ラノベ作家を目指しているけど文章書いたから評価してほしい

以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします

　もう何年前になるか思い出せないが日だけは覚えている。こがらしが枯れ葉を吹き寄せ、少年の足元まで運ぶ。少年はポケットに手を入れながら、靴底がすり減ったスニーカーで踏みつけた。
　十二月三日。あたりには色とりどりのイルミネーションが設置されていて、街の照明代わりとなっていた。息を吐くと白い息が顔にかかり、
それがより一層寒さ感じる。指先から伝わる感触を確かめて、少年は小走りで急ぐ。周囲には当然のように手と手を繋ぎ合う恋人がおり、
それらを縫うように進んでいく。
　そして、広場へと出た。待ち合わせの時間にはまだ十分ほど余裕があるが、それでも遅刻は許されない。集合場所である噴水の前までたどり着いて、
ほっとひと息つく。腕時計で時間を確認したり、不意に星空を見上げたくなったり、公衆の面前で堂々とキスをしている恋人達に恨めがましい視線を送りながら、
五分が経った。
　焦燥感に駆られてきた。
　もしかして約束をすっぽかされたのではないか、と思い始めたときに、横から声がした。首を動かすと、
顔に温かいものが押しつけられた。手に取ってまじまじと見ると、それは少年の好きな缶コーヒー。
　口元はマフラーで隠れていて、彼女は指先で首まで下げた。唇が動く。
「お待たせ。時間ちょうどでしょ？」
　確かに目下、九時である。少年は彼女のコート姿にドギマギしつつも、缶コーヒーの礼を言う。そして、
「じゃあ、行こうか」
　彼女はこくりと肯く。それから寒さのせいかやや頬を赤らめてこう言った。
「ねぇ、私、手、寒いんだけど」
　少年は首を傾げた。
「なら、缶コーヒーで温めればいいんじゃないかな」
　少年はポケットに入れた缶コーヒーを差し出す。しかし彼女は頬を膨らまして少年の手をつかんだかと思うと、
そのまま逆戻りするように彼のポケットに手を入れた。
「これでよし！　──って、アレ？　なにこれ」