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喫煙ルームで一服してると階下にあるインテリア事業部の奴が来た
- 1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:30:19.81 ID:g1eMxrvr0.net
- 喫煙ルームで一服してると階下にあるインテリア事業部の奴が来た
『よっおかえりぃ』
俺はニヤニヤと禁煙を失敗したらしい同期の川下 清二を歓迎する
川下は新しい封の切っていない煙草を取り出し
乱暴に開けると一本に火をつけ溜め息と共に煙を吐き出す
『やっぱ ゆとり世代って面倒くせぇ』
どうやら川下は禁煙の失敗を今月入社したばかりの新入社員のせいにしたいらしい
『協調性ってのがないんだよっ今の若者は!』
俺は川下に苦笑いする
『今週末の歓送迎会の日時伝えたら それは出席しなきゃいけないんですか?だってよ!』
まだ半分も吸ってない煙草をグリグリと消すと再び次の煙草に火を付ける
俺は黙って川下の愚痴に付き合う
- 2 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:30:53.52 ID:g1eMxrvr0.net
-
この社にも新しい世代が入社してきた
いわゆる【ゆとり世代】
過剰反応する社員
俺からすれば だから?って言った感じだ
俺たちの世代だって きっと上司や先輩達も戸惑ったに違いない
そして俺たちも上司や先輩の言うことに戸惑う事があるじゃないか
違う環境 教育 で育てば何かしらお互いが違和感を感じるのは必然的な事
- 3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:31:27.48 ID:g1eMxrvr0.net
- 『東条の所は新入社員入ってないんだっけ?』
川下は羨ましいそうに俺を見る
『派遣の一人は確か ゆとり世代だけど 普通だぞ?ゆとりだからって関係ないんじゃないか?個性だろ(笑)』
俺は短くなった煙草を消す
『それなら尚更 たち悪いんじゃねぇか…ウチの部署くじ運悪かったって事かよ…』
落ち込む川下の肩を叩く
『世代を受け止めるのは先輩の役目だろ 頑張れよっじゃあな』
俺は川下を置いて喫煙ルームを出た
携帯を出して
喫煙ルームから真っ直ぐ突き当たり
非常口となってる重い扉を開ける
螺旋階段の踊り場に出ると同時に電話をかけた
- 4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:31:59.81 ID:g1eMxrvr0.net
- 昼休みの終わりに 毎日かけるラブコール
もう日常化している
『おはよう圭っ』
明るい声を電話越しに聞くと祐真の笑顔を思い出して頬が緩む
『おはよう祐真 ちゃんと勉強してるか?』
愛しい恋人は六歳年下の大学生
祐真もまた ゆとり世代だ
社会人と学生
年齢的にも色々とギャップはあるが俺は祐真が可愛くて仕方ない
『ちゃんとしてるよ(笑)今日バイト終わったら圭の家いっていい?』
祐真の声に俺は更に頬を緩める
『いいよ おいで』
不定期だが週に2〜3回程度の割合で祐真は家に泊まりに来る
俺はその日が楽しみでならない
『じゃバイト終わったら行くね 圭も仕事頑張って』
祐真との電話が終わると俺は大きく背を伸ばした
- 5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:33:59.83 ID:g1eMxrvr0.net
- 少しでも早く帰れるように
午後も頑張ろう
重い扉が開く音で俺は振り返る
変化のない扉
『トモキ?今晩開いてる?…………あっそ 分かったじゃ』
下の階か?
どうやら俺と同じ様に電話する為に出てきたらしい
『ヒデ?オレだけど 今日ひま?……そう…じゃ』
?
手当たり次第誘ってんな…
俺は好奇心で踊り場から身を乗り出して下の階を覗く
階下に僅かに人の影は見えるが…インテリア部の奴かな?
『タケシ?…今日空いてる?…うん9時過ぎ?オッケーじゃいつものとこで』
階下の奴はようやく約束を漕ぎ着けたようだった
合コンの人出足りないとかかか?
