpe0.net
- kskst
- 146 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:42:20.01 ID:Ur9UxIw10.net
- 猫カフェ
- 147 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:42:21.69 ID:l0BJi/wo0.net
- ごらく部
- 148 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:45:43.97 ID:VN5peL030.net
- 主「まだ人はたくさんいるから、適当に歩いてれば誰かしら相手してくれるかな」
キョロキョロとあたりを見回しながら歩いていると、
移動教室で使う校舎に辿り着いた。
音楽室、理科室、家庭科室、図工室、美術室。
様々な教室が並んでいる。
主「ん?」
その中にひときわ異彩を放つ教室があった。
大きな招き猫の描かれたポップな看板に、かわいらしい字体が躍っている。
主「猫カフェ?」
そう書いてあった。
主「……この学校はなんでもあるんだな」
猫好きの主人公は少しお邪魔することにした。
- 149 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:47:56.33 ID:VN5peL030.net
- 「いらっしゃいませ、こんにちはー」
メイド服を着た女性が出迎える。
主「あ、一人です」
「はーい。こちらへどうぞー」
掘りごたつに通された。
主「コーヒーと、……あとこのカリカリをひとつ」
「かしこまりました! 少々お待ちください」
席に着くとすぐに注文をする。
あたりを見渡すと、たくさんの猫が各々くつろいでいた。
主「こいつはたまらんな……」
溢れ出るよだれが止まらなかった。
- 150 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:49:37.16 ID:VN5peL030.net
- 主「しまった……。長居しすぎた」
猫カフェを出るとあたりは完全に闇に染まっている。
もうこれでは残っている生徒も皆無だろう。
主「……今日は何もせずに帰ろう」
トボトボと薄暗い廊下を歩いていると、
目の前に人影が見えた。
主「なんだ、まだいるじゃん。ついてるな」
やや足を速めて人影に近づいていった。
- 151 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:54:31.38 ID:VN5peL030.net
- 主「ねぇねぇ!」
肩を叩き後ろから声をかける。
「……んー? なぁに?」
女生徒が振り返り答える。
目が隠れるほどに伸ばした金髪の前髪が、さらりと風に舞った。
主「能力バトルをしたいんだけどさ」
金髪「んー。別にいいよぉ」
にぃ。と口元が緩んだ。
- 152 :1:2014/07/19(土) 19:59:39.24 ID:Dx5SR6+I0.net
- ごめんさるった
- 153 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 19:59:58.42 ID:l0BJi/wo0.net
- 埋め
- 154 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:00:03.72 ID:OBNskgOJ0.net
- あら
- 155 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:00:58.77 ID:VN5peL030.net
- 金髪「あたし、弱っちぃから優しくしてねぇ?」
主「……手加減はできないかな」
金髪「いじわるぅ。じゃあ、さっそく能力>>158使っちゃおうかにゃあ」
主「……っ!?」
主人公が慌てて身構えた。
- 156 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:01:09.88 ID:l0BJi/wo0.net
- うめ
- 157 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:02:27.98 ID:XG+YGFpe0.net
- kskst
- 158 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:04:49.25 ID:Ur9UxIw10.net
- ksk
- 159 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:05:04.26 ID:Tp/aOlDx0.net
- s
- 160 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:05:06.96 ID:P/qqws+dO.net
- 範囲3メートルまでの対象の相手を帯電させる
帯電した相手がアルミ、鉄、硝子を肌で触った場合強烈な静電気を発生させる
- 161 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:05:13.28 ID:OBNskgOJ0.net
- 地属性っぽい事なら大体何でも出来る
- 162 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:05:14.40 ID:c3IbrNBb0.net
- 無能力で力も弱いけど勝つと金髪と同じ人間になる
- 163 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:11:24.53 ID:7fUDywQV0.net
- 何もない空間からバチバチとか細く伸びた光が散った。
ビリビリクラッシャー
金髪「”超電導物質”」
下敷きでこすった後のように、サラサラの金髪が数本束になってふわふわとなびく。
主「……いきなりかよ」
放電は激しさを増し、数秒後には稲光のごとき強さになった。
主「これじゃ近づけねぇな」
バックステップで距離を取る。
金髪「にゃはははー。今更無駄にゃんだにゃー」
丸めた手を顔の横でこすり合わせると、
カメラのフラッシュのように視界が失われるほどの発光が起きた。
- 164 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:15:00.52 ID:G0ZyEsTQ0.net
- 主「くそっ」
あまりのまぶしさに目を腕で覆った。
金髪「ダメだよぉ。戦ってる時はちゃんと相手を見ないとさぁ」
見えないが確実に距離をつめられている。
やばい。主人公は思った。
主「だぁ!」
がむしゃらに右の拳を突き出す。
ガチン。それが固いものに触れた。
主「は……っ!?」
何だ今の攻撃は。
体を突き抜ける衝撃に、主人公は膝をついた。
- 165 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:19:00.05 ID:x4Oavj4g0.net
- 金髪「はいっ。あたしの勝ちっ」
膝をついたまま動けない主人公の前に、ピースサインを突き出す。
主人公はなんとか立ち上がろうとしたが、まったく下半身に力が入らない。
金髪「じゃあとどめといこうかにゃあ」
バチバチと光が散った。
主「……お前。何位だ?」
ボソボソと呟くように言う。
金髪「んー?」
顎の下に人差し指を当てて、上を向くようにして少し考えた。
金髪「確か30位くらいだったような。ごめん、覚えてにゃい」
主「そうか」
主人公は下半身にぐぐっ、と力を入れた。
主「その程度の相手なら、勝てるようにならんとな」
ギリギリと睨み付けながら、なんとか立ち上がる。
- 166 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:22:45.22 ID:L9ORIFZk0.net
- 金髪「無駄だって! 次は最高出力だよっ!」
あちこちから火花が散る。
主「それ。お前ももちろん電気食らってんだよな」
フラフラとよろめきながら尋ねた。
金髪「そうだよぉ。電気人間だから電気効かないんだけどねぇ」
その場でくるくると回ると、金色に輝く髪が広がった。
主「そう。それならいいわ」
ぐっ、と地面を蹴り素早く跳躍すると、金髪にそのまま抱き付いた。
- 167 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:26:54.39 ID:KvLblRCP0.net
- 金髪「にゃにゃにゃーっ!? 不純異性交遊は禁止っ!」
腕の中でジタバタと暴れる。
主「空気が乾燥してるほうが、静電気ってのは帯電しやすいらしいぞ」
金髪「はにゃっ!?」
サーキュレーター
主「”四季神”……。今季節は冬になった」
バチィン!
何かが破裂するような音が響く。
金髪「……っ」
主「電気は効かなくても、電熱は効くんだろ……?」
そのまま廊下に倒れ込んだ。もう指一本動かない。
主人公が意識を失いかけた時、横で何かが倒れる音が聞こえた。
- 168 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:27:51.25 ID:P/qqws+dO.net
- ほほう いいね
- 169 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:30:07.36 ID:nn5bASq00.net
- 主「……」
いつものように保健室のベッドで目覚めた。
横ですやすやと寝息が聞こえる。
主「んんっ?」
横に顔を向けると、至近距離に金髪のかわいらしい寝顔があった。
そのまましばし眺めることにする。
保「はいはい。起きたんならさっさとどきなさい」
主「……あと5分」
保「はぁ……。ダメよ」
主「……はい」
主人公は渋々ベッドから降りた。
- 170 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:33:09.25 ID:eiv/n2cT0.net
- 少し遅れて金髪も目覚めた。
保「あんたの寝顔、こいつがずっと見えたわよ」
金髪「……変態さんだにゃぁ」
布団で顔を隠しながら言った。
主「いやいや。事実を捻じ曲げて伝えないでください。
もとはといえばあなたが同じベッドに寝かせていたからでしょう」
金髪「ほぇ!? 同じベッドで寝てたの……」
真っ赤に顔を染めると、完全に布団の中に潜り込んでしまった。
保「しょうがないじゃない。ベッドひとつしかないんだから」
主「いやいや。これだけ怪我人出るんだから用意しといてくださいよ」
保「え? 怪我人なんて普段でないわよ」
主「えっ」
- 171 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:37:50.29 ID:uuvnSVR/0.net
- 保「あんたくらいのもんよ。毎回のように運ばれてくるの」
主「そうだったのか」
保「ええ。普通はあんたみたいな低ランク者はバトルしないもの。
せいぜいBクラスの下位抜け出したくらいからよ。するのなんて」
主「……なるほど」
道理で毎回相手が強いわけだ。
保「まぁこれであんたもBクラスね。おめでとう」
主「えっ!」
手元の端末で確認する。
今回の戦いでポイントが加算され、2050ポイントになっていた。
ギリギリBクラスに編入できる数値だ。
- 172 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:39:36.95 ID:YnSz9XxX0.net
- 主「条件は満たしたから、これで昇級できるわけか」
どうせ上がるなら一気に上がろうと、Cクラスへは編入しなかったのだった。
保「そ。まぁあなた次第だけどね」
ふふ。主人公は口元を歪めた。
なにせBクラスには黒縁がいる。
主「俺、昇級>>175」
する? しない?
