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ジョセフ「幻想郷〜〜〜?」

1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 12:51:50.388 ID:kMyPhLZX0.net
世界が一巡したその日


新たなる「世界」が生まれ、過去の世界は、人々の記憶から…完全に消え去った

新たな世界の誕生と、過去の世界の終焉



そして、過去の、忘れられた「世界」は幻想へ迷い込む






第一話  ジョセフ・ジョースター 見参

2 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 12:54:04.479 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ(…どういうことだ…これは!?)

ジョセフ・ジョースター 

身長195pの巨漢である

巨漢、というとゴリラのような体型を思い浮かべるだろうが、彼の場合は違う

鍛錬された獅子、というようなイメージを抱くだろう

そんな彼は、現在目の前の状況に戸惑っていた

3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 12:55:37.089 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ(ど、どこなんだここは!?)

彼の目の前に広がる光景は、先ほどまで住んでいたアメリカのものではなかった
着物を着た人々、木材を使って建てられた民家…

そう、それはまるで日本の風景だった、それも現代ではなく、歴史の教科書に載るような

ジョセフ(な、なんだよ…?いきなり時間が速くなっておかしくなったと思ったら、こんなとこに…し、しかもッ!!!)

ジョセフ(お、俺の体が若返っているッ!この感じ、波紋の修業を始めた頃の体だよなーッ!)


ペタペタ、と体を触る

筋骨隆々とした若々しい肉体、それに触れている手のひらには皺一つない

ジョセフ(へ、へへーっ!!なんか分からないけど、こいつは悪くねぇよな!!)

ジョセフ(別に面倒事に巻き込まれたわけじゃねーし、スタンドによるものでもないみたいだし)



ジョセフ(…それにしても…ここ、どこなんだ?)

キョロキョロと辺りを見回すジョセフ

すると、ある一人の女性が目に入った

4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 12:56:40.535 ID:j94GybsAd.net
期待

5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 12:56:47.692 ID:kMyPhLZX0.net
??「えーっと…お嬢様のプリンも買ってこないといけないんだったわね…」



ジョセフ(なんだ、あの格好…?そういや、メイドってあんな格好するんだったよなァー…)

ジョセフ(でも、この風景にはちーっと合わないよなぁ、ディズニーの映画にサンリオのキャラが出てるってくらい違和感あるしさー)


??「はぁ、人使いが荒くて困るわ…」

くるり、と振り向いたメイドの顔を見て、ジョセフは目を見開いた

ジョセフ(か、可愛いーッ!!!なんだよ、あのメイドさん!!可愛娘ちゃんじゃねーかッ!!)

ジョセフ(お、おぉ!?しかも、よくよく見るになんとスカートから覗くのは生足ッ!!)

ジョセフ(ふっふーん、男として、あんなに可愛い子のスカートをめくりたいと思うのはおかしなことでしょーかッ!?)


自分自身がどんな状況に置かれているのか、なんて今のジョセフにはどうでもよかった

面倒事に巻き込まれたわけではないし、何より体が若返って軽く感じる

さらに目の前には美人のメイド

彼の軽い性格からして、「俺はもしかして、どこかに拉致されたのか?」なんてシリアスな展開を考えたりはしないッ!!!

6 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 12:57:40.016 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ(波紋を地面に伝わらせて、あの子の足元にある石ころを跳ね飛ばしてやるッ!)

ジョセフ(石ころをスカートにひっかけてめくる、我ながら完璧な作戦だよーん!!!)



コォォオオオオ、と特殊な呼吸法を行う

周りを歩く通行人が、少しだけ不思議そうな顔をしたが、ジョセフはもうそんなことは気にしていない





ジョセフ(波紋疾走!!!)





波紋が地面を駆け巡るッ!!

伝わった波紋が、地面に落ちていた石ころを跳ね上げたッ!!!



ジョセフ(やりーっ!!これで、メイドさんのスカートを…)

7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 12:58:25.147 ID:p1wGQTGga.net
それは、一瞬の…いや、「一瞬」と言うのさえおかしなのだが


とにかく、一瞬に感じる出来事だった



ジョセフ(…ッ!!??)




視線の先にいたメイドが、消えたのだ




ジョセフ(な、なんだ…?い、いや待てよ、この感じは…ッ!!!!!)



??「…あなた、今…何をしたの?」



ジョセフ(!?い、いつの間に後ろにッ!)

8 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 12:59:18.230 ID:p1wGQTGga.net
ジョセフ(!?い、いつの間に後ろにッ!)

メイドは、いつの間にか…「いつの間にか」ジョセフの後ろに立っていた

ジョセフの首筋に、銀色のナイフを突き立てて


ジョセフ「ま、待って待って…何言ってんだ、アンタ?そ、それにそのナイフ…」

??「…何を…って、あなた今私に石をぶつけようとしたでしょ?」

ジョセフ(やっべー、バレてる!!ここはなんとかごまかさなくちゃあな!)


ジョセフ「…!!ま、まさか、俺またやっちまったのか!?」

??「…どういう意味?」

ジョセフ「い、いやぁ、信じてもらえないかもしれないけどさ…俺、ちょっとしたマジックみたいなもんが使えるんだよ」

そう言ってから、ジョセフが波紋の呼吸を整える

そして、地面を一度、踏みつける

すると辺りに転がっていた石ころが次々と飛び跳ねたッ!


??「…こ、これは…」

ジョセフ「波紋って言ってさ、呼吸の仕方でこんなことが出来るんだけど…あーッ!!呼吸なんて、日常的にやることだから、たまーに無意識で発動しちゃうんだよなーッ!!悪気はなかったんだ、許してくれよーッ!!」

9 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:00:07.830 ID:p1wGQTGga.net
??「…」

メイドは、ジロジロとジョセフの顔を見つめてる

ジョセフ「な、なになに?俺の顔に何かついてるの?」

??「…なんていうか、マヌケな顔ね」

ジョセフ「…なに?」

??「いいえ、別に…なんていうか、本当にそんなマヌケをしでかしそうな顔だし、信じるわ…悪人って感じでもないもの」

ジョセフ「ちょっと待て!!今マヌケって言いやがったな!?」

??「…えぇ」

ジョセフ「ムキーッ!!!いいかてめぇ!!俺は人を馬鹿にするのは大好きだけど、人から馬鹿にされるのは嫌いなんだよ!!!」

??「知らないわよ、そんなこと」

ジョセフ「このアマーッ!!!!」

??「…謝るわ、あなたはマヌケというより馬鹿ね」

ジョセフ「なにィーッ!!!!」

??「…私は時間がないの、それじゃあ…」

立ち去ろうとするメイドの背中に、ジョセフはある言葉をぶつけた

10 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:00:58.835 ID:OITPTlUe0.net
見てるぞ

11 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:02:04.177 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「お前、時を止めたな?」

12 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:02:11.093 ID:aanlm/320.net
ええな

13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:02:53.896 ID:kMyPhLZX0.net
??「!!!???な…」



ジョセフ「お前は次に『なんでわかったの!?』という」



??「なんでわかったの!?…ハッ!」


ジョセフ「いやー、別に分かったんじゃなくてさぁ…瞬間移動とか錯覚、ってのも考えられるけどよー、でも『お前が動いた瞬間』ってのが見えなかったんだよな」

勝ち誇ったような笑みを浮かべて、ジョセフが言う

ジョセフ「まるで、切られたフィルムをつぎはぎにくっつけて作った映画を見てる気分だったからさ、もしかしてと思ったわけよ」

??「…そ、それだけで時を止めた…と?」

ジョセフ「いや、それに…!!」


ジョセフ(ま、待て…このメイドさんは、今俺を悪人だとは思ってない…でも、でも、もしだ!!俺が「過去に時を止めるヤツに会ったことがあるんですよー」なんて言ったら、一転して警戒するはずだッ!!)

14 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:03:38.076 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「小説で読んだことがあったんだよ!!時を止める男の話!!ま、まぁ俺が出会ったのは可愛いメイドさんだったってわけだけどな!」

??「…なんだ、そんなこと」

ジョセフ「…でも驚いたな、時を止められるなんて…」

??「そう?確かにすごいかもしれないけど、別に不思議じゃないでしょ?ここじゃ当たり前のようなものだし」

ジョセフ「あ…当たり前?ここで?」

??「…人里で暮らしてたらあまり目にはかからないでしょうけど」

ジョセフ「ちょ、ちょっと待てよ!!ここにはそんな人間がゴロゴロいんのかーッ!?」

??「人間…はあまりいないわね、天狗とか河童とかならいるけど」

ジョセフ「テング…?カッパ…?なんだそれ」

??「…あなた…知らないの?幻想郷に住んでいるのに」

ジョセフ「げ、幻想郷?なんだそりゃ、ここは日本だろ?知ってるぜ、あれは藁ぶき屋根っていうんだよなーッ」

??「!!!」


ジョセフの言葉を聞いたメイドは、驚いたような表情を浮かべた

15 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:04:13.721 ID:kMyPhLZX0.net
??「あ、あなた…出身は?」

ジョセフ「出身はイギリスだ、在住はアメリカね」

??「…一つ聞きたいけど…もしかして、気が付いたらここにいた…なんてわけじゃ…」

ジョセフ「よ、よく分かったなねーちゃん…」

??「そ、そんな…まさか…」

ジョセフ「な、なんだよ?塾に通わせてた息子がテストで0点取ってきた時の母親みたいな顔しやがって…」

??「ちょ、ちょっとこっちに来てッ!!」

ぐいっと腕を掴まれたジョセフは、なぜか人気のないところに連れて行かれた

16 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:05:48.642 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「い、いきなりなんだよ?そりゃ、俺だって可愛い女の子は好きだしそういうこともしたいけどさー、でも俺にはスージー…」

??「…あなたは…外から来たのね?」

ジョセフ「え?」





ジョセフは、そのメイドからあらゆることを聞かされた

ここは、幻想郷という世界だということ

それは、ジョセフが住んでいた世界とは違うということ

そして、ジョセフは何かしらの理由でここに来てしまったということ


ジョセフ「…そ、その何かしらの理由ってなんだよ?」

??「一番考えられるのは…死んだ、ってことかしら」




ジョセフ「えーッ!!??俺、死んだのォーー!?」

??「…おそらく、だけど」

17 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:06:02.271 ID:JpQMYs700.net
幻想入りというジャンル自体が懐かしくていいな

18 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:06:39.658 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「そ、そりゃあ確かに結構年だったけどさァー…でもいきなりぽっくりなんて悲しすぎるだろォー…」
??(…結構年って…どう見ても私と同年代よね…)

ジョセフ「…で、でもこうやってピンピン生きてるってことは…ここは天国かなんかか?」

??「まぁ、あなた達の世界だとそんな感じになるかもね」

ジョセフ「…そっかーァ…俺死んだのかよ…」

??「だから、恐らくは…だってば」

呆れるメイドをちらり、とジョセフが見つめる

ジョセフ「…ってことはさァーー!!!この世界では、俺はまだフリーなんだぜ、ヘイ姉ちゃん!!!俺と遊ばなーい!?」

??「…私は時間がないの、これで失礼するわ」

ジョセフ「え、ちょっと待ってよーッ!!」

歩き出そうとするメイドを、再びジョセフが呼び止める

??「なに?」

ジョセフ「お、俺ここに迷い込んでまだ間もないんだぜ?さすがに見捨てるなんてことはしねーよなァ!?」

??「お気の毒だけど、私は別に善人じゃないし」

ジョセフ「オーノーッ!!!」

??「…」

19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:07:20.906 ID:WV2ZgQNj0.net
4部の生まれたワケみたいなネタかと思って期待してたら違った

20 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:08:05.396 ID:kMyPhLZX0.net
メイドは、ジョセフとじーっと見つめてみた

身長は、彼女より25p以上高い…彼女自身、長身とされるほうだが、この男は長身なんていうレベルではない

それに、縦だけではなく横もがっしりとしている

かなりの筋肉質だ

顔も、ちゃらけた雰囲気ではあるがかなり整っている

??「…お嬢様が面白がりそうね」

ジョセフ「えー?なんか言ったかァ」

??「ねぇ、どうせなら私の仕えてるお屋敷に来てみない?」

ジョセフ「ホントーッ!?ラッキー!!!」

両手を上げて喜ぶジョセフを見て、メイドは少しだけ申し訳ない気持ちになった


??「そうだ…自己紹介しておかないとね」

ジョセフ「おーっと、そうだったな」



咲夜「私は十六夜咲夜…紅魔館っていう館でメイドをしてるわ、あなたは?」

21 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:08:31.588 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「俺は」




ジョセフ「ジョースター ジョセフ ジョースター   ジョジョって呼んでくれ」

22 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:09:01.690 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「ジョジョ…?」

ジョセフ「ニックネームだよ、みんなジョジョって呼ぶんだ」

咲夜「…ジョジョ…ねぇ」

ジョセフ「なんだよ?」

咲夜「ビートルズの曲で、そんなフレーズなかった?」

ジョセフ「えー、そうかァ?」

23 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:09:36.786 ID:kMyPhLZX0.net
紅魔館


紅の外壁に包まれた不気味な館

そこでは、主である「レミリア・スカーレット」をはじめとして、おおよそ人間ではない者ばかりが住んでいる


ジョセフ(おぉー…前に映画で見たドラキュラの住んでる館にそっくりだなァー)

咲夜「…言っておくけど、お嬢様にさっき私に対して使ったような、ふざけた言葉遣いはやめてね」

ジョセフ「なぁ、お嬢様っていうからには、綺麗なご婦人なんだろ?楽しみだなー!」

咲夜(…なんて頭の中がお花畑なのかしら)

24 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:09:59.741 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…」

咲夜「…」

二人が門をくぐろうとして目にしたのはッ!!!


美鈴「…」zzz



もはや役目を果たしていない門番であったッ!!!

25 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:11:05.049 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「なぁ、門番ってのは門を守るのが仕事なんだろ?門のそばで突っ立ってるだけなら案山子にでも出来るよなーッ」

咲夜「…美鈴…」



美鈴「…はっ!?さ、咲夜さんお帰りなさい…?その人誰ですか?」

咲夜「…美鈴…ずいぶんと素敵なお昼寝の時間を過ごせたみたいね…」

美鈴「あ、あはは…ははは!!!」

ジョセフ「…なぁ咲夜、こいつ…本当に門番なのかよ?まだ俺のほうがうまくできると思うけどな」

美鈴「な、何をッ!!失礼なッ!!」

ジョセフ「次のお前のセリフは、『門番の仕事はそんなに簡単じゃないですよ!』だ」

美鈴「門番の仕事はそんなに簡単じゃないですよ!…ハッ!」

ジョセフ「職務怠慢な上に馬鹿、こりゃ救いようがねーなァ!」

26 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:11:29.380 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「わ、わりぃわりぃ…俺はジョセフジョースター、ジョジョって呼んでくれ」

美鈴「ジョジョさんですか」

ジョセフ「さんはいらないんだよ」

美鈴「ジョジョ…あ、あの…なんだか、見ない顔ですけど」

咲夜「…彼は、外から迷い込んだみたいなのよ」

美鈴「!外から…ですか?」

ジョセフ「そう、だからちょっとの間ここでお世話になろうかなー、なんて思ってるのよッ!ま、一つよろしくたのむぜ」

美鈴「は、はぁ…」

美鈴(…お嬢様にいじられそうな人だなぁ…)

27 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:12:05.693 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフは、紅魔館を歩くうちにあることを悟った

この咲夜は、メイドの中でもずいぶんと偉い地位に就いているらしい

メイドの姿をしている妖精たちが、咲夜を見るとぺこりとお辞儀をするのだ

ジョセフ(す、すげぇー…ディズニーの映画で見たティンカーベルみてーな妖精がうっじゃうじゃいるなァー…)

咲夜「そんなに珍しい?メイド妖精が」

ジョセフ「あ、いや…俺のいた世界には、こんなのいなかったからさ、新鮮なんだよな」

咲夜「…そう?」

ジョセフ「…なぁ、俺の他に外からやってきたってのはいるのか?」

咲夜「最近では聞かないわ、あなたが久しぶりだもの」

ジョセフ「へーっ」

少なくとも、ジョセフが初めて、というのではないらしい

それがわかると、なんとなくだが安心できる

自分が異常、というわけではないようだ

28 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:12:37.292 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…にしても、すっげー広い館だな…こんなに広いと、片づけとか掃除とか飯作るのとか、大変だろーな」

咲夜「そうね、普通のメイドがやったら何時間もかかるわ」

ジョセフ「…な、なるほどーッ!!おめーは時間を止められるから関係ないのか!!」

咲夜「…ねぇ、時を止められる人間が不気味じゃないの?」

ジョセフ「なんでだよ?」

咲夜「…あなたの…波紋、とかいうのは原理がわかる、科学的なものだけど…私のはそんなのじゃないわ、不気味だと思わない?」

ジョセフ(俺の孫も時間止められるんだけどなァー…)

ジョセフ「そうか?人間なんて十人十色だって、俺の知ってるヤツはシャボン玉で戦ってたぜ?」

咲夜「…?」

ジョセフ「あ、いや…」

ジョセフ(…もしも死んだ人間が迷い込むなら…シーザーもここにいるかもしれねぇよな…)

29 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:13:21.987 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「…どうしたの?なんだかさみしそうな顔をしてるけど…」

ジョセフ「…いや、なんでもねぇよ」

咲夜「そう、それなら…」





??「ちょっと咲夜、帰ってくるのが遅いじゃない」

咲夜「!!お、お嬢様!?」


妙に子供っぽい声が聞こえた途端、咲夜は申し訳なさそうな声を上げた



ジョセフ(お嬢様…咲夜の仕えるお嬢様ってのは、どんなヤツなんだろうな)

その声のした方向を、ジョセフも振り返る


そして、あまりにも想像と違ったので…悲鳴を上げた



ジョセフ「こ、子供じゃねぇかーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」

30 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:13:37.358 ID:aanlm/320.net


31 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:15:19.721 ID:VbVqBWPRd.net
支援

32 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:15:26.538 ID:kMyPhLZX0.net
レミリア「…とりあえず、無礼を詫びるくらいの時間はあげるわよ」

ジョセフ(な、なんでこうなってるんだよォー!!!)

ジョセフは現在、ふかふかのソファーの上でレミリアにのしかかられている

信じられないことに、このどう見ても小学生です、という少女の体を持ち上げることが出来ないのだ

重さ自体は子供のそれだが、押さえつける力が少女の…いや、人間の物とは思えないのだ

33 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:16:02.095 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「お、お嬢様…」

レミリア「大体の話は分かったわ…外から迷い込んだこの男を、咲夜が保護した、と」

ジョセフ「わ、悪かったよォー!!子供だなんて言って悪かった!!!」

レミリア「…反省している様子が見られないわね」

ボキボキ、とジョセフの背骨が悲鳴を上げる


ジョセフ「お、折れるゥー!!!!」

咲夜「お嬢様、さすがにそれ以上は…」

レミリア「ふん…仕方ないわね、これだから人間ってのは脆くてよくないわ」

ぴょん、と飛びのいたレミリアをうらめしそうにジョセフが睨み付ける

ジョセフ「い、いてーッ…この幻想郷って世界には、頭のネジが飛んだヤツしか住んでねーのか…?」

レミリア「あなたも大概、ネジが飛んでるわよ」

34 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:16:35.651 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「く、くそ……ん?お前、人間じゃないのか?」

先ほどのレミリアのセリフ、そしてその背中から生えている翼を見てジョセフは尋ねた

レミリア「いまさらね…私はレミリア・スカーレット、吸血鬼でありこの館の主人よ」

ジョセフ「…な…んだって…?」

聞き覚えのある単語に、ジョセフは敏感に反応した

背筋に、若き日の、そして承太郎と戦ったエジプトでの日々を思い出して、悪寒が走ったッ!!!





ジョセフ「吸血鬼だとーーッ!!??」

35 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:17:02.161 ID:v460dr1Z0.net
>>6
すごくわかる

36 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:17:10.791 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ・ジョースター  紅魔館に参る




.

37 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:18:13.573 ID:kMyPhLZX0.net
レミリア「…どうしたの、いきなり大声あげて?」

ジョセフ「…お、お前…石仮面を被ったのか…?」

レミリア「石仮面…?なんのこと?」

ジョセフ(!!そ、そうだった…ここには、天狗やら河童やらがいるんだったな…咲夜の話だと、それは日本の妖怪なんだってな…)

ジョセフ(…ストレイツォやDIOには、レミリアみてーな翼はなかった…つまり、レミリアは石仮面で吸血鬼になったのではなく…)

38 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:18:43.350 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「ひ、一つ聞きてーんだが…お前は、生まれつきの吸血鬼か?」

レミリア「…おかしな質問をするわね、吸血鬼になった、とでも?」

ジョセフ「い、いやぁ!!小説とかでよくあるだろ?吸血鬼に血を吸われたら、そいつも吸血鬼になるって話!!」

レミリア「あんなの迷信よ、赤ん坊に母乳を吸われた母親が若返る、ってのと同じくらい馬鹿馬鹿しい考えよ」

ジョセフ「だ、だよなァ〜〜」

へへへ、と変な笑い声をあげるジョセフを、レミリアが不思議そうな顔で見つめる

レミリア「…吸血鬼、という単語に妙に反応したけど…なぜ?」

ジョセフ「う…」

ジョセフは考えた、この目の前にいる少女…いや、少女に見える吸血鬼は、恐らく自分よりもずっと長い期間を生きてきたのだろう

そんなのを相手に、隠し事などできるのか

エリナおばあちゃんにさえ、隠し事なんてできないジョセフが

39 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:21:56.605 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…いや、俺のいた世界でも…吸血鬼ってやつの噂はあったんだ、人間が吸血鬼になれるっていう…」

咲夜「!そ、そんなことが可能なの?ジョジョ?」

ジョセフ「…無理、だよな…無理さ、無理無理」

レミリア「…それで反応したのね…安心して、私は生まれつきの吸血鬼よ」

ジョセフ「そ、そうか…」

ほっ、と胸を撫で下ろしたのと同時、ジョセフにはある疑問が浮かんだ

ジョセフ「…おめー…人間の血を吸うのか?」

40 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:23:32.187 ID:kMyPhLZX0.net
レミリア「あなた、豚や牛の肉を食べないの?それと同じよ、私は人間を喰らうわ」

ジョセフ「!!!」

バン!と立ち上がったジョセフをなだめるように、レミリアが手をヒラヒラとさせる

レミリア「安心しなさいって、そんなに頻繁には食べないわ…血を吸う相手も、できるかぎり殺さないようにしてるから」

ジョセフ「…胸糞悪い話だな」

咲夜「ジョジョ、仕方ないことなのよ…お嬢様だって、血を吸わなければ死んでしまうもの」

ジョセフ「…そうだな、悪かったよ…お前だって悪気があって、楽しんで人を殺すわけじゃあないんだよな」

レミリア「えぇ」

クスクスと笑うレミリアは、何か人を引き付ける魅力さえ感じさせる

見た目は少女なのにもかかわらず、ともすればジョセフでさえもひれ伏してしまうそうになる

41 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:24:12.220 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…吸血鬼…か、咲夜は時を止められるみてーだけど、お前もなんかできんのか?」

レミリア「私は、運命を操れるの」

ジョセフ「…運命?」

レミリア「えぇ、人の運命を変えられるわ」

ジョセフ「…実感の湧かない能力だな」

レミリア「あなたがここに来たのも、私が運命を操ったからなのよ」

ジョセフ「そうなのかッ!?」

レミリア「かもしれないわ」

ジョセフ「…断言しろよ」

この吸血鬼の言うことを信用してもいいのだろうか、ジョセフは不安になった

咲夜は冷たいが信じられる相手、レミリアはなんとなく話しやすいが信用ならない相手、といったところか

ジョセフ「まぁいいか…とにかく、お前のせいで俺がここに来たんなら、せめて俺の部屋くらいは用意してくれよな」

レミリア「もちろん…咲夜、空いている部屋に案内してあげて」

咲夜「分かりました」

一礼してから、咲夜がジョセフを手招きする

42 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:24:49.177 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ(…そういやぁ、咲夜とレミリア、美鈴…俺がここに来てから会ったのは、全員女だけだな…)

ぽけーっと歩きながら、ジョセフは考える

ジョセフ(も、もしかしてここって女の子しかいないのかーッ!?や、やべー、なんて素敵な世界ッ!!)

ジョセフ(い、いや…でもそれはそれでさみしい気もするし…)

咲夜「…ここがあなたの部屋になるわ、一応ベッドもあるし、しばらく生活するには困らないはずよ」

ジョセフ(で、でも女の子を独り占めできるってのはいーーよな!咲夜も美鈴も、見た目は美人だしさーッ!!)

咲夜「…ジョジョ、聞いてるの?」

ジョセフ「イェーッス!!ここが俺の部屋!?ワーオ、広いネー!!!」

咲夜(…変な男)

43 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:26:57.142 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ(…インテリは、俺の家にあるような物と大して変わらないし…それに、咲夜が買ってきたっていう食料も俺達のと同じだ)

ジョセフ(ほっとしたよなーー、もしかしてゲテモノ食べる世界なんじゃねぇかって思ってたから安心したァ…)

ジョセフ(…さて…とは言ってもだ、さすがにこの幻想郷で知り合いを見つけられないってのはサビしーよな…)

ジョセフ(…咲夜が言うには、死んだ人間がたまにここに来ることもあるらしいし)

ジョセフ(…エリナおばあちゃんやスピードワゴンなんかがいるかもしれねーしな)


ジョセフ(…もしかしたら、シーザーの野郎も…)

44 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:28:21.054 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「ジョジョ、食事はまだだけど…これからどうするの?なんならうちの図書館から本でも持ってくる?」

ジョセフ「と、図書館?この館にはそんなのまであんのかよーッ!びっくりだな」

咲夜「…本の虫がいるのよ、引き籠ってばかりだから、あまり会う機会はないでしょうけど」

ジョセフ「お、いーじゃんいーじゃん!ちょっと暗い性格の知的な女の子なんて可愛いじゃねーか!」

咲夜「あら、よく女性ってわかったわね」

ジョセフ「え?いやぁ、ここには…」

ジョセフ(…ここには本当に女しかいねーのか?人里のほうには男もいたみてーだが、紅魔館に来るまでの道のりじゃ男…っていうより、人っ子一人見なかったな)

ジョセフ「なぁ、一つ訊いていいか?」

咲夜「なに?」

ジョセフ「…ここまでの道のりで、誰一人としてすれ違わなかったよな?なんでだ?ここの住人ってもしかして嫌われたりしてんのかァ?」

咲夜「この辺りを独りでうろつくなんて、一部の物好き以外はまずいないわよ」

ジョセフ「な、なんで?」

咲夜「妖怪がうじゃうじゃいるのよ、蛇がいる草原に喜んで入る子供がいる?それと一緒よ」

ジョセフ「うげー…じゃあ一人で出歩くのは危なかったりすんのか?」

咲夜「そうね…」

45 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:28:31.394 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフをまじまじと見つめてから、咲夜が言う

咲夜「…あなたの言っていた波紋っていうのが、どれほどのことが出来るか分からないけど…ちょっと、無理があるわね」

ジョセフ「へーっ」

ジョセフ(…待て、そういえばスタンドは使えるのか?若返った体では無理か…?)

46 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:31:36.229 ID:Ka0H+sIna.net
珍しいらしいなこうゆうSSが建つなんて

47 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:33:13.344 ID:JpQMYs700.net
若ジョセフが隠者の紫使うと強そう

48 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:33:34.917 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜をちらりと見てから、ジョセフがスタンド「隠者の紫」を発動させる

腕から植物のツタのような物が現れた

ジョセフ(おーっ!!よかった、健在健在!!!)

咲夜「!?な、なにその気持ち悪い植物みたいなのはッ!?」

ジョセフ「!お、おめー…これが見えるのか?」

咲夜「み、見えるも何も…」

ジョセフ(…ど、どういうことだ…?咲夜は別にスタンド使いじゃあない…つまり、ここの住人にはスタンドが見える、って考えるのが自然か…)

ジョセフ(…妖怪や吸血鬼がいる世界だ、エネルギーの塊であるスタンドが見えても不思議じゃねーが…こ、これじゃあ下手にスタンドは使えないな、女の子に引かれてお話もできねーぜ…)

49 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:34:33.473 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「それ…なに?」

ジョセフ「波紋以外の、俺のもう一つの能力…『隠者の紫』って言ってさ、カメラとかテレビを通して物を念写できるんだ」

咲夜「念写?どこぞの天狗みたいね」

ジョセフ「え?」

咲夜「ううん、なんでもないわ…それで、どうしてそれを今発動させたの?」

ジョセフ「へっへー!そりゃあ、咲夜ちゃんのおパンツを念写…」

咲夜「…」


ゴゴゴゴゴゴゴゴ


ジョセフ「じょ、冗談!!冗談ですよーッ!!こ、このスタンド…『隠者の紫』を身に着けたのは俺が年を食ってからでさァー!俺、この世界に来た時に若返ったみたいで、もしかして使えねーかもなって思ってさ!!」

50 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:35:30.312 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「…若返った?あなた、本当はいくつだったの?」

ジョセフ「もう90を超えてたよん」

咲夜「…よかったわね、若返って…90のおじいさんじゃ、誰にも相手されないわよ」

ジョセフ「オーノーッ!!なんてひでぇこと言いやがる!!俺は90になってもプリチーだもんねッ!!」

咲夜「…とりあえず、私は仕事があるからあなたに構っている時間はないわ」

ジョセフ「えーっ!!俺、一人ィ!?」

咲夜「えぇ」

悪びれる様子もなく、咲夜が部屋から出ていく

ジョセフ「つめてーっ!!!いーっだ!!!」

ドアに向かって舌を出してから、ジョセフが考える

ジョセフ(…一人で出歩くのは危険…か…)

ジョセフ(…だが、恐らくこの幻想郷でしばらく生活することになるんだろうし…ここの住人と知り合いになるメリットは大きい)

ジョセフ(何より、何もしていないのは俺の性に合わないからな)

ジョセフ(…よし、行ってみっか!)

51 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:36:25.576 ID:kMyPhLZX0.net
美鈴「…」zzz


ジョセフ「門番の仕事もしないでお昼寝か…いーなぁ」

立ったまま寝ている美鈴を見て、ジョセフが羨ましそうにつぶやく

ジョセフ「…でも、これじゃあこいつ雇ってる意味ねーよな」


咲夜「そうでもないのよ、そう見えても美鈴は強いから」

ジョセフ「ん?」


門の向こうから、咲夜が歩いてくる

ジョセフ「あれぇ、仕事だったんじゃ…はっ!ま、まさか俺のために仕事休んでくれたの!?やっさしー!!」

咲夜「違うわよ、美鈴の昼食を持ってきただけ…」

ジョセフ「あ、そー」

咲夜「…ま、寝てるみたいだから昼ごはんは抜きでいいわね」

ジョセフ(働かざる者食うべからずッ!)

52 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:36:47.905 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「…一人で出歩くのは危険だって、言ったはずよね」

ジョセフ「蛇のいる草原は危険だって言われたなァー」

咲夜「…」

ジョセフ「でもな、蛇を狩るにはそこに突っ込んでいかなきゃいけねーわけよ」

咲夜「あ、あなた…」

ジョセフ「『本当に馬鹿ね』という」

53 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:38:58.688 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「本当に馬鹿ね…あ…」

ジョセフ「少なくとも、おめーなんかよりはずる賢いから安心しな、ちゃんと五体満足で帰ってきてやるよン!!!」

ケラケラと笑うジョセフを、咲夜が呆れたように見つめる

咲夜「…一つだけ、忠告しておくわ」

ジョセフ「なんだよ?」

咲夜「…外の世界から来た、なんてことを天狗のヤツらに知られないようにしなさい、取材責めされるわよ」

ジョセフ「取材?」

咲夜「それだけ…それじゃ」

再び館の中に帰る咲夜の背中を見守ってから、ジョセフがくるりと振り返る


ジョセフ(よーしっ!!幻想郷探検と行きますかッ!!!)

54 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:39:32.301 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ(…で…)

文「おーっ!これはこれは、珍しい!!普通の人間がこんなところを歩いてるなんてッ!!」

ジョセフ(こ、このお空を飛んでる可愛娘ちゃんはなんだ?)

文「初めまして!!私は文々丸新聞の射命丸文と申しますッ!!」

ジョセフ「あ、文…ねぇ」

文「いやーっ、よかった!今日の夕刊の記事のネタに困ってたんですよ!!そこであなたとばったり会ったわけです!!カモがネギをしょってくるとは、正にッ!このことッ!」

ジョセフ(…記事…?………げげーっ!!!こ、こいつ咲夜が忠告してた天狗とかいうヤツじゃねーのォォ!?)

55 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:40:19.905 ID:kMyPhLZX0.net
文「つきましては、あなたの素性を…」

ジョセフ「あーっ!!いけねーっ!!財布落としちゃったみたいぃぃ!!探さなきゃなーっ!!」

文「…」ガシッ

ジョセフ「あ…あれ?」





文「逃がしませんよ…特ダネ…」ゴゴゴ

ジョセフ(蛇に睨まれた蛙ッ!!この気持ちはまさにそれだよなァ!!)

56 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:40:21.020 ID:N4+CVQpv0.net
支援

57 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:41:10.030 ID:kMyPhLZX0.net
文「…つまり、幻想郷の外から来たと…」

ジョセフ「…そーだよ、アメリカにいたのにいきなりここにいたってわけ」

文「でも、十六夜咲夜に拾われるなんて面白いですね」

ジョセフ「え、なんで」

文「紅魔館のメイド、って言ったら結構冷徹じゃないですか」

ジョセフ「あー、分かるなそれ」

文「でもよかったですね、吸血鬼の餌にされなかっただけで」

ジョセフ「…そうだねーっ」

文「…幻想郷の外から、ですか…最近、そんなのが流行ってるみたいで」

ジョセフ「…なんだって?」

58 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:42:09.503 ID:kMyPhLZX0.net
文「いやぁ、噂に聞くとですね、外から来たって人がもう何人か発見されたみたいなんですよ、風のうわさで聞きました」

ジョセフ「!!い、いつの話だ!?」

文「今日の話ですよ、まぁもう人に知られてることなんて特ダネにもなりませんし、あなたは私が最初に見つけたんですよねっ!?」

ジョセフ(や、やっぱり…外から来たのは俺だけではなかったッ!!竜巻に巻き込まれた家屋のようにッ!!何人もの人がこの現象に巻き込まれたんだ!!)

文「…あのー、もう少しお話を」

ジョセフ「なぁ、そのやってきた人って、どんなヤツか知らないか?」

文「知りませんよ、ただ一人はあなたと同じイギリス人だそうです」

ジョセフ「!!エリナおばあちゃんか!?」

文「いえ、男性だそうです」

ジョセフ「な、なんだー…じゃあスピードワゴンかもな」

文(…この男性と絡んでいれば、もしかしたら外から来たっていう人とコンタクトがとれるかもしれないですね…)

ジョセフ「おい、俺に幻想郷を案内してくれねーか?」

文「おぉ!!私に協力する気になりましたね!?」

ジョセフ「うるせーっ!!協力するのはお前だッ!!タコ!!」

59 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:42:35.485 ID:VbVqBWPRd.net
支援

60 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:43:05.543 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフが文に絡まれていたその頃

もう一人、幻想郷に迷い込んだ男がいた

61 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:43:30.224 ID:kMyPhLZX0.net
??「…こ、ここはいったい…」

??「…ふ、船で爆発に巻き込まれた…そう、ディオと…」

??「そ、それから…いったい、どうなっているんだ…」






ジョナサン「…ここは、どこなんだろうか…?」

62 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:43:37.401 ID:bNkiAPlt0.net
書き溜めしてるから印象いいぞ

63 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:44:43.725 ID:Ka0H+sIna.net
支援

64 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:45:42.346 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「…こ、ここは…?どこかの森の…ようだ」

ジョナサンがいるのは、日の光がほとんど届かない森の中だった

じめじめとした地面が、靴を捕えるような感覚に襲われる

ジョナサン(…イギリスに、こんな森はあっただろうか…?そもそも、僕はどうして生きているんだ…?)

ジョナサン(な、謎が多すぎて頭が混乱している…これは夢なのか?)

ディオとの船での死闘

それが、ジョナサンの最期の記憶だ

つまり、そこで彼は「死んだ」はずなのではないか

65 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:46:12.055 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン(…ディオは生きているのか…?い、いや…船は恐らく、爆発したはずだ…)


ジョナサン(!!エリナはっ!!彼女は、無事に…)


ジョナサン「…僕はいったい、どうなってしまったんだ…?」





森の中は薄暗い

かつての双首竜の間を思わせる不気味な暗さだ

ジョナサン(…とにかく、誰かを探さなければ…ここの住人なら、どこなのか教えてくれるだろう…言葉が通じればいいが)

66 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:46:51.976 ID:kMyPhLZX0.net
歩き続けること、20分

彼には時間が分からないのだが、とにかく20分ほどだ

歩いても歩いても、真っ暗な森は終わりを見せない

いや、それどころかどんどん奥に進んでしまっているようにさえ感じる

ジョナサン「ま、迷ってしまったようだ…い、いや、そもそも最初から迷っていたのだから、いまさらそれを言うのは間違いだろうけど…」

ジョナサン「…ど、どっちに行けばいいんだろうか…め、目印のようなものがない…」

ジョナサン「…そもそも、こんなところに他の人がいるのだろうか…」

不安な気持ちに襲われるジョナサン

自分がなぜ、いきなりこんな場所にいるのか

それに、ここで他の住人に会えるのか

彼は、さまざまな疑問を抱えていた





??「…はぁ、材料集めも疲れるわね」


だからこそ、彼女とばったり出くわしたのは、幸運だったと言ってもいいだろう

67 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:47:40.363 ID:N4+CVQpv0.net
支援

68 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:47:40.777 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「…!!ひ、人だ!!!」



??「…えーっと…?ナーガ草を2つ…」



ジョナサン「す、すいません!!!」

??「!?だ、誰!?」

くるりと振り返った女性を見て、ジョナサンは申し訳ないことをした、という気持ちになった

それは、自分よりも年下であるだろう少女だった

人形のように整った顔立ちに、少しばかりの恐怖が浮かんでいる

無理もないだろう、こんな暗い森の中でいきなり男に声を掛けられたら、女性として不安になるだろう

ジョナサン「い、いきなりすいません…あの、ここの住人の方ですか?」

69 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:48:24.413 ID:kMyPhLZX0.net
??「…そうだけど…なに?」

ジョナサン「よ、よかった…この森の中で迷ってしまったんです、出来れば道を教えてもらえませんか?」

??「いやよ、私今それどころじゃないし」

ジョナサン「そ、そんな…!」

??「…」

その少女のつぶらな瞳が、ジョナサンをじろじろと観察している

ジョナサン(や、やはり怪しまれているのだろうか…無理もない…)

??「…あなた、体力ありそうね…」

ジョナサン「?い、一応人よりは身体能力はあると思うけど…」

??「そうだ、私の探し物に付き合ってくれない?そしたら出口を教えるわ、なんなら私の家で休憩も取らせてあげる」

ジョナサン「ほ、本当に!?ありがとう!!」

??「さぁ、そうと決まったら早く私を手伝ってよ」

ジョナサン「それで、何をすればいいんだい?」

70 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:48:51.924 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサンはすぐに後悔することになる

その少女が探していたのは、この森でもほとんど見つけられない珍しい薬草ばかりだったのだから

71 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:49:12.348 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ・ジョースター  幻想郷探検の巻

72 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:49:57.735 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ(…幻想郷で、いくつか新たに分かったことがある)

文と幻想郷を回る中で、ジョセフはいくつかの「ルール」に気づいていた

妖怪や、咲夜のような一部の特殊な人間達には、「スペルカード」という原則が存在しているようだ

簡単に言えば、そういった者同士の争いで死者が出ないように、単なる力比べではなく、弾幕ごっこを行うことで勝敗を決める、というものだ

話し合いで解決する、なんていう綺麗ごとよりはよほど合理的であると言える

ジョセフ(…よくそんなルールを考え付いたな…)

73 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:50:15.132 ID:5PnuEsEC0.net
面白いな
気になる

74 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:50:50.467 ID:kMyPhLZX0.net
文「…うーん、中々見つかりませんね…もしかして、外から来た人がいたってのはガセネタなんでしょうか?断じて許せんッ!!」

ジョセフ(…それに、人と妖怪の間には、ある種の壁のようなものが存在している…互いに干渉しすぎないように、うまく調律がとれている)

文「ジョセフさん、ジョセフさんは何か心当たりがありませんか?」

ジョセフ「しらねーよッ!大体、俺だってどんなヤツがやってきたのか知りたいんだからなァ」

文「そうですよね…うーん…」

ジョセフ(…ここのヤツらにはスタンドが見える…おそらく、ここの世界はエネルギーのようなものが目視できるのだろう…正確には、魂のエネルギーがッ!!)

ジョセフ(そういやぁ、さっき文がちょろーっと、幽霊がいるなんてことを言ってたな…幽霊だって魂なんだし、だったらスタンドが見えてもおかしくもなんともねー)

ジョセフ(…できれば、スタンドを使う必要がない、平和な暮らしができればいいけどな…)

文「…ジョセフさん、ちょっと喉が渇きましたし、休憩にしませんか?」

ジョセフ「おっ、いーっね!!俺もちょうどそー考えてた頃なのよーん!!」

文(な、なんていうか…コロコロテンションが変わる人ですね)

75 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:51:31.028 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…」

人里の団子屋

ジョセフと文がそこに入った瞬間に、それまでそこにいた客の顔色が変わった

文のほうをじろじろと見て、何かひそひそと話をしている

ジョセフ「あぁ?どうかしたのか、もしかしてお前…食い逃げの常習犯とかじゃあねーよな」

文「…いいんですよ、慣れてますから」

ジョセフ「?」

首をひねるジョセフに、文が小さな声で言う

文「…私達天狗は、人間に嫌われている部類なんです…」

ジョセフ「…なにぃ…?」

文「嫌われている、っていうよりは、畏怖の存在でしょうかね…」

ジョセフ「な、なんだってそんなこと…」

文「天狗は人間なんかとは比べ物にならない力を持っています、それに長い年月を生きてきた妖怪ですよ、それを不気味と思わない人間のほうが珍しいんです」

ジョセフ「…」

文に何かを言い返そう、としたとき、客の一人がバン!と机を叩いた

76 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:52:07.217 ID:kMyPhLZX0.net
「あーあー、天狗なんかと一緒の店で団子なんて食べられないねぇ…店主さん、ああいうのを入れられると困るんだよ、問題でも起こされたらどうするつもりかい?」

「で、ですが私共も商売ですし…」

「それはわかってるんだよ、でもねぇ、私はこの店のことを心配してるんですよ?天狗なんてロクなヤツらじゃあない、どうせ団子を食うだけ食って、金も払わずに逃げるつもりですよ?」

周りの客も、それに同意するように頷いている

文「…ジョセフさん、私は外にいますので、団子を買ってもらっても…」



ジョセフ「…ちょっと待てよ…!!!」ムッカァァアアアアアアア!!


文の言葉が終わる前に、ジョセフが立ち上がり、その客の元に詰め寄ったッ!!

77 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:52:21.328 ID:uRskXTbGp.net
支援

78 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:52:46.810 ID:kMyPhLZX0.net
「な、なんだアンタは?」

ジョセフ「てめぇ!!さっきから黙って聞いてりゃあ、言いたい放題言いやがって!!!あぁ!?文の野郎が一度でも食い逃げしたことあんのかー!?」

「したことはない、だがどうせ天狗なんてその程度の…」

ジョセフ「おいおっさん!!!おめー、未来でも見えるってのか!?えぇ!?文のヤツが食い逃げする未来でも見えてるんですかァー!?」

「そ、そんなこと…」

ジョセフ「お前らもお前らだぜッ!!」

他の客を睨み付けながら、ジョセフが続ける

ジョセフ「いいか!!俺は何も、お前らが文を怖がっていることに怒っているんじゃあないぜッ!天狗なんて、確かにお前らからしたら怖い連中かもしれねぇからな!!」

ジョセフ「俺が怒っているのは!憤りを感じているのはッ!ありもしねぇ嘘をでっちあげて、大勢が一人を陥れようとしている、その情けなさよッ!」

ジョセフ「俺の知っている人間ってのはなぁ、誇り高き生き物だッ!!怖い相手に大勢で威嚇するなんてのは、犬や猿のすることだぜ!!」

ジョセフ「そして何より!!俺の友達を、公然と侮辱しようって態度が気にくわねぇッ!」

文(!!)

