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チンピラ「なんじゃワレエエエエエエエ」男「へっ、かかってきやがれ」

1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/10(水) 00:23:15.84 ID:7TrNGZPR0.net
刹那、チンピラの拳が炸裂した。

問答無用で仕掛けられる避けようのない神速の拳、それはチンピラの得意技だった。

「チッ!はええ」

一瞬で避けきれないことを悟った男は威力を殺すために後ろに跳ぼうとする。

「ヌリいんだよ!」

しかし男の顔面にはすでにチンピラの踵がめり込んでいた。拳の威力を活かし後ろ回し蹴りを放ったのだ。

「カハッ……!……っ」

眼前に火花が飛び散り肺から空気が急速に抜け出す感覚を男は味わった。

2 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/10(水) 00:24:31.73 ID:7TrNGZPR0.net
男はかろうじて意識はあったが地面に倒れ伏したまま動けないでいる。チンピラはある種の余裕を感じさせる足取りで男の前まで歩いてきてそのまま男の腹を蹴り上げた。

「ぐぁっ……」

「馬鹿が、お前がガキの頃から俺は死地に身を置いてきたんだ。年季が違うわ、身の程知らずめ」

「くっ……そうみたいだな、くくっ……だが、お前は終わりだ」

男が石をこすり合わせたような声で嗤う。その時、男とチンピラの二人しかいなかった空間に突如複数の足跡と怒号が鳴り響く。

3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/10(水) 00:25:43.78 ID:7TrNGZPR0.net
「いたぞ!チンピラだ!!」

先頭を走っていた三白眼の巨漢が吠える。

気づけばチンピラは20人の男達に囲まれていた。

「チッ、面倒な。こいつは時間稼ぎだったってことか」

チンピラは悪態を吐き男を蹴り飛ばす。

「抵抗はよせ!」

先ほど先頭を走っていた三白眼の巨漢が警告する。

「抵抗しているのはお前らだろう?」

チンピラは酷薄な笑みを見せると巨漢に肉薄する。

4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/10(水) 00:26:21.51 ID:7TrNGZPR0.net
「はっ!」

「ぬぅっ!?」

チンピラが放った拳は2mはあるかと思われる巨体をいとも軽々吹き飛ばした。

「全員潰してやる。まとめてかかってこい」

チンピラは一本しかない前歯を剥き、そう言うのだった。

5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/10(水) 00:27:38.71 ID:Di+CLu060.net
漫画化決定

6 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/10(水) 00:31:40.86 ID:7TrNGZPR0.net
「ふん、手応えのない奴らだったわ」

そうボヤくチンピラの足元には気絶した男達が転がっていた。

「俺に勝てる奴などもうこの世界にはいまい」

「それはどうかな?」

そこに一つの声が鳴り響いた。男の声であることは推察できたが、透明な声だった。

「なんだお前は?」

チンピラが眉を寄せる。それに対し主人公は言い放つ。

「俺か?名乗る名などないさ」

7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/10(水) 00:32:35.30 ID:P5p9X0bk0.net
チンピラが主人公じゃねえのかよ

8 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/10(水) 00:37:53.41 ID:7TrNGZPR0.net
主人公の背後から影が二つ飛び出した。

「主人公、結界はもう張ってあるわ。思う存分暴れていいわよ」

「あにうえ、このチンピラ、品性の欠片も感じませぬぞ」

二人の言葉に対し主人公は目を細め

「幼馴染、ありがとう。いつもお前のおかげで全力がだせる。そして妹よ、全くの同感だな。才色兼備で文武両道、旧華族の生まれである俺とは天と地ほどの差があるだろう」

それに対しチンピラは激昂する。

「なんじゃワレエエエエエエエエエエエエなめとんのかオイイイイイイイイイイイイイ!!!」

9 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/10(水) 00:44:10.92 ID:7TrNGZPR0.net
そんなチンピラの様子を見て主人公はフッと鼻で笑うと

「定型句をありがとう。では始めようか」

主人公はチンピラの拳を躱し、なにやら唱え始める。

すると彼の周りには魔法陣が浮かび上がり、空気もざわつき始める。

「犯した罪を悔いながら果てよ……ライトニングボルト!」

刹那、無数の稲妻がチンピラに襲いかかる。

「おっとぉ!やるじゃねえの。ただの優男かと思ったらそうでもないみてえだな、おもしれえ!」

10 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/10(水) 00:45:24.33 ID:q1MVql/N0.net
チンピラ好き

11 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/10(水) 00:48:57.63 ID:Cuo0hk8B0.net
チンピラ勝て

12 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/10(水) 00:49:56.10 ID:7TrNGZPR0.net
「今度はこっちの番だぜ!フレイムストライク!!」

「詠唱破棄!あのチンピラ……只者じゃないわ」

チンピラの放った火球に驚愕する幼馴染、しかし主人公は冷静だった。

「無駄だ」

主人公が腕をひと振りすると火球はかき消されてしまった。

「馬鹿が、フレイムストライクはフェイクだ!」

いつの間にか主人公に迫っていたチンピラが前蹴りを放つ。

13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/10(水) 00:57:39.53 ID:7TrNGZPR0.net
しかしチンピラの前蹴りは主人公には届かなかった。主人公はこの展開も予想して不可視の盾を自分の前に張っていたのだ。

「無駄だと言っている。猿には理解できないか?」

「くっ……」

慌てて飛び退るチンピラ。しかし主人公は次の一手に出ていた。

「サンダーピラー!」

「このクラスの呪文を詠唱破棄……ぐああ!」

完全に不意を突かれた形になるチンピラは対応が間に合わず直撃を許してしまう。

「終わりだ……」

チンピラに止めを刺すべく、主人公は魔法の詠唱を始める。

14 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/10(水) 01:05:13.78 ID:7TrNGZPR0.net
「させるか!」

すぐさま体勢を立て直したチンピラは主人公の詠唱を妨害しようと動く。

――しかし

「あにうえの邪魔はさせませぬぞー」

妹が短剣二本を生き物のように操り妨害し主人公への接近を許さない。

「妹!退け!これで終わらせる!」

主人公が目を見開き、周囲が膨大な魔力に包まれる。

「うおおおおおおおおお!!!!」

魔力が爆発し、巨大な数本の光柱があたりを焼き尽くす。

「ぐわあああああああああああ」

チンピラが焼き払われる。しかし焼き払われたのはチンピラだけではなかった。

「え?ちょっと、結界が……きゃああああああああああ!!」

15 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/10(水) 01:11:22.50 ID:7TrNGZPR0.net
こうして、突如世界は終わってしまった。

生き残ったのは主人公、妹、幼馴染の三人のみ。

主人公は途方にくれていた。

「こんなはずでは……源氏の血を引く俺がこんな……」

しかし幸いにも彼を元気付けてくれる者達がいた。

「あにじゃ、黄昏ていても仕方がないのです。こうなったら新しい世界を作り直すしかないです」

「そうよ主人公。いつまでもうじうじしているのはあなたらしくないわ」

「そうか……そうだな!よし、俺は世界を創り直す!」

そうして主人公たちは幸せに暮らし、彼らを祖に新しい人類たちは栄華を極めたのでした。

おわり

16 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/10(水) 01:19:36.67 ID:/KcUompB0.net
お、おう

17 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/09/10(水) 01:32:01.93 ID:2S0Xayry0.net
面白かった

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