階下の奴が踊り場の柵にもたれ掛かる
後頭部しか見えない
そいつは大きく溜め息をついた
上にまで聞こえる程の溜め息が凄く重く響いた
- 6 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:36:57.28 ID:g1eMxrvr0.net
- インターフォンが鳴り
俺は扉を開けた
『圭っお疲れ』
いつもの様に笑顔を浮かべて祐真は土産のケーキの箱を俺に渡す
『お疲れさん』
ケーキを片手に祐真を部屋に招き入れた
ケーキ屋のバイト先での移り香…祐真からは甘いバニラの香りがする
早く祐真を食べたい欲求が芽生えるが俺はその気持ちを押し止める
祐真は そういう雰囲気とか大事にするロマンチストだからなぁ
そこが可愛いのだが
『圭 また部屋で煙草吸っただろ?』
祐真は眉をしかめる
換気扇の下で吸ったんだけどな…
俺は苦笑した
『身体に悪いんだからね』
祐真は煙草が苦手だから匂いに敏感
部屋の窓を開けて消臭スプレーをまく姿を見て俺は苦笑する
- 7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:37:28.25 ID:g1eMxrvr0.net
- 消臭してる祐真を横目に俺はケーキを食べる用意をする
自分にコーヒー祐真には紅茶を入れケーキを皿に移す
甘党の祐真と付き合うようになって ケーキを食べる機会が増えた
恋愛とは人を変える
甘いものは苦手だったが今では平気だし
何処の店のケーキが旨いかなんて詳しくもなったりして
煙草も1日二箱は開けるほどヘビースモーカーだったが今では一箱に収まっている
『僕 ショートケーキっ』
消臭が済んだ祐真は好きなケーキを取るとリビングに運ぶ
ケーキを目の前にする祐真は本当に嬉しそうだ
好きな人が嬉しそうに笑う笑顔は本当に癒される
こういう時 俺は本当に幸せを感じるんだ
祐真に出会えて良かったって心から思う
祐真も同じ様に そう感じてくれたらいい
- 8 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:39:29.64 ID:WIkxCwPf0.net
- ホモスレだったか
- 9 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:41:07.13 ID:kfnUNvJA0.net
- まったく読んでないけどホモスレならなによりだと思いました
- 10 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:45:41.93 ID:g1eMxrvr0.net
- ケーキを頬張る祐真を背後から抱き締めた
甘い香りが増す
『圭 あ〜ん』
祐真は背後の俺にフォークに乗せたケーキを向けた
甘ったるいケーキを口に含む
『美味しい?』
祐真の滑らかな頬に口付けて返事の代わりにする
細い腰…
『くすぐったいよ圭っ』
うなじに口付けると祐真はクスクス笑いながら身を捩らせる
『祐真…』
俺は祐真の身体を抱き止めて可愛いプクリと膨らんだ唇にキスをした
どんなケーキよりも甘く
どんな果実よりも みずみずしい唇
- 11 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:46:15.90 ID:g1eMxrvr0.net
- 『だめ…ゴムつけて』
今の今まで俺の愛撫で惚けてたのに やはり気づかれてしまった
俺は仕方なく祐真が買ってきたお買い得のコンドームを取り出して付ける
『きて…圭…』
ゴムを着けたのを確認した祐真に導かれる様に俺は熱い中に沈めていく
傷つけないように
優しく
ゆっくりと
祐真は深く息を吐きながら俺を受け入れていく
祐真との繋がるこの瞬間 俺は過剰に緊張する
祐真は22歳にしては 性欲が少ない
それには過去が関係している
祐真の初体験は ほとんど強姦に近かったらしくトラウマがある
セックスに対しての恐怖
そんな祐真が俺の為に恐怖を乗り越えて身体を開いてくれている
だから俺は精一杯 祐真の身体を大事に大事に抱くんだ
- 12 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:47:33.05 ID:g1eMxrvr0.net
- 俺は祐真より年上だし我慢出来ると自負していた
付き合うと言う事はセックスだけが目的じゃないと思ってた
それほど俺は祐真に惚れていたから…
でも祐真は俺より分かっていたのだろう
そんな事は綺麗事でしかないと言う事を…
プラトニックな関係は続かないと言う事を…
『ぁっ…』
ピクンと祐真の身体が俺の愛撫で反応してくる
耐える様に噛み締めた唇が開き甘い声が漏れてくる
祐真と出会って初めて知る
自分だけの快楽を求めるセックスよりも相手に快楽を与える事の大切さ
その方が心も身体も満たされるんだ
祐真の呼吸に合わせる様に中で ゆっくりと動かす
祐真が乱れていく姿に俺は興奮する
俺は快感に支配されない様に ゆっくりと目を閉じた
- 13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:48:05.40 ID:zex05bLR0.net
- 祐真って男なのか
- 14 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:48:40.99 ID:g1eMxrvr0.net
- 満足した様にすぐに眠ってしまった祐真の小さな頭をしばらく撫でた
腕枕をそっと外してベッドを抜け出す
食事の後とセックスの後はどうしても煙草が吸いたくなる
ベランダに出て煙草に火を付けた
深く煙草を吸い込んで浅く煙を吐く
煙草辞めた方がいいよな…
俺は赤く灯る煙草の火を見つめた
祐真は決して辞めろとは言わないが…辞めれば喜んでくれるだろう とは分かっている
世の中 喫煙者には肩身が狭い
会社も喫煙ルーム減らすって案が持ち上がりつつある
でも辞めよっかなぁと思ってる時点で辞めれないのだ
何かしら言い訳を付けて辞めれないと結論付くのは何度目だろう
俺は再び煙草に口を付ける
いつか辞めれたらいいな…
何て思いながらもギリギリの根元まで吸い尽くす
もう一本…
と思い手を止めた
せめて本数だけでも減らす事が今の俺に出来る事
俺は出しかけた煙草の一本を元に戻した
- 15 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:51:18.86 ID:g1eMxrvr0.net
- >>13
男
インテリア事業部の川下からの願いもあり
企画部からは俺が代表としてインテリア事業部の歓送迎会に出席する事になる
何かと企画部とインテリア部は親交も深いし顔を出しておいて損はない
打ち合わせで少し遅れて貸し切りにされたカフェバーと入った
店には立食形式の料理が並べられインテリア事業部の面々や取引先の顧客も何人か参加している
『よっ東条 お疲れ』
川下がワイン片手に現れた
- 16 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:53:40.16 ID:g1eMxrvr0.net
- 『丸井さん居るか?挨拶しときたいんだけど…』
今年うちを退社して独立する丸井さんには ずいぶんお世話になったからな…と周りを見回す
『丸井さん今 クライアントと話してるから後でいいか?』
川下はそう言って俺の分のワインを渡してきた
仕方ないか…とワインに口をつける
『藤谷部長は?まだパリ?』
俺は料理を頬張る川下に聞く
口の中が料理でいっぱいらしく川下は頷く
インテリア事業部の部長の藤谷さんは今年のパリコレの出展が決まり 最近はほとんど顔を見ていない
他に挨拶する人は居ないか?