79 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:54:12.331 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「おい店主!!分かったらさっさと団子持って来いよ!!金ならあるんだぜーー!!!」

「は、はいぃ!!!(天狗なんかよりよっぽどおっかねー!!)」

ジョセフ「それとお前!!!」

最初に文に対する文句を言いだした客を、ジョセフが指差す

「な、なんだよ…」

ジョセフ「文に詫びろォ!!!」

「ひぃっ!?」

文「ジョ、ジョセフさん…何もそこまで」
ジョセフ「いいや、俺はさせるねッ!!いいか文、俺は人間って生き物に誇りを持っているッ!人間は、過ちを起こさない完璧な生き物じゃあない!」
ジョセフ「でもなぁ!過去の過ちを悔い改めて、『成長』できる生き物なんだぜ!こいつにも、その人間の誇り高きところを見せてほしいと思う!この俺はッ!」

文「…」

「す…すまなかったよ…確かに、アンタが今まで何か悪さしたわけじゃあない…」

文「い、いいんですよ…そして、ジョセフさん」

ジョセフ「ん?」

80 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:54:31.643 ID:kMyPhLZX0.net
くるっと文の方を振り返ったジョセフの頭が、強い衝撃に襲われる

文にげんこつで殴られたのだ

ジョセフ「いデーッ!!!!」

文「み、みなさんお騒がせして申し訳ありませんでしたッ!」

81 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:55:05.979 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…なんだって俺が殴られなくちゃいけないのよーッ!!」

頭のたんこぶを撫でながら、ジョセフが涙目で尋ねる

文「当たり前です、いくら私を庇うためとはいえ、あんな言葉遣い…」

ジョセフ「お前を庇うためだけじゃあねぇ、人間の誇り高さをお前に知ってもらうためでもあったんだぜ…それなのに…ひどいーッ!」

文(…この人は…)



ジョセフ「おい、それよりこの団子、さっさと食べちまおーぜ!こういうのは作り立てが美味しいんだよ!」

文「そうですね、じゃあ…」

ジョセフ「いっただきまーす!」

文「あ!!みたらし団子は私のですよ!」

ジョセフ「えーっ、じゃあ俺はこっちの栗団子でいいや」

文「栗団子も私の好物です!」

ジョセフ「おめーはなんなんだよォー!」

82 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:56:13.647 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…中々、外からやってきたってヤツに遭遇しないな…」

文「そうですね…」

団子を食べ終わった二人は、再び人里を歩き始めていた

すれ違う人に尋ねてみるが、誰も知らないと言っていた

ジョセフ「…もしかして、本当に嘘なんじゃねーよなァ」

文「…噂であったのはたしかですが…イギリス人、なんてわざわざ言うでしょうか?しかも男性だなんて」

ジョセフ「…くっそー、これじゃあ探してる間に夜になって朝が明けちまうぞ!」

文「…そうですね…今日はもう諦めますか?」

ジョセフ「せっかくこうやって外に出てきたのに、無駄足かぁ…」

文「その代わり、博麗神社に案内しましょうか!」

83 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:56:19.893 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「神社ぁ…?あー、俺そういうの興味ないんだよなァー、神になった生物とか知ってるし」

文「?博麗神社には、この幻想郷の重要人物が住んでいるんですよ」

ジョセフ「…重要人物?」

文「はい、スペルカードのルールを整えた、と言っても過言ではない巫女さんです」

ジョセフ「…」




ジョセフ「しゃあねぇな、行ってみるか」

84 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:56:55.004 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「…君の探してる物は…そんなに珍しい物なのかい?」

少女の後ろをついていくジョナサンが、怪訝そうに尋ねる

??「もしかして、飽きちゃったの?じゃあいいわよ、ここでお別れかしら」

ジョナサン「そ、そうじゃなくて…こんな森に、女の子一人で入ってきて…そこまでして探すっていうことは、相当珍しい、希少なものなんだろう?」

??「そうね、それじゃないと替えが効かないのよ」

ジョナサン「なるほど…それなら、必死に探さなくては」

??「…あなた、お人よしね」

ジョナサン「なぜ?」

??「私があなたを騙している可能性を考えないの?」

ジョナサン「騙すメリットなんてないさ、僕の身ぐるみを剥ぐつもりなら、出会った瞬間そうするはずだ…何しろ、こんな森の中には誰も来ないだろうからね」

??「なるほど、一応考えての行動なのね」

こうやって会話ができる相手がいるだけでも、ジョナサンの気分はだいぶ晴れやかになっていた

少なくとも、自分一人だけが孤独な世界にいるわけではないのだ

85 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:58:46.168 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「それにしても、こんな森は見たことがないな…」
??「じゃあ、なんでこんなとこにいたの?」
ジョナサン「いきなりここにいたんだ」

??「…自分で入って、迷ったんでしょ?」

ジョナサン「違うよ、目が覚めたら…というより、気づいたらここにいたんだ」

その言葉に、少女が眉をひそめる

宇宙人の話を聞く科学者のように、信じられない、といった表情だ

??「…失礼だけど…あなたは、どこの出身?」

ジョナサン「イギリスだけど…なぜそんなことを?」

??「…幻想郷」

ジョナサン「?」

??「…幻想郷、ここの名前よ」

ジョナサン「この森の名前かい…?」

??(やっぱり…)


??「…あなた…幻想に迷い込んだのね…」

ジョナサン「…どういうことだ…それは?」

86 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 13:59:41.736 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサンが聞いたのは、信じられないような話だった

ここは、ジョナサンがいた世界ではない

パラレルワールド、なんていう言葉で表していたが、それとも正確には違うらしい

そして、ジョナサンは恐らくだが…「死んだ」ことによって、ここに迷い込んだらしい


ジョナサン「…なるほど…それなら、なんとなくだけど納得がいくよ…」

??「…随分と飲み込みがいいのね」

ジョナサン「…昔、信じられないような事件に巻き込まれたからね…それが原因で、僕は命を落としたんだ」

??「ふーん」

大して興味もなさそうに、少女は相槌を打った

ジョナサン「…一つ訊きたいんだけど…元の世界に戻る方法はあるのかな」

??「一応あるけど、あなたは死んだ身なのよ?戻ったところで、たぶん家族も全員、いないと思うけど」

ジョナサン「それもそうだな…」

??「…受け入れられないかもしれないけど…この世界で生きていくしかないわ」

87 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:00:06.853 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「…」

アリス「…私はアリス・マーガトロイド」

ジョナサン「…僕は、ジョナサン・ジョースター」

アリス「ジョナサンね、よろしく」

ジョナサン「その名前で呼ばれるのは慣れてないな…ジョジョ、って呼んでくれないか?」

アリス「ジョジョ…ジョジョね、分かったわ」

88 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:01:11.235 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「じゃあ、アリス…早くその探し物を見つけて、僕にもう少しこの世界について教えてくれないかな」

アリス「えぇ、そうしましょう」

89 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:01:29.257 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン・ジョースター

ジョセフ・ジョースター


二人の「ジョジョ」が幻想の世界に迷い込んだ





そして、ジョースターの血統の奇妙な物語は、少しずつだが動き始める

90 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:01:50.453 ID:aanlm/320.net
昼寝するか捕手しといてね

91 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:02:08.380 ID:VbVqBWPRd.net
支援

92 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:02:31.730 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…ここが神社か?なんかサビれてなーい?」

文「そんなこと言ったら、殺されますよ」

博麗神社

ジョセフの知っている、神社となんら変わりのない見た目

外装は綺麗なのだが、参拝客が見当たらない

ジョセフ(…賽銭箱とか空っぽじゃねーか、神様の存在ってのはタダより軽いのな)

文「…おかしいですね、霊夢さんいないみたいです」

ジョセフ「その霊夢ってのが重要人物なのか?」

文「えぇ」

ジョセフ「…待つのもめんどくさいしさァー、もう帰らない?」

93 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:03:10.933 ID:kMyPhLZX0.net
文「でも、霊夢さんと知り合いになっておくと、幻想郷では便利になりますよ?」

ジョセフ「それを聞いたらなぁ…」




霊夢「あれ、文じゃない」

文「あ、話をすれば霊夢さん!!」

ジョセフが肩を落としたのと同時、後ろの階段から一人の少女が姿を現した

一瞬で、巫女なのだと分かる服装

ただし、その腋がなぜか露出させられている

ジョセフ(…俺の知ってる巫女とちょいっとだけ違うけど、気のせいかァー?)

霊夢「…ねぇ文、そっちの人は誰?」

文「あぁ、この人はジョセフさんです」

霊夢「ジョセフ?」

ジョセフ「あ、あぁ…わけあって、幻想郷の外から迷い込んぢまったみたいなんだ」

霊夢「!外からのお客ってわけね…分かったわ、帰してあげられるように…」

ジョセフ「ま、待った待った!別に俺は帰ろうなんて言ってないぜ?」

94 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:03:54.192 ID:kMyPhLZX0.net
霊夢「…帰らないの?」

ジョセフ「…俺、元の世界では随分な年だったんだよ、きっと自然死なのかもーって思ったらさ…」

ジョセフ(あの、時間が急に早くなったのはなんだったか分からないが…とにかく、きっと俺は老衰だったんだろうし)

ジョセフ「死んだ人間が、元の世界に戻るのはダメだろ、俺はそう思うぜ」

霊夢「…面白いヤツ…じゃあ、どうしてここに来たのよ?茶菓子なら出さないわよ」

ジョセフ「いやーっ、どうしても文が、お前に会っていけって言うからさ」

文「霊夢さんと知り合いになれば、幻想郷で便利になりますからね」

霊夢「アンタねぇ…」

ジョセフ「な、いーだろ!?代わりに俺のいた世界の話と、俺の話もしてやるからさァ!」

霊夢「…ま、面白かったらいいけど」

ジョセフ「やりぃーっ!」

95 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:04:13.030 ID:kMyPhLZX0.net
神社の中に招かれたジョセフは、霊夢に…そして、まだ文にも話していなかった、自分自身の「波紋」と「スタンド」について語った





それをこの二人に語るのは、運命だったのかもしれない

96 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:06:05.204 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「…つまり、このナーガ草というのは、君が今から作る…魔術の薬に必要な材料なんだね」

やっとの思いでナーガ草を手に入れたジョナサンとアリス

森からの帰り道、ジョナサンはあらかた幻想郷のことを聞き終わっていた

ジョナサン「…しかし…一人一人が、不思議な力を持っているなんて…面白いというか、不思議な世界だな」

アリス「そう?私にとっては、もう当たり前の日常になっているけれど」

ジョナサン「…君は、やっぱり不思議な力を持っているのかい?」

アリス「…人形を操る程度の能力」

ジョナサン「人形?」

アリス「私が作った人形を操れるのよ…まぁ、そんなに驚異的なものではないから安心して」

ジョナサン「なんていうか、ずいぶん可愛らしい能力だね」


アリス「か、可愛らしいって…」

97 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:06:26.144 ID:DkwjeIIR0.net
つまんな

98 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:07:02.944 ID:DsSSiw/W0.net
私怨

99 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:07:21.789 ID:OOiJqo+Id.net
スレタイだけであまりの臭さに吹いた

100 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:08:45.990 ID:VbVqBWPRd.net
面白いぞ
支援

101 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:09:01.181 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「…僕の波紋とは違うような物か」

アリス「?波紋?」

ジョナサン「呼吸の方法によって、なせる業なんだけど…治療に使えたり、太陽と同じ波長のエネルギーを扱えたりするんだ」

アリス「ふーん…」

ジョナサン「…だから、長い距離を走っても疲れない、なんていうメリットもあるんだ」

アリス「どうりで、さっきから全然呼吸が乱れてないわね…むしろ、私のほうが疲れてるもの」

ジョナサン「あ、それじゃあ背負おうか?」

アリス「!?い、いいわよ、そんなの…」

ジョナサン「そうかい?」

アリス(な、なんていうか…幻想郷にはいないタイプね…紳士的っていうか、平和的っていうか…)

102 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:09:03.445 ID:EoZ51Vkfd.net
幻想入りSSとは久しいな

103 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:09:27.051 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「…!家が見えた…」

アリス「あぁ、あれが私の家よ」

ジョナサン「?こんな森の奥に、住んでいるのかい?」

アリス「えぇ、ここが一番落ち着くのよ」

ジョナサン「…落ち着く、というより少し陰気な場所だね…」

アリス「…そうかもね」

苦笑してから、アリスが玄関のカギを開ける

アリス「…さ、入って入って」

ジョナサン「お、お邪魔します…」




ジョナサン(…な、なかなか…興味深い…部屋、なのかな…?)

アリス(素直に汚いって言ってくれたほうが気楽ね)

104 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:10:00.824 ID:GIQj1m360.net
東方知らないけど楽しめるわ

105 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:11:11.858 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ・ジョースター その誇り高き精神

106 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:11:13.998 ID:YxcvgHDsa.net
期待してる

107 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:11:39.575 ID:mBhabVR00.net
このジョナサン、少年時代と大学時代にディオと戦ってるあたりの正確をちょっとフレーバーさせた感じがする

108 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:11:57.780 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…ってなわけでさー、俺は波紋ってのを身に着けたわけよ」

霊夢「…面白い作り話ね」

文「まったくですね」

ジョセフ「おーいッ!!まるで信じちゃいねーなッ!」

霊夢「何よそれ、柱の男って…?ありえないわ」

文「…もう少し、まともな嘘をついてくださいよ、新聞にも載せられないような…」

ジョセフ「うるせぇ、イエローペーパーの三流記者がッ!」

文「イ…イエローペーパーですって!?そんなことはありません!安心と信頼の文々丸新聞ですよ!?」

ジョセフ「けーッ!!俺の言うこと信じないなら、俺もおめーを信じないもんねーッ!!」

文「なーにが柱の男ですか!」

霊夢「…じゃあ、その波紋っていうのを見せてくれない?」

ジョセフ「いいもんねーッ!波紋!」

特殊な呼吸法を使ったジョセフが、霊夢の用意したお茶の入った湯呑を逆にする

霊夢「ちょ、ちょっと!!こぼれ……!?」

109 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:12:47.826 ID:kMyPhLZX0.net
文「あ、あやややや!?こぼれません!?」

ジョセフ「波紋は水を伝わりやすい!お茶だって液体だぜ、こうやって固着させることもできんだよーン!」

霊夢「…す、すごい…けど…」

文「…だからって、その柱の男達っていうのがいたという証拠にはなりませんし…」

ジョセフ「…どうやったら信じてもらえるんだよー!」

霊夢「…まぁ、面白い作り話だったからいいけど…」

ジョセフ「…あー、そうそう…ついでにスタンドも見せてやるよ」

ジョセフが「隠者の紫」を発動させる

咲夜に見えたように、霊夢と文にも見えるようだ

文「!?な、なんですかそれ?」

ジョセフ「俺のスタンドは隠者の紫!見てろよ、文!そのカメラ、ちょっと貸してくれよ!」

文「?」

すっとカメラを差し出す文

そのカメラを、なんとジョセフはぶっ叩いたッ!

文「わ、私のカメラがーーーーッ!!!!」

110 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:15:17.755 ID:mBhabVR00.net
義手繋がりで歌仙ちゃんと仲良くなりそう

111 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:15:26.292 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「安心しなぁ!俺だって成長したんだ、カメラを壊す必要まではないんだぜーッ!」

ジョセフが念写したのは「文と霊夢」の姿だった

霊夢「!?カ、カメラから直接写真が…」

文「な、なんてスピード…こんなに早く現像できるわけ…!!わ、私たちの姿です!」

ジョセフ「俺が思い浮かべたものなんかを、念写できるんだぜー!やろうと思えば、文や霊夢のパンツまで…」

霊夢「…」

ジョセフ「じょ、冗談だよ…冗談」

112 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:15:58.353 ID:3nL1QWF6x.net
露伴が幻想郷に来たら大変なことになるな

113 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:16:09.709 ID:kMyPhLZX0.net
文「…はたてみたいな能力ですね…」

ジョセフ「?そういえば、咲夜もそんなこと言ってたな」

霊夢「さ、咲夜?アンタ…紅魔館の連中とも絡んでるの?」

ジョセフ「あぁ、紅魔館でお世話になる予定だけどさァ」

霊夢「…あの連中、一癖も二癖もあるから気をつけなさいね?なんなら、この神社に信仰しても!」

ジョセフ「あー、神様ってのは興味ねーんだよ」

手を振ってから、ジョセフがふと外を見る

もう、日が傾き始めている

ジョセフ(…もうそろそろ夕方か…)

ジョセフ「…そろそろ、紅魔館に帰らないといけないんだよな、俺さァー」

文「じゃあ、私もそろそろ帰りましょうかね」

霊夢「そうだ、ジョセフ」

ジョセフ「なぁ、出来ればジョジョって呼んでくれねーか?あんまり慣れてないんだよ」

霊夢「分かったわ、それでジョセフ…」

ジョセフ「聞いてねーだろッ!」

114 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:16:13.365 ID:rGbETNf8K.net
カメラ壊さなくても念写できるようになったはずなのに
ジョセフ鬼かw

115 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:17:31.420 ID:mBhabVR00.net
>>112

「妖精かぁ……味もみておこう」

116 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:17:49.982 ID:kMyPhLZX0.net
霊夢「…一応、警告しておくけど、夜はむやみやたらに出歩かないこと、そして…咲夜は信じてもいいと思うけど、あまりここの住人を過信しすぎないこと」

ジョセフ「…なんでだよ」

霊夢「一人の人間だけを過信しすぎるのは危険ってことよ、それだけ…それじゃ、気を付けて帰りなさいね」

ジョセフ「…」

怪訝そうな顔をするジョセフと文を、霊夢が半ば追い返すようにして帰す





ジョセフ「…なぁ、文」

文「はい、なんですか?」

117 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:18:38.953 ID:kMyPhLZX0.net
博麗神社の階段を下りるジョセフが、くるりと振り返って文を見る

ジョセフ「…あ、このアングル、パンツが見えそうだなー!!」

文「…」

ジョセフ「…幻想郷って、俺が暮らすには向いてるのかな」

文「?どうしてそんなことを…」

ジョセフ「俺はさ、人間の運命ってのを意外と信じてるのよ…ここに俺が辿り着いたのも、きっと運命なんだ…レミリアもそう言っていた」

ジョセフ「…だから、ここに俺が来たのは…来るべくしてきたんじゃないのかって思ってさ」

文「…人間が暮らすには、少し厳しいところですけど…でも、ジョセフさんならきっと暮らしていけますよ」

ジョセフ「そうか…それならいいんだ、それで…」

文「…何か、心残りがあるんですか?」

ジョセフ「いや、そうじゃねーけどさ」



ジョセフ(…でも…でももしもだ、運命というものが俺にまとわりついているなら…)

118 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:19:03.415 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ(…ジョースターの運命の路上には、必ず…障害が生まれるはずなんだ)

ジョセフ(この幻想郷でどんな障害が現れるのか分からないが…)




ジョセフ(俺は、超えてやるッ!目の前にハードルがあるなら、くぐってでも通ってやるぜェー!!!)

119 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:19:31.317 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「…お嬢様、紅茶が入りましたわ」

レミリア「あら、ありがとう」

沈んでいく夕日を見つめながら、レミリアは紅茶を口にした

テラスのテーブルには、咲夜の作ったケーキが乗っている

隣の椅子には、パチュリーが座っていた

パチュリー「…それで、その外からやってきた人間は…今、どこにいるの?」

咲夜「…外に出かけているわ、そろそろ帰ってくると思うけど…あぁ、帰ってきたみたい」

門をくぐるジョセフを、ちょうど咲夜は見た

門番が役目を果たしていない、ということも同時に確認したため、あとで制裁を加えることも決意した

120 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:20:10.744 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「ただいまー…なんつって…さっき来たばかりの館に、ただいまも糞もねーっての」

ジョセフ(…テラスに咲夜とレミリアがいるな…ん………?もう一人、見たことねぇヤツがいるけどよォー…誰だあれ)




咲夜「パチュリー様、あれが外からの客…ジョジョです」

パチュリー「ジョジョ…ね、面白そうなヤツ」

レミリア「面白いわよ、ちょっと無礼だけど」

パチュリー「へぇ…ねぇ咲夜、早く連れてきてよ」

咲夜「仕方ありませんね」




咲夜が時間を止めた

止まった世界の中、動けるのは咲夜「一人」



全てが凍りついた世界の中で、咲夜はまだ門をくぐり抜けたばかりのジョセフの元に近づいた

咲夜(…さ、さすがに大柄なだけあって重いわね…)

121 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:20:42.994 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフの体をどうにか持ち上げ、そしてテラスへと持っていく



咲夜「…時間よ動き出せ」


ジョセフ「…はっ!?ど、どーなってんだ!?お、俺は門のそばにいたのに、気が付いたらッ!テラスにいた!」

咲夜「お帰りなさい、ジョジョ」

ジョセフ「お、おめー!時間を止めたな!!で、でも俺をここまで連れてこれるなんて…かなり長く止められるのか?」

パチュリー「最大で、1時間以上止められるのよ…まぁ、時間が止まってるから、正確な長さなんて分からないでしょうけど、咲夜だけは知ってるわ」

ジョセフ「お、おめーは誰だ!?」

122 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:21:04.202 ID:ogTwx8NT0.net
面白い
頑張って

123 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:21:08.019 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「…言ったでしょ、図書館に一人、籠っている住人がいるって」

ジョセフ「はっ!お、おめーか…本の虫ってのは」

パチュリー「ずいぶんと失礼なことを言うわね…」

ジョセフ「んー、でも俺の想像通り!なんか知的な感じで可愛いじゃあねーかッ!」

パチュリー「咲夜、このジョジョって殿方、素敵ね」

咲夜(現金すぎるわ…)

124 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:21:15.383 ID:mBhabVR00.net
ロロかな?

125 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:21:44.318 ID:kMyPhLZX0.net
レミリア「…ジョジョ、どうだった?何か目新しいことはあった?」

ジョセフ「んー?いやぁ、特になんもねーな…」

レミリア「そう…面白くないわね」

ジョセフ「…ただ、俺みたいな人間が何人かいるってのは分かったな…文が教えてくれた、迷い込んだ人間は他にも…」

咲夜「あ、あなた…やっぱり天狗に捕まったわね」

ジョセフ「あー?あぁ、でもべつにアイツ悪いヤツじゃねーけどなッ」

咲夜「はぁ…めんどくさいのに絡まれたわね、これからしばらく付きまとわれるわよ」

ジョセフ「でもあんな可愛いヤツになら絡まれてもいいなぁ…ま、ちょっと乱暴だけどな」

咲夜(…なんて軽い性格…イギリスって、紳士の国よね?まるでアメリカ人みたいなオープンな性格よね…)

126 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:22:25.476 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…えーっと、それで…」

パチュリー「私はパチュリー・ノーレッジよ、よろしく」

ジョセフ「パチュリーか…これで、ここの住人は全員なのか?」

パチュリー「…もう一人、いるにはいるのよ」

ジョセフ「?」

レミリア「でも、そいつにはたぶん会うことはないから、気にしないで」

ジョセフ「あ、あぁ…なんだそれ?」

咲夜「そんなことより、そろそろ夕食にしましょう」

ジョセフ「おーっ!女の子の手料理なんて久しぶりに食べるぜェー!」

咲夜「…皿洗いくらいは手伝いなさいよ」

ジョセフ「ちぇーっ…」

127 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:23:37.978 ID:mBhabVR00.net
カーズも幻想入りしそうな感はある

128 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:23:47.590 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「美味かったなーッ!一流レストランの味が毎日食べられるって感じで、ここの住人は羨ましいぜー!」

作法も適当なジョセフが、これまた適当にナイフとフォークを置く

レミリア「…ねぇジョジョ…あなた、イギリス人なのよね」
ジョセフ「一応な、でもアメリカでの暮らしのほうが長いから、イギリス人って言われると違和感満載でよ――」
パチュリー「…どうりで、作法が適当なわけね」

ジョセフ「いいじゃねぇか、別にィ!美味しい夕食が食えたんだからよ!おいピー!」

咲夜「…口に合ってよかったわ」
ジョセフ「おめー、嫁に行けるぜ、今すぐに」

咲夜「あいにく、そんな予定はないのよ」
ジョセフ「そーなのかー」

レミリア「あら、なんならジョジョと咲夜が結婚してみたら?」
咲夜「お、お嬢様…」

ジョセフ「あー、悪いけど俺、元の世界じゃ奥さんいるんだよねーェ…重婚罪になっちゃうなァー!」
咲夜「ジョジョもまともに受けないの…ほら、さっさと皿洗い手伝ってよ」

ジョセフ「ちっ…分かった分かった」

いやいや、ジョセフは咲夜についていく




ジョセフ「…皿洗いなんて、ひっさしぶりだよーん…」

129 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:24:33.090 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「丁寧に洗ってよね」

ジョセフ「わ、分かってるよ…」

咲夜「…一つ訊いていいかしら」

スポンジで皿を洗いながら、咲夜がぽつりと、子供におとぎ話を聞かせる母親のような優しい声で言う

咲夜「…元の世界においてきた、奥さんの事…恋しいんじゃない?」

ジョセフ「…スージーQって名前でさぁ、俺浮気もしちまったけど、それでもあいつが一番好きなんだよなァー…」

咲夜「…」

ジョセフ「…でもな、スージーのことだけじゃあねぇ、置いてきた子供や、孫や…そして、今まで出会ってきたすべての仲間たちのことが気になるのさ…」

咲夜「…仲間…?」

ジョセフ「…俺は昔……波紋を使って、柱の男っていう化け物たちと戦った………俺のじいさんを殺した吸血鬼と、スタンドを使って戦った……」

咲夜(!!吸血鬼……)

ジョセフ「…決して楽な旅なんかじゃなかった…何人もの仲間を失った…シーザー…花京院……イギー…アヴドゥル…他にも、たくさんな…」

ジョセフ「…そういった仲間達との別れと、そして…未来を担う仲間との出会いが、俺の人生には付き物だったのさ…」

130 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:25:10.308 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「…密度の濃い人生ね」

ジョセフ「……もしも…もしも、そういう仲間達を置いてきてしまったなら、俺は…少しだけさみしーかなぁー、なんて思ってんだ」

咲夜「…吸血鬼…お嬢様のことに反応していたのも、そのせいね?」

ジョセフ「レミリアみてーな、話のできるヤツじゃあなかったぜ、そいつはさァー」



パリンッ


ジョセフ「…」

咲夜「…ねぇ……もうちょっと丁寧に洗ってくれない…?これで3枚目よ…」ゴゴゴゴゴ

ジョセフ「ゆ、許してくれよォ〜!」

咲夜「……ねぇ、ジョジョ」

ジョセフ「な、なんだよォ!!お説教ならあとで…」

咲夜「…その亡くなった仲間達に…ここで会えたらいいわね」

ジョセフ「!!あ、あぁ…」

131 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:27:36.536 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「…これで、大体片付いたかな」

アリス・マーガトロイド宅

部屋の中に散乱していた本や魔法の道具を片づけ終わったジョナサンが、額の汗を拭った

ジョナサン「……うん、やっぱり部屋はこうでなくちゃ」

アリス「…助かったわ、ありがとう」

紅茶を持ってきたアリスが、綺麗になった部屋に目をパチパチさせている

ジョナサン「勝手に片づけてしまったけど……迷惑じゃなかったかな」

アリス「ううん、私も帰ったら片づけようと思ってたところ…」

本棚を見ると、魔法関連の本がアルファベット順に、綺麗に並べられている

アリス(几帳面……)

132 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:28:07.357 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「…紅茶、もらってもいいかな」

アリス「え、えぇ……」

ジョナサン「うん、いい香りだ…アールグレイだね」

アリス「そうよ、お口に合うといいんだけれど」

ジョナサン「…うん、美味しいな」

アリス(な、なんて都会的で、紳士的な態度ッ!魔理沙や霊夢とは違う、この大人な雰囲気ッ!)

ジョナサン「………アリス、一つ尋ねてみてもいいかな」

アリス「え、えぇ、なに?」

133 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:28:35.071 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「…僕は……死んだことがきっかけで、この世界に来たという説が有力なんだよね?」

アリス「えぇ、恐らく…あなたの最期の記憶からしても…」

ジョナサン「…死んだ人間は、全員ここに来るわけじゃあないのかい?」

アリス「違うわ、そうなったら幻想郷の人口は爆発的に増えてしまうもの…あなたのような例が、むしろ珍しいのよ」

ジョナサン「…そうか……なら、いいんだ」

アリス「…?どうしたの、ジョジョ?」

ジョナサン「…いや……」


ジョナサン(…ディオは……ここには来ていないのだろうか…いや、それでいいんだ…それで……)

134 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:30:28.719 ID:cOCX1zXj0.net
幻想SSスレは久しぶりだから楽しみ

135 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:31:07.829 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「…ねぇジョジョ、お風呂はどうするの?」

ジョナサン「…風呂?そういえば、もうそんな時間だったね…」

アリス「……一応言っておくけど、私は後に入るわよ」

ジョナサン「?」

アリス「あ、ああああ当たり前でしょ!!」

ジョナサン「じゃあ、最初に入らせてもらうけど……」

136 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:31:35.454 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「ご、ご飯の用意はしておくから」

ジョナサン「ありがとう……そういえば、着替えはどうすればいいのかな」

アリス「あ…そうね、今日はその服で我慢してくれない?明日には、作っておくから」

ジョナサン「あ、ありがとう」


ジョナサン(作る……?アリスは、ずいぶんと器用なんだな)

137 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:32:06.476 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「あがったよ」

アリス「お帰りなさい……今、夕食を作っているところだから」

ジョナサン「いい匂いだなぁ……」

アリス「そう?スパゲティを作ってるのよ、ミートソースは食べられる?」

ジョナサン「もちろん」

夕飯を待つ子供のような笑みを浮かべるジョナサンを見て、なぜだかアリスは微笑ましい気持ちになった

このジョナサン・ジョースターという男は、人に好かれる性格をしているようだ

138 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:34:08.590 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「……あら?」

くるりと振り返って、椅子に座ろうとするジョナサンを見て、アリスは小さく声を上げた

アリス「その首の痣…面白いわね」

ジョナサン「ん、これかい?生まれつきなんだ、星形の痣……」

アリス「ふーん…綺麗な星形ね」

ジョナサン「あはは、僕の名前にもスターっていう言葉がついているし、なんだか面白いよね」

アリス「そうね……」

ジョナサン「…ふふ」

アリス「?どうしたの?」

ジョナサン「いや……僕の父にも、同じ痣があったんだ」

アリス「へぇ…遺伝的なものなのね」

ジョナサン「……僕の血筋がもしも続いていたら、きっと子孫にも……」

アリス「あなた、結婚してたの?」

139 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:34:50.861 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「あぁ、結婚してたよ……新婚旅行で、僕は……」

アリス「…そう…お気の毒に」

ジョナサン「…でもね、不思議と僕はその時の死を、後悔はしていないんだ……僕の青春に、決着をつけたんだから」

アリス「?」

ジョナサン「おっと、こんな話をしていたら、せっかくの料理が冷めてしまうね……いただこうか」

アリス「えぇ、そうしましょう」

140 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:35:33.284 ID:kMyPhLZX0.net
静かな幻想郷の夜



ジョセフ・ジョースターが

ジョナサン・ジョースターが


それぞれの、幻想的な時間を過ごしていた




そして、もう一人の迷い込んだ「イギリス人の男」も…





??「フフ……中々に幻想的な夜じゃあないか………満月が美しい…」






??「……フフフフ…」

141 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:38:07.774 ID:Ka0H+sIna.net
東方よくわかんねーんだけど弾幕ごっことかでも首はねるような攻撃したら即死なのか?

142 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:39:49.587 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…ん……?」

ジョセフ・ジョースターが目を開いた時に飛び込んだのは、見慣れない天井だった

妙にふかふかなベッドから体を起こすと、これまた見慣れないインテリア

ジョセフ「…おーい、スージー、朝飯……」

そこまで口にしてから、ジョセフははっと思い出した

ジョセフ(お、思い出した…ここは俺の住んでいたアメリカじゃあねぇ…!!幻想郷だったな……)

体を起こし、ぐぐっと伸びをする

ジョセフ「…えーっと……紅魔館の朝ってのは、どうやって始まるんだろォーな…」


ジョセフ「よし、とりあえず朝の体操でもしてみっか!!!」



咲夜「失礼するわよ」

トントン、と二回ノックされた後でドアが開かれた

143 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:41:54.217 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「おぉー、ちょうどよかった!!何から始めればいいのかわかんなくて、ボクちゃん困ってたのよォー!」

咲夜「…何を始めるつもりなの」

ジョセフ「あぁ?そりゃあ………あれ、なんだっけかなー」

咲夜「ちょっと、しっかりしてよ…」

ジョセフ「そうだ、朝飯まだかー?俺ってばおなかすいちゃったのよ」

咲夜「朝ごはんなら、もう少しで用意が終わるわ…先に食堂で行って待っててくれない?」

ジョセフ「なんだ、準備が早くてステキーッ!!咲夜ちゃん大好き!」

咲夜「はいはい……それより、そのパジャマから着替えなさいよ」

ジョセフ「…あぁ、そういえばそーだな」

ジョセフが着ているのは、咲夜が昨日一晩で…時間を止められる彼女のことなので、ジョセフ達にとっては一瞬に感じたが、とにかく一晩だ…作ってくれたパジャマである

なぜなのか、星の刺繍がいくつも作られている

そんな可愛らしいパジャマ…なんて普通の男なら言うのだろうが、むしろ昨晩のジョセフは「おーっ!イカすぜー!!」と大喜びで着ていた

144 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:43:05.857 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…」

咲夜「?何?」

ジョセフ「なぁーッ もしかしてさァ―― おめーの目の前で着替えろって言うのか?」

咲夜「…はいはい、出るわよ…」

ジョセフ「そーしてくれ」

ため息をついた咲夜が、若干だが乱暴にドアを閉めて出ていく

145 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:44:09.485 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ(さて…今日は何をすっかなぁー……別に外の世界に帰る必要はないし……)

ジョセフ(…紅魔館のヤツらとも、ずいぶん仲よくなったしなァー……)

ジョセフ(よし!今日は文のヤツと遊んでやるかな)





ジョセフ「…あれ、そういや…この服、いつの間に洗濯したんだ?」

昨日ジョセフが幻想郷にやってきた時の服装だ

彼の筋骨隆々な体をこれでもか、と強調しているッ!

ジョセフ「…ま、咲夜なら気づかない間にそんくらいできるよなァ」

ジョセフ「…there the lady Who's sure〜〜」

146 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:44:36.396 ID:kMyPhLZX0.net
パチュリー「あらジョジョ、ご機嫌じゃない」

ジョセフ「おーっ?パチュリーじゃねぇか」

パチュリー「おはよう…」

ジョセフ「…おめーはずいぶん不機嫌そうだな」

パチュリー「…寝ないで本を読んでたから」

ジョセフ「ひーっ!おめー、よくそんな生活できんなァー!」

パチュリー「ふふ…本こそが私の生きがいよ…」

ジョセフ(ゲ、ゲゲゲー…狂気さえ感じるぜェ…)

147 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:46:00.077 ID:kMyPhLZX0.net
レミリア「あら、おはよう…パチェ、ジョジョ」

ジョセフ「よぉー……お前、朝なのに元気だな」

レミリア「吸血鬼だったら夜にしか活動しない…なんて誰が決めたの?」

ジョセフ「それもそうだけどよォー」

パチュリー「…ジョジョ、こう言ってるけど、レミィがこんなに早起きしてるのは珍しいのよ、いつもはあと5分ーってのを7回くらい繰り返すんだから」

レミリア「パチェ!余計なことは言わないで!!!」

ジョセフ「なーんだ、でも寝てる割に育ってないのねー」

レミリア「…今……どこを見て言った…?」

ジョセフ「身長とか、胸とか…」

レミリア「貴様ぁぁぁああああああああ!!!脳みそ掬いだしてペロペロしてやるぜー!!」

148 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:46:20.986 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「お嬢様、お食事の用意が整いました」

レミリア「あら咲夜、遅かったじゃない」

ジョセフ(ひょ、豹変しやがった…)

パチュリー(…ジョジョって、結構危なっかしいわね)

149 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:46:47.591 ID:kMyPhLZX0.net
朝食の途中、ジョセフはレミリアに一つのことを尋ねた

「幻想郷で、最も味方にしておいたほうがいいのは誰か」と

レミリアの答えはシンプルだった




「霊夢と魔理沙の二人」

150 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:47:13.902 ID:kMyPhLZX0.net
すれ違う青春

151 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:47:37.674 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…しまったなァー……魔理沙ってヤツに会おうと決めたのはいいが…」

紅魔館での朝食を終えたジョセフは、魔理沙の家に行こうと外に勢いよく飛び出した

飛び出したのだが、しかし魔理沙の家を知らないことを思い出した

そもそも、魔理沙というのが誰なのかさえ知らない

ジョセフ(名前からして、また女だとは思うけどよ…)



ジョセフ「…おーい、文ァー!!いんのかァー!!!」




文「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!!愛と勇気の射命丸!!!」

152 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:49:15.236 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「おぉー、いたいた」

文「ジョセフさん、おはようございます」

ジョセフ「あぁ……おめー、さっきから俺のことつけてたのか?」

文「いえいえ、天狗の耳はいいんですよ?ジョセフさんについていけば面白い記事が書けそうですし、これはもう、協力するほかないですよ!!」

ジョセフ「まぁ、協力してもらえるのはありがてえーな」

文「してッ!!今日はいかがなさいますか!?」

153 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:52:14.947 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「魔理沙ってヤツの家に行きたいんだけどなアーッ」

文「ま、魔理沙さんですか?」

ジョセフ「あぁ?なんだよ、いやそうな顔して」

文「…魔理沙さんは、悪い人ではないんですけど…こう、ちょっとめんどくさいというか…」

ジョセフ「……」

文「あ、でもジョセフさんとは気が合うかもしれないですね」

ジョセフ「それってさァー、もしかして俺がめんどくさいって言いたいのかァーッ!?」

文「さ、行きましょうか」

ジョセフ「おいぃぃぃぃいいいい!!!!」

154 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:52:42.301 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「…アリス、君はこうやって…いつも昼間から、家にいるのかい?」

アリス「えぇ、そうよ」

ジョナサン「……こうやって家にこもるよりも、もう少し外に出たほうがいいんじゃあないかな?」

アリス「な、何よ!?私の趣味なんだから、別に…」





コンコン、とアリスの家のドアがノックされた

155 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:53:10.024 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「おや……お客さんのようだね」

アリス「…い、嫌な予感しかしないわね」

ジョナサン「?」

なぜか上海人形を従え、アリスは慎重にドアのほうへと向かっていく

アリス「…誰?」



魔理沙「よっ、遊びに来たんだけど」



ジョナサン「…?アリス、その人は…」

魔理沙「!?な、なんだ!?アリスの家に男がいるぜ…?」

156 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:55:08.207 ID:ogTwx8NT0.net
シーザー、花京院…のくだり凄い好きだ
違う部のキャラが1つのセリフの中に出てくるのがいい

157 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:55:08.218 ID:aanlm/320.net
レミリアって朝になったら寝るんやないの

158 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:56:36.042 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「魔理沙!!これにはちょっと、深い事情があって…」

魔理沙「なんか分からないけど、これは面白いことになりそうだ!!ちょっくら霊夢にちくって来てやるか!!」

アリス「ま、待ちなさい!!!」

ジョナサンをそっちのけで、その「魔理沙」と呼ばれる少女は駆け出そうとする

ジョナサン(…何か分からないけど…どうやら、僕とアリスの仲を勘違いされているようだ)

このまま、もしもあの魔理沙という少女が噂を広げたら、アリスの迷惑になってしまう

ジョナサン(…仕方ない、波紋で少し足止めしようか)

159 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:57:01.282 ID:kMyPhLZX0.net
コォォォオオオ



ジョナサン(地面のための波紋!!!黄土色の波紋疾走!!!!)




魔理沙「…!?」

アリスの手を逃れようとしたその時ッ!!

わずかだが、魔理沙の体に電流のような衝撃が走った!!!


魔理沙「な、なんだ…?」


ガクン、と膝の力が崩れ落ちる

アリス「?」

魔理沙「あ、足が…しびれてる…?」

160 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 14:59:50.145 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「ふう…アリス、危なかったね」

アリス「え、えぇ……」

魔理沙「うぅ…い、今のはそいつがやったことなのか?」

アリス「そうなの、ジョジョ?」

ジョナサン「大丈夫、軽い波紋を流しただけだから、体に害はないよ」

魔理沙「波紋……?うー、まだ膝がビリビリしてるぜ…」

アリス(…私には、何の影響もなかった…あの波紋というのは、思ったよりも便利なものそうね…)

ジョナサン「えっと…君は?」

魔理沙「…霧雨魔理沙、ただの魔法使いだ…アリスとたまに話に来るんだけど、今日はお前みたいな珍しいヤツがいたから、ちょっとからかいたくなって…」

ジョナサン「僕はジョナサン・ジョースター…幻想郷の外から迷い込んできてしまったところを、アリスに拾われたんだ」

魔理沙「外から来た!?そりゃ、珍しいお客さんだ!」

161 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:00:19.468 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「ちょっと魔理沙、家にあがっていいとは言ってないわよ?」

アリスの言葉を無視して、魔理沙はずかずかと家の敷居に入ってくる

魔理沙「固いこと言うなよ、私たちの仲だろ?」

アリス「そんないい仲になったつもりはないんだけど?」

ジョナサン「まぁまぁ…魔理沙、君は……」

魔理沙「人間だ」

ジョナサン「え?」

魔理沙「私が人間なのか、魔女なのか、はたまた妖怪なのか、知りたいんだろ?」

ジョナサン「よ、よくわかったね…」

魔理沙「外から来た人間が不安になることは3つ、元の世界に戻れるのか、ここで暮らしていけるのか、そして相手が妖怪なのか自分と同じ人間なのか、だ」

ジョナサン「…なるほど」

162 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:02:24.936 ID:kMyPhLZX0.net
魔理沙「…ジョジョって言ったっけ、お前はどうしてここに迷い込んだんだ?普通に暮らしてるぶんには迷い込むわけはないんだけど」

ジョナサン「……おそらくだが、死んだんだと思うよ」

魔理沙「死んだ?」

ジョナサン「………少し、理由があってね」

魔理沙「…なるほど、それで…」

ジョナサン「でも死んだことは後悔していない……一人の女性を愛することができたし…それに…」

魔理沙「?それに、なんだ?」

ジョナサン「いや、なんでもないよ」


ジョナサン(ディオとの青春にも決着がつけられたんだ…)

163 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:03:21.797 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「…魔理沙、何しに来たのよ?本当は、お茶を飲みに来たなんて優しい理由じゃないんでしょ?」

魔理沙「あ、あぁ……町のほうで面白い噂を聞いて、お前にも教えてやろうかと思ったんだけど…」

ちらり、と魔理沙がジョナサンのほうを見る

ジョナサン「?」

魔理沙「なぁ、もしかしてジョジョって、イギリス人か?」

ジョナサン「な、なんでわかったんだい?」

魔理沙「なーんだ……じゃあいいや、アリス、今の話は忘れてくれ、なんも面白くないし目新しくない情報だ」

アリス「?」

魔理沙「…外から人が来るだなんて、珍しいな…死んだにしても、ここに来るなんてある意味ラッキーだ」

ジョナサン「そ、そうなのかい?」

魔理沙「あぁ、スロットで777出すのと同じくらいすごいことだよ」

ジョナサン「?」

魔理沙「…」

魔理沙が、言葉を止めてからじーっとジョナサンを見つめる

164 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:03:56.294 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「僕が…どうかしたかな?」

魔理沙「…すっげぇ筋肉だな……かなり鍛えた体だ」

アリス「あぁ、それは私も思ってたわ…ジョジョって、何かスポーツしてたの?」

ジョナサン「一応、ラグビーをやってたよ…でも、波紋の修業で鍛えられたっていうのもあるかな」

アリス「へぇ……その波紋っていうの、健康にもいいのね」

魔理沙「全く、どっかの引きこもり人形遣いにも教えてやってほしいぜ」

アリス「どこの誰のことかしら」

ジョナサン「ま、まぁまぁ……」

165 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:06:15.129 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「…ジョジョ、私ちょっと街の方に行ってくるから」

魔理沙「なんだ、私がせっかく来たのに」

アリス「ちょうど食材が切れそうなのよ…今日の夕食がハムだけになってもいいなら、構わないけど…ジョジョは嫌でしょ?」

ジョナサン「そうだな…さすがに、それは困る」

アリス「それじゃ、買ってくるから…魔理沙、あんまりジョジョにちょっかいかけないであげてね」

魔理沙「ずいぶんとジョジョにご執心だな」

アリス「そ、そんなんじゃないわよ…ったく」

少し顔を赤らめてから、アリスがドアへと向かう

アリス「…それじゃ、夕方までには帰ってくるわ」

ジョナサン「気を付けて」

魔理沙「こいつにそんな心配は無用よ」

アリス「じゃあ、またあとで」

166 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:06:42.910 ID:kMyPhLZX0.net
魔理沙「……なぁ、ジョジョ」

ジョナサン「なんだい?」

魔理沙「……嫌じゃなければだけど、どうしてお前が死んだのか教えてくれないか?」

ジョナサン「…僕がどうして死んだのか……か」

苦笑いを浮かべたジョナサンが思い出したのは、かつての「友人」のことだった

その「友人」との間にあったのは、およそ世間一般で言う「友情」ではなかった

互いが互いの運命に翻弄され、二人は命を賭けて…人間の未来を掛けて戦った

ジョナサン「…僕は昔……ある友人と戦ったんだ」

魔理沙「友人と戦った…?」




魔理沙が聞いたのは、まるで真実とは思えないような、奇妙な話だった

167 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:07:51.497 ID:ruQsLeup0.net
やっと追いついた
支援

168 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:08:32.033 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「…魔理沙が街で聞いた噂って、なんだったのかしら」

右腕にバスケットを抱えて、アリスは昼の街を歩いていた

もしかしたら、まだ人々はその噂をしているかもしれない、と考えていたのだがそれは杞憂に終わった

人々が話しているのは、つまらない日常会話であった


アリス(…そういえば、どうして魔理沙はジョジョがイギリス人だって当てられたのかしら…紳士的な態度から……?)

疑問を抱えながら歩くアリスに




??「ヌゥ…?」


どん、と誰かの体がぶつかった

169 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:09:08.119 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「あいた…ごめんなさい、ちょっと考え事をしてい…て……」

相手の顔を見て謝ろうと思ったアリスは、そこで信じられないものを見た

ぶつかった相手は、ジョナサンより少しだけ背が低いものの、かなりの長身の男だった

さらに、服の上からでも分かるほどの筋骨隆々とした肉体

その筋肉は、ジョナサン以上に見える

アリス(お、大きい…190pはあるわ……)

170 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:11:12.685 ID:kMyPhLZX0.net
??「いや……こちらこそすまない、前を見て歩いていたのでね…怪我はなかったか?」

アリス「えぇ、大丈夫」

その外見とは裏腹な、紳士的な態度にアリスは内心ほっとした

??「……」

アリス「?どうかしたの?」

??「…いや……太陽が…出ているな」

アリス「はぁ…?えぇ、出てるわ、いい天気ね」

??「…なぜ…私は平気なのだろうか」

アリス「平気?もしかして、太陽にアレルギーでもあるの?」

??「そのようなものだ」

アリス「ふーん…でも大丈夫じゃないの、だって結界のせいで紫外線が完全に入ってきているわけじゃ…」

171 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:11:42.833 ID:kMyPhLZX0.net
そこで、アリスはある疑問を感じた

この男は、今太陽アレルギーがあると言った

だがしかし、そんな男が、なぜいまさら「太陽に当たっても大丈夫なのか」なんて言い出すのか

幻想郷に住んでいれば、この太陽からの紫外線が結界によって弱められていることくらい知っているはずだ

アリス(…げ、幻想郷に住んでいれば…?)

