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男「今日も明日も」女「永遠労働」

1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:27:55.95 ID:bmeklD/R0.net
男「…あの、女さん」

女「何?仕事は死ぬまで終わらないわよ」

男「そんなことわかってますよ、そうじゃなくて女さんに関する話です」

女「へぇ、私が関係してるの?どんな話よ」

男「関係してるっていうか…僕達お互い気づいた時には隣あって仕事してるじゃないですか。」

女「そうね、あんたともだいたい20回くらいは冬を越したかしら」

2 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:28:58.92 ID:bmeklD/R0.net
男「もうそんなになるんですね…そこでなんですけど、たまには仕事をサボったりしてみてもいいんじゃないかな…って思ったんですよ」

女「あら、あんたにそんな度胸あるの?あんたって虫が近寄ってきただけで泣きそうな顔するほどのチキンハートじゃない」

男「虫が嫌いなだけですよ…チキンハートでは無いです」

女「私は虫なんぞ別になんともないんだけどねぇ…で、なんでいきなりサボろうと思ったわけ?」

男「だって僕達の他にも沢山の労働者がいるじゃないですか。僕達がサボってたって誰も気づきはしないでしょう」

3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:30:28.33 ID:bmeklD/R0.net
女「…サボるのはいいんだけど、サボってどうするの?私達はここから動けないじゃない。何もやること無いよりは仕事するほうが私はいいわ」

男「…それもそうですね」

4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:31:15.74 ID:bmeklD/R0.net
女「そういやもう二つ隣の地域で仲間が数人倒れたらしいよ、原因は不明だけど…おそらくあいつらね」

男「またですか…最近多いですね」

女「…私達も同じように消えて行くのかもね、みんなみたいに」

男「だっ…大丈夫ですよっ!僕達のいるここは比較的安全な地帯だって言われてるじゃないですか!」

5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:32:39.60 ID:bmeklD/R0.net
女「でも、絶対安全って言える?私達は元々こき使われるために生まれたような物じゃない、いつ何があるかわからないよ」

男「……そうネガティブになるのやめませんか、僕もいつ殺されてしまうかビクビクしてるんです」

女「そうだよね…ごめんなさい」

男「いいんです、僕もたまにそう思うことありますから」

6 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:34:10.12 ID:bmeklD/R0.net
女「そういえば、私達がいるからあいつらは呑気に生きることが出来てるのよね」

男「そうですね…おそらく僕達が何もしなくなったらみんな全滅するでしょうね」

女「…じゃあ、仲間たち全員でボイコットしてみようか。見てみたくない?あいつらが慌てふためく姿」

男「いる場所的に僕達以外の仲間にそれを伝えられないでしょう、女さんと会話できるっていうのがもう奇跡的なんですから」

女「それもそうねぇ…あんたと私はずっと近くで頑張ってるけど近場に他の仲間もいないものね」

男「行動も自由じゃないなんて本当に辛いですよね、一人で立たされてる人が可哀想になります」

7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:35:13.86 ID:bmeklD/R0.net
女「まあ、私達だけが特別で他のみんなはまとまって仕事してるのかもしれないけどね」

男「それはそれで嫌ですね…」

女「ほう、お前は二人きりは嫌だと?私と一緒は嫌なのかそうかそうか」

男「いやっ、そういう意味じゃなくて!僕達だけ特別なのはなんか嫌だなーって!それだけです!別に二人きりが嫌なわけじゃ…」

女「知ってる、何年一緒にいると思ってんの。嫌だったらこんなに話に付き合ってくれないでしょ」

男「からかうのはやめてくださいよ…嫌われたらどうしようかと「あっ虫ついてるよ」うひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!??!???」

女「…情けないわね」

男「女さんのせいですよっ!!」

8 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:36:04.24 ID:xKBqgjEd0.net
赤青

9 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:36:07.00 ID:bmeklD/R0.net
男「…寒くなってきましたね」

女「そうねー、そろそろ衣替えの時期かしら?」

男「この時期は本当に憂鬱ですね…寒いし冷たいしで大変ですよ」

女「仕方ないでしょ…今年も頑張らなきゃな…ああヤダヤダ」

男「そのヤダヤダってのババくさいですよ、もう年ですね」

女「殴りたいけど殴れないのが腹立たしい…ッ」

男「じょ、冗談ですよ…冗談」

女「冗談で済むものと済まないものもあるのよ…」

男「本当にごめんなさい」

10 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:37:26.02 ID:bmeklD/R0.net
男「はぁ…寒いのに夜も働かなくちゃいけないなんてなぁ…」

女「……そうね」

男「どうかしました?元気無いみたいですけど…」

女「…多分だけど、もうすぐお別れかもしれない」

男「………はっ?」

女「ここから異動になるらしい。私の範囲の統括者が異動することを匂わせてた」

男「……置いて行くんですか」

女「仕方ないじゃない、所詮近いとはいえ一枚の塀を挟んでいる。同じ範囲で仕事していれば一緒に異動できたんだけどね…」

11 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:38:28.90 ID:bmeklD/R0.net
男「…ほんとに不便ですよね、この体。ここから一歩も動けないんですもん」