- 173 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:40:17.12 ID:OBNskgOJ0.net
- kskst
- 174 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:40:32.72 ID:XG+YGFpe0.net
- kskst
- 175 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:41:12.89 ID:OBNskgOJ0.net
- kskst
- 176 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:41:49.34 ID:OBNskgOJ0.net
- st
- 177 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:42:15.47 ID:Tp/aOlDx0.net
- しない
- 178 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:44:48.57 ID:YnSz9XxX0.net
- 主「昇級はしない」
きっぱりと言い切った。
保険医が首を傾げる。
保「あら、どうしてかしら」
主「Bなんてただの通過点でしょう。そんなので浮かれていられない。
俺が目指してるのはA組なんだから」
すました顔で言う。
保「……あんた口だけは達者よねぇ。弱いくせに」
金髪「まぁでもあたしと引き分けたくらいだからねぇ。
上がるくらいならいけるんじゃにゃい?」
布団から顔を出した金髪がそう言った。
- 179 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:47:05.97 ID:YnSz9XxX0.net
- 主「えっ。お前A組なの?」
金髪が満面の笑みで頷く。
金髪「そうだにゃあ。でもクラスじゃ下の方だけど」
なるほど。
だから戦う前に弱っちぃからとか言ってたのか。
あれはA組の中で弱い、という意味だったんだ。
主「そうか。じゃあ地道にポイント稼がないとな」
A組と引き分けたことで、主人公は確かな手ごたえを感じていた。
- 180 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:48:38.56 ID:YnSz9XxX0.net
- 翌日。時間が惜しいので早朝に登校した。
一応、登校の予鈴が鳴るまではバトルが認められているためだ。
主「でも。この時間は人いないからなぁ」
さて。どこなら人がいるだろうか。>>183
- 181 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:49:09.05 ID:VO0feVhY0.net
- ksk
- 182 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:49:13.37 ID:Tp/aOlDx0.net
-
- 183 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:49:22.05 ID:OBNskgOJ0.net
- st
- 184 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:49:49.45 ID:PMSYsZWs0.net
- st
- 185 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:49:49.26 ID:Tp/aOlDx0.net
- st
- 186 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:49:53.51 ID:l0BJi/wo0.net
- ごらく部
- 187 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:53:25.51 ID:YnSz9XxX0.net
- 主「ごらく部……?」
いったいどんな部活なんだろうか。
疑問に思った主人公は試しに入ってみることにした。
主「すいませーん」
カラカラと引き戸を引きながら中に声をかける。
数人の女生徒がきょとんとした顔でこちらを見た。
主「能力バトルしたいんだけど」
「能力バトル……?」
全員が一様に首を傾げている。
何か間違えたのかな?
主人公も首をひねった。
- 188 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:56:16.24 ID:YnSz9XxX0.net
- 「すいません……。あの、男性の方はちょっと」
赤い髪の少女がおずおずと言った。
主「あれ。男子禁制とか、そういうやつ?」
「や、別に。そういうわけじゃあ……」
明らかに困ったようにしている。
他の数人もヒソヒソと何やら話し合っていた。
主「……あはは。なんか場違いみたいだから、帰るわ。ごめんねー」
そそくさとその場をあとにした。
- 189 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 20:59:04.71 ID:YnSz9XxX0.net
- 主「なんだったんだろう、あの空間は」
主人公は首を傾げた。
そのまま廊下をまっすぐに歩く。
そういえばこっちには来たことが無かった。
主「ん?」
前方から人が歩いてくるのが見えた。
髪の毛をツンツンに立てた、細身の男子生徒だ。
彼も何か理由があってこの時間に学校にいるのだろうか。
主人公は接触を試みた。
- 190 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:02:21.24 ID:YnSz9XxX0.net
- 主「すいませーん」
細身「ん?」
正面から声をかけると、細身の男子生徒は立ち止った。
主「ちょっと対戦相手探してるんだけど」
その言葉を聞いた途端、細身の顔が醜い笑みに歪んだ。
細身「ああ……、いいぜ。最近ケンカ売ってくるやつがいなくて、退屈してたんだ」
やばい。
なんか雰囲気がありそうだぞ。
主人公のこめかみのあたりに、一筋の冷汗がつたった。
- 191 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:03:08.19 ID:YnSz9XxX0.net
- 主「ちなみに何位の人?」
細身「>>194位だよ」
- 192 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:03:35.90 ID:OBNskgOJ0.net
- kskst
- 193 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:04:19.23 ID:OBNskgOJ0.net
- st
- 194 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:04:32.74 ID:Tp/aOlDx0.net
- 46
- 195 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:04:45.76 ID:PMSYsZWs0.net
- 36
- 196 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:04:47.14 ID:Ur9UxIw10.net
- ランク外
- 197 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:05:04.90 ID:Tp/aOlDx0.net
- 44
- 198 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:07:18.91 ID:Tp/aOlDx0.net
- 他の学院の生徒でも声かけたのか
- 199 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:07:25.22 ID:YnSz9XxX0.net
- 細身「ランク外だよ。あんなもんにゃあ入ってねぇ」
顔を歪めたままゆらり、と近づいてくる。
主「は?」
そんなことがあるのだろうか。
それならば戦う意味はない。
勝ってもポイントにならないのだから。
主「いや。それじゃあ」
戦う意味が無いから。
そう言いかけて主人公は口をつぐんだ。
目の前の男がそんな言葉を許すはずがない。
細身「とっととおっぱじめようぜぇ……」
ゾクリ。
主人公の背筋に冷たいものが走った。
- 200 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:10:24.44 ID:YnSz9XxX0.net
- 細身「ひゃはっはははははぁぁぁぁああ!!!!!!」
突進しながら滅茶苦茶に腕や足を繰り出してくる。
主人公はそのすべてを受けているつもりだったが、すべてかろうじて食らっていた。
主「ぐっ」
ざざざっ、と廊下を滑るようにして踏ん張る。
気付くとボロボロになっていた。
細身「なんだァ? ケンカ売ってくるから強いのかと思ったら」
ちっちっ。と舌を鳴らす。
細身「とことん行くぜェ!」
叫ぶやまた突進してきた。
- 201 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:12:45.55 ID:YnSz9XxX0.net
- おかしいな。
攻撃を受けながら主人公は違和感を覚える。
主「おい! なんで能力を使わねぇ!?」
腹部に放たれた拳に膝を合わせると、力で押し切り振りぬいた。
細身「ちっ」
どうやら拳が割れたらしい。
血がしたたっている指をペロペロと舐めている。
細身「能力だ? んなもんねーよ」
主「なっ」
主人公は絶句した。
- 202 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:18:01.62 ID:YnSz9XxX0.net
- 主「馬鹿な!? 入学試験に異能力検定があったはずだ!
無能力者はそこで弾かれるはず!」
細身は相変わらず指を舐め続けていたが、
やがてつまらなさそうな表情を浮かべて顔を上げた。
細身「瓦を割ったんだよ」
廊下はしばし沈黙に包まれた。
主「……は?」
ようやく口を開く。
細身「瓦割ったら『すごいわー! 能力者ねー!』だってよ。馬鹿馬鹿しい」
主「……何枚割ったんだよ」
細身「ああ? 1000枚」
廊下が再び静寂に包まれた。
- 203 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:20:33.02 ID:P/qqws+dO.net
- 人間をはるかに超越してるな
- 204 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:20:35.84 ID:YnSz9XxX0.net
- 細身「時間ねーから、本気で行くぞ。手もいてーし」
ジャリッジャリッ、と音をたてて廊下を足で擦った。
細身「これは手加減できねーからな。死にたくねーなら避けろ」
やばいぞ、これは。
主人公は足が竦んだ。
避けないと。
避けないと避けないと避けないと避けないと。
避けないと避けないと避けないと避けないと。
細身「よーい。ドン!」
主「ああああっっっ!!!!」
必死に地面を蹴って横に飛んだ。
細身「避けろってんだろ、この馬鹿」
頭を突き出したまま細身が突進してきた。
- 205 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:21:38.46 ID:qorW9F++0.net
- 最初に虐殺されたヤンキーはスッゴい弱かったのか
- 206 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:24:56.75 ID:YnSz9XxX0.net
- 細身の頭が廊下の壁にぶち当たった。
その場で爆発が起きたような衝撃波が起きる。
巻き起こされた風が絡みつくようにすべてのものを吹き飛ばした。
主「ぐううううううっっっ!!!!!」
主人公もそのまま吹き飛ばされ、瓦礫の山に埋まった。
ガラガラとコンクリートと鉄筋の崩れる音が響く。
主「がはっ!!!!」
なんとか瓦礫の海をかきわけ頭を出した。
主「なんだよ、こりゃあ」
主人公は自分の目に飛び込んできた光景に唖然とした。
本校舎と旧校舎が、完全に破壊しつくされていたのだった。
- 207 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:28:57.48 ID:YnSz9XxX0.net
- 女教師「……頭突きはするなって言ってるでしょう」
生徒指導室のパイプ椅子に腰かけ、苛立った様子でそう告げた。
細身「だって見てよこれ。手がいてーんだよ」
主「うわ。骨見えてんじゃん」
戦いの最中では気付かなかったが、
よく見ると細身の右手はぐしゃぐしゃに潰れていた。
女教師「はぁ。能力者と戦ったらそうなるのは当たり前でしょう」
ため息交じりにそう言う。
主「え? 俺、能力使ってないよ」
女教師「あのねぇ……」
女教師は主人公の顔をまじまじと見つめると、
信じらないというふうに首を振った。
- 208 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:31:04.17 ID:YnSz9XxX0.net
- 女教師「能力者ってのは身体能力も通常の人間の数倍あるのよ。
そうじゃなかったら能力バトルについてこれるわけないでしょう」
呆れたように言う。
主「いやいや。ちょっと待ってよ」
主人公が食って掛かった。
主「それは分かるんだけどさ。こいつが無能力者ってのはマジなの?