??「…そうだな、変なことを聞いた…すまなかったよ」

立ち去ろうとする男に、アリスは声をかけた

アリス「ま、待って!!」

くるりと振り向いた男の顔を、初めてアリスはまじまじと見つめた

そしてはっとする

その男は、まるで「女性」のような艶やかささえ備えた顔をしているのだ

色気を感じさせるのだが、では女っぽいのかというとそうではない

畏怖の念を抱かせる、王者の貫録さえも持っている

172 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:12:16.374 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「え、えっと…あなた、もしかしてここの外から来たんじゃない?」

??「…外だと?どういうことだ」

アリス「やっぱり……外の世界で、何か異変に巻き込まれたり…死んだりしなかった?」

??「!!………あぁ」

アリス「そうね…簡単に説明するわ」




アリスが説明したのは、この幻想郷について、だ

男は相槌を打つでもなく、感嘆の声を上げるでもなく、ただ静かにその話を聞いていた

173 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:14:01.934 ID:kMyPhLZX0.net
??「…異世界…と考えていいのか?私にはそういうことはよく分からないのだが…」
アリス「そう思ってもらっていいわ…」

??「…」

アリス「でも安心して、あなただけが特別ってわけじゃないの、偶然、私も昨日、一人のそういう人と出会ったから」

??「私以外に、迷い込んだ者がいるのか」

アリス「えぇ、そういう人間、たまにいるのよ」

??「……この世界の住人は」

アリス「?」

??「……おかしな連中が多いな、何か特別な力を持った者がいる」

アリス「あぁ、妖怪か天狗にでも会った?ここは、そういったヤツらの巣窟よ…私も、人形を操れるの」

??「…」

男は、ほとんど無反応だ

呆気にとられているのではなく、まるでそういうことに慣れているかのように、落ち着いているのだ

??「……そうか、では気に留めておくよ」

再び立ち去ろうとする男に、アリスはもう一度声をかける

アリス「ねぇ、よければ私の家に寄って行かない?迷い込んだ人同士、悩みを共用できるかも…」

174 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:16:09.730 ID:kMyPhLZX0.net
??「…」

今度は振り向かずに、男が鼻で笑ってから返してきた

??「悩みだと…?フン、そんなものはない……ずいぶんと面白い世界じゃないか…フフフ…」

??「気遣いはありがたいが、それは無駄だ…」

スタスタ、と歩いていく男の後ろ姿を見て、アリスは首をかしげていた

どうも、今の男は変わっている

アリス(…あ、さっさと買い物しなきゃ…)

175 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:16:42.198 ID:kMyPhLZX0.net
魔理沙「…そのディオってのが、お前を殺したってわけだな?」

ジョナサン「そうだね……でも、僕はディオを恨んではいないよ」

魔理沙「…友人だからか?」

ジョナサン「…彼にたくさんの人が殺されたけど……彼がいたおかげで僕は成長できたんだ」

魔理沙「……結果論だな」

ジョナサン「それでもさ、僕は彼と敵対していたけど…でも、最後には奇妙な友情を感じたんだ」

魔理沙「…お前は変わったヤツだな」

ジョナサン「ははは、そうかな」

自分自身の過去を話し終えたジョナサンは、小さくため息をついた

ジョナサン(…ディオはあのあと…死んだのだろうか…?)

176 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:19:47.636 ID:kMyPhLZX0.net
魔理沙「お、もう夕方だ」
ジョナサン「あぁ、本当だ」

窓から差し込む光が、オレンジ色を帯びている

魔理沙「…アリスが帰ってこないことには、夕食も食べれないわ」
ジョナサン「夕食も食べていくのかい?」

魔理沙「あぁ、当たり前だろ?ただ飯なんてありつけるなら、うれしいもんだ」
ジョナサン「…魔理沙、一つ言ってもいいかな」

魔理沙「なんだ?」

ジョナサン「君の口調をどうこう言うつもりはないけど……もう少し、女の子らしい口調にしたらどうだい?見た目は可愛らしいんだから、そっちのほうが似合うと思うよ」

魔理沙「ありがたいが、余計なお世話だ」

ふん、とすねたような表情で魔理沙が答える

だが、決していやな気持にはならなかった

ジョナサンの言葉には、嫌味なんてものは少しも含まれていない

だからなのだろう



アリス「ただいま」

がちゃり、とドアを開けたアリスはすぐに苦虫を噛んだような顔になる

177 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:20:26.316 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「…魔理沙、まだいたの」
魔理沙「あぁ、ついでに夕食もごちそうになりたいんだけど」

アリス「……いやだって言ったら?」

魔理沙「弾幕ごっこになるけど、それでもいいなら」

アリス「勘弁するわ…ジョジョ、街で外からやってきたっていう男に会ったわ」

ジョナサン「本当かい!?」

アリス「えぇ、家に来ないかって誘ったんだけど、それは断られたわ」

魔理沙「アリスったら、見境ないな」

アリス「あなたと違って、困ってる人をほうっておけないのよ」

ジョナサン「その人も、やはり死んだのかな……?」

アリス「そうみたいよ……ジョジョよりも筋肉質だったわ」

魔理沙「そ、そんな男が来たのか?」

ジョナサン「へぇ……有名なスポーツ選手か何かかな」

アリス「そうとも思えないけど…詳しい話は、夕食の時にね」

そう言ってからアリスはキッチンへと向かう

魔理沙が夕食を楽しそうに待っているのが、少しだけ気に食わないのだが

178 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:21:11.067 ID:kMyPhLZX0.net
??(…幻想郷……)

一人の男が、月に照らされた地面に影を落としている

金色に輝くその髪は、神々しく、近づきがたい雰囲気さえ持っている

??(…面白いじゃないか……フフフ…まさか、まさか承太郎にやられたあとにこんな場所に来るとは思わなかったぞ…)




DIO(このDIOが……)

179 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:21:25.612 ID:CcBtnfCnK.net
誰か支援してんのこれ?

180 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:21:35.027 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(…驚くべきはそれだけではない…この肉体…ジョナサンの物ではない、この私のものだ…吸血鬼の力を手に入れた、あの日の…私の)

DIO(…懐かしい……懐かしい感触を覚えるぞ…)

ニヤリ、と口の端を歪めたDIOの影に、一つの影が近づいてきた




ルーミア「ねえ、お兄さん、こんな夜中に一人で出歩いて、どうしたの」

181 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:22:08.962 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「……」

ルーミア「一人だと危ないよ?家に帰らなきゃ」

DIO「…そういうセリフは、君みたいな子供に言うものだと思うのだがね…」

ルーミア「うん、知ってる…私も帰らないといけないんだ」

宙に浮かんだその少女を見て、DIOはそれが「妖精の類」なのだと悟った

昨日、幻想郷に迷い込んできてから、数匹の妖精を見てきた

ルーミア「だから…」





ルーミア「お兄さんを食べてから、帰るんだァァァァ!!!!!!」

182 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:22:12.021 ID:2sTlgucad.net
見てるぞ

183 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:22:44.535 ID:kMyPhLZX0.net
途端に、DIOの周りが闇に包まれる

DIO(ヌゥッ…?なんだこれは…)


ルーミア「ウシャアアアアアァ!!!!!」

DIO(…声は聞こえるが姿は見えない…なるほど、暗闇を操る能力か)

その時DIOの肩に、何かが当たったッ!


鋭い刃物のようにさえ感じられるそれはッ!!!



DIO(歯だとッ!?)

ルーミア「いただきまァァァす!!!」ゴァァバッ

DIO(ほほう……妖精というのは、やはり人間なんかとは体のつくりが違う…)

DIO(噛む力も段違いだ、このDIOの服ごと体を喰らおうというわけか)

フフン、と鼻を鳴らしたDIOは、大きな声で叫んだ


その叫びを聞いた瞬間ッ!!ルーミアの体は吹っ飛んだ!

184 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:22:53.827 ID:bNkiAPlt0.net
東方は知ってるけど東方は知ってる

185 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:22:59.483 ID:9GOMkfR60.net
C

186 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:23:22.173 ID:VbVqBWPRd.net
支援

187 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:23:27.666 ID:bNkiAPlt0.net
東方は知らないけど東方は知ってる
だった

188 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:23:28.814 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「『世界』!!!!」



ルーミア「ぶえぇげっ!?」

何か、信じられないような力でルーミアの体が吹き飛ばされた

ルーミア(な、殴られた…ッ!?)


DIO「…スタンドは健在……フフフ……」

拳を開いては閉じ、開いては閉じるDIO

自分自身の体を確かめているようだ

DIO「フフ…フハフハフハハハハハ!!!素晴らしい感触だ、ジョセフの血を吸ったあとのジョナサンの体よりもッ!やはり、自分の体が一番だなァァ!!!」

ルーミア(な、何…!?この男、守護霊を持って…)

DIO「…フン、マヌケがぁ……ただの人間だと思って私に襲いかかったようだが、それはちと失敗だったな」

ルーミア(や、やばい……闇に体を隠して…)


DIO「……遅い」

ルーミア「!?」

189 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:23:54.667 ID:JoV33oPb0.net
疑問があるんだけど 質問するのは野暮?

190 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:25:16.551 ID:OA4zci8fp.net
見てるよ

191 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:26:04.656 ID:SIrVcqx6+.net
支援

192 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:26:11.957 ID:kMyPhLZX0.net
一瞬ッ!!ほんの一瞬で、DIOはルーミアとの距離を縮めたッ!!

ルーミア(は、速い…!!!!)

DIO「素晴らしいぞ…ッ!『世界』の能力を使うまでもない!!純粋なスピードで、一瞬にして間合いを詰めたッ!!」

ルーミア「く…」

DIO「承太郎に負けたのは、我が『世界』のほうが劣っていたからなどではない…この肉体であれば、ジョースターの一族など、簡単に屠れるというわけだッ!」

一撃!ルーミアの腹に、「世界」の拳の一撃が入った!

DIO「まぁ、もっともそのジョースターがこの幻想郷に来ているかどうかはわからないがな…フフフ……もし仮に来ていたとしても、今の私にはもはや勝てるわけがない」

DIO「スピードもッ!パワーもッ!!何もかもが、『星の白金』を上回ったと実感したッ!!我が『世界』は、やはり世界の頂点に立つ能力ッ!!」

ルーミア「がはっ……」ブジュルブジュル

DIO「…ところで…闇の中に、自分自身の体を紛らせようとしたようだが」

ぐぐぐっ、と「世界」が拳を振りかざす



DIO「そんな小細工!!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」

ルーミア「うっげぇぇ―――!!!!」

193 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:27:12.404 ID:kMyPhLZX0.net
血しぶきを上げながら飛んでいくルーミアを見て、DIOはほくそ笑んだ

DIO「フン……妖精の回復力だけは尋常ではないからな、どうせ死にはしないだろう…生きていたとしても、何の脅威にもならん…」

DIO(…不死身…不老不死…スタンドパワー……!!!)

DIO(…もはや…もはやッ!!このDIOに敵う者など存在しない!!幻想郷か…面白い、この世界を、我が手中に収めてやる!!!)



月夜の夜道に、吸血鬼の笑い声だけが響く






幻想郷に……




ドス黒い悪が迷い込んだことを、霊夢達はまだ知らない………

194 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:27:35.935 ID:Ka0H+sIna.net
冷凍気化法使いそうだな

195 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:30:04.182 ID:IWiPeobKr.net
面白い

196 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:30:13.891 ID:RUlllrE8p.net
はよ

197 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:31:04.539 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサンが魔理沙と出会い…DIOがルーミアとの戦闘を繰り広げたその日




ジョセフ・ジョースターは射命丸文と共に、魔理沙の家を訪れようとしていた




ジョセフ「なぁ、その魔理沙ってヤツの家は遠いのか?」

文「そうですね……遠い、というほどではないんですけど、魔法の森という場所に行かないといけないんです」

ジョセフ「魔法の森ぃ?なんだそれ、ネバーランド並みにうさんくせー名前だな」

文「魔理沙さんをはじめとして、魔法使いが多く住んでいます…が、たぶんジョセフさんは入ったらそれだけで体調が悪くなりますね」

ジョセフ「体調?毒キノコでも生えてるのかァ?」

198 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:33:06.673 ID:kMyPhLZX0.net
文「当たりです、私も好んで入りたい場所ではないですし、今日は魔法の森には行きません」

ジョセフ「おいおいー、俺の話聞いてましたァン?耳に汚れ詰まってんじゃないのー?俺はその魔理沙ってヤツに会いたいんだぜ、ならそいつが住む所に行かないでどうすんだよ」

文「魔理沙さんに会うのは、何も自宅に訪れるだけが方法じゃあないんですよ」

ジョセフ「にゃにぃ?」

文「彼女の行きそうな場所…人里に向かえばいいんですよ!!」

ジョセフ「人里……なるほどッ!その魔理沙ってやつは人間なんだよな?」

文「そうなんです、きっと買い物のために人里にいると思いますよ、今日はこんなに天気もいいですし!」

ジョセフ「そうと分かったら善は急げだよーん!!!」

199 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:33:40.601 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…木を隠すなら森の中って言うけどよ…それと同じじゃねーのォ?こんな人だかりじゃ…その魔理沙ってやつを簡単に見つけられそうにねぇな…」

人里に来て早1時間

ジョセフは、すでに諦めモードだ

無理もない、人里は通行人であふれかえっている

もっとも、天狗と筋骨隆々な男の組み合わせの二人の周りには、少しばかりのスペースができている

ジョセフ「なぁ〜〜おめー、かなり怖がられてんのな」

文「何言ってるんですか、半分はジョセフさんのせいですよ」

ジョセフ「俺のどこにッ!怖がられる要素があんだよ」

文「…話してると面白いですけど、ぱっと見はめんどくさそうですから」

ジョセフ「なにィ―――!!てめぇ、俺のこと今なんて言いやがった!!!」

文「私、ちょっと飛んで探しますね」

ジョセフ「おいてめぇ!!逃げるんじゃあねぇぜっ!」

ふわりと浮かんだ文に捕まろうとするが、ジョセフの手は空を切った

200 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:34:45.687 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「ちぎしょー!!俺も飛べたら簡単に探せるのになぁッ!!」

文「……あれれ…いませんね」

ジョセフ「おいおい、人里にいるって言ったのはおめーだぞ」

文「いるかもしれない、って言ったんですよ、あわてん坊さんですね」

ジョセフ「断言したねッ!!おめーは!!」

文「……もしかして、家にいるんでしょうか…あの活発な魔理沙さんが家に引きこもっている、なんて考えにくいですが」

ジョセフ「なぁ、さっさとその魔法の森ってのに行ったらどうだ?」

文「…いいですけど、ジョセフさんが体調崩しますよ?」

ジョセフ「くっそ―――…どうすりゃあいいんだよ…」

文「いいじゃあないですか、とりあえず待ってみて、夜になっても魔理沙さんが人里に来ないようだったら、魔法の森に行きましょう」

ジョセフ「めんどくせぇーな……」

文「ほらほら、そうとわかったら、とりあえず歩きますよ!」

すとん、とジョセフの隣に降りた文が、彼の手を引っ張る
妙に強いその腕力は、ジョセフに反対意見を許させない意志を感じさせた

ジョセフ(お、おいおい……まぁいーか…)

ジョセフ(…外から迷い込んだ、俺以外のヤツの情報も……あるかもしれねぇからな)

201 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:35:09.289 ID:kMyPhLZX0.net
二人のジョジョ 

202 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:35:36.237 ID:kMyPhLZX0.net
文「…ジョセフさんがここに迷い込んだのは、私は理由があると思うんです」

ジョセフ「きゅ…急に何を言い出すんだ?」

文「…ジョセフさんの意志が、あなたをここに導いたんじゃないでしょうか」

ジョセフ「…意志…?」

文「…人は、生きている間に、強い目的を持つ生き物です……その短い生涯の中で、何かをなし得るために」

文「…その強い意志が、あなたという存在が消えてしまっても残ったんじゃないでしょうか、それが…あなたを、ここに迷い込ませた理由なのでは…」

ジョセフ「…」

文「……きっと、まだ何か、あなたはなし得なければならないことが残っているんじゃないでしょうか?だから、それをなし得るために…」

ジョセフ「…俺がやるべきこと、か」

203 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:35:57.560 ID:kMyPhLZX0.net
顎に手を当て、ジョセフは考える

老いた彼には、もはや敵などいなかった

彼の生活というものは、残された短い余生を平和な物にするためのものであった

そんな彼が、何かをなし得なければならなかったのだろうか

ジョセフ(……カーズや…DIOと戦ったように、まだ世界には悪の根が残っていた)

ジョセフ(…承太郎達がそういったものと戦うのを、応援してやるだけじゃあ、俺は不満だったんだな)


ジョセフ(…いいぜ、この世界にもしも悪が存在してるなら、この俺がぶっとばしてやるぜェー!)

204 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:36:23.678 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…情報なんてさぁー、本当にあんのかなー?俺、そういうのねーと思うのよ」

ジョセフが次に泣き言を言ったのは、空の太陽が地の彼方に沈みかけた頃だった

文「…おかしいですねー…魔理沙さんが来ないのはともかく、情報が集まらないのは…」


ジョセフ「…もしかしてさぁ、こっちの方角じゃなくて、反対側に来たんじゃねぇの、その外から来たヤツ」

文「……その発想はなかったですね」

ジョセフ「おいこら!!おめーがこっちだって言ったから信じたのによォォー!!!」

文「わ、私は別にこっちにいるなんて言って…」



グーーーーー




どちらの腹からも、おなかがすいたというサインが聞こえた

205 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:36:58.680 ID:kMyPhLZX0.net
文「…もう、夕方ですね……」

ジョセフ「…なぁ、捜索も大事だけど、人の三大欲求の一つ、食欲を満たすのも重要とは思わない?」

文「…仕方ないですね、どこかで夕食にしましょうか」







ジョセフ(…そういやぁ、和食なんて食べるの久しぶりだよなァー、団子は昨日食べたけどさー)

文「…うーん、やっぱり掛けそばにするべきでしょうか…」

小さな和食屋で、文とジョセフはメニュー表を見ていた

ちなみに、ジョセフは漢字がほとんど読めないため、文にいちいち説明をしてもらわなければならない

206 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:37:31.407 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「なー、これはなんなんだ?」

文「それはきつねそばって読むんですよ…油揚げが乗っているそばです」

ジョセフ「きつねそばって言うのにきつねが入ってねーってのはどーいうことなんだろーなッ」

文「本物のきつねが入ってたら、食べたくないじゃないですか」

ジョセフ「そーお?」

文「私は掛けそばにします、ジョセフさんはどうします?」

ジョセフ「俺はこのきつねそばってのでいーや、きつねが入ってないのが気に入らないけどね、ニヒヒ」

文「すいません、掛けそばときつねそばを一つずつ」

店員に注文を伝えてから、すぐに文が真剣な顔でジョセフに尋ねる

207 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:38:06.789 ID:kMyPhLZX0.net
文「…ジョセフさん、魔理沙さんは恐らく、魔法の森にいます……ここまであの人を見ないとなると、たぶんアリスさんの家にいるんでしょう」

ジョセフ「アリス?魔法の国の住人かぁ?」

文「間違いではないですね…えーっと…魔理沙さんは、人間ですけど魔法使いなんです、そしてアリスさんは魔女なんです」

ジョセフ「な、なぁー…魔法使いと魔女って何が違うの?俺にはさーっぱりわからねぇなー」

文「…まぁ、アリスさんは人間を止めた、と言うか…」

ジョセフ「……なーんか、聞いた覚えのある言葉だな」

文「…ですので、ここで食事を終えたら、魔法の森に行きましょう…」

ジョセフ「ちょーっと待てよ、魔法の森に行ったら俺は死ぬんじゃねーのか?」

文「いえ、たしか、ジョセフさんって波紋の呼吸というのが行えるんですよね?それで、体に与えられる影響を癒し続けることはできないんですか?」

ジョセフ「どーかな……俺も自信ないのよねー、俺の波紋ってそんな長い間修業したわけじゃねーから、達人ってレベルじゃあねえのよ」

208 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:39:24.555 ID:kMyPhLZX0.net
文「……じゃあなんで波紋が得意とか言い出してるんですか…タバコの味を覚えたての中学生ですか」
ジョセフ「そんな自慢してねーってのォ!」

文「とにかくッ!魔理沙さんと知り合うことは、霊夢さんと知り合う事と同じくらいに大切なんです!ジョセフさん、絶対にあなた本人が会わなければなりません!」

ジョセフ「しゃあーねぇな…俺の嫌いな言葉の一つに、苦労ってのがあるんだぜェー…」

文「文句言わないでください…あ、来ましたよ」

テーブルに置かれたきつねそばを見て、ジョセフはしばし固まっていた

ジョセフ「……なぁ、フォークは?」
文「…?フォーク?」

ジョセフ「……スパゲッティーネーロ食う時とかフォーク使うだろォ?それだよそれ」
文「そばをフォークで食べるなんて、ヤンキースの試合にレッドソックスのユニフォーム着て応援に行くのと同じくらい馬鹿な行動ですよ」

ジョセフ「な、なにぃ――!!!てめぇ、今馬鹿って言いやがったなァ!?」

文「いいですか、そばは箸で食べるんですよ」
ジョセフ「箸ぃ?」

文「いいですか、こうやって…」

文が、箸を上手に使い、そばをツルツルと食べていく
その手つきは、箸の扱いに慣れている者だ

文「はい、こうやって…」

ジョセフ「そんなのする必要ないもんねー!波紋!!!」

209 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:39:28.783 ID:vfujo0JWr.net
さるよけ


まださるシステムがあるかは知らんけど

210 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:40:02.845 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフがそばの入った器に触れる

すると、出汁ごとそばの麺が宙に浮かんだ

それは、何かの力に引き寄せられたようにジョセフの口の中へと入っていった

文「な、なんて下品な食べ方…」

ジョセフ「んー!!おいちー!!!!」

文「ジョセフさん、あなた仮にもイギリス人でしょう!?もっと上品な性格に…」

ジョセフ「文、お前って天狗なんだよな」

文「…は、はぁ…?」

ジョセフ「知ってるぜー、天狗ってのは鼻が高くてだせぇ下駄履いて、偉そうな態度取ってるんだろ」

文「そ、それは…」

ジョセフ「『ただのイメージですよ』という」

文「ただのイメージですよ…はっ!」

211 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:40:39.468 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「イギリス人が全員、紳士淑女だと思っちゃダメよーん!第一なぁ、誰もが同じような性格してたら、そこには個性なんて生まれないのよ」

ふふん、と自慢げに話してから、ジョセフはさらにもう一度、波紋を使ってそばを食べる

ジョセフ「んー、にしてもこのそばっての、中々美味しいな……和食って、ヘルシーなだけで味が薄いと思ってたけどよォー、こりゃあ中々に美味ッ!」

文「…はぁ…ジョセフさんって典型的なアメリカ人って感じですよね」

ジョセフ「アメリカでの暮らしが長すぎたんだよ、俺はー」

文「…さ、さっさと食べて魔法の森に向かいましょう」

ジョセフ「おーっと、そうだったな」

212 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:41:05.252 ID:kMyPhLZX0.net
文「…すっかり、日が落ちましたね…」

夜、というにはまだ少し早いのだろうが……幻想郷に、夜が訪れる

街を歩いていた人々の数も、だいぶ少なくなっている

民家から漏れる明かりは、そこで平和な家族団らんが行われていることを告げていた

ジョセフ「……はぁー、こーんな夜中に、女と二人なんてさー、普通はテンションあがるのになァー!!」

文をじーっと見てから、ジョセフがニヤリと笑う

文「…馬鹿なこと言ってないで、早く魔法の森に行きますよ」

ジョセフ「おいおい、ノリ悪いのー」

文「ほらほら、早く」

ジョセフ「しゃあねーなー……」


魔法の森に歩を進める二人


その時刻は、ちょうどアリスが自宅に帰りついた、その時刻だった

213 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:41:41.208 ID:ruQsLeup0.net
まさか承太郎までやってきて時止めの三巴なんてことには……

214 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:42:27.472 ID:UPjV7YYz0.net
承太郎はまだ生きてるのか?

215 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:42:56.459 ID:kMyPhLZX0.net
魔理沙「…アリス、ちょっといいか」

アリスの家でたらふく夕食を食べた魔理沙が、帰る間際にそう言った

アリス「なに?言っておくけど、お土産なんてあげないわよ」

魔理沙「そんなんじゃないから」

アリス「それで?要件はなにかしら」

魔理沙「…ジョジョを一日、借りてもいいか?」

アリス「ジョ、ジョジョを?」

ジョナサン「ぼ、僕を?どうしてだい?」

魔理沙「いやぁ、ジョジョの話って面白そうだろ?それに、その波紋っていうの……中々面白そうだぜ」

アリス「もしかして、その波紋を習得したいからジョジョを貸せ、って言ってるわけじゃあないわよね」

魔理沙「…そんなんじゃない、ただ外の話を聞いてみたいのと…」

ジョナサン「…と…?」

魔理沙「…ちょっと、引っかかったことがあったんだ」

ジョナサン「…引っかかった?」

216 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:44:17.123 ID:kMyPhLZX0.net
魔理沙「ジョジョ、お前……最初に目が覚めた時には、もうこの森で迷ってたんだよな?」

ジョナサン「あ、あぁ…そうだよ」

魔理沙「……私は、人里で…『幻想郷の外からやってきたイギリス人がいる』って話を聞いたんだ」

ジョナサン「!!それは、本当かい!?」

アリス「で、でも待って……ジョジョはこっちに来てから、一度も人里になんて行ってないのよ?」

魔理沙「そう、最初は私は…ジョジョがその噂の人物だと思ってた、だからイギリス人なんだろう、ってことも当てられた…でも、よくよく考えたらありえないことだ」

魔理沙「つまり……最低でももう一人、イギリス人が迷い込んだってことだ」

ジョナサン「ぼ、僕の他に迷い込んだ人がいる…!?」

魔理沙「あぁ、だから明日、私と一緒に人里に行かないか?アリスでもいいんだが……ちょうど私も、人里の方に買い物に行きたいし、ちょうどいいと思ったんだ」

ジョナサン「な、なるほど…」

アリス「そういうことなら構わないわ……ジョジョ、いいかしら」

ジョナサン「もちろん!」

217 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:44:54.542 ID:kMyPhLZX0.net
魔理沙「それじゃ、ジョジョ…私と一緒に来てくれ、今日は私の家で面白い話をしてくれよな!」

ジョナサン「分かった……アリス、昨日と今日はありがとう、この恩は絶対に返すよ」

アリス「恩とか、そんな他人行儀なこと言わないでよ」

ジョナサン「ははは、そうだな」

魔理沙「さ、早く行かないと、そろそろめんどうな妖精どもが騒ぎ出す時間だ」

ジョナサン「それじゃ、また、アリス」

アリス「えぇ、気を付けてね」

アリスと握手をしてから、ジョナサンが魔理沙と外へ出る

空に浮かんだ月を見て、ジョナサンは少しだけ、過去のことを思い出す

ジョナサン(…そういえば、ディオとの戦いは…いつも、夜ばかりだったな)

魔理沙「さぁ、行こうぜ…」

ジョナサン「あぁ」

218 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:45:19.763 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン・ジョースター


ジョセフ・ジョースター




二人のジョジョは



少しずつ、運命の重なりを…その血の繋がりを、体験することとなる

219 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:47:29.674 ID:sN7AOeHA0.net
東方SSなのに荒れてないなんて…

220 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:47:32.408 ID:yrmu2EvNa.net
咲夜がいるという安心感

221 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:47:33.503 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「なぁー、まだその魔理沙ってヤツの家にはつかないのか?」

文「もう少しですよ」

ジョセフ「あぁ、そう……!?」


ジョセフ・ジョースターは、魔理沙の家へ向かっていた

222 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:48:07.605 ID:kMyPhLZX0.net
魔理沙「そろそろ、私の家につく頃だ」

ジョナサン「そうかい……!?」


ジョナサン・ジョースターも、魔理沙の家へ向かっていた


その時、ジョナサンは、ほんの少しだが……


地面から伝わる、波紋を感じたッ!

いや、それはジョナサンだけではなく!ジョセフもだったッ!

223 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:48:25.083 ID:fPSIFEBJ0.net
やっと追いついた
ありがちなクロスオーバーだが面白い

224 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:48:28.134 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン(…ば、馬鹿な…こ、この地面から伝わるビート!か、確実にッ!!)



ジョセフ(こ、これは波紋のビート!!あ、ありえねぇ…!!!)



ジョナサン(この波紋の強さ……偶然生まれたものではない!明らかにッ!波紋使いが、近くにいるッ!)



ジョセフ(驚いた…ッ!スタンド使いが引かれあうようにッ!波紋使いも引かれあうのか…ッ!?)

225 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:48:55.179 ID:kMyPhLZX0.net
魔理沙「お、おい、どうした?」

ジョナサン「…波紋の…波紋のビートを、地面から感じた…!」

魔理沙「は、波紋?」

ジョナサン「…波紋の使い手が、近くにいるんだ…!!」




文「どうしました、ジョセフさん?」

ジョセフ「……波紋の使い手が近くにいるぜ…へへっ!誰かなーん!メッシーナ?ロギンス?リサリサ?ま、まさかシーザーかぁ!?ストレイツォなんかじゃあねーだろーなッ!!」

文を無視して、ジョセフは駆け出した

文「ちょ、ちょっと!?」

226 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:49:15.675 ID:ruQsLeup0.net
ついに……!

227 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:49:20.658 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「…ち、近づいてきている…僕のことに、気づいたようだ…」

魔理沙「…て、敵なのか?」

ジョナサン「いや、僕が知る限り、波紋の道を進む者は、皆心優しいよ…大丈夫、敵じゃあないさ」

魔理沙「そ、そうか…」

228 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:49:57.577 ID:kMyPhLZX0.net
ガサガサ、と魔理沙とジョナサンのいる傍の茂みが音を立てた

ジョナサン(…誰だろうか…ツェペリさんかもしれないな…)



ジョセフ(へ、へへへ…ドキドキしてきたぜ、誰なんだろーなッ!!)

229 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:50:35.579 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「ハァーイ!!!ご機嫌いかがーッ!?」ババァーン!!





ジョナサン「…!?」

ジョセフ「な…なんだァァァー!?」

230 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:51:01.651 ID:kMyPhLZX0.net
魔理沙「ジョ…ジョジョが二人…!?」

ジョセフ「…な…なにィ……!?ジョ、ジョジョだってー!?」



文「ジョセフさん、一体…お、おや?魔理沙さん……!?そ、そっちの男性は誰ですかッ!?」


魔理沙「あ、文ッ!?そ、そっちの男こそ誰だ!?ジョジョそっくりだ…!!」

文「ジョジョ…ジョジョですって!?」

231 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:51:34.847 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「…き……君は……?」

ジョセフ「う、嘘だろ…!ま、まさに!ドッペルゲンガーに会った人間ってのは、こんなショックに襲われるんだろーな…!!」

ジョナサン「し、信じられない…僕にそっくりだ…!!」

ジョセフ「!お、おいアンタ!!アンタ、さっきジョジョって……」

ジョナサン「あ、あぁ…僕のニックネームだけど…」

ジョセフ「は…波紋使いで……ジョジョだって…?」

ジョセフの脳裏に…ある、一人の男の名前が浮かぶ

232 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:51:49.576 ID:kMyPhLZX0.net
彼自身は、一度も会ったことがない

エリナおばあちゃんから、話で聞いただけの知識しかない


そして、一度でいいから、会ってみたかったと思っていた…

233 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:52:12.134 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「アンタ…な、名前は…?」

ジョナサン「ぼ、僕の名前は…」







ジョナサン「ジョナサン・ジョースター」

234 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:52:41.434 ID:kMyPhLZX0.net
文「…ジョースター…!?」

魔理沙「…あ、文?何をそんなに驚いて…」

ジョセフ「ジョナサン・ジョースター……」

ジョナサン「そ、そういう君の名は?僕にそっくりだ…波紋使いだなんて…」

ジョセフ「お、俺の名は…ジョセフ…ジョセフ・ジョースター…」

ジョナサン「ジョースター!?」

ジョセフ「お、俺の…俺のおばあちゃんの名前は……エリナ……」

ジョナサン「エリナ…だって……?」

魔理沙「ど、どういうことだ?エリナってのは、ジョジョの奥さんの名前じゃあ…!!!!」

文「そ、それじゃあ、まさか…?」

235 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:53:00.843 ID:UPjV7YYz0.net
C

236 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:53:17.727 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…ジョナサン…おじいちゃん……ってことかァー!!!???」

ジョナサン「し、信じられないッ!き、君は僕の…孫なのか!?」

ジョセフ「す、すげ――――!に、にわかには信じられねぇッ!!だ、だが死んだ人間が幻想郷に迷い込むっていうのならわかるッ!おじいちゃんがここにいても…何の不思議もないッ!森を隠すなら森の中…ふ、不思議を隠すなら夢の中ッ!」

ジョナサン「ほ、本当にエリナの…僕の孫なのかッ!?ということは、エリナは…エリナは無事だったんだね……?」

ジョセフ「あ、あぁ!!おじいちゃん!!アンタが守ってくれたんだ!!おばあちゃんは、おばあちゃんは俺の成長を見守ってくれたぜーッ!!」

237 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:53:56.412 ID:kMyPhLZX0.net
魔理沙宅






魔理沙「…とりあえず、私は紅茶を淹れてくるから」

文「お構いなく」

ジョセフ「お、驚いた……本当にジョナサンおじいちゃんなの?」

ジョナサン「あぁ、君こそ…本当に僕にそっくりだ…」

ジョセフ「うっひょー!!すっげぇ!!エリナおばあちゃんから話は聞いてたけど…」

ジョナサン「!!そ、そうだ…君は、いくつで亡くなったんだい…?」

ジョセフ「俺ぇ?俺は、90超えてたけど…」

ジョナサン「そうか……よかったよ」

ジョセフの顔を見ながら、ジョナサンはそっと微笑んだ

238 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:54:23.095 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「あー!笑った顔は、エリナおばあちゃんとそっくりだ!」

ジョナサン「そうかい?エリナも、一人で大変だっただろうな…」

ジョセフ「でも、エリナおばあちゃんは生涯独身を貫いたぜ…きっとおじいちゃんのことを、愛し続けたんだろうな」

ジョナサン「そうか……」

ジョセフ「あと、スピードワゴンのじいさんも、長生きしたぜ」

ジョナサン「!スピードワゴン!!彼も…そうか、よかった…」

ジョセフ(…DIOのことは……おじいちゃんに言うわけにはいかないな…この人は、命を懸けて、DIOと戦ったんだ…)

ジョセフ(…DIOに、あろうことかその肉体を奪われていたなんて、言えるわけがねぇ…)

239 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:55:36.747 ID:ruQsLeup0.net
ご先祖〜!!
子孫〜!!
って下りをやりたくなるな

240 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 15:57:31.317 ID:kMyPhLZX0.net
文「…あの、ジョナサン…さんは、ジョセフさんのおじいさんなんですよね」

ジョナサン「あぁ、そうだよ……君は?」

文「自己紹介が遅れましたッ!私は、愛と正義の文々丸新聞の記者、射命丸文と申します!」

ジョナサン「文、か…よろしく、気軽にジョジョって呼んでくれていいよ」

文「で、でもそれだとジョセフさんと被りますので…」

ジョナサン「あぁ、それもそうだね……ふふふ」

ジョセフ「おじいちゃんも、ジョジョって呼ばれてたんだよなーッ、なんかこう、偶然を感じるよねー!」

ジョナサン「…ジョセフ……君、エリナからそんな言葉遣いを習ったのかい?」

ジョセフ「げっ…!?お、おじいちゃん!俺の言葉遣いは、アメリカで長年暮らしたからこうなったんだ!俺の口調にダメ出しするのは、アメリカ人を否定することになるぜェー!」

ジョナサン「それもそうだね……いや、でも礼儀くらいはしっかりするべきだよ」

ジョセフ「オーノーッ!エリナおばあちゃんが作法に厳しかった理由がわかるよーん!!!」

241 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:00:16.070 ID:oKUjEf530.net
追いついた
これは支援

242 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:01:31.471 ID:AyRQSEZE0.net
言えないだけ?筆談はあり?

243 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:02:37.632 ID:kMyPhLZX0.net
魔理沙「おーいジョジョ、ジョジョはアッサム飲めるかー?」

ジョナサン「あぁ、悪いね…ありがとう」

魔理沙「どういたしまして、文とジョセフも飲むか?」

文「これはこれは、ありがとうございます」

ジョセフ「サンキュー」

ジョナサン「……ジョセフ、一つ尋ねてもいいかい?」

ジョセフ「んー?なんだい、おじいちゃん」

ジョナサン「…波紋を身に着けた、というのは…何かあったからなのかい?」

ジョセフ(!!!おじいちゃんに、そんな話をするわけにはいかねぇよなぁ…カーズ達との戦いも、DIOとの戦いも…)

ジョセフ(…おじいちゃんは、きっと俺やエリナおばあちゃんが、そんなことに巻き込まれるのを嫌がっていたはずだ)

ジョセフ「いや、生まれた頃から不思議とできてさァー」

文「え、でも…」

ジョセフ「…」

文(!!なるほど…)

244 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:02:56.613 ID:2OJbSyMIr.net
>>242
http://viper.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1437461809/

245 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:03:09.027 ID:kMyPhLZX0.net
魔理沙「へぇ、それじゃあ、ジョジョよりも才能はあるってわけだ」

ジョセフ「でも、おじいちゃんはすげーんだよなッ!吸血鬼を倒したんだ、ってスピードワゴンのじいさんから聞いたぜ」

ジョナサン「…あれは、僕だけでなしえたことじゃあないさ、味方の…未来の希望があったからだ」

文(…ジョセフさんとは、全く逆の性格ですね)

魔理沙(…人間の出来たヤツだぜ)

ジョナサン「…でもよかったよ、幻想郷に来て…まさか、孫と出会うなんて思わなかったな」

ジョセフ「俺もだ、まさかおじいちゃんに会えるなんて思わなかった…ッ!」

ジョナサン「ジョセフ、君はもうどこかにお世話になっているのかい?」

ジョセフ「あぁ、紅魔館ってところで世話になってるよ」

魔理沙「紅魔館か……何の因果だろうな、そこのご主人様は吸血鬼なんだ」

ジョナサン「きゅ、吸血鬼!?」

文「大丈夫ですよ、悪人ではないですから」

ジョナサン「そ、そうか……よかったよ」

246 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:03:55.900 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「おじいちゃんこそ、どっかでお世話になってるのか?」

ジョナサン「あぁ、アリスという子のお世話になってるよ」

文「アリスさんですか、これまた意外な…」

ジョナサン「……この幻想郷は、優しい人が多いね…困った僕に、手を差し伸べてくれる」

文「ジョナサンさんの人柄のなし得ることじゃあないですか?」

魔理沙「そうそう、優しいヤツには、優しいヤツが引かれるんだぜ」

ジョセフ「ちょーっと待ったぁ!まるで俺が優しくねぇみたいに聞こえるなぁー!」

文「いえいえ、ジョセフさんにはジョセフさんの良さがありますよー」

ジョセフ「おめー!!棒読みは許さねーぞ!!」

ジョナサン「ジョセフ、女性にそういう口のきき方はよくないな」

ジョセフ「げ、げげー……」

魔理沙「ははは!!!顔はそっくりだけど、性格はまるで正反対だな!!!」

ケラケラ、と笑う魔理沙につられて、他の三人も苦笑する

ジョナサンとジョセフ

二人の初めて出会ったジョジョは……まるで、今までの空白の時間などなかったように、当たり前のように、接していた

247 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:08:46.265 ID:gQ1vq/cT0.net
支援

248 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:09:18.630 ID:fPSIFEBJ0.net
支援

249 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:10:10.531 ID:ogTwx8NT0.net
ついに繋がったか〜
だけどこのままじゃ世界を持ってるディオにはな…w
どうなるか楽しみ

250 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:10:41.463 ID:AyRQSEZE0.net
>>244
あ、はい

251 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:10:43.746 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「さてと…遅くなったら紅魔館に迷惑がかかるし、そろそろ俺は帰るか」

文「そうですね、もう遅いですし…」

ジョナサン「そうかい?じゃあ、また…」

ジョセフ「おじいちゃん、俺に会いたくなったら紅魔館ってところに来てくれよな、いつでも待ってるぜッ!」

ジョナサン「あぁ、それじゃあ、お休み」

文「魔理沙さん、失礼しました」

魔理沙「気を付けてな」

扉を開けたジョセフに、もう一度ジョナサンは声をかけた

ジョナサン「それじゃあ、ジョセフ、また」

ジョセフ「あぁ、また!」

252 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:11:19.168 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「いやー、幻想郷に来たときはさぁー!こう、なんていうかそれがいいことなのか悪いことなのか分からなかったんだけどよー!」

ジョセフ「でも、おじいちゃんに会えるなんて思わなかったぜ!こりゃあ、いいことに違いないよなぁ!!」


夜道を歩く間、ジョセフはずっとハイテンションであった

無理もない、初めて、ジョナサンに会うことができたのだ

文「でも、ジョセフさんのおじいさん、素敵な人でしたね…若い年齢ですから、おじいさんというのもあれですが」

ジョセフ「だろー?だから俺もこんなにかっこいーんだろーなッ!」

文「…」

ジョセフ「あれ?なんだよ、否定しねーのォ?なんか調子狂うな…」

文(…昨日団子屋で私を庇ってくれた時に見た、その正義感は…きっと、ジョースターの一族に代々存在しているものなんでしょうね)

253 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:11:45.759 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「おい、何黙ってんだよ」

文「いえ、もう暗いですね…こんなに暗いと、妖精の一人や二人に会いそうで怖いですねー」

ジョセフ「おいおい、そんなことより、夜道で怖いのは男だぜー!!夜には、男は野獣に変わるんだァー!!!」

文「ちょ、ちょっと…」



がばぁっ!!と飛びかかるふりをしたジョセフは、ピクリと体を止めた

文「?どうしました?」

ジョセフ「…今……何か音が聞こえた」

文「え…?そうですか?聞こえませんでしたけど…」

ジョセフ「…いや、お前に聞こえなかったんなら、気のせいなんだろうな…気にするな」

文「は、はぁ…」

ジョセフ(…おかしい……な、何か聞こえた気がしたが…いや、おじいちゃんに会えた興奮で、ちょっとおかしくなっちまったか)

ジョセフ(ま、無理もねーよな…あー、なんていうか、遠足を明日に迎えた夜の子供って感じの気分だぜッ!)

文(…ジョセフさん、本当にうれしそうですね…ふふ)

254 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:12:16.015 ID:2OJbSyMIr.net
>>250
あ、どうも

255 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:12:54.658 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフと文は、紅魔館の近くで別れた

門番の美鈴は相変わらず寝ていたが、それももう慣れてしまった


紅魔館の中で、咲夜がジョセフのことを待っていたのは意外だった

咲夜に…レミリアに、パチュリーに、自分の祖父に会えたことを伝えると、三人は興味津々で話を聞いた

ジョセフは、すでにこの幻想郷に馴染んでいた

だからこそ、彼はこの場所を、愛おしく感じるのだ












ジョナサン・ジョースターとジョセフ・ジョースターは運命によって巡り会った



それが、動き始めた運命の、序章に過ぎないとも知らない

256 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:13:14.737 ID:6vvdgAR10.net
追いついた支援
ンッン〜、死んだら幻想郷送りか…
ジョセフの曾孫(ぼそ

257 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:14:41.443 ID:AyRQSEZE0.net
>>254
これはこれは

258 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:15:10.539 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「……ん…」

目を覚ましたジョセフの目に飛び込んできたのは、やはり美しいインテリアだった

しかし、もうそれに疑問を感じることもない

ジョセフ(あー……結局、おじいちゃんと会えた興奮も関係なしにジョセフちゃんはぐーっすり寝ましたよーん)

コキコキ、と首を鳴らすと、勢いよくベッドから飛び上がる

ジョセフ「さーって、今日は何をすっかなぁ…」



トントン、とドアがノックされる

恐らく咲夜なのだろうな、と予想をつけた

259 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:15:50.638 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「おはよう、起きてたのね」

ジョセフ「やっぱりおめーだったか」


咲夜「あら、もしかして…もう私のノックの音がわかるようになったの?」

ジョセフ「ノックの回数と、音の大きさだ」

咲夜「?」

ジョセフ「普通、人間はノックの回数や音の大きさなんて、その時によってまちまちだ、なのに今さっきのノックは、回数も音の大きさも、昨日の物と同じだった」

ジョセフ「それを考えると簡単なことだ、恐らくその人物はノックをいつもやるようなヤツで…しかも、適当な性格ではなく、正確にノックの回数と音の大きさを決めている」

ジョセフ「館の中でそれを行う必要があるのは、たった一人…お前だけだ、レミリアやパチュリーなら、ノックを無意識のうちに規則正しくする、なんて習慣は持ってないはずだからな」

咲夜「な、なるほどね…」

驚いたような顔の咲夜が、ふとポケットの上からぽんぽん、と手をたたいた

ジョセフ「懐中時計なら、たぶんキッチンに置きっぱなしだぜ」

咲夜「!?」

260 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:16:08.631 ID:ZTkJsr320.net
承太郎とジョリーンはいないか

261 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:16:31.513 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「なんでって顔してるから教えてやるけどよー、お前、さっきまで料理してたんじゃーねのか?エプロンをつけただろ、少し水がメイド服にかかったみたいだが、おかしな切れ目がついてる…」

ジョセフ「胸の上あたりからだけが濡れてるってことは、そこから下を何かで覆っていたってことだ」

ジョセフ「もう一つ、今お前はミトンを着けたままだ…袖には菓子の生地みたいなのがついてる…おめー、紅茶の受け菓子としてクッキー作ってたんだろ…」

ジョセフ「クッキーを作る時は、時間を測る回数が非常に多い……時計を使用するのは当たり前だが、紅魔館の中にはあんまり時計がねぇ」

ジョセフ「だからさ、きっとお前は懐中時計をキッチンの上に置いて作業していたはずだ」

ジョセフ「ここに来るってことは、クッキーを焼きあげるところまでは作業が終わったはずだ、あとは焼けるのを待つだけ」

ジョセフ「お前は事前に、紅魔館の住人全員を起こし終えていた…だが、ふと俺の存在を忘れていたことを思い出した」

ジョセフ「だから慌ててここに来たんだ、お前みたいな性格のヤツがミトンを忘れたまま人を起こしに来るなんて思えはしない」

ジョセフ「慌てて…しかも、ミトンを手に着けたままじゃあポケットの中に懐中時計を入れることはできない、たぶんキッチンに置きっぱなしだと思ったのさ」

咲夜「せ、正解よ……」

262 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:17:25.241 ID:kWbqQa/1p.net
ジョルノジョバーナとDIOの出会いも見たかったけどそしたらDIO側強くなりすぎるな。

263 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:17:45.910 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「慌てて…しかも、ミトンを手に着けたままじゃあポケットの中に懐中時計を入れることはできない、たぶんキッチンに置きっぱなしだと思ったのさ」

咲夜「せ、正解よ……」

ジョセフ「急いでキッチンに行ったほうがいいんじゃねーのか?まだだとは思うけど、焼きあがるかもしれねーからな」

咲夜「……あ、あなたって…敵に回すと絶対に恐ろしい相手ね…」

ジョセフ「ふっふーん、それは俺の頭脳を認めたってことでいーんだな!?」

咲夜「…とりあえず、早くそのパジャマを着替えて朝食にしなさい、おじいさんに会えたことでテンションが上がってるのはわかるけど、紅魔館の生活は規則正しくよ」

ジョセフ「初めて聞いたんだけどよー」

咲夜「それじゃ、早くしなさい」

バタン、と乱暴にドアを閉めた咲夜に、ジョセフは舌を出していた

ジョセフ(なんだよー、なーんか感じ悪いよなー……)

ジョセフ(ま、仕方ないか……お世話になってるわりに、まだ何も恩返しできてねえもんな…)

ジョセフ(よし決めた、今日くらいは買い出しに付き合ってやるか!!)

