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それは突然やってきた。優雅なお茶会の最中にやってくる嵐のように。
- 1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:12:44.13 ID:Ca2VFY/u0.net
- 僕が躁うつ病になったのは大学1年の夏の事だった。
すべてを消去したい衝動に駆られて、持ち物を全部売り払う。
そして携帯電話のアドレス帳をすべて消す。
そんな生活をしていたら、気がついたらひとりぼっちになっていた。
どこの国にも属さない、孤独な楽園のように。
- 2 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:14:41.77 ID:Ca2VFY/u0.net
- 今でこそ、断捨離という言葉が浸透している。
しかし、一昔前はモノを捨てるのはちょっとおかしいと思われていた時代がある。
僕が勢いでいろんなものを捨てているときに、みんなはいろんなことを言った。
宗教に走ったのか?
お金がないのか?
おかしくなったのか?
- 3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:16:48.79 ID:Ca2VFY/u0.net
- 僕は至って正常だ。
どこも悪くない健康な男子。
そうやって次々に団体を辞めて行って、学校も辞めようとした。
でも、我慢しなよとみんなが言う。
毎日イオンをぶらぶらしながら時間をつぶす日々。
単位を取って卒業をして、就職をして、なんとか正社員の立場を手に入れる。
- 4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:18:21.73 ID:Ca2VFY/u0.net
- 今、家のパソコンでこの文章を書いている。
躁うつ病はだいぶよくなった。
これもきっと神様のおかげに違いない。
この先にあるのが光だとしても闇だとしても
僕はこの命を最後まで走り抜ける。
がむしゃらな馬のように。
- 5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:20:22.43 ID:Ca2VFY/u0.net
- さっき男からメールが来た。
勃起したちんこの写真だ。
僕らはメールでお互いの射精の瞬間を報告し合うのだ。
今日はコンドームを装着してオナニーをした。
精液がジェルみたいに潤滑油の役割を果たしてくれる。
そして間違えて姉に写真を送ってしまった。
- 6 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:21:45.32 ID:Ca2VFY/u0.net
- 姉は言った。
「さっきのメール、なに?」
僕は黙っていた。
「ごめん友達から来た変なメール転送しちゃったよ」
姉から返信は帰ってこない。
静かな湖畔の湖に起きるわずかな波紋のように、心臓が波打っている。
- 7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:23:11.04 ID:Ca2VFY/u0.net
- 話は飛んで数年前。
僕は家じゅうのすべてを断捨離しようと決意した。
すべての服から電化製品から。
売れるものは売って、捨てるものは捨てて、あげられるものはあげた。
持ち物を限りなく少なくしていく行為は快楽そのものだった。
捨てるという行為はとても楽しい。
- 8 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:24:43.43 ID:Ca2VFY/u0.net
- 神様のためのアンダーマイン
僕はこの行為をそう呼んでいた。
トイレの棚に積もった埃をウェットティッシュで取り除く。
不要な電化製品をブックオフに売る。
テーブルの上の洗い物をすべて洗って収納する。
気が付くと僕は強迫神経的に持ち物を捨てていた。
- 9 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:25:47.56 ID:Ca2VFY/u0.net
- 僕には夢がある。
支離滅裂なこの世界で、唯一の意味のあることのように思えるもの。
それは死ぬまでに心を断捨離することだ。
自意識や自我やそんなすべてを
僕は断捨離したい。
生きているうちに僕は僕を超えるのだ。
- 10 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:26:55.10 ID:Ca2VFY/u0.net
- こうして僕はある城に足を踏み入れる。
そこにはすべてがあり、すべてがない。
はじまりがあり、おわりがある。
それは一生のようでいて、無のようでもある。
僕は快楽をむさぼり、苦痛を享受する。
そこには一切が欠落しているのだ。
- 11 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:28:11.31 ID:Q/99eYZ40.net
- 自我を捨てられたら、それは悟りだよ
- 12 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:28:48.70 ID:Ca2VFY/u0.net
- 一切を捨てて自由になりたい時期があり
そして同様にすべてを手に入れてコンプリートしたい時期がある。
僕は10万円分のiTunesギフトカードを手に入れて
あらゆるジャンルの音楽をダウンロードした。
いろんな資格の勉強の本を手に入れて
万能な自分に近づくように努力する。
- 13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:30:18.18 ID:Ca2VFY/u0.net
- 砦は既に兵隊に囲まれて
僕は身動きが取れなくなっていた。
所持金は既に0円になっており
周囲の人は僕をあざ笑うかのように離れて行った。
働かなくてはならない。
僕が手に入れたかったのは、こんなちっぽけなものだったのだろうか。
