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('A`)は野球選手のようです
- 1 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 15:49:56.15 ID:9vQ7QpXc0.net
- 立つかな？
- 2 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 15:50:31.44 ID:9vQ7QpXc0.net
- 【あらすじ】
('A`)の顔こと毒田剛はニュー速ヴィッパーズに所属するプロ野球選手。
３割を超える打率を平均的に残す巧打者であったが、今シーズンは失速。
２軍落ちを経験したり、オールスターに野球板の悪ふざけで選出されたり、散々なシーズン。
しかし、不調のまま１軍に復帰し、３番打者に抜擢。ペナントレースの首位を賭け、
にしこり（松井秀喜）が所属する東京ビックバンズとの大一番を迎える――。
【過去の話】
１作目
http://boonbunmaru.web.fc2.com/rensai/baseball/baseball.htm
２作目
http://boonbunmaru.web.fc2.com/rensai/baseball2/baseball2.htm
【同時投下場所】
http://jbbs.shitaraba.net/internet/13029/
（落ちたらこちらで継続します）
- 3 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 15:50:41.44 ID:SZpudbLu0.net
- え、マジで本物？
- 4 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 15:50:56.97 ID:kXakaVv50.net
- 他所でやれや
- 5 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 15:51:51.32 ID:XymBCy1VO.net
- 今年三回目くらいか
ぼちぼち作者帰って来てるな
- 6 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 15:52:05.12 ID:jpFn0lWV0.net
- うおお
- 7 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 15:52:23.19 ID:9vQ7QpXc0.net
- 【人物紹介】
('A`) 毒田剛 ドクタ・タケシ
ニュー速ヴィッパーズ所属の二塁手。
３割を超えるバットセンスと引き換えに高校球児並みの守備センスを持つ。
最近ではバットセンスにも陰りがあり、いよいよ使えない選手へと変貌。
しかし、監督には期待されておりなぜか３番での起用が多い。
（ ＾ω＾） 内藤地平線 ナイトウ・ホライゾン
ニュー速ヴィッパーズ所属の投手。
１５０キロを超える直球と大きく割れるカーブ、相手の芯をずらすシュートが主な持ち球。
さらに今期は落ちる球であるフォークを習得し、投球の幅が膨らんだ。
ランナーを出すとあがってしまう弱いメンタルの持ち主だったが、それをなんだかんだで克服。
１０勝すれば恋人にプロポーズするという目標も達成し、優勝を賭けた大一番に先発する。
（Ｋ‘ー｀） 川島慶三 カワシマ・ケイゾウ
ニュー速ヴィッパーズ所属の遊撃手。
思い切りのいいバッティングが持ち味。
内藤と共に毒田のいじり役であったが、酔った勢いで裸で毒田と同じベッドで寝てしまう。
それから毒田と体を重ねてしまったと勘違いし、トルコでの性転換手術を考えている。
- 8 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 15:53:03.52 ID:SZpudbLu0.net
- 待ってたよ…嬉しすぎる
- 9 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 15:53:46.56 ID:I/ahPhsu0.net
- またです。
(⌒⌒⌒)
( ⌒⌒⌒)
／⌒⌒ヽ
(⌒⌒ ⌒⌒⌒)
（ ）
｀ ´
-──
(:::::::) ／
(:::::::;;;) -──'
|| ／
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
─ ─── ── ───────
ﾆ ニニニニ ニニニ ニニニニニニニニ二二二
───── ── ── ﾆニ二二二二二二二
｢おとすしかないやろ｣
〈ｖ〉 ──── ───── ─────
,,{:::} /∨｡〉
〃⌒/((){:::}:/ :::/ ヽ
(( |ゝー───‐二二┃⌒┃ 三三三三三三三三三三三三三三
)) { ────‐‐ } ┃ ┃ 三三三三三三三三三三三三三三
＼ ...／ ┃ ┃ 三三三三三三三三三三三三三三
{ 二二二 }
- 10 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 15:54:13.55 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ・∀・） 茂等和弘 モラ・カズヒロ
ニュー速ヴィッパーズ所属の遊撃手。……であったが、チーム事情により三塁手にコンバート。
１８年間ヴィッパーズ一筋の生え抜き選手であり、チームの柱の選手。
どこのポジションであっても安定した守備力を披露する。
打撃がネックであったが、眼のレーシック手術によって視力が向上。３６歳にしてキャリアハイに近い成績を残している。
J（ ﾟ_ゝﾟ)し アーロン・ガイエル
ニュー速ヴィッパーズ所属の外野手。
空間・時空間・亜空間など、あらゆる空間を操る魔空間使い。
しかし、制御がおおざっぱなのでこのスレでの出番も自分で省略してしまう。
観客が気づかないうちにホームランを打ったり、盗塁をしたりする。
(-＿-) 比木幹弘 ヒキ・ミキヒロ
ニュー速ヴィッパーズ所属の捕手。
一癖も二癖もあるヴィッパーズ投手陣を支える大黒柱。
冷静に見えることが多いが、投手に振り回されるときは目を見開いて抗議する。
- 11 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 15:54:41.99 ID:4dnLP2mc0.net
- よし支援
- 12 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 15:55:43.82 ID:9vQ7QpXc0.net
- ( ＾Д＾) 宝笑児 タカラ・ショウジ
ニュー速ヴィッパーズ所属の一塁手。
その長打力でヴィッパーズの打線の要となっている選手。
モデルは栗原だったのだが、そのモデル元は……おお、もう……
(=ﾟωﾟ) 伊陽明 イヨウ・アキラ
ニュー速ヴィッパーズ所属の外野手。
まだ２５歳と若いが、そのパワーでイースタンリーグの本塁打王に輝く。
その実績を買われ、１軍に定着。大ブレイクとはいかないまでも立派な成績を残している。
- 13 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 16:01:42.47 ID:9vQ7QpXc0.net
- にしこり 松井秀喜 マツイ・ヒデキ
東京ビックバンズ所属の外野手。
日本球界史上に残る大打者とされ、その打撃は他球団の投手を恐怖のズンドコに叩き落とす。
AVマニアであり、２次３次どちらもいけるクチなため、毒田から心の師匠と仰がれている。
（ ´_ゝ`） 流石兄者 サスガ・アニジャ
東京ビックバンズ所属の投手。
パワプロになるべく強く収録してもらうために多数の変化球を身につけた。
それらはどれも一級品で、キレのある直球とともにエースらしいピッチングの柱となっている。
毒田の同人誌を盗難してから、毒田とは犬猿の仲である。
(´・_ゝ・｀) 盛岡出満 モリオカ・デミ
東京ビックバンズ所属の捕手。
兄者を筆頭に癖の強い投手陣をまとめている。
特にエースである兄者には頭を悩まされている。
- 14 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 16:07:23.25 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＞＜） 稚内弘人 ワッカナイ・ヒロト
テレビ局所属のアナウンサー。
スポーツ番組に多く出演しており、早口でも噛まない話術の持ち主。
ちょっとアレなゲストのあしらい方にも定評がある。
(´･ω･`) 諸本信彦 モロモト・ノブヒコ
フリーの野球解説者。元ニュー速ヴィッパーズ所属の選手。
現役時代は三冠王にも輝くなど、球史に残る選手であったが、昨年引退。
解説者に転身してからはマイクオンで下ネタを口走り、稚内とお茶の間を気まずい雰囲気に叩き込む。
次から本篇いきます。
途中までは>>1の第10話と同じです。
直近の投下分は無視してください。すいません。
では、行きます。
- 15 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 16:12:35.06 ID:4dnLP2mc0.net
- しえん
- 16 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 16:12:44.73 ID:9vQ7QpXc0.net
- 『熱戦続くセ・リーグ。残りは８試合となった。
現在の１位はニュー速ヴィッパーズ。打線は1級品とは言えないものの球界最高峰の投手陣は圧巻。
特にトリプルSと言われる流石・杉浦・斉藤の3人の安定感は抜群である。
2位は東京ビックバンズ。高橋由・松井・朴の3人で構成されるクリーンナップの破壊力は強烈。
今年優勝できなければ原監督が更迭されるという事情もチームの底力アップに繋がっているようだ。
現在2チームのゲーム差は１。ワンチャンスでひっくり返るだけにまだまだ終わるまでセ・リーグから目が離せない。
対するパ・リーグは万年最下位のアクアリウムフィッシュが9月半ばに早々と優勝を決め……』
('A`) 「……」
俺が今読んでいるスポーツ新聞にはこんなことが書いてあった。
そう、確かに俺たちが優勝するにはどうしても乗り越えなければならない壁がある。
今日からのビックバンズ2連戦。今日の第1戦は間違いなく今年の運命を左右する試合になるはずだ。
- 17 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 16:18:16.27 ID:9vQ7QpXc0.net
- 今日の先発はビックバンズが流石兄者という予想。ヴィッパーズの流石弟者の実兄である。
弟者からすれば
（´<_｀ ） 「アイツ登録名変更してくれないかな。俺とまったく関係ない名前にしてほしい。リチャードソンとか」
らしいが。
（ ﾟωﾟ） 「ほべべべべべべ……」
対するヴィッパーズの先発はこちらのぶるぶる震える白豚。もとい内藤。
今シーズンは自身初の2ケタ勝利を挙げ、貴重な先発ローテーションの一角を担っている。
しかしこの試合の緊張感はケタ違いらしく、このありさまである。
- 18 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 16:23:29.36 ID:9vQ7QpXc0.net
- 今日も今日とて不調と野球板・ファンブログ・球団公式掲示板で絶賛叩かれ中の俺は今日も3番起用が明言された。
部屋の中をバットを持ってめちゃめちゃに荒れていた俺のことである。読者の方々は俺が緊張しているものと思うだろう。
('A`) ﾎｹﾞｰ
(=；ﾟωﾟ) 「毒田さん！？ もうすぐ試合ですよう！」
(,,；ﾟДﾟ) 「こいつ……なんてふてぶてしい顔してやがる……！」
こんな感じである。バスの中で足はブランブラン、手もブランブラン（ちんちんはブランブランしてないよ！）。
およそこれから試合に挑むとは思えない態度であると自分でも思う。
- 19 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 16:28:56.67 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ﾟωﾟ） 「てめーなにフニャチンみてーな顔してんだお！！ もうちょっと気合い入れろお！ 切実に！」
('A`) ｽﾁｬﾀﾞﾗﾊﾞｰ
（ ﾟωﾟ） 「woo...fuck...」
（ ・∀・） 「荒れてるなー」
バスの後部座席から顔をひょこっと出し、口を挟んできたのはベテランの茂等さんだ。
チームのまとめ役を任されており、野球だけでなくその面でも才能をいかんなく発揮している。
（ ・∀・） 「どうせあれだろ、内藤が……」
（ ＾ω＾） 「僕？ なにかしたっけ……」
('A`) 「woo...fuck...」
(,,ﾟДﾟ) 「……ああ、あれか」
- 20 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 16:32:57.34 ID:eUFH4vd1i.net
- ブーン系とかひっさびさに見たわ
支援
- 21 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 16:34:31.27 ID:9vQ7QpXc0.net
- 俺は手にしたスポーツ新聞から小さい記事に目を通す。
そこには必要最低限の文量とスペースでこんなことが書かれていた。
『ヴィッパーズ内藤・婚約発表！ なんとヒーローインタビューで』
('A`) 「ええ、死んだらいいのになーと思いましたね、ハイ」
かねてから津出という女性と付き合っていた内藤。シーズン10勝したらプロポーズすると宣言していた。
高校時代からの付き合いだから結婚という選択肢は無いわけではない。というか十分に予想されていたことだった。
だが方法が汚すぎる。
(ﾟAﾟ) 「てめー何観客で満員のスタジアムでプロポーズしてんだ！ そりゃOKだわ！ どうせその夜は濡れ濡れだったんだろ！！」
（*＾ω＾）
(ﾟAﾟ) 「そこで顔を赤らめるんじゃねええええええええええええええ！！！」
