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キョン「土曜日の公園?」ハルヒ「土曜日の公園!」
- 1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:01:21.07 ID:/IzhPCMm0.net
- 土曜日の公園にて、ただ何をするわけでもなくぼんやりとベンチに座っている。
世間は夏休みに突入し、公園は小学生で賑わっているかと言えばそうでもなく、数人の小学生がちらほら見えるだけ。
この炎天下の中頭が下がるばかりである。とは言っても、本日はどこぞの団長の笑顔ばりに晴天ではあるが、湿度は低く、日陰に入れば風が涼しい。
「あっついわねー」
どこぞの団長様がそう零す。
しかし、その声は楽しさを含んでいる。何もせずにこうして座っているだけなのだが、それで幾ばくか楽しさを感じているなら幸いである。
このくそ暑い中を連れ回されないだけマシなのだ。
- 2 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:02:44.50 ID:SBfX2num0.net
- はよ
- 3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:05:24.05 ID:/IzhPCMm0.net
- 「返事しなさいよ、バカキョン」
ジト目でハルヒがこっちを睨む。
「暑いな」
ハルヒが聞こえるように嘆息する。中身の無い呟きに対してどう返事するのが正解なんだろうね。
「まったくもってダメキョンね。略してダキョンよ、ダキョン」
一文字しか略せてないぞ。
「うっさい、ダキョン」
一体全体、俺にどうしろと言うのか。
風がのんびりとハルヒの髪を揺らす。1年の頃にばっさりと切って以来、伸ばしているようだ。本日は暑さのせいかポニーテールにしている。
眼福である。
- 4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:09:43.16 ID:wWb8sT4P0.net
- 続けたまえ
- 5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:11:17.89 ID:/IzhPCMm0.net
- 「何見てんのよ?」
「別に」
「エロキョン」
果たしてそこまで言われなければならないだろうか。いや、言い過ぎである。
「ほんと、あっついわねー」
本日2度目となる呟き。
「なら、少し離れたらどうだ?」
俺とハルヒの距離はほぼゼロに近い。というか、ゼロである。互いの肌が密着する程度の距離。
詰めれば4人は座れるベンチで、何故こうもくっついて座らなければならないのだろうか甚だ疑問である。
- 6 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:12:52.50 ID:iJB/c4080.net
- はよ
- 7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:14:40.51 ID:/IzhPCMm0.net
- 「少し離れるぞ」
「お好きにどうぞ」
そう言ってハルヒと距離をとる。これでいくらかは涼しくなるだろう。
だというのに。だというのに、だ。ハルヒがその距離をすすっと詰めてくる。
再び肌と肌が密着する距離。ハルヒの体温を直に感じる。
「……おい」
非難の声をあげる。当のハルヒは知らんぷりで、小学生を眺めている。
まったく、やれやれである。
また少し距離をとる。それを詰めるハルヒ。その繰り返し。
とうとうベンチの端に追いやられてしまった。
「ハルヒ、暑いんだが……」
「あたしは別に暑くないわよ!」
抗議の声は一喝にておしまい。
- 8 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:15:02.76 ID:SBfX2num0.net
- 結婚しろよ
- 9 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:18:43.33 ID:/IzhPCMm0.net
- 「距離が近いんだが……」
「あたしは別に気にしないわよ!」
まったくもって無茶苦茶である。ハルヒはこっちのことなど微塵も気にしてないのだろうか。
……してないんだろうな。
風がそよそよと吹いている。ハルヒのポニーテールが揺れている。まっまく、この熱を帯びた肌を冷ましてくれないものかね。
夏の日差しに負けないようなハルヒの笑顔を横に、そんなことを思うのであった。
- 10 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:19:20.96 ID:/IzhPCMm0.net
- 終わり
- 11 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:19:59.95 ID:SBfX2num0.net
- おいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
- 12 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:21:14.36 ID:njvxHJ420.net
- >>11
この人のは短編だからまた次があるだろう。
- 13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:22:05.49 ID:/IzhPCMm0.net
- 冬も終わり、桜が咲き始めた今日この頃。気温も高くなり、花粉のことを考えなければ過ごしやすい季節になった。
とはいえ、やはり夜はまだまだ寒く、温かいものを食べたくなる。
「お待たせ」
炬燵に入り待つこと約30分。ポニテエプロン姿の朝倉が鍋をもって部屋に戻って来た。
なんのことはない。朝倉に鍋に誘われた。それ以上でもそれ以下でもない。
俺を殺そうとしていた人物の家に、鍋に誘われほいほいついてきたわけではあるのだが、長門が「心配ない」と言っていたので、おそらく大丈夫だろう。
「今日は長門さんがいなくて寂しかったから、キョン君がいてくれて良かった」
そうにっこりと微笑む朝倉に、思わず見惚れてしまいそうになる。
谷口のランク付けでは確かAA+であったか。
そのランクに恥じない可憐さである。
- 14 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:25:06.19 ID:/IzhPCMm0.net
- 「どうかした?」
「いや、なんでもない」
「そう?じゃあ、冷めないうちに食べましょ」
鍋の蓋を取ると、水蒸気とともにいい香りが辺りを包む。
「今日は水炊きにしてみたの」
少し……いや、かなり意外であった。
いつぞやの長門が構築した世界ではおでんを出してくれたため、どうも「朝倉=おでん」というイメージを勝手に持っていたようだ。
「あれ?もしかして水炊きって嫌いだったかしら?」
「いや、そんなことない」
- 15 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:26:41.38 ID:fLcmAwsGi.net
- 再放送?