どう考えてもA組上位の実力あるだろ」
その言葉を聞いて、細身は照れたように鼻の下をこすった。
女教師「はぁ……。頭痛い……」
頭を押さえると、俯いた。
- 209 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:35:49.46 ID:YnSz9XxX0.net
- 女教師「”異能力”ってのは、つまり概念を打ち崩す力なのよ」
ちょっと長くなりそうだったので、主人公と細身は椅子に座った。
女教師「例えば君だったら時空を歪めているわけでしょう?
能力だけで言うなら、上級生を含めてもトップクラスの能力よ」
主人公は照れたように頭を掻く。
女教師はため息をついた。
女教師「別に褒めてないから……。けど戦いに向かないから低ランクなの。
こないだのぱつ子ちゃんなんかは軍事に生かせるほど有効な力ね。
一人でも一個小隊潰すくらいなら訳はないと思う。だから高ランクなのよ」
そう言って両手を広げる。
主人公は疑問に思った。
主「でも細身の力はそれ以上でしょう? なんでダメなんですか」
- 210 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:38:57.87 ID:YnSz9XxX0.net
- 女教師「彼の場合は異能力じゃないもの」
また話がループしてしまった。
主人公は少し考え込んだ。
細身「俺は戦えれば線引きはどっちでもいいんだけどさ。
ポイント持ってないからって誰も戦ってくれねーんだよ」
眉根をひそめて言う。
女教師「……そうね。実は上でも君の処遇について揉めてるのよ。
ただ”頭突きが強いだけの男”を異能力者に含めるかどうかって」
主人公「ええ? そんな単純なものなんですか?
鉄筋コンクリートの校舎二つ壊すほどの破壊力ですよ」
女教師が再びため息を吐く。
女教師「でも、ただの頭突きだからねぇ」
そう言って沈黙した。
- 211 :1:2014/07/19(土) 21:42:03.30 ID:KzJG/4FK0.net
- ごめんまたさるってもうた
解除されたらちょっと安価多目で行く
堪忍な
- 212 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:43:00.97 ID:OBNskgOJ0.net
- はい
- 213 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:45:19.90 ID:P/qqws+dO.net
- あいあいさ
- 214 :1:2014/07/19(土) 21:45:58.80 ID:KzJG/4FK0.net
- 今のうちに飯食ってくるから要望とかあったら気軽に書いといてね
- 215 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:46:41.70 ID:OBNskgOJ0.net
- 食ってら
- 216 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:53:32.33 ID:P/qqws+dO.net
- 会長と副会長が
ラスボスルートはやめてほしいな
- 217 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 21:57:02.86 ID:P/qqws+dO.net
- 他の学校の能力者達と
いろんな競技で対抗
今の魔法科高校の劣等生みたいの
- 218 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:02:49.30 ID:P/qqws+dO.net
- ほ
- 219 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:08:47.22 ID:OBNskgOJ0.net
- ほ
- 220 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:16:16.64 ID:OBNskgOJ0.net
- ほ
- 221 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:22:17.76 ID:OBNskgOJ0.net
- ほ
- 222 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:24:22.36 ID:26h2vDXd0.net
- 結局朝のバトルはそれで終わってしまった。
全然ポイントが稼げていない。
主人公はやきもきとしたまま放課後を待った。
キーンコーンカーンコーン。
戦いのゴングが鳴る。
主「さて、行くかな」
どこへ? >>223
- 223 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:25:28.43 ID:Tp/aOlDx0.net
- st
- 224 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:25:32.08 ID:BN8MqeXa0.net
- 論破されたクラスメートが再登場しないかな論破した主人公の言葉で覚悟きまった感じで
- 225 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:25:35.92 ID:yKGx7Qws0.net
- 職員室
- 226 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:28:07.06 ID:6xyw8p830.net
- 主「とりあえず職員室に名簿を見に行こう」
ここまで来ると、手当たり次第にやるよりも、
効率よく戦っていったほうがポイントを稼げるはずだ。
主「失礼しまーす」
カラカラと音をたてて扉を開いた。
ガタガタと慌てて先生たちが紙の束を隠した。
女教師「の、ノックくらいしなさいよ!」
突然怒鳴られる。
主「え、ごめんなさい……」
最近怒られてばっかりなので少し萎えてしまった。
- 227 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:29:50.25 ID:uSdBCPHm0.net
- 女教師「それで? なんのようなの?」
ふう、と息を吐くと苛立ったように言った。
主「あの、クラス名簿を見に……」
ジロリ。
睨まれて竦んでしまう。
女教師「あんた何回見に来てんのよ! 何が知りたいの!?」
明らかに怒っている。
主「……ごめんなさい」
しゅんとして俯いてしまった。
- 228 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:32:26.95 ID:rnb83Q2+0.net
- 主「ランキングが見たいなぁ、って」
女教師が大きく目を見開いた。
そして「あーあ」と呆れたように言って首を振る。
女教師「入学式に渡した端末があるでしょう!?
なんであれを使わないの!!」
職員室に怒声が響く。
端末。
確かポイントを調べるための物だったはずだ。
主「これで、ランキングが……」
女教師「見れるのよ! 分かったらさっさと出て行きなさい!」
主人公はすいませんと謝ると涙目で職員室を出て行った。
- 229 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:35:25.34 ID:41DCrina0.net
- 主「お、マジだ。これは便利」
なんで今まで誰も教えてくれなかったんだろうか。
自身のポイントだけでなく他人のランキングまで見れるようになっている。
主「俺のランクは、と」
試しに自分の順位を確認することにした。
主「し、し、し。あった! 主人公 ポイント2050」
ポイントは金髪と戦ったあとのままだ。
主「ランク78位。……あれ?」
なんでこんなに低いんだろうか。
主「もっと強いんだけどなぁ……」
- 230 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:38:22.82 ID:6H/HcnHr0.net
- 試しに金髪を調べてみる。
主「えーと。金髪 ポイント6200 ランク29位。さすがA組だな」
こいつに引き分けたのに、なぜ78位なのだろうか。
主「先生に聞きたいけど、今職員室行ったらまた怒られそうだし……」
しばらくうんうんと唸って考えていたが、時間の無駄だという結論に達した。
主「まぁランクについてはどうでもいいや。とにかく相手を探そう」
端末をしまうと主人公は廊下を歩き出した。
- 231 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:41:21.17 ID:BABGcuqv0.net
- 季節操れたら天候くらい操れそうなもんだけどな
- 232 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:43:21.10 ID:qorW9F++0.net
- 主人公の態度が段々弱々しくなってる...