- 22 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 16:40:04.92 ID:9vQ7QpXc0.net
- というわけで今は内藤の顔のω←この部分を見るだけでイラついてくるのだ。
ああ忌々しい。忌々しいったらありゃしない。今日はわざとエラーしてやろうか。
(=ﾟωﾟ) 「毒田さんにもきっといい女性が見つかりますよぅ」
(#'A`) 「うっせえええええええええええええええええええええええええええ！！！！！」
(=；ﾟωﾟ) 「ええー！？ 理不尽に怒られたー！」
('A`) 「あ、すまん。お前の口が悪いんだ。口が」
(=；ﾟωﾟ) 「意味わかりませんよぅ……」
（ ＾ω＾） 「なんだ嫉妬かお(笑) 伊藤さんにこっぴどく振られたくせに(笑)」
('A`) 「よし、殺す」
- 23 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 16:45:40.22 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＾ω＾） 「オールスターでいじけてる所に伊藤さん登場(笑) 毒田さんサイテー(笑)」
('A`) 「バットの錆にしてくれよう」
伊藤さんとは以前から俺が食事に誘って失敗したり家に誘って失敗してる女性のことである。
彼女は『週刊プロ野球』の記者であり、俺がヴィッパーズに来た時からの付き合いなのだが……
俺がオールスターでへこんでいる時に俺の弱音をフルコースで振舞ってしまったのだ。
そして気まずくなった俺はここまで約3カ月、全く連絡を取っていない。
（ ＾ω＾） 「うひゃひゃｗｗｗｗｗ毒男の妬みはつらいのうｗｗｗｗｗね、慶三ｗｗｗｗｗ」
（Ｋﾟーﾟ） 「マッタクソウダトオモイマス」
（ ＾ω＾） 「毒田(笑)」
（Ｋﾟーﾟ） 「（ワライ）」
('A`) (慶三の奴、まだちょっと違和感があるな）
慶三と裸の付き合いになって以来、彼は変わってしまった。
目に生気はなく、その目に闘志が灯るのはわずか試合中だけだ。
俺が処女を奪ってしまったせいで慶三の人生は大きく狂ってしまったのだ。
※実際には体は重ねていません
- 24 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 16:51:34.47 ID:4dnLP2mc0.net
- しえ
- 25 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 16:52:37.17 ID:9vQ7QpXc0.net
- そんなこんなのやり取りをしているうちにバスは本拠地・ニュー速スタジアムに到着した。
三々五々、選手たちがバスから降りていく。ほとんどの選手は硬い表情だ。無理もない。今日の試合は今年を左右するものだ。
ヴィッパーズ不動の4番・宝さんなどはひたすら窓の外に忍者を走らせているし、比木さんは目を見開き過ぎてトンベリのような顔になっている。
('A`) 「……降りるか」
かく言う俺も、バカ話をしながらも膝は震えっぱなしである。
最近はよく寝つけてもいないため（本来はダメなのだが）、その疲れも出ているのかもしれない。
（ ＾ω＾） 「おっｗｗｗｗｗおっｗｗｗｗｗ」
笑いながら下りていく内藤の右腕が震えているのも見逃さない。
だいたいいつもより俺をバカにするときのｗの数が少ないしな。
付き合いが長いと、こんな分からなくていいところも見えてしまって大変である。
（Ｋﾟーﾟ）
（Ｋ‘ー｀） 「いきますか」
慶三も野球モードに入った。
ちなみに野球モードのときは俺と一切話をしてくれない。
まあ、普通の時も相手にしてもらったことは無いけどな。
- 26 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 16:58:12.85 ID:9vQ7QpXc0.net
- グラウンドでの全体練習を終え、次は相手のビックバンズの練習だ。
松井さんや朴さんなど、球界を代表するスラッガーがぞろぞろと入ってくる。
全員で年棒が何億か数えようとしたが、指が足りなくなったので諦めた。
<ヽ｀∀´> 「よう、毒田。どうだ、喪名監督の調子は」
俺の姿を見て話しかけてきてくれたのは朴さん。
昨年までヴィッパーズに在籍していた韓国人打者だ。
最近は不振に喘いでいたが移籍を機に爆発。ここまでで38本のホームランを積み重ねている。
そんな朴さんも病床に臥した去年の指揮官は気になるのだろう。
('A`) 「わかりません」
俺は正直に答える。
選手にも、一般に報道されている以上の情報は入ってこないのだ。
<ヽ｀∀´> 「そうか……」
('A`) 「今日は、喪名監督に胸張れるような、いい試合にしましょう」
<ヽ｀∀´> 「そうだな」
- 27 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 17:03:42.02 ID:9vQ7QpXc0.net
- それから朴さんと二言三言会話を交わし、ベンチ裏に引っ込もうとした時。
後ろからものすごいオーラを感じた。
('A`) 「10万……20万……まだ上がる……このエロマイスターの匂いは……」
にしこり 「私だ」
('A`) 「師匠！」
やはり、俺の（エロ方面の）師匠であり、ついでに日本球界最高のスラッガーである松井さんがそこにいた。
結婚して秘蔵のAVコレクションは俺の倉庫に仕舞われたが、やはり長年のエロオーラは隠しきれない。
- 28 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 17:12:05.40 ID:9vQ7QpXc0.net
- 松井さん……いや、師匠にはかねてから聞きたかったことがあったのだ。
今、野球ファンの中での話題を独占している、話題。
('A`) 「やまぐちりこをどう思いますか」
にしこり 「最初は衝撃だったけど、2作目3作目になっていくにつれて新鮮味がなくなってきたよね。
AKBファンなら使えるかもしれないけど僕はもういいや」
('A`) 「なるほど！ ってしまったー質問を間違えたワーイ」
にしこり 「おやおや」
- 29 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 17:17:37.59 ID:9vQ7QpXc0.net
- 改めて、聞きなおす。
今、野球ファンの中での話題を独占している、話題。
('A`) 「メジャー、行くんですか」
にしこり 「……」
松井さんは来年36歳を迎える。
今年こそ49本のホームランを放ち、本塁打王をほぼ手中にしてはいるが、これからメジャー挑戦となると、前代未聞だ。
若い選手でさえ、環境の違い・ボールの違い・投手の違い・言葉の壁に跳ね返されることが少なくないというのに。
『今オフで松井がメジャーに移籍する』そんなことがまことしやかに囁かれているのだ。
にしこり 「……やっぱり僕のお勧めは麻美ゆまかな。胸の大きさが違う」
('A`) 「松井さん……」
にしこり 「……」
('A`) 「俺もです」
にしこり 「なんと」
結局、AV談義に花が咲き、メジャーの話はうやむやになった。
- 30 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 17:24:25.34 ID:4dnLP2mc0.net
- し
- 31 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 17:24:32.85 ID:9vQ7QpXc0.net
- にしこり 「やはり洋モノのBGMは……」
('A`) 「いやしかし、現代の社会における顔射とは……」
？？？「……」
にしこり 「僕は男優の位置取りには……」
('A`) 「俺は明日香きららで童貞卒業したいです」
（ ´_ゝ`） 「カンチョー！！」
('A`) 「ぬふう」
俺が松井さんと高尚な会話をしている最中、不躾者が後ろから奇襲をかけてきた。
その鍛え上げられた指はズボンを突き破り、パンツを抜け、俺のアヌスへと侵入した。
気持ちいい……！
（ ´_ゝ`） 「悪は散った」
('A`) 「ぬふう、ぬふう」
にしこり 「きたない絵だなあ」
すいません。
- 32 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 17:26:55.03 ID:ukjQy3K/0.net
- 支援
- 33 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 17:30:10.64 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＞＜） 『今日の中継はニュー速スタジアムよりお送りします。
ニュー速ヴィッパーズ対東京ビックバンズの首位決戦。
実況はわたくし、稚内弘人でお送りします。そして解説にはお馴染みこの方』
(´･ω･`) 『ども』
（ ＞＜） 『現役時代はニュー速ヴィッパーズに所属、3冠王を含む打撃タイトルを総なめにした過去の人。
諸本信彦さんです。よろしくお願いします』
(´･ω･`) 『お願いします……って今なんか過去の人って言った？』
（ ＞＜） 『今日は両チームにとって大事な一戦になると思うんですが、諸本さんはどう思いますか？』
(´･ω･`) 『ねえ、その紹介はあんまりじゃないかな？ 間違っちゃいないけどさ』
（ ＞＜） 『そうですか、やはり残り試合が少ない中でのゲーム差1の試合。見逃せませんねえ』
(´･ω･`) 『ねえ、過去の人ってとこだけ削ってよ』
（ ＞＜） 『そうですね。私も個人的にすごく楽しみしている試合です』
(´･ω･`) 『僕の話聞いてる？』
（ ＞＜） 『そうですか。おっと、両チームスタメン発表の時間です』
(´･ω･`) 『ねえ』
- 34 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 17:36:02.67 ID:9vQ7QpXc0.net
- 先攻 東京ビックバンズ
打順 守備位置 名前 ＡＡ 年齢
打率 本塁打 打点
1 SS 坂本 〈 ｀∇´〉 21
.281 31 85
2 CF 松本 ［ё.―ё］ 25
.287 0 22
3 RF 高橋由 ノノ ´⊇｀） 34
.317 26 68
4 LF 松井 にしこり 35
.334 49 105
5 1B 朴 <ヽ｀∀´> 33
.276 38 95
6 C 盛岡 (´・_ゝ・｀) 30
.288 10 30
7 2B 木村拓 ヽ・ω・〉 37
.259 5 49
8 3B 脇谷 [::´脇｀::] 29
.273 7 43
9 P 流石 （ ´_ゝ`） 30
14勝 11敗 防3.44
- 35 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 17:41:29.23 ID:9vQ7QpXc0.net
- 後攻・ニュー速ヴィッパーズ （※印は外国人）
打順 守備位置 名前 AA 年齢
打率 本塁打 打点 (成績は試合前のもの)
1 SS 川島慶 （Ｋ‘ー｀） 23
.279 11 34
2 3B 茂等 （ ・∀・） 37
.288 2 29
3 2B 毒田 ('A`) 26
.221 7 29
4 1B 宝 ( ＾Д＾) 28
.332 29 92
5 LF 伊陽 (=ﾟωﾟ) 25
.288 16 52
6 5 RF ガイエル※ J（ ﾟ_ゝﾟ)し 38
.267 27 80
7 C 比木 (-＿-) 32
.285 11 54
8 CF 擬古 (,,ﾟДﾟ) 32
.283 4 31
9 P 内藤 （ ＾ω＾） 26
10勝 7敗 防3.18
- 36 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 17:46:50.47 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＞＜） 『両チームとも目新しい人物はいませんね？』
(´･ω･`) 『まあ、新しい戦術を試す時でもないですし。いつものメンバーですね。いつもの』
（ ＞＜） 『先発投手はビックバンズがエースの流石、ヴィッパーズが内藤となっています』
(´･ω･`) 『流石君は序盤は7連敗などして躓きましたが、見事持ち直しましたね。
防御率が悪く見えますが、最近5試合ぐらいに限定するとよくなるはずですよ』
（ ＞＜） 『おっしゃる通り、流石の最近5試合の戦績は3勝1敗、防御率2.78。文句のない成績です』
(´･ω･`) 『はい』
（ ＞＜） 『内藤の方はどうでしょうか』
(´･ω･`) 『ヒーローインタビューでプロポーズするぐらいのノリノリっぷりですから大丈夫なんじゃないですか。
セカンド方面の僻みは気になるところではありますが』
（ ＞＜） 『そうですか』
- 37 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 17:50:00.21 ID:4dnLP2mc0.net
- 紫煙
- 38 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 17:52:16.75 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＞＜） 『セカンドと言えば3番には不調の毒田が入っています』
(´･ω･`) 『少し打撃が荒くなりましたよね。去年までの成績なら3番でも問題ないんですが。
当たれば長打、当たらなければ三振というスタイルは毒田に合ってないと思うんですがねえ』
（ ＞＜） 『もっとシャープな打撃を心がけるべきだと？』
(´･ω･`) 『そうですね。まあ期待して見てみましょう』
（ ＞＜） 『ありがとうございました。試合中もよろしくお願いします。
プレイボールは午後6時、もうしばらくお待ちください』
- 39 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 17:58:33.02 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＾ω＾） 「……」
(-＿-) 「内藤、落ち着いていこう」
