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キョン「俺を観察?」朝倉「キョン君を観察!」

1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 22:34:26.29 ID:8xhLri7c0.net
 長門が情報操作は得意とかなんとか言ってたのがこのことだ。

「初めましてじゃないかもしれないけど初めまして。一年の間少しだけこの高校に通ってました。これからよろしくね」

 そう言って最後ににこっと笑ったのは言うまでもなく朝倉涼子だ。
あの笑顔にほとんどの男子は騙されるだろう。


 ほらみろ。谷口なんかはよだれをたらさんばかりのいやらしい顔をしている。
犯罪は止めておけよ。

 まぁ、仮に谷口が朝倉を襲ったとしても返り討ちにされるのがオチだけどな。
いや、そんなくだらないことはどうでもいい。問題なのは俺の後ろに座っている御方だ。

 さっきからなにやら楽しげなオーラをぷんぷん感じている。
さてさて、どうしたもんかね…と、数日前までの俺は思っただろうね。

 しかし、悲しいかな。俺はもう既に退団処分となった身だ。
もうそんなおかしな団長に振り回されることもなく、平凡な毎日を過ごすだけだ。

 まぁ、朝比奈さんや長門、ついでに古泉に頑張れと心のなかで言っておこう。

2 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 22:36:02.25 ID:URu2I3fH0.net
しかし、悲しいかな。早く続きを書け

3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 22:37:06.59 ID:CMo8FV5MO.net
短めな人か

4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 22:39:45.12 ID:8xhLri7c0.net
 休み時間になるたびに朝倉のまわりには人だかりができていた。
カナダはどうだったのやらなんやら質問攻めにあっている。

 そのなかで一番でかい声でギャーギャー喚いているのはもちろんハルヒだ。
そんな状況を俺は、谷口とは違った羨ましさの籠もった眼差しでみていた。
当たり前なんだが、まだSOS団を辞めさせられたことが尾を引いている。

 そして昼休み。俺はいつものメンバーで弁当を囲んでいた。

「しっかしよー、あの朝倉が帰国してきて、しかもまた同じクラスになるってのは運命的なものを感じないか?」

 それならば俺や国木田も同じ条件だろうが。勘違いも甚だしいな。

「わかってねぇな、キョンよ。きっと朝倉は俺のために帰国したんだよ。間違いない」

 この頭のおかしな谷口をどうにかしてくれよ。さすがにここまでくるとイタイだけだな。

「安心して、谷口。100%それはないから」

 国木田が笑顔でさらっと谷口を切り捨てる。しかしそれでも谷口はめげずに妄言を吐いている。

 可哀相なやつだ。

5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 22:44:07.54 ID:CMo8FV5MO.net
昨日もスレ立ってたのか

6 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 22:46:40.26 ID:8xhLri7c0.net
 人だかりの中の朝倉と目が合う。
にこっと笑ったのその顔は俺を二度も刺したやつには見えない。

「見たか!?今朝倉が俺の顔見て笑ったぞ。やっぱり俺のことが…」

 とりあえず俺は可哀相な谷口を殴って黙らせた。

 放課後、ハルヒは物凄い勢いで朝倉を連れ去った。どうせ尋問かなにかするつもりだろう。
もしくはSOS団に入団させるかだ。古泉と同じような理由でな。

 気が付けば俺の足は文芸部の部室に向かっていた。
習慣ってのは言い訳で、なんとなく朝倉が気になったからだ。

 ドア越しになかの様子を伺ってみる。聞こえてくるのはハルヒの馬鹿デカイ声だけ。
これじゃあ隣のコンピ研はいつも騒音被害を受けてそうだな。

「なんでSOS団に入らないのよ!別に他の部活に入るわけじゃないんでしょ」

 ハルヒの口振りからすると朝倉は入団については否定的なようだ。

7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 22:48:24.72 ID:RysTHNTg0.net
キョンがクビになるスレのタイトルなんだっけ?