264 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:18:02.510 ID:QEKgqAi90.net
読みやすくていいな
C

265 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:18:02.855 ID:kMyPhLZX0.net
幻想郷の平和な日々  

266 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:18:27.668 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「おいーっす……あれ、みなさんもうお食事は終わっちゃったのー?」

レミリア「あらジョジョ、今日は遅かったじゃない」

パチュリー「昨日おじいさんに会えたから、テンションが上がって寝られなかったんじゃないの?」 

ジョセフ「半分当たりで半分は間違いだぜ、パチュリー」

パチュリー「それは残念ね」

ジョセフ「おー、今日の朝飯はクロワッサンとメープルシロップぅ?おっしゃれだなー」

咲夜「…あなたには、少し物足りないかもしれないわね」

ジョセフ「ん?あ、あぁ…でもさすがに居させてもらってる身分だしさー、そこには文句はないぜ」

咲夜「…ほら、おにぎり」

ジョセフ「え?」

咲夜が差し出したのは、綺麗に三角にされたおにぎりだった

ジョセフは、おにぎりというのはあまり食べたことがないが、米は好きである

267 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:18:55.198 ID:/K+n/Egcr.net
おもろい

268 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:19:26.106 ID:ZTkJsr320.net
>>262
ジョルノはDIOの味方に付くだろうか

269 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:19:27.905 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「も、もしかして俺のためにわざわざ作ってくれたのか?」

咲夜「さすがにパンだけじゃ、あなたのおなかは膨れないでしょ?肉を朝から食べさせるのは、ちょっとあれかと思って」

レミリア「へぇ…咲夜ったら、ずいぶんジョジョに優しいわね」

パチュリー「そうね、もう美鈴以上には優しくしてあげてるみたい」

咲夜「……一応、客人ですから」

ジョセフ「ありがとよーッ!いやぁ、正直おなかすいてすいてしょうがなかったんだよなァー!」

咲夜「やっぱりね…その代わり、ちょっと手伝ってほしいことがあるのよ」

ジョセフ「お、ちょーどいいことに、俺も今日はお前の手伝いしようかなって思ってたところなのよー」

咲夜「ならよかった……買い出しに行って、それとパチュリー様の部屋の本を片づけたいんだけど」

パチュリー「あら、私の本は全部必要なものなのよ」

咲夜「でも乱雑すぎるじゃない」

パチュリー「…まぁ、どの本がどこにあるのかわかるなら構わないわ」

ジョセフ「俺って整理整頓とかニガテなんだよなー…」

咲夜「とりあえず、買い出しが最初よ……結構買い込むから、あなたに荷物持ちをしてほしいのよ」

ジョセフ「はいはーい、わっかりましたよーん」

270 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:20:37.472 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ(…しかし、ここは平和だな…人生が波乱万丈だった俺にとっては、こいつぁ新鮮だな)

ジョセフ(…案外、ここでの暮らしも悪くないかなーなんて思ってもみたりして)

ジョセフ(ま、これも何かの縁だし、ここのヤツらとは長い付き合いになりそうだから、仲よくしねぇとなぁ)



咲夜「ジョジョ、もうそろそろ行ってもいいかしら」

ジョセフ「あぁ、かまわねーぜ」

271 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:21:19.474 ID:kMyPhLZX0.net
まぶしい朝日に、ジョセフはつい目を細めた

アメリカの、高層ビルの立ち並ぶ風景では、こんなに美しい朝日を見ることは出来ない

ジョセフ「…いいなぁ、こういうのさー、俺憧れてたんだよ、なーんかゴッドファーザーの田舎っぽくて、いいよなァー」

咲夜「そう、あなたが過ごしてた場所は、どんな場所だったの?」

ジョセフ「ビルが立ち並んでさぁ…人間が、巣に拾った砂糖を運ぶ蟻みたいに右往左往してんのよ」

咲夜「そう……たしかに、それは息がつまりそうね」

ジョセフ「あぁ、だからこういうのって俺は好きなんだよなァー」

咲夜「……人間は、結局は自然の一部だということよ」

ジョセフ「そうだな、人間だけが特別な世界に進んだわけじゃあねぇ」

咲夜「…それにしても、今日は本当にいい天気……これじゃ、お嬢様はお散歩はできないわね」

ジョセフ「なんだ、レミリアって散歩趣味なのか?」

咲夜「趣味ってほどじゃないけど、でもたまにしてるわよ」

ジョセフ「へえ、やっぱお嬢様ってのはそーいうのが好きなんだなー」

咲夜「さぁ、何を考えてるかたまに分からないわ」

そんなたわいのない会話を交わしながら、二人は陽に照らされた道を歩く
相変わらず、すれ違う者はいない

272 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:22:00.320 ID:kMyPhLZX0.net
ありえないことだが……この世界に、咲夜とジョセフの二人しかいないようにさえ感じさせる

それほどまでに、人里への道中は誰ともすれ違わない

ジョセフ「……なぁ、お前って時間止められるんだろ――?時止めて、俺を人里まで運んでくれたらうれしーな、なんて」

咲夜「いやよ、能力の無駄遣いだし、第一私には何の得もないわよ」

ジョセフ「なんだよーッ!いいじゃんか、ケチー!」

咲夜「……ねぇ、ジョジョ」

ジョセフ「なんだよ、もしかしてやっぱりやってくれる?」

咲夜「違うわよ…あなた、私が時を止められるってことに関して、本当に何の恐怖も感じないの?」

ジョセフ「だってさー、おめー時を止めても別に悪事を働くわけじゃあないんだろ?お前がレミリアみてぇな化け物じみた力を持っていて、なおかつそれを悪に利用するって言うなら俺は全力で止めるけどな」

ジョセフ「その時を止めるっていう、場合によっては相手を殺せる能力を、自分の大切な人のために使うなんて、おめーはなんだかんだ優しいんだろ」

ジョセフ「だから、俺は咲夜、おめーを怖いなんて思うことはない」

ジョセフ「ステキだと思うな、俺は」

咲夜「…」

273 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:22:43.144 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「そうやって、表面上は俺に冷たい態度をとってるけど、本当はおめー、すごく優しいヤツだしな」

咲夜「何を根拠にそんなことを?」

ジョセフ「さっき、お前は自分の能力を怖がらないのか、ときいた…それも、人間がこんな能力を持っていることを、と」

ジョセフ「きっと、過去にそれが原因でしいたげられたことがあったんだろ」

咲夜「…よくわかるわね、あなたそういうのが活かせる職業にでも就いたら?」

ジョセフ「でもな、安心しな……俺だって、スタンドを身に着けている、お前のその能力のことで、お前をどうこう言うつもりはねぇからな」

当たり前のようにそんなことを言うが、それは咲夜からしたら驚くべきことだった

霊夢や魔理沙のような、ごく一部の人間以外は咲夜のことを「悪魔の子」のように扱っている

もちろん、お得意の店の店員などは、彼女がそんな人間ではないことを知っている

知ってはいるが、他の人の陰口を咎めるようなこともしない

あくまで咲夜に危機を感じていないだけで、わざわざ庇おうと思うほどの対象でもないのだ

咲夜「…あなたが……この幻想郷で、すんなりと受け入れられた理由がなんとなくわかったわ」

274 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:24:12.230 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「おれが?なんで?」

咲夜「あ、そろそろ人里に着くわね…ちゃんと荷物運びしてよね」

ジョセフ「お、おい!!ちょっと、聞いてるの!?咲夜ちゃーん!!」

275 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:24:15.705 ID:6vvdgAR10.net
>>268
DIOのセガレとは言われてるけど、首から下はジョナサンだしなー
そもそも運命論で速攻で袂分けそう

276 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:24:42.829 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「しっかし、ここの人里はのどかで静かだよなァ」

咲夜「えぇ、大した騒ぎもない、平和な地区よ」

すれ違う人々は、おそらく咲夜がやってくることにもう慣れているのだろう

大した素振りも見せず、軽く会釈をしている

ただし、注目の的になっているのはジョセフのほうだった

かなり大柄の男……それが、紅魔館のメイドと共に歩いているのだ

紅魔館に捕まったのか、それとも新しい執事なのか…

そんなヒソヒソとした話し声が辺りから聞こえてくる

咲夜(…ジョジョが目立つのは無理もないわね、この状況では明らかに一人異質…)

277 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:25:23.671 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「てめーっ!!今おれのほうを見てなんか言ってやがったなー!!」

「ひ、ひぃぃっ!?」


咲夜「ジョ、ジョジョ、何を!?」

ジョセフ「いやー、この男がおれのほうを見て、他のヤツらとヒソヒソ話してやがったのさ!ヒソヒソ声で話すのは、金の話と女の話と、相手の陰口だけなんだぜー!」

「ち、違う!アンタ、ちょっと珍しい人だなって思って…」

ジョセフ「てめーの考えなんて知るか!おれはサーカスのライオンじゃあねーんだッ!おれの話がしたいなら、堂々と!大声で言ってみろッ!選挙の演説みてーにな!!」

咲夜「ジョジョ、やめなさい!」

ジョセフ「いーや、俺は許さないね!!こいつがなんて言ったのか聞こえたぞ!!俺の首の痣のことを笑ってやがったな!!」ゴゴゴゴ

「め、珍しかったから話してただけで・・・」

ジョセフ「うるせーぜッ!この痣はなぁ 俺の血筋の証なんだ!!おめーらに笑われるような、軽々しいモンじゃあねーんだよ!!!」

咲夜(仕方ないわね…)



咲夜(「プライベート・スクウェア」……時間よ動きを止めろ)

278 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:25:53.493 ID:kMyPhLZX0.net
ド―――――――――ン





咲夜「はぁ…手の焼ける男ね…」

ジョセフの手を、男の胸倉から離す

ため息をついてから、咲夜はまずジョセフに平手打ちを食らわす

そして、時を動かす前にジョセフの痣を笑った男のすねを思いっきり蹴ったッ!


咲夜(…でもね、ジョジョを馬鹿にすることは、この十六夜咲夜が許さないわよ)

なんでこんなにもジョジョのために行動したいのか、と一瞬思ってしまう

だがしかし、きっとそれが「ジョジョ」なのだろう

彼の魅力が、咲夜さえも魅了しているのだろう

それは異性としての魅力ではなく、「人として」の魅力



咲夜「時よ動き出せ」

279 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:26:27.958 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「はっ…!?イデーッ!!!」



「えっ!?ぐわぁぁ!!」



ジョセフ「て、てめぇ……!!!」

咲夜「…ジョジョ、自分の血筋の誇りを笑われたことに怒るのは当たり前よ、でもだからって、力で相手を黙らせるようなことは感心できないわね」

ジョセフ「おめーだって今……」


そこまで言って、ジョセフは言葉を止める

ここの人々に、「今咲夜が時間を止めた」ということが知られてもいいのだろうか

一瞬の出来事で、人々は何が起きたのか、理解していない

ジョセフ「……咲夜、さっさと買い物に行こうぜ」

咲夜「よくわかってるじゃない、行きましょう」

咲夜にすねを蹴られて呻いている男を尻目に、二人は食材を売っている店へと向かった

280 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:27:48.618 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(!!!まただ……)

DIOは、人里を歩いていた

今、歩いているのは彼だけである

なぜか?彼しかいないから?違う




彼以外が、動いていないのだ




DIO(…止まった…時の中の風景だ)

すぐさま、人々は再び動き始める

まるで何事もなかったかのように…実際、彼らは止まった時の中を見ることさえできない

そのため、彼らの時間にとっては本当に、「何もなかった」のだ

DIO(……誰かが時間を止めた…)

281 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:28:20.501 ID:kMyPhLZX0.net
DIOは眉をひそめていた

この時間を止める、という能力はDIOの…いや、世界の頂点に立つ男の最終兵器ともいえる

その最終兵器を、誰か他の者が使用できるのだ

DIO(……気にくわんな…フン…止まった時の中はこのDIO一人だけで十分なのだ…)

DIO(侵入者など許可されていない……)

ズカズカと歩く彼の肩に、誰かがぶつかった

どうやらただの通行人のようで、横から怒鳴り声を発している


「おいてめぇ!!どこに目つけて歩いてやがる!!それとも目ン玉腐ってんのかー!?あぁ!?」

DIO「…」

「聞いてんのかよ!!目だけじゃなくて、耳も腐ってやがるなてめーっ!!!」

DIO「……うるさいぞ」

「…え?」

DIO「うるさい、と言ったのだ…貴様、脳みそが腐っているのか?」

282 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:28:34.905 ID:VW61XHFq0.net
おいついた
支援

283 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:28:55.030 ID:kMyPhLZX0.net
一瞬だけ…DIOは、その男を睨み付ける

それだけだった、狐に追われるウサギが必死になるように……その男は、本能の言うがままに、それ以上の罵倒を止めた

もしもこれ以上罵倒したのなら、自分は死ぬ

確実にッ!!!

DIO「…フッフッフッフ……いいだろう…承太郎には少々油断して遅れをとったが、今の私はもう、あの時の私ではない…」

DIO「自分自身の肉体……あふれるパワーを感じる…」

DIO「…ククク」

不気味な笑みを浮かべるDIOを見て、通行人たちはそっと道を開けた



DIOの通る道は、彼一人だけなのだ

284 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:29:29.883 ID:dAJRhIxRp.net
出先だけど支援

285 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:29:41.707 ID:KsrMmbBn0.net
おもしろい

286 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:30:06.665 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…へーっ!!こ、これってもしかして…」

食材を買い終え、次に咲夜がやってきたのは香霖堂だった

霖之助「……咲夜、彼は?」
咲夜「ジョジョよ……外からやってきたお客さん」

霖之助、という店主のことなど気にも留めず、ジョセフは珍しい商品ばかりをじっと見ていた

ジョセフ「こ、これってやっぱあれだよな?夜中に元気を出すための…うひょーっ!」
咲夜「ちょっと、ジョジョ……何見てるのよ」

ジョセフ「こ、こっちはまたまたなんだー?見たことねぇな…」
霖之助「それは護符だよ…自分自身を呪いから守るためのね」

ジョセフ「護符?なんだそれ」
霖之助「そうだな、外の世界であるドリームキャッチャーみたいなものだと思ってくれ、厄除けだよ」

ジョセフ「こんな形のが!?ただの紙切れだぜ、どう見ても…」

咲夜「…そこに霊力が籠められていれば、護符になるのよ」

ジョセフ「ズパゲッティネーロも見た目はあれだけど中身は最高だし…そーいうもんかなー」
咲夜「…そんなに珍しい?」

ジョセフ「あぁ、外の店には、なんていうか便利なだけのもんばっかでさー、こう、興味を引き付けるようなもんがないんだよなーッ!」

霖之助「ここには、僕の気に入った商品だけが置いてあるからね」

ジョセフ「へーっ そりゃいい考えだなー」

287 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:30:15.079 ID:fPSIFEBJ0.net
面白い支援

288 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:31:33.880 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「…霖之助さん、例の品物は届いてる?」
霖之助「あぁ、ばっちり」

ジョセフ「なんか注文してたのか?」
咲夜「えぇ、ちょっとね」

霖之助「あったあった、これだよ」

霖之助が取り出したのは、古臭い紙の箱だった
カビの匂いがしそうな…と言えば分るだろうか、とにかく古い箱だ

ジョセフ「げーっ……咲夜、そんなの買ってなんの意味があるんだよ…」
咲夜「重要なのは、この中身よ」

ジョセフ「中身?」
霖之助「ここには、古い本が入っているのさ……パチュリーがほしがっているんだよね」

咲夜「えぇ、魔法書の数を増やしたいらしくて…」
ジョセフ「あ、あんなに本があるのにか?コレクターってのはこれだから分からないよなぁ…」

咲夜「はい、代金」

霖之助「毎度」

咲夜「ほらジョジョ、いつまでもここには居られないわよ」
ジョセフ「あ、あぁ…分かってるよ」

面白い商品を置いている「香霖堂」を後にするのは、ジョセフにとってはつまらないことだった

だが咲夜に何かお返しをしてやろう、と考えていたので我慢して歩を進めた

289 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:32:02.215 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「なーっ、いつになったら買い出しは終わるんだよ……」


太陽が空の真上を通るころ

ジョセフは、親の無駄話に飽きた子供のような声を出していた

咲夜「あと一か所、紅茶を買ったらおしまいよ」

ジョセフ「あーそうかい……」

咲夜「すぐそこだから、我慢して頂戴」

ジョセフ「…」

紅茶になんて興味のないジョセフは、いやいやといった感じで歩いていく

ジョセフ(ちぇーっ、咲夜っていいヤツだけど、なーんかとっつきにくいよなぁ)

咲夜「…?どうしたの、ジョジョ」

ジョセフ「おめーってさ、男と付き合ったことねーだろッ」

咲夜「!……それが、どうしたのよ」

290 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:33:05.698 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「!……それが、どうしたのよ」

ジョセフ「おめー、俺と同世代だろ?もったいないぜ、恋愛ってのは人間を…」

咲夜「ジョジョ、あなたが恋愛を語るのは結構だけど、私にはあんまり意味のないことよ」
ジョセフ「なんでだよ」

咲夜「お嬢様も言ってたでしょ?私には、そもそも男性と接する機会さえほとんどないんだから」
ジョセフ「そーいやそーだったねー 悲しー」

咲夜「…」
ジョセフ「あ、べつに男と付き合ったことないからって馬鹿にしてんじゃあねーぜッ!女の生き方だって、自由だからなァー」

咲夜「あなたって、面白いわね」

ジョセフ「…はぁ?」

咲夜「ここで待ってて、そこが店だから、私だけ行けばいいし…日陰で休んでなさい」

ジョセフ「おーっ!気が利くねーっ!!」

待ってましたと言わんばかりに、ジョセフは日陰で休憩する

ジョセフ(うーん、この時折吹く風が頬を撫でる感覚がたまらないねぇ…)

ジョセフ(…のどかだなぁ……)



??「あら、初めて見る顔ですね」

291 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:33:35.595 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「はぁ……平和だなー!」


??「……聞いてますか?」

ジョセフ「え?おれ?俺に話しかけてたの?」

??「えぇ、この辺りでは見かけない人間ですけど、お買い物ですか?」

ジョセフ「あぁ、ちょっとそういうわけじゃなくてさぁー」

ジョセフが、話しかけてきた相手をじろじろと眺める

頭の上に乗せた、不思議な形の帽子

美しい、銀色の長髪

少し変わった服装だ…いや、それはこの幻想郷で出会った全ての者に共通している

ジョセフ「…外から迷い込んで来ちゃったんだよねー」

??「!!幻想郷の外からか!?め、珍しいですね……」

ジョセフ「それで、しばらくここで暮らすことに…」

292 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:34:03.213 ID:kMyPhLZX0.net
??「暮らす?これまた珍しい……普通、元の世界に帰ろうと必死になるはずだと思うのですが」

ジョセフ「いやぁ、きっと俺、自然死だったしさぁー、そういうヤツは、戻るべきじゃあないと思うのよ」

??「なるほど……それは、ある種の哲学のような物ですね」

ジョセフ「哲学になるのかな……」

そこまで話して、ジョセフは少しばかり驚いた

ここ幻想郷には、一癖二癖ある者ばかりが住んでいると思っていた

しかし、この女性は自分と常識的な会話を進める、きわめて珍しいタイプのようだ

ジョセフ「あぁ、自己紹介が遅れたな……俺はジョセフ・ジョースター、ジョジョって呼んでくれ」

慧音「私は上白沢慧音、以後お見知りおきを」

293 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:35:17.147 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「慧音ね、覚えたぞ」

慧音「…ところでジョジョ、あなたはなぜこのような場所に?寝泊まりする場所を探されているなら、もう少し西に行かなければ…」





咲夜「寝泊まりする場所ならもうあるのよ」

慧音「!!咲夜、君はこの男性を知っているのか?」



紅茶を買い終えたのだろう、両手にいっぱいの袋を抱えて咲夜がジョセフの元へ帰ってきた

294 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:35:46.591 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「えぇ、ジョジョ、ちょっとこの袋も持ってくれない?」

ジョセフ「ちょ、ちょっと待てよーッ!!!俺、もう両手に食材の入った袋を抱えてるんだぜー!」

咲夜「あぁそう……じゃあいいわ、私は、可憐な…可憐な、弱弱しい女性なのに、ジョジョったらそんな弱弱しい私に重い袋を持って歩けって言うのね」

ジョセフ「お、おめー……きたねぇ性格だな…」

咲夜「あら、でも持ってくれるのね」

ジョセフ「……寝泊まりさせてもらう身としては逆らえないからな(いつか絶対にスカートめくってやるからなッ!)」

慧音「…もしかして、紅魔館に寝泊まりを?」

ジョセフ「あぁ、だから寝泊まりには困ってねぇんだ」

慧音「咲夜……レミリアがジョジョに何か悪いことをしようとしているのではないだろうな」

咲夜「心配しないで、ちょっと外の話に興味があるだけみたいだから」

慧音「……そうか、ならいいんだが…」

295 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:36:14.053 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「も、もしかしてさァー……紅魔館のヤツらって、評判悪かったりすんの?」

慧音「いや、ただ……変わり者、だな」

咲夜「あらひどいわね…」

ジョセフ「…咲夜、おめー……ま、まさか俺の体に何か…」

咲夜「しないわよ、したところで得もないし」

慧音「まぁ、咲夜がそう言うなら心配はないだろうな」

咲夜「えぇ」

ジョセフ「……で、慧音、お前はこんなところに何を?お前、人間じゃあないんだろ」

慧音「!」

ジョセフ「『なぜ分かったの?』という」

慧音「なぜ分かったの?……ハッ」

296 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:36:53.806 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「最初に俺を、見たことない人間、なんて言っただろ?普通の人間ならそんなこと言わないって、見たことない人、って言うだろ」

慧音「…お察しの通り、ワーハクタクでね」

ジョセフ「ワ、ワーハクタク?」

咲夜「半分が妖怪、半分が人間とでも思ってればいいわ」

ジョセフ「うひょーっ!ハーフってこと?なんかおもしれーなぁ」

慧音「…そう言われると、なんだか恥ずかしいな」

ジョセフ「ん?でも、人間じゃないのに人里に住んでるなんて、珍しいな」

慧音「私はここで、寺子屋を開いているんだ」

ジョセフ「寺子屋…確か、学校みてぇなもんだったよな」

慧音「えぇ、そうよ」

咲夜「変わった趣味よね」

慧音「……人間とはすばらしい生き物だ、だからこそ私はその人間に関わっていたいのだよ」

ジョセフ「おーっ!!その考え方はいいね!俺、そういうの大好きよーっ!」

慧音「ははは、そうですか?」

297 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:38:19.834 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「…ジョジョ、そろそろ帰らない?」

ジョセフ「あぁ?もう?せっかく慧音と知り合えたんだぜ?立ち話しよーよ」

咲夜「買い出しだけが仕事じゃないのよ」

ジョセフ「へーへー……それじゃあ慧音、今度またゆっくり話しようぜ」

慧音「えぇ、気を付けて」

ジョセフ「あぁ」



手を振ってから、ジョセフと咲夜は人里を元来た道へと戻る



ジョセフ「そうムスっとすんなよ」

咲夜「…何が?」

その途中、咲夜にジョセフが核心を突くことを言う

298 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:38:56.334 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…おめーが人間から迫害されたのかもってことは、俺も気づいてるけどよ、何も人間をほめただけでそんな不機嫌になる必要はねーだろ」

咲夜「…人間は、そんなに綺麗な生き物じゃないわ、自分と違うものを好奇の目で見て……そして、相手を傷つけるのよ」

ジョセフ「…」

咲夜「…私は人間だからわかる、人間は…」

ジョセフ「じゃあ、なんでおめー、人間のままなんだよ」

咲夜「!」

ジョセフ「…レミリアに吸血鬼にしてもらえばいいじゃねーか」

咲夜「…それは……」

ジョセフ「結局、おめーは最後の最後で人間を捨てきれないんだ」

咲夜「…」

ジョセフ「だから、おめーは人間を好きにならなくちゃいけない、まだ人間に対する希望を失っていないお前は」

咲夜「私は…」

ジョセフ「信じられる人間に出会えない、って言うなら俺が信じさせてやる」

咲夜「!」

299 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:39:23.258 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「ま、この俺はどうしても信じたくなっちゃうような人間だけどさー!」

ニヤニヤと笑うジョセフに、一瞬ぽかんとした咲夜が笑いながら答える

咲夜「そうね、あなたは裏表を使えるほど器用そうじゃないもの」

ジョセフ「にゃにぃーっ!!おめー!!」

咲夜「ほらほら、暴れないの、買った食材が落ちるじゃない」



ジョセフの言葉に、ほんの少しだけ咲夜は心を救われた

隣で何か言っているジョセフは……少なくとも、悪いヤツではないのだから

300 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:39:48.830 ID:ruQsLeup0.net
惚れてまうやろおおぉぉぉーーーー!!!

301 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:39:49.059 ID:kMyPhLZX0.net
慧音「ジョジョ……ふふ、面白い男に出会ってしまった」

寺子屋に戻る道で…慧音は、一人笑っていた

慧音(彼も、面白そうな人だなぁ……今度ゆっくりと、か)

ジョセフの言葉を思い出し、いつに話そうかと考え……





DIO「…そこの君」



慧音「?私ですか?」



突然だった、向かい側から歩いてきた男から話しかけられた

302 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:40:37.167 ID:kMyPhLZX0.net
とても大柄だ…身長はジョセフより少し低いだろうが、その筋肉質な体が服の上からでも分かる

DIO「…すまないが、道に迷ってしまってね……」

慧音「あぁ、人里に行きたいのですか?」

DIO「いや、逆だ……あまり人がいないところがいいのだが」

慧音「…人がいないところ?」

DIO「…妖怪が面倒くさくてね……どうも、私はああいう手合いと戦うのは苦手なんだ」

妖怪と戦う…ということは、この男はおそらく人間ではないのだろう
そんなことを思いながら、慧音はぽつりと提案した

慧音「そうだな、魔法の森はどうですか?あそこなら妖怪も少ない」

DIO「魔法の森?」

慧音「…ただ、少しキノコの胞子などが体に害があるので……」

DIO「なるほど……いや、そこに向かおう…どうやって行けばいい?」

慧音「そこの角を右に曲がって、まっすぐ行けばすぐに着きますよ」

DIO「…そうか、ありがとう」

慧音「どういたしまして」

見た目と違い、礼儀正しいその態度に、慧音はつい微笑ましくなった

303 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:41:40.929 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「……」

慧音「?どうかしましたか?」

DIO「…いや、なんでもない」

慧音「それでは、気を付けて」

DIO「…あぁ」

304 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:42:28.800 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(…魔法の森……か)

DIO(今の女……隙のないヤツだった、もしも隙があれば血を吸おうかと思ったが…フフフ…)

DIO(昨日の妖精といい、さっきの女といい、面白いヤツが多い…退屈しないが面倒だな)

DIO(…人間の幸せは…安心を得ることだ、この幻想郷を我が手中に収められるか…?)

DIO(……時を止められる者がいる……この幻想郷を)

DIO(フン……世界の頂点に立つ者は、このDIOよ……)


後ろを振り返り、慧音の後ろ姿を確認してから、DIOは「世界」を出現させる

DIO(…我が「世界」さえあれば……誰にも負けはしない)

DIO(…絶対に……幻想郷を、我が手に収めようぞ…フフフ)




ゆっくりと歩き出したDIOは、魔法の森へと足を踏み込んだ






その日は、ジョナサン・ジョースターが魔理沙の家で世話になっているところだった……

305 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:43:56.945 ID:kMyPhLZX0.net
キリが良い所で

すいません、2、3時間ほど席を外さないといけない用事ができました。
帰ってまだスレが残ってたらまた投稿していきたいと思います

306 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:44:14.566 ID:LnVExpun0.net
C

307 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:44:53.026 ID:DsSSiw/W0.net
用事代行はよ

308 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:45:39.862 ID:GIQj1m360.net
8時まで保守すらゃいいんだな

309 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:46:11.290 ID:LnVExpun0.net
楽しみに待ってるC

310 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:46:23.433 ID:ueW5yvCZd.net
おもしろいわ

311 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:47:07.277 ID:LnVExpun0.net
新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内

参考までに

312 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:47:08.487 ID:IWiPeobKr.net
はよ

313 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:48:15.276 ID:dAJRhIxRp.net


314 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:49:03.503 ID:JoV33oPb0.net
読み落としてたらすまんが
なんでハーミット使って「イギリス人」と「魔理沙」を探そうとしなかったんだ?

315 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:52:10.715 ID:ogTwx8NT0.net


316 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:54:52.502 ID:5rOWEpC+0.net
本当読みやすい。
他に作品書いてそう

317 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 16:59:39.896 ID:bNkiAPlt0.net
このdioはovaの声で再生されるな

318 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:01:24.418 ID:gQ1vq/cT0.net
ほっしゅっしゅ

319 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:02:08.525 ID:oKUjEf530.net
油age

320 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:02:14.497 ID:fPSIFEBJ0.net


321 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:02:49.975 ID:ruQsLeup0.net
保守了解

ところでルーミアって妖怪じゃなかったか?

322 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:03:50.368 ID:DkwjeIIR0.net
ジョナサン「君はもしかして僕の子孫!!」
ジョセフ「そういうお前は俺のご先祖!!」




アッーーーーー♂

323 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:04:48.982 ID:XRc3hfuyd.net
やっぱジョセフはジョジョ主人公の中でも特に好きだわって改めて思えるssだ

324 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:10:25.309 ID:yJ5BOfF60.net


325 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:10:41.606 ID:j94GybsAd.net


326 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:11:16.441 ID:hEfLxFw6D.net


327 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:14:51.554 ID:svjngNC/0.net


328 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:15:20.779 ID:gQ1vq/cT0.net


329 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:18:40.492 ID:CPJQBnuD0.net


330 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:20:08.234 ID:m9CZj1Yu0.net
面白い

331 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:22:57.921 ID:dAJRhIxRp.net


332 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:23:31.036 ID:KsrMmbBn0.net
>>305
失踪はやめてね

333 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:25:32.221 ID:ajb+59ws0.net
8時に見ようかなと思ってるけど
忘れてたらすまん
保守

334 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:29:02.698 ID:kh9HJm6K0.net
面白いぞ

335 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:31:02.423 ID:FBFbjpenr.net
余裕で保守

336 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:31:08.339 ID:ogTwx8NT0.net


337 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:34:01.850 ID:xeI3pDkEa.net
保守るぜ

338 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:35:31.771 ID:yEygQLi40.net
紫炎捕手

339 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:36:54.990 ID:m9CZj1Yu0.net
支援

340 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:38:24.825 ID:JoV33oPb0.net
誰がDIOを倒すか当てようぜ?

341 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:40:05.693 ID:7IhbBxn90.net
近年稀に見る良SSだな
支援

342 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:41:23.500 ID:DsSSiw/W0.net
保守

343 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:47:42.993 ID:GQ+6FOLJ0.net
保守

344 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:48:48.755 ID:zWSePb/ca.net
C

345 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:49:14.701 ID:m9CZj1Yu0.net
期待

346 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:49:32.763 ID:vfujo0JWr.net
保守間隔短けえよ
夜になると>>1以外のレスが増えて埋まるぞ

347 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 17:50:02.405 ID:ojEJgY+4r.net
うめ

348 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 18:00:09.942 ID:ruQsLeup0.net
ただし保守はしっかり

349 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 18:06:52.102 ID:CAC9OLNl0.net


350 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 18:08:56.038 ID:VVZQEKyJ0.net


351 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 18:14:02.197 ID:sHWpT1+k0.net
おもろいな
VIPSS久しぶりに読んだわ

352 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 18:22:20.593 ID:aanlm/320.net


353 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 18:24:30.484 ID:fPSIFEBJ0.net


354 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 18:29:43.471 ID:CunklKPLd.net


355 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 18:29:54.008 ID:ueW5yvCZd.net
ほしゅ

356 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 18:35:11.768 ID:zbQ1po1r0.net


357 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 18:36:08.179 ID:VVZQEKyJ0.net


358 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 18:40:46.224 ID:WV2ZgQNj0.net
東方しらねーけどクソ面白いわ

359 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 18:45:09.028 ID:gQ1vq/cT0.net


360 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 18:48:59.581 ID:fPSIFEBJ0.net


361 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 18:51:25.548 ID:svjngNC/0.net


362 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 18:57:35.194 ID:CAC9OLNl0.net


363 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 18:59:29.683 ID:8GhElRYD0.net


364 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:02:33.351 ID:OKs+xgLE0.net
達の

365 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:04:04.434 ID:kR+9LAzy0.net


366 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:04:25.371 ID:GIQj1m360.net


367 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:10:55.922 ID:5jngxtgdp.net


368 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:15:35.967 ID:ueW5yvCZd.net


369 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:15:37.572 ID:k+ttyME70.net
引き込まれるな

370 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:19:07.679 ID:pBdy+ODN0.net


371 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:22:47.647 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(…なるほど……さきほどの女の言っていた通りだ)

魔法の森に足を踏み入れた途端、体の中を不気味な感覚がミミズのように走ったッ!

DIO(…この体のだるさ……なるほど…キノコの胞子がどうとか言っていたが…決してただのキノコではないようだ…)

DIO(…この場所で時を待つということも考えたが…それは無理なようだな)

DIO(…だが人里に戻るという選択肢も必要ない)

DIO(面倒な妖精共が出てこないのならばそれだけでもよかろう…)

足元のキノコを踏み砕きながら、DIOは進んでいく

暗く、ジメジメしたその雰囲気は、おとぎ話に出てくる魔女の住む森のようだ

DIO(…魔女か…フフフ、この幻想郷にならばそんなものがいたとしてもおかしくはあるまい)

372 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:22:51.950 ID:rfn/cchn0.net
保守
はよ

373 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:23:19.973 ID:rfn/cchn0.net
キテターーー

374 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:23:26.732 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(…だが、もしもその魔女とかいうのが出てきたとして…はたしてこのDIOは勝つことができるのか)

DIO(幻想郷に時間を止める者がいるならば…私の「世界」の能力を知られるわけにはいかない…時止めを使うのは、最後の最後だけだ…)

DIO(…それ以上に…この、我が肉体で「世界」は何秒時間を止められるのか?楽しみだ…ジョナサンの体が馴染んだ時点で「9秒」は止められた…)

DIO(フン、もはやそんな短い時間ではあるまい…この幻想郷で安心を得られたのならば、ゆっくりと止める時間を延ばすのも悪くあるまい)

DIO(ン………?)

375 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:23:27.076 ID:ueW5yvCZd.net
キター!

376 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:23:54.947 ID:kMyPhLZX0.net
DIOの視線の先に、おかしな物が映った

ぷかぷか、と森の中を浮きながら進んでくる物があったのだ

それは、まるで子供が喜んで集める、人形のように見えた



「…」

DIO(…スタンドではないな……?木にぶつかってはよろめいているからなぁ…)

「…」


フラフラと不気味な動きで、DIOに近づいてくる……

377 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:24:11.149 ID:kMyPhLZX0.net
巡り会う青春

378 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:24:35.370 ID:kMyPhLZX0.net
アリス(ちょ、ちょっと待ってよ…!!)

アリス・マーガトロイドが元気よくマラソンしているのには理由がある

彼女のお手製の人形の一つが、とある理由で暴走してしまったのだ

そのとある理由が、ちょっとした呪文の間違いなんてものだから笑える

アリス(わ、私としたことが…料理の片手間に人形作るなんてしてたからよ!しかも、料理は焦げちゃうし…)

アリス(こんな失態、誰かに知られるわけにはいかないわ…)

幸い、人形の逃げた方向はわかる




アリスは、必死に人形を追いかけていく…

379 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:25:40.736 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(…この人形はなんなのだ…?意志をもっているのだろうか)

「…」

DIO(…だが…フフ…ちょうどいい、我がスタンドの調子を試すにはもってこいだろう、昨日の妖精なんてよわっちくて話にならなかったからなァ…)


DIO「『世界』!」

DIOの後ろに、筋骨隆々としたスタンド…「世界」が現れる

DIO「…人形というからには、そんな簡単にはこわれないだろうな」

DIO「…試してみればわかることだが…」

DIOの元から、「世界」が離れる

その距離は、10mを超えている


DIO(!!!昨日の時点では気が付かなかったが…なんということだ、射程距離が伸びている…フフフ!!!!)

「…」

人形は、抵抗する様子もない

どうやら、この人形を操る者から指示が出ていないようだ

DIO(ちょうどいい、「世界」のラッシュの速さも試してやる…)

380 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:26:48.459 ID:j94GybsAd.net
キター!

381 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:27:05.447 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」


凄まじい拳の弾幕ッ!人形は耐え切れずに木に打ち付けられた!!

DIO(いい感触だ…!!!射程距離も!パワーもッ!!どれも、以前承太郎に敗れた時の比ではないッ!!)

DIO「フハハハハハ!!!無駄ぁ!!!」

最後の一撃、とDIOは人形に拳を打ち込む

DIO自身の力も、強化されているようにさえ感じる

拳の一撃だけで、人形もろとも木々を破壊する

DIO「ンームムム……さすが自分自身の肉体といったところか…」

DIO「…尤も、相手が打たれるだけのサンドバッグでは何の意味もなかったが…」


アリス「たしかこっちに…」


DIO「…ヌゥ?」


アリス「!!!わ、私の……人形…が…」

DIO(ほほう、この女が人形の作り手だったか…)

382 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:28:20.988 ID:D0OLDf9ed.net
きてたー!そしていい流れー!

383 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:30:05.198 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「…」ジロリ

DIO「…何か用かね」

アリス「…あなた?私の人形を…壊したのはッ!!」ドドドドド

DIO「……」

目の前の少女の瞳に、突如殺意が宿ったッ! DIOに対する明らかな殺意が!

384 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:30:55.438 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「許さない……!!私の人形を、よくも!!」

DIO「…まぁ待てよ…そうピリピリするな、恋人の浮気現場を目撃したってな顔になってるぞ」

アリス「どこの誰だか知らないけれど、人形の恨みは晴らすわ!」

DIO(ちっ、話の通じないヤツだ……幻想郷ではまず、住人の信頼から得ようと思っていたのだが…仕方あるまい)

アリス「私の人形劇に酔いしれて眠れッ!」

少女が手を翳すと、数多の人形がまるで生きているかのように動き出したッ!

DIO「ほほう……一つではなく、複数の人形を操れるとはな…」

アリス「スペルカード…『蓬莱人形』!!」

DIO(?スペルカードだと?)

385 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:31:31.225 ID:kMyPhLZX0.net
人形たちが、一斉に槍先をDIOに向ける

DIO「…」

アリス「喰らえッ!!!」

氷柱のように鋭い槍が、DIOの体を襲う!

DIO(ほほう、何か分からないが…そのスペルカードというのは、どうも特殊な攻撃のことを言うらしい)

アリス「弾幕を浴びろッ!!その顔をハチの巣にしてやるわ!!!」

DIO「……フフ」



DIO「フフフフフハハハハ!!!無駄無駄 『世界』!!」ドーーーーン

アリス(!?な、なに…?あの巨大な守護霊のような像は!?)

DIO「弾幕を浴びろと言ったな…だが!」




DIO「無駄無駄無駄!!このDIOに、その程度のスピードで敵うなどと思っているのならば愚かしいことよ!!」

「世界」の拳の弾幕が、人形を次々と叩き落とす

386 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:31:51.062 ID:VircKTsR0.net
支援

387 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:32:15.777 ID:kMyPhLZX0.net
アリス(な…!?わ、私の弾幕を拳一つで叩き落としたッ!?)

DIO「フン……どの程度の力量かと思えば…なんのことはなかったか」

DIO(…私の力を見せつけておくのも必要だろう…そして、頃合いを見てふと攻撃を止め…説得するのだ)

アリス「そ、それならこれはどう!?倫敦人形!!!!」

DIO「…やめておけ……貴様は、このDIOには敵わないのだ」

アリス「うるさいわね!」

人形たちの、最後の攻撃がDIOへと向かう

それを……まるで、政治に興味のない若者が街頭演説を眺めるかのような冷たい眼差しで、DIOは一瞥した!



DIO「無駄ァ!!」



DIOの一蹴りが、人形を弾き飛ばした!



アリス「!!な、なんて身体能力……!!!こんな…わけ…が…」

388 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:33:01.204 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…突然の攻撃なんて、レディとして恥ずべきことだぞ」

アリス「う…」

逃げ場のなくなったアリスは、息をのんだ

目の前の男は、これからどうしようというのか

まさか、自分を……


DIO「ところで、だ…私のことをいきなり人形で攻撃したのはなぜだ?森の中を歩いていたら、突然人形が攻撃してきたのだがね、尤も君が通り魔を趣味としているなら話は別だが」

アリス「え…?あ、あなたが人形を壊したんじゃないの?」

DIO「一応はそうなるが、そもそも自分自身を防衛するためだ…当たり前だろう、いきなり得体の知れない物が攻撃してくるならば、迎え撃つ」

アリス「!!ご、ごめんなさい!!!てっきり、あなたが好きで人形を破壊したんだと…」

DIO「私が精神異常者にでも見えるかね?フフ……」

アリス「う…ほ、本当に…ごめんなさい…」

DIO「…まぁ、そんな些細なことはどうでもいい、こうやって私は無傷なのだしな」

アリス(…強い……さっきの守護霊みたいなのもそうだけど、この男自体、相当な強者だわ…)

389 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:33:35.911 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「ところで、この森の奥にはどこか休めるような場所があるかね?初めて来るので、分からないのだ」

アリス「一応私の家があるけど…でも、こんな場所に目的もなしに来るなんて珍しいわね」

DIO「いや…私は幻想郷の外から迷い込んでしまったそうでね、どうも路頭に迷っていたのだ」

アリス「!!あなたも!?」

DIO「…すると……君も、ということか?」

アリス「いいえ、でもおととい、私も外から来たって人を一人保護したのよ」

DIO(…やはり、このDIO以外にもそういう者はいるのか…まさか、時が止まったのは…)

DIO「その迷い込んだ者というのは、日本人かね?」

アリス「?いいえ、違うわ」

DIO「…そうか、いや、おかしなことを訊くものだと不思議に思わないでくれ…」





アリス「イギリス人よ」

DIO「…イギリス人だと?」

ピクリ、とDIOの眉が動いた

390 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:33:56.668 ID:kMyPhLZX0.net
ピクリ、とDIOの眉が動いた

その時だった、アリスはその男の額に、一筋の汗が浮かんだのを見た…

先ほど、アリスの攻撃の時には、眉ひとつさえ動かさなかった男が

391 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:35:10.694 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…いや、不思議に思わないでくれ…かくいう私もイギリス人でね……ちょっぴり、偶然という物に驚いたのだよ」

アリス「あぁ、そういうことだったの……そうだ、私の家に来てくれない?こんなことで埋め合わせできるとは思わないけど…いきなり攻撃しちゃったお詫びをしたいのよ」

DIO「…気持ちはありがたいが……その外からの来客に迷惑ではないか?」

アリス「大丈夫、彼は今私の…友人みたいなのの家にいるから」

DIO(彼……イギリス人で男……いや、まさか)

アリス「どうする?私は、ぜひとも招待したいんだけど…」

DIO「…そうだな、それもいいが…その前に、まずその外からの客人に会わせてはもらえないかね?」

アリス「?いいけど、どうして?」

DIO「同じイギリス人、しかも同じ迷い込んだ者同士なら……悩みを共有できるかもしれないだろう?」

アリス「なるほど…ふふ、あなたもイギリス人らしい、紳士的な態度ね」

DIO「いや…防衛のためとはいえ、レディに手を上げるなんて申し訳ないことをした、それに戦っているときに気分が高揚するのもな」

アリス「あら、そうやって反省できるだけここの住人よりもマシよ」

DIO(…外から迷い込んだのが、普通の人間だったならば…どうでもいい、構わない)

DIO(だがもしも……いや、そんなわけはないだろう…)

392 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:35:32.849 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「……そうだ、君の名を教えてもらっていなかったな」

アリス「アリス・マーガトロイドよ、よろしく」

DIO「DIOだ……よろしく」


DIO(フン、女というのは単純なものよ…少し甘い言葉をかければすぐに相手を信用する…)

DIO(…イギリス人……か)

393 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:36:08.216 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「魔理沙の家にいるはずだから、ここからすぐよ」

DIOを案内しながら、アリスは他愛もない身の上話を始める

自身が魔法使いであること、時たま迷い込んだ人を保護していること

DIOは、その話に耳を傾けるふりをしながらも、あることを思い出していた



DIO(ジョジョ……ヤツとの戦いで、私はこの肉体を失い…しかし、ヤツの肉体を奪い取ったことでスタンドを手に入れた…)

DIO(もしも……もしもだが、運命をいうものがまだ私を縛り付けているのならば……)

394 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:36:50.307 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「ねぇ、あなたはどう思う?」

DIO「…君の意見をもう一度聞かせてくれないか?」

アリス「私は、やっぱり人は自分自身を昇華させることで幸せを得られると思うのよ、自分が成長していくことは、何よりも嬉しいでしょ?」

DIO「…幸せ、か」

アリス「ねぇ、あなたはどう思う?」

DIO「…幸せとは……安心を得ることだ… 結婚するのも、誰かに優しくするのも、結局は安心するためのものなのだ」

アリス「安心…ねぇ」

DIO「だが時として、人間の…生き物の運命の路上には、小さな石ころのように、不安の要素がある」

DIO「挫折、屈辱…そういったものを取り除き、運命の路上を安らかな気持ちで歩くことが幸せだと、私は思う」

アリス「ふふ…あなたって変わった人、面白いことを言うもの」

DIO(…そしてもしも、だ……この幻想郷においてもジョースターが我が運命に立ちふさがるのならば…)

アリス「あった、あれが魔理沙の家よ」

DIO「…」

森の中にひっそりと、一軒の家が建っていた

そこに、そのイギリス人はいるのだ 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)


395 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:38:24.096 ID:hEfLxFw6D.net
支援

396 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:38:43.078 ID:GIQj1m360.net
目玉出たか

397 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:39:24.875 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(…もしかすれば、そのイギリス人はただの人間かもしれない)

DIO(私など、何の面識もない相手かもしれない)


アリス「魔理沙、いる?」

トントン、とアリスが家のドアをノックした


魔理沙「ん?アリスか?何か用か?」

アリス「外から迷い込んだっていう人をもう一人保護したのよ、ちょっといい?」

魔理沙「お!オッケーオッケー!!今開けるから待っててくれよ!」



DIO(…ならばなぜだ…?この胸騒ぎは…やはり)

398 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:39:58.731 ID:kMyPhLZX0.net
魔理沙「お、そっちの人が?」

ドアを開けたのは、アリスよりも背の低い少女だった

だが、DIOはもはやそんなことなど気にしていなかった




その家の…小さな椅子の上に腰かけているイギリス人を見て…




彼は、運命という物の存在を感じたのだ

399 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:40:23.480 ID:VircKTsR0.net
支援

400 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:40:26.305 ID:kMyPhLZX0.net
アリスが訪ねてきたようだ


ジョナサンは、魔理沙の淹れた紅茶を飲んでいた

どうやら、自分と同じ境遇の者が、ジョセフ以外にもいたようだ

ジョナサン(もしかして、スピードワゴンかな?はは…さすがに、そんな好都合にはいかないだろうけど)

小さく笑ってから、魔理沙の開けたドアの方を見て…






彼は、運命という物の存在を感じたのだ

401 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:40:37.614 ID:m9CZj1Yu0.net
邂逅キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!