スタメンの紹介がつつがなく終了した午後5時55分。
すでに観客席の空席は見当たらない。今、自分がボールを投げればスタジアムは動きだすのだ。
（ ＾ω＾） 「大丈夫ですお。ここはホームですお。……100人力です」
(-＿-) 「……高めには浮かせるな。お前の直球があれば大丈夫だ」
（ ＾ω＾） 「うっす」
- 40 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 17:59:15.52 ID:9vQ7QpXc0.net
- ('A`) 「……」
そんなマウンドに近づいていくセカンドが一人。
その巨体からは試合前に出ていた怠惰な雰囲気は感じられない。
('A`) 「おう、抑えろよ」
（ ＾ω＾） 「新婚さんに何言ってるんだお。……当然」
('A`) 「なるべくセカンドには打たせるなよ」
（ ＾ω＾） 「もとよりそのつもりである」
('A`) 「うっせ」
毒田が内藤の背番号24をポン、と叩く。
高校時代からの2人にはそれで充分だった。
(-＿-) 「今日はよろしく頼むぞ」
（ ＾ω＾） 「こちらこそ」
『先攻、東京ビックバンズの攻撃は、1番ショート坂本。背番号6』
- 41 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 18:00:41.57 ID:9vQ7QpXc0.net
- ウグイス嬢のアナウンスに地鳴りのような歓声が鳴り響く。
気の早いレフトスタンドからは坂本の応援歌が流れている。
バックスクリーンの時計は縦に一直線を描こうとしている。
さあ、始まりだ。
『プレイボール！！』
（ ＾ω＾） （……楽しむ）
- 42 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 18:04:22.12 ID:4dnLP2mc0.net
- シエン
- 43 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 18:06:04.20 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＞＜） 『さあ、プレイボール！』
(´･ω･`) 『坂本君は初球からでも積極的に打ってきますからね。要注意です』
（#＾ω＾） 「ふんっ！」
内藤が力を込めて投げ込んだ第１球。
坂本の体の横をすり抜け、比木のミットに収まっていく。
低めに決まるストレートだ。
(-＿-) （……よし、いい球だ）
〈 ｀∇´〉 （流石に速い……いい球だな）
- 44 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 18:11:46.87 ID:9vQ7QpXc0.net
- (´･ω･`) 『今のはいい球ですね』
（ ＞＜） 『そうですね。球速は１４５キロを計測しています』
（ ＾ω＾） （……）
去年のレールウェイズ戦と同じく、この試合が優勝決定戦と言っても過言ではないだろう。
この試合が終われば残りは７試合。首位のヴィッパーズは２位のビックバンズとは１ゲーム差。
ここで引き離して２ゲーム差にできれば優勝はグッと近づいてくる。
（ ＾ω＾） 「……」
試合前は震えていた右腕。しかし、今はもう、大丈夫だ。
（ ＾ω＾） （……自分の今までやってきたすべてを、ぶつけてやるお）
- 45 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 18:17:22.44 ID:9vQ7QpXc0.net
- (-＿-) （ビックバンズは確かに打線が強力だ。だが、内藤なら抑えられる）
（ ＾ω＾） （了解です。キャッチングお願いしますお）
(-＿-) （ああ。任せろ）
２球目はフォークを見逃されボール。
３球目はストレートを打たれるがこれは内野席に飛び込むファール。
２ストライク１ボール。坂本は追い込まれた。
〈 ｀∇´〉 （きっと、ここで勝負してくる）
- 46 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 18:18:26.46 ID:2t91o/A40.net
- いい年したキモオタが人形遊び(笑)
親も泣いとるで
- 47 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 18:22:32.67 ID:U/DYox5r0.net
- なんだ
- 48 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 18:24:07.78 ID:9vQ7QpXc0.net
- 内藤にとって大事な試合ならば、坂本にとってももちろんそうだ。
今年優勝できなければ、ビックバンズ監督の原が更迭されるという噂。
おそらく、それは本当だろう。
〈 ｀∇´〉 （監督のためにも……）
若手である自分に目を懸け、育ててくれた恩人。
その監督を自分のバットで優勝に導く。
それが、今年の坂本の目標だ。
〈 ｀∇´〉 （打つ！！）
- 49 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 18:29:46.75 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＞＜） 『さあ、追い込んでの第４球。内藤、投げました！』
(；-＿-) 「！」
要求したのは低めにワンバウンドさせるカーブ。
しかし、コントロールが乱れ、真ん中に入ってきてしまった。
（；＾ω＾） （まずっ……！）
〈 ｀∇´〉 （もらった！）
坂本のバットが、内藤の球を捉えようと振り出される。
- 50 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 18:31:26.47 ID:ek4nhQNhi.net
- ブーン系すら知らない小さな子供がいてワロタ
- 51 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 18:35:09.18 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＞＜） 『坂本打ちました！ あー、しかしこれはショートへのゴロ！』
（Ｋ‘ー｀） （ミスは絶対にしない……！）
今季ショートにコンバートされた川島だが、しっかりと捕球し、一塁に送球。
一塁の宝がしっかりとこれを捕り、ワンアウトだ。
〈；｀∇´〉 （ちっ……絶好球だったのに）
（ ＞＜） 『今のはカーブですが、少し危ないコースですね？』
(´･ω･`) 『そうですね。坂本君もそう思ったでしょうが、少し力が入ってしまいました。
内藤君は助かりましたね』
- 52 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 18:40:40.36 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＾ω＾） （危ない……）
こういった試合は１点が重要だ。
どこからでもホームランが出るビックバンズの打線に真ん中は禁物。
そう試合前に捕手の比木と話をしていたのにいきなりやってしまった。
（ ＾ω＾） （すいません、比木さん）
(-＿-) （構わんさ。打たれなかった分良しとしよう）
『２番、センター、松本。背番号３１』
- 53 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 18:47:16.88 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＾ω＾） （慎重に……慎重に……！）
しかし、その思いが裏目に出る。
１球目から３球目まですべてストライクゾーンを外れ、ボール。
そして４球目。
（；＾ω＾） 「くっ……」
(；-＿-) （……）
ストレートが外れ、フォアボール。
ストレートのフォアボールだ。
- 54 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 18:48:48.35 ID:MKNTiG0O0.net
- 2番を敬遠して3番勝負する戦法やねん！
- 55 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 18:55:32.18 ID:4dnLP2mc0.net
- 支援
- 56 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 18:55:38.57 ID:9vQ7QpXc0.net
- (´･ω･`) 『これは……よろしくないですねえ』
（ ＞＜） 『坂本へのボールもよくありませんでしたね？』
(´･ω･`) 『加えて、俊足の松本を塁に出してしまった。
ランナーを気にしながらクリーンアップを相手にしなければなりません』
（ ＞＜） 『さあ、いきなりのピンチ！ バッターは３番の高橋由です！』
（；＾ω＾） （厳しいお……）
(-＿-) （内藤……大丈夫だ。抑えられる）
（ ＾ω＾） （……）
- 57 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 19:01:08.50 ID:9vQ7QpXc0.net
- 内藤が高橋への第１球を投げる。
［ё.―ё］ （行ける！）
内藤がモーションに入ったのを見て松本は２塁に向けて走り出す。
松本は俊足だ。
(-＿-) （……）
ボールはストライクゾーンに入り、ワンストライク。
比木はもはや２塁に送球することすらしなかった。
（ ＞＜） 『松本速い！ 送球することもさせず悠々とセーフです！』
(´･ω･`) 『……と、いうよりもわざと走らせたんじゃないですかね』
- 58 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 19:05:23.16 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＞＜） 『と、いいますと？』
(´･ω･`) 『内藤は決して牽制やクイックが上手い投手ではありません。
１塁に松本を置いてかき回されるよりは、２塁に行かせてしまう選択をしたのではないでしょうか』
（ ＞＜） 『しかし、松本ならワンヒットで帰ってきてしまいそうですが……』
(´･ω･`) 『そこらへんのリスクは承知の上でしょう。
つまり、絶対抑える自信があるのではないでしょうか』
（ ＞＜） 『そうですか……その判断が吉と出るか凶と出るか！
チャンスは拡大してワンアウト２塁です！』
(-＿-) （内藤……これでよかったのか？）
（；＾ω＾） （どっちみち走られるならさっさと行ってくれたほうが気が楽ですお。
三盗はなんとか阻止お願いしますお）
(-＿-) （任せろ。お前の球の速さならいくら松本でも三盗は躊躇するはずだ）
- 59 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 19:09:51.05 ID:4dnLP2mc0.net
- シエ
- 60 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 19:11:15.85 ID:9vQ7QpXc0.net
- しかし高橋に対しての４球目。
ストレートが甘いところに入る。
(；-＿-) （まずい……！）
ノノ #´⊇｀） （ずいぶんと俺を舐めてくれたな……）
（；＾ω＾） （やばっ……！）
ノノ#´⊇｀） 「いけえ！！」
（ ＞＜） 『打った――！！ 強烈な当たり――！！』
- 61 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 19:13:43.61 ID:9vQ7QpXc0.net
- 思い切りよく引っ張られた打球はセカンドの頭上を越えライト前へ。
(；'A`) 「おいおい……頼むぜ内藤……！」
俺の遥か上を通っていく球はどんな名手だろうと取るのは無理だ。
しかし、強烈な当たりが幸いしたか、ライトのガイエルへ到達するのも早い。
［ё.―ё］ （さすがに本塁は無理か……）
２塁走者の松本も強肩のガイエルを恐れ３塁ストップ。
J（ ﾟ_ゝﾟ)し 「魔空間の見せ場やったのに……」
- 62 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 19:18:53.83 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＞＜） 『さあ、さらにチャンスは拡大！ ワンアウト１・３塁！』
(´･ω･`) 『ここで４番ですか。いきなり勝負のポイントが来ましたね』
（ ＞＜） 『今季限りで日本球界を飛び立つと噂されている日本最強のスラッガー！
松井がバッターボックスへと入ります！』
('A`) （……内藤）
（ ＾ω＾） （……）
- 63 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 19:23:58.12 ID:4dnLP2mc0.net
- しえ
- 64 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 19:24:41.40 ID:9vQ7QpXc0.net
- 今季を最後にメジャー挑戦がささやかれている松井。
来年日本球界を去られては、年齢的にも松井と戦うことはもうないだろう。
（ ＾ω＾） （その前に……借りを返すお）
松井にはローテーションに定着する前から徹底的に打ちのめされてきた。
もっとも、松井に打ちのめされていない選手などほんの一握りなのだが。
（ ＾ω＾） （勝ち逃げなんて許さねーお）
(-＿-) （気合は十分そうだ……マウンドに行く必要はないな）
にしこり 「……」
- 65 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 19:27:24.78 ID:gaG89H75i.net
- しえんしえん
- 66 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 19:30:02.87 ID:9vQ7QpXc0.net