- 14 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:31:42.68 ID:Ca2VFY/u0.net
- あらゆる感情が怒りに姿を変え
すべての現象が僕をイラつかせた。
何もない世界は悪意と殺伐に満ち
どこへもいけない不自由さが僕を追いつめた。
ここにはすべてがあるが、なにもない。
世界はもう終わろうとしているl。
- 15 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:32:57.99 ID:1um6ZiuIp.net
- C
- 16 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:33:29.67 ID:Ca2VFY/u0.net
- 気が付くと僕はお金も人脈も失っていた。
怒りと応酬の連鎖は人間不信を連れてやってくる。
コーヒーも買えない財布の中身を
夢で薄めてひたすら飲み込む。
僕には見えるんだ。
この世界が変容する、つまり僕が崩壊する過程が。
- 17 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:35:26.13 ID:Ca2VFY/u0.net
- 僕はSNSの日記に支離滅裂な音楽を紡いだ。
毎日が夏休みで、毎日が絞首刑の当日だった。
すべての茶碗はひっくり返る。
道化師は道端で火を噴く。
使用済みのコンドームは僕らを夢の世界に連れて行く。
僕が目指したのは、平穏で輝かしいあの日だった。
- 18 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:36:56.45 ID:Ca2VFY/u0.net
- 僕が前に進むと、全校生徒が注目をする。
こっちへ来るのは誰もいない。
挨拶をするとみんなが挨拶をしてくれる。
僕は一目置かれたヒーローで
いつか世界を救う救済者だった。
ほら、みんなが僕を求めている、という声が聞こえた。
- 19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:38:14.04 ID:Ca2VFY/u0.net
- 全力疾走していく先にあるのは落とし穴。
自力で紡いだ糸には、模様がある。
その布には、こう書かれている。
「ここではありません」
ゴールに表示された親切な案内板。
僕は時速200キロで間違った道を目指していたのだ。
- 20 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:39:56.64 ID:Ca2VFY/u0.net
- みんなが寝静まった頃に、僕はファスナーを下ろす。
怒り狂った皇帝が、透明な液体を垂らしている。
その棒はとてもやわらかく、とても固い。
幼女がこちらに向かって歩いてくる。
そして無言で穴を差し出す。
しかし、その女には目がないのだ。
- 21 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:41:03.55 ID:Ca2VFY/u0.net
- 団体戦でも勝てないのは仕方がない。
生きるということはどこまでも個人プレーなのだから。
僕はあらゆる選択肢を放棄して
閉ざされた完全な世界に沈溺する。
そこは安全で暖かくてとても静かで
まるで子宮の中のようだと僕は思う。
- 22 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:42:23.39 ID:Ca2VFY/u0.net
- マグカップを片手に、君は笑う。
君はとても美しい。
僕にとってはエビとカニの違いがよく分からないが
君は絶対にカニを選ぶだろう。
僕は店員を呼びとめて、彼女をハンバーグにするように言う。
しばらくすると彼女のハンバーグが出てくる。
- 23 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:43:30.14 ID:Ca2VFY/u0.net
- 切なすぎる音楽が心をかき乱して
卒業とともに新年のあいさつをする。
僕はその香りにつられて城を抜け出し
湖の中にいる君と再会する。
君は別人のように美しい。
水死体となった今では何もわからないけれど。
- 24 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:44:41.67 ID:Ca2VFY/u0.net
- 大体にして、君は自由すぎるのだ。
もっと大切なものがあると言いながら
僕にすべてをくれなかったじゃないか。
僕はめまぐるしく変化する世界で呼吸困難になる。
世界は沈黙し、あらゆる選択肢を放棄する。
僕にとってすべては霧のようなものにすぎないのだ。
- 25 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:45:44.98 ID:Ca2VFY/u0.net
- 突然、それは始まる。
これまで存在していたすべてが、意味をなさなくなる。
世界にスイッチが入る。
そしてまわり始める。
それまでのすべてを無にしてしまうのだ。
新しい音楽はもうなり始めている。
- 26 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:46:40.05 ID:Ca2VFY/u0.net
- 「おはよう」
と君は言う。
「こんばんは」
と僕は言う。
二人の間に時差はない。
ただ見つめ合っているその瞳はなにもうつさない。
- 27 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:48:19.56 ID:Ca2VFY/u0.net
- なぜだか知らないが、僕は頭の中がことばでいっぱいになる。
次々に浮かんでは消えていくはずの言葉が
僕の頭の中で洪水を起こしている。
僕はしばらく沈黙する。
それはなにも言葉がないからじゃない。
言葉がたくさんありすぎてどれを選んでいいか分からないからだ。