俺は店を見回す
『今のうちに新入社員紹介する ちょっと来い』
- 17 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:54:58.26 ID:g1eMxrvr0.net
- テラスに一人 携帯をいじってる奴が その新入社員なのだろう
俺たちに気付くと あらかさまに うんざりした顔をして携帯をポケットにしまった
『こちらは企業部の東条 圭市さん 企業部とは何かと一緒に仕事する事になるからな』
川下は新入社員に俺を紹介した
俺は名刺を出して新入社員に渡す
新入社員は名刺を受け取り会釈した
『…………』
『…………』
『…………』
え?会釈だけ?
名刺は?
川下は肩をすくめる
『柚木っ名刺!!』
川下は柚木と言う新入社員に言う
『もう無いです…』
- 18 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:55:36.41 ID:g1eMxrvr0.net
- しれっといい放つ新入社員
これは…川下が愚痴る訳だ 気の毒に…
『…柚木 那津 できの悪い社員ですまん…』
川下が名前を代わりに紹介した
顔は笑っているが明らかに ひきつっている
『歓送迎会と言っても挨拶回るのに名刺配りばかりだもんな仕方ないよ』
俺も苦笑してフォローするしかない
- 19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:56:05.50 ID:g1eMxrvr0.net
- 『川下さーん お店の人が探してますよぉ』
テラスに向かって川下は呼ばれた
『東条悪い 後でな』
川下は小走りに店の中に入っていった
取り残された柚木と俺
ついでに煙草吸っていくか…
『煙草いいかな?』
俺は一応 柚木に断りを入れる
柚木は頷く
煙が柚木にかからない様に風下に立ち携帯灰皿と煙草を出して火を付けた
- 20 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:56:47.65 ID:g1eMxrvr0.net
- 『仕事慣れた?』
柚木はテラスの縁にもたれながら店の中をボーッと眺めている
『まだ慣れません』
はっきり言い放つ柚木の横顔を俺は改めて見る
まず目についたのは
口元にある小さなホクロ
形のいい下唇の端にあるホクロに目を奪われる
いわゆる美少年と言われる顔立ちだな女にモテるタイプ…
インテリア部は 何故かそういうタイプが多い
仕事柄 センスを問われるから お洒落だし個性のある人が自然と集まるのかもしれない
- 21 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:57:25.32 ID:g1eMxrvr0.net
- 俺の視線に気づいたのか柚木は俺を見た
『川下は色々口煩いかもしれないけど…面倒見のいい奴だから 何でも頼るといいよ』
俺は思わず柚木に見とれていたのを誤魔化すように笑った
柚木はまた視線を店の中に戻す
『まだ帰ったらいけませんか?』
柚木は俺の言葉を無視してポツリと言った
『何か用事あるのか?』
彼女と約束か?
俺の言葉は柚木は再び無視される
柚木の携帯が鳴ったから…
柚木は携帯に出るために俺から背を向け少し距離を置いた
- 22 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:58:54.59 ID:g1eMxrvr0.net
- 『トモキ?…まだ無理かも……うん…』
あれ?
聞き耳を立てた訳ではなかった
ただ いつか非常階段の踊り場で聞いた声の主は柚木なのだと俺は気付いた
俺は柚木の背中を見る
トモキと言う奴と この後約束があるのだろう
新入社員にすれば こういった飲み会はつまらないのも仕方ない
- 23 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 02:59:43.09 ID:g1eMxrvr0.net
- 『K'sバー?分かった…終わったら向かうから』
まじか?