- 16 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:29:32.07 ID:/IzhPCMm0.net
- むしろ、鍋の中では個人的に上位に入るものである。あっさりとしているが、投入する食材によって出汁に風味が増し、食欲をそそる。
「そっか。良かった良かった」
うふふと笑みを浮かべ、取皿にとりわけてくれる朝倉。
それが、ポニーテールとエプロンと相まって旦那の世話を焼く若奥様という印象を受けてしまう。
そしてこの場では、旦那となるのは必然的に俺になるわけで……
「どうかした?」
「いや、なんでもない」
先程と同じやり取り。見惚れてしまったなどと、気恥ずかしくて言えるはずもないので同じように誤魔化してしまう。
それを見透かすかのように朝倉はにんまりと笑っている。
顔が熱くなるを隠すように豆腐を口の中に放り込んだ。
- 17 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:33:03.08 ID:/IzhPCMm0.net
- 「あ、熱っ!」
そりゃそうだ。さっきまで煮込まれていた豆腐である。火元からは離れているとはいえ、まだまだ熱い。
「大丈夫?」
朝倉が心配そうに俺の顔を覗き込む。大したことはないが、少々舌を火傷してしまったのか舌先がヒリヒリする。
あぁ、恥の上塗りというかみっともないというか、格好悪くてげんなりしてしまう。
「ほら、お水でも飲んで冷やさないと」
「すまんな」
「別にそれくらい構わないわよー」
にこにこと笑う朝倉。さっきからずっと朝倉に笑われているような気がする。
俺は肩を軽く竦め、食事を再開した。
- 18 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:36:09.27 ID:/IzhPCMm0.net
- 「お粗末様でした」
締めうどんまでしっかりと頂き、満腹感に満たされる。余談ではあるが、どこぞのうどん県では締めはうどん以外認められないそうである。
「そういえば、火傷した舌は大丈夫?」
「ああ。もう痛みはほとんどない」
「ほんとに?」
ずずいっと朝倉が距離を詰めてくる。肩が触れ合う距離。そこからじっと俺の顔を見つめてくる。
「あーんってしてみて」
いくらなんでもそれは恥ずかしすぎる。
「いいから。ほらほら」
さらに近くなる距離。頬を朝倉の両手で固定され、顔を背けることが出来ない。
それでも、だ。口を開ける事を断固として拒否させてもらう。
- 19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:39:11.62 ID:/IzhPCMm0.net
- 「もう、意地っ張りね」
「なんとでも言ってくれ」
拗ねたように口を尖らせた朝倉ではあるが、何かを思いついたのか、にんまりと笑った。
「しょうがないわねー。そんな強情なキョン君にはお仕置きしないとね」
そう言うと、俺の頬から手を放し後ろ手に何かを取り出そうした。フラッシュバックするのはいつぞやの教室での出来事。
俺は、反射的に目を閉じてしまった。
唇に柔らかい感触。
「これで消毒できたかな?」
目を開けると間近に朝倉の顔。
脳みそが何が起こったのか徐々に理解していく。
悪戯な笑みの朝倉に、どうも俺はさらなふ火傷を負わされてしまったようだ。
- 20 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:40:49.54 ID:/IzhPCMm0.net
- 終わり
- 21 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:41:53.76 ID:iJB/c4080.net
- 面白かったぞ
- 22 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:44:04.11 ID:njvxHJ420.net
- 支援
- 23 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:46:09.58 ID:njvxHJ420.net
- 支援
- 24 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:48:27.28 ID:N1klrISw0.net
- エンドレスサマー
- 25 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:50:03.97 ID:/IzhPCMm0.net
- 土曜日のことである。
土曜日といえば、俺が所属するSOS団では不思議探索と決まっており、その集合に遅れた者がその日の活動費を支払うことになっている。
不名誉なことに、その支払いをさせられるのは常に俺であり、毎回毎回財布の中身が物凄い勢いで羽ばたいていく。
小遣いの大半がこの集まりのせいで浪費させられているせいで、個人的に金を使うことが激減した。
それが嫌なら早起きすればいいだろうなんて言う輩がいるかもしれない。
それは言外に『パンが無ければケーキを食べればいい』と言っているようなものである。
そんなわけで、今日も俺の奢りで昼食を食べ終え、恒例となっているグループ分けと相成った。
公平なくじ引きの結果、運が悪いことに俺はハルヒとペアになってしまった。これで俺の不思議探索午後の部の平穏及び安らぎが無くなることが決定した。
さらに、古泉が両手に花という恨まれても仕方がないような状況にあることも腹立たしい。
もしハルヒがくじ引きの結果に納得しないようだったら、その怒りを抑えるために言葉巧みなイエスマンに成り果てる古泉なのだが、
俺の申し出に対しては冷たいもので「まだ死にたくありませんので」なんて訳のわからないことを言っていた。
まったく、やれやれだ。
- 26 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:52:20.28 ID:njvxHJ420.net