- 233 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:44:05.02 ID:fIk+txvD0.net
- 主「ん。あいつ……」
正面から、子供が金髪の長い髪を揺らしながら歩いてきたので、
主人公は慌てて廊下の柱に隠れた。
主「一回ボコボコニされたけど、あいつは何位くらいなんだろう」
端末を取り出すと調べ始める。
主「こ、こ、こ。あった。子供 ポイント12200 ランク8位。……8位!?」
思わず叫んでしまった。
子供「あー! あんた!」
しまった。見つかったか。
主人公は柱の陰から姿を現した。
- 234 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:47:30.84 ID:KucrN5s50.net
- 子供「あの時は殺せなかったからね! 今日は殺ちてやるよ!」
ぷりぷりとほっぺを膨らませた。
やるしかないのか。
主人公は覚悟を決める。
主「こっちのセリフだ。次会ったら殺してやろうと思っていた」
余裕ぶってそう言ったが、冷汗でびっしょりだった。
何も知らなかったころの自分とは違う。
強者と戦うことで、今目の前にいる人間がどれほど強いのか。
それが嫌というほどに分かってしまっていた。
子供「ふーん。あんだけ潰してやったのに、ずいぶん強気じゃない」
蔑んだような目で見つめてきた。
- 235 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:51:04.96 ID:1sRMlLpI0.net
- 子供「ここでやると先生がうるちゃいから。外でやりましょうよ」
主「……うるちゃいからねぇ」
子供「何っ!?」
ギロリと睨み付ける。
主「べっつにぃ」
ふんふんと鼻歌を歌いながら中庭へ向かう。
主「先生がうるちゃいから外へ行くんだろ? 早くついて来いよガキ」
子供「……絶対に殺ちてやるからね」
主人公の背中に憎悪の眼差しを向けた。
- 236 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:54:35.22 ID:1sRMlLpI0.net
- 主人公「よく迷子にならずについて来れたなぁ?」
やってやる。
主人公は勝つための準備を着々と進めていた。
子供「……へぇ。わたち分かっちゃったわ」
ふんふんと鼻を鳴らす。
子供「挑発して何か企んでるんでしょう? 低ランクがやりそうなことだわ」
ニヤニヤと馬鹿にしたように笑う。
主「……別に。そんなこと考えてないけど」
図星だった。
戦闘経験でもはるか上をいかれている。
勝つのは半ば絶望的だった。
- 237 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 22:58:22.66 ID:BaEPV3860.net
- 子供「まぁいいわ」
ふふん。としたり顔で笑った。
ピコピコハンマー
子供「”打ち出の小槌”。どれだけ策を巡らそうとも。
こっちは叩き潰すだけの簡単な作業なんだから」
喋ってるうちにぐんぐんと巨大化した。
主「……やっぱ。でけぇな」
中庭に大きな影が落ちる。
子供「あははー! 潰れちゃいなさい!」
その巨体を揺らして襲い掛かってきた。
- 238 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:01:18.05 ID:dAQNQFzG0.net
- 主「くそっ!」
横に飛びのいたがいかんせん相手が大きすぎる。
主「ぐぅっ!」
横に薙いだ手に引っかかり、数メートル吹き飛ばされた。
子供「あははー! どんどんいくよー!」
べちんべちんと平手で地面を叩く。
そのたびに土埃が舞い、主人公の視界を塞いだ。
主「ごほっ、ごほっ……」
目や気管に入り動きが止まる。
- 239 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:04:01.25 ID:IVeTIUmZ0.net
- 子供「そこぉ!」
べちーん。と一際大きな音がして、手のひらが叩きつけられた。
主人公はその下敷きになる。
子供は口元を歪めたが、一瞬真顔に戻って手をひっこめた。
子供「いぎゃあああああ!!!!!!」
サーキュレーター
主「”四季神”……」
その下から血塗れの主人公が現れる。
主「いってぇな、くそ。やっぱ叩きつけられてからじゃ無理なのか」
ぜぇぜぇと肩で息をする主人公の横に、
鋭いとげをもった枝が数本へし折られた状態で並んでいた。
- 240 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:05:21.04 ID:Tp/aOlDx0.net
- どこかの兵長無しでこの子倒せるのだろうか?
- 241 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:06:57.46 ID:MEXbBuRW0.net
- 主「竹の子ってあんだろ。あれって数日ですげぇ伸びるんだぜ。
半年もありゃあ数メートルにもなる」
ゴロリと仰向けに転がった。
主「夏場はしっかりしてるけどな、冬になるとささくれ立ってこんな風になるのさ」
横にあるとげとげしい茶色の枝を見やった。
子供「……いったーい。もう許さない」
涙目の子供が転がる主人公を睨み付ける。
主「……そうか。もう俺は動けねぇ。好きにしろ」
そう言って目を閉じた。
- 242 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:08:12.68 ID:OBNskgOJ0.net
- しかし戦いに使うには難しい能力だな
- 243 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:10:01.30 ID:JJ7FFhvF0.net
- 子供「絶対、ぜえったい! 潰ちて殺すんだから!」
主「……」
子供「死んじゃえー! ばぁああかー!!!」
べちーん!
激しい土ぼこりをまき散らせながら、主人公の上に手のひらが叩きつけられた。
子供「あんぎゃああああああああ!!!!!!!」
主「……夏場はしっかりしてるって言ってんだろ、ドアホ」
緑をたたえた巨竹が数本、そよそよと風に揺れていた。
- 244 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:13:16.26 ID:Mlmj3LXu0.net
- 子供「うぅぅー……うううー……」
ぐすぐすと鼻を鳴らして子供が泣いていた。
主「いや、しかし。マジで動けんぞこれ。死ぬのかな」
自分の体の様子を見ようと思ったが、上半身すら起こせないような状態だった。
喋ると喉の奥からゴボゴボと血液の泡立つ音が聞こえてくる。
主「……内臓やられてるパターンか」
呟いた主人公の上を、大きな影が覆った。
子供「……殺すぅうううう!!!!!!!」
だしだしと地団太を踏むと、土埃が舞った。
- 245 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:18:48.95 ID:l+2Q7ufM0.net
- 子供「こっちに移動させて、と」
主人公の服をつまんで持ち上げると、中庭の隅に置いた。
子供「さすがわたち! 賢い!」
満面の笑みを浮かべる。
子供「ここなら竹もないしねぇ。じゃあ、死んじゃえええ!!!」
べちーん。
今回はその音は鳴らなかった。
子供「あれ」
右腕が振り下ろせない。
不思議に思った子供がそちらを見ると、袖が巨木に引っかかっていた。
- 246 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:22:35.17 ID:l+2Q7ufM0.net
- 主「中庭の中心だからお前は自由に動けるんだろ。ドアホ」
子供「……そうだった」
まわりを木に囲まれているため、
端に移動すると巨木が邪魔で動けないのであった。
子供「でも踏みつぶせば終わりだもん」
そのまま足を振り上げる。
主「くそ……ここまでか……」
主人公は諦めた。固く目を閉じ、踏みつぶされるのを待つ。
主「……?」
しかしいつまでたっても足は降ってこなかった。
- 247 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:24:37.31 ID:vOu6u53P0.net
- 子供「やーめた」
言うとシュルシュルと縮んだ。
子供「わたち手が痛いから保健室行くの」
スタスタと行ってしまう。
主「あ、ちょっと待って。俺も連れてって」
動けないので懇願する。
子供「まったく、子供みたいねぇ」
小馬鹿にするようしてそう言うと、巨大化して主人公を抱え上げた。
- 248 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:27:28.63 ID:TIxzXnW/0.net
- 子供は治療を受けるとすぐに行ってしまった。
主「いてて。ありがとうございます」
保険医に礼を言う。
保「いいけど。でもよくあんた強いところばっか狙うわね。
そんなに死にたいの?」
呆れたように言った。
主「別に死にたかないですけど……。
でも今回はさすがに死んだと思いましたね。
というより、なんで殺されなかったのか不思議なくらいです」
首を傾げた。
保「あー」
言って、保険医は少し考え込んだ。
- 249 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:29:36.74 ID:P/qqws+dO.net
- 保険医も流石に呆れ顔か
- 250 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:29:58.80 ID:qjLKMYDv0.net
- 保「あの子ね。あんな見た目で強いでしょう?
