「ここが俺が春から通う学校か…」

1 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/05/24(日) 11:06:24.204 ID:e8Ang8EZK.net

風切悠真は戸惑っていた
彼が春から通うこととなった学校、その通称を芸能高校
芸能界の様々な分野で活躍する高校生を中心とした、日本随一の数を誇る芸能プロダクションお墨付きの高校なのである
風切は、いわば一般人
彼からしてみれば、彼以外の学生全てが芸能人に見えるといっても過言ではなかった

2 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/05/24(日) 11:06:38.324 ID:NWbEnYY80.net

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3 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/05/24(日) 11:13:08.672 ID:e8Ang8EZK.net

「君、新入生だよね？」
校門の端を逃げるようにして渡ろうとする風切に、上級生と見られる女の子が話し掛ける
髪はショートで、ドピンク、しかし恐るべき程に似合っている

この学校の校則上、または芸能関係上、服装は制服指定であっても頭髪に制限はない

「君はどんな芸能の分野の子なの？」
戸惑い固まる風切に彼女は立て続けに質問を繰り返す

4 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/05/24(日) 11:16:10.232 ID:e8Ang8EZK.net

しかし、風切は答えに迷った
彼は一般人、飽くまでも素人だからだ
風切の様子は、やはり彼女の目に不信感を与えた
風切は悩んだ
このままでは入学式初日から、素人クソ野郎、のレッテルを貼られてしまう
風切は咄嗟に答えた
「プロデューサーです…」

5 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/05/24(日) 11:16:12.008 ID:xJft0poWx.net

また髪の話してる

6 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/05/24(日) 11:20:19.263 ID:e8Ang8EZK.net

「え、プロデューサー？」
風切はふと我にかえる
プロデューサーならば、こんなところで油を売っている筈がない
風切は付け加えるように繰り返した
「見習いのプロデューサーで、社会経験を積む上でもこの学校に入って色々な生徒と関わりを持つことで本職の仕事にも活きてくるだろうと思いまして…えっと…それで入学したんです」
風切はべらべらと喋りながら溢れ出そうになる冷や汗と格闘した
ちらっと、彼女を一瞥する

「プロデューサー！？凄いね！」
彼女のリアクションはあまりにも意外だった

7 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/05/24(日) 11:22:02.279 ID:e8Ang8EZK.net

「私、真野奏って言うんだ。アイドルやってるよ」
真野奏、その言葉の響きには、何か思い当たる点があった

8 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/05/24(日) 11:24:09.581 ID:e8Ang8EZK.net

今人気のアイドルグループ、"ミラージュ"の一員だ
オリコンセールスは、シングルチャート、アルバムチャートどちらも初版の平均は第一位
まさに、芸能人たる人だった
風切は気が付いた
とんでもない人に、とんでもない嘘をついてしまった、と