402 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:41:02.096 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「DIO、彼女は魔理沙、魔理沙、この人はDIO…」





DIO「…君は…」

魔理沙「お?」

魔理沙の横を通り過ぎたDIOは、椅子で腰かけている…そのイギリス人の正面に立った






ジョナサン「き…君は…ディオ・ブランドー…!!!」

DIO「…そういう君は…ジョナサン・ジョースター…!」

403 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:41:26.442 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「え…?え?」

魔理沙「な、なんだなんだ?二人は知り合いなのか?」

状況を呑み込めない二人をよそに…DIOとショナサンは、じっと見つめあっていた

そこにあるのは、ただの友情でもなく、しかし明らかな憎しみでもなかった


言うなれば…「奇妙な」友情だろう

404 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:41:50.995 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「ま…さか…ディオ…!!」

DIO「…驚いたな……まさかお前までも…ここに迷い込んでいたとは…」

アリス「ジョ、ジョジョ?いったい…」

ジョナサン「アリス、魔理沙…ちょっとだけ、席を外してはもらえないかな」

魔理沙「?な、なんで…」

DIO「…私もそう願おう…君たちには、知られたくない話という物があるのだ…」

アリス「…分かったわ…キッチンで軽い料理でも作りましょう、ほら、魔理沙」

魔理沙「あ、あぁ」

無理やり魔理沙の手を引くアリス




そして、残された二人は……まるで、50年ぶりに再会した老人のように、ぽつりと語り始めた

405 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:42:21.229 ID:LnVExpun0.net
再びこのセリフを言うとは…!

406 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:42:29.559 ID:D0OLDf9ed.net
すげぇ当時のシーンが脳裏をよぎるわ

407 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:42:48.842 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「…ディオ…久しぶり…だね」

DIO「…船の事故以来だ…久しぶりなんて言うのは間違いじゃあないのか」

ジョナサン「…そう…だね」

DIO「……ジョジョ…まさか…お前がここに来ているとはなァ…驚いた」

ジョナサンの向かい側に座ったDIOが、静かに語りだす

DIO「…いや…俺達は運命によって……計算されていたのだ、ここで再開することさえ、決まっていたのだろう」

ジョナサン「…ディオ、君はずいぶん雰囲気が変わったな…なんていうか、服装もあの時とは違うようだし…」

DIO(…ジョジョの肉体を奪い…スタンドを身に着けたことは伝えるべきではないな…あくまで、教えても差し障りないように話してやるか)

408 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:43:15.055 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…ジョジョ……正直言うと…だ、俺はあの船の爆発で、死ななかったのだ」

ジョナサン「!!そ、そんな…本当かい…?」

DIO「…吸血鬼の回復力は……あの爆発さえも、問題にはしなかったのだ、お前の遺体と共に…海底へと沈んでいったのだ…」

DIO「…どうすればいいのか、俺はしばし考えた…だが、首だけの体では泳いで浮上することも出来ない、吸血鬼になったところで、呼吸も何もできなければ、死んでしまうのだ…」

DIO「…残ったわずかな…死までのわずかな時間で考えたのは、お前との短い人生のことだった…」

DIO「なぁジョジョ……俺は、何がなんでも生き残りたいと思っていた…だがな」

DIO「…そこでふと考えたのだ、お前のような…尊敬できる人間がいない世界で生き残って、何をするというのだ?」

ジョナサン「ディオ…」

409 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:43:40.347 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…俺が世界を支配したとして、それが結局は何に繋がるのか?支配し終えたところで、本当に俺は安心した生活を送れるのか?」

DIO「俺は常に、お前という存在に邪魔をされ、ついには体を失った…」

DIO「もし世界を支配し終えても、お前のような存在が現れたら…と」

DIO「…そして何より……お前のいない世界で、はたして俺は本当に幸せになれるのか、とな」

小さく笑うDIOの表情は…おおよそ、嘘をついているようではなかった

もしかしたら、本当にそれはDIOの心だったのかもしれない

410 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:44:23.978 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「そうだな、世界を支配して満足することはできるだろうが…お前という、尊敬に値する人間がいない世界を、支配したところで俺はどうしたいのだろうか、とな」

DIO「…結局、俺はお前以外の人間を尊敬はできなかった…ならば、その尊敬すべきお前のいない世界など、大して執着するべきものではないのだろう、と」

ジョナサン「…」

DIO「…結局、俺はそのまま死んだのだ……気が付けばここにいた、というわけだ」

ジョナサン「ディオ…」

DIO「…いまさらお前を殺そうとも思わない…おそらくだが、どうせお前と戦ったところで、お前と相打ちになるような気がしてならないんだ」

DIO(フン、そんなことはないがな…この「世界」さえあれば、ジョースターなど塵のごとく葬り去れる)

ジョナサン「…そうか、そうだったのか…」

DIO「…信じるのも信じないのも、お前の勝手だがな…少なくとも、今の俺はどうこうするつもりはない、辿り着いたこの世界で暮らしたいと思っているだけだ」

ジョナサン「ディオ、それを聞いてほっとしたよ…正直なとこと、君とまた戦うことになるのではないか、と心配してしまったんだ」

DIO「…ジョジョ、この話はここまでにしよう…さすがに、あの二人をこれ以上キッチンにいさせるなんてことはしたくないだろう?」

ジョナサン「そうだね…」

411 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:45:11.420 ID:m9CZj1Yu0.net
スピード早くていいね

412 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:46:04.926 ID:D0OLDf9ed.net
DIOのバカ!

413 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:47:06.570 ID:GIQj1m360.net
死後の世界暗い仲良くしろよ

414 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:48:31.224 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「ジョジョ、DIO、紅茶が入ったわよ」

ジョナサン「あぁ、ありがとう」

魔理沙「…二人は知り合いなのか?ジョジョ、このDIOってのはお前の友達か何かか?」

DIO「…ジョジョは、君たちにどこまで話したのかね?船の事故で死んだということは?」

アリス「えぇ、聞いたけど…」

DIO「その時の、事故を起こした原因が俺だ…」

アリス「なんですって!?」

DIO「…ジョジョと俺は…戦ったのだ、運命の元でな……そして、船の事故で二人とも死んだのだ」

魔理沙「…ま、まさか……ジョジョ、それではこいつが…」

ジョナサン「あぁ、僕の言っていた友人だ……石仮面を被り、人間をやめた、ね」

アリス「ど、どうりで…」

415 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:49:02.165 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…安心しろよ、私は別にこの幻想郷でどうしようというつもりではない、そんなことしても無意味だからな」

アリス「…吸血鬼…?」

DIO「……そういうことだ」

DIOが、自分自身の手を切りつける

血がぽたぽた、と垂れたが一瞬にしてその傷は塞がった

DIO「……こういうわけだ」

魔理沙「す、すげぇ……もともとは人間だったんだよな?」

DIO「…そうだ……俺は人間をやめたのだ、そのことを後悔はしていない」

ジョナサン「…ディオは、僕の義理の兄弟でもあったんだ、同じ家で育ったね」

アリス「そうだったの……」

DIO「……ジョジョ、お前はここに来て長く経つのか?」

ジョナサン「いや、まだ3日くらいだな……」

DIO(このDIOと同じか……ならば、信頼関係を築く上では、このDIOと大差はない)

DIO(…出来る限り、幻想郷に味方を作っておくか……いずれ、このジョジョと戦う時のためにな)

ジョナサン(…ディオは、はたして本当に……)

416 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:49:18.800 ID:3HHuyr14x.net
一巡前の世界が忘れ去られたってんならよォ〜〜
6部までのキャラは出てくる可能性があるっつうことだよなぁぁぁ〜

417 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:49:34.539 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…アリス、私はそろそろお暇するよ」

アリス「え、もう…?」

魔理沙「そんな遠慮する必要はないんだけどな…自分の罪を考えてかもしれないが、幻想郷にはわけありのヤツなんて転がるほどいるんだ」

DIO「気遣いはありがたい、だが私はここで過ごすわけにはいかない」

アリス「それは…?」

DIO「…この家に、三人もいるわけにはいかないだろう?私はあいにくと、頑丈な体をしていてな…外でも暮らせる」

魔理沙「じゃ、じゃあアリスの家で…」

DIO「必要ない……人の世話になるのは嫌いな性分でね」

ジョナサン「ディオ、日光は…大丈夫なのか?」

DIO「どうやらここの日光は、結界か何かで遮られているらしくてな、紫外線の影響を受けないのだ」

ジョナサン「なるほど…」

DIO「…なぁジョジョ」

ジョナサン「なんだい?」

魔理沙とアリスの惜しむような視線を無視し、ドアに進んだDIOがぽつりとつぶやく

418 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:50:03.281 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…奇妙な運命だよな……お前の父親を殺し、さらにはお前自身を殺した俺と、お前が巡り会うだなんてな」

ジョナサン「ディオ、僕は君を恨んでいないと言えば嘘になる…ただ、君は紛うことなき、僕の友人だった…君との戦いで、僕は成長したんだ」

DIO「…フン……面白いな、お前の言葉を借りるならば、まさに奇妙な友情だ」

ジョナサン「…ディオ、これからどうする?」

DIO「俺は幻想郷を見て回ろうと思う…暮らす上で、知識を持っているのは重要なことだからな」

ジョナサン「そうか、それじゃあまた」

DIO「…あぁ」



バタン、とドアを閉じたDIOは、小さく笑っていた

419 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:50:35.027 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(ジョジョ……まさかあいつが、ここに迷い込んでいたとはな)

DIO(だが…面白い!!ヤツとの決着をここで着ける!!そして、俺はジョースターを超えるのだッ!!!!)





ちょうど、空の日が沈み、月が姿を現そうとしていた




DIO(…ジョジョ…俺はお前を超えてみせる…世界の頂点に立つために)




DIO(世界の頂点に立つ者は…ほんのちっぽけな恐怖をも持たぬ者ッ…!!!!)

420 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:54:06.675 ID:ueW5yvCZd.net
保守

421 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:54:22.125 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…」

咲夜の仕事は、恐ろしいほどに忙しいものだ、ジョセフはそう考えながら洗濯物を干していた

ジョセフ「……なぁー、このだっさいドレスはどうやって干せば…」

咲夜「ださいって言わないの、お嬢様のお気に入りなんだから」

ジョセフ「あっそう…」

スージーとの夫婦生活でジョセフはそういう手伝いもしたことはある

だが、紅魔館に住んでいる人数と、ジョセフの家に住んでいた人間の数はそもそも絶対的に違う

こんなに長い洗濯竿を、ジョセフは見たことがない

ジョセフ「お、下着発見ー!このフリフリのは誰のも…」



ド――――――ン




咲夜「ったく、そういうことばかり言ってないでさっさと干しなさい」パッパ

422 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:54:41.086 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「あ、分かったーッ!そのフリフリ下着、おめーのだろ!おめーのなんだろ!!!」

咲夜「違うわよ、これはお嬢様の」

ジョセフ「え、えぇー!?レミリアのかよーっ!似合わねー!!!」

423 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:54:50.232 ID:AMshDQf+0.net
                           }\
                       i   )
                   >  ¨   ー<___
                 /  ,         `マ/ハ
                   ,ム  ┐ !   /.  !  `寸
             ィ≦//    フ   ィ レヽi^ヽ   ` .、
                 ハ///   !,ィ レ'´ , ,.xz..ィハ       ゙ < <ミテマス
                V   !,ィ''、___ー   イr 心 》 }        ヽ>    ̄¨  <
              ,  / i.ィf'r 心    弋_ノイ           ー 、        \
                /  , {iゞ弋 _ノ   '    >            ヽ
      ,,,..........,,    ノ  !  ヽ、 ,,..。sf≦ニフ      ,x,ィl       ',         i
   ,ィ ./   .> `‐ '/   !   ≦寺三三∠     ,ィ≦//,ハ       i        ノ
 /  r ‐- ,'           i      <f<ニ゚ニ,ヘ _   r'´    ヽ'/\     ノ       /
. i !   ', イ    i     ム  _,,ィ≦≧s。.¨>‐'/7''`     マ_ノー‐ ´  , -‐ - <
 リ,ィ^ー Y    , i     ≧、」////....////>'/!       ├、/i.、    ,'
  ',   ゝ、 ハイ ヽ   ィ_,,.., > '´   ヽ<//ム         ノ マ/《  ,
   ',    ', :i ゝ ,ィ , /l //        ノ ///>\    ' ;' ノ>〉 ,

424 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:55:49.903 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「…ジョジョ、飽きたなら別に手伝いしなくてもいいのよ?一人でもできるんだし」
ジョセフ「い、いや……一度手伝うって決めたからには最後までやるんだよ!この俺はッ!」

咲夜「…変なところで頑固ねぇ」
ジョセフ「……なぁー、おめー、本当にこんな仕事を毎日やってんの?一人で?」

咲夜「えぇ、時間を止めればすぐ終わるわよ」

ジョセフ「でもさー、一人なんだろ?止まってる時の間はさー…暇じゃねーの?」
咲夜「別に、もう慣れてるから」

ジョセフ「…なぁ、あんまり時を止めるのはやめろよな?自分の時間だけ正常に進むんなら、自分だけどんどん年を取るんだろ?そんなの残酷だぜ」

咲夜「心配してくれてるの?」

ジョセフ「そ、そんなんじゃねーけどよッ!」

咲夜「…そうね、でもこの力を、ここのみんなのために使いたいのよ」

ジョセフ「そんなもんか?俺にはよく分からないな…」

咲夜「あなたも、その波紋を誰かのために使ったことはない?そのスタンドを人を守るために使ったことはない?」

ジョセフ「…それとこれとは別じゃあねーの?」

咲夜「…口よりも手を動かしなさい」

ジョセフ「へーへー……なぁ、この下着は…」

咲夜「あなた、さっきから下着ばっかり手に取ってるわね…?どういうつもり?」

425 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:56:27.446 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「タ、タンマタンマ!!違うのよー、この下着…誰のだ?このサイズは、レミリアくらいの身長だろ?でも、レミリアのはさっき干したし…お前の性格だと、毎日洗濯はするだろうから二日前のとかはねーだろ?」

咲夜「あぁ、それはフランドール様……!!!」

ジョセフ「フランドール?誰だそれ?」

咲夜(まずい…ジョジョの性格だと、フランドール様の存在を知ったら!絶対に見てみたいと言い出すはずッ!)

ジョセフ「あー、そういえば前、他にも住人がいるみたいなこと言ってたよなァー!!それが、そのフランドールってやつか?」

咲夜「…えぇ、ただちょっと病弱なのよ」

咲夜(病弱だって言えば、きっとジョジョも会いたいなんて言い出さないでしょ)

ジョセフ「へー、病弱なヤツがいる割に、他のみんなは今まで俺には言わなかったな、俺が間違ってそいつの部屋に行くかもしれねーのによォー」

咲夜「う…ち、違うのよ、あなたに変な心配を掛けたくなくて…」

ジョセフ「この下着のサイズから考えられる可能性は二つ、身長が低い…つまり、子供の住人か、もしくはレミリアのような特殊な例だけだ」

咲夜(ま、まずいわ……ジョジョの考察力は、こういう時は冴えるのよ!!)

426 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:57:58.475 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「そして、子供がこんなところにいるとは考えにくい、つまりレミリアみてーなやつだ」

ジョセフ「お前が様をつけるということは、目上の人間、つまり長く生きていて、なおかつこの紅魔館で暮らせるほどのヤツだ」

ジョセフ「パチュリーやレミリアが何も言及しなかったのは、きっとそいつの存在を隠したいから」

ジョセフ「最初は可愛くて、俺みたいな男に遭遇させたくないのかも、と考えたが……それだったら、そもそも俺を追い出すはずだ、なら」




ジョセフ「そいつは、何か危険な思想や精神を持っていると考えるべきだ…」

427 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 19:58:49.688 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「俺とばったり遭遇することがなかった、しかもその存在さえ匂わなかったってことは、俺の行かない場所…地下にでもいるんだろ、それも自由に動けないように幽閉されているはずだ」

ジョセフ「おめーが下着を洗濯できるってことは、一応理性はあるみたいだな、ただの獣だったらそもそも下着なんて必要ねーもんな」

咲夜「か…完敗よ……フランドール様は、お嬢様の妹…吸血鬼よ」

ジョセフ「ふーん、んなこったろーと思ったぜ」

咲夜「で、でも一つ言っておくわ!これは、あなたに友情を感じての警告だと思ってッ!フランドール様にだけは会ってはいけないわ!!」

ジョセフ「…」

咲夜「好奇心だけで会って、無事で済むような方じゃないわ…私は時間を止める能力があるから大丈夫だけど、もしも時を止められなかったら…私は、背筋が凍るような結末を迎えるしかないわ…!」

ジョセフ「まぁまぁ、安心しろって……おめー、ちょっと勘違いしてるかもしんねーけどよ、俺は自分の不利になるようなことはしないんだぜ?」

咲夜「ほ、本当?」

ジョセフ「あぁ、だからこそ、外の世界じゃあ90まで生きたんだ」

咲夜「そ、それならよかった…」ホッ

ジョセフ(…なーんてねッ!このジョジョは、好奇心ほど素晴らしいものはないと思うのよッ!)

428 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:02:25.061 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「あ、そうだ……今日の昼ごはん、何がいい?食材はたくさんあるから、少しくらい贅沢できるわよ」

ジョセフ「あぁ?俺の好みに合わせる必要なんかないんだぜー?俺はあくまで、居候なんだからな」

咲夜「そうかもしれないけど……でも、お嬢様達は「なんでもいい」なんていう曖昧な返答をするんだもの」

ジョセフ「あぁそう……一番お母さんが困る回答だよなー、それ」

咲夜「お、お母さん……」

ジョセフ「…じゃあ、ピザがくいてーな!アメリカではよく食ったんだよなァ、まー年とったせいであんまり最近は食えなかったけどさー!」

咲夜「ピザね、分かったわ」

ジョセフ(ふふーん!ピザは作るまでに時間がかかる、その間に……俺は地下に行って、そのフランドールってやつに会ってやるぜッ!)

429 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:02:38.277 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ・ジョースター VS フランドール・スカーレット

430 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:03:03.537 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「おーっと、こんなところに地下に続く階段があったのねーん」

咲夜が調理場に向かったあと、ジョセフはすぐに館の中を探索していた

とは言っても、彼が行ったことのない場所はもはや限られていたため、簡単に地下への入り口は発見された

ジョセフ(…咲夜はああ言っていたが…この俺は、やーっぱり楽しいことには首を突っ込みたくなる性格なんだよねーッ!)

階段を一段、また一段と降りていく

その先に、少しずつだが大きな扉が見えてきた

ジョセフ(な、なんだ…?一段降りるたびに、だ、誰かに睨まれているような悪寒さえ感じるぜ……)

ジョセフ(いや……そんなのは気のせいだッ!この俺に、プレッシャーなんてものはない!)

扉のノブに、手を掛ける

ふと、咲夜はこんなことに慣れっこなのか、とも考えた

そう思うと、彼女はずいぶんと肝っ玉の大きな女性なのだろう

ジョセフ(へ、へへへ……この俺だって、ちょっとは勇気を見せてやるよン!人間の強さは、恐怖を克服する強さにあるんだもんねー!)

431 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:05:57.528 ID:kMyPhLZX0.net
ガタン、と不気味な金属音を立ててドアは開いた…




ジョセフ(…な、なんだ……?)

広い廊下の壁際に、いくつものろうそくが立てられている…

そういえば、エジプトのピラミッド内部も、映画ではこんな雰囲気で描かれている…



ジョセフ(ほ、本当にこんなところに住んでるヤツなんているのかァ……?)

ジョセフ「…あ……」



廊下の先に…さらに一つのドアが見えた

432 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:06:23.413 ID:kMyPhLZX0.net
そのドアは、何やら可愛らしいデザインが施されている

それが、逆に不気味に感じるのだ

この中に住んでいるとされる、レミリアの妹…フランドールは、吸血鬼だと聞いた

そんな相手が、子供っぽいデザインを好むだろうか?

ジョセフ(……怖いな…い、いや!俺は怯えてなんかいねーぜッ!)






「誰かいるの?」

433 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:07:50.649 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「!!!!」


どこからか、可愛らしい…しかし背筋を凍らせるほどの不気味さを持った声が聞こえた

ジョセフ「だ、誰だ!?」

「…あなたこそだぁれ…?男の人?だぁれ?」

ジョセフ「う……お、おめーはフランドールか?」
フラン「フフフ………どうして私の名前を知ってるの?あなたはだぁれ?」

ジョセフ「お、俺はジョセフ・ジョースターって言うんだけどよ……」

フラン「ジョセフ?ジョセフ……呼びにくい」
ジョセフ「ジョ、ジョジョって呼んでくれ…と、ところでさぁ…姿を見せてくんないか?見えない相手と話すのは、俺ニガテなんだよ…」

フラン「…じゃあ、そこの扉を開けてよ……私も、ジョジョを見てみたいなぁ」

その言葉に、ジョセフは少しだけ考えた

ジョセフ(…いいのか…?俺はこの中に入って……)

ゆっくりと、ノブに手を掛ける

ジョセフ(……いや、いいぜ…俺は、欲望に忠実に生きてやるッ!)



ドアを開けると、そこには金髪の可愛らしい少女がいた

434 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:09:02.140 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「お、おっはー……げ、元気ぃ?」

フラン「…あなたがジョジョ?」

ジョセフ「お、おう!!!い、いやー、初めましてェー、ご機嫌いかがー?」

フラン「……ねぇ、遊んでくれない?ずーっとここで過ごしてるから、暇なの」

ジョセフ「は、はぁ?」

見ると、狭い部屋の中にはバラバラに崩れた人形や積み木ばかりがある
何一つとして、「形を保っている物」はない
部屋の中の雰囲気さえも、この少女の狂気によって「壊れている」のだ

ジョセフ(や、やばい…な、なにがやばいのかは言葉に出来ないが、とにかくやばい…!!)

フラン「ねぇ、私と遊んでくれない?」

ジョセフ「い、いやぁ…俺、ちょーっと用事を思い出し…」



フラン「遊ぼうよぉぉぉぉぉ!!!!」


ジョセフ(な、なんだ!?)


フラン「スペルカード『クランベリートラップ』!!!」

435 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:11:19.322 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「!」

フランドールが声を上げたのと同時ッ!!!無数の弾幕が、ジョセフを突如として襲った!!



ジョセフ「『波紋疾走』!!!」

咄嗟にジョセフは、地面に転がっていた椅子や人形の残骸を波紋で空中に浮かした

それで、いくらかの弾幕は防げた



しかし、全ての弾幕を防ぐことはできない


ジョセフ(数が多すぎるッ!)

436 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:11:30.610 ID:NNkF63mrd.net
クランベリー未だに苦手です

437 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:11:46.480 ID:kMyPhLZX0.net
肩をかすめただけの弾幕は、しかしジョセフの肩の肉を抉り取った!


ジョセフ「ぐぉぉぉぉおおおお!!??」

フラン「すごーい、やるじゃない……今のはなに?あなたの能力?」

ジョセフ(!!そ、そうだ…こいつは吸血鬼!!俺の波紋を食らわせれば、動きを止められる…!)

フラン「フフフ…でも、あなたはこの部屋から出られるかしら?『カゴメカゴメ』!!」

次にフランドールが発射したのは…およそ、さっきの弾幕とは違うものだった



まるで鳥かごのようにッ!!ジョセフの周りに、弾幕が突如として現れたのだッ!


ジョセフ「な、なんだぁこれは!?」

フラン「かーごめかごめ…籠の中の鳥は、一体いつになったら外へ出られるのかしら!?」

438 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:13:00.052 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ(や、やべぇ!!正面を防いでも後ろから!!さらには左右、上下からも弾幕が襲ってくる!!)

フラン「くらいな!!!」

ジョセフ(!!いちかばちかだ!!)


ジョセフ「『隠者の紫』!!!」


フラン「!」

ジョセフの腕から伸びた、植物のつたのような物が正面の弾幕の一部をかすめ取った

ジョセフ(籠の出口を作ったのは、俺だぜ!!)
そこから飛び出すようにして、ジョセフは前へと出た

ジョセフ(よし、これで…)


フラン「へぇ、お兄さん…ちょっとはやるみたいね」

ジョセフ「!?」

次のフランドールの攻撃は…!!!




フラン「『レーヴァテイン』」

439 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:13:25.778 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ(な、なにぃぃぃぃ!?)


横から、ジョセフの体を一閃しようとばかりに巨大な、燃え盛る炎の剣が迫ってくる


ジョセフ(な、なんてこった…こりゃあまずいぜッ!!)



フラン「あはははは!!どうしたの!?もっと私を楽しませてよ!!!」

ジョセフ「ふざけんなよぉぉぉ!!楽しませてる余裕なんてねぇんだ!!」

440 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:13:48.776 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ(ど、どうする!?上に避けるべきか…!!)

横から迫ってくる刃は、無慈悲にもジョセフを殺そうとしているのだ

まるでッ!まな板の上に乗せられた鯛が、捌かれるのを待つしかないようにッ!

今のジョセフは、どうにもすることができないのだッ!!




ジョセフ(う、上はダメだ!!あの剣の質量がでかすぎて、天井近くまで火が上ってやがる!)

ジョセフ(…ま、待てよ!?そうだ!!!)

441 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:14:28.198 ID:kMyPhLZX0.net
フラン「…ん?」

ジョセフは駆け出したッ!!それも、フランドールの懐へ!!


フラン(…へぇ…)



ジョセフ「てめぇが握って振り回してるってことは、てめぇの至近距離ではダメージを受けずに済むってことだぜェー!!」

フラン「…」



ジョセフ「おらおらぁ!!この完璧な作戦は…」


フラン「甘い!!!レーヴァテインだけが、私の武器だと思ってる!?」

突っ込んできたジョセフに、フランドールが蹴りを食らわせる

ジョセフ「ごふっ……!?」

吸血鬼のパワーは、人間の何倍ッ!ジョセフのみぞおちに、フランドールの蹴りが入った!

両腕をクロスさせて防御したが、それでもダメージは入ったッ!


ジョセフ(げっ……こ、呼吸ができねぇ…は、波紋が練れない…)

442 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:15:08.179 ID:kMyPhLZX0.net
フラン「ふふふ…!!!」


ジョセフ(わ、分かった……こ、こいつは何も、このスペルカードってのを使わなくても、凄まじいパワーを誇ってるんだ!だから、部屋の物が壊れているッ!!)


フラン「……お兄さん、弱いね……」

ジョセフ「な、なにィ……」



フラン「もう、飽きちゃった」



フランドールがすっと、拳を前に突き出した!!




フラン「きゅっとして……ドカーン!!!」

443 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:15:39.810 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…なっ!?」


その時ッ!ジョセフの隣に落ちていた人形が、音を立てて爆発したッ!


フラン「あははははは!!!怖い!?私の能力…ありとあらゆる物を破壊するッ!緊張点である目をこの拳の中に移動して、握りつぶせばッ!対象を破壊できるッ!」


ジョセフ(な、なんだって…!?人間の緊張点である目を握りつぶすッ!つ、つまり次は俺の目を……)





フラン「もう遅いよ」




フランドールが……ジョセフの目を見つめる

にやりと笑ってから、突き出した拳を握りしめた





フラン「どかーん」

444 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:18:11.049 ID:DkwjeIIR0.net
保守

445 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:18:39.634 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「お嬢様、ジョジョを見かけませんでしたか?」

ジョセフがフランドールと戦闘を繰り広げていた同時刻…咲夜は、彼にピザができたと伝えるために館の中を探していた

レミリア「あら、ジョジョ?あなたと一緒にいたんじゃないの?」

咲夜「それが……いないのです」

レミリア「ふーん、トイレにでも行ってるんじゃないの?」

咲夜「そ、そうでしょうか…?」


咲夜(…だとしたら……この胸騒ぎはなに…?)

咲夜(…!!も、もしかして!!!)

446 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:19:19.235 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜が駆け出した先には、地下へと続く階段があった

咲夜(…!!ひ、人が通った形跡がある…)

咲夜(…信じたくないけど、ジョジョはもしかして…!)

なぜ気づかなかったのか、ジョジョは好奇心だけで動いているような男なのに

フランドールに興味を持たないわけがないのだ


咲夜(くっ…あとでお灸を据えてやるんだから!!)

時間を止めて、すぐに地下へと降りる



咲夜(!!妹様の部屋のドアが…あ、開いている!)

やはり、予想通りだった



咲夜(な、なんてこと……!!!やはり、ジョジョは…)

咲夜(!!げ、限界よ……時が動き出す!)

447 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:19:50.404 ID:kMyPhLZX0.net
フラン「どかーん」





咲夜「え……?」





フランドールの部屋に入った瞬間に、咲夜が目にしたのは…




拳を握りしめたフランドールと、ばらばらに砕け散ったジョセフだった

448 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:21:50.210 ID:Q3HrdyZ70.net
ジョセフ死亡
かなしい

449 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:22:11.977 ID:VsPMGg/60.net
またまたやらせていただくんだろ?そうだと言ってくれ

450 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:22:13.225 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「…ジョ…ジョ……?」





フラン「あーあ、もう壊れたのね…つまんない」



床にすとん、と座ったフランドールは呆気のない結末に、心底つまらなそうにしていた

咲夜「い、妹様!!ま、まさかジョジョを……」

フラン「あ、咲夜……ジョジョって結構頑張ったねー、普通のおもちゃよりは長くもったもん」

咲夜「い、妹様……!」

451 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:22:48.203 ID:DkwjeIIR0.net
咲夜が時戻すんじゃね?

452 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:22:52.183 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜の心の中には、なぜか怒りがあった

フランドールは、レミリアの妹である

その付き合いは、非常に長い

一方、ジョジョとの付き合いなんてほんの数日だ

傍から見れば、明らかにフランドールに重きを置くべきはずなのだ

だが…咲夜は知っていた、自分自身がジョセフを愛していたということを

それは、異性に対する恋愛感情ではなく、レミリアやパチュリーや、その他の紅魔館の住人に対するのと同じものなのだ

咲夜「……ジョジョ………」

フラン「ねぇ咲夜、今度は咲夜が遊ばない?」

453 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:23:21.907 ID:kMyPhLZX0.net
そのフランドールの冷酷な言葉に、咲夜は腰を抜かしてしまった

フランドールの正面に、ぺたんと座り込んでしまったのだ

フラン「ふふふ……今日はね、楽しいわ…ジョジョも、少しは」









「次のてめーのセリフは『私を楽しませてくれたし』だ」

454 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:23:50.482 ID:RPKLzp5+0.net
キター!

455 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:24:09.880 ID:ueW5yvCZd.net
よっしゃああ!

456 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:25:06.598 ID:kMyPhLZX0.net
フラン「私を楽しませてくれたし………ハッ!?」


咲夜「!?ま、まさか!!」





ジョセフ「おい咲夜!俺を勝手に殺すんじゃあねぇぜッ!!」

フラン「な、なんで…?確実に目を握りつぶしたはずッ!」

ジョセフ「よーく見るんだな!てめぇが壊したのは、俺じゃなくて、俺の映った鏡だったんだぜ!!」

フラン「か、鏡!?」

457 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:25:16.123 ID:PheX0tvV0.net
フランがなんとかの波紋みたいなスペル持ってた気がするがなんか絡んでくるかねぇ

458 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:25:31.188 ID:LnVExpun0.net
キタ━(゚∀゚)━━━!!!

459 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:25:52.786 ID:+fpL2swL0.net
またまたやらせていただきましたァン!

460 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:26:12.496 ID:kMyPhLZX0.net
床に、キラキラと輝く破片が落ちている…そう、フランドールが破壊したのは、その鏡にすぎなかったのだッ!


フラン(し、しまった…ッ!部屋が暗いから、まさか鏡だとは確認してなかった…い、いつの間にッ!)


ジョセフ「そしてよーく考えるんだな!!てめぇの目の前の鏡に俺が映っていたってことは!!俺は、おめーの後ろにいたってことだ!!吸血鬼は鏡に映らないからなァッ!」

フラン「!!!!ちっ…」


くるりと振り返ったフランドールの体に、「隠者の紫」が絡みついたッ!


フラン「ぐっ…!?(こ、これじゃあ拳を握れないッ!!)」

ジョセフ「そして、お前の体に波紋を流したらおしまいだッ!吸血鬼の体に、波紋を流せばどうなるかッ!!てめーは知らないだろうが、波紋は太陽のエネルギーなんだぜッ!」

フラン「なっ…」

461 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:26:16.662 ID:KsrMmbBn0.net
やったぜ。

462 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:26:50.179 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「ジョ、ジョジョ!!!」




床に座り込んだままの咲夜が、ジョセフを呼び止める

咲夜「お、お願い……妹様は、外に出たことがないから、人との戦い方を知らないだけなのよッ!」

ジョセフ「そうかもしれねぇな、だが俺が思うにッ!こいつは俺を叩きのめそうとした、俺にとっちゃあ敵なわけだ!!」

咲夜「ジョジョ……!!!」


ジョセフがフランドールの顔を見つめる

そこにあったのは、さきほどまでの狂気に満ちた表情ではなかった

母親に0点のテストを見つけられた時の……子供のような表情だった

ジョセフ(…お、怯えている…?)

463 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:26:53.471 ID:ajb+59ws0.net
>>451
確か咲夜は時間を戻すのは
出来なかった気がする

464 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:27:03.171 ID:qc5AEOQXd.net
どうやって回り込んだかはさておいて
やったぜ

465 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:27:54.623 ID:kMyPhLZX0.net
フラン「う…うぅ……」

ジョセフ「…けっ、しゃあねーな!」


「隠者の紫」をシュルシュルと、フランドールの体から放す

咲夜「ジョジョ……」

ジョセフ「冗談だよーッ!おめーを殺す理由なんて俺にはねーもんな!」

フラン「ホ、ホント…?」

ジョセフ「…俺が好奇心でここにやってきたのが悪かったんだ、おめーはただ遊びたかっただけなんだろ?その証拠に、てめーは俺を一度も殺してやる、なんて言ってはいない」

フラン「…ジョジョ……」

咲夜「ジョジョ、あなたって人は…」

ジョセフ「おーっと咲夜!!説教だけはごめんだぜ!フランの遊び相手になってやったんだ、それで見逃してくれよな」

咲夜「…はぁ、分かったわ……ただあなた、大変なことになるわ」

ジョセフ「え、なんで…」

466 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:28:13.052 ID:kMyPhLZX0.net
フラン「ジョジョ!!あなたって優しいのね、ねぇねぇ!!今度はいつ弾幕ごっこする!?」

ジョセフ「え、えーっ!?も、もう勘弁しろよなァー!!」

咲夜(気に入られちゃったみたいね…)

467 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:29:07.287 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「ンま〜いッ!!」

咲夜お手製のピザを頬張ったジョセフが、満足げにそう叫んだ

ジョセフ「口の中でトロリととろけるチーズが、サクっとした生地に絡んでハーモニーを奏でるッ!」

レミリア「ジョジョ、今まで何してたの?咲夜、ジョジョはなんでこんなにボロボロなの?」

咲夜「え、えぇと…ですね」

ジョセフ「レミリアちゃん、あーん!あーんよ!!」

レミリア「あ、あーん…あら、美味しい」

468 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:29:34.981 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「グーッ!!!咲夜、おめーホント料理うめーな!」

咲夜「ま、まぁそれが仕事だし…」

パチュリー「…」モグモグ

ジョセフ「いやーっ!仕事した後の美味い飯、これが最高なんだよなーッ!」

咲夜(…お嬢様達には話す必要もないでしょうし…)

ジョセフ「ンー!!!美味い!!」

咲夜(ジョジョも、問題ないみたいだし)

ジョセフ「咲夜ちゃーん!!あーん!!あーん!!」

咲夜「わ、私は味見したからいいわよ…」

ジョセフ「いいからー!」

咲夜「あ、あーん…」

469 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:30:12.318 ID:8I4lzolra.net
ジョセフ「うめーよなッ!!!」

咲夜「私が作ったんだから…」

レミリア「まったく、咲夜ったらジョジョにぞっこんね」

咲夜「な、なぜそうなるのですか…」

パチュリー「…ジョジョ」

ジョセフ「んー?なんだー?」




パチュリー「私にも、あーんしてよ」








紅魔館で、ジョセフは平和な時間を過ごしていた

470 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:32:11.039 ID:cOCX1zXj0.net
突如変わる末尾

471 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:36:18.183 ID:ueW5yvCZd.net
支援

472 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:36:18.909 ID:VsPMGg/60.net
規制されたか

473 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:37:48.596 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「……まただ…時が止まった」

人里を離れたところにある空き家で、DIOは違和感を覚えていた

外を歩いている人々が、動きをピタリと止めたのだ

DIO(…このDIOは、はたして止まった時の中を何秒動けるのか…)

「世界」を発動し、試してみる

恐らくだが、先に相手が時を止めた場合であれば、「世界」の時止めを発動しても感づかれないはずだ

少なくとも、かつての承太郎との戦いでは、感づくことはできなかった

DIO(…3秒経過…)

腕を動かし…そして足を動かし、空き家から外へと出る

DIO(…5秒経過)

止まっている人々の間をすり抜け、道を歩く

474 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:39:07.296 ID:M4FDPEdd0.net
支援

475 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:42:06.086 ID:DkwjeIIR0.net
どした

476 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:43:02.413 ID:hEfLxFw6D.net
支援

477 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:43:27.520 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(…8秒経過…)

まだ、体は何の問題もなく動く

DIO(…10秒経過…)

自分以外の誰かが止めた時の中を歩くのは、少し不思議な感覚だ

DIO(…13秒…!!!ここまでか…)

体の動きが鈍くなり、やがてDIOの体も完全に静止した

DIO(だが、この体で初めて発動したにも関わらず、13秒も止めていられたぞ…!!フフフ…やはり、自分の体は一番だなァ…)

478 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:43:35.632 ID:ruQsLeup0.net
なんて素晴らしい…………!!!

479 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:44:12.963 ID:LnVExpun0.net
咲夜は一時間ぐらい止めてなかったか…?

480 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:45:27.720 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(…動き出したか)

人々は何事もなかったように、再び動き始めた

ただ、突然現れたDIOに少しばかり首を捻っていたが

DIO(…しかしだ、この時を止めている「ジョン・ドウ」は一体どれほど止められるのだ…?)

DIO(…日常的に使っているように感じる……)

DIO(…フン、気にはくわんが…時を止めることに関しては、このDIOよりも上のようだ…)

DIO(…だが……しかし妙だ、その止まった時の中で、このDIOは最初から見ることが出来た…同じ時を止める能力だから、か)

DIO(…)

481 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:46:21.760 ID:kMyPhLZX0.net
慧音「おや、あなたは…」


DIO「…ん…?君はたしか…」

慧音「こんにちは、昨日はちゃんと魔法の森には辿り着きましたか?」

DIO「あぁ、おかげでね…えーっと」

慧音「慧音、上白沢慧音だ…覚えにくい名前かもしれないが」

DIO「…慧音か、私はDIOだ…」

道の途中で、昨日の少女と出くわした

これも、もしかしたら運命なのだろうか、とDIOは奇妙なことを考えていた

DIO「……ところで…少し聞いてもいいかな」

慧音「?なんだ?」

DIO「…君は、人間なのか?この人里を真昼間から歩く妖怪なんていないとは思うのだが…どうも、君は人間とは思えない」

慧音「!!分かるのか?」

DIO「…」

この少女にどこまで話すべきか、とDIOは考えた…そして、「アリスや魔理沙には知られている」ため、この少女にも話すのは問題ないと結論を出した

482 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:46:57.862 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「かくいう私も…外の世界で、吸血鬼になったのだよ」

慧音「きゅ、吸血鬼!?」

DIO「…安心しろよ、別に君の血を吸おうなんて思って話してるわけじゃあない…ただ、そういうことだから、なんとなくだが相手が人間でなければ感づくのだよ…」

慧音「お、お察しの通り、私は人間ではない…正確には、半分人間で、半分はハクタクという妖怪なんだ」

DIO「…ではなぜ昼間から人里にいる?こんな場所にいても、大したことにはなるまい」

慧音「私は、人里で寺子屋を開いているんだ…子供たちに勉強を教えるために」

DIO「…寺子屋?学校のようなものだったか…」

慧音「あぁ、そうだ……君は?なぜ人里にいる?魔法の森は、お気に召さなかったか?」

DIO「どうも慣れなくてね…いや、悪いところではなかったが…君にせっかく道を教えてもらったのに、すまないな」

慧音「ははは、君は人格者だな……ここに住む吸血鬼とは大違いだ」

DIO(…吸血鬼か…やはり、いるのだな)

483 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:47:18.487 ID:kMyPhLZX0.net
慧音「…そうだ、ときに君、時間はあるかな?」

DIO「…あるが…なぜ」

慧音「いや、君もこの幻想郷に馴染まないといけないだろうし…私の友人を紹介しようかと思ってね」

DIO(友人だと?フン、このDIOは友情など興味ない…だが、利用できる者は利用してやろう…ククク)

DIO「ぜひとも紹介してくれないか……話し相手がいなくて、暇していたのだよ」

慧音「そうか、じゃあ…ついてきてくれ」

484 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:47:32.073 ID:kMyPhLZX0.net
DIOの世界は止まらない

485 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:48:01.895 ID:kMyPhLZX0.net
慧音「というと…君は、法学に長けているのか」

DIO「長けているというほどではない…かじった程度の知識だ」

慧音との会話を交わしながら、DIOは昼間の道を歩いていた

太陽の光を浴びながらも無事でいられる、というのは本当に驚きだ

尤も、やけどするような、チリチリとした痛みはあるのだが

慧音「いいな…近頃の若者は、あまり勉学に励まないからな」

DIO「…そんなことを言うものじゃあない、人間とは常に時代と共に形を変えるものだ…侍のはびこっていた時代に日本に今の日本人がいたとしたらおかしなものだろう?そういうものだ」

慧音「ははは…君は面白いことを言うな」

486 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:48:23.881 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…君は、寺子屋で教師をしていると言っていたが…何を教えているのだ?」

慧音「数学から歴史まで、一応一通り教えているよ」

DIO「ほほう……」

すっと、DIOの細い目が閉じられる

そういえば……ジョースター家の養子として暮らしていたころは、ジョースター卿からずいぶんと様々なことを教えられた

尤も、ちっともそれらのことには感謝などしていないが

DIO(…思えばあの時から…このDIOとジョースターの因縁は始まったのだ…フン)

487 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:48:48.085 ID:kMyPhLZX0.net
慧音「だが、君のいう法学というのは私の教えられない分野だ…どうだろう、今度子供たちに教えてはくれないか?」

DIO「遠慮しておく……あいにくと、子供は苦手でね」

DIO(このDIOに教鞭を振るえだと?フン!馬鹿なことを言うなよな、マヌケがぁ…)

DIO「……ム…?」

慧音の案内していた道を進むと、竹林が見えてきた

DIO「…あの竹林が、君の目的地か?」

慧音「そうだ、あそこに私の友人が住んでいるんだ」

DIO(…竹林に住む…?人間ではないのか?)