性格もきついしね。だから友達がいないのよ。
君みたいなケンカ友達ができて、うれしいんじゃないかしら」
保険医は探り探り言った。
主「あー、そうなんですか?」
確かに。
高校生であれは、痛い子だと思われても仕方がないだろう。
保「だから、仲良くしてあげてね」
主「……考えておきます」
- 251 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:32:18.11 ID:QInItJTl0.net
- その日はさすがに帰ることにした。
あと数日で夏休みに入る。
それまでにはAクラスに上がっておきたかった。
主「友達ねぇ……」
呟くように言う。
主「あれ」
そして気づいた。
主「……俺も友達いねぇわ」
あと数日で、夏休みに入る。
- 252 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:35:05.16 ID:RzwTPMsK0.net
- 翌日。友達についてはもう考えないことにした。
子供と友達だしな。
主人公はそう考えることで自分を慰めた。
そして放課後。
主「さて。今日はどうするか」
どこへ行く?>>255
- 253 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:35:30.66 ID:XG+YGFpe0.net
- kskst
- 254 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:36:12.27 ID:Tp/aOlDx0.net
- st
- 255 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:36:33.87 ID:OBNskgOJ0.net
- st
- 256 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:36:42.80 ID:Tp/aOlDx0.net
- st
- 257 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:39:39.38 ID:P/qqws+dO.net
- 夏といったら
プール…
女子脱衣室
- 258 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:44:31.21 ID:EeDsCcgp0.net
- 主「ん? うちの学校、プールなんてあるのか」
今まで気づかなかったが、本校舎と部室棟の間に通路があり、
プールに繋がっているようだった。
主「夏だし、ひと泳ぎしていくか」
そのまま奥へ奥へと進んでいく。
突き当りに扉があり、上に『更衣室』と掲げてあった。
ノブに手をかけ、ガチャリと回すと扉を押し開いた。
主「え」
黒縁「え」
下着姿の黒縁と目が合った。
- 259 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:47:17.52 ID:dqG1/Hey0.net
- 黒縁「……なるほど。本気で死にたいみたいですね、あなたは」
体の前面をタオルで隠すと、ゆらりと近づいてきた。
顔に狂気の色が浮かんでいる。
主「ちょっと待って。とりあえず落ち着こう」
必死に言った。
黒縁「……なぜかしらね。これから人を殺すって言うのに。
ひどく落ち着いているわ。……怖いくらいにね」
ゆらゆらと体を揺らめかせ近づいてくる。
主「ちょ、マジで。やめて。怖い」
- 260 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:49:29.46 ID:dqG1/Hey0.net
- 黒縁の体がドロドロと溶けていく。
黒縁「お祈りは、済ませましたか……?」
主「お祈りって何。マジで」
主人公の顔がドロドロとした液体に飲まれ、呼吸ができなくなった。
主「がぼぼ! ごぼ!」
黒縁「……死ね。このドクズ」
主人公は意識を失った。
- 261 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:53:05.19 ID:dqG1/Hey0.net
- 保「……」
保険医は頭を抱えたまま、黙って首を振った。
主「……」
保「……何をしでかしたら、そうなるの」
ため息交じりで言う。
主「まぁ、痴話喧嘩というか」
「はあ」保険医が大きくため息をついた。
保「痴話喧嘩でなんで全身の骨が砕けて内臓が焼けただれるのよ。
腸で蝶々結びなんて聞いたことないわ……」
完全に呆れていた。
主「はぁ、すいません」
黒縁にやられたことを思い出すと、主人公は涙が止まらなくなった。
- 262 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/19(土) 23:55:33.27 ID:KotL1/JH0.net
- 主「ダメだ。完全に黒縁に嫌われた」
フラフラと廊下を歩いていた。
主「どうして俺はこうも間が悪いんだ……」
歩くのもおっくうになってその場にへたり込む。
主「もう死にたい」
そのままうずくまると、おいおいと声を出して泣いた。
- 263 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:00:57.83 ID:N4m6Q5Gv0.net
- 子供「何よ。あんたたち」
子供が呼び出されるままに中庭に行くと、5人の生徒に取り囲まれた。
A「いやぁ。お前なんか気にくわないからさぁ」
B「殺してやろうかな、って」
C「ガキンチョが調子乗るなよ」
D「ばーか」
E「死ね。カス」
口々に暴言を吐く。
子供「はっ。殺されるのはあんたたちの方でしょ。
弱いやつほどよく群れるってママが言ってたよ」
A「ママぁ、だって」
子供「……ばかにしないでくれる?」
- 264 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:03:48.47 ID:4yS0bFp90.net
- B「じゃあ殺しちゃうよー」
C「俺たちの能力>>265-269でね」
子供「何人だろうと一緒だから。ぷちっと潰ちてやるわよ」
A 女
B 女
C 男
D 男
E 男
- 265 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:04:28.15 ID:frHPFumT0.net
- st
- 266 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:04:58.66 ID:frHPFumT0.net
- st
- 267 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:07:15.96 ID:rhIZ+ATi0.net
- 右手からアツアツの揚げたて唐揚げを噴射する能力(デブス)
- 268 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:08:33.41 ID:frHPFumT0.net
- 物体を自由に変形させる
- 269 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:09:36.34 ID:G87rdISl0.net
- 時を自由に
- 270 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:09:48.66 ID:IjVntQ6c0.net
- 全員何もない空間に飛ばされて全裸になって殴り合う以外の攻撃ができなくなる
- 271 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:10:09.05 ID:UxAtdc3B0.net
- 去勢する
- 272 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:10:57.60 ID:G87rdISl0.net
- >>269
操れるが抜けてた
- 273 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:18:03.77 ID:o2gb2Xql0.net
- 子供「ふんだ。相手にするのも馬鹿らしいわ」
ピコピコハンマー
子供「”打ち出の小槌”」
ぐんぐんと体が大きくなる。
ケンタッキー
A「B! 頼むわよ! ”鶏のから揚げ”!」
メタモルフォーゼ
B「任せて! ”変幻自在”!」
アツアツの鶏のから揚げがテニスボールに変形した。
ニューハーフ
E「そして俺の”新月”で」
股間の一物でそれを打ち放つ。
子供「あっつううう!?」
巨大な子供がぴょんぴょんと飛び跳ねた。
- 274 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:23:42.26 ID:2IMe3XHU0.net
- 子供「この……」
涙目で子供が殴りかかろうとした。
ウォッチストッパー
C「”時間操作”」
その一言で時間が凍結する。
一瞬前に巻き戻してから能力を解除した。
子供「あっつううう!?」
C「D! 時間が無いぞ急げ!」
デッドスペース
D「ほいよ! ……”柱の陰”」
その場にいる全員が空虚に開いた空間に放り出された。
子供「え?」
子供は自分の体を見て驚いた。
子供「勝手に能力が解除されるなんて、あり得ないのに……」
- 275 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:24:15.53 ID:ziyRUxsf0.net
- このガキ共Aランクはあるだろ
- 276 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:24:55.89 ID:frHPFumT0.net
- 謎のコンビネーションだ
- 277 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:27:12.45 ID:J48NdWP80.net
- 取り囲まれているのに気付いて、子供は顔を上げた。
A「さぁて。お仕置きの時間だよ」
口元を醜く歪めたAが子供の頭を踏みつける。
子供「痛いっ!」
そのまま5人の男女に殴られ、蹴られた。
起き上がろうとすると膝を蹴りぬかれる。
子供「ぎゃっ!」
凄惨なリンチはしばらくの間続けられた。
- 278 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:29:16.26 ID:s51/j71AO.net
- 始まったか
インフレという伏せ線
- 279 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:31:54.55 ID:L31flEqE0.net
- A「はぁ。どうかしら? どんな気分?」
床に突っ伏したまま動けない子供の頭上から、
嫌な響きを込めた声が降ってくる。
なんとか力を込めて、子供は上体を起こした。
全員の顔を交互に睨み付ける。
子供「あ、あんたたち。絶対殺すからね」
ぜぇぜぇと肩で息をする。
A「まだ元気みたいだ、ねっ!」
子供「ぎゃああああああああ!!!!!!!!!!」
思い切り膝を踏み抜かれた。
あり得ない方向に曲がり、子供が頭を抱えてのたうち回る。
あまりの激痛にそのまま嘔吐した。
B「うわぁ。きったねぇなこいつ」
- 280 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:36:31.04 ID:ZKCHvhZM0.net
- 主人公覚醒イベントとかこないのかな
- 281 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:36:48.61 ID:v5JO3LOy0.net
- 子供「ぐううううう……っ!」
荒い息を吐き続けていた。
子供「殺すうううぅぅぅ……! ぜったいぃぃぃ……」
Aはため息をついた。
A「この期に及んでごめんなさいも言えないの?
おら。言えよ。ガキンチョでごめんなさいってよ」
Aが言うと全員が笑った。
子供「……あやまらないよ。わたち悪いことしてない」
睨み付けながら言う。
A「はあ? お前とか存在自体迷惑なんだけど」
みぞおちに思い切り踵を振り下ろした。
子供「………………っっっ!!!!!!!?????」
呻くようにしながら体をくの時に曲げ、
眼球が零れ落ちそうなほど目を大きく見開いた。
- 282 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:41:17.40 ID:oqs+trqZ0.net
- B「もういいんじゃね、D。ここだと何やっても死なないんだろ?」
もう飽きた、とでも言いたそうに両手を広げた。
D「ああ、そうだな。現実で殺してやろう」
能力を解除すると、全員中庭に戻った。
Aはまだ執拗に暴力を加え続けている。
A「おら。はやく謝っちゃいなって」
髪の毛を引っ掴み顔面に膝をめり込ませた。
子供「……ぜ、……たい。ま……ない」
ほぼ意識を失った子供が、うわ言のように何かを繰り返し呟いていた。
- 283 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:43:50.97 ID:3LWhOXY20.net
- C「おい、A。ちょっとどけ」
A「何かいいこと思いついたの?」
ニヤニヤとした顔でAは引いた。
Cが子供の右腕を掴んでいる。
C「E。ちょっとそっち持てよ」
E「……ああ。なるほどね」
Eが左腕を乱暴に掴む。
子供「な……にす……ん……」
A「いいから黙ってろよ」
顔面に無造作に蹴りを放つ。
子供「……」
もう反応すら無くなっていた。
- 284 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:44:38.65 ID:HNn8g5xv0.net
- C
- 285 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:48:55.72 ID:/jmMyK0s0.net
- C&E「せーのっ!」
掛け声とともに、左右の腕をそれぞれの方向に引っ張った。
ゴキゴキと関節のはずれる感触が腕を伝わる。
子供「あ……がが」
ゴボゴボと口の端から泡を吹いた。
A「きめぇなこいつ。さっさと殺しちゃってよ。二人とも」
C「ああ、了解……ぎゃああああ!!!!!!」
Cはそのまま中庭の端まで吹き飛んでいった。
A「な、なんだよお前!」
言葉を発する間もなくEも吹き飛んだ。
主「お前らがなんなんだよ……。人のダチに何してくれてんだ」
怒りに打ち震える主人公が、静かにそこにたたずんでいた。
- 286 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:51:04.46 ID:G87rdISl0.net
- (お、主人公覚醒イベントか?)