柚木の会話の内容に俺はちょっと驚く
俺は柚木が待ち合わせした店のK'sバーを知っていた
数年前までは通っていた常連
俺は そこで祐真と出会ったんだ
K'sバーは いわゆる同性愛者が集まる飲み屋
柚木が同じ穴のムジナなのだと分かると一瞬戸惑った
- 24 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:00:14.47 ID:g1eMxrvr0.net
- 社会に出ると同じ同性愛者は そうかな?と何度か感じる事に遭遇する
人は惹かれる対象人物につい目で追ってしまう動物
普通 男はスタイルのいい異性やタイプな異性に無意識に目が惹かれる
同性愛者も同じ タイプの同性についつい目がいく
同性愛者の場合は同じ様に視線を泳がせる為に視線がぶつかる確率が高い
だから同じ同性愛者なのだと分かるんだ
- 25 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:01:10.38 ID:g1eMxrvr0.net
- 社内にも何となく分かっている奴も居るが
そこはお互いが暗黙の了解で触れないようにする
だから確信めいたのは無かった
別に気にしなければいいだけの話
俺は落ち着きを保つように煙草を深く吸い込んだ
携帯を終えた柚木が振り返った
『川下さんに帰ったと伝えて貰えますか?』
俺は時計を確認する
歓送迎会が始まって二時間
名刺を切らすほど挨拶は済ませたらしいし
名刺無しで挨拶をさせる訳はいかない
『分かった 伝えておくよ』
俺の判断で帰らすのは どうかと思うが 川下も同じ判断をするだろう
- 26 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:01:47.82 ID:g1eMxrvr0.net
- 柚木は小さく会釈してテラスから出ていく
柚木が今から会うのは友達じゃなくて彼氏か…
俺は大きく溜め息と共に煙草の煙を吐き出した
川下とは違う意味であの新人社員には色々気を使いそうだな…
- 27 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:06:11.71 ID:g1eMxrvr0.net
- 『はぁ?書類が違う?』
新幹線が後8分で出発というデッキで俺は固まっていた
クライアントの打ち合わせにはこの新幹線は見逃せない
書類の不備が発覚したらしい
まじかよ…
クライアントは口煩い取引先だ
『とにかく今そっちに柚木向かわせてる!!柚木から正式書類を受け取ってくれ!!』
川下は電話口で叫ぶ
もう一度時計を確認する出発まであと五分…間に合うのか?
俺は一度携帯を切り指定席に戻って間違った書類を手にした
不備のまま頭に入っている書類の内容に思わず舌打ちする
間違いの書類を持って俺は新幹線の出入口に向かう
- 28 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:06:45.33 ID:g1eMxrvr0.net
- 走ってくる柚木が遠目に入った
それと同時に新幹線の出発を知らせる放送が流れる
ここの出入口に来るには間に合わない!!
『柚木っ乗れっ!!』
俺は柚木に一番近いドアから乗車する様に叫んだ
柚木は飛び込むように乗車するのを確認するとドアはゆっくりと締まる
セーフ…
胸を撫で下ろす
川下の奴 帰ったら覚えてろよ…
- 29 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:07:22.71 ID:g1eMxrvr0.net
- 息を切らせながら柚木は俺に書類を差し出した
受け取った書類を出してザッと目を通す
何とかなるか?
訂正箇所を俺はチェックする
『あの…』
柚木に声を掛けられる
『オレどうしたら…』
入場券を見せられる…
入場券だけで新幹線に乗車して動き出してしまった
『悪かったな…何とかする』
俺は携帯で再び川下に電話を掛けた
書類を無事受け取った事
柚木も乗車させてしまった事
『あっいま部長来たから電話変わるよ』
川下の言葉に俺は緊張した
藤谷部長 帰国したんだ?
- 30 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:08:05.77 ID:g1eMxrvr0.net
- 何か藤谷部長って苦手なんだよな…
仕事出来るけどオーラ凄くて近寄りがたい雰囲気
『東条君済まないね こちらのミスで』
藤谷部長の低い声が携帯越しに響く
『いえ結果的に間に合いましたし大丈夫です あと…柚木君なんですが急遽 一緒に乗車してしまいまして…次の停車駅で降ろしすので 帰社するのに少し遅れると思います』
柚木はじっと車窓から外を眺めていた
今朝から降りだした雨は思ったよりも激しく降りだしていた
よく見ると柚木の髪やスーツが雨で濡れている
そして俺の視線は何故か口元にあるホクロにうつって止まった
- 31 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:08:36.40 ID:g1eMxrvr0.net
- 『分かった不備に気づいたのも柚木だからな…停車駅まで一応 二人で訂正箇所の確認を頼む』
…へぇ誰も気付かなかった不備に柚木が見つけたのか?
案外 優秀なんだな
『柚木に変わってくれるか?』
藤谷部長に言われるまま俺は携帯を柚木に差し出した
『部長から』
俺の言葉に柚木は一瞬戸惑う?