8 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 22:51:09.19 ID:CMo8FV5MO.net
>>7
昨日立ってたのは
キョン「SOS団にサヨナラを?」ハルヒ「SOS団にサヨナラを!」

9 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 22:52:53.10 ID:8xhLri7c0.net
 朝倉が何かぼそぼそと言っているがよく聞こえない。
もっとよく聞こうとしてドアに近づいたのが運の尽きだ。
足をドアにぶつけてしまった。

 慌てて逃走を図るが間に合わず、出てきたハルヒに見つかってしまった。

「なんで退団したアンタがここにいるのよ」

 どう言い訳をしようかと考えあぐねているとハルヒはそんなことなことを言いだした。

「もしかして戻りたいの?どうしてもって言うなら戻してあげないこともないけど…。
そうね、あたしに一生忠誠を誓うってんならいいわよ」

 いじわるな笑みを浮かべるハルヒの言葉に頷きそうになる。
だけど俺のそんな思いとは裏腹な言葉が口から飛び出した。

「ふざけるな!誰がお前みたいなおかしなやつがいるとこに戻りたいって思うんだよ?そんなのはこっちから願い下げだ。
俺だって辞めたいと思ってたんだ。ちょうど良かったぜ、せいせいしたよ」

 そう言った瞬間俺は走りだした。

 視界の端にハルヒの面食らったような顔が見えたけど気にならない。

10 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 22:54:53.00 ID:RysTHNTg0.net
>>8
サンクス

11 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 22:56:40.29 ID:8xhLri7c0.net
 いろいろな感情が入り交じっている。

 ハルヒの言葉が腹立たしくて、その言葉に頷こうとした自分がもっと腹立たしくて、八つ当り気味にあんなこと言っちまった。
最低だな…。俺は最低な大馬鹿野郎だ。

 もうこれで二度とはあのおかしな日常には戻れない。

 それと、閉鎖空間とやらが発生しただろうから古泉にまた迷惑を掛けちまうな。
悪いな。とりあえず心でそう謝っておこう。

 はぁ、明日から学校がさらに憂欝になっちまった。
自業自得だと馬鹿な自分に言っておこう。

 本当に、やれやれだぜ。

12 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 22:57:01.11 ID:MMt3xpP/0.net
朝倉眉毛愛してる

13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 23:00:29.14 ID:1nRAok3o0.net


14 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 23:02:10.52 ID:8xhLri7c0.net
 さて、ハルヒの機嫌を損ねちまった俺はこれからどうしたらいいと思う?
昨日のことで閉鎖空間は確実に発生しただろう。

 せっかくのチャンスをむざむざ潰して俺は何がしたかったんだろうね。
古泉に恨みでもあったとか。…そんなわけないだろう。

 むしろ古泉には感謝すべきことばかりだ。
恩を仇で返すとはまさにこのことだよな。

「やれやれ…」

 そう呟いたところで状況が変わるはずもなく、逆に憂欝な気分が何割り増しかなった。
これからの学校生活をハルヒに怯えながら過ごさなければならないのかと思うと最悪だった。

 学校まで続くこの長い長い坂道を今日ほどありがたいと思ったことはない。
少なくともこの坂道が続く限りは、ハルヒにばったり会うって可能性は無きにしも非ずだが、ほとんどないだろう。

15 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 23:03:58.04 ID:CMo8FV5MO.net


16 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 23:05:41.67 ID:8xhLri7c0.net
 できるだけゆっくりと歩こう。そしてできるだけハルヒに関わらないようにしよう。
とかなんとか思ってる日に限って運が悪いってのはよくある話だ。
俺の20m程前方をハルヒが歩いている。

 さっきまでいなかったような気がするが…。
考えごとしてたから気が付かなかったのか?