- 287 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:51:28.68 ID:s51/j71AO.net
- >>264-269
B・距離感なかったらさいつよ
C・Aクラスとかそんな型にはまらない超越する強さ
D・グループで行動してたら勝つ法則
- 288 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:55:41.99 ID:0ULfJm2S0.net
- 主人公は、地面に横たわる子供にちらりと視線を送った。
手足がおかしな方向に曲がり、全身は血塗れだった。
主「こいつがなんかしたのかよ……!」
静かに言うとA、B、Dを交互に睨み付けた。
A「はぁ? 何言ってんだよお前」
そこまで言ってAの体がぐにゃりと曲がった。
腹部に主人公の拳がめり込んでいる。
主「何かしたのか、って聞いてるんだ」
A「…………ぁっ!」
主「何かしたのかよ!?」
A「ごぶぅ!?」
何度も何度も拳を叩きつける。
腹部に、右肩に、髪の毛を掴み右頬に、鼻面に、わき腹に、
左肩に、下腹部に、鼻面に、鼻面に、鼻面に、鼻面に。
拳をめり込ませる。
A「………………っ」
主「こいつが。何かしたのか」
掴んだ髪の毛を放すと、Aはその場に崩れ落ちた。
- 289 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:59:29.14 ID:ePptykqY0.net
- ピコピコ可愛い
- 290 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 00:59:37.22 ID:y7ujZbhW0.net
- 無表情の顔を上げると、BとD。二人の顔を交互に見た。
B「あ……あ……」
Bはガクガクと震え、その場にへたり込んだ。
D「ちょ、ちょっと待ってくれよ。俺は別に何も」
ガシリ。
胸倉を力強く掴む。
D「ひっ」
短く悲鳴を上げた。
主「俺は別に何も。なんだ? その続きは」
D「そ、それは」
俺「何もしてないってか?」
ちらりと子供の方を見た。
俺「こいつも何もしてねぇぞ。なんでここまでやったんだ!」
D「げぶぅ!」
鮮血が舞った。
ザクロのようにDの頭部がはじけ飛ぶ。
どちゃり。と音をたてて、そのまま血の海に沈んだ。
- 291 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:03:16.40 ID:TPNVY8+/0.net
- B「あ……あ……」
主人公が見下ろすと、Bは失禁していた。
B「ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
ガタガタと震えながら這うようにしてその場から逃げようとする。
それを背後から蹴り飛ばした。
一撃で意識を失ったようだった。
主「……クズどもが」
吐き捨てるようにしてそう言った。
- 292 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:05:18.18 ID:dWsbt7JZ0.net
- 主「おい、大丈夫か」
子供に声をかけるが、大丈夫じゃないのは明白だった。
慎重に保健室へ運び込む。
保「……っ!? どうしたのよその子!」
保険医が慌てた様子で治療に当たった。
どうやら能力を使っても助かるかどうかわからないらしい。
保健室前の廊下で、主人公はじっと待っていた。
- 293 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:07:40.99 ID:J0ysoi6x0.net
- カラカラと音をたてて保健室の扉が開いた。
主「……子供は」
保「とりあえず入って」
主人公は保健室に入ると、後ろ手に扉を閉めた。
ベッドの上に、包帯グルグル巻きの子供が不機嫌そうに座っている。
どうやら無事だったらしい。
主人公はほっと胸を撫で下ろした。
主「おお、良かったな。助かって」
ぼふん。
主人公の顔に枕が投げられた。
子供「なんで余計なことちたのよ!」
そしてそのまま罵声を浴びた。
- 294 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:10:14.07 ID:ePptykqY0.net
- やっぱりピコピコ可愛い
- 295 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:12:28.04 ID:MNn3Lygg0.net
- 主「え。いや助けたんだけど……」
子供は腕を組んで、ふん!とそっぽを向いた。
子供「あそこからわたちの能力でね!
敵をぼっこぼっことやっつける計画だったの!」
つーんとした顔で言う。
「ふふっ」主人公はその顔を見て吹き出した。
子供「何よっ!」
主「いやいや。ごめんごめん」
主人公は笑いながら両手を振った。
主「そうか。邪魔して悪かったな」
笑顔でそう続けた。
子供は一瞬きょとんとした顔をしたが、またすました表情を作った。
子供「分かればいいのよ」
そう言ってうんうんと笑顔でうなずいた。
- 296 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:16:02.52 ID:sGR+IEqC0.net
- 保「ほら。もう遅いから帰った帰った」
気付くとあたりは真っ暗だった。
主「あ、やべぇ。じゃあ帰るか」
急いで下駄箱に向かうと、子供も一緒についてきた。
主「ん? A組の下駄箱は向こうだろ?」
子供「そ、そうだけど」
下を向いたままもじもじとしている。
子供「ほら。もう暗いんだから。
つよーいわたちが、あんたのこと送ってやってもいいわよ」
俯いたままそう言う。
つまり暗くて怖いから家まで送れってことか。
主「そうか。じゃあ頼もうかな」
子供「……? 今日はやけに素直なのね」
あどけない表情で首を傾げた。
- 297 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:19:40.55 ID:sGR+IEqC0.net
- 子供を家まで送り届けると、もう日付も変わりそうな時間になっていた。
主「なんかやけに疲れたな。今日は」
呟いて家路につく。
子供「ちょっと!」
上から声が降ってきた。
見上げると、二階の窓から子供の顔が覗いている。
主「どうしたんだ?」
声をかけるが、子供は何やらもじもじとしているだけだった。
主「……? 用が無いなら行くぞ」
ぷいっと踵を返した。
子供「あの!」
再び声が降ってきた。
顔だけ振り返る。
子供「今日は……。ありがとね……」
呟くような小さな声だった。
主「……! ああ。前回の借りは返したからな! じゃあおやすみ」
- 298 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:20:24.25 ID:yvzCOuY90.net
- かわいいじゃねえか
- 299 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:23:19.35 ID:WTDiP3ZV0.net
- 主人公が非常に気持ち悪い
- 300 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:23:52.09 ID:G87rdISl0.net
- そういえばCがどうなったか書いてないな。
これはもしかするともしかするかもしれん
- 301 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:26:58.52 ID:CgypHCU30.net
- 支援
- 302 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:26:59.69 ID:3msypiAx0.net
- 翌日。主人公は学校へ着くと、驚愕の声を上げた。
主「どういうことだ、これは……」
端末を持った手が、わなわなと震える。
主「主人公 ポイント 10200 ランク 11位……」
何かの間違いかと思い、何度も検索するが、
何度やっても同じ結果が出た。
主「俺、何かやったっけ」
教室の椅子に座り、一人途方に暮れた。
- 303 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:27:38.66 ID:frHPFumT0.net
- まあですよねー
- 304 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:29:28.49 ID:s51/j71AO.net
- 能力が浮いてたやつらだからポイント200000もおかしくない
- 305 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:30:50.77 ID:jXLxIb7X0.net
- >>300
何もしてない子供をがやられたのならDを殺した主人公に復讐がまっててもおかしくはない・・・筈
- 306 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:31:02.74 ID:3msypiAx0.net
- いてもたってもいられず、ホームルームの前に保健室に行った。
女教師は怖いので保険医に聞くことにしたのだ。
俺「これって何かの間違いじゃないんですかね」
端末の表示を見せる。
保「……えーと。昨日君が倒したのって誰と誰?」
激しく怒っていたので記憶が曖昧だが、
なんとか絞り出すようにして5人の生徒をピックアップした。
保「ああー。なるほどね」
主「……なるほど、というのは」
少し神妙な顔で保険医が言ったので、おずおずとした様子で尋ねた。
- 307 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:34:21.23 ID:G87rdISl0.net
- >>305
復讐劇ですな
あるかもしれん
- 308 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:35:46.51 ID:jMo9RcK90.net
- 保「この5人だけど。AはB組。B、C、Dに至っては、A組の上位層よ」
真剣な顔でそう言うと、両手を広げた。
主「はぁ」
軽く倒したのであまり実感がわかない。
それこそA組のやつらは一撃だったはずだ。
保「特にCは学内最上級の時空系高次能力者ね。
選抜試験で首席入学しているのよ」
主「ええっ」
驚きのあまり大したリアクションができなかった。