- 内藤の第１球。
にしこり 「！」
いきなりインハイに決まるストレート。
球速は１４９キロを計測している。
にしこり 「ほう……」
（ ＞＜） 『内藤の１球目、いいところに決まりましたね』
(´･ω･`) 『いい球ですね。逃げることを考えていない』
- 67 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 19:35:27.73 ID:9vQ7QpXc0.net
- 噂されている松井のメジャー挑戦。
それは、松井本人の中では決定事項だった。すでに代理人との契約も済ませ、チームには事情も話している。
理由は、いくつかあった。
にしこり （自分の力を試したい。１度しかない野球人生、自分の実力がどこまで通じるか見てみたい）
それは、確かに松井の理由の一つだ。だが、１つでしかない。
(´･ω･`) 『……メジャーですか。なんとなく、彼の気持ちは分かります』
（ ＞＜） 『と、いいますと？』
- 68 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 19:39:57.54 ID:MKNTiG0O0.net
- しえ
- 69 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 19:40:58.35 ID:9vQ7QpXc0.net
- (´･ω･`) 『僕も現役時代はそこそこの成績でしたからね。
……ある程度のところまで行くと、相手が勝負をしてくれなくなるんです』
（ ＞＜） 『まあ、過去の人ですからね……』
にしこり 「……」
松井は、純粋なスラッガーである。しかし、野球は点を取られなければよいスポーツである。
となれば、投手が次第に松井との勝負を避けたがるのは必然。
松井は、ある意味退屈だった。
にしこり （アメリカなら、自分と対等に戦ってくれる選手がいる……そう、思っていた）
もしかしたら全く通用しないかもしれない。
だが、それでもよい。少なくとも、自分が何もしなくとも数字が積み上がってくれる日本よりは。
にしこり （だが、少し見込み違いだったようだな。……まだ、自分に勝とうと腕を振ってくる投手がいる）
- 70 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 19:46:38.16 ID:9vQ7QpXc0.net
- （#＾ω＾） （絶対、打たれないお……！）
にしこり （久しぶりさ、そんな敵意むき出しの目を向けられるのは。
……いいだろう、メジャーに行くのは君を打ちのめしてからだ、内藤君）
２球目はスライダーが外れボール。
３球目は少し甘いストレートを打ち損ねファール。
カウントは２ストライク１ボール。
(-＿-) （いい感じにカウントが整った。次で決めるぞ）
（ ＾ω＾） （了解ですお）
- 71 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 19:48:29.05 ID:MKNTiG0O0.net
- しえ
- 72 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 19:52:15.76 ID:9vQ7QpXc0.net
- そして投じられた４球目。
にしこり （打てる！）
真ん中少し低めに投じられたボール。
松井の得意コース。捉えれば間違いなくスタンドに運べる。
――しかし。
にしこり 「！」
松井がバットを振った瞬間、ボールは逃げるように落ちていった。
（ ＞＜） 『空振り――！！ 松井、内藤のフォークに三振です！！』
(´･ω･`) 『素晴らしいボールですね。ストライクから一気にボールゾーンまで落ちていきました』
- 73 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 19:57:16.56 ID:4dnLP2mc0.net
- 試演
- 74 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 19:58:07.51 ID:9vQ7QpXc0.net
- （#＾ω＾） 「っしゃあ！！」
マウンドで雄叫びを上げる内藤。
松井はそれを苦々しげに見つめる。
にしこり （フォークが来るかもしれないのは頭にあった。
しかし、完璧なところに投げられた。あれでは、打てないな）
だが、それでいい。チャンスに打てなかったのは苦しいが、打つ機会はまだある。
にしこり 「次こそ、打つ」
- 75 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 20:03:42.11 ID:9vQ7QpXc0.net
- そして、打順は５番・朴。
<；ヽ｀∀´> 「くっ……」
（ ＞＜） 『朴、シュートを打ち上げた――！！
川島少し下がって……取りました！ ショートフライ！
内藤、初回のピンチを切り抜けました！』
(´･ω･`) 『このピンチを無失点で切り抜けたのは大きいですね』
（ ＾ω＾） 「よし！」
('A`) 「ナイスピッチ、内藤！」
ベンチに帰る途中、毒田がグラブを差し出す。
ハイタッチの合図だ。
- 76 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 20:05:45.68 ID:MKNTiG0O0.net
- ふむ
- 77 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 20:09:22.15 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＾ω＾） 「……」
しかし、内藤は差し出されたグラブではなく、毒田の顔にめがけてグラブを出した。
('A`) 「ひでぶ」
毒田は走っていた自分の勢いも相まってそのグラブにあたってしまう。
情けない声が漏れる。
(#'A`) 「いて――！！ なにしやがる！」
（ ＾ω＾） 「おっお。ドクオが打てばハイタッチしてやるお」
- 78 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 20:14:19.75 ID:NYc4BgN40.net
- しえん
- 79 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 20:15:02.05 ID:9vQ7QpXc0.net
- 『１回の裏、ニュー速ヴィッパーズの攻撃は、１番・ショート・川島。背番号００』
本拠地であるヴィッパーズを応援した歓声がライトスタンドから上がる。
それを背にマウンドに立つのは東京ビックバンズのエース、流石兄者である。
（ ´_ゝ`） 「いいピッチだったな、内藤」
(´・_ゝ・｀) 「……ああ、そうだな」
それと、もうひとり。
ビックバンズの正捕手を務める盛岡である。
(´・_ゝ・｀) 「松井さんと朴がチャンスに凡退……かなり調子がよさそうだ」
（ ´_ゝ`） 「ま、関係ねえよ。俺がずっと抑えてりゃいいんだろ」
- 80 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 20:20:10.56 ID:9vQ7QpXc0.net
- 流石はエースの名に恥じない、ビックバンズ歴代でも五指に数えられるといわれている投手である。
１５０キロを超える直球、そしてパワプロに収録されるため習得した変化球。
その球種は多彩で１０種を超えるともいわれ、しかもその全てが１級品との声もある。
(´・_ゝ・｀) 「今日の試合は落とせない。頼むぞ」
（ ´_ゝ`） 「ああ。今日も早く帰って心をぴょんぴょんさせんといかんからな」
(；´・_ゝ・｀) 「？」
（ ´_ゝ`） 「あぁ＾〜」
(；´・_ゝ・｀) 「？？」
……性格には、多少の難はあるが。
- 81 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 20:25:47.18 ID:9vQ7QpXc0.net
- （Ｋ‘ー｀） （流石さんは球を絞りにくい……じっくり見ていこう）
右打席に入り、土を足でならす。
１番にもすっかり慣れた。もう毒田が１番に入ることはないだろう。
川島には、その自信があった。
（；Ｋ‘ー｀） （毒田……うっ、頭が……）
(´・_ゝ・｀) （川島は積極的に打ってくる……変化球を散らしていくぞ）
（ ´_ゝ`） （うーい）
- 82 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 20:31:30.31 ID:9vQ7QpXc0.net
- 盛岡のもくろみ通り、内外低めに球を集め、カウントは２−２。
追い込んだ形になった。
（ ＞＜） 『さあ、川島追い込まれました。
諸本さん、決め球には何が来るでしょうか？』
(´･ω･`) 『正直、読めませんね。落ちる系統の球だけでも、フォーク、スライダー、チェンジアップ。
さらに裏をかいて投げたストレートでも空振りをとれる力がある。
追い込まれる前に打つのが流石攻略のセオリーなんですが……』
（ ＞＜） 『追い込むまでの球にも甘いものはありませんでしたね？』
(´･ω･`) 『まあ、そういうことです。調子が悪いときはそこに隙があるんですが今日は良さそうです』
（ ＞＜） 『そうですか。さあ、第５球目、何が来るか！』
（Ｋ‘ー｀） （ストレートだ！）
今までの対戦でも追い込まれて仕留められることが多かった。
しかし、伊達に今まで仕留められてはいない。
- 83 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 20:37:04.78 ID:9vQ7QpXc0.net
- （Ｋ‘ー｀） （今まで読みすぎて裏をかかれることが多かった……なら、それを狙い撃つ）
そして、流石が投じた５球目。腕の振りはストレートのもの。
しかし。
（；Ｋ‘ー｀） （うっ……！）
肝心の球はストレートに比べ明らかに遅い球。
直球とおよそ２５キロほどの球速差がある。
完全に読みを外した状態で打てる球ではなかった。
（ ＞＜） 『三振――！ 最後の球はチェンジアップ！』
(´･ω･`) 『完全に読みを外されましたね。まあ、流石君ですから仕方のない面もあります』
- 84 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 20:40:06.89 ID:MKNTiG0O0.net
- しえ
- 85 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 20:42:38.09 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ´_ゝ`） （よし、うざいバッターを打ち取ったぜ。これで今日は余裕だな）
(´・_ゝ・｀) （調子に乗るな）
だが、流石の言葉そのままに茂等もスライダーをひっかけ、ショートゴロ。
あっという間に２アウトだ。
（；・∀・） （くそ、だせえ。内藤が締めてくれたのに淡白な攻撃しちまった）
そして打順は３番に回る。
『３番、セカンド、毒田。背番号３７』
- 86 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 20:48:14.12 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＞＜） 『さあ、バッターは３番の毒田です。
しかし毒田はここまで打率２割２分と不振にあえいでいますね？』
(´･ω･`) 『毒田も若い選手ですからね。年ごとに好不調の波はあります。
今年は不本意なオールスター選出をされたり、２軍落ちしたりと厳しいシーズンでしたからね。
ぜひ、鬱憤を晴らしてほしいです』
('A`) （……）
不安は、あった。
たまたま不調の波が来ているだけだと人は言ってくれる。
しかし本当にそうか？ もう、バットでボールを掴むあの感覚は戻ってこないのではないか？
('A`) （……しかも、相手は兄者さんだ）
超一流の才能を持つ兄者。こちらも超一流の技術で挑まなければ負ける。
- 87 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 20:53:55.35 ID:9vQ7QpXc0.net
- そんなことを考えながら入った打席。
気もそぞろとはこのことか。
(´・_ゝ・｀) （……以前ほどの空気を感じないな）
（ ´_ゝ`） （まだ老け込む年でもないだろうになあ）
(´・_ゝ・｀) （まあ、眠っていてくれるなら起こす必要もあるまい。兄者、抑えるぞ）
（ ´_ゝ`） （ま、楽勝だろ）
そうして投じられた第１球、カーブ。
少し、甘いところに入ってきた。感覚が告げる。
('A`) （……行ける！）
その感覚を頼りに、バットを振りぬく。
- 88 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 20:59:26.59 ID:9vQ7QpXc0.net
- (；'A`) 「ぐっ……！」
しかし、手に残るのは鈍い感触。
ズレとしては僅か数センチにも満たない差だろう。
しかし、その差は一向に埋まらないように思えた。
(´・_ゝ・｀) （カーブが少し抜けたか……危なかった）
ボールは転々とセカンドに転がっていく。
二塁手は名手・木村だ。どこぞの毒田と違って安心できる人間だ。
ヽ；・ω・〉 「あっ！」
そう盛岡が思った瞬間、木村がボールを掴み損ね、お手玉してしまった。
その間に毒田は１塁を駆け抜ける。
(；´・_ゝ・｀) 「……えー」
- 89 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 21:02:30.14 ID:4dnLP2mc0.net
- ドクオらしい出塁
- 90 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 21:02:57.13 ID:E56znGbt0.net
- 前どっかで見たことあるなこれ
続きもん？