気のせいだろうか?
- 32 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:09:15.38 ID:g1eMxrvr0.net
- 携帯を渡した手が柚木の手に一瞬触れた
冷たい…
雨に濡れたせいだろう
風邪引くかもしれないな
何か拭くものあったか?
『柚木です…はい………分かりました………』
柚木は俯いて部長の話に合図ちをうっている
『…はい…』
柚木は俺の視線に気付いて背を向けた
『はい……あ…はい』
何か長くないか?
柚木は はい しか言わないので会話は分からないが早いこと書類のチェックをし直したい
それに新幹線のデッキでは柚木の身体が冷えるばかりだ
- 33 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:10:23.54 ID:g1eMxrvr0.net
- 『失礼します』
ようやく携帯が切れる
俺は携帯を受け取って柚木にハンカチを差し出した
『風邪引くぞ 拭いとけ』
柚木はじっと俺を見た
真っ正面から柚木に見つめられたのは初めてで俺はドキリとした
- 34 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:11:23.08 ID:g1eMxrvr0.net
- 別に美少年の顔にときめいた訳じゃない
ただ…
俺は自分を見透かす様な真っ直ぐに見つめる柚木が怖かった
『打ち合わせするぞ』
俺は柚木にハンカチを無理矢理押し付け席に戻るふりして柚木からの視線から逃げた
柚木が同じ同性愛者と知ると同時に俺は柚木を避けていた
部署も違うし関わる事は少なかったが
こういった状況だと避けるわけには行かない
俺は俺自身も同じ同性愛者だと柚木に知られたくなかった
俺の方が先輩だしなぁ
知られたら弱み握られる様で嫌だろ?
俺の隣の席は今の所空いていた
柚木を座らせ 書類の不備を確認する
些細な不備から皺寄せの様に訂正箇所が見つかる
気づかなかったら大変な事になってたな…
- 35 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:12:12.91 ID:g1eMxrvr0.net
- こんなミスは初めてだった
藤谷部長が留守多かったからな…インテリア部の奴ら気が緩んでるんじゃないか?
まぁ俺も出された書類鵜呑みにして不備に気付かなかったのにも問題ある
粗方 書類に目を通した時に車内放送が流れる
『ただいま大雨警報により徐行運転させて頂きます お急ぎの所申し訳ございませんが………』
大雨警報?
徐行運転?
車窓から外を見るとまだ昼前だと言うのに いつの間にか空が真っ暗で滝のような雨が降り注いでいた
- 36 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:12:48.05 ID:g1eMxrvr0.net
- 俺は時計を確認する
まだ時間はあるが このまま徐行運転が続くと もしかして間に合わないかもしれない
嫌な予感がする…
『クシュン!』
柚木のクシャミに気づく
『………』
俺はスーツを脱いで柚木に掛ける
『社に電話してくる ちょっと待ってろ』
俺は携帯を持って再びデッキに行く
- 37 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:14:09.25 ID:g1eMxrvr0.net
- 社に電話して川下に詳しい天気予報と電車の運転状況を確認して貰う
乗り継ぎして早く着く方法がないかも確認して貰った方がいいかもしれない…
デッキには他の仕事の人達も苛立ちを隠せないように連絡をとっていた
新幹線がいきなり停車する
『御乗車のお客様にご連絡させて頂きます…この先の山間にて土砂崩れの報告がありました…只今 確認中により緊急停車しております…誠に…』
再び流れた車内放送に息を飲む
土砂崩れだと!?
まじかよ……
俺は頭を抱えた
クライアント先に連絡した方がいいか?