保「まぁ、それでも今年のA組は異常だから。
首席入学後にランクがどんどん落ちて、最終的には10位だったみたいね。
きっとそれで子供ちゃんのことを恨んでいたんだと思うのよ」
保険医は、はぁとため息をついた。
- 309 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:40:58.25 ID:rX9b5x4w0.net
- 保「まったく。こんな組織的に一人を潰そうだなんて、学園始まって以来だわ」
呆れたように首を振った。
保「能力者って言うのは我が強くてね。
よほど相性がいい相手じゃなきゃ組まないものなの。
まぁだからこそ下位クラスの二人が紛れてたわけだけど」
主「はあ」
保「Cは別格としても、B、Dも個人で覇権を狙えるレベルの能力よ。
特にDの能力は学園の歴史の中でも群を抜いていると思うわ。
それこそランク外の彼みたいな身体能力があったら……」
そう言って身を震わせた。
保「はっきり言って今年の生徒は、
教員でも単独じゃ相手にできないレベルのが揃っているの。
君もそのランクだと狙われる側になると思うから気を付けてね」
- 310 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:45:04.28 ID:C6P/EfOW0.net
- 主人公は呆然としたままフラフラとした足取りで教室に戻った。
また遅刻かと女教師に怒鳴られたが、そんなことは些末なことだ。
主「狙われる側、か」
その日一日はボーっとして過ごしてしまった。
と、言っても、夏休み前なので大して授業も進まないのだが。
主「俺の能力は、通用するんだろうか」
今までに出会った能力者を思い返した。
はっきり言ってズルだ、反則だと叫びたいレベルの能力者ばかりだ。
主「何か。武器が必要だな」
少し考える時間が欲しかった主人公にとって、夏休みに入るのは好都合だと言えた。
- 311 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:48:05.59 ID:C6P/EfOW0.net
- 細身「おーっす! 久しぶり!」
廊下を歩いていると、後ろから声をかけられた。
主人公「ああ、久しぶりだな」
細身「? なんだ、元気ないな」
主人公「いや。何か武器が」
言いかけて思いついた。
こいつはどうやってこの身体能力を得たのだろう。
細身「武器? 男なら素手で戦わんとな」
がはは! と高笑いした。
主人公「お前、どうやって強くなったんだ?」
真剣な表情で聞くと、細身も顔を引き締めた。
- 312 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:50:33.62 ID:G87rdISl0.net
- >>300
読み返してみたら書いてあった
- 313 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:50:43.83 ID:QRPjqjxu0.net
- 細身「虎がなんで強いか知っているか?」
逆に質問を投げかけられた。
主人公は首を傾げる。
主「……いや。分からん」
細身「元々強いからよ!」
がはは! とまた高笑いした。
主「そう言う話じゃなくてだな」
呆れたように言ったが、細身は真剣そのものだったようだ。
細身「まぁ今のは俺が好きな漫画のセリフなんだが、
強いってのは強いってことだ。それ以外の何物でもない」
いたって真面目な顔つきで言う。
主「……シンプルでいいな」
細身「だろ? 色々考えるのめんどうくせーもん」
そう言って白い歯を見せた。
- 314 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 01:56:05.66 ID:woIz/n+M0.net
- 金髪「やっほぉ、ひっさしぶりぃ」
後ろから抱き付かれた。
……いい匂いがする。
主「あ、ああ。久しぶりだな」
金髪「? なんだかつれないねぇ。一緒に寝た仲なのに」
廊下を歩いていた生徒が一斉にこちらを見たような気がした。
主「お、おい。あんまりそういうこと言うのはよせ」
ヒソヒソと言いながら、廊下の隅へ連れ出した。
金髪「なんか元気ないのかにゃ?」
首を傾げて言った。
主「いや。俺の能力は上に通用するのかな、って」
金髪「にゃははー。なんだぁ、そんなこと!
もっと単純に考えなよ」
にぃ、と笑みを浮かべた。
- 315 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:00:16.84 ID:Qoep8gLa0.net
- 金髪「あたしの能力は強いと思う?」
主「……? ああ、強いんじゃないかな」
金髪「でも今の君には負けるよ。ランク11位おめでとう!」
パチパチと手を叩いた。
主「ああ、ありがとう。情報が早いんだね」
金髪は首を傾げた。
金髪「あー、そっか。君みたいに上がり続けてる人は気にしないんだろうね。
あたしみたいに弱っちぃのは、すぐ人に追い抜かれてランクが下がるから。
A組維持するのだって大変なんだよぉ」
笑顔で言うとくるくるとその場で回った。サラサラと髪がたなびく。
金髪「でさ。私の能力だけど、実は下から数えた方が早いくらいなんだよ」
口元に笑みを浮かべながら言った。
主「……そうなの? 戦った感じ強いって思ったけど」
金髪「それはいわゆるマジックなのですよ!」
びしっ、と指を一本付きだした。
- 316 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:03:57.38 ID:ziyRUxsf0.net
- 主人公はずいぶん身体能力高いと思うが
てか能力より格闘の方が強いだろ
- 317 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:05:10.76 ID:CgV2y+Vn0.net
- 主「マジック?」
金髪「そうそう」
あたりの空間にバチバチと火花が舞う。
主「ちょ、何してんの!?」
慌てて飛び退いた。
金髪「あたしのはただこうやって電気をあやつるだけだよ。
それなら能力者じゃなくてもできるじゃん」
主「……確かに」
金髪「そうなんだよね。でもあたしと戦う下位能力者はみんな身構えるよ。
だってA組だし、なんかいかにも電気使いそうな見た目じゃん」
またくるくると回る。髪の毛が美しい金色の光を放った。
主人公は思い出す。静電気で浮き上がった彼女の髪を。
主「あ」
金髪「ね? いかにも能力者っぽいでしょ?
まずは見た目から入らないと。じゃあねー」
にゃはははーと笑うと、くるくるとまわりながらその場をあとにした。
- 318 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:06:55.51 ID:frHPFumT0.net
- なるほど
- 319 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:08:35.33 ID:IfZgffd+0.net
- 主「あ」
ぱつ子「あ」
お互い立ち止った。
主「その節はどうも……」
ぱつ子「私の方こそすみません……」
ぺこぺことお互いお辞儀をする。
主「つーか今日はよく知り合いに会うな。普段は全然見ないのに」
不思議そうな顔で言った。
ぱつ子「ああ、それなら夏休み前だからですよ」
主「なんで?」
ぱつ子「高次能力者は授業に出なくても単位取れますから。
普段は学校に来ません。夏休み前は宿題を出されるので」
そう言ってぱぁっと笑った。
主「なるほど、そういうことか」
そこでひとつ疑問が浮かんだ。
- 320 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:11:09.84 ID:1yxcDWEN0.net
- 主「ランク外のガリガリのやつ知ってる? 頭突きが強い」
ぱつ子「A組で知らない人いませんよー。超がつく有名人ですから」
主「そうなの?」
ぱつ子「ええ。入学初日にA組全員にケンカ売ったんです」
にこやかに言う。
主「……命知らずな奴だね」
ぱつ子「ええ。でもそこからがすごいんですよ。
彼、当時の主席をボコボコにしました」
真剣な目つきで言う。
当時の主席。Cのことか。
主「……それで、どうなったの?」
- 321 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:14:47.58 ID:A/QthEJj0.net
- ぱつ子「そこからはもう大乱闘で。
でも細身の彼は勝ち越して満足した顔で出て行きましたよ」
やはりおそろしいやつだな。主人公は身震いした。
ぱつ子「それで? 彼がどうしたんですか」
主「ああ」
本題を忘れるところだった。
主「あいつも学校来てないじゃん。単位は平気なの?」
ぱつ子が小首を傾げた。
ぱつ子「知らないんですか? 彼は正式に能力者に認められたんですよ」
主「そうなのか」
ぱつ子「ええ。すごいですよね。現在第3位です」
主「……なるほどね」
あいつの上に二人もいるのか。
そして目の前のぱつ子も自分よりはるかに上。
やはり何か武器が必要になるな。
主人公の頭の中をそればかりが支配していた。
- 322 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:18:56.88 ID:NRArACh70.net
- さて、そろそろ帰ろうかな。
主人公は思った。
話し込んでいたせいでもうかなり日も傾いている。
「おい。そこのお前」
主「?」
振り返ると見知らぬ女生徒が立っていた。
男の自分と同じくらいの身長で、
肩の下まで伸ばした黒髪がつやつやと光を反射している。
手には竹刀を持っていた。
竹刀女「お前だ。いざ尋常に、勝負されたし」
一切表情を変えずにそう言った。
- 323 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:21:43.70 ID:jDfGjPKR0.net
- 主「……いや、自分弱いんで。夏休み明けに戦いましょう」
逃げるようにその場から退散しようとした。
竹刀女「弱いだと? 私の上に立っているのにか」
主「え?」
竹刀女「戦ってもいない男が上のランクにいるのは気分が悪いからな。
ここで白黒はっきりつけようではないか」
めんどくせぇなぁ。主人公は思う。
主「いや、そちらの上でいいですよ」
竹刀女「……貴様っ! それでも男か!」
女は激昂した。
どうやら戦いは避けられないらしい。
渋々主人公は身構えた。
- 324 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:22:51.14 ID:3N3xFgCx0.net