- 91 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 21:06:22.13 ID:fQrg/KPs0.net
- 今はVIPでやってもまとめつかないよ！
- 92 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 21:06:24.70 ID:9vQ7QpXc0.net
- 記録はもちろん木村のエラー。
集まるほどのことでもないかもしれないが、大事な試合の初戦である。
念には念を押して内野陣がマウンドに集まる。
（ ´_ゝ`） 「んだよー。来なくていいって」
ヽ；・ω・〉 「兄者……すまん。大事な試合で……」
（ ´_ゝ`） 「いいっすよー。木村さんには助けてもらったほうが多いんで。
でも、次やったら『毒田』って呼びますね」
ヽ；・ω・〉〈；｀∇´〉 「「「「「それは嫌だから頑張る」」」」」 <；ヽ｀∀´>[；::´脇｀::] (；´・_ゝ・｀)
ビックバンズ内野陣が一つになった瞬間だった。
('A`) 「泣くぞ」
- 93 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 21:12:23.01 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＞＜） 『さあ、エラーでランナーを出して打順は４番の宝を迎えます！』
(´･ω･`) 『早く一点が欲しいでしょうからね。エラーで流石君も少し気が落ちてるでしょうからねらい目ですよ』
（#´_ゝ`） 「ふんぬ！」
(；＾Д＾) 「むっ……！」
(´・_ゝ・｀) （いい球だ）
（ ＞＜） 『第１球投げた！ アウトローいっぱいストレート！ 球速は１４８キロ！』
(´･ω･`) 『エラーで気が落ちるなんてエースでは考えられませんよ。宝は気を引き締めないといけませんね』
（ ＞＜） （投げる前のコメントをなかったことにしようとしている……）
- 94 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 21:19:04.34 ID:9vQ7QpXc0.net
- しかし宝も一流のバッターらしく、流石のボールに食らいついていく。
しかし。
(；＾Д＾) （しまった！）
（ ＞＜） 『７球目のスライダーを引っかけてしまったー！！
ボールは転々とサードへ！』
[；::´脇｀::] （『毒田』は嫌だ『毒田』は嫌だ）
（ ＞＜） 『サード脇谷がしっかりと捕球してファーストへ！
朴にわたってスリーアウト、チェンジです！』
(´･ω･`) 『やけに脇谷君が緊張していましたね。なんということもないサードゴロなんですが』
('A`) （泣きたい）
- 95 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 21:25:02.76 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＞＜） 『さあ、１回の攻防が終わりました。諸本さん、ここまでの展開はどうでしょうか』
(´･ω･`) 『お互いにランナーを出してしまいましたがよく耐えましたね。
こういった大事な試合では先制点がなによりも大事ですから、集中してほしいですね』
（ ＞＜） 『両投手の調子はどうでしょうか』
(´･ω･`) 『２人ともかなりいいと思います。
まず、きっちりと低めに球が集まっている。コントロールがしっかりしていれば長打や連打は出にくいものです』
（ ＞＜） 『すると、今日は……』
(´･ω･`) 『この調子が続けば投手戦になるでしょうね』
- 96 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 21:31:13.88 ID:9vQ7QpXc0.net
- そして、諸本の予想は現実のものとなる。
２回の攻防をお互いに三者凡退にきって取ると、そこからは両投手の独壇場。
（#＾ω＾） 「おおっ！」
にしこり 「くっ……」
ランナーすらほとんど出さない内藤。
- 97 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 21:31:43.57 ID:MKNTiG0O0.net
- しえ
- 98 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 21:36:33.29 ID:9vQ7QpXc0.net
- (；,,ﾟДﾟ) （しまった……打ち上げちまった！）
（ ´_ゝ`） 「ふー、危ない危ない」
（ ＞＜） 『流石、この回も踏ん張った！ ランナー２・３塁に残塁です！』
ランナーは出すものの、持ち前の投球術で本塁は踏ませない流石。
試合は０−０の膠着状態の中、終盤戦に突入していく。
【途中経過】
１２３ ４５６ ７８９ ＲＨ
B ０００ ０００ ０１
V ０００ ０００ ０３
B 流石‐盛岡
V 内藤‐比木
- 99 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 21:42:19.48 ID:9vQ7QpXc0.net
- そして、試合は７回の表。
内藤の額にも汗が滲んでくる。
迎えるバッターは日本球界最高のスラッガーである。
『４番・レフト松井』
ウグイス嬢の言葉にビックバンズのファンで埋まるレフトスタンドから歓声が上がる。
０−０のこの試合。求められているのは試合を動かす一発である。
（；＾ω＾） 「ふー……」
(；-＿-) （キツイ試合だ……一球が命取り、か）
マウンドに立つ内藤を見る。
ここまで内藤はよくやっている。本当に、よくやっている。
エース流石との投げ合いでも、集中力を切らさない。
- 100 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 21:44:35.30 ID:Oqd8ky5T0.net
- めっっちゃうれしい
支援支援支援
- 101 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 21:45:16.93 ID:Oqd8ky5T0.net
- 内川横浜の時なんだよなコレ
- 102 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 21:48:04.09 ID:9vQ7QpXc0.net
- というか、今日の内容に限ってみれば流石よりもいいものだった。
しかし、それだけに。
(-＿-) （試合も終盤……一つの崩れが全体の崩壊を起こすかもしれない）
にしこり 「……」
そして、左打席に立つ、伝説の男。
(-＿-) （こいつがそれを見逃すことはしないだろう……頼む、内藤）
- 103 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 21:54:11.20 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＞＜） 『さあ、打席には４番の松井です。しかし、今日は内藤に抑えられていますね？』
(´･ω･`) 『２打席が終わってどちらも空振りの三振ですか。内藤も今日はよく腕を振れていますからね。
上々でしょう』
（ ＞＜） 『そうですか。さあ、振りかぶって第一球……おっと！』
(；-＿-) 「！」
投じられたボールはベースの前でバウンドしてしまうほどのストレート。
完全に投げ損じの一球だ。
- 104 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 21:59:17.56 ID:kw98uIHa0.net
- 結構前からの現行なんだな
支援
- 105 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 22:02:03.70 ID:9vQ7QpXc0.net
- (-＿-) （内藤……）
（；＾ω＾） （すいません、ボールが指に引っ掛かり過ぎちゃいましたお）
(-＿-) （いや、いい。慎重にいこう）
そうやって構えたコースは低めに外れるカーブ。
松井にはいくら慎重にいっても慎重すぎることはない。
そう考えてのサインだった。
（ ＾ω＾） （把握ですお）
そうして投げ込まれた松井に対しての第二球。
比木、内藤、そしてヴィッパーズの面々が青ざめた。
- 106 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 22:07:36.88 ID:9vQ7QpXc0.net
- (；-＿-) （高い――！）
投げられたのは抜けたカーブ。
今度は指に引っ掛かりきらずに抜けてしまった。
球速は本来の内藤の球と違い、かなり遅い。
（；＾ω＾） （いや、でも――！）
確かに抜けたボール。失投だ。しかし、抜けすぎたのが幸いした。
ボールは、ストライクゾーンから大きく外れるほど高いゾーンへと飛んでいく。
あれなら、手を出しても逆に凡打にしかならない。見逃してくれればまた落ち着いて三球目が投げられる。
しかし。
にしこり （――来た！）
そうは思っていない男が、一人、いた。
- 107 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 22:12:25.77 ID:4dnLP2mc0.net
- しえん
- 108 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 22:12:31.92 ID:MKNTiG0O0.net
- しえ
- 109 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 22:14:38.27 ID:9vQ7QpXc0.net
- （；＾ω＾） （まさか……）
(；-＿-) （打つ気か！？）
高めに大きく外れていく球。
しかし、それは外そうと思った球ではなく、結果的に外れてしまったもの。
にしこり （こんな球、もう僕の打席では投げてこない……！）
気持ちのこもっていない、球。
それを打つのが、４番の仕事。
松井は、ボールだけを見て、無心で、バットを振り切った。
- 110 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 22:19:17.14 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＞＜） 『打ったぁ――！ 大きい――！！』
その打球に、球場が沸く。歓声を背に受けて、日本最強の男が放った打球は――
（；＾ω＾）
内藤の、頭上を越え、
（；Ｋ‘ー｀） ('A`；)
二遊間である川島と、毒田の頭上を越え。
(；,,ﾟДﾟ)
センターの、擬古の頭上を越え。
- 111 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 22:19:46.09 ID:kw98uIHa0.net
- スポーツ物は心理描写が面白いな
- 112 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 22:20:32.46 ID:jxgetsAZ0.net
- ほう
- 113 ：拳王 ◆iSzhOM1gzE ：2014/09/13(土) 22:23:59.46 ID:LbJjylP20.net
- 抜けた球を打たれるしかバリエーションねえのか？
- 114 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 22:24:33.60 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＞＜） 『入ったああああああ！！
この大事な試合！ 優勝を賭けた試合！
先制はやはりこの男のバットからだ！！』
松井が右腕を上げながらダイヤモンドを一周する。
その姿にビックバンズファンは沸き、ヴィッパーズファンは沈黙する。
（ ＞＜） 『バックスクリーンに叩き込んだ！
高めのボール球を技術とパワーで押し込んだ！！
松井、第５０号ソロホームラン！！ 先制はビックバンズです！！』
相手が最高の投球をしているならばそれ以上の最高の打撃を。
松井が、ホームベースを踏んだ。
B １ − ０ V
- 115 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 22:29:47.67 ID:9vQ7QpXc0.net
- (；-＿-)
ビックバンズ、ひいては流石兄者に与えてはならない先制点。
与えてしまった。失投ではあったが、並の打者であれば見逃していたであろう球。
それを簡単にスタンドに持っていかれてしまった。
(；-＿-) （内藤……）
捕手である自分ですらこんなに気落ちしてしまっているのだ。
マウンドの内藤はどのような心持であろうか。
そう考えマウンドに目をやる。
(-＿-) （……！）
しかし、マウンドの内藤は。
（ ＾ω＾）
不敵に、笑っていた。
- 116 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 22:34:45.94 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＾ω＾） （あれを持っていくかお……松井さん、さすがだお……）
自分のすべてをこめたボールではない。
しかし、あのボール球を無理やりにでも持っていたということ。
すなわち、小さいチャンスであっても見逃してはならないと松井が考えたということ。
（ ＾ω＾） （……）
とはいえ、打たれてしまった。
与えてはいけない１点。スコアボードに、のしかかる、１点。
- 117 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 22:39:55.49 ID:kw98uIHa0.net
- しえん
- 118 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 22:41:55.80 ID:9vQ7QpXc0.net
- 内藤は気落ちしてなどいなかった。
その証拠に、腕も振れていたし、球威も松井に打たれる前と変わらないものを維持していた。