DIO「……そこに住んでいるのは、妖怪か?」

慧音「いや、人間だよ……ただし、不本意で不老不死を手に入れた、な」

488 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:49:37.730 ID:oRpQwhZq0.net
ワールド21がジョナサンに宿っていたという説を上げるとするならば…あるいは…

489 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:50:08.961 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「不老不死だと?」

慧音「…なに、そんなに普通の人間とは変わらない、少し怒りやすいが、いいヤツだ」

DIO(…不老不死の人間…使いようによっては、便利な駒になるだろうが…はたして、ここの住人はそう易々と私の味方になるだろうか)

慧音「さぁ、行こう」

DIO「…あぁ」

490 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:50:33.648 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(ここは落ち着くな…日光があまり届かないからか、それともこの静けさに落ち着くのか…)

竹林の中は、木漏れ日だけで照らされていた

鳥の鳴き声が聞こえるその風景は、観光地としてそのまま使えそうなものだった

尤も、この幻想郷に観光で来たが最後、戻ることはできないだろうが

慧音「何度来ても、ここは静かでいい場所だ」

DIO「…あぁ……そうだな」

慧音「君は、こういう場所に来ると落ち着くか?」

DIO「あぁ、吸血鬼にとって日光はあまり好ましいものではないからな…」

慧音「ははは、そうかもしれないな」

DIO(…この場所に住むなど、中々好きものな人間だな…)

491 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:52:20.326 ID:kMyPhLZX0.net
慧音「あぁ、あの家だ」

DIO「…」

慧音が指差したのは、小さな日本家屋だった

家屋、というのももったいないほどの小ささなのだ

藁ぶきの屋根が、かろうじて雨風をしのいでくれるのだろう

周りの壁は、ほんの少しの衝撃でも吹き飛びそうなほど脆く見える

もちろん、実際そこまでの脆さではないのだろうが

DIO「本当にこんなところに人が住んでいるのか?博物館に飾ってありそうってくらい古びた家じゃないか」

慧音「そんなことを言ったら殺されるぞ」




妹紅「もう聞いてるぞ」

492 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:53:07.861 ID:kMyPhLZX0.net
慧音「おや、いたのか」

妹紅「…慧音、来るなら来るって言ってくれればいいものを…」


DIO(…なんだこの女は?今まで見てきた者とは何か違うな…私と同じような雰囲気だ…)


妹紅「…そっちのヤツは?見たことないな、慧音の知り合いか?」

慧音「いや、実はな…」

DIO「幻想郷の外から迷い込んだのだ……」

妹紅「へぇ、外から」

DIO「…DIOだ、君の名は?」

妹紅「妹紅。藤原妹紅…妹紅って呼んでくれ」

493 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:53:46.240 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…妹紅、君は人間だと聞いたが、本当にそうなのか…?言っちゃ悪いが、君はどうもその外見にそぐわない、老練された雰囲気を持っているが」

妹紅「…アンタ、人を見る目があるな……」

慧音「私が不老不死を持っていると教えたんだ」

DIO「そこじゃあない……最初から不老不死だった、という感じなんかじゃあないな、今の私の言葉に少しばかり苦い顔をしただろう…フフ…」

妹紅「…ちょっと、不本意にもある薬を飲んでね……それで、こんな体になったのさ」

妹紅が、どこから取り出したのか小さな刀を腕に突き立てた

サクリ、と綺麗な音がして刃が腕を貫通する

一瞬、DIOは妹紅の気がふれたのかと思ったのだが、そうではなかった

ほんの2、3秒でその傷が治癒したのだッ!

DIO「……不老不死なんてちゃちなものではない…不死身ということか、恐ろしい回復力だな」

妹紅「…アンタの暮らしてた、外の世界じゃあありえないことだろう」

DIO「フン…私は、人間ではない…自らの意志で、吸血鬼になったのだ」

妹紅「なに?」

ピクリ、と妹紅の眉が動いた

そこにあるのは、驚きではなく「怒り」だった

494 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:54:19.083 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…腹立たしいか?自分は無理矢理人間であることをやめさせられたのに……目の前の私は、自ら人間をやめた…それが、腹立たしいか?」

妹紅「…なんでそんなことをした?吸血鬼になるなんて、不老不死にでも目がくらんだのか?」

慧音「も、妹紅…そんなきつい言い方をしなくても…」

妹紅「慧音、言っちゃあなんだが、こいつは少しばかりおかしいぞ、なぜ吸血鬼になった?普通の生活をしていれば、人間として一生を終える…」

妹紅「それにだ、ここに迷い込んだということは、死んだのだろう?吸血鬼なのに死んだのは…誰かに殺されたからだよな?うっかり日光浴したなんて、ありえない」

DIO「…私は、私の友人との戦いで負けたのだ、その友人と私はわけあって同じ家で育ってな…」

妹紅「…」

DIO「…友人も私も、共に船の事故で最後は死んだのだ、いくら吸血鬼でも、誰の血も吸えず、海の底に沈んだままではどうしようもあるまい?何より私は、首だけの状態にされてな」

DIO(こんなヤツらに真実を話すことはない……話したところで、無意味なことよ)

495 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:55:12.024 ID:kMyPhLZX0.net
妹紅「…吸血鬼になった理由は?場合によっては、私はお前と関わりたくない……死ぬのが怖かったから、なんていう理由ならまだマシだが、力がほしかったなんてふざけた理由なら、ここで燃やし尽くす」

慧音「妹紅!DIOは紳士的な男だ、そんなこと…」

DIO「…そうだなぁ、あの時は無我夢中だったので覚えていないが…」

人間をやめたあの時を…ジョナサンとの船での戦いを…そして、100年後に蘇り「世界」を手に入れたことを思い出し、DIOは答えた

DIO「運命を、超えたかったのだと思う」

妹紅「運命?」

思っていたことと違ったのだろう、その返答に妹紅はぽかんと口を開けた

496 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:55:36.669 ID:hEfLxFw6D.net
支援

497 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:55:50.000 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「君たちは、運命を信じるか?鉄道が敷かれたレールの上しか走れないのと同じように…我々も、その運命によって決められた道を進んでいるだけだとは思わないか?」

妹紅「…運命論は信じていなくてね」

DIO「フフ…信じる信じないは勝手だ、しかし私の人生には、どうにもその運命が深く関わっているように感じられた…」

DIO「人間の生きることとは、なんだと思う?完全なる安心を得ることだ…もしも運命によって不安が用意されているのなら、その運命を超えるほどの力を手に入れればいけないとは思わないか?」

妹紅「そのために、吸血鬼に?」

DIO「あの時はそんなこと、考えてはいなかったが、今思えば私はそのために吸血鬼になったのだろう…フフフ…そう考えると、それさえも運命によって決められていたのかもしれないなァ…」

妹紅「…ずいぶんと…難しい考え方をするな、有神論者か?」

DIO「私は神など信じない…そんな者がいたとしても、このDIOにはどうでもよいことよ……」

DIOの言葉をしばし考えてから、妹紅が頷いた

妹紅「アンタの理由は、正しいかどうかはわからないけど、少なくとも考えられた行動で人間をやめたんだってことはわかった…だが、その上で私はやっぱりアンタを信用しきれない」

慧音「妹紅!!何をするつもりだ!」

妹紅「弾幕ごっこをしようじゃあないか……」

DIO「…」

498 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:56:33.908 ID:kMyPhLZX0.net
妹紅「言ったよな、運命を乗り越える力を手に入れたと…なら見せてみな、アンタのとった行動が正しかったと、私に証明してみろ」

慧音(妹紅は本気だ…ま、まずいぞ…吸血鬼とはいえ、それはただ体力があるだけのことッ!ボクシングの世界チャンピオンがマシンガンを持ったスワット隊員に勝てないのと同じようにッ!今のDIOは、勝つすべなどないッ!)

DIO「…一つ言っておくが、決着はどうやってつけるね?互いに死なない体だ…」

妹紅「慧音が見て、どっちが上かを決めてくれよ」

慧音「わ、私が……?」

妹紅「…DIO、手は抜くなよ?お前の力を見極めてやるんだから」

DIO「言われずとも分かっているさ……」

妹紅「周りの被害なら考えなくていい、この竹林に来るヤツなんてめったにいないからな」



そう言いながら、妹紅はゆっくりと歩き始めた

DIOとの距離を、十分にとったのだ…

499 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:57:09.197 ID:5jngxtgdp.net
ワクワクしてきた

500 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:57:41.129 ID:kMyPhLZX0.net
妹紅「…DIO……私は、人間に憧れている…儚い花のような一生を送る人間に…私も、本当なら散っていけるはずだったんだ」

DIO「何を言うかと思えばそんなことか……君は一つ勘違いをしているようだな」

妹紅「なに?」

DIO「死ぬことを美しいように言っているが、人というのは生きているからこそ美しさを持っているのではないか?私はもしも、君とそこらへんに転がっている動物の死骸を比べたら、君のほうが美しいと答えるはずだ」

妹紅「そんなことを言ってるんじゃない、周りの人間が老いていき、死んでいくのに、一人だけ残された者の気持ちを考えたことがあるか!?」

DIO「…そうやって周りのことなど気にするから……人間というのは、いつまでもそれ以上の高みに近づけないのだ」

妹紅「高みだと…?不老不死の、そんなもののどこが高みなんだ!?言ってみろ!!!」

DIO「不老不死が高みなのではない……人間の人生の中で学べることはわずかだ、世界のすべてを知るには不老不死でなければならないのだよ…」

妹紅「どうやら、お前と私では相容れないようだな!!!」

妹紅が、手のひらから炎を発する

その炎は、DIOの体を灰にしようと襲いかかっていくッ!

501 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:58:32.717 ID:kMyPhLZX0.net
妹紅「知ってるか!不老不死だと思っているだろうが、吸血鬼というのは元来、不死身の存在ではないんだ!」

DIO「再生できないほどのダメージを与えればいいと思っているわけか」

妹紅「くらえッ!『フェニックスの尾』!!!」

瞬間ッ!!妹紅の背中に、絵本で見るような不死鳥の姿が現れたッ!


DIO「…ほほう、面白いな……本当にただの人間なのか?」

妹紅「あいにくと、1000年以上生きてる身でね…いろんな妖術を覚えたってわけさ!!」


DIO(…消えることのない炎か)

打ち出された炎が、DIOの頬をかすめた
火傷の痛みが走ったが、それも一瞬で癒えていく

妹紅「へぇ、本当に吸血鬼なのね」

DIO「…物理的な炎と同じようだな……フン、つまらん」

妹紅「つまらない?こんなこともできるっての!!!」

地面に向けて炎を振るう

すると、地面の中に炎は消えていった!まるでッ!水が地面に浸透していくようにッ!

DIO(消えただと…?ま、まさか…!!!)

502 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 20:59:03.846 ID:kMyPhLZX0.net
危機感を覚えたDIOは、すかさず地面を蹴ったッ!

空中のその巨体が浮かんだのと同時ッ!炎が噴水のように地面から噴き出したッ!!



DIO「ヌゥッ!?」

妹紅「物理的な炎と同じ?私の妖術をなめたら痛い目に遭うよ!!」


DIO(ちっ、できれば「世界」を使わずにこの妹紅を負かしたかったが…フン、まぁいい…「時止め」さえ使わなければ、我が切り札は残るのだからなァ…)




DIO「『世界』!」

503 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:00:25.604 ID:kMyPhLZX0.net
妹紅「!?」

慧音「な、なんだあれは…!?」


DIO「フフフ……怯えているな?見たこともないキノコを目の前にして困惑する遭難者のような表情だ…」

妹紅「ちっ、守護霊なんて興味ないんだよ!!!」

妹紅の炎が「世界」に襲いかかる

だがッ!その炎は、「世界」の体をすり抜けたのだッ!


妹紅「!!あ、当たらない…!?」


DIO「やはりなァ…スタンドが実体を持ったからといって、スタンドはスタンド同士でしか触れられない…」

DIO「見ることは可能になったが、結局スタンド使いを破るのは同じスタンド使いだけよ…」

不敵に笑いながら、DIOが妹紅の目前へと迫る


妹紅「ちっ、蓬莱人形!!!!」

DIO「無駄だ!!貴様はもはや、蛇の前に現れた蛙のように無力な存在よッ!!」


「世界」の拳が、妹紅の胴を貫く

504 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:01:09.996 ID:kMyPhLZX0.net
妹紅「うぐっ……!?」

DIO「妹紅、君はさっき…人間は儚く散るからこそ美しい、なんていうようなことを言ったよなぁ…ならば、なぜお前はそうやって痛みに悶える?」

妹紅「DI…O……」

DIO「…凄まじい再生力だな、もう穴が塞がったか」

慧音「DIO!!!もういい、君のその守護霊は、かなりのパワーを持っている!!」

妹紅「慧音ぇぇ!!!!まだだ、まだ私は認めてやらねぇ!!!」

慧音「し、しかし妹紅!!!」

妹紅「……不死鳥は死なないのよ……!!!!消えぬ炎は、その煙を天まで届けたのよ!!」

DIO「…」



妹紅の背中に現れている、首のない不死鳥が……そのすべての力をもって、DIOを焼き尽くそうと襲いかかった!


DIO(まずいな……この威力の炎をまともに受ければ、一瞬で消し炭になりそうだ…やむを得ん、時間を止め…)


その時だった!


突然、妹紅の……いや!!!DIO以外の、全ての動きが止まったのだッ!!!

505 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:01:42.213 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(!!!!フ……フフフフハフハフハフハフハ!!!!!いいタイミングだ!!!感謝してやるぞ、ジョン・ドウ……)

この幻想郷にいる、もう一人の「時を止められる者」が偶然にも、今時を止めたのだッ!!

DIO(…まったく、このDIOは……何か、運命を超えるべき定めにあるようだ……)

グルゥッ、と妹紅の後ろに回り込む

DIO(3秒……フフ……先ほどはちょっと驚いたぞ、まさかその炎を一度に私にぶつけようとはなぁ…)

「世界」の拳が、妹紅の足を砕く

DIO(4秒……まさに捨て身の攻撃だったというわけだ…)

DIO(5秒…だがなァ…)




DIO「このDIOの前で……そのようなあがきなど無駄なことよッ!!!」



DIO「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!」

506 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:03:04.583 ID:kMyPhLZX0.net
「世界」の拳の弾幕が、妹紅の体を打ち砕くッ!!!


DIO「13秒……先ほどの限界はここだった…だが!!!我が『世界』は、まだ動いていられるッ!!14秒…いいや…まだ!!15秒!!!驚いた、15秒も止められるッ!!」

DIO「…フン、今は16秒が限界か…いや、充分すぎるほどの成長よ…」


DIOの体が、動きを止める

その時ふと、DIOはあることを考えたのだ





DIO(!!時が動き出したな……)


妹紅「ハッ!?ぐぁぁぁああああああああああ!!!!!」

慧音「妹紅!DIO……!!DIOがいつの間にか…妹紅の後ろにッ!?」

妹紅の吹き飛んだ方向は、ちょうど妹紅がDIOを燃やし尽くそうと、不死鳥のすべてを放った場所だった!!!


妹紅「あ…ああああああああああああ!!!!!」


自らの発した炎によって、妹紅の体は燃やされていく

507 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:03:40.806 ID:kMyPhLZX0.net
慧音「も、妹紅!!!待っていろ、今すぐ助けて…」

DIO「…待てよ慧音……妹紅は不老不死なのだろう?これくらい問題ではあるまい」

慧音「何を言っているんだ!!それでも彼女は、痛みを感じるのだぞ!?」

DIO「……」



DIO(気化冷凍法……久しぶりに使う技よ…)

DIOが、自分自身の右腕を凍らせたッ!

慧音「な、なにを……?」

DIO「ふん、これで一瞬ならば業火にも耐えられる」



右腕を業火の中に突っ込み、妹紅を引きずり出したッ!

508 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:04:11.907 ID:kMyPhLZX0.net
慧音「も、妹紅!!!!」

DIO「…安心しろ、息はあるみたいだ…」

慧音「と、とにかく家の中に運ぼう!!!」

DIO「…服が燃えているのはいいのか?ほとんど素っ裸じゃあないか…」

慧音「そ、それはあとだ!!!早く運ぶぞ!!」

DIO(…藤原妹紅……時が止まらなければ、危ない相手だった…)

DIO(このDIO……貴様の実力を認めてやろう…フフフ…認めたうえで、やはりこのDIOに貴様は勝てないがなァ…)

509 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:05:03.700 ID:fPSIFEBJ0.net
支援

510 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:05:22.481 ID:gQ1vq/cT0.net
咲夜にぼこられるDIOがみたい

511 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:05:25.370 ID:kMyPhLZX0.net
妹紅「う…む……?」

慧音「!!妹紅、目が覚めたか……!!」

妹紅「…こ…こは…?」

慧音「お前の家の中だ…あぁ、布団から出ない方がいいぞ、一応急いで作った服を着せているが、みすぼらしいものだからな」

妹紅「…服……?そうか、私は自分の炎の中に飛び込んで…!!!DIO!!ヤツは…」



DIO「…ここにいる」

妹紅「…お前……!!い、一体何をしたんだ!?急に私の後ろに…」

DIO「…私の持つ、守護霊のようなものはスタンドと言ってな…あれのおかげで、高速で移動できたのだよ」

妹紅「う…手の内は隠されてたってわけか…」

DIO(「世界」のスピードもパワーも精密さも、格段に上がっている…フフフ…それを肌で感じたのは、今回が初めてだなァ…前の夜に襲われた時は、相手が弱すぎて話にならなかった)

512 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:06:18.615 ID:kMyPhLZX0.net
妹紅「…完敗だ、私の負けだった…」

慧音「妹紅、そう気を落とすな…」

妹紅「…生への執着が強い、お前が勝ったのは当然とも言うべきだな」

DIO「…」

妹紅の寝ている布団に近づき、その前にストン、とDIOが腰を下ろす

DIO「君の不老不死に対するのは諦めの考え方だ…私のは、希望の考え方…どちらが正しいということはない、どちらも正しいのだ」

妹紅「…」

DIO「…人間をやめた私を見下すのは勝手だが、しかしその思想すべてを否定するのはいただけないな」

妹紅「分かってる…アンタと戦って分かった、アンタは確かに、不老不死を手に入れたことで、何かの境地に達したんだろうな…」

513 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:06:54.320 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…傷は痛まないか?」

妹紅「フン、不老不死をナメるなよ…傷なんてもうない、服も慧音がすぐに直してくれるだろうし問題ない」

DIO「…面白い戦いだった、君のようなヤツなら、確かにこの幻想郷でも生きていけるのは納得だな」

妹紅「スペルカードルールじゃなければ誰にでも勝てると思ってたけど…霊夢とアンタにだけは、勝てる気がしないな…」

DIO「……」

DIO(この幻想郷の住人は……少なくとも、私の数倍強い能力を持っていると考えるべきだ…)

DIO(だが、我が「世界」の真の能力に迎え撃てるものなど……一人しかいない)

DIO(時を止めている者を見つけだし、このDIOの配下にでもおくべきか…)

514 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:08:18.323 ID:kMyPhLZX0.net
慧音「妹紅、体調がよくなったのならちょっと手伝ってほしいことがあるんだ」
妹紅「ん?あぁ、そういえばもともとは私に用事があって来たんだったな」

慧音「あぁ、子供たちを遊ばせてやりたいんだが、どうも広い場所がなくてな…この竹林に連れてきたいんだ」
妹紅「なるほど……周りから白い目で見られないといいけど」

慧音「ははは、大丈夫だ……そうだDIO、もしよければ君も…」
DIO「あまり長居するのは申し訳ないな、私は帰るとしよう」

慧音「ま、待ってくれ!君もできれば一緒に子供たちと遊んでやってくれないか?男性の君なら、体力も続くだろうし…」

DIO「言っただろう、あまり子供は好きじゃあないんだ」

慧音「…そうか…」

DIO「…しばらく人里を散策してみる、暇が出来れば帰ってこよう」

慧音「!あ、あぁ、助かる!!」

妹紅「…なぁ、DIO」

布団に入ったままの姿勢で、妹紅がDIOを呼ぶ

くるりと振り返ったDIOに、妹紅がそっと小さく声をかけた

妹紅「すまなかった…君の人生を否定するようなことを言って」

DIO「周りの者から理解を得ることこそ最も難しいことだ…それが、自分自身と似ているような相手ならばなおさらな」

妹紅「!」

515 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:08:52.622 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「だが一つだけ言っておこう、君が不老不死を手に入れたのがもしも運命なら……君はそれから逃れるのか?それとも死ぬのか…そう考えるべきだ」

DIO「尤も、君は死ねない体だがな」

鼻で笑ってから、DIOが外へと出る

まぶしい朝日を感じるたびに、ここが外の世界と違う、ということを実感する

DIO(…藤原妹紅、上白沢慧音…この二人は、なかなか利用できそうだ…)

DIO(…信用を得るためにも、しばらく付き合ってやるのも悪くはないだろう)

516 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:09:31.423 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…しかし、この幻想郷は日本の古い時代の風景をそのまま映したような街並みだ…」

すれ違う人々の好奇の視線を浴びながら、DIOは歩いていた

DIO(…イギリスの都会的な街並みとは違うが…何か、不思議と心を落ち着かせるものがある…)

DIO(…まさに、天国とはこのような場所なのだろうな……)

DIO「…」






咲夜「はぁ…まったく、私ともあろうものがまさか買い忘れをするなんて…」



DIO(ムム……?あの女…メイドのような服を着ているが…)

道の向こう側から歩いてきた女性を、DIOはじっと観察した

穴が開くほど、という表現がまさにふさわしい

DIO(この風景には、少しばかり不釣り合いだな…)

517 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:09:57.565 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「…?あの…私がどうかしたかしら」

その視線に気づいたのか、女性はDIOに声をかけてきた

DIO「いや……ずいぶんと変わった格好をしているな、と思ってね…」

咲夜「あら…私のことを知らないの?この辺りの住人じゃあないのね」

DIO「そもそも、幻想郷の住人じゃあないんだ……」

咲夜「!!じゃ、じゃああなたも外からやってきたのね……」

DIO(あなたも…と言ったな、つまりこの女も他に外から来たヤツと会ったのだな…)

DIO(ジョジョのヤツではない…つまり)



DIO「私のような者が他にいるということか」

咲夜「え、えぇ……」

518 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:10:28.110 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(…この女も、何かしらの力を持っていると考えた方がいいのか?)

DIO「君は人間なのか?ここの住人はずいぶんと面白い者が多いが…」

咲夜「私は人間ですわ、正真正銘の」

DIO「…そうか」

咲夜が、DIOをじっと観察する

さきほどまでと立場が変わったのだ

DIO「…何か買い出しに来たのではないのか?さっきそう言っていたが…」

咲夜「!!そ、そうだった…それでは」

DIO「あぁ、気を付けるんだな……」

咲夜(ジョジョに掃除を押し付けてきちゃったし、急いで帰らないと…)




咲夜(「プライベート・スクウェア」…時よ止まれ!!)

519 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:10:59.305 ID:kMyPhLZX0.net
ド――――――――ン





DIO(!?な、なにィ……!?と、時が止まった!?)



咲夜「さて、急がなきゃ…」


DIO(ば…馬鹿な……!!!ま、まさかこの女が時を止めていたのか!?し、信じられん…)

DIO(…ここで動くのは間違いだ…止まったフリをしておいてやろう…)

520 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:11:11.340 ID:SBq3GE1Fd.net
やってしまいましたなぁ

521 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:11:19.590 ID:+fpL2swL0.net
上っ面だけの紳士
さすがDIO!

522 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:11:25.032 ID:nd5KVLaD0.net
一時間も止められるんなら誰も咲夜に勝てないと思うんだが
弾幕勝負になると止められる時間が制限されるのかな

523 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:11:47.290 ID:SBq3GE1Fd.net
殺し合いじゃないしな

524 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:12:27.666 ID:gQ1vq/cT0.net
>>522
霊夢は無敵になる能力があるから時を止めても勝てない

525 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:12:42.742 ID:kMyPhLZX0.net
女性がその場から去り…しばらく経つと、時が動き出した

DIO「…名前を訊くのを忘れていたな…」

DIO「…時を止める人間…フフフ…これは、面白い」

DIO「…帰る時も恐らくここを通るだろうな……」



不気味に口端を歪めたDIOは、道の途中でじっと待っていた

通行人たちが邪魔そうに避けていくが、そんなことには構わない




10分ほどだろうか、さきほどの女性が帰ってきた

526 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:13:07.455 ID:RPKLzp5+0.net
紫って何かの境界いじったら止まった世界でも動けんのかな?

527 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:13:14.200 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「あら、あなたは……」

DIO「…いや、一つ訊き忘れたことがあってね…ここにいればもう一度会えるかと思ってね」

咲夜「訊きたいこと?」

DIO「その外から来た人間と、会わせてほしいんだ…自分と同じ境遇の者と会えるなら、心強いだろう?」

咲夜「あぁ、なるほど」

DIO「……DIOだ」

咲夜「私は十六夜咲夜、よろしくお願いしますわ」

DIO「咲夜……早速だが、君の仕えている家について行ってもいいかな、君がメイドならば、の話だが」

咲夜「えぇ、もちろん」



咲夜の後ろを、少し距離を置いてDIOは歩く


DIO(時を止める女を味方につけられれば大きいな…フフフ…)

DIO(…外からやってきた人間…か…)



DIO(…)

528 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:14:19.759 ID:nd5KVLaD0.net
>>524
夢想転生?
あれはスペカにして時間制限つけたんでしょ

529 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:14:51.036 ID:rfn/cchn0.net
>>528
悲しみを背負えそう

530 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:15:47.458 ID:nd5KVLaD0.net
>>529
パロディだよ

531 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:17:00.559 ID:VsPMGg/60.net
DIOは若いジョセフにどんな反応するかね

532 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:17:01.776 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「DIO…さんは、何かスポーツをされていたのですか?」

道中、咲夜がそんなことを訊ねてきた

くだらない質問だ、と思いながらもDIOは適当に返事をする

DIO「大学でラグビーをな…」

咲夜「そうですか…DIOさんはどうりで、体ががっしりして…」

DIO「なぁ、その呼び方はやめないか…?DIOと呼び捨てにしてもらえたほうがまだいい」

咲夜「で、ですが…呼び捨てにするには、なぜか抵抗があるのです……」

DIO(…この女…何か私から感じ取っているな?少しばかり怯えたような表情だ…)

DIO(畏怖の念は従えるときには重要なものだ…だが、最初の心に付け入る時にはむしろ邪魔な物よ…)

DIO「…私が人間ではないからかもしれないな」

咲夜「に、人間ではない?それは…」

DIO「私は吸血鬼なのだ」

咲夜「!!!」

DIOの言葉に、咲夜は顔色を変えた

怯えているのではない、驚いているのだ

533 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:17:32.800 ID:Cdo7LCJH0.net
>>530
夢想「天」生を遠回しに突っ込んだものと思われ

534 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:17:41.712 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…どうかしたのか」

咲夜「あ、あなたも吸血鬼だったのですか……!?」

DIO「…も……だと?」

咲夜「い、いえ…私の仕えている主人も、吸血鬼なのです」

DIO(!!!ほほう…この女の主人が…吸血鬼か…)

DIO「私と、恐らく君の主人は違うな…私は吸血鬼になったんだ、ある方法でね」

咲夜「なった……」

DIO「あまり昔のことは話したくない、若気の至りというやつだ、強大な力に目がくらんだだけの、馬鹿な若者だったのだ…」

咲夜「…どうりで、見た目の割に成熟された雰囲気があるのですね…」

DIO「……すまないな、本当は最初に言っておくべきだったのだが…君が吸血鬼を恐れない、なんていう保証はなかったのでね」

咲夜「いえ、そんなことはありません、DIO様」

DIO「…DIO…様?」

咲夜「私の仕える主人と同じ吸血鬼ならば、やはり様と呼ぶのがしっくりきます!」

DIO「…好きにしろ」

535 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:18:11.606 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(フン、やはり女とは馬鹿な生き物よ…少し餌をくれてやれば簡単に尻尾を振るようになる、そして次には腹まで見せる…)

DIO(…この女の主人がどれほどの力量を持っているのかはわからんが、関係ない)

DIO(このDIOに敵うものなど、この世界には存在しないッ!!)

536 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:18:27.312 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ・ジョースター その血の因縁

537 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:18:45.982 ID:LnVExpun0.net
若ジョセフとは対面してなかったか

538 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:19:03.662 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「なんなんだよーッ!!なんでこのジョジョが掃除なんてしなくちゃいけねーんだよッ!」

咲夜が買い出しに出かけている頃、ジョセフはその代わりに掃除をしていた

しかし、広すぎる館の掃除など、「時を止め」てでも行わない限りは無理に決まっている

ジョセフ「でも途中でやめたら咲夜に怒られるしなーッ…」


レミリア「あらジョジョ、あなたが掃除をしてるなんて、珍しいわね」

ジョセフ「ん?レミリアじゃねーか、どうしたんだ」

レミリア「あら、住人が廊下を歩いていても、何もおかしくないでしょう?」

ジョセフ「そうだけど…もしかしておめー、ヒマなの?おヒマー?」

レミリア「ち、違うわよ……」

ジョセフ「そういやぁおめー、前から咲夜と話してるくらいしかやることなかったみたいだしな」

レミリア「パ、パチュリーとも話してるわよ!」

ジョセフ「ふーん、オレにはカンケーないけどねッ!」

レミリア「……」

ジョセフ「冗談だよジョーダンッ!」

床にモップをかけながら、ジョセフがため息をつく

539 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:19:55.245 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…なぁ、咲夜っていっつもこんな仕事を一人でしてるのか?」

レミリア「そうよ、あの子は私の従者なんだもの」

ジョセフ「…そんなこと言ってるとさー、嫌われるぜ?あいつ、ああ見えて結構純粋っぽいし」

咲夜「あら、ずいぶんと咲夜と深い仲になったみたいねぇ、へぇ……」

ジョセフ「おーっ!?勘違いされちゃあ困るけど、俺は別に手なんか出して…」




パチュリー「咲夜、咲夜はいる?」


ジョセフ「あぁ?なんだ、パチュリー…咲夜なら出かけてるぜ」

パチュリー「あらそう……ちょっと図書館の掃除もしてもらおうと思ったのに」

ジョセフ「ま、また掃除かよ…俺はゴメンだぜ…」

レミリア「あら、咲夜の代わりをしてるなら、図書館の掃除も仕事なんだから」

ジョセフ「オーノーッ!俺の嫌いな言葉の四番目は、「働かざる者食うべからず」なんだぜーッ!」

レミリア「あら、じゃあその嫌いを克服しないとね」

ジョセフ「イヤダーッ!!!」

540 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:20:29.874 ID:kMyPhLZX0.net
美鈴(…館の中からジョセフさんの声が聞こえてきますね…大きな声)

美鈴(あーあ、それにしてもいい天気!ついついこう、ウトウトと瞼が降りてくる…)




咲夜「…ずいぶんと気持ちのいいシエスタが過ごせそうで、よかったわ」

美鈴「おわーっ!!!さ、咲夜さん!?ち、違うんです!!別に寝ようと思ってたわけじゃなくて、気持ちのいい天気だって……ってあれ?咲夜さん、その人は…」

咲夜「あぁ、彼は…」

DIO「……DIOだ、君は…」

美鈴「は、初めまして!私は紅美鈴です!!」

DIO「…君はここの門番か何かか?こんな場所に突っ立って寝ているなんて」

美鈴「ね、寝てはいませんよ!!」

541 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:20:56.464 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「美鈴は、一応紅魔館の門番なんです…まぁ、見ての通り役には立たないのですが」

DIO(…フン、私の門番とはまったくもって違うというわけだ)

DIO「…門番の役割は戦うことではない、そこに門番がいることで、侵入しようという意思を削ぎ、なおかつ中に住む者の威厳を保つのだ」

美鈴「そ、そうですよね!!」

DIO「だが、仕事の間に寝るというのは常識としてあってはならんことだ」

美鈴「ひぃぃ!!」

咲夜「それより、ジョジョはどうかしら?何か変なことをしてない?」

DIO「!!」

542 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:22:57.436 ID:WV2ZgQNj0.net
一番なまっちょろいとかディスられたやつの若かりし日の印象とは

543 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:23:18.105 ID:nd5KVLaD0.net
>>533
ほんとだ間違えた

544 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:24:08.775 ID:kMyPhLZX0.net
美鈴「えぇ、さっき大声出してたみたいですけど、たぶん大丈夫ですよ」

DIO「……その…ジョジョというのは?」

咲夜「えぇ、この紅魔館で保護している、外から迷い込んだ男です」

DIO(…まさか、ジョナサンじゃあないよな……あいつは魔理沙とかいう女のところにいる…)

DIO(…)

DIO「早く、会ってみたいものだな…外から迷い込んだ者同士なァ…フフフ…」

美鈴(な、なんでしょうか……こ、この人…なぜだかわかりませんが、危険な感じがします…動物が生まれつき、毒キノコを食べてはいけないことを知っているようにッ!私の本能が、この人は危険だと教えてくる!)

545 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:24:34.259 ID:kMyPhLZXH.net
DIO「…咲夜、案内してもらってもいいかな」

咲夜「はい、DIO様」

美鈴「さ、様?」

咲夜「美鈴、ちゃんと起きて仕事してなさいよ」

美鈴「は、はい……」

美鈴が二人の背中を見送る

DIOの背中が館の中に消えたのと同時、背中にどっと汗が流れた

546 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:25:12.994 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「ジョジョー!!ジョジョはいるかしら!」

DIO「おいおい、メイドが間違ってもそんな大声を出すもんじゃあない…おしとやかじゃなきゃなぁ…」

咲夜「す、すいません」

赤いカーペットの敷かれた廊下を、DIOは辺りを見回しながら歩いていた

DIO(洋館か…特に変わった場所はない、過ごしやすそうな場所じゃあないか…ジョースター邸を思い出すな…)

咲夜「もう、ジョジョったら……こういう時だけいないんだから」

DIO「そう焦るなよ、時間は十分にある……」

咲夜「えぇ、そうですけど…」

DIO「…」

咲夜「…あら、あそこにいるのは…ジョジョ!!よかった、ちょうど角を曲がったところだったみたいです!」

DIO(…やはりジョナサンではない、つまりあいつは…)

547 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:25:50.558 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「ぐあーっ!!こ、この館の廊下に終わりってあるのかァー!?ランニングマシンみたいに走っても走ってもなくならねーぞ!」

レミリア「もう、そんなにすぐ弱音を吐いて」

パチュリー「だらしないわねぇ」

ジョセフ「や、やってみりゃあわかるんだよ、この…」




咲夜「ジョジョ!!いたのね!」

ジョセフ「ん、咲夜、帰ってきたのか…」

ぐるりと振り返ったジョセフは……そこで、信じられないものを見た




ジョセフ「な、なにィ〜〜!?て、てめぇは……!!!!」



DIO「……」

548 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:26:35.490 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「…?ジョジョ、DIO様と知り合いなの?」

ジョセフ(はっ!!ま、まずい…ここで俺が下手に正体をバラせば、DIOは暴れだすはずだ…!!!!)

ジョセフ(DIOのスタンドは無事なのかどうかは知らない…た、ただ少なくとも!ここで暴れられたら被害が出るのは間違いねぇ…!!!)



ジョセフ「…い、いや、知り合いに似てただけだ…」

レミリア「咲夜、この人は?また男ばかり拾ってきて…」

咲夜「そんな言い方をしないでください…お嬢様」

DIO「お嬢様?とすると、君がこの館の主か」

レミリア「えぇ、レミリア。レミリア・スカーレットよ、よろしく」

すっと手を差し出すレミリア

DIOはその手の平に、優しくキスをする

咲夜「ま、まぁ!」

パチュリー「こ、これは…」

ジョセフ(ゲ、ゲゲー!!こいつ、俺が黙ってたのをいいことに、紳士的な態度をとってやがるッ!)

549 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:27:16.369 ID:dkdkWy4xa.net
霊夢の能力はあらゆるものから宙に浮くこと
つまりあらゆる能力から干渉を受けないともいえる

550 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:27:18.401 ID:kMyPhLZX0.net
レミリア「あら、ジョジョと違って紳士的な方じゃない」

DIO「DIOだ…幻想郷の外から迷い込んできてしまってね、咲夜に保護されたというわけだ…ミス・スカーレット」

レミリア「そんな呼び方しなくてもいいわ、レミリアって呼んで頂戴」

DIO「…そちらのお嬢さんは?」

パチュリー「パチュリー・ノーレッジよ、よろしく」

DIO「よろしく…パチュリー」

咲夜「ほら、ジョジョも挨拶して」

ジョセフ「…ジョセフ・ジョースター……はじめましてだネー!!!」

レミリア「ちょっとジョジョ、そのふざけた態度はなに?」

DIO「いいじゃあないか、フフ……ジョセフか、はじめまして」

ジョセフ(こ、こいつゥー!!咲夜達がいなければ、すぐさまぶっとばしてやるのにッ!)

DIO(ジョセフも幻想郷に迷い込んでいたとはな、驚いた…だがここで争いごとを起こすのは賢明ではない、何事にも下ごしらえは必要だ…料理とはそうやって、時間をかけて行われるようになァ…)

551 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:29:18.687 ID:LnVExpun0.net
若ジョセフだけどわかるんだな

552 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:29:26.753 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「それでは……DIO様のお部屋に私が案内しますので」

DIO「待ってくれよ咲夜、なにも私はここで世話になるつもりはない」

咲夜「で、ですがここは…」

DIO「…レミリア、君は吸血鬼なんだってね…?確かに、ここは吸血鬼には過ごしやすい場所だ、窓からの日光も、ちょうど角度的に廊下にほとんど入らないようになっている…」

パチュリー「…まるで、自分も吸血鬼で、過ごしやすさを実感してるって感じの言い方ね」

DIO「みたい、ではない……私も吸血鬼なのだよ」

レミリア「!外の世界にも吸血鬼がいたの……!?」

DIO「正確には人間から吸血鬼になった、だがね……この館の過ごしやすさはすぐに実感できた、何より少しばかり暗い印象を受けるこの内装は、われわれにはありがたいものだ…」

DIO「だがね、ここでお世話になるということは、100m走の世界記録保持者が、女と遊んでばっかりで豪邸に住むようなものだ…生き物とは逆境にあるからこそ成長できるのだよ…安寧の上にあぐらをかけば、自然と堕落していく」

553 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:30:22.502 ID:kMyPhLZX0.net
パチュリー「なるほど…ここでずっと住んでいても、日光から逃げて生活している、ということになる…」

DIO「ここの日光は外とは違うみたいだなぁ…浴びても、体がすぐさま灰になることはない…長時間浴びれば危険だろうが、短い間ならば問題ない」

ジョセフ(!!な、なんてこった……ってことは、こいつを片づけるには波紋を流すか脳みそをグッチャグチャに破壊するかのどっちかしかねぇのかッ!)

咲夜「ではせめて、少しばかりのお持て成しをさせていただければ…」

DIO「そうだな……咲夜、用意してもらえると助かる、パチュリー、レミリア、君たちは先に紅茶でも飲んでいたらどうだ?私はこの、ジョセフと少しばかり外のことで話を共有してみたくてね」

レミリア「そうね、そうしましょう」

パチュリー「ジョジョ、テラスで待ってるから、話が終わったら来てちょうだい」

ジョセフ「……あぁ」

554 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:31:16.216 ID:kMyPhLZX0.net
三人が去って行った途端、ジョセフとDIOの間に流れる空気の重さが変わった

それまでの和やかな雰囲気はもはやそこにはない

あるのは、シベリアの極寒地帯のように、その場にいるだけで死んでしまいそうなほどの緊張した空気だった






ジョセフ「DIO…!!まさかてめーがこの幻想郷に迷い込んで来てたとはな……!!!」

DIO「フン、老いぼれだった貴様も、この幻想郷にやってきたことで若いころの肉体を取り戻した、ということか」

ジョセフ「てめぇこそ、承太郎に負けたくせにピンピンしてやがるじゃあねーかッ!」

DIO「…フン、あの敗北は我が『世界』が『星の白金』より劣っていたという理由からではなかった…あの時の私は、自分自身の肉体ではなく、ジョナサンの肉体だったからな…」

ジョセフ「な、何を言っているッ!?」

DIO「この肉体は、私が吸血鬼の力を手に入れた当時のものよ…フフフ……実に清々しい、貴様はここに来てからスタンドを出してみたか?まぁ、お前のよわっちいスタンドでは大したことはできんがなァ…」

ジョセフ「お、おめーまさかッ!」

555 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:32:30.372 ID:N5Lizdk7a.net
DIOが段々丸くなってくれればよぉ〜〜冷や冷やしないですむのにこのDIOカリスマが溢れて見えるぜぇ!まるで六面ボスの登場時のように!こいつはヤバイと一目でわかるぜ…だから無敵のスタープラチナでなんとかしてくださいよぉぉぉおお!!

556 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:33:00.092 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…あの咲夜とかいうメイド、時を止められるだろう?何度か時間を止められてな…そのたびに、私は自分が何秒動けるのか試してみた…」

DIO「驚いたぞ、15秒以上止めていられるのだ…おかげで、咲夜の止めた世界でも15秒以上動けたのだ…さらにこれから、私は止められる時間を延ばせるのだ…!」

ジョセフ「15秒だと……!?」

DIO「驚いたな?フン、もはや貴様のスタンドなどでどうすることもできん、波紋さえもなァ…」

ジョセフ「ぐ……!!」

あまりの圧倒的余裕に、ジョセフは言葉を失ったッ!

ジョセフ「てめー…そのために俺を呼び止めたのか…!」

DIO「いや、少し違うなァ……ジョセフ、お前はもうジョナサンとは会ったのか?」

ジョセフ「!!て、てめぇ、もうおじいちゃんに会ったのかッ!」

DIO「…ジョースターの血統というのは我が運命に深く関わっているようでな…お前だけならばともかく、ジョナサンさえもこの幻想郷で出会うとは…」

ジョセフ「な、何が言いたいんだ!俺はじらされるのがムカつくんだよーッ!」

DIO「…私は、この幻想郷を支配しよう、などとは考えていないということだ」

ジョセフ「なに?」

その言葉に、ジョセフは呆気を取られたッ!

557 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:33:05.960 ID:XctXXVZY0.net
レミリア様付けに無反応なんだな

558 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:33:06.247 ID:LnVExpun0.net
承太郎も来てくれないと…!!

559 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:34:36.881 ID:WV2ZgQNj0.net
こいつのSSでならジョルノとの対面が一番見てみたいが…

560 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:34:52.433 ID:RPKLzp5+0.net
>>557
客人に敬称つけても違和感なくね?

561 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:35:00.229 ID:72zEu8ON0.net
SSにしては完成度も世界観もめちゃくちゃ凝ってるけどDIOが丸くなってるのだけ気になる

562 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:35:34.975 ID:VsPMGg/60.net
ジョセフが直情型のアホに見えてきた

563 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:35:53.286 ID:aIQLWP2bd.net
なんだかんだ若ジョセフならDIOもハメそうだし安心感ある

564 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:36:01.696 ID:DkwjeIIR0.net
面白いSSにはアフィ連呼厨が湧かない

565 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:36:06.771 ID:fPSIFEBJ0.net
他のキャラは出てくるんだろうか

566 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:36:35.979 ID:LW+36Pn30.net
DIOに暴れさせると東方厨が発狂するからな
てきとーな理由つけて悪振る不良くらいにせんといかん

567 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:37:07.728 ID:kMyPhLZX0.net
DIOのことだ、「幻想郷を支配してやる」とでも言い出すかと思ったのだ

DIO「…至極簡単な話よ……私はジョースターの血統に二度も敗れたのだ…この幻想郷を支配しようとしても、結局私はジョースターの血統に阻まれるのではないか…とな」

ジョセフ(い、意外……こいつのことだ、今度こそジョースターを超えてやる、なんて心の中では思っているに決まってる!)

DIO(どうせこのずる賢いジョセフには見破られているだろうが…だが、この牽制というのは重要なのだ、遠回しに、お前など問題とは思っていない、と伝えられる)

ジョセフ「…てめーが何か企んでいるのか、そうじゃあねーのかなんてカンケーねぇ!」

DIO「…」

ジョセフ「……今は、お前と戦っても何の得もない…おじいちゃんがお前と戦わなかったってことは、少なくともお前もおじいちゃんと争いごとを起こすつもりは今ないってことだ…」

ジョセフ「だから、俺だって今は黙認してやるッ!だが何か問題でも起こしてみろ、俺はすぐにてめぇに波紋を流してやるからなッ!」

DIO「…フン、若造が…」

ジョセフ「お前など何の障害にもならん、という」

DIO「お前など何の障害にもならん……ヌゥ?」

568 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:37:06.452 ID:oRpQwhZq0.net
この物語の元凶であるプッチが出てくるにポルチーニ茸の入ったピザひとつに

569 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:37:59.330 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「てめーが何か企んでないか、ずっと目を光らせてやる!いいか、それを忘れるなよ!!」

DIO「…面白い、やってみろ」

不敵に微笑んでから、DIOが続ける

DIO「ところでこの館のテラスとはどこなのだ?私も紅茶を飲みたいのだが」

570 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:38:07.198 ID:N5Lizdk7a.net
すでによぉ宵闇の妖怪がミンチレベルになったのに東方厨は大人しいじゃぁねぇかよぉ?出しな!てめぇの東方厨を!

571 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:38:30.728 ID:kMyPhLZX0.net
レミリア「この優雅な午後は、久しぶりに感じる平穏ね」

クスクスと笑いながら、レミリアがそんなことを言い出す

呆れたように本から顔を上げて、パチュリーが答える

パチュリー「そんなしゃれた言い方しようとしても無駄よ、レミィには似合ってないわ」

レミリア「何よそれ」

パチュリー「あなたはそんな風に着飾るようなキャラじゃあないってこと」

咲夜から紅茶を受け取り、パチュリーがふと尋ねた

パチュリー「…ねぇ、DIOって……人間をやめたって言ってたわよね、吸血鬼になった、と」

レミリア「えぇ、言ってたけど」

パチュリー「一体どうやったのかしら、吸血鬼になるなんて、簡単にはできないことよ」

レミリア「これからそれも含めて質問すればいいじゃない、彼なら答えてくれるんじゃないかしら」

パチュリー「そうかしら、もしかしたら後ろめたいことがあって吸血鬼になったんじゃない?」

咲夜「後ろめたいこと……?」

572 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:38:33.548 ID:Q3HrdyZ70.net
承太郎ならなんとかしてくれる

573 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:38:58.965 ID:kMyPhLZX0.net
パチュリー「えぇ、世界を支配するとか、そんなことよ……人間であり続けると決めたあなたの真逆の考え方でね……咲夜」

咲夜「…」

レミリア「あら、そんなことなら本人に聞いてみたら?」

テーブルに頬杖をついたレミリアが、テラス入り口を顎で指す


ジョセフとDIOがちょうど、話を終えたようだった

574 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:39:22.252 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「おーっ、紅茶もなんだか種類がいろいろあるみたいねー」

レミリアとパチュリーのカップの中身を覗いたジョセフが驚いたような声を上げる

咲夜「お嬢様のはアッサム、パチュリー様のはアールグレイよ」

ジョセフ「へー、俺は…そ、そのアッサムってのでいーや!」

DIO「…私はニルギリを頼む」

咲夜「まぁ、DIO様はニルギリがお好みなのですか?」

DIO「…さっぱりとしているほうが好きでね……女性も、紅茶もそういうものだ」

レミリア「ふふふ、あなたは面白いことを言うわね」

DIO「……冷めるのが早いのも似ているじゃあないか……」

ジョセフ(ケーッ!!こいつ、本性を現さないように猫かぶりやがって…!!)