いや…まだ分からない状態で連絡するのは良くない
携帯が鳴り俺は直ぐに出た
- 38 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:14:44.12 ID:g1eMxrvr0.net
- 俺は席に戻り 暖かい缶珈琲を柚木に渡した
席に座り込むと大きく溜め息をつく
無性に煙草が吸いたい…
全席禁煙の車内では諦めるしかないが…
『あの…』
柚木の声に俺は事情を話した
クライアントから社に連絡があって
今日の約束は明日に延期されたと言う事
どうやらクライアントの方も この大雨のせいで身動きが取れない状況らしい
こちらからキャンセルを申し込む前に向こうからキャンセルしてくれた事に思わず肩の力が抜けた
最悪な状況がギリギリで回避されていく
心臓に悪い
- 39 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:15:15.40 ID:g1eMxrvr0.net
- 『そうですか』
柚木は他人事の様に呟いた
コイツも災難だよな
缶珈琲で手を暖める様にして両手で握りしめている
もしかして缶珈琲は飲めないのかもしれない
祐真も珈琲苦手だしな
- 40 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:15:48.77 ID:g1eMxrvr0.net
- 早く帰してやりたいが…
車窓の外は酷い雨が続いている
新幹線も止まったままだし
他の乗客達もざわめき出している
『柚木がこの書類の不備に気付いたんだってな?』
何だかバタバタしてて ちゃんと柚木の手柄を誉めてやってない
慣れない仕事業務の中でも仕事の内容を理解していなければ見つけられない不備だ
感謝しなきゃいけないし
褒めてやるべき事だ
『助かった ありがとう』
柚木は表情も変えず何も答えなかった
- 41 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:16:37.69 ID:g1eMxrvr0.net
- 柚木は壁を作っていた
人と関わるのが面倒なのか…
会社という人間関係が煩わしいのか…
よく分からないが
敢えてその壁を乗り越えようとは思わなかった
乗り越えては行けない気がした
俺は柚木のホクロに目がいく前に視線を反らした
祐真に会いたい
俺は目を閉じて愛しい祐真の事に想いを馳せた
- 42 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:17:21.56 ID:g1eMxrvr0.net
- 『川が氾濫して床上浸水?』
記録的豪雨のニュースはテレビでも何度も放送が繰り返されていた
今日いく予定していた会社はどうやら打ち合わせ所じゃないらしい
『クライアント…明日も無理かもな…それより柚木は大丈夫か?』
川下は後輩を気にしている
俺はベッドで眠ってる柚木を見た
『薬飲ませたから良く寝てる』
川下は溜め息ついた
『何か今から思えば今朝から風邪っぽいクシャミしてたんだよなぁ…悪い事したな』
川下はやっぱり何だかんだと言っても面倒見がいい
新入社員の教育係としたら最適だ
『大丈夫だろ子供じゃないんだし 寝てれば治るさ』
俺は川下に気にする事ないと伝えて携帯を切った
- 43 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:18:13.65 ID:g1eMxrvr0.net
- 結局――――
土砂崩れの復興の目処は着かないまま新幹線は動かず
緊急停車した駅に着いたのは夕方を過ぎていた
どうしようかと色々考えている内に柚木の体調は目に見えて悪くなっていた
仕方なくその駅近くのビジネスに宿泊決定
途中薬局で買った薬を飲むと柚木は死んだように眠り続けている
寝息も聞こえない…
死んでないよな?
覗き込み 額に手をあてる
だいぶ熱は下がったかな?
眠ってる柚木は子供のように幼く感じた
ホクロはシーツに隠れて見えない…
俺は柚木の額から手をどけた
携帯を取り出し
祐真の番号を出す
もう一度柚木の様子をチラリと見て寝ている事を確認すると携帯の発信ボタンを押した
- 44 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:22:21.44 ID:WIkxCwPf0.net
- ほ
- 45 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:23:11.16 ID:g1eMxrvr0.net
- 『圭?凄い雨だけど大丈夫?』
数回のコールの後に出た祐真の声に俺は心安らぐ
『それが大丈夫じゃないんだ…』
俺は今の状態を簡単に話した
柚木の事は敢えて言わずに…
『最悪だねぇ…じゃ今日泊まりになるんだ?バイト休みだから行こうと思ってたのにな』
今すぐ祐真を抱き締めたくなる
『ごめん 必ずこの埋め合わせするから』
俺は愛しい祐真に囁く
『うん…圭 気をつけて帰ってきなよ?』
俺の帰る場所は祐真の居る所
今日は色々あったが やはりこの年になっても恋人の存在は大きい
声だけで何もかも癒される
- 46 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:24:21.84 ID:g1eMxrvr0.net
- ほしゅありがたい
できればもう眠たいから10時ぐらいまでほしゅしててくれないか?
まだできる限りは書く
『祐真大好きだよ』
自然と言葉に出た
携帯の向こうで祐真が照れてるのが伝わる
『僕も圭の事 大好きだよ』
周りに人が居るのだろう
それでも小さく声を潜めて言葉にしてくれる事が嬉しかった
『!!』
ふと何気なく振り返ると俺は固まった
眠ってた筈の柚木の存在
- 47 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:25:03.95 ID:g1eMxrvr0.net
- 柚木はベッドから上体を起こし何食わぬ顔して音を落としていたテレビを眺めている
いつから起きてたんだ?
全く起きた気配しなかったぞ?
『圭?』
電話の向こうの声に我に帰る
『お前も気をつけて帰れよ じゃまた連絡するから』
俺は一方的に電話を切った
まじかよ…バレたか?
バレるよな?