男「今、すっごくあなたの隣に行きたいです。どう頑張ったって無理なのはわかってるのに」

女「まったく同じ気持ちだよ…今までありがとうだね、別れの日付がわかったら教えるよ、その時まではまだ仲良くしてよう」

男「…女さん」

女「…どうしたの」

男「僕、女さんのことが好きです」

12 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:40:14.99 ID:bmeklD/R0.net
女「………」

男「もう言い表せないくらい大好きです。あなたのためなら我が身を捨ててもいいほど大好きです」

女「………」

男「…今までありがとうございました。別れが惜しくなるのでこれからは会話もやめましょう」

女「………」

男「別れの前に言えて良かったです。何があるかわからないですからね」

女「……おい」

男「僕はここで頑張ります。あなたも異動先で「ふざけんじゃねぇッ!!!」…なんですか、女さん」

女「…私だってお前のことが好きだよ」

13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:41:58.93 ID:bmeklD/R0.net
男「……ッ!」

女「叶うならずっと一緒に居たいよ…死ぬまで二人で居たかったよ…でも仕方ねえんだよ…どうしようもないんだよ…」

男「……やめてください」

女「何をやめろって言うの?勝手に一人でお別れしようとして。私だって言ってないこと、言わなきゃいけないことたくさんあるのにあんただけ言いたいこと言うなんて不公平だと思わない?」

男「…別れが辛くなります」

女「私だって別れが辛いの。こんなに長く一緒にいてわからない?」

男「…ごめんなさい」

14 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:44:13.59 ID:bmeklD/R0.net
女「よろしい…もう一回言うけど、私はあんたが好き。とってもとっても大好き」

男「僕もです。もうどう頑張っても伝えきれないほど大好きです」

女「…ありがと、嬉しいよ」

男「僕もですよ…今更ですけど、僕達似たもの同志ですよね。思ってることがいつもおんなじだ」

女「いいことじゃない、以心伝心って言うんだっけ?何年か前に教えてくれたよね」

男「そうですね…うちの範囲の人が流していたラジオで知りました」

15 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:45:35.00 ID:bmeklD/R0.net
女「あのころはあんたなんて何とも思ってなかったんだけどね…懐かしいわ」

男「僕はその頃から好きでしたよ…」

女「ありゃりゃ、片思いされてたのか、気付いてやれなかったよ」

男「まあ会話もあまりしてませんでしたからね…」

女「…もうあの頃には戻れないのね」

男「そうですね…もうすぐお別れです」

16 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:47:16.08 ID:bmeklD/R0.net
女「男…改めて、今までありがとうな、これからも頑張って」

男「女さんこそ、異動先でも元気にしていてくださいね」

女「ありがとうな…じゃあ、今日から別れまで会話はナシだね」

男「そうですね…もう話し相手がいなくなると思うと寂しいです」

女「そういやお前ちょっと前に二人きりは嫌だと言っていなかったかぁ?せいせいしたりするんじゃないのか?」

男「あれは仲間はずれがいやって話で…って説明したでしょう」

女「わかってるよ…ってことも説明した筈だけどね」

17 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:48:40.03 ID:bmeklD/R0.net
男「それもわかってますよ…そろそろ、終わりにしましょうか」

女「…そうだね、どんどん別れが辛くなっちゃうし」

男「…じゃあ、今まで、本当にありがとうございました」

女「私も…今までありがとうね」

数日後、女さんは異動となった。

あの後会話は一切無かったが、別れの時にはやはり心にズシンとくる悲しみが残ってしまった。

でも、これから一人でがんばって行かなきゃいけない。

異動先でも頑張っているだろう女さんと同じように、今日も僕達は「サンソ」を作っていく。

おわり

18 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:52:24.40 ID:euSOP8Zi0.net
乙!

19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:53:19.45 ID:zUPMKiFJ0.net
酸素のところの解説を頼む

20 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:55:20.30 ID:+K/GUh6r0.net
>>19
え?

21 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:55:44.09 ID:bmeklD/R0.net
>>19
男と女は木だったっていうつだった

22 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 20:56:09.10 ID:TDCZwuxm0.net
>>19
植物
多分木じゃね

23 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 21:04:08.43 ID:bmeklD/R0.net
読んでてどの辺りで2人が木だったって気付いた?

24 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 21:07:27.74 ID:TDCZwuxm0.net
植物なのは言わずもがな
動けない、20年、異動あたりでそこそこ大きいものだと思った
だから木じゃねーかなと

25 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/20(日) 21:10:58.26 ID:CvwSJHp70.net
分からんかった
酸素まで

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