- 28 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:49:51.47 ID:gRwgcqCAp.net
- http://i.imgur.com/xVa0LE3.jpg
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http://i.imgur.com/ZF7cg7u.jpg
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- 29 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:50:20.11 ID:Ca2VFY/u0.net
- 少なくとも、これでよかったのだ
そう言い聞かせるしかない。
僕はあらゆる選択肢を捨てたのだ。
僕は4本のズボンを買い、4着のシャツを買い
そして4着のセーターを買った。
コートと鞄と靴とベルトを買い、それ以外は捨てた。
- 30 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:53:18.30 ID:Ca2VFY/u0.net
- 始まりの鐘の音が聞こえる。
それはとても美しく、同時にとても悲しい。
ただでさえ静かなこの朝に
最もふさわしいのはどの歌だろう。
僕は気が付くとすべてのライオンにこう言っていた。
「君はライオンだ」
- 31 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:54:18.05 ID:Ca2VFY/u0.net
- どこからともなくやってきた怪獣は
妖怪を連れて去っていく
みんなが知っている歌のお姉さんは
もう二度と帰ってこない
僕は信じている
ここはもう安全ではない。
- 32 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:56:11.26 ID:Ca2VFY/u0.net
- どこにでもいるからこそ稀少なその少女は
僕にとっての天使であり悪魔でもある
毎日がやってきては去っていく。
僕はもう引き返せないし、どこへもいけないのだ。
そして今日も考える
正常な道に返るには、どこで曲がればいいのか?
- 33 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:57:13.08 ID:Ca2VFY/u0.net
- 穏やかな日々を自分で作り出すのは簡単で
すべてにNOを言えばいいだけだ。
刺激的な毎日を自分で作り出すのは簡単で
全てにYESを言えばいいだけだ。
僕は言った。
「答えはNOでありYESでもある」
- 34 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:58:10.08 ID:Ca2VFY/u0.net
- ダンスを踊るように紡ぎだす言葉たち。
楽しく踊っているうちに
すっかり暗くなってきた。
どうしたらいい?
帰るおうちはないのだから
ゆっくりしていけばいい。
- 35 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 15:59:42.19 ID:Ca2VFY/u0.net
- 高貴な海賊は決して僕らを脅さない。
彼らは決まってこう言う。
「朝が来た。すべてを渡せ」と。
そしてすべては彼らの手に渡る。
死によって失われるのは所有物だけではない。
あらゆる時間が失われるのだ。
- 36 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 16:01:05.69 ID:Ca2VFY/u0.net
- 最上級の褒め言葉で僕らは毎日を蹂躙する。
「いいね!」
そしてあっという間に帰りの時間がやってくる。
音楽的な旋律は、狂気を内包しているのに正常だ。
それは破たんした政策が同時進行する政治とよく似ている。
哲学者は言葉を持たない。
- 37 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 16:02:22.45 ID:Ca2VFY/u0.net
- きっとまだ間に合うはずだ。
何もしないまま時間を過ごすことと
無益なことに全力を掲げることと
どちらが無益なんだろう。
きっとどちらも同じなのだ。
消耗を避けるために、僕は今日も沈黙する。
- 38 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 16:03:22.69 ID:Ca2VFY/u0.net
- 何もない世界。
何もない未来。
それは絶望のように見えて、希望の塊だ。
なにもないならつくればいい。
未来はもうそこまで来ている。
君だけの、誰にも邪魔できない明日が。
- 39 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 16:04:33.68 ID:Ca2VFY/u0.net
- サイゼリアでアイポッドを聴きながら
マックブックを開いているサラリーマン。
目の下につくったくまがひどくて
自撮りをアップできないままの女子高生。
彼らはみんな飢えているのだ。
他人の視線に飢えているのだ。
- 40 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 16:05:47.68 ID:Ca2VFY/u0.net
- 僕は後悔している。
どうしてこんなスレを立ててしまったのか。
どうして誰も読んでいない文章を打ち込んでいるのか。
答えはもう出ている。
ただの自己満足だ。
そして僕はそっとパソコンを閉じた。
ー終わりー
- 41 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/01/04(日) 16:10:17.54 ID:U0jciJtM0.net
- 乙
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