油断した…
- 48 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:25:37.38 ID:g1eMxrvr0.net
- 『体調どうだ?』
柚木は相変わらず俺の言葉を無視する
いや…無視じゃないな
俺の言葉に返事するほどの興味がないのかも
興味がないのは それでいいのかもしれない
今日は仕方ないかもしれないがお互いこれ以上干渉しない方がいい
- 49 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:26:24.44 ID:g1eMxrvr0.net
- どうやらウトウトしてたらしく気付くと柚木の姿が見当たらない…
部屋を見渡すと備え付けのテーブルにコンビニ弁当が二つ置かれており
その内一つは空になっていた
時計を確認すると夜の九時前…
雨は相変わらず激しく降っている
ガチャとバスルームの扉が開きビクッとした
Tシャツとボクサーパンツ姿で出てきた柚木だった
風呂に入ってたのか…
『弁当…悪かったな体調悪いのに…』
俺は柚木の風呂上がりを直視できなかった
『別に…もう熱下がりましたし…ついでですから』
柚木は気にする事なく濡れた髪を拭きながらベッドに腰をかける
俺は柚木が買ってきた弁当を手に取った
狭いツインルームだ
視線を反らしても 柚木の姿が目のはしに入ってくる
- 50 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:27:38.02 ID:g1eMxrvr0.net
- 俺は何を意識してるんだ…
意識し過ぎだろ
顔を上げると柚木と視線がぶつかった
『な…なんだ?』
じっと俺を見る柚木に居心地悪さを感じる
『東条さん…オレとしませんか?』
はぁ?
俺はきっと間抜けな顔をしてただろう
あまりにも突拍子すぎて言葉を失う
『オレしたいと思ったら我慢できないんです 相手して貰えませんか?』
相手にすると言うのは…ようするにセックスの事なのだろう
柚木が初めて会話らしい会話を振ってきたと思えばそれがこの会話か?
冗談にも程がある
- 51 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:28:36.19 ID:g1eMxrvr0.net
- 『何を言ってるんだ』
俺は鼻で笑ってコンビニ弁当を掻き込んだ
柚木はベッドから立ち上がり俺の前にたつ
『…東条さんオレの事タイプですよね?』
言葉は敬語だが何だか見下した言い方にカチンとくる
『自信過剰だな…』
俺は半分以上 弁当を残して煙草を取り出す
『俺にはちゃんとパートナーがいる 浮気はしない主義だ』
煙草に火をつけて深く吸い込み目の前の柚木に向かって煙を吐く
『…………』
柚木は平然と立っていた
それが余計俺を腹立たせた
『たまってるなら便所で抜いてこい』
仕事上いくら柚木が生意気だろうが俺は腹を立てない
でもプライベートに土足で入ってくる柚木は許せない
- 52 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:29:24.91 ID:g1eMxrvr0.net
-
『たまってるのは東条さんじゃないんですか?オレの事いつも厭らしい目で見てるじゃないですか』
柚木はこの時初めて笑った
ゾクリとする位
嫌な笑い方をする
『オレのホクロ…いつも舐めるみたいに見てる…』
柚木は指で口元のホクロに触れた
こいつ…挑発してる?
『柚木だってパートナーいるだろ?』
柚木は俺の前に膝まずく
『いますよ本命とセフレが何人か…』
- 53 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:29:57.30 ID:g1eMxrvr0.net
- セフレ?
柚木が俺の膝に手を伸ばし触れてきた
『本命は忙しくて相手してくれないんです…オレ淫乱だから我慢できなくて』
妖艶に微笑みながら言い放つ柚木に魅いってしまう
俺の両膝に置かれている柚木の手が熱い
まだ熱があるんじゃないか?
- 54 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:30:41.52 ID:g1eMxrvr0.net
- その手が膝から太股に滑らせてくる
『今夜一晩位なら浮気になんかになりませんよ?』
俺はゴクリと生唾を飲み込んだ
拒めないのは心の奥底でこういった展開を求めていたから?
確かに柚木の顔は俺のタイプど真ん中だ
顔だけは…
でも性格は知れば知るほど嫌いになる
社内態度もとてもじゃないが いつか痛い目に合うと思っていた
本命がいるのにセフレが何人かいるって言うのもどうかと思うし
下半身がだらしないなんて論外だ
一番関わりたくない相手
柚木の手は俺のズボンのベルトを外しにかかる
俺はじっとそれを眺めていた
- 55 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:31:27.20 ID:g1eMxrvr0.net
- 『やっぱり止めよう』
俺は柚木の手を抑えた
『………』
やはり掴んだ柚木の手が熱い
『お前…まだ熱があるんじゃないか?』
空いた手で柚木の額に触れた
先ほどよりは熱くはないが
熱は確実にある
激しい雨の中弁当を買いに行った柚木
体調悪い癖に行ったのは俺に迷惑かけた詫びのつもりじゃないだろうか?
- 56 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:32:27.76 ID:g1eMxrvr0.net
- 『手…離して下さい』
柚木の掴んだ手が離そうと引く
先ほどとは打って代わり目を伏せ恥じらう様な姿に俺はドキリとした
手を離そうとする柚木の手を俺は離れないよう力を入れ握り締める
いきなり部屋の電気がチカチカと点滅しだしたと思ったら電気が消え 真っ暗になる
『…………』
『…………』
暗闇が部屋を そして俺たちを包み込んだ
- 57 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:33:09.30 ID:g1eMxrvr0.net
- 停電か?