（ ＞＜） 『５番朴はサードゴロです！』
(´･ω･`) 『フォークを引っかけてしまいましたね。
しかし球威が落ちていない。気落ちしていない証拠ですね』
(-＿-) （よし、メンタルが心配だったが大丈夫だ。いける）
比木は半ば安心していた。
松井には打たれたが、あの抜け球をスタンドに持っていくのは松井だけだろう。
朴を抑え、これからは下位打線。内藤であれば打ち取れる。そう思っていた。
- 119 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 22:45:20.03 ID:MKNTiG0O0.net
- この感じは……
- 120 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 22:48:43.97 ID:9vQ7QpXc0.net
- 『６番、キャッチャー盛岡』
(´・_ゝ・｀) （兄者のためにももう１点……）
(-＿-) （……盛岡か）
盛岡は怖いバッターである。しかし、気を付けて投球すればなんということもない。
少なくとも、松井や朴に比べれば格落ちだ。
(-＿-) （……初球は１球外そう。安全に）
（ ＾ω＾） （把握ですお）
- 121 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 22:49:05.06 ID:Hm+VgRuHO.net
- 運命の一戦のパクり？
- 122 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 22:51:25.68 ID:4dnLP2mc0.net
- 野球ってだけでパクりは無いだろ
- 123 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 22:53:47.32 ID:9vQ7QpXc0.net
- しかし、比木は忘れていた。
どんなにメンタルに影響がないといっても、内藤は人間だ。
そして人間である以上――ミスは必ず出る。
(；-＿-) 「！！」
自分の構えたミットは打者から外れたところ。
内藤の球はそのミットには向かってこない。
今日一番の失投。
(´・_ゝ・｀) 「！！」
驚いたのは比木だけでなく、盛岡もだ。
しかし、盛岡は驚く前に無意識でバットを出していた。
- 124 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 23:02:21.52 ID:4dnLP2mc0.net
- しえん
- 125 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 23:08:23.37 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＞＜） 『入ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！
盛岡の打球はレフトスタンドへ――！！
ヴィッパーズに差をつける２点目！！
盛岡の第１１号ソロホームラン！！』
(´･ω･`) 『今のは痛い失投でしたねえ。ボール球を要求していたのがストライクゾーンに入ってきてしまいました。
どんなリードをしていてもあれでは打たれてしまいますね』
（；ﾟωﾟ） 「……」
今日の自分なら打たれないと思っていた。
事実、抑えてきた。絶対の自信を今日は持っていた。
しかし、あっけなく。その自信は他ならない自身の手によって打ち砕かれた。
B ２ − ０ V
- 126 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 23:11:11.79 ID:kw98uIHa0.net
- あっさり点入るもんなんだな
- 127 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 23:14:32.54 ID:9vQ7QpXc0.net
- マウンドに内野陣が集まる。
緊迫した投手戦はビックバンズの一発攻勢で動き始めた。
内野陣は、どこか虚ろな目をした内藤の周りに集まる。
（ ＾ω＾） 「すいません……」
(-＿-) 「気にするな。失投は誰にでもあることだ。
それより、この後は下位打線だし、しっかり抑えてくれれば取り返してやるさ」
比木のその言葉に内野陣は肯く。それで内藤が奮起するとしたのか、内野陣はそれぞれの守備位置に戻ろうとする。
しかし、その動きを遮る声が、ある男から上がった。
('A`) 「待ってください」
セカンドの毒田だった。
- 128 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 23:18:57.09 ID:4dnLP2mc0.net
- 味方が援護しないからこうなる
- 129 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 23:20:38.84 ID:9vQ7QpXc0.net
- ('A`) 「内藤……」
（ ＾ω＾） 「なんだお」
毒田が内藤に詰め寄る。
その顔はいつものようなふざけた顔面ではなく真剣なそれだ。
('A`) 「……」
（ ＾ω＾） 「……なんだお」
('A`) 「本当に抑えられるのか？」
(；＾Д＾) 「お前、何聞いてんだ……？」
マウンドに立つ投手には基本的に内野手は厳しい言葉をかけない。
集まるときはだいたいピンチの時だし、そんなときに責任を詰め寄ってもなんの得にもならないからだ。
しかし、毒田はそんな風習を無視してネガティブな言葉を内藤にかけた。
- 130 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 23:26:55.85 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＾ω＾） 「どういうことだお」
('A`) 「どういうこともねーよ。あんな俺でも打てそうな球投げやがって。
それでも、優勝賭けた試合に先発させてもらえる投手ですかってもんだ」
（#＾ω＾） 「なっ……確かに盛岡さんに打たれたのは失投だお！
でも、今日の調子でドクオにそんなこと言われる筋合いは……」
('A`) 「松井さんのはどうなんだよ」
（ ＾ω＾） 「っ……」
（ ＞＜） 『内野陣が内藤のもとへ集まっていますが……なんだか雰囲気がよくないような気がしますね？』
(´･ω･`) 『……毒田がなにやら内藤に詰め寄っているようですね。
でも、大丈夫でしょう。２人はなんだかんだ信頼関係がありますからね』
- 131 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 23:32:56.28 ID:9vQ7QpXc0.net
- （#＾ω＾） 「僕だって打たれたくて打たれたわけじゃねーお！
ドクオなんて投手の気持ちなんてわからんお！ ほっとけお！」
(#'A`) 「わかんねーよダボスケ！ そんな俺にやいやい言われたくなかったらこの下位打線ぐらい抑えてみろや！」
（#＾ω＾） 「言われなくてもそうするお！ いちいちうるせーお！」
(#'A`) 「どうだか！ 大方１０勝してプロポーズしてお前の中で今シーズンは終わりじゃねえのか！？」
（#＾ω＾） 「てめー！ １０勝したらしたで今度は２０勝しろだの言われてるんだお！
このままじゃ僕は稲尾かスタルヒンにでもならなくちゃ離婚の危機なんだお！」
(#'A`) 「うっせーデブ！ マウンドでのろけんな！ 死ね！」
（ ＞＜） 『……なかなか言い争いが終わりませんが』
(´･ω･`) 『あ、今茂等が２人の頭をシバきましたね。いい判断です』
（ ＞＜） 『そうですか。さあ、それぞれの選手が守備位置に入って試合再開です』
- 132 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 23:34:20.30 ID:foJZ+kZi0.net
- ダボスケ
- 133 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 23:39:12.45 ID:9vQ7QpXc0.net
- （ ＞＜） 『さあ、スコアが２−０となって迎えるバッターは７番の木村です』
ヽ・ω・〉 （よし、盛岡がやってくれた！ 初球を狙うぞ！）
投手にとって最大の敵はメンタルである。
それが崩れればどんなによいストレートや変化球を持っていたとしても宝の持ち腐れ。
狙ったところに行かなくなってしまうからだ。
ヽ・ω・〉 （ホームランを食らった後はどんな投手でもつらいはず！ それを狙う！）
- 134 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 23:45:33.81 ID:9vQ7QpXc0.net
- しかし、木村の思惑には誤算があった。
投手の内藤は毒田との口喧嘩により、緊張よりも怒りの感情のほうが大きくなっていたのだ。
（#＾ω＾） 「打たれたらまたドクオに言われるお……！ そんなのゴメンだお」
(；-＿-) （毒田のせいで感情が昂ぶってるな……大丈夫か？）
そんな比木の思いとは裏腹に第一球。
見惚れるばかりのストレートが飛んできた。
ヽ；・ω・〉 「！」
初球に手を出していくつもりだった木村も思わずバットが止まる。
球速は１４７キロ。低め一杯のコース。手が出る球ではなかった。
- 135 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 23:47:28.74 ID:LbJjylP20.net
- >>131
稲尾かスタルヒン糞ワロタｗｗｗｗｗ
やっぱおもしれーわｗｗｗｗｗｗ
- 136 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 23:51:33.79 ID:9vQ7QpXc0.net
- (-＿-) （これは……）
毒田は内藤の高校のころからの同級生だ。
その分、内藤の心理は自分たちよりも把握しているのだろう。
（#＾ω＾）
キャッチャーボックスから見る内藤は怒っているように見える。
そういう時はだいたいはいい結果には結びつかないが、今の球はいい球だった。
(-＿-) （俺もまだまだ投手陣のことを把握していない……か。
まだまだ未熟だな。毒田に感謝しなければ）
きっと毒田は内藤のそういうところが分かっていてあんな言葉をかけたのだろう。
だとすれば、今の自分の内藤への声掛けは不十分だった。
屈折した、励まし。それが今の内藤には何よりの薬だったのだろう。
- 137 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/13(土) 23:55:45.43 ID:+l6oF7IG0.net
- 猿よけ支援
- 138 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/13(土) 23:57:54.53 ID:9vQ7QpXc0.net
- ――二塁ベース付近
（Ｋ‘ー｀） （って、比木さんは思ってるんでしょうけど……）
遊撃手の川島はチラリとセカンドの毒田を見る。
(#'A`) 「ほんとムカつくぜ……なんでちんこを放尿以外に使うやつはああなんだ……」
（；Ｋ‘ー｀） （多分、そんなこと考えての発言じゃなくて、普通にイライラしてただけだと思います）
- 139 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 00:04:10.45 ID:rSwQCBMP0.net
- 結果的に気落ちすることがなかった内藤。
安定したピッチングを取り戻し、７番の木村、８番の脇谷を打ち取る。
（#＾ω＾）ｑ 「クソ素人童貞が……」
(#'A`)ｄ 「ﾌｧｯｸ」
(；-＿-) （……）
ベンチに戻るときにまだ喧嘩している二人は見なかったことにしておこう。
うん。
【途中経過】
１２３ ４５６ ７８９ ＲＨ
B ０００ ０００ ２ ２３
V ０００ ０００ ０３
本塁打 松井50 盛岡11
B 流石‐盛岡
V 内藤‐比木
- 140 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 00:06:23.50 ID:83sIfSpB0.net
- 7回2失点ならよくやってるんだろうけどなあ
- 141 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 00:10:39.08 ID:rSwQCBMP0.net
- そして7回裏。
打順は6番のガイエルからだ。
J（ ﾟ_ゝﾟ)し 「おおっ、省略されてない！ これはわしのシリアス場面に突入やな！？」
ガイエルは平凡なファールフライでワンアウト。
続くバッターは７番の比木だ。
(-＿-) （試合も終盤……ここで１点でも多く取り返しておきたい）
- 142 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 00:16:10.69 ID:BSlil7NV0.net
- 支援
- 143 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 00:16:54.50 ID:rSwQCBMP0.net
- 内藤は強力なビックバンズ打線に本当によく立ち向かってくれている。
被安打は３。四球もほとんどなく、完璧とも言っていい内容だった。
それが７回の被本塁打２。スコアでは差をつけられてしまった。
(-＿-) （それもこれも、俺たちがさっさと先制しなかったからだ……！）
（；´_ゝ`） （キツイ試合だ……早く帰ってシコりたい）
(´・_ゝ・｀) （死ね）
マウンド上の流石だが、ここまで完璧な内容だったわけではない。
被安打こそほとんどなかったが、四球や暴投もあり、ランナーが得点圏に行くことも何回かあった。
しかし、最後の一本が出ず、ここまで無得点で来てしまった。
- 144 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 00:23:14.57 ID:rSwQCBMP0.net
