あかり「ひどく不確かな日曜日だよぉ」

1 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/06/07(日) 18:23:29.726 ID:vprjBFDkd.net

あかり「悲しみが止まらないよぉ」

2 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/06/07(日) 18:24:49.159 ID:bGa1+2i10.net

クッシーちゃんどうした？

3 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/06/07(日) 18:25:57.894 ID:vprjBFDkd.net

櫻子「どうして悲しみが止まらないの？」

あかり「あかりはこんなつもりじゃなかったんだよぉ」

櫻子「それはどういうこと？」

あかり「あかりは普通の中学生として過ごしたかったのに」

あかり「なもりとかいう人にあかりたちの日常を盗撮されて」

あかり「あまつさえ全国に放送されるなんて」

あかり「あかり思っても見なかったよぉ」

櫻子「それはとても悲しいことだね」

4 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/06/07(日) 18:28:29.360 ID:vprjBFDkd.net

あかり「あかりは普通に中学生として過ごして」

あかり「そうして何かに不自由することなく」

あかり「あかりはあかり生を全うして」

あかり「そうして厳かにお墓のなかに入ると思ってたんだよぉ」

櫻子「死ぬことは了承してるの？」

あかり「死は救いだよぉ」

櫻子「なるほどね」

5 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/06/07(日) 18:30:12.806 ID:vprjBFDkd.net

あかり「それっておかしいことなの？」

櫻子「救いだと思うならあかりちゃん、それは」

櫻子「この世界がとても悲しいものだと思ってるってことだよ」

あかり「それは・・・」

櫻子「違うかい？あかりちゃん 」

あかり「うぅ・・・そうだよぉ」

櫻子「そうだね。強がらなくていいんだよ」

あかり「たとえ・・・」

6 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/06/07(日) 18:32:08.185 ID:vprjBFDkd.net

あかり「たとえなに不自由に思うことのない生活を終えた牧歌的な優しいおばあさんでも」

あかり「きっと老いていく体の不具合や死ぬことそのものに」

あかり「悲しみや諦めや生への憎しみが」

あかり「生まれないとは限らないから」

あかり「だからあかりたちは生きることそのものから」

あかり「解き放たれることを救いって言うんだよぉ」

7 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/06/07(日) 18:33:19.889 ID:1dhvdEPm0.net

くろうがーる

8 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/06/07(日) 18:34:31.151 ID:vprjBFDkd.net

櫻子「この世界は悲しみと諦めと憎しみの世界だよ」

櫻子「綺麗なもので覆い隠されようとね」

あかり「そうだよぉ」

櫻子「向日葵を見てごらん」

櫻子「団地だよ」

あかり「生まれもっての格差だねぇ」

櫻子「世界は何不自由なく格差を用意してくれてるんだよ」

あかり「そしてあかりたちは苦しむんだねぇ」

櫻子「重要なのはそれをできるだけ斥けることだよ」

9 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/06/07(日) 18:36:39.799 ID:vprjBFDkd.net

櫻子「悲しみを斥けて」

櫻子「そうやって得た生で」

櫻子「なにかしら確からしい楽を覚えて」

櫻子「最後に死んでいくとしても」

櫻子「沈んだ世界にも何か得たものはあったと心中にしまっておければ」

櫻子「きっとそれこそが人の生なんだよ。死ではなくね」

10 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/06/07(日) 18:39:42.536 ID:vprjBFDkd.net

あかり「あかりはあかりたちの生活を盗撮されて」

あかり「それで全国に放映されて」

あかり「それで何か確からしいものはあるの？」

櫻子「ないんだよ、あかりちゃん」

あかり「・・・ないの」

櫻子「ないんだ、あかりちゃん」

櫻子「これは断言だよ」

あかり「断言できるのは何故なの？」

櫻子「・・・それって逆におかしいよ。世の中には断言できないものが多くて、そっちのほうが」

櫻子「間違ってるって誰も指摘しないのは何故なの」

あかり「あかりは・・・」

11 ：以下、＼(^o^)／でVIPがお送りします：2015/06/07(日) 18:41:46.070 ID:vprjBFDkd.net

櫻子「なにかそれらしい理由付けでさ」

櫻子「肯定的に見ることを推奨するなにがしか」

櫻子「もっと自分の心に素直になって」

櫻子「なにかしら嫌なもの嫌いなものダメなものを」

櫻子「ダメと言って斥けないとだよ」