窓の外の灯かりさえない状態から判断できた
この雨だ…一時的に停電が起きたのかもしれない
『東条さん 手を離して下さい』
暗闇に目がまだ慣れず柚木の姿は見えない
声だけが響く
『分かりましたから…東条さんが嫌なら…止めましょう』
俺から逃げようと本気で柚木は力を入れ出す
さっきまで俺を誘惑していたのにどうして?
手を掴んだとたん柚木の反応が変わった?
俺は掴んだ手を自分の方に引っ張って柚木を引き寄せる
- 58 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:34:35.95 ID:g1eMxrvr0.net
- 『………』
『東条さん?』
暗闇は俺の理性をも消した
柚木の熱い息を感じる
目が暗闇に慣れてくる
掴んでいない方の手を柚木の身体に回す
柚木の熱が俺に伝わり俺の身体をも熱くさせてきた頃
ようやく柚木のホクロを俺の目は捉える
柚木はもう逃げない
俺は柚木の口元のホクロに唇を寄せて口付けた
- 59 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:35:17.35 ID:g1eMxrvr0.net
- 柚木は手の力を抜いた
俺はその指に自分の指を絡めるように握り直す
ホクロに口付けた唇を滑らせて柚木の唇に重ねる
柚木の唇は薄く開かれ すぐに受け入れる
舌を先に差し入れてきたのは柚木からだった
熱い舌が侵入してくる
コイツ…キス…上手い
柚木は繋いで居ない手を俺の首に回してきた
柚木の舌が俺の口内を犯すように動き…絡まり…吸われ…凄く興奮する
俺は柚木の身体をベッドに組み倒して覆い被さる様にして柚木の唇を貪る
- 60 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:36:08.82 ID:g1eMxrvr0.net
- 旨い…柚木の唾液の味なのだろうか?
祐真の唾液を甘く思ったが
柚木の唾液は旨味がある気がする
癖になる味…
柚木はキスに夢中になってる俺のシャツの中に手を差し入れて腰から脇にかけて撫でてくる
ゾクっとする感覚は完全に俺を欲情させた
俺は唇を離すとシャツを素早く脱ぎ捨てる
柚木も上体を起こしてTシャツを脱いだ
そしてズボンを脱ごうとする俺を柚木は急かすように手伝った
二人の欲情は もう止める事は出来ない
- 61 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:37:06.92 ID:g1eMxrvr0.net
-
服を脱いだだけで息は上がる
再び柚木を押し倒したが下から柚木は俺の首筋に吸い付いてくる
首筋から胸に潜り込み舌が這う
普段されない愛撫に俺はクラクラした
『柚木…』
柚木の手と唇と舌に身体は反応して震える
愛撫をされ悦びを感じる
もっとして欲しくて期待する
柚木の身体は更に下に…下に潜り込んだ
そして いつも以上に興奮している俺のモノに躊躇なく手で包み舌を這わせた
- 62 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:40:37.29 ID:g1eMxrvr0.net
- やはり…と言うか想像していた以上に柚木のテクに驚く
まじかよ…
ヤバい…直ぐに もっていかれそうだ…
柚木の舌の動きで経験値が分かる
自分で淫乱と自負するだけある
厭らしい位絡み付いてくる
久しぶりに しゃぶられる快感を出来るだけ味わいたい
俺は 柚木の巧みな舌使いに耐えた
祐真も努力してくれるが顎が小さい祐真は俺を満足させる事はなかった
そう…祐真とのセックスで俺の身体は満足した事は一度もない
- 63 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:41:34.74 ID:g1eMxrvr0.net
- それでも祐真を愛しているという感情は心だけで満足していた
心と身体は別なのだと改めて思い知る
何の愛情も持たない相手に身体は素直に悦び
今まで渇望していたのだと知る
『柚木…』
夢中に しゃぶってる柚木の唇から俺は唾液だらけのモノを外す
限界だ
口に出すのもいいが俺はもっと自分の身体が求める欲求を素直に実行する
濡れている柚木の唇を舐め舌を口内に滑り込ませて柚木の舌を絡めてキスした
柚木はすんなりとリードを許した
俺は柚木の身体をまさぐる様にして愛撫する
祐真の様に丁寧に優しく愛撫をしなくても柚木の身体は敏感に反応する
敏感過ぎるほど反応するので何処が性感帯なのか分からないくらいだ
- 64 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:43:34.35 ID:g1eMxrvr0.net
- 一旦寝るわ
ほしゅしててくれー
- 65 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:44:55.10 ID:JUBgllNI0.net
- いやどす
- 66 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 03:45:39.62 ID:ChEQwr3Tp.net
- つまんな
- 67 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 04:49:54.86 ID:w6lXovd4d.net
- ほっしゅ
- 68 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 05:48:05.83 ID:w6lXovd4d.net
- ほ
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