575 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:40:23.360 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…パチュリー、君は紅茶を飲むときも本を読むのか?」
パチュリー「えぇ、少しでも時間が惜しいもの」

DIO「君は死なないんじゃあないのか?それなら時間がないなんて言うものじゃあない、少なくとも私は本を読むと味の上がる紅茶の存在は知らないなァ」

パチュリー「…作法に厳しいのね」

トン、と本を閉じたパチュリーが、やや恨めしそうにDIOを睨む

DIO「これでもイギリス生まれなのでね……」

咲夜「ジョジョとは大違いね、作法なんてまるでなってないもの」

ジョセフ「な、なんだとー!!俺だって、紳士的な時もあるもんねー!」

DIO「…」

レミリア「…さて、DIO…あなたに少しばかり、尋ねたいことがあるの」

DIO「尋ねたいこと…何かね」

レミリア「…あなたが人間をやめた理由よ、どうして吸血鬼になったの?」

その言葉に、眉ひとつ動かさずにDIOはしばし考える素振りを見せた

咲夜(…この質問に、どう答えるのか…)

パチュリー(…DIOは、どんな人間だったのかしら、そこが一番興味深いわ)

ジョセフ(ふん、力に目がくらんだんだよ)

576 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:40:52.661 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…」




DIO「…君たちは…人間の人生に、二つの分かれ道が延々と続いて存在していると思うだろうか」

レミリア「…なに?」

DIO「人生の選択肢とは、常に二つだ…明日を生きるか死ぬかもそうだ、学校に通うか仕事に就くかもそうだ……」

DIO「…その50%の確率の前で、たいていの人間は迷ってしまう」

咲夜「…は、はぁ……」

DIO「…なぜだかわかるか?もしも自分の選んだ道が間違いだったとしたらどうすればいいのか、そんなことを考えるからさ」

DIO「だからこそ、失敗を恐れ、人は同じ場所で足踏みを繰り返す…私からすればくだらんことだ」

レミリア「…続けて」

577 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:43:12.535 ID:KsrMmbBn0.net
完結させてね
おやすみ

578 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:43:47.646 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「目の前に人間をやめるか、それとも人間のままでいるかの選択肢が私にはあった…」

DIO「その時、私にはどうしても吸血鬼になることのほうが魅力的な道に見えたのだ、そこに思惑や策略などなかった」

パチュリー「!!つまり、なるべくしてなった、ということ?」

DIO「そうだ…そういうことかもしれない、私は人間の人生に最善の道など存在しないと思っている」

DIO「だが、私は選んだ道を最善の道にするだけの力を持っている」

DIO「こうして私がここにいることこそ、最善だったのかもしれない……少なくとも、こんなに面白い出会いを可能にしたのだからなァ…フフフ」

咲夜「…それはつまり、人間をやめた理由などない、ということですか?」

DIO「そうだ、人間を止めたことは結果ではなく過程だったのだよ」

パチュリー「…なんて…考え方なの、普通は人間を止めたことが大きな結果になるはずよ」

DIO「……私はそんな考え方はしない、今この一瞬さえも、次の瞬間にはただの過程に変わるのだ」

レミリア「あなた、本当に面白いわ……ねぇ、もう少し、面白い話をしてくれない?」

DIO「…」

ジョセフをちらっと見てから、DIOは小さく笑った




DIO「…君たちは…運命という物を信じるか?」

579 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:44:33.684 ID:kMyPhLZX0.net
レミリア「私は信じるわ、何しろそれを操るのが私の能力なんだから」

DIO「…私の言っている運命というのは、君たちの言う運命とは少し違う」

ジョセフ「何がちげーって言うんだ?あぁ?」

咲夜「ちょっとジョジョ、そんなに冷たく当たらないの」

DIO「…運命とは……自分自身を突き動かす、一種の衝動のようなものだ…」

DIO「自転車の選手が自転車に出会ったように……愛する恋人と恋に落ちたように…それこそが運命なのだ、人はよく運命の出会いだとか言うが、運命の先に出会いがあるのだ…」

パチュリー「…どういうこと?」

DIO「…運命とは決まっている道のことではない、逃れることのできない、自分自身の中にある物なのだ」

DIO「人は、運命とは神によって定められた物だと言うだろうが…運命とは、自分自身の『血筋』に刻まれているような物じゃあないのか?」

DIO「…私のいう運命とは、因縁のようなものだ」

ジョセフ(因縁……俺達ジョースターと、DIOとの野郎の間にある、どす黒いつながり…!!!)

580 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:44:46.173 ID:ruQsLeup0.net
ああああぁぁぁぁぁこなくそぉぉぉぉぉぉ!!!
ディオおおぉぉぉぉおんどりゃぁぁあぁぁ!!!!

581 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:45:31.866 ID:oRpQwhZq0.net
ボンボン版のシーブックみたいなのがいるぞ、捕まえろ

582 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:46:17.478 ID:kMyPhLZX0.net
レミリア「そうね……それも一理あるわ」

DIO「そして、もしもその運命を根底から覆せる方法があるとすれば」

咲夜「?何をおっしゃっているのか…」

DIO「…いや、この話はもうやめよう、私は別にロマンチストではないのでね…フフフ」

パチュリー「…そうだ、DIO…あなた、スタンドっていうのを持っているの?」

ジョセフ(!!パ、パチュリー、ナイスだぜ!ここでDIOがもしも「世界」のことを隠ぺいしてたら、恐らく後々の信頼関係を築くのに不利になる、かといって能力をペラペラしゃべってもDIOにはデメリットしかない!)

DIO「…あぁ、持っているよ……普通のスタンド使いのなんかより、数倍強いのをなぁ…フフフ」

ジョセフ「へーっ!そいつはすげーな、見せてくれよッ!!」

咲夜「DIO様のスタンドというのは、ジョジョのような物なのですか?」

DIO「…彼のスタンドがどんな物なのかは知らないし…フフ、第一彼がスタンド使いだったということに少しばかり驚いているが」

ジョセフ(けーっ!ウソだけは上手なヤツだぜ)

583 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:46:29.913 ID:ogTwx8NT0.net
くっそおおお負けるなああああ

584 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:46:36.980 ID:VVZQEKyJ0.net
>>580
死ね

585 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:47:39.501 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…『世界』」ズバァァァン!!


DIOの背中に現れたのは、機械的でありながら筋骨隆々とした、逞しい人型のスタンドであった!

DIOの身長と同じほどのそのスタンドは、鋭い眼光でレミリアを睨み付けるッ!

DIO「これが我がスタンド、『世界』だ……精密な動きをすることができるし、パワーも超一流だ、加えて速度も速いぞ…」

パチュリー「こ、これはすごいわね……私たちは触れるの?」

DIO「やってみればわかるだろう」

パチュリーが「世界」の腰に手を当てようとするが、すっと空を切っただけだった
パチュリー「…なるほどね、あくまで視覚的になっているだけ、と…」

DIO「このスタンドは精神力のビジョンのようなものだ…守護霊と言っても間違いではないがな…」

レミリア「…ジョジョのスタンドは念写ができるみたいだけど、あなたのは?そういうのはないの?」

DIO「さぁな、少なくとも私は知らない…このスタンドを手に入れたのも、死ぬ少し前だったからな」

ジョセフ(そ、そう来たか…!!これなら相手に能力を知られず、なおかつあとで能力を使ったとしても「新しく目覚めた力なのだ」で終わってしまう!)

586 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:48:04.655 ID:m9CZj1Yu0.net
NTRみたいでもやもやする

587 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:48:25.776 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…なんなら精密さでも試してみるかね?フフフ……」

そう言ってから、DIOが立ち上がる

DIO「咲夜、君のナイフを一本借りてみてもいいかね」

咲夜「は、はい」

咲夜が抜身のナイフをDIOに手渡す

それを手に取ったDIOは、紅茶に添えられていた角砂糖を小さく削り取った

レミリア「…何をするの?」

パチュリー「それを使って、精密さを確かめられるの?」

DIO「…見ていればわかるさ、おいジョセフ」

ジョセフ「あ〜〜?なんだよ」

DIO「ちょっとこの角砂糖を持って、向こうに立ってくれないか……いや、何もそんなに警戒しないでいい」

ジョセフ「ちぇーっ、なんだよ俺ばっかり…」

ジョセフが言われるがまま、角砂糖を持ちDIOから10mほど離れる

その指先に握られた小さな角砂糖は、その距離からだとどうにか目視できる程度だ

588 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:49:15.407 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「…」

DIO「咲夜、君はメイドだったな……もしかすると、服を繕うための針を持っているんじゃないのか?」

咲夜「は、はい、持っています」

DIO「一本貸してくれ、なぁに……必ず返すさ」

レミリア「…ま、まさか」

咲夜がDIOに手渡したのは、本当に何の変哲もない針だ

細い、細すぎる

それを、まさか、DIOはッ!!



パチュリー「あ、あの角砂糖に……!?」

589 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:49:49.187 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「『世界』の精密さは随一よ……あの角砂糖の真ん中に刺してみせるッ!!」



「世界」が勢いよく腕を振る!

日光を一瞬だけ反射した針は、正確にジョセフの指先につままれた角砂糖に突き刺さったッ!

一瞬!




ジョセフ「デーッ!?マ、マジかよぉ!?」

レミリア「す、すごい……!!あの角砂糖に当てたこと自体ももちろんすごいけど、何がすごいって角砂糖を割らなかったことッ!」

パチュリー「あんな小ささの角砂糖なら、少しでも余分な力が加わればすぐに割れてしまうはずッ!」

咲夜「そ、それを宣言通り『突き刺す』繊細さ……!!ま、まさに精密ッ!」

ジョセフ(な、なんてこった……!こ、こいつのスタンド…「世界」の精密さは、前に戦ったときよりも増しているッ!や、やはり自分自身の肉体だからかッ!)

590 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:53:13.348 ID:j7HAlN97d.net


591 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:53:40.979 ID:j7HAlN97d.net
よかった、mateでいきなりDAT落ち表示になったから焦った

592 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:53:43.820 ID:fPSIFEBJ0.net
なんだ?新手のスタンド使いか?

593 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:53:56.487 ID:LnVExpun0.net
怖かった 落ちたかと持った

594 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:54:03.957 ID:GIQj1m360.net
書きだめしてても張る作業は辛そうだな

595 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:54:13.872 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「……パワーも相当だが…それを試すのはさすがに申し訳ないな、かといって私自身を攻撃させるわけにもいかないし」

レミリア「いえ充分よ…その精密さ、恐ろしいほどね……」

咲夜「私のナイフ投げなんか比較にもならないほどの精密さ…さすがです!」

DIO「…だがこの『世界』は近距離パワー型という部類でなァ……どうも、遠くに行かせることに関しては向かないのだ、そこのジョセフのはどうなんだ?」

ジョセフ「お、俺のはちゃーんと遠くにも伸ばせるもんねッ!」

DIO「フフフ……そうか、しかしパワーや精密さではこのDIOには劣るだろう」

咲夜「ジョジョ、なんていうか……」

レミリア「ドンマイとしか言いようがないわね」

ジョセフ「な、なんだとーッ!?」


DIO(……驚いた、精密さも段違いに上がっているじゃあないか……パワーも上がっている、スピードもそうだ…そして何より 止めていられる時間が段違いに伸びたッ!)

DIO(フフフ…早く…早く私自身が最初に時間を止めたいものだ……その時までに、何秒止められる時間は伸びているかな…)

596 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:54:21.892 ID:ogTwx8NT0.net
スタンド攻撃か!?

597 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:54:26.358 ID:RPKLzp5+0.net
落ちてなかったのか、よかった

598 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:54:50.456 ID:pBdy+ODN0.net
落ちた過去思っと

599 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:55:31.944 ID:kMyPhLZX0.net
レミリア「ねぇDIO、あなたは不老不死を悔いたことはない?」

拗ねているジョセフを無視して、レミリア達はDIOにつきっきりだった

DIO「ないな」
レミリア「あらどうして?愛した人々が死んでいくのを見て、悲しい気持ちになったことはないの?」

DIO「…愛した人などいない、少なくとも私は今まで愛したいと思える人には出会わなかったな」
DIO(ジョジョやプッチはまた別よ……愛情ではない、このDIOの運命に深くかかわる人間だっただけだ)

レミリア「ふーん……さみしい人ね」

DIO「言葉を返すようだがレミリア、私は一度もさみしいと思ったことはない」
レミリア「なぜ?」

DIO「私は一人が好きでね…いや、別に人と関わるのが嫌いってわけじゃあないんだが……とにかく、一人で物思いにふけり、本を読み、自分自身と向き合うことが好きなのだ」

咲夜「なんというか……大人なのですね」

DIO「それを大人だと思ううちはまだ子供よ……」

パチュリー「咲夜、あなたは子供なんだって」

咲夜「う…DIO様達の基準で考えれば、まだまだ子供でしょうね…」

ジョセフ「けーっ、ただのヨボヨボよりはマシじゃんか、なーッ!」

咲夜「ちょっと、ジョジョ、お嬢様達を侮辱しないで」

ジョセフ「フンッ!」

600 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:55:32.441 ID:ruQsLeup0.net
霊夢なら…………!!
霊夢ならなんとかしてくれる………………!!!!

601 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:55:37.218 ID:oRpQwhZq0.net
音石の仕業か

602 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:55:51.207 ID:JpQMYs700.net
なんだこれは…!

603 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:56:55.797 ID:5jngxtgdp.net
VIP自体がちょっと落ちてたね
焦ったわ

604 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:56:58.705 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(…これ以上ここにいるのも意味がないな…慧音達との約束もある…)

DIO(約束を守る者というのは簡単に信用されるからなぁ、仕方ないが付き合ってやる)

DIO「悪いが、私はそろそろお暇するよ」

パチュリー「あら、用事でもあるの?」
DIO「少しな、先客が入っていてね……」

レミリア「そう…いつでも遊びに来て頂戴」

DIO「そうだな…ここに来れば、いつでも美味しい紅茶が飲めるしな」

咲夜「お待ちしておりますわ」
DIO「では失礼するよ」

咲夜「お嬢様、DIO様を見送ってまいりますので」

レミリア「えぇ、行ってちょうだい」


立ち去る直前、DIOは一度歩を止めて、ジョセフにこんなことを言った


DIO「人間は……安心を得るために生きるのだ」


ジョセフ「はぁ?」

DIO「…それだけを覚えていろ、少なくとも無謀に挑戦することなど、格好のいい生き方ではない」

605 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:57:21.138 ID:+fpL2swL0.net
衰えを見せないDIO様のカリスマ

606 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:57:43.061 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「DIO様、よろしければいつでも紅魔館にお越しください、お部屋の用意もしておきますので」

DIO「…」

門をくぐったDIOが、空を仰ぐ

忌々しかったはずの太陽が、なぜかとても美しい

映画に出てくる俳優のように妖艶な笑みを浮かべてから、DIOは咲夜に返す

DIO「私がここにいれば、君は喜ぶのか?」

咲夜「そ、それは…お嬢様達も喜びますので」

DIO「……考えておこう」



立ち去っていく大きな背中を見つめて、咲夜は大きくため息をついた

ジョセフとは違い、また別の魅力を持った「人間」だった

咲夜(さてと、紅茶の片づけをしないとね)

607 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 21:58:02.ウンコ ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ(…「世界」の強さは明らかに上がっている…俺のスタンドは前のままだ)

ジョセフ(もしも…もしもだが)

想像をしたジョセフは、一人冷や汗を流す

それを見つめるパチュリーやレミリアは、少しばかり首をかしげていた






ジョセフ(もしもあいつと戦うことになったら…俺達は勝てるのか…?)

608 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:01:24.323 ID:kMyPhLZX0.net
魔理沙宅


魔理沙「ジョジョ、ここのこの言葉、どういう意味だと思う?」

魔法書を指差しながら訊ねた魔理沙に苦笑いを返してから、ジョナサンは答えた

ジョナサン「僕には魔法の知識がないから、あまりいい答えは出ないと思うよ」

一晩この家で過ごして分かったのだが、魔理沙はどうも「努力をするタイプ」の人間らしい

アリスのような特別な力を持っているのではなく、ひたすら努力でその力を手に入れたようだ
波紋の修業を思い出し、少しばかりジョナサンは微笑んだ

魔理沙「ちぇーっ、昨日からそればっかだぜ」

ジョナサン「魔理沙、君は眠くならないのかい?さすがに一晩中本を読んでるとなると、体が心配だよ」

魔理沙「眠くはなるけど、時間は惜しい、人の一生ってのは時間が限られてるだろ」

ジョナサン「それもそうだな…でも、人間は睡眠を必要とするものだ」

魔理沙「……ジョジョ、私が寝てる間、変なことしないでくれよな」

ジョナサン「するわけないじゃないか、紳士として」

魔理沙「あぁ、それなら安心だ」

本をパタン、と閉じた魔理沙がベッドへと向かう
その背中に、ジョナサンは問いかけた

609 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:01:53.818 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「魔理沙、人里に美味しい料理の店はあるかな?僕はイギリス料理しか食べたことがないから、少し興味があるんだ」

魔理沙「あぁ、それならたくさんあるよ……イギリスの飯ってまずいんだろ?聞いたことある」

ジョナサン「僕はそう思わないけどな」

魔理沙「……他の国の料理を知らないからそう言えるんだ」

イギリス料理にでも恨みがあるのか、魔理沙は苦い顔をして布団にもぐった

ジョナサン(…人里のほうには、まだ一度も行っていない…)


ジョナサン(幻想郷には、どんな人々が住んでいるのだろうか)

610 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:02:12.813 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン・ジョースター その紳士的精神

611 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:02:44.846 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「こ、こんなに広いところだったのか…!!」

人里になんとか降りてきたジョナサンは(魔理沙達の家から人里まではまっすぐなため、迷うことはなかった)感嘆の声をあげた

幻想郷に来てからというもの、森奥の狭い家でばかり過ごしていて知らなかったが、幻想郷にはたくさんの人々が暮らしていたのだ

人里ですれ違うのは、何かの入った籠を運ぶ商人、子供の手を引く女性、気ままに右往左往する若者たち

どれも、イギリスで暮らしていた時代とは違うものだった

そもそも、この幻想郷は日本のような風景なため、全てがジョナサンにとって目新しかった

612 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:03:43.604 ID:p1wGQTGga.net
ジョナサン「す、すごい……こ、これはなんだ?見たことない食べ物だな…!!」

団子を目の前にして、ジョナサンは首を捻る

その様子を見て、店員が話しかけてくる

「アンタ、団子が好きなのかい?」

ジョナサン「だ…団子?これは美味しいのかい?」

「おや、団子を食べたことがない、こりゃおかしなことを言うもんだね」

素っ頓狂な声を上げた店員に、ジョナサンは自分の境遇を話そうとして…それをやめた

何も、この店員に話す必要はない

幸い、魔理沙からお小遣いのような物をもらったので(たっぷり働かされたが)それで団子を二つばかり購入してみる

ジョナサン「…う、美味い!!このモッチリとした、しかし口にべたつくわけではなくほんのりと甘みを残す食感ッ!ほのかに香る香ばしい香り!!こ、こんな美味しいものが存在したなんてッ!」

醤油の味を知らないため、ジョナサンにとってはただのみたらし団子さえ目新しいものなのだ

613 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:04:52.071 ID:N5Lizdk7a.net
食べかけのチョコに喜ぶ頃のジョナサン想像して腹痛い

614 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:05:53.739 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「こっちのは甘くて美味しいぞ!!」

栗団子は、ジョナサンの知っている栗の味が口の中に優しく広がる代物だった

決して味が濃いわけではないが…そこが、イギリスの料理とは違い、どこかしら優しい日本の雰囲気を感じさせるのだ

ジョナサン(す、すごい…ここはこんなに美味しいものがたくさんあるのか?)

ジョナサン「……これはなんだろう…?」




??「それはせんべいだよジョジョ」


ジョナサン「?」

ジョナサンが顔を上げると、全く見知らぬ女性が親しげに話しかけていたのだ

615 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:06:43.972 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「え、えっと…」

慧音「なんだ忘れたのか?慧音だよ…そういや今日は咲夜は一緒じゃないのか」

ジョナサン「咲夜?慧音…慧音というのは君の名前かい?」

慧音「…ん、何か様子がおかしいが…頭でも打って記憶を無くしたのかな?」

ジョナサン「…!あぁ、もしかして君、ジョセフに会ったのか」

慧音「な、なに?君はジョセフではないのか!?」

ジョナサン「僕はそのジョセフの祖父、ジョナサンだよ」

慧音「そ、祖父!!驚いた、顔がそっくりじゃないか!」

驚いたように笑いながら、慧音がジョナサンに近づいてくる

慧音「あぁ、でも確かに雰囲気がなんとなくジョジョよりも大人びているな」

ジョナサン「ははは…僕もジョジョだから、何かややこしいな」

慧音「えっと…ジョナサン、ジョナサンも外から迷い込んできたのだな?となると、せんべいも初めて見るわけだ」

616 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:07:32.024 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「これがせんべいって言うのかい?見たことないな…瓦みたいだ」

慧音「そうだな、クッキーのようなものだと思ってくれ、その代わり味付けは醤油だが」

ジョナサン「醤油?」

慧音「あぁ……まぁ、一口食べればわかるさ」

慧音が店員からせんべいを受け取り、一枚ジョナサンに手渡す

それをパリッとかじったジョナサンはびっくらこいた!


ジョナサン「こ、このクッキーに似て非なる、ぱりっと割れる食感!!口の中に広がる甘辛の味が体の隅々にまで染み渡る…!!」

慧音「そうだろうそうだろう」

ジョナサン「す、すごいなぁ!!さっきの団子というのといい、ここの食べ物は美味しいものばかりだ!!」

慧音「そうか、そりゃよかった」

ジョナサン「ん……?君は、せんべいを買いに来たのかい?」

慧音「おや、私がよくここに『来た』んだと分かったな」

617 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:09:02.242 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「これがせんべいって言うのかい?見たことないな…瓦みたいだ」

慧音「そうだな、クッキーのようなものだと思ってくれ、その代わり味付けは醤油だが」

ジョナサン「醤油?」

慧音「あぁ……まぁ、一口食べればわかるさ」

慧音が店員からせんべいを受け取り、一枚ジョナサンに手渡す

それをパリッとかじったジョナサンはびっくらこいた!


ジョナサン「こ、このクッキーに似て非なる、ぱりっと割れる食感!!口の中に広がる甘辛の味が体の隅々にまで染み渡る…!!」

慧音「そうだろうそうだろう」

ジョナサン「す、すごいなぁ!!さっきの団子というのといい、ここの食べ物は美味しいものばかりだ!!」

慧音「そうか、そりゃよかった」

ジョナサン「ん……?君は、せんべいを買いに来たのかい?」

慧音「おや、私がよくここに『来た』んだと分かったな」

618 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:09:48.064 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「髪の毛に葉っぱがついてるよ」

すっと手を伸ばしたジョナサンが、慧音の髪についていた葉っぱを払う

慧音「おや、本当だ」

ジョナサン「誰かにあげるのかい?その量は一人では食べきれないだろう」

慧音「子供達にあげるんだ、私は寺子屋を開いていてね…ちょうど、その生徒たちとこれから遊ぶんだよ」

ジョナサン「へぇ、子供かぁ…」

そういえば、とジョナサンは自分の人生を思い返す

思えば……一度も「子供」と関わることはなかった

エリナとの間に生まれたはずの子供も、ジョナサンは知らないのだ

ジョナサン「…」

慧音「?どうした、少しさみしそうだな」

ジョナサン「え…?あ、いや、なんでもないよ」

笑って返してから、ジョナサンはこんなことを尋ねた




ジョナサン「僕も、ぜひとも一緒に遊んでいいかな」

619 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:10:32.944 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「ここに子供たちが来るのかい?」

ジョナサンと慧音が辿り着いたのは竹林の前だった

あまり子供が近寄るような雰囲気の場所ではない

竹林と言っても、少し走れば抜けられる…なんていうなまっちょろいものではないのだ

もしも迷ってしまえば二度と出口にたどり着けないのではないか、という雰囲気なのだ

ジョナサン「慧音、ここは…正直、子供たちの来るような場所じゃあないんじゃないかい?迷ったらもう出られなさそうだ…」

慧音「大丈夫だ、私は何度もここに来ている」

ジョナサン「…妖怪は出ないのか?」

慧音「出ることは出る」

ジョナサン「そ、それじゃあなおさら子供たちを連れてくるのは…」





妹紅「そこで私の出番ってわけだ」

620 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:10:38.452 ID:N5Lizdk7a.net
スタンド攻撃を受けているのか!?

621 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:11:26.124 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「?」


竹林の中から、銀髪の少女が出てきた

若い容貌だ、ジョナサンよりも若いのではなかろうか

そんな少女が竹林から一人で出てくる光景は、かなり不思議なものだ

ジョナサン「き、君は?」

妹紅「藤原妹紅だ、慧音に頼まれて子供たちを竹林の中に案内する役目になった」

慧音「そういうことだジョナサン、子供たちは彼女が守ってくれる」

ジョナサン「君も妖怪なのか…?」

妹紅「いいや、私は人間だよ、ちょっとわけありで不老不死だが…ところで慧音、彼は?」

慧音「外から迷い込んできた、ジョナサンだ」

妹紅「迷い込んできた?DIOのヤツと同じだな」

ジョナサン「!!DIOに会ったのか!?」

妹紅「なんだ、DIOと知り合いなのか」

ジョナサン「友人だよ……そ、それで、君も不老不死だって?」

妹紅「あまり細かい話はよそう、ちょうど子供たちが来たところだ」

622 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:11:35.300 ID:oRpQwhZq0.net
エルメェスがいるなっ!?

623 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:11:37.649 ID:LnVExpun0.net
また出会うのか

624 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:12:45.764 ID:kMyPhLZX0.net
人里の方向から、子供たちがうれしそうに駆けてくる
竹林の中で遊ぶと言うのは、秘密基地で遊ぶのと同じくらい面白いのだろう

慧音「ジョナサン、あれが私の教え子たちだ」
ジョナサン「ずいぶんと多いな……」

妹紅「さて……じゃあ、私についてくるように言っとけよ」

慧音「君が言えばいいんじゃないか?」

妹紅「私はいいよ、お前が説明した方が子供たちも聞くだろう」

一人だけ先に行く妹紅の後を、ジョナサンが追いかける

ジョナサン「妹紅、君はずっとこの竹林にいるのかい?」
妹紅「そうだ、ここの奥に私の家がある」

ジョナサン「…さみしくはないのかい?」

妹紅「…不老不死の人間なんて、人里にいても不気味がられるだけだよ」

ジョナサン「…」

妹紅「憐れむなら無意味だぞ、私はこの生活に案外愛着を持ってるんでな」

ジョナサン「そ、そうか」

変わった少女だな、とジョナサンは思った

そして、もしかしたらこの少女は自分よりも年上なのかもしれない、ということも考えた

625 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:13:41.729 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…」

竹林の妹紅の家のすぐそばで、DIOは小さな株に腰を掛けていた

子供達と遊ぶ、などということはくだらないことだ

しかしここで信頼関係を築くことが出来れば後々に非常に役立つのだ

DIO(…料理には下ごしらえが必要…それと同じことよ、信頼関係を築くには、些細なことで土台を築かなければならないのだ……)

DIO(フフフ…特に、あの妹紅は役に立ちそうだ…第一印象が悪い方が、意外とその後の信頼関係は築きやすいものだ…)

DIO(最初から好意的だったんじゃあ、少しの諍いが簡単に崩壊に繋がるからなァ…)

DIO(…尤も、このDIOに仲間など必要ない、必要なのは従順な下僕よ……)

626 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:14:04.322 ID:kMyPhLZX0.net
慧音「…おや、あれはDIOじゃないか?」

竹林の奥に進んだところで、慧音はDIOの姿を見つけた

妹紅「本当だ、あいつも来てくれたんだな」

ジョナサン「ディオが子供と遊ぶために……?」

妹紅「?どうしたんだ、ジョナサン?」

ジョナサン「い、いや…イメージと違って、驚いただけだよ」

妹紅「あいつもあまり子供は好きじゃないって言ってた、ただ来てくれるとは言っていたな」

慧音「まさか本当だったとは思わなかったが…」

ジョナサン「…」


ジョナサン(…ディオがわざわざ子供と遊ぶために……?)

627 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:14:41.436 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…ヌッ!?ジョジョか……」


ジョナサン「ディオ、君も来たんだね」

DIO「…ジョジョ、俺は別に子供と遊ぶためにここに来たわけじゃあない、慧音や妹紅にこの幻想郷のことを訊くために来たのだ」

ジョナサン「やっぱりそうか、君が子供たちと遊ぶなんて、想像するだけでおかしな気分になるよ」

DIO「……そういうお前は、子供と遊ぶのか」

ジョナサン「子供は未来の宝だからね」

DIO「フン……俺にはわからん考え方よ」

妹紅「DIO、よく来てくれたな」

DIO「…妹紅、私は子供と遊ぶつもりなどない、君たちが遊び終えるまで、君の家で休ませてもらうぞ」

慧音「おいおい、そういう事を言うな」

628 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:14:44.458 ID:ruQsLeup0.net
ジョナサン頑張って……

629 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:15:04.461 ID:kMyPhLZX0.net
「お兄さん、おっきーね!!!」

「背たけーなぁ!!!」


DIO「…ジョジョ、お前のことだぞ」

ジョナサン「僕?君のことなんじゃあないか?」

630 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:15:37.363 ID:Q3HrdyZ70.net
ディオが子供と笑いながら遊んでたら事案だと思って通報だな

631 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:16:17.223 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「……俺は子供は苦手なんだ、勘弁してもらおう」

それだけ言って、DIOは妹紅の家の中へと入っていく

妹紅「おい、誰もあがっていいなんて言ってないぞ」

DIO「言え」

妹紅「ったく…」

つれないヤツだな、と笑いつつも妹紅はDIOに少しばかりの信頼を寄せていた



もしかしたら、案外悪いヤツではないのかもしれない、と

632 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:16:25.130 ID:pBdy+ODN0.net
でもジョナサンなら通報されない不思議

633 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:16:44.897 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…」

妹紅の家には、いくつかの本があった

それは慧音が暇なときに読んでくれ、と妹紅に貸したものだった

尤も、すでに妹紅は何度も読み返したらしく、飽きてしまったのだが

DIO(…聖書か……フン、ずいぶんな物が置いてあるじゃあないか)

古びた一冊の分厚い本を、DIOが手に取る

外で聞こえる子供たちの笑い声がうっとうしい

DIO(…そういえば……昔、大学にキリスト教徒がいたなァ…俺には理解できなかったが)

DIO(だが恐ろしいものだ、この一冊の本だけで、人々の信仰を集めるのだから…)

DIO(…)

634 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:17:17.255 ID:kMyPhLZX0.net
パラパラ、と数ページめくっていく

そこに書かれているのは、およそ真実とは思えないような絵空事だった

DIO(…こんな物に心を動かされる人間の気がしれないがな…)

DIO(……)






外から聞こえる子供たちの声には、ジョナサンの声を混じっていた

ずいぶんと、子供たちと仲良くなっているらしい

DIOには関係のないことだが、しかしジョナサンが周りの信頼を得るのは、DIOにとって不利とも言える

DIO(…なに、問題ない…少なくとも、私は外になど行かない…)

635 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:17:41.104 ID:kMyPhLZX0.net
数ページ…さらに数ページ、DIOは静かに聖書をめくっていく

そこにあるのは、DIOの目指している何かしらの境地と、非常に近いものがあった

DIO(…完成された人々の統制…天国……天国、か)

DIO(…プッチは天国を完成させられたのだろうか?そうならば、私とジョースターの因縁は完全に消える…)

DIO(だが、ここにはジョジョがいるのだ…どうやら、まだその因縁は消えてはいないらしいな)

DIO(…どうも、気にいらんな……)

636 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:18:01.801 ID:oRpQwhZq0.net
子供…未来…子供…未来…あ、頭が…

637 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:18:14.869 ID:5jngxtgdp.net
人望のジョナサンvsカリスマのDIO

638 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:18:24.201 ID:kMyPhLZX0.net
妹紅「はぁ、疲れた疲れた…」

DIO「…」

顔をしかめるDIOに、妹紅は全く気にかけないような素振りで尋ねた

妹紅「聖書を読んでるのか、DIO」

DIO「…君は、外で遊んでいたんじゃないのか?」

妹紅「疲れたんだ、不老不死とは言っても人間だからな」

DIO「…」

妹紅「本当だよ、弾幕ごっこだって体力の限界でいつも勝負がつくくらいなんだ」

DIO「フン、読書している人間の邪魔をするのは、悪趣味だとは思わないのか?」

聖書から顔を上げたDIOが、妹紅に恨めしそうに言う

だが、やはりそれを見事にスルーして妹紅は質問を続ける

妹紅「しかし意外だな、DIO…お前、聖書なんて信じるのか?有神論者だったとは思わなかったな」

639 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:19:23.485 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「私は神など信じていない」

妹紅「なに?じゃあ、なんで聖書なんて読むんだ?キリスト教徒だっけか、外ではそういうヤツが読むみたいだが…そうじゃあない私にとっては、ただの退屈な作り話だぞ」

DIO「…妹紅、君は…魂の存在を信じるか?」
妹紅「魂?」

DIO「…正確に言えば…魂の中にある…次の世代へと何かを残そうとする本能を、だ」

妹紅「…何が言いたいのか分からないな…」

DIO「美術館の絵を見るために…毎日たくさんの観光客が訪れる…それはなぜだかわかるか?たかが絵のために、なぜ人はそこへと足を運ぶのだ?」

妹紅「…」

DIO「そこに、画家の魂が宿っているからだ…魂というのは、何も霊魂なんかのことじゃあない」

DIO「…意志、と言うべきかな、フフフ……」

妹紅「意志…次の世代に受け継がれる意志、か」

DIO「…聖書はそれの極致なのだ、たかが一冊の本だけで、数十万という人間の心を操るのだ…」

DIO「不思議ではないか?そこにはただ言葉が羅列されているだけなのにもかかわらず、それを読むだけで心が休まる者がいるのだ」

妹紅「…確かに、不思議だな」

DIO「…俺は、それこそが聖書の魅力だと思うのだ、昔読んだときは気づかなかったがな」

パタン、と聖書を閉じたDIOがゆっくりと立ち上がり、妹紅の正面へと回る

640 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:20:07.633 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「君は…誰かに心を動かされたことがあるか?その人物のためならば命を捨ててもいいという感情を抱いたことがあるか?」

妹紅「私は……まだないな、これから先もあるのか分からない」

DIO「……私は…そういう気持ちを抱くことが幸せなのではないかとも思う」

妹紅「他人のために生きることが?お前にしては、生ぬるいことを言うな」

DIO「違うのだ、それは結局自分の益になることだぞ」

妹紅「……DIO、お前が何を言いたいのか分からない」

少し、警戒するような表情の妹紅にDIOは優しく…そして、甘い声でこう語った

DIO「強盗に話しかける警官のような表情はやめろよ、何も私は君を誘惑するつもりじゃあない」

DIO「…私は、この幻想郷で…守りたい何かを見つけるのだろうか、そのためにここに来たのかもしれない」

妹紅「…さぁな、とりあえず、この幻想郷はお前を歓迎するさ」

DIO「…」

外から聞こえる笑い声は、先ほどまでと何も変わらない

だが…DIOにとって、もはやそれは不快なものではなくなっていた

641 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:20:46.749 ID:aanlm/320.net
支援

642 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:20:45.121 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(フフフ……この幻想郷を私が愛するのではない、幻想郷のすべてが私を崇めるのだ…)

DIO(そのために、私はここに来た…)

DIO「妹紅、他に本はないのか?さすがに聖書を全部読むなんて、キリシタンでもない私には厳しいのでな」

妹紅「そうだな、そっちにゲーテの本があるぞ」

妹紅が指差した先には、適当に積み重ねられた本が置かれていた


DIO「…君はもう少し、図書館の司書の気持ちでも考えてみた方がいいな」

妹紅「え?」

643 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:21:08.343 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「疲れたなぁ……慧音、そろそろ日も落ち始めているようだけど」

慧音「そうだな、そろそろこの子達を連れて帰らねばなるまい…ジョナサン、君も来るか?」

ジョナサン「あぁ、魔理沙の家に帰らなきゃいけないからね」

慧音「ほほう、じゃあついてきてくれ…あぁ、そうだ」



慧音「DIO!!!!!!君も帰るんじゃあないのか!?」

644 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:21:35.980 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…私はここに泊まっても構わないのだがな、静かで非常に過ごしやすい」

妹紅「おいおい、さすがに男と一つ屋根の下暮らすのはごめんだぞ」

DIO「冗談だ……ジョジョ、今日は俺も魔理沙とかいうあの女の家に泊まるとしよう」

ジョナサン「じゃあ、妹紅とはここでお別れだね」

妹紅「また来てくれよ、歓迎する」

ジョナサン「ありがとう……それじゃあ、行こうか」

慧音「DIO、さぁ」

DIO「…あぁ」

645 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:21:53.673 ID:JpQMYs700.net
哲学フェイズへ

646 :てんさいしないであふぃはしんでね:2015/07/21(火) 22:23:25.184 ID:zUClz+yZ0.net
       ´ \
    /ニ=   >、 , -、                         //
   /三ニ= //(__ノ- 、                   //三=
.  〈三三Ξ/  >< (___ノ -、                //三Ξニ
   \三/./    >< /(___ノ-、 /⌒\       //三Ξニ/
     '<// /  /=   (__ノ( ( 、丶 \ ___,//三Ξニ//=
        \/ //三ニ=    \\\\\(/_)_)_)>---</Ξ=
         } \/三三ニ=     Y \\_____     ` <ニ
    __/  ! ヽ>‐く三ニ=     |{ ノ>゙,.斗ャ≦爪〕>、
  ┌/\/  ゝ ___ノ三三ニ=    .ノr ´  v==ミ  ̄リ . . . ̄ ̄ ̄
  {〈 、丶\        \三Ξニ ./\>、  /: : : : : . . ヽ . . . . . .
  {=\    ` ̄ ̄ ̄ ̄ 〕ー一  \ ゝ   {: :    u  ゝ . . . . . .
  〈三=  、_____j }    (⌒   : : : .      ノ . . . _ . . .
  /三=  =ニ三三三三ノ    /`        ι  ゝ- ´ ヽ `i . .
. /三=   =ニ三三三三i }   (      u        ノ__ノ .ノ . .
/三=   =ニ三三三三//      `  、,____    ゝ-r==彡 . . .
三=   =ニ三三三三//         }: : : : : : : : : : :    } . . . . . . .

647 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:23:27.523 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(…ン?)

竹林を歩く中で、DIOは再び時間が止まったことに気が付いた
ジョナサンや慧音の動きが止まったのだ

DIO「…ほほう、また咲夜のヤツが時間を止めたのか…どうせ、食事にでも使っているのだろうな」

DIO「まったくもって無駄な能力の使い方よ…一流の食材だとしても、料理人が三流ならまったくもって無意味なのと同じこと…」
DIO「…15秒……16秒…いや、まだまだ私は動ける…」
DIO「…20秒!!!驚いた、まさか20秒も止められるとは…」

不敵に笑うDIOは、そこで再び時が動き始めたことに気付いた

DIO(ほほう、20秒で解くとはな……どうやら食事ではなかったようだ、ジョセフに何かいたずらでもされたのか)
DIO(どうでもいいことだ…それに……フフフフフフ……!!!)

慧音「ん?あれDIO、君は私の後ろにいなかったか?」
DIO「…気のせいだよ慧音」
ジョナサン「…?」

DIO「…ジョジョ、魔理沙の家では三人も暮らせそうか?なんなら、俺はアリスというのと暮らしてもいいのだがね」
ジョナサン「問題はないと思うよ、ディオ」

DIO「……そうか」

じゃれついてくる子供に鋭い視線を送ってから…DIOは、ふと空を見上げた

美しい月が浮かび始めている

DIO「…ここの月は本当に美しいな」

648 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:24:03.132 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「?何か言ったかい?」

DIO「…いや、なんでもない」

慧音(…DIOとジョナサンの関係は妙なものだな、友人というにはどうもよそよそしいものがある)




ジョナサン(…なぜだ)


子供たちと別れ、魔理沙の家へDIOと二人で向かう間も、ジョナサンは疑問を拭えなかった

ジョナサン(今のディオは、紳士的な態度だ…少なくとも、いきなり僕に危害を加えるような雰囲気じゃあない…)

ジョナサン(だのにどうして……僕は今の彼に友情を感じれないのだろう…)

ジョナサン(まるで大学時代…ディオが上辺だけの友情を演じていた時のように!!)




ジョナサン(僕はまた、今も友情を感じないのだッ!)

649 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:24:22.393 ID:LnVExpun0.net
終わり方が全く読めないな
楽しみだ

650 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:24:24.950 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(…ジョジョのヤツと戦うのは、さらに『世界』が成長してからよ…フフフ、咲夜も葬れるほどに時間が伸びてからだ)

DIO(…そして…このジョジョと決着をつけるッ!それが、俺の乗り越えなければならない運命ッ!)

DIO(我が完全なる運命の歯車に、小さなサビのようにこびりつくジョースターの血統と決着をつけるッ!)





DIO(俺は……世界の頂点に立つのだッ!!!!)

651 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:25:42.028 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…この幻想郷では、他人の家に入る時にノックする習慣はあるのか?」

魔理沙の家の前で、DIOはジョナサンに尋ねた

ジョナサン「アリスはしていたけど……でも、確かに風習はよく分からないな」

DIO「…」

ジョナサン「魔理沙、いるかい?」

652 :てんさいしないであふぃはしんでね:2015/07/21(火) 22:25:51.303 ID:zUClz+yZ0.net
                 ト、__ト、/∨}ノiノ|
              ノ ノ r一 '/´_/     支援したいところだが…
              {__ \{ /{_fノハ     チッ……
              / ̄`ヽ_{-、 ]_/ トi   fスヽ 時間切れだ………
           _ノ /}ヽ_ノゝノ/ノャ'Vヽfーヽ } }
           `¨¨¨/ /{ ≧ヽ{ ¨´ }、ハ} } | |i            
              ー‐、ヘ  、}  /_}__/   /__, 、   __, --、-<Yフュュ
            斤 ̄ ̄>\〒_/:::::::/   /ヽ   \f´/    /}リ⌒⌒i)
              /    `ヽ  `ヽ___::::{__ノ)ュ- ̄`ヽ  |/    / !⌒¨´
           /      .|   }ユ}:::\彡'ノ    }        } 
             /       レ|    ̄`ヽ/ ̄       |>、     /
          ∨        }/ ̄ ̄ }        /  }V  /
             ∨            ∧      /  /:∧/

653 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:25:58.621 ID:kMyPhLZX0.net
魔理沙「お、ジョジョにDIO!!!帰ってきたのか」

ジョナサン「いろいろと遊んでたら、こんな時間になっちゃったよ」

DIO「…私は遊んでいたわけじゃあないが」


アリス「あらジョジョ、DIO、お帰りなさい」

ジョナサン「あぁ、アリスも来てたのか…ただいま」

DIO「…」

654 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:26:28.171 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「魔理沙とたまに話をするって言ったでしょ?今日がたまたまそうだっただけよ」

魔理沙「失礼な、友人として来てくれたんだろ?」

アリス「さぁ、あなたみたいな乱暴な友人はいないわ」

魔理沙「ひでぇ」

ジョナサン「アリス、もうそろそろ夜だけど…夜道は大丈夫なのかい?」

アリス「あぁ、それなら心配ないわ…今日はここに泊まるから」

ジョナサン「泊まる?」

魔理沙「こいつ、夜は帰るのがめんどうだからって」

ジョナサン「ははは……アリスらしいな」

アリス「どういうことよジョジョ……あ、DIO」

DIO「…なんだ」

アリス「あなたも今日はここに泊まるんでしょ?いろいろと、あなたに訊いてみたいことがあるのよ」

DIO「…」

ジョナサン「ディオ、お言葉に甘えた方がいい、ここは妖怪が多いから危険だよ」

DIO「フン、俺が負けるとでも言いたいのか」

655 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:26:42.016 ID:WV2ZgQNj0.net
悲しいかなジョナサンにスタンドが発現してもハミパという
逆転の目は東方勢にかかってるんじゃないか

656 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:27:29.293 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「DIO、あなたの力でも敵わない相手ってのはいるのよ」

DIO(…アリスは、私の「世界」を見ている…うっかりジョジョに話されては困るな)

DIO「…そうだな、確かにその通りだ」

魔理沙「よし、じゃあ今日は四人で飲み明かそう!」

ジョナサン「魔理沙、それはダメだよ…君はまだ未成年だろう?」

魔理沙「な、なんでだよ!?」

アリス「ジョジョ、ここと外では法律がそもそも…あ、DIO?どこ行くの?」

談笑する3人をよそに、DIOは一人本棚のほうへ歩き出した

657 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:28:08.673 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…ここには面白い本はあるか?」

魔理沙「魔術の本ならたくさんあるけど」

DIO「あいにくと、そういうことには興味がなくてな……」

アリス「あぁ、それならゲーテの『ファウスト』は?面白いわよ」

DIO「昔読んだことがある…あんなのは、何も本で読む内容じゃあないさ」

ジョナサン「…ここはずいぶんと本が多いね」

アリス「パチュリーっていう、本の虫から盗んだのよ」

魔理沙「ひ、人聞きの悪いことを…」

DIO(…紅魔館のパチュリーか…なるほど、幻想郷の住人は少なからず互いにコンタクトがあるようだな)

658 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:29:12.483 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(…その信頼関係に、はたしてこのDIOは割り込めるのか?車の渋滞で、右折するのが困難なのと同じだ…)

アリス「?どうしたの、DIO」

DIO「…ここには聖書はないのか?私はあれに興味があるんだ…美術の画集なんかでもいい」

魔理沙「あいにくと、画集はないが…」

本棚から一冊の本を取り出した魔理沙が、DIOに手渡す




魔理沙「聖書ならあるぜ」

659 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:29:17.187 ID:5rOWEpC+0.net
き、きっと、承太郎が月勢と修行してるから大丈夫さ…

660 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:29:25.317 ID:1Okv2xqu0.net
はてさて

661 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:29:47.564 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(…海が割れるなどありえん話だ……これを人間に信じ込ませるには、相当の信頼関係がなければならない…いや、信頼関係ではないな)

DIO(カリスマ……キリストにそれがあったからこそ、人々は最後までこの聖書を信じて死んでいくのだ)




アリス「ねぇジョジョ、DIOってキリスト教徒なの?意外ね…」

ジョナサン「いや、彼はむしろ現実主義者だよ…」

魔理沙「…なぁDIO、そんなの読んで面白いのか?」

率直な疑問を魔理沙がぶつける

けだるそうに顔を上げて、DIOが答える

DIO「この本の内容を、世界の多くの人々が信じていることは興味深い」

魔理沙「?」

DIO「…もういい、とにかく私は読書をしているんだ、邪魔はよしてくれよ…フフフ」

魔理沙「ちぇーっ…つまんねぇやつだ」

662 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:30:17.885 ID:oRpQwhZq0.net
>>695
いつから白玉楼は精神と時の部屋になったんだ

663 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:30:21.041 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「そうだアリス、君に何かお礼をしたいと考えていたんだけど…あいにく、僕は君が何をしてほしいのか分からないんだ。教えてくれないか?」

アリス「も、もういいわよ!お礼とか、そういうのは水臭いし…」

魔理沙「お、赤くなってるぜ」

アリス「うるさいわね!!」

ジョナサン「そうだなぁ……何か、プレゼントでもするのがいいのかな?」

魔理沙「じゃあ、指輪がいいぜ」

アリス「ゆ…」

ジョナサン「あはは……それじゃあ重婚罪だ」

アリス「そ、そうよ魔理沙!!」

魔理沙「冗談だって」




DIO(…ごちゃごちゃとやかましいヤツらだ…)

664 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:30:39.242 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ・ジョースターは眠れない

665 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:31:19.650 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ(…夜だってのに、ここの住人は元気もいいところだな)

テラスで「夜のお食事会」という名のただの団らんに、なぜかジョセフも混じっていた

咲夜はもちろん、なぜか美鈴までいるのだ

門番の仕事をしていないことのお咎めのあとで、「今日くらいは」とレミリアが気を利かせたのだ

レミリア「ふふ…月が綺麗ね、咲夜」

咲夜「そうですわね、お嬢様」

パチュリー「あらレミィ、それは告白の言葉らしいわよ」

レミリア「あらそうなの?じゃあ咲夜、答えを」

咲夜「遠慮しておきますわ」

レミリア「あら冷たいわね……ジョジョ、紅茶の味はどうかしら?咲夜の淹れた紅茶は世界一でしょ?」

ジョセフ「紅茶もいいけどよーッ、俺おなか空いたんだよな」

パチュリー「ちょっとジョジョ、二時間前に食べたばかりよ」

ジョセフ「俺はお前らと違って筋肉質だから、おなかが空きやすいのよーン!」

666 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:31:55.263 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「…ジョジョ、クロワッサンならあるけど」

ジョセフ「おーっ!!咲夜ちゃん、ナイスよナイス!!!」

レミリア「ちょっと咲夜、あなたジョジョに甘すぎよ!私にも甘くしなさい!」

咲夜「お嬢様、でしたらもう少し館の仕事を手伝ってください」

レミリア「う…」

ジョセフ「働かざる者食うべからずだぜ」

美鈴「うぉぉぉぉぉぉお!!!!!」モグモグモグ

ジョセフ「…お前もだぜ、美鈴」

667 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:31:59.190 ID:yrmu2EvNa.net
カーズは死んでないか

668 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:32:16.425 ID:kMyPhLZX0.net
美鈴「もきゅっ!ですがジョジョさん!!!」

ジョセフ「さんはいらないんだって」

美鈴「ジョジョ!!私は、働かないのではないのです、働かなくていいほど幻想郷が平和であることを願っているのです!」

ジョセフ「咲夜、こいつちょっとおかしいぜ」

レミリア「美鈴、あなたちゃんと仕事しなかったら、クビにするから」

美鈴「そ、それはあんまりだァァァ〜〜〜!!!」

669 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:32:38.345 ID:x9abVBHga.net
うん

670 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:32:40.442 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「……あら?」

美しい月を見上げていた咲夜だったが、ふと空を飛ぶ影を見つけた

それは、幻想郷でもめんどくさいことで知られる取材屋だった

671 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:33:01.558 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「あ、あれは射命丸文ッ!!!」

レミリア「…なんですって?天狗?」

レミリアも、咲夜の隣に駆け寄って空を見上げる

そこには、確かに文の姿があったッ!