 そんなことより、どうすりゃいい?このまま気付かれずに学校まで行けるのか。
振り向いて欲しくない時に限って振り向くってのもよくある話だ。

 恨むぜ神様。いや、古泉曰くハルヒは神だ。
じゃあ、やっぱりハルヒを恨むしかないのかね。

 一秒にも満たない時間が永遠に近い程に感じられる。
しかし、焦る俺とは裏腹にハルヒは興味なさげにぷいっと前を向き直してずんずん歩いて行った。

17 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 23:09:11.17 ID:1nRAok3o0.net


18 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 23:12:56.42 ID:CMo8FV5MO.net


19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 23:13:29.19 ID:8xhLri7c0.net
「…はぁ」

 どっと疲れた。いや、そんなことよりも気になるのはハルヒの態度だ。
あいつ…怒ってないのか?

 いや、違うな。

 俺はすぐさまその考えを打ち消した。
怒るも何もハルヒは俺に興味がないんだ。

 昨日、俺がどう答えようとどうでもよかったんだ。
どっちみち嘘でしたみたいな感じで嘲笑うだけだったんだろうな。

 あいつの退屈を紛らわすために俺は利用されたんだろう。
面食らった顔をしたのはどうせ俺が怒鳴ったから少し驚いた程度のものだろう。

 ハルヒの機嫌が悪くないとわかってほっとする反面、物凄く悲しかった。
 嫌というほど俺が必要とされていないってのを思い知らされた。神様ひどいぜ…って、神様はハルヒだったな。

 ははっと小さく乾いた声で笑ってみる。とにかく虚しかった。
胸に大きな穴がぽっかりと空いたような消失感に襲われる。

20 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 23:16:06.53 ID:8xhLri7c0.net
「キョン君どうしたの?そんなところで立ち止まっちゃってさ」

にこにこと満面の笑みを浮かべる朝倉だった。

「別に…。ちょっとな」

「そう?じゃあ、早く行こうよ。遅れちゃうよ」

「…そうだな。行くか」

 とぼとぼと朝倉て連れ立って歩き始める。

 朝倉が何も聞かなくて本当に良かった。
いや、こいつのことだから何もかもお見通しなんだろうけど…。

 それでも、同情とか慰められなくて感謝してる。
そんなことをされた日には俺は自分が惨めすぎて自己嫌悪に沈むだろう。

 こいつが人間の感情を余り理解できないせいかもしれないけどさ。
ま、そんなことはどうでもいい。

 とにかく、ちょっとは元気が出たってことだ。

21 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 23:19:20.79 ID:1nRAok3o0.net


22 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 23:24:03.18 ID:1nRAok3o0.net


23 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 23:25:51.53 ID:8xhLri7c0.net
『はい、もしもし』
学校が終わり、帰宅。ころ合いをみて古泉に電話をかける。
数コール後、古泉が電話に出る。用件はもちろん最終確認のためだ。

『どうしたんですか?』

「どうせ、聞かなくてもわかってるんだろ?」

『…閉鎖空間の発生についてですよね?』

さすがだなと、誉めておくぜ。

『あなたの予想どおり閉鎖空間は発生していません』

だろうな。そんなのは確認済みだが、念のためにお前に確認しただけだ。

『確かに閉鎖空間は発生していませんが、涼宮さ…」

24 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 23:27:33.72 ID:8xhLri7c0.net
「いや、もういい。悪かったな。もう、本当にいいんだ」

 もう、これ以上ないってくらいに十分だ。

「これからいろいろあると思うけど、頑張れよ。あと楽しかったと伝えてくれ。じゃあな」

 言いたいことだけ言って電話を切る。

 本当に終わったんだな…。あの、楽しくて非日常的な毎日は…。
さて、明日から、どうすっかな?やりたいことが何もみつからない。

 ま、明日からのことは明日からの俺に任せてもう寝よう…。今晩はぐっすりと眠れそうだ。

25 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/08(月) 23:28:15.51 ID:8xhLri7c0.net
続く

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