俺の彼女が稀に見る美人っていうのは嘘なんだけどさ、

以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします

付き合うっていうか許嫁で、上の世代で起こった遺産相続のいざこざを丸めるため、和睦の印として幼い内に結婚を決められたって言うのはただの嘘でさ、
昔から何度か顔を合わせる仲で、ことあるごとに俺の手を握って顔を真っ赤にして俯いてたって言うのはこの上なく俺の理想であって妄想で関係ないんだけど、
彼女がどれほど美人だったかといえば、ラブレターを冗談なしで日に二通受け取ったことがあるほどだっていうのはやっぱり冗談なんだが、
知り合ってから付き合うまでに10年かかったなんて、そんな漫画ちっくなのは似合わないよなごめんなさい戯言です、
学生時分、俺がつき合って三年記念の日にあげた、バイトして無理矢理かった指輪、「背伸びし過ぎって」言いながらうれし涙を流す顔はフィクションであり実際の事件団体とは云々、
俺がバイクの事故で意識不明のとき目を覚ますのに一週間かかったんだけど、久し振りに開いた視界が捉えたのは泣いている彼女でお前ずっとここにいたのかよって思ったなんて話は真っ赤な鰊の燻製にでも食わせておこう
それでずうっと夢見てた結婚式が目前になってから彼女が倒れてさ、癌云々言われて、俺わけわかんなくて変なこと泣き叫んじゃって、あいつに最期に言わせた言葉が、「私が欠陥品でごめんね」だったなんてことは、嘘にできないよなぁ……