しかも!なぜか紅魔館に向かってきているのだッ!!!


咲夜「な、なぜここに…?」

ジョセフ「んー?あれ、文なのか?遠く過ぎて見えないんだけどよーッ」

パチュリー「いえ…確実に近づいてきているッ!この紅魔館に!!」

美鈴「お嬢様!!撃墜しますか!?」

672 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:33:23.957 ID:kMyPhLZX0.net
レミリア「そうね…何かよからぬことを企んでいるかもしれないわ」

ジョセフ「ちょ、ちょっと待った!!あいつはたぶん俺に会いに来たんだよ、もう文ったら、俺にぞっこんなんだからさーッ!」

咲夜「…そうね、もしかしたらジョジョに会いに来たのかも…」




文「とうっ!!ジョセフさんこんばんは!!ついでにほかのみなさんも!!」

幻想郷最速の名は伊達ではなかったッ!

咲夜がその姿を捉えてからわずか5秒で紅魔館のテラスに降り立ったのだ!

673 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:33:37.790 ID:2oAkI9a80.net
今から見るわ

674 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:33:45.437 ID:oRpQwhZq0.net
メビウス1を落とせみたいな言い方だな

675 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:34:31.458 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「よ、よぉ文…どうしたんだ?」

レミリア「まさか、この紅魔館に闇討ちを仕掛けるとはね…」

文「違いますよ、ジョセフさん!大スクープです!!!なんと、幻想郷の外から迷い込んだうちの一人は、ジョナサン・ジョースターという名前らしいですよ!!ジョセフさんと同じ…」

ジョセフ「あぁ、おじいちゃんだろ?もう会ったけど」

文「あ、あれ……?じゃ、じゃあ吸血鬼が外から…」

ジョセフ「DIOのことだな、知ってるぜ」

文「…」

息子が非行に走っているところを目撃した母親のような顔の文に、ジョセフは問いかける

ジョセフ「なー、もしかしてそれを伝えに来たのか?」

文「…せっかく……せっかくジョセフさんの役に立つ情報を手に入れたと思ったのに、もう知っていたなんて…」

676 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:35:02.073 ID:kMyPhLZX0.net
レミリア「そんな演技はいいのよ…それにしても、あなたにしては情報が遅いわね」

文「ちょ、ちょっといろいろありまして…」

美鈴「もぐもぐ…」

咲夜「美鈴、人の話を聞くときは食べるのをやめなさい」

パチュリー「…それじゃあ、もうあなたの用事は終わったわね、帰りなさい」

文「そ、そんなぁ…」

ジョセフ「おいおい、無駄足だったとはいえ俺のために飛んできてくれたんだぜ?それを帰れの一言で追い払うなんてあんまりだろー」

文「ジョセフさん…」

ジョセフ「それよりさぁ、咲夜、クロワッサンはまだか?俺、さっきから待ちくたびれてんのよー」

咲夜「あぁ、そうだったわね……ちょっと待ってて」

親しげに話す咲夜とジョセフを交互に見つめて、文がきょとんとした顔をする

文「…随分と、仲がよさそうですね」

677 :てんさいしないであふぃはしんでね:2015/07/21(火) 22:35:18.900 ID:zUClz+yZ0.net
所で東方って知らないンだけどさァ〜ッ
もしかしてこの吸血鬼ッてヨォ〜ッ!

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     ー=彡'::/{::::// ノ从しイ{{≧ニ=-  _ ̄)  レ<ナヽ
      ー=彡'八込{ j仏斗< ̄ミ三:/ヽ三ミ)
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              弋ア   `      (_/ リ\}
            l r─ 、  U |  /  ̄ヽ/\/   七_
 ______,   !厂  ) u ノ  /    /\/j   (乂 )
八__ノ__ノ_}:::::::\   ご⌒´     イ     /\//    /
.   //:/:::`ヽ::::::}_ }       ´  |  /\/'⌒ヽ  ・
.   77⌒j⌒/::ノ::::}:}`Τ ̄´ l\  /\ /   /⌒

678 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:35:30.502 ID:kMyPhLZX0.net
レミリア「そうよ、咲夜ってばジョジョにぞっこんなんだから」

咲夜「お嬢様、それは違います」

美鈴「私にももうちょっと優しくしてくださいよ!」

咲夜「はいはい…」

クロワッサンを取りに館の中へ戻った咲夜の背中を、なぜか文は睨み付けていた

パチュリー「どうしたの?」

文「…」

ジョセフ「おい文、聞いてるのか?」ズイッ

文「え?あわわわわわ!!!な、なに急に顔近づけてるんですか!!!」

679 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:36:08.012 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「おめーが話聞いてねーからだろ」

文「そ、そうですか?」

ジョセフ「まぁいいや、文も紅茶飲むんだろ?」

レミリア「ちょっとジョジョ、あなたはあくまでこの紅魔館の客人なのよ?人を招き入れる権限はないわ」

ジョセフ「いいだろ別に、文は俺の友達だぜ?」

レミリア「あのねジョジョ」

ジョセフ「ここは私の館なの、という」

レミリア「ここは私の館なの……ハッ」

パチュリー「…はぁ、レミィ、ジョジョに免じて今日くらいは許してあげたら?」

レミリア「…仕方ないわね」

680 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:36:35.942 ID:kMyPhLZX0.net
文「ジョセフさん、ありがとうございます!」

ジョセフ「夜道は冷えるだろーしさッ、紅茶飲めば帰りの分くらいの暖かさは取り戻せるだろ」

美鈴「ジョジョは優しいですね、私にももう少し慈悲の手を…」

ジョセフ「仕事をしないヤツは許さないよーんだ、俺はこれでも外じゃあ不動産王だったんだぜーッ!」

パチュリー「あら、お金持ち?」

文「そ、それはすごいですね…なんか悪いことやったんじゃないですよね」

ジョセフ「オーノーッ!!疑われるなんて…」

681 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:37:08.999 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「ジョジョ、クロワッサン持ってきたわよ」

ジョセフ「サンキュー!!!……ってあれ?その酒は…」

咲夜「あぁこれ?ちょうど飲み頃だから、みんなで飲もうと思って……あら文、まだいたの?」

文「ジョセフさんのご厚意で、しばしお邪魔しますッ!」

咲夜「ちょっとジョジョ」

ジョジョ「勝手に決めないでよね、という」

咲夜「勝手に決めないでよね…あ」

レミリア「はぁ……ジョジョに悪知恵だけでは、敵いそうにないわね」

美鈴「全くですね!全くですからお酒を早く…」

咲夜「あなたは門番でしょう?早く門に帰りなさい」

美鈴「理不尽だーッ!!!」

682 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:38:39.646 ID:kMyPhLZX0.net
文「ジョセフさん、お酒は強いほうなんですか?」

グラスに注がれたワインを眺めて、文が尋ねる

ジョセフ「俺は酒とか大好きだよーん!」

レミリア「酒って言ってる時点で間違ってるわ、ワインと言いなさい」

パチュリー「あら、レミィだってあんまりワインは飲まないじゃない」

レミリア「う…白ワインなら飲めるわよ…」

咲夜「パチュリー様にもご用意しました…あとお嬢様、ラム酒をご用意しましたので」

レミリア「ベネ!」

文「…フフフ、天狗の酒の強さをなめたらあかん!!」

ジョセフ(…な、なんだぁ?酒のことになると、急にみんなテンションあげやがって…)

683 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:38:44.266 ID:oRpQwhZq0.net
   / ̄ ̄ ̄丶                        ____
.  /  : 「男 ・ ヽ                           /  >>673 `丶、
  |  : の. ・   !                           |.  :  よ   ヽ
  |  : 世. ・   |                          |.  :  う.    |
  |  : 界」・   |                          |.  :  こ   |
  ヽ. : へ  __/                      丶   : そ     |
   ` ――-へ|                         )       /

684 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:38:50.415 ID:ruQsLeup0.net
今夜は朝まで付き合うぜ

685 :や、やっと半分……:2015/07/21(火) 22:39:32.654 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ(そ…そういうことかよ…)

ジョセフは、ワインというのは大人っぽい雰囲気で洒落た服を着て飲むものだと思っていた

というよりも、それが世界の常識だろう

だがこの幻想郷においては、常識というのはぶち破るためにある

レミリア「…ねぇジョジョー、あなたもラム酒飲んだらーーー?」

ジョセフ「う、うわ酒くっせー!!!レミリア、てめー飲みすぎだろ!!!」

文「はっはーん、さてはジョセフさん、お酒あんまり得意じゃないんですねー?」

ジョセフ「…お、お前ら本当に大丈夫なのか?さっきから何本も飲んでやがるけど…」

パチュリー「はぁ…ジョジョ、心配ならいらないわよ、いつものことだから」

ジョセフ「い、いつも?これがいつも?」

パチュリー「えぇ」

咲夜「お嬢様はともかく、文までいたんじゃ収拾がつかないわね」

ジョセフ(オーノーッ……めんどくせぇことになりそうだ…)

686 :や、やっと半分……:2015/07/21(火) 22:40:16.647 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「ジョジョ、ワイン飲まないの?」

ジョセフ「…見てるだけで酔いそうな光景だ…うげーっ…」

レミリア「もうジョジョー、私のお酒を飲みなさいよー!!!」

ジョセフ「う、うるせぇな!!あと酒くせぇ口を近づけるなッ!!」

パチュリー「何言っても無駄よ、酔ってるんならなおさら」

文「ジョセフさーん、私はこれでも、ボンキュッボンなんですよー…」

ジョセフ(くそっ……こっちはDIOが幻想郷にいるってんで少しばかり緊張してんのによォー…こいつらときたら、まるで何の危機感もなしじゃあねぇかッ!)

咲夜「…ジョジョ、その二人には構わないでいいのよ」

ジョセフ「そ、そうしたほうがよさそーね…」

グラスに赤ワインを注いだジョセフが、そっとグラスを掲げた

687 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:40:27.446 ID:K1V1fHZaa.net
折り返し頑張れ

688 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:40:41.432 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「?」

ジョセフ「あれー?ここには乾杯っていう風習はねーのか」

咲夜「あ、あるけど…意外ね、あなたがそんな洒落たこと」

ジョセフ「このジョジョはロマンチストなんですよーッだ!」

咲夜「…そう、じゃあ乾杯」

ジョセフ「乾杯っと、パチュリーもな」

パチュリー「えぇ」

カチン、とグラスを鳴らす三人に、レミリアと文が厳しい目を向ける

レミリア「ちょっとー、私のお酒が飲めないって?」

文「ジョセフさんずるいですよー、私にも乾杯してください!」

ジョセフ「ちくしょーっ、文に休憩なんてさせるんじゃあなかったぜ…」

咲夜「……ねぇジョジョ」

ジョセフ「なんだよ咲夜…」

文の駄々を無視しながら、ジョセフは咲夜の言葉に耳を傾ける

咲夜「…DIO様って……信用できると思う?」

689 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:41:26.566 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「!!……なんでそー思うんだ?」

咲夜「…私は、あの人の言葉の一つ一つに恐ろしいほどの魅力を感じたわ…」

咲夜「それはまるで、人々の心を掴む花の美しさに似ていて…」

咲夜「…でも、それはとても危険な香りがするのよ、一度信じてしまえば、二度とその罠から抜け出せないような…」

パチュリー「あら、それが彼のカリスマってものじゃないの?私も感じたわ、彼は人を従える側の人間に違いないって」

咲夜「…ジョジョはどう思う?」

ジョセフ(…こいつらに…DIOの正体を話すべきじゃあない、まだその時じゃあないんだ…遠回しに、ヤツは信用ならないってことを伝えるんだ)

ジョセフ「……俺は、あいつの言葉にうさんくさい物を感じた」

咲夜「!」

ジョセフ「あいつ、自分が吸血鬼だってすんなり話しただろ?それに自分自身のスタンドも見せてみた…」

ジョセフ「…外からの来客なのに、そんな人間なんて…普通は警戒される、何がなんでも隠そうとする事実のはずなんだ」

ジョセフ「…だのに、なぜあいつはそれをすんなりと白状したんだ?記者に追われたタレントみてーに」

パチュリー「…てっとり早く信用を得るため…ね」

690 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:42:02.458 ID:i3UHXMsS0.net
おつかれ
もう半分も頑張ってくれ

691 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:42:09.027 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「…そんな」

ジョセフ「…咲夜、俺の言葉を1から10まで信じろとは言わない、ただ1だけでいい、今は信じてくれ」

咲夜「……ジョジョ」

迷ったような表情の咲夜に…ジョセフは、最後の一押しを掛けた

ジョセフ「それに……あいつは絶対に、この幻想郷に面倒事を持ち込んできたんだ」

パチュリー「!!どういう根拠でそれを言っているの?」

ジョセフ「…あいつがここに来た理由はなんだ?咲夜、お前はなんであいつを連れてきたんだ」

咲夜「それは、幻想郷の外から迷い込んだあなたを紹介するため……」

ジョセフ「……本当に?」

咲夜「…何が言いたいの?」

ジョセフ「ヤツに…レミリアが吸血鬼だと言わなかったか」

咲夜「!!」

ジョセフ「あいつの目的は二つ、一つは俺を見てみること…もう一つは」




ジョセフ「本物の吸血鬼とはどのような存在かを確認するためだ…好奇心?そんなものであの男が動くか?」

692 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:42:49.281 ID:kMyPhLZX0.net
パチュリー「…いずれ戦うかもしれないから、力量でも見に来た、と」

ジョセフ「そしてあいつは安心して帰って行った…見たろ、ヤツのスタンドを……レミリアを殺すことは不可能かもしれないが、少なくとも互角以上には戦えるはずだ」

咲夜「そ、そんな…」

ジョセフ「…なぁ咲夜、あいつを信じるかどうかはお前が決めることだ、別にお前があいつを信用するって言っても俺はなんとも思わない…」


ジョセフ「…ただ、俺を信じてほしいんだ……こいつはお前に友情を感じての忠告だ、あいつは危険なんだ…絶対に…!」

パチュリー「…私はジョジョの意見に賛成ね、少なくとも……彼は何か裏がありそうな性格よ、紳士的だけども」

咲夜「…ジョジョ……」

ジョセフ「…」

咲夜「…分かったわ、あなたの言葉を信じてみる」

693 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:43:09.190 ID:oRpQwhZq0.net
直情的ではあるが考え無しではないジョセフらしい応え

694 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:43:28.137 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「いいのか?」

咲夜「えぇ…少なくとも、あなたには悪い人ではないという確信を持っているから」

パチュリー「…ただねジョジョ、勘違いしないで…DIOが何かを仕掛けない限り、私たちは少しずつ彼を信用していくはずよ」

ジョセフ「それでも構わない…ただ、しばらくヤツの動きに注意した方がいい」

咲夜「…まるで彼を昔から知っている、みたいな言い方ね」

ジョセフ「…面白い冗談だな」




ジョセフ(…時を止める吸血鬼だ……しかもッ!!ヤツは自分自身の体を手に入れた、それがまずい…)

ジョセフ(…絶対にあいつは何かをしでかす、その時までに俺は仲間を作らなければならないッ!)

695 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:43:59.718 ID:kMyPhLZX0.net
文「……ジョセフさん」

咲夜とパチュリーとの会話に夢中になっているジョセフに、文が無理やり絡んでくる

ジョセフ「あぁ?なんだよ文」

文「なーんか、咲夜さんとばーっか話してないですか?さっきからー」

ジョセフ「そんなことねーよ、パチュリーとも話してるぜ」

パチュリー「そうよ、文」

レミリア「うー………頭が痛くなってきた…」

ジョセフ「酔ってるからだろ」

文「……」

ジョセフ「なーに不機嫌になってんだよー?もしかして今日女の子の日かー?天狗にもそういうのあるのねーッ」

文「最低です!!!」バシンッ

ジョセフ「イデーッ!!殴るなよなぁ!!!」

咲夜(…後片付けが大変そうね)

696 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:44:02.025 ID:LnVExpun0.net
パチェは気づいてたのか

697 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:44:32.336 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…」

酔っぱらった文とレミリアに駄々をこねられたジョセフは、あまりのうっとうしさにテラスから館の中に逃げてきていた

文が何か言っていた気もするが、今のジョセフはそれを気にしてはいなかった

ジョセフ(…DIOのヤツに対抗できるのは咲夜の時止めだけだ…もちろん、一番いいのはあの野郎が何も問題を起こさないことだが…)

ジョセフ(そんなの、アーノルド・シュワルツェネッガーの映画でアクションが起きないってくらいにありえないことだ…)

ジョセフ「…どうすりゃいいんだ……?」





咲夜「ジョジョ、何を考え込んでるのよ」

698 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:45:07.102 ID:K1V1fHZaa.net
ここまで霊夢が出てこないこと考えるとやっぱりDIO攻略の鍵なのかな

699 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:45:14.821 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「咲夜?おめー文とレミリアの介護してんじゃなかったのかよ」

咲夜「あの二人は、ちょっと手に負えないわ…」

ジョセフ「さすがのおめーも酔っ払いには敵わないんだな」

咲夜「…ねぇジョジョ、DIO様のことなんだけど」

ジョセフ「なんだ、やけにご執心だな」

咲夜「違うのよ…ねぇ、私…彼のこと、なぜだか知らないけど…魅力を感じるっていうか、何か引き付けられるのよ」

ジョセフ(同じ時を止める者同士だからか…?)

咲夜「だからこそ、彼が何かをしでかそうとしているなら、私はあなたに協力して彼を止めなければならないわ」

ジョセフ「…言っておくが、別に決まってるわけじゃあないんだぜ」

咲夜「あなたが言うなら、私は信じるけど」

ジョセフ「?」

咲夜「言っておくけど、変な意味には受け取らないで…あなたは、信用できる人物だと判断してるってだけ」

テラスで騒ぐ文を見つめて、咲夜が小さくつぶやく

咲夜「尤も…文は、それだけじゃあないみたいだけど」

700 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:45:43.116 ID:nd5KVLaD0.net
咲夜と文か…………
うーん迷うな

701 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:46:25.621 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「なにがいいてーんだよ、はっきり言えッ!」

咲夜「…それよりジョジョ、あなたは先に部屋に帰っていたら?このままここにいたら、じきに絡まれるわよ」

ジョセフ「…そーするか」





ジョセフ(…俺が思うに…ここの住人は、根っからの悪人のヤツがいない)

ジョセフ(つまり、もしもDIOが何かをやらかそうとしているなら絶対俺に協力してくれる)

ジョセフ(…問題は…俺らが束になって、DIOに勝てるのかってことだ)

ジョセフ(いくらダメージを与えても、時を止めて回復されちゃあ意味がないからな)

ジョセフ(…)

ベッドの上で、あぐらをかきながらジョセフは考える

はたして、DIOは本当にジョースターと決着をつけるつもりだろうか?

少なくとも平和主義に変わるなんてことはないはずだ

702 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:46:26.565 ID:ruQsLeup0.net
そういや妖々夢勢があんまり出てこないな…………

703 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:46:54.602 ID:1OzDwmIjK.net
この世界にはスージーも朋子も居ないんだし二人くらいよゆーよゆー

704 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:46:55.847 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…あー!ウダウダ考えてもしゃーねぇしッ!寝てから考えればいーやッ!!おやすみッ!!」

布団を顔にかけ、無理やりに外の光を遮断した








ジョセフ「ね、眠れないのよーん…」

時計がないので正確な時間は分からないが、おそらく真夜中の2時ほどだろうか

特に蒸し暑いわけでもなく、外がうるさいわけでもない

ただ、なぜだか今晩は眠れないのだ

705 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:47:24.267 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ(…ちくしょう、寝ないと明日の朝起きれないじゃあねーのッ!明日はおじいちゃんのとこにでも行こうかなって思ってたのにー!!)

ジョセフ(…でも、このまま横になってても眠れる気がしないしな…)


ジョセフ「ちょっくらブラブラするかな」






紅魔館の中の、赤いカーペットに影を落としながらジョセフは歩いた

どこに行こう、と考えた時に真っ先に思い浮かんだのがなぜかフランドールのところだったのだ



ジョセフ(…フランはおっかねーけど、今相手してもらえそうなのはあいつだけだしィー)

ジョセフ(…それに、確かにやべぇ性格はしてるけど、ずーっと幽閉の身ってのはかわいそうだしなーァ)

706 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:47:49.738 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…相変わらず、薄気味悪いな…」

フランドールの部屋まで続く廊下は…相も変わらず、不気味にろうそくに照らされている

吸血鬼が主人公の映画では、この先に棺桶があるのだろうが、実際の吸血鬼はあまり棺桶では寝ないらしい

ジョセフ(DIOのヤツは棺桶で寝てたけどなーッ……)




フラン「…だぁれ?その足音は、咲夜じゃない」



ジョセフ「お、俺だよーん……」


フラン「!ジョジョ?遊びに来てくれたの?」

707 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:48:26.774 ID:LnVExpun0.net
フランならあるいは…

708 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:48:28.926 ID:kMyPhLZX0.net
扉の向こうから聞こえる声に、ジョセフは苦笑いをした

遊ぶ、というと可愛げがあるが恐らくフランドールが求めているのは前のような「殺し合い」だろう

ジョセフはスペルカードルールなんて物に則っていないので、下手をすれば命を落とす

それだけは避けたいのだ

ジョセフ「遊びに来たんだよ、ただし戦わないからな」

フラン「えー、どうして?楽しいのに」

ジョセフ「…今からドア開けるけどよーッ、決して攻撃するなよなッ!したら俺はお前を嫌いになっちゃうからなーッ!!」

フラン「分かったわ」

709 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:49:00.041 ID:kMyPhLZX0.net
重々しいドアを開けると、床に散らばっている壊れた人形の数が増えていることに気付いた

ジョセフ「お、おめー……人形は壊して遊ぶもんじゃあないんだぜ…」

フラン「だって壊れちゃうんだもん」

ジョセフ「…ま、まぁいいや……俺をこんな風にしないなら」

フランドールの横にあぐらをかいて座ったジョセフは、すぐさまフランドールに尋ねる

ジョセフ「おめー、外に出たことってないのか?」

フラン「ほとんどないわ」

ジョセフ「こんなところでずーっと暮らして楽しい?」

フラン「わかんない、でもここは寂しいわ」

ジョセフ「だよな……」

フランドールの力は、たしかに外で暮らすには大きすぎる

だが、だからといって閉じ込めておけば解決、というのは間違いではなかろうか

ジョセフ「…外に行きたいとか思わないのか?」

710 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:49:20.792 ID:ruQsLeup0.net
フランは大抵キュッとしてドカーンでなんとかなりますし

711 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:49:34.515 ID:kMyPhLZX0.net
フラン「菜食主義者は肉を食べたいって思わないのよ、それと一緒…外に行ったことがないから、そこまで行きたいとは思わないの」

ジョセフ「ふーん…」

フラン「ただお姉様は気に食わないわ、私をこんなところに閉じ込めて、自分だけ外でたくさん遊んでるみたいだし、あいつは気に食わない」

ジョセフ「おめーがやりたいのは弾幕ごっことかいうのだろ……」

フラン「ねぇジョジョ、私と戦わない?」

ジョセフ「あのなぁフラン、生きるってことは、自分自身を成長させていくことなんだぜ、戦うことは確かに成長につながることもあるが、無意味な戦いなんて何の意味もないんだよ」

フラン「違うわジョジョ、戦う事こそが生きること、ってヤツもいるのよ」

ジョセフ「…なーんか、咲夜といいお前といい、俺からしたら楽しくなさそうな人生送りすぎだぜ」

フラン「どうして?」

ジョセフ「おめー、誰かを愛したことってあるか?そいつのためになら命を張っていいってほどにさ」

フラン「…ない」

712 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:50:08.796 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「……少なくとも、俺にはそういうヤツがいた、こいつらのためなら死んでもいいと思える仲間が」

ジョセフ「幸せの形は人それぞれだけどよー、もうちょっと人間に関わってみてもいいんじゃねーの?」

フラン「ここでどうやって関わるのよ」

ジョセフ「それもそうだけどさー」

腕を組んで考えるジョセフの膝に、フランが乗っかってくる

ジョセフ「なんだよ」

フラン「ジョジョは面白いヤツね、霊夢と魔理沙くらい面白い」

ジョセフ「それは褒めてんのか?なァー」

フラン「褒めてるの……ねぇジョジョ、幻想郷の外の話でもしてくれない?あなたの生きてきた時代の話とか」

ジョセフ「……そうだな、じゃあまず…俺の若いころの話からだ」

713 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:51:03.690 ID:1OzDwmIjK.net
>>702
幽々子とか出てきたらDIOさん勝ち目なくなっちゃいますし……

714 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:51:22.390 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフが話したのは、波紋を身に着け…柱の男と戦った日々のことだった

シーザーと共に戦い、リサリサと共に戦い、そして仲間を失ったあの戦いを

エシディシとの戦いを、ワムウとの戦いを、カーズとの戦いを

決して美化することなく、しかしそれは本当に映画のような話だった

他の住人である霊夢や文は、その話を作り話だと笑っていた

だが、フランドールは目を輝かせ、その話に真剣に耳を傾けているのだ

715 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:51:54.507 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…とにかく俺は生き残れたんだ……シーザーは本当にいい仲間だった、俺は今までいろんな友人を作ってきたけどよーッ……シーザーは最高の友達の中の一人だと言えるな」

フラン「…ねぇジョジョ、あなたが前に使った、蔦みたいなあれはなんだったの?それは、その波紋と関係あるの?」

ジョセフ「…これは……俺が年を取ってから戦った時に身に着けたものだ」

フラン「…」


そして、もう一つの旅の物語を語った

DIOが敵であったこと、時間を止めることは伏せておいて、あくまで祖父の仇と戦ったのだ、と

716 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:52:42.466 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…俺はその時、一度死んだんだ……孫の承太郎に助けられたけど、下手してたらもっと早くこっちに来てたかもな」

フラン「…ねぇジョジョ、その吸血鬼は、どうやって倒したの?」

ジョセフ「俺の孫が倒してさ、太陽を浴びさせたんだよ、どうもここの日光は紫外線が結界で遮断されてるみたいだからお前は大丈夫かもしんないけど、外じゃ吸血鬼は日光浴びたらすぐ死ぬんだぜ」

フラン「ふーん……」

ジョセフ「…こんなもんかな、俺の話は」

フラン「…楽しそう」

ジョセフ「え?」

717 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:53:10.863 ID:kMyPhLZX0.net
フラン「そうやって仲間と戦うのも、ちょっと憧れるし…何より、ジョジョはそうやって成長していったのね?」

ジョセフ「あぁ、そうだな…」

フラン「…人間は成長する生き物、か…」

ジョセフ「なぁフラン、もしも咲夜が許してくれたら、俺とちょっとでも外に出てみようぜ、もちろんお前が絶対に暴れないって言うなら、だけどな」

フラン「うん、考えておくわ!!」

ジョセフ「だからよー、おめーも…」






咲夜「あら?妹様、そこに誰かいるのですか?」




フラン「あ、咲夜だ……朝ごはんを持ってきたみたい」

ジョセフ「ゲゲーッ!!もう朝になってたのかよッ!?」

718 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:53:40.890 ID:kMyPhLZX0.net
フラン「咲夜、ジョジョが来てくれたの」


咲夜「ジョジョ……!?あなたまた勝手に…!!!」

ジョセフ「さ、咲夜ちゃんおはよーッ!今日もうつくピーねッ!!!」

咲夜「…ジョジョ…」ゴゴゴゴゴゴゴ








咲夜「勝手に館の中をうろつくんじゃあないわよッ!!!!!」

ジョセフ「ひぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

719 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:54:02.359 ID:kMyPhLZX0.net
その後、ジョセフは咲夜の説教を丸々1時間聞かされたのだ


朝ごはんを抜きにされなかったのは、咲夜なりの優しさだろうか

720 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:56:23.118 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「なぁジョジョ、知ってるか?」

魔理沙の家で、DIOはある一冊の本を手に取りながらジョナサンに呼びかけていた

ジョナサン「なんだい、ディオ?」

DIO「特殊相対性理論ってヤツだ、中々面白い考えだぞ」

ジョナサン「?なんだい、それは?」

DIO「なんでも、光の速さより速く動けば、未来に行けるってことらしい」

ジョナサン「未来に?」

アリスと魔理沙はキッチンで料理をしている

よって、リビングにいるのはジョナサンとDIOの二人だけだ

しかし、そこに殺伐とした空気はない

あるのは、まるで本当に親友が話しているような、穏やかな空気だった

721 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:57:02.942 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…正確には、自分自身だけが周りよりも先に行くってことさ、もっと言えば、周りの世界が止まるらしい」

ジョナサン「…なんてでたらめな考えなんだ」

DIO「だが俺は、これが間違いだとは思わないな……短距離走で考えろよ、ピストルが鳴ったと同時に光の速さで走れば、0コンマ何秒でゴールにつく…いや、下が何ケタになるかはおいておくが」

DIO「そして、そこでくるりと振り返ってみろよ、そこにはたった今スタートを切った選手がいるんだぜ、まるで自分だけが動いたようなことになる」

ジョナサン「なるほど…」

DIO「つまり、自分自身だけが動いたってことになる……それをずっと繰り返せば、自分だけが年を取ったりもするんじゃあないのか?」

ジョナサン「面白い考えだなぁ…光より速い物体なんてないだろうけど、でも実際にそうだとしたら夢物語じゃないか」

DIO「そうだろ?」

どうやら、DIOが読んでいるのはアインシュタインの文献らしい

古びているところが、いかにもな感じである

722 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:57:34.185 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「…とても、想像のつかない話だなぁ……それ、いつの論文なんだい?」

DIO「1905年らしい、俺達が戦った後のようだな」

ジョナサン「すごいな……人間ってのは、どんどん進歩していくね」

DIO「…人間は一生が短い、だが次の世代に何かを残すってことがあるからな」

DIO(…尤も、私にそんなものは必要ない……他人に託すなど愚かしいことだからなァ……)

ジョナサン「……DIO、その論文、読み終わったなら僕にも貸してくれないか?」

DIO「あぁ……」

DIOの手から論文を受け取ったジョナサンが、それをしげしげと見つめる

ジョナサン「難しそうだな……」

DIO「お前なら問題なく読めるだろう、まぁめんどくさい言い方をしているところはあるがな」

ジョナサン「そうだね、読んでみよう」

読書に集中するジョナサンを一瞥してから、DIOはキッチンへと向かった

723 :てんさいしないであふぃはしんでね:2015/07/21(火) 22:57:37.878 ID:zUClz+yZ0.net
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         } \/三三ニ=     Y \\_____     ` <ニ
    __/  ! ヽ>‐く三ニ=     |{ ノ>゙,.斗ャ≦爪〕>、
  ┌/\/  ゝ ___ノ三三ニ=    .ノr ´  v==ミ  ̄リ . . . ̄ ̄ ̄
  {〈 、丶\        \三Ξニ ./\>、  /: : : : : . . ヽ . . . . . .       二本目ッ!
  {=\    ` ̄ ̄ ̄ ̄ 〕ー一  \ ゝ   {: :    u  ゝ . . . . . .
  〈三=  、_____j }    (⌒   : : : .      ノ . . . _ . . .
  /三=  =ニ三三三三ノ    /`        ι  ゝ- ´ ヽ `i . .
. /三=   =ニ三三三三i }   (      u        ノ__ノ .ノ . .
/三=   =ニ三三三三//      `  、,____    ゝ-r==彡 . . .
三=   =ニ三三三三//         }: : : : : : : : : : :    } . . . . . . .

724 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:58:51.605 ID:1OzDwmIjK.net
光より速くじゃなくて光に近い速さで動いたらじゃね?

725 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:59:17.775 ID:kMyPhLZX0.net
魔理沙「やっぱり、今日はピザにしたほうがいいって!」

アリス「何を言ってるの、せっかく肉があるんだからもっと豪勢に…」

魔理沙「お前、ジョジョにずーいぶんと優しくするよな?肉を食べるなんて、お前らしくもない」

アリス「そ、そんなんじゃないわよ!!」

魔理沙「とにかく、私は……ん?DIO、どうかしたか?」

言い争いをする二人をつまらなそうに見つめながら、DIOが鼻を鳴らす

DIO「食事というのは幸せな気分を味わうためのものだ……それなのに、そのメニューを決める時にそうやって言い争いしてちゃあ、その意味も半減する」

魔理沙「それはそうだけどさ……」

DIO「…アリス、私やジョジョもそうだが、今日は君はこの家に泊めてもらう身分なんだ、魔理沙の言う事をきくのが当たり前じゃあないのか?」

アリス「う…」

魔理沙「そうよね、さすがDIOだ」

DIO「…魔理沙、君も君だ……少しくらいはアリスの意見に耳を傾けてやるのもいいだろう」

魔理沙「…そ、そうか…?」

DIO「……尤も、私には関係ないがね…君たちが今後友人関係を築く上で必要なことだ、気遣いってのはいつでもついて回るからな」

魔理沙「この幻想郷にそんなものは必要ないぜ」

726 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 22:59:52.893 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「……」

アリスの手元にある肉を見て、DIOが言った

DIO「ついでに言えば、私はステーキのほうが好きなんだがな……下手に調理するよりも、素材の味が生きて美味いじゃないか」

魔理沙「あぁ、ステーキか、悪くないな」

アリス「…そうね、今日はそうしましょう」

727 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:00:44.079 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「……あ、食事ができたのかい?」
魔理沙「あぁ、ステーキだ」

ジョナサン「ずいぶんと豪華だね…大丈夫なのかい、魔理沙?」
魔理沙「大丈夫、アリスが半分金を出してくれるらしいし」

アリス「ちょ、ちょっと!聞いてないわよ」

魔理沙「いいだろ別に?」
アリス「う……」

DIO「……」

魔理沙「あ、そうだDIO……お前、吸血鬼なんだよな?血を吸わなくても大丈夫なのか?」

DIO「なに?」

魔理沙「…吸血鬼は、飯を食うよりも血を吸う方が楽に栄養補給できるんだろ?」

DIO「…そうだな」

魔理沙「なんなら、私の血をくれてやってもいいぜ」

ジョナサン「ま、魔理沙!!」

魔理沙「勘違いするなよ、死ぬまで吸うのはごめんだからな、あと吸血鬼にはするなよ?外の吸血鬼って、血を吸っただけで相手を吸血鬼にするんだろ?」

DIO「それは迷信だ……それと、申出だが遠慮しておくよ」

魔理沙「い、いいのか?」

728 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:01:06.726 ID:jK3GFXZ60.net
あう

729 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:01:22.875 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「……人間の血の量ってのは限界があるだろ…ならまだ妖怪の血を吸ったほうがいい、ヤツらは無尽蔵の回復力を持っているんだろ」

アリス「そうね」

ジョナサン(…DIOが血を吸うのを遠慮した……な、なぜだか知らないが、不思議だ…)

DIO「…さぁ、早く晩餐と行こうじゃあないか…フフフ」

730 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:01:42.655 ID:kMyPhLZX0.net
月の夜

731 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:01:55.986 ID:ruQsLeup0.net
そういえばジョジョの世界の吸血鬼ってそんなに血吸ってないな

732 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:02:09.519 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「美味しかった……なんていうか、心が休まるような気がしたよ」

ステーキを食べ終えたジョナサンが、にこりと笑う

DIOも食べ終えていたのだが、そちらは感想を述べてはいない

ジョナサン「美味しかったよ、魔理沙」

魔理沙「……なんていうか…お前達、二人ともテーブルマナーが完璧すぎるぜ」

アリス「本当ね……失礼な言い方になるけど、図体と似合ってないくらいにね」

DIO「…イギリスに育てばいやでもそうなる」

ジョナサン「アリスも中々礼儀正しいよ」

魔理沙「ちょっと待て、私は?」

DIO「……ナイフとフォークをガチャガチャ鳴らして食事をするなど……まだ、調教を受けた犬のほうが上手く食べるぞ」

アリス「魔理沙、そうらしいわよ」

魔理沙「ちくしょー!!!なんて言い草だ!!」

733 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:02:25.847 ID:oRpQwhZq0.net
光とイコールになったら重力崩壊おこしてブラックホールになら

734 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:02:45.884 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「ははは……そうだ魔理沙、風呂はどうするんだい?」

魔理沙「そうだな…ジョジョとDIOから入ってくれ、女は後から入った方がいいだろ」

DIO「…私はどっちでも構わないがな……」

アリス「そうだDIO……私、あなたに少し聞きたいことがあるから、まずはジョジョから入ってくれない?」

ジョナサン「あぁ、分かったよ」

ジョナサンが風呂へと向かう

それを見送ってから、アリスはDIOの正面に座り…質問を始めた



アリス「DIO、あなたが前に使っていた…あれのことなんだけど」

DIO「……スタンドか」

735 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:03:12.634 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「そうそう、そのスタンドっていうの……もう一度、よく見せてもらえない?」

魔理沙「なぁ、そのスタンドって……なんだ?」

DIO「…簡単に言えば…精神エネルギーの塊だ…」

DIOの背後に、「世界」が現れる

その筋骨隆々とした姿に、魔理沙は面食らった!!!

魔理沙「な、なんだこりゃあ!?」

アリス「!!ま、間近で見ると改めてすごいわね……」

DIO「……こいつは…『世界』という名前でなァ…」

どこまで話せばいいのか、とDIOは考える

だが同時に、アリスと魔理沙に、「ジョジョには教えるな」ということも伝えられる機会なのだ

これを逃すわけにはいかない

736 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:03:22.427 ID:7IhbBxn90.net
>>731
体ごと食うやつが多いイメージだな
軟骨とか

737 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:03:36.842 ID:1OzDwmIjK.net
>>731
1部ではDIOくらいしか居ないし2部ではワラワラ居てもモブ雑魚扱いだからなあ

738 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:04:02.932 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「……私はご存じのとおり吸血鬼だ、普通の人間よりも強力な精神を持っていると言える……アリス、君は刺繍をするかね?」

アリス「え、えぇ……たまにする程度には」

DIO「…針と糸を貸してもらえないか」

アリス「?」

針と糸を手渡したアリスは、不思議そうに首をかしげた

なぜ、突然そんなことを尋ねたのか、と

だが……その謎はすぐに解けることになるッ!



なぜなら!DIOは「世界」を使って刺繍を始めたからだッ!!!

739 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:04:55.366 ID:ruQsLeup0.net
いちいちスタンドアピールするのやめろwwwwwww

740 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:05:30.155 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「す、すごい……!そんなに巨大な体にも関わらずッ!超精密な動きッ!!」

魔理沙「そ、そんな……信じられないぜ、こんな精密な動き、生身でも難しいのに…ッ!」

アリス「こ、これよ……この技術を、私の人形にも応用できないのかしら!?」

DIO「…悪いが、これは決して私と別々の存在なわけじゃあない」

アリス「ど、どういうこと?」

DIO「これは私の精神なのだ……いわば、分身とも言うべきな…だから、君の人形の技術に応用することはできない」

アリス「そ、そうなの……ちょっと残念ね」

DIO「…君の人形は、すでに完璧に近い動きをしているじゃあないか」

アリス「でも……私は、まだまだ強くなれると思うのよ!!」

DIO「…そこまでして強くなる理由もないだろう?」

アリス「そ、それは……」

DIO「…興味本位だとか、誰かと遊びの戦いをするために、なんて理由で強さを求めるのは愚かなことだ……」

魔理沙「そういうDIOは、その『世界』ってのを何のために手に入れたんだ?」

DIO「これは……私が運命の束縛から逃れるために手に入れたものだ」

魔理沙「運命?」

741 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:06:12.124 ID:oRpQwhZq0.net
ハンカチ縫うディオとか考えたらなんか嫌だな…

742 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:06:42.042 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(…結局は承太郎に敗れたが……だがこうして私は幻想郷にいるのだ…フフフ、今度は運命を乗り越えてみせよう)

DIO「…いや、気にしないでくれ……それよりだ、この『世界』のことはジョジョには言わないでほしいのだ」

魔理沙「ジョジョに?どうして」

アリス「あなたは、ジョジョと同時に死んだんじゃないの?だったら、ジョジョは知っていそうだけど…」

DIO「…これは、私が…ジョジョが死んでからのわずかな時間で手に入れた力なんだ、ジョジョは知らない」

魔理沙「あぁ…船で沈んだとき、か?」

DIO(フン、まんまと騙されたな……)

DIO「そうだ…いや、別に話しても構わないのだが……余計に警戒されるのもあれなんだ、ジョジョとは決して、気まずい関係になりたいわけじゃあないんでな」

魔理沙「そうだな……そんな力を持っているって知ったら、確かに警戒するぜ」

アリス「分かったわ、内緒にしておく」

DIO「…助かるよ」



DIO(…これで、ジョジョには知られないだろうな……もちろん、俺がジョースターを超えるための戦いのときには、否が応でも使わなければならないが)

743 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:07:18.697 ID:LnVExpun0.net
スタンドが刺繍してる姿想像すると笑えるwww

744 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:08:52.190 ID:1Okv2xqu0.net
相対性理論を完璧に習得したジョナサンが時止めする展開
あると思います

745 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:08:59.071 ID:ruQsLeup0.net
ザ・ワールド使ってバラ造りの内職を始めるDIOさん

746 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:09:56.754 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…アリス、君はずいぶんと努力家みたいだが…」
アリス「あら、それを言うなら魔理沙のほうが…」

魔理沙「お、おい…」

DIO「…君もか……魔理沙」
魔理沙「…別に努力なんてしてないって」

DIO「…」

魔理沙の手に貼られた、小さな絆創膏を見てから、DIOは言った

747 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:10:19.566 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「君は大層な努力家だな……今日も、見えないところで何かの練習をしていたな?手を怪我している」

魔理沙「こ、これはちょっと料理の時に切っただけで…」

DIO「ここにある本は、全て君は一通り目を通しているな?魔法の本から科学的な物まで様々なジャンルがある…」

DIO「最初は、たくさんのことに手を出したがる飽きっぽい性格だと思っていたが…だが、その割に君は一つのことを得意にしている」

DIO「つまりだ、君は様々なことを、ほんの少しずつできるのではなく、いくつかのことを極めているんだ」

DIO「…魔法のために、か?それとも、弾幕ごっことかいうののためか」
魔理沙「…別に、そんなんじゃあない」

DIO「だろうな、君はその努力している、ということを知られたがっていない…いや、むしろ隠そうとしている」

DIO「理由は一つしか考えられない、努力した、なんて偉そうに言えない相手がいるからだ…そいつは、君よりも強くて、しかも努力なんてしないやつだ」


DIO「違うか」

魔理沙「…」

748 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:10:51.057 ID:1OzDwmIjK.net
ジョナサンの肉体にだって顎準拠ならハーミット、
ジョージ