- 竹刀女「貴様も刀を抜けぃ! 私の能力>>327! 受けてみろ!」
主「……いや。刀とか持ってないんで」
主人公はため息をついた。
- 325 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:24:14.04 ID:Nwu+kpAT0.net
-
- 326 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:25:14.53 ID:CgypHCU30.net
- ゴルゴ並みの反射神経と動体視力
- 327 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:26:09.34 ID:frHPFumT0.net
- kskst
- 328 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:26:40.49 ID:frHPFumT0.net
- st
- 329 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:26:42.10 ID:IjVntQ6c0.net
- 脱皮して体の性質を変える
- 330 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:26:43.37 ID:6zjXxuZ80.net
- >>326から繰り出す神速居合切り
- 331 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:29:39.83 ID:1kdjA1qU0.net
- ゆらり。
構えた竹刀が正面でピタリと止まった。
主「……」
竹刀相手に戦ったことが無い主人公は飛び込むのを躊躇した。
なんだか一瞬で持っていかれそうな気がする。
ジリジリと時間が過ぎるのを待った。
主「……」
竹刀女「……」
どうしようかな。
主人公は途方に暮れていた。
- 332 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:33:17.63 ID:DM+sHYXW0.net
- ずるり。
何かが竹刀女から剥がれ落ちた。
主「……キモ」
ぬらぬらと光る表皮が廊下にずり落ちた。
フェローメロウ
竹刀女「”追及の美学”」
すっ、と竹刀を突き出した。
竹刀女「さぁ。かかってくるがいい」
主「……そっちから来いやぁ!」
飛び込むとやられそうなので、とりあえず挑発しておいた。
- 333 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:37:18.68 ID:cdo+7b6v0.net
- 竹刀女「ふん。ならば参ろう」
上半身は全く動かさず、下半身の動きだけで突っ込んできた。
主「……っ!?」
慌てて顔を横に逸らす。
風を感じ、耳元で羽虫がはためくような音がすると、頬に熱を感じた。
主人公が手をやると、ぬるりとした感触がある。
頬がかなり深く切り裂かれていた。
竹刀女「なかなかやるな。今のは首が落ちていてもおかしくない一撃だぞ」
静かにそう言うと、また身構える。
主「うそだろ、おい」
ただの竹刀のはずだ。
頬から首筋、胸元へ落ちる出血は、竹刀で受けた傷のそれではない。
竹刀女「……参る」
竹刀女が前傾姿勢を取ると、再び突進してきた。
- 334 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:41:30.74 ID:m2evpfvr0.net
- 竹刀女「あああああああああ!!!!!!!!」
主「…………っ!!!!!」
一撃一撃確実に殺しに来ている。
かわし切れないものは腕ではじいていたが、
十数秒後には完全に血だるまになっていた。
廊下に血しぶきが広がり、足元に血だまりができる。
主「はー……っ。はー……っ」
目がかすんできた。
荒く息を吐くが、酸素が入ってこないかのように息苦しい。
竹刀女「どうした? 私より上のランクのくせに」
ズルズルと音をたてて表皮がまた一枚剥がれた。
竹刀女「もうスピード主体はやめだ。
重い一撃で殺すことにしよう」
女が竹刀を構えると、腕の筋肉がメリメリと音をたてて膨張した。
- 335 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:46:22.68 ID:wpvWLDa90.net
- 主「……っ」
女が二重にも三重にも見える。
目をこするが、血が入って余計に見えなくなった。
フェローメロウ
竹刀女「”追及の美学”」
水の中のようにぼやけた視界で、女の全身が膨張したように見えた。
竹刀女「死ねぇい!」
無慈悲にも主人公の頭頂部へ竹刀が振り下ろされる。
ピコピコハンマー
子供「”打ち出の小槌”」
それが大きな手によって防がれた。
子供「あたちの友達になにしてるのよ!?」
主人公の耳に薄ぼんやりと声が響く。
竹刀女「! 先生の友達だったのですか!」
竹刀女が慌てたような声を出した。
- 336 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:48:44.93 ID:NOKNm6GN0.net
- 竹刀女「すみませんでしたぁ!」
廊下に頭をこすりつけながら、竹刀女が謝った。
主「いや、別にいいんだけどさ。”先生”ってのはなんなの?」
子供「こいつわたちの弟子なのよ」
えへんと胸を張る。
竹刀女「ええ。先生にはいつもよくしていただいてます」
ぺこぺこと頭を上下させながら言う。
主「……へぇ」
主人公は突っ込むのももう面倒くさくなった。
- 337 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:51:44.25 ID:nr2A2DrV0.net
- 竹刀女「ランキング14位、竹刀女です! 以後お見知りおきを!」
にこやかな笑顔で自己紹介すると、頭のおかしな女はいなくなった。
主「……やっぱ上位陣ってのは強烈だなぁ」
呟くように言う。
子供「ふん。あたちに感謝しなさいよね」
腰に手を当て胸を張った。
主「ああ。ありがとな」
わしゃわしゃと乱暴にその頭を撫でる。
子供「ちょっと! ヘアースタイルが乱れるでしょ!?」
子供は迷惑そうに頭を押さえた。
- 338 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 02:54:17.43 ID:WFWCpFEM0.net
- 家に帰った主人公はずっと考えていた。
虎が強いのはなんでなんだろうか。
爪のおかげか。
牙のおかげか。
相手を威圧する条件。
自分に合った武器。
主「ダメだ。分からん」
ベッドに倒れ込むと、そのまま眠りに落ちた。
- 339 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 03:00:07.46 ID:oNO5I1R90.net
- 今日が最後の登校日だ。真夏の日差しがまぶしい。
主「A組に編入するのは夏休みが明けてからにしよう」
何も武器を持たない自分には、少し荷が重いような気がしたからだ。
かったるい式を終えると、もう長い長い夏休みだ。
荷物を整理し、教室を出る。
主「夏休みが勝負だな。絶対上位に食い込んでやる」
そうして黒縁を見返してやるんだ。
ニタニタと口元にいやらしい笑みを浮かべながら、そう思った。
主「ん?」
何やら人だかりができている。
近づくと掲示板に大きな張り紙がしてあった。
主「ランキング最新版?」
そこにはそう書かれていた。
- 340 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 03:09:20.45 ID:yO2JguOq0.net
- 1位 ”無法者”
2位 ”神域”
3位 ”最強の無能力者” 細身
ポップンポップコーン
6位 ”絵本の世界” ぱつ子
ピコピコハンマー
8位 ”打ち出の小槌” 子供
ブラックボックス
10位 ”不死鳥の巣箱” 坊
サーキュレーター
11位 ”四季神” 主人公
ウォッチストッパー
12位 ”時間操作” C
フェローメロウ
14位 ”追及の美学” 竹刀女
ビリビリクラッシャー
26位 ”超電導物質” 金髪
プロティスト
37位 ”溶融香炉” 黒縁
- 341 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 03:15:42.86 ID:iFDpEN4v0.net
- 主「……やっぱり上の方のやつには勝てる気しねぇなぁ。
というより下にも俺より強いのたくさんいそうだし」
掲示板を見上げたままため息をついた。
主「強くなれば強くなるほど、天井が高くて見えないことに気付くんだな」
だけどまだ一学期が終わったばかりだ。
ここから俺は強くなれる。
主人公は前向きに考えることにした。
主「夏休みは一か月半か。待ってろよ。絶対上り詰めてやる」
掲示板の上位陣を睨み付けながら、
そう心に強く誓うのだった。
- 342 :1:2014/07/20(日) 03:18:11.70 ID:luJQqLAW0.net
- 寝ます。みなさんお疲れ様でした。
- 343 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 03:43:20.33 ID:I/HjGWmj0.net
- 乙
- 344 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 03:52:13.44 ID:Nwu+kpAT0.net
- 乙
- 345 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 04:30:22.93 ID:nuwekqwA0.net
- ほ
- 346 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 04:46:30.34 ID:FUTZUltY0.net
- し
- 347 :Please Click Ad !!アドセン.スクリックお願いします:2014/07/20(日) 04:47:15.62 ID:zHHuxxhI0.net
- 乙
夏休み編がきになる
- 348 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 05:17:45.38 ID:FUTZUltY0.net
- の
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