- (-＿-) （絶対に取り返す！ 内藤を負け投手になんてしてやれるもんか！）
（ ´_ゝ`） （気合は十分そうだな、比木ちゃんは）
(´・_ゝ・｀) （こういう時は……ああ、打ち気を逸らすぞ）
（ ＞＜） 『さあ、バッターは７番の比木です』
(´･ω･`) 『かつてはクリーンアップも打った選手ですからね。侮れませんよ』
（ ＞＜） 『さあ、流石第１球……投げました！』
(-＿-) 「！」
いきなりインハイに飛び込んでくるボール。
思わず腰が引けるが審判のコールはストライク。
- 145 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 00:30:12.22 ID:rSwQCBMP0.net
- (-＿-) （いきなりカーブからか……）
右打者の自分から見れば一度こちらに飛んできて曲がってくる球。
難しいボールだが、打てない球ではなかった、と思う。
しかし、いきなりのボールに腰を引いてしまった。
(-＿-) （何をやっているんだ、俺は……）
しかし、過ぎてしまったことは仕方がない。
バットを握りなおして流石を再度にらむ。
（ ´_ゝ`） （怖い怖い、そんなに睨むと顔に皺がついちゃうぜ）
- 146 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 00:35:36.82 ID:rSwQCBMP0.net
- (´・_ゝ・｀) （あとは、カウントを一つとって……）
（ ´_ゝ`） （アウトローの逃げるスライダーで終いだ）
そして投じられた第２球。
チェンジアップを見逃してボールになる。
(-＿-) （……）
(´・_ゝ・｀) （打ち気の比木なら打ってくるかと思ったが……）
- 147 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 00:37:14.61 ID:BSlil7NV0.net
- シエン
- 148 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 00:41:17.29 ID:rSwQCBMP0.net
- ３球目。要求したのは僅かに胸元に食い込むシュート。
(´・_ゝ・｀) （これでインコースへの意識をつけるぞ）
（ ´_ゝ`） （うーい）
（ ＞＜） 『さあ、第３球……投げました！』
(-＿-) （よし！）
予想していた通り、内角への球。
ほぼヤマ勘だったが、あっていれば問題ない。
(#-＿-) 「いけえ！」
- 149 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 00:47:07.46 ID:rSwQCBMP0.net
- 確かにとらえた感覚。
その感覚通りにボールは鋭くセンター前へと弾き返される。
（；´_ゝ`） 「ちっ……」
(´・_ゝ・｀) （……まあいい。下位打線だ）
『８番、センター擬古』
(,,ﾟДﾟ) （絶対、ここで決めるぞ）
- 150 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 00:49:56.92 ID:BSlil7NV0.net
- 投下始めてもう8時間か
- 151 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 00:50:45.84 ID:BSlil7NV0.net
- 9時間だった飯大丈夫か？
- 152 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 00:52:50.89 ID:rSwQCBMP0.net
- しかし、気合だけで打てる流石ではない。
擬古も６球粘るものの、レフトフライに終わってしまう。
２アウトランナー一塁。バッターは９番で投手の内藤である。
（ ´_ゝ`） （内藤か。この回も終わりだな）
（ ＾ω＾） 「……」
しかし、内藤はあくまで打つつもりでバッターボックスに入る。
目線も流石から外すことは無い。
（ ´_ゝ`） （……と、思ったがそんなわけにもいかんようだな）
- 153 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 00:58:37.59 ID:rSwQCBMP0.net
- （ ＾ω＾） 「……」
内藤は、考えていた。自分が真っ向から駆け引きして、打つのは無理だ。
ならば、出会い頭の事故に期待するしかない。
（ ＾ω＾） （でも。その確率を少しでも上げるには・・・・・・）
読みが重要だ。しかも、相手は同じ投手。
心理を、読み切る。それができてなお、打てる確率は低いだろう。
（ ＾ω＾） （……でも、僕だって９人目のバッターだお）
投げていて思うことだが、打てる投手は本当に怖い。
場の空気も抑えて当然というものになっているから性質が悪い。
- 154 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 01:02:33.62 ID:rSwQCBMP0.net
- （ ＾ω＾） （……さっき、流石さんを打つ気満々の目で見ておいた。その時僕なら……？）
まず、ストレートは投げない。打撃練習をしていなくても、並外れた身体能力の持ち主ばかりである。
直球なら反射神経で弾き返されてしまうことがある。絶対にアウトを取りたい相手にそれは避けたい。
（ ＾ω＾） （変化球……）
まず、兄者は変化球を投げてくるだろう。しかも、変化球に自信を持つ相手だ。間違いないだろう。
しかし、そこまではいい。では、何が来る――？
- 155 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 01:05:36.53 ID:rSwQCBMP0.net
- （ ＾ω＾） （わからん！！）
結局、そこに行きついてしまう。兄者は多数の球種を持つ投手である。
そんな読みだけで打てるなら兄者はエースなんて呼ばれていないだろう。
（ ＾ω＾） （でも、打つしかねーお）
なら、当てるしかない。何通りもある兄者の第１球。
その球種を引き当てなおかつなんとか弾き返さなければならない。
読みをかわすのに定評がある、盛岡。そして七色の変化球使い流石。
この２人のバッテリーを相手に読み勝負なんて御免だ。
１球種に、絞る。
- 156 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 01:09:07.88 ID:rSwQCBMP0.net
- （ ＾ω＾） （チェンジアップ！）
（ ´_ゝ`） （チェンジアップだ）
そして、奇しくも２人の思考は交錯する。
（ ´_ゝ`） （内藤を抑えるのはなんでもできるが、かなり打ちたそうにしている。
じゃあ、かわしてやるよ）
(´・_ゝ・｀) （……）
盛岡もそのサインに頷く。
内藤が兄者からヒットを打つ。そんなことは考えもしていない。
- 157 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 01:12:44.61 ID:rSwQCBMP0.net
- （ ＞＜） 『さあ、第１球……投げた！』
（；＾ω＾） （き、来た！）
投じられたのは、ヤマ勘通りのチェンジアップ。
内藤の掌が、汗で滲む。
（；＾ω＾）（読みは当たったお、今度はバットに――）
（#＾ω＾） 「当たれぇ！」
- 158 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 01:15:50.04 ID:rSwQCBMP0.net
- 内藤が決死の思いでバットを振るう。
しかし、クリーンヒットは出ない。
読み切られてもなお、兄者のチェンジアップは内藤のバットの芯から逃げていった。
（ ＞＜） 『内藤、打ちました！ しかしこれはボテボテのショートゴロ！』
(´･ω･`) 『いや、これは……面白いかもしれません！』
諸本の言葉通り、ボールの勢いは弱く、内野安打になるか微妙なところだ。
それを見る前に、内藤は全力疾走をしている。
ショートの坂本がボールを掴む。
〈#｀∇´〉 「おらぁ！！」
素手でつかみ、前に動いた勢いそのままに一塁に転送する。
何のミスもない、完璧な送球。
- 159 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 01:17:21.02 ID:BSlil7NV0.net
- どうなる
- 160 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 01:18:44.52 ID:rSwQCBMP0.net
- しかし、内藤のほうが早かった。
両手を広げ一塁ベースにダイビングする。
ボールが一塁手の朴にわたるほんのわずか一瞬早く。内藤の指先がベースを捉えていた。
『セ―――フ！！』
審判のコールに球場が沸く。
内藤が一塁ベースを叩くようにして喜びを表現する。
（ ´_ゝ`） 「……ふん」
ランナーは１・２塁。またも得点圏にランナーを置いた。
（ ＞＜） 『内藤セーフ！！ 内野安打です！』
(´･ω･`) 『気合の入った走塁でしたね。微妙なタイミングでしたが全力疾走が活きました』
（ ＞＜） 『さあ、打順は１番に帰って川島から！ このチャンスを活かすことができるか！』
- 161 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 01:21:50.50 ID:rSwQCBMP0.net
- しかし、その川島の１球目。
（；Ｋ‘ー｀） 「しまっ……」
(´・_ゝ・｀) （ラッキー！！）
初球のチェンジアップを打つもボールは力なく兄者のもとへ。
もちろん、川島も全力で走るが、先ほどとは違い、内野安打になるべくもない。
（ ´_ゝ`） 「助かったぜ、川島君」
難なく捕球し、一塁へ。
川島がベースを駆け抜けるころには、一塁手の朴はベンチに帰り始めていた。
- 162 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 01:25:45.18 ID:rSwQCBMP0.net
- （；Ｋ‘ー｀） （何をやってるんだ、僕は……！ バカか……！）
顔が上げられない。初球打ちは狙っていた。内藤が出塁して動揺していると思ったから。
しかし、兄者は涼しい顔で先ほど打たれたのと同じチェンジアップを投げてきた。
動揺して、止めようとしたバット。それにボールが当たってしまった。
（；Ｋ‘ー｀） 「……」
ヤジも飛んでいる。しかし、内容までは分からない。
それぐらい、川島の頭は真っ白になっていた。
「おい」
それに、声をかける一つの声。
- 163 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 01:29:47.21 ID:rSwQCBMP0.net
- ('A`) 「慶三」
毒田だった。同衾してから会話がなくなった男。
体を許しても心は許していない。そんな気持ちからのことだった。
そんな男が何の用だ。帰れ、僕の息子（１８センチ）はあなたのものじゃない――
(；'A`) 「いや、地の文――！！ 今、シリアスだから！！」
（；Ｋ‘ー｀） 「……なんですか」
顔は上げずに、答える。
上げてしまえば、潰れてしまいそうだ。
('A`) 「まだ、終わってない」
- 164 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 01:32:49.36 ID:rSwQCBMP0.net
- （Ｋ‘ー｀） 「……え」
顔を上げる。毒田の目線の先には、内藤がいた。
投手なのに、ユニフォームを泥まみれにして、それでもマウンドに向かって走っていた。
自分に気づいたらしく、道すがら、声をかけてくる。
（ ＾ω＾） 「慶三、ドンマイだお。絶対にこの回抑えるから、任せてくれお」
('A`) 「言ったな？ 絶対だぞ」
（#＾ω＾） 「お前には言ってないお童貞！」
(#'A`) 「違いますー！ 素人童貞ですー！」
口喧嘩を始める２人。これも、この２人なりの励ましなのだろうか。
（Ｋ‘ー｀） 「……わかりました。打球はセカンドじゃなくてショートにお願いします！」
（ ＾ω＾） 「おう、もとよりそのつもりである！！」
('A`) 「ふん。いいさいいさ。……ほれ」
- 165 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 01:36:40.21 ID:BSlil7NV0.net
- しえ
- 166 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 01:44:18.31 ID:BSlil7NV0.net
- さる？
- 167 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 01:50:30.41 ID:EXfN3bFn0.net
- しえーん
- 168 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 02:00:48.80 ID:BSlil7NV0.net
- し
- 169 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 02:02:46.94 ID:rSwQCBMP0.net
- そういって手渡された川島のグラブ。
遊撃手用のそれは、今年初めて身につけたものだが、徐々になじんできた。
今では立派な自分の体の一部だ。
（Ｋ‘ー｀） 「……はい」
それを左手につける。
切り替えろ。引きずってエラーでもしたら明日から僕のあだ名は『毒田』になるだろう。
それだけは、避けなきゃな――
('A`) 「……」
('A`) 「慶三は気づいて無いっぽいけど全部口に出てるぞ」
（Ｋ‘ー｀） 「わざとです」
- 170 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 02:06:27.91 ID:rSwQCBMP0.net
- 『８回の表、ビックバンズの攻撃は、９番、ピッチャー流石』
（ ＾ω＾） 「……変わんねーのかお」
（ ´_ゝ`） 「もう休んでベンチ裏でアニメでも見たかったんだけどな」