- 支援
- 27 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:53:09.28 ID:/IzhPCMm0.net
- 誠に遺憾ながら、こうして俺はハルヒと行動を共にしている。午前中はよく晴れていたのだが、午後になって雲行きが怪しくなってきた。
風が冷たくなり、まだ春先であるせいか少々肌寒い。こりゃ一雨くるかもな。
なんてことを思った矢先に、頬へ冷たい雨粒が一つ落ちてきた。
「おい、ハルヒ。雨が降ってきたぞ。どうするんだ?」
「傘は持ってないし……。とりあえず、どこかで雨宿りしましょ」
ということで、俺たちは辺りを見渡したのだが、雨宿り出来そうな場所は見当たらない。あるのは小さな公園のみ。
まったくもってついてない。
「木の下なら歩道の真ん中につっ立ってるよりはマシよね。ほら、行くわよ」
ハルヒに引きずられるように公園の中へ。出来るだけ葉が繁っている木の下に入ると、ポツポツと降りだしていた雨足が強くなっていく。
木の下にいるだけなのだが、思ったより葉が雨を遮ってくれているようだ。しかし、雨はしのげても寒さはどうすることもできない。
朝家を出るときは晴れていたせいもあってか、俺はTシャツなパーカーという薄着である。
- 28 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:55:29.17 ID:njvxHJ420.net
- 支援
- 29 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:57:33.45 ID:njvxHJ420.net
- 支援
- 30 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/11(月) 23:58:13.54 ID:/IzhPCMm0.net
- 「寒いの?」
空気に触れる表面積を小さくするために腕を組んで、体を縮めている俺をみてハルヒがニヤリと笑った。
そう、ニヤリとだ。
限りなく嫌な予感がしたのでハルヒと距離を置こうとしたのだが、敢えなく失敗。ハルヒに捕まってしまった。
そしてそのまま後ろからギュッと抱きしめられる。
いったい何の真似だ?
「こうしたら暖かいでしょ?」
確かに、ハルヒの温もりが直に伝わっきて暖かい。しかし、それ以上にこのシチュエーションがもたらす恥ずかしさのせいで体が熱くなる。
特に顔面は熱を帯びるとともに真っ赤に染まっていることだろうよ。
「もういいから離れろよ」
「まだちょっとしか抱きしめてないわよ」
寒さだとかそんなものが気にならないくらいに気が動転している。その効果を狙ったのだったら十分過ぎるくらいだ。
冷静を保っているように思考をしているのは、理性の暴走を必死で自制しているだけであって、ほんの些細なことで爆発しかねない。
その先に待っているのは破滅のみ。
- 31 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/12(火) 00:00:42.30 ID:r+4wD4WS0.net
- 支援
- 32 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/12(火) 00:01:19.42 ID:6GfBungR0.net
- 「絶対離さないから」
面白がっているような口振りで背中にしがみついているハルヒが笑う。訂正。面白がっているようなではなく面白がっている。
顔面が沸騰寸前の俺と違ってハルヒは何とも思っていないのだろうか。
振り向けば確認することは出来るだろうけど、そんなことをしてハルヒと見つめ合うなんて状況になってしまうのはなんとしても避けなければならない。
「ちょっとからかったぐらいで顔真っ赤にしちゃってさ。キョンってうぶなんだから」
うぶだとかそういう問題でもないだろう。一般的な男子高校生としては当然の反応だ。
例えそれが性格破綻者のハルヒであろうと――いや、外見だけで言えばハルヒは可愛い。
なのでそんな反応をしてしまうのも致し方ないわけであってだな――
「じゃあ、女だったら誰でも良いってこと?」
「……別に誰でもってわけじゃないさ」
「そう。ならいい」
何が良いのかはわからないが、ハルヒが嬉しそうしている。いや、振り向いたわけじゃないが、なんとなくわかってしまった。
やれやれと声に出さずに呟いて視線を前に向ける。
雨に打たれた桜がひらひらと舞い散るのだった。
- 33 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/12(火) 00:02:57.78 ID:6GfBungR0.net
- 終わり
- 34 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/12(火) 00:05:52.74 ID:r+4wD4WS0.net
- 支援
- 35 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/12(火) 00:08:34.64 ID:T0ij1FGY0.net
- ええな
- 36 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/12(火) 00:11:03.84 ID:LAbB2Vy40.net
- よかったよ。お疲れ様でした
そしておやすみなさい
- 37 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/12(火) 00:15:56.93 ID:uK4Fo3J40.net
- おわりと言いながら終わらないのがいい
- 38 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/12(火) 00:16:59.39 ID:T0ij1FGY0.net
- つづけ
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