（ ＞＜） 『流石は続投ですか』
(´･ω･`) 『普通なら交代でしょうけどね。ビックバンズは中継ぎも悪くない。
――でも、これは大一番です。原監督の中で心中してもいいと思えるような選手が、流石君だったのでしょうね』
（ ＞＜） 『……そうですか』
結局、兄者はショートゴロに倒れる。
そして、続く坂本、松本も打ち取った。
勝負は、８回の裏へと入っていく。
- 171 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 02:09:31.89 ID:rSwQCBMP0.net
- 【途中経過】
１２３ ４５６ ７８９ ＲＨ
B ０００ ０００ ２０ ２３
V ０００ ０００ ０ ０５
本塁打 松井50 盛岡11
B 流石‐盛岡
V 内藤‐比木
- 172 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 02:12:06.18 ID:rSwQCBMP0.net
- （#・∀・） 「おおおっ！」
（；´_ゝ`） 「く……」
８回の裏は２番の茂等からだ。
茂等は散々粘った後にレフトへのポテンヒットを放つ。
(´・_ゝ・｀) （いいところには来ていたんだが……ノーアウトのランナーか）
（ ´_ゝ`） （構わん。今の腑抜けたこいつなら大丈夫だ）
- 173 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 02:15:12.57 ID:rSwQCBMP0.net
- 『３番、セカンド、毒田』
俺の名前に、ライトスタンドは沸かない。
――というと被害妄想にはなるが、宝さんや伊陽に比べれば期待値は落ちるだろう。
('A`) 「……」
手に持ったバットを見つめる。
当然ながら何も答えることはない。
（ ´_ゝ`）
マウンドには完全に俺のことを見下している兄者さん。
――なめんな。打ち崩してやる。
- 174 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 02:18:47.08 ID:rSwQCBMP0.net
- (；'A`) 「……と、去年の俺なら言えたんだろうが……」
バックスクリーンには俺の今期の輝かしい成績が映し出されている。
その数字は完全に二流選手のそれだ。去年までの俺とは比べるべくもない。
('A`)
心が、相手に向かわない。
本来であれば、内藤に意見するなんておこがましいことなのだ。
- 175 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 02:21:55.06 ID:rSwQCBMP0.net
- （ ´_ゝ`） （まったく、俺は悲しいぜ、毒田）
去年までの毒田は自信に溢れていた。
もちろん敵としての巧打者というのは嫌なものだ。
それでも、挑戦のし甲斐があった。打たれるか、抑えるか。
勝負の醍醐味がそこにはあった。
（ ´_ゝ`） （今のお前は残りカスだ。数字じゃなくて、その顔が物語ってる）
ロージンをつけ、毒田をまっすぐに睨む。
（ ´_ゝ`） （失せな、腰抜け）
- 176 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 02:27:50.43 ID:83sIfSpB0.net
- しええ
- 177 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 02:27:52.62 ID:rSwQCBMP0.net
- （ ＞＜） 『さあ、茂等を一塁に置いての１球目……おっと！』
投じられた球は俺を怖気づかせようとするようなインコース。
普通なら避ける球だ。しかし、俺は違った。
(；'A`) （歯ぁくいしばれ……！）
インコース低めのちょうど膝元に食い込むストレート。
俺は、そのボールの軌道上に、足を少し出した。
- 178 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 02:31:22.25 ID:rSwQCBMP0.net
- (；'A`) 「ぐっ……！」
右ひざに、走る痛み。大丈夫だ。骨とかそんな痛さじゃない。
ベンチから出てくるトレーナーを手で制してプロテクターを外す。
その拍子に、兄者さんのほうを見る。
（ ）
兄者さんは、もはやこちらなど見ていなかった。
- 179 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 02:34:27.41 ID:rSwQCBMP0.net
- 『４番、ファースト宝』
（ ＞＜） 『さあ、毒田がデッドボールで出塁。ノーアウトランナー１・２塁のチャンスに４番の宝を迎えます！』
(´･ω･`) 『……』
（ ＞＜） 『諸本さん？』
(´･ω･`) 『！ あ、すいません……宝ですね。内藤が好投していますから。ここで逆転の一打が欲しいですね』
（ ＞＜） 『そうですか。それではこの打席に注目していきましょう！』
(´･ω･`) 『……』
(´･ω･`) （毒田……なにをしているんだ？ そんなのは……）
――プロのやることか？
- 180 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 02:34:36.80 ID:ONnMzDMV0.net
- ( )でワロタ
- 181 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 02:36:38.58 ID:83sIfSpB0.net
- 2chのヴィッパーズスレではドクオにできる最高の仕事とか言われてそうだ……
- 182 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 02:40:15.94 ID:BSlil7NV0.net
- 落ちぶれたな
- 183 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 02:57:28.92 ID:BSlil7NV0.net
- しえ
- 184 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 03:01:28.09 ID:rSwQCBMP0.net
- ( ＾Д＾) （形はどうあれ……チャンスだ）
宝はこれまでの３打席、すべて凡退に抑えられている。
ちょうど先ほどの松井と同じように。
( ＾Д＾) （本当に惚れ惚れするぜ……）
均衡した試合のバランスを動かすその力。
全国津々浦々の野球人たちが欲してやまない力だろう。
( ＾Д＾) （でも、負けねえぞ）
自分だってプロ球団の４番だ。
しかも、前任は球史に残る大打者、諸本信彦。
それをも超える力を見せつけてやる。
- 185 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 03:04:48.66 ID:rSwQCBMP0.net
- 流石が３球を投げてカウントは２ストライク１ボール。
追い込まれて、しかも投手有利のカウントになってしまった。
しかし、宝にひるむ様子はない。
( ＾Д＾) （松井さんはさっき内藤の失投を打った……）
宝の求める４番。それにはもちろん相手の失投を逃さないことも含まれている。
しかし、自分が目指す４番。見てきた４番。
( ＾Д＾) （相手の決め球を打ち砕いてこそ、４番）
そして流石の持っているウイニング・ショット。
アウトローへのスライダー。右打者の自分から見ると逃げていくボールだ。
このボールに自分のみならず、多くの打者が空を切っていた。
- 186 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 03:07:32.16 ID:rSwQCBMP0.net
- そして、もう試合は８回の裏。流石も１００球を超える球数を投げている。
できるだけ、早く終わらせてしまいたいはずだ。
（ ´_ゝ`）（……）
そんなことを考えた、４球目。
真ん中低めへの半速球が投じられる。
( ＾Д＾) （これは……）
思わず、バットが出かかる。
その動きを、理性で何とか封じ込めた。
(´・_ゝ・｀) （……振らないか）
- 187 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 03:09:56.35 ID:rSwQCBMP0.net
- (；＾Д＾) （あぶねえ……）
流石のもうひとつのウイニングショットのフォーク。
落ちる寸前でどうにかバットを止め、見送る。
ボールはストライクゾーンから落ちていき、ボールが宣告された。
(´・_ゝ・｀) （一応……）
捕手の盛岡が一塁塁審にハーフスイングのジャッジを求める。
塁審は腕を横に出す。ノースイングの判定だ。
（ ´_ゝ`） （ま、そうだな）
- 188 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 03:13:13.54 ID:rSwQCBMP0.net
- ( ＾Д＾) （しかし、今のでだいたいわかったことがある）
フォークの落ち始めが早かった。
本来ならば目で見てバットを止めるなど、できない。
疲れか、気負いか。なんにせよ、今はチャンスだ。
( ＾Д＾) （決めてやるさ）
漆黒のバットを構え、相手を見る。
流石もひるみを見せない。
- 189 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 03:15:56.25 ID:rSwQCBMP0.net
- （ ´_ゝ`） （読んだくらいで打てるならみんな４割打者だっつーの）
そう思い、５球目を投じる。
球種はスライダー、コースはアウトロー。
お望み通りの球だ。
（ ´_ゝ`） （打てるもんなら、打ってみやがれ！）
- 190 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 03:18:56.39 ID:rSwQCBMP0.net
- ( ＾Д＾) （来た！）
狙っていたアウトロー一杯から逃げていくスライダー。
しかし、あまりにも最高の球。寸分の狂いもなく最高のコースへ入っていく。
(´・_ゝ・｀) （決まった！！）
しかし、最高の球を打ち返してこそ――４番！
(#＾Д＾) 「やられて――」
漆黒のバットを振るい――
(#＾Д＾) 「たまるかぁ！！」
―― 一閃。
- 191 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 03:21:50.28 ID:rSwQCBMP0.net
- （ ＞＜） 『宝の打球はライト線へ――！！ 痛烈――！！』
（；´_ゝ`） 「……くそったれ！」
完璧な球だった。それを完璧に打ち返された。
打球はファーストの頭を超え、ライト線に落ちる。
長打コースだ。打球を見た二塁走者の茂等は足の筋肉がちぎれんばかりに疾走する。
（；・∀・） 「うおおおおおおおおおおお！！！」
３６歳になった茂等だが、かつては盗塁王にも輝いたことがある俊足である。
ライトの高橋由がホームに返球する。
- 192 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 03:23:50.23 ID:rSwQCBMP0.net
- （#・∀・） 「うらあ！！」
しかし、その返球がホームに届くまでに茂等はホームを駆け抜ける。
ライトスタンドはいよいよの反撃に盛り上がる。
（*＾ω＾） 「よし！！」
ベンチ前でキャッチボールをしていた内藤もグラブを叩いて両手を上げる。
茂等もそれに応える。ヴィッパーズ、反撃の１点をもぎ取った。
B ２ − １ V
- 193 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 03:25:19.30 ID:BSlil7NV0.net
- しえん
- 194 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 03:26:42.09 ID:rSwQCBMP0.net
- しかし、後が続かない。
(；=ﾟωﾟ) 「よぅ……」
５番伊陽が空振りの三振。
J（ ﾟ_ゝﾟ)し
６番ガイエルがレフトフライ。
(；-＿-) 「ううっ！」
７番の比木がフォークを捉えきれず、三振。
（#´_ゝ`） 「なめんなこらぁ！！ 宝に打てたからってお前らにも打てると思うな三下ぁ！！」
- 195 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 03:59:24.57 ID:83sIfSpB0.net
- しえ
- 196 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 04:00:39.10 ID:GDFCbu0R0.net
- スレ立てから半日(ﾞДﾞ)
- 197 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 04:01:08.95 ID:rSwQCBMP0.net
- 試合は、９回に突入する。
(´･ω･`) 『今のセリフはアクセラレータのものですね……言ってみたかったんでしょう』
（；＞＜） 『？』
【途中経過】
１２３ ４５６ ７８９ ＲＨ
B ０００ ０００ ２０ ２３
V ０００ ０００ ０１ １７
本塁打 松井50 盛岡11
B 流石‐盛岡
V 内藤‐比木
- 198 ： ◆5Ws6J0OZQE ：2014/09/14(日) 04:02:53.24 ID:rSwQCBMP0.net
- 今日はおーわり。
次回以降は創作板でやります。
http://jbbs.shitaraba.net/internet/13029/
水曜の夜にまた来ます。ではさいなら。
- 199 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2014/09/14(日) 04:03:37.47 ID:83sIfSpB0.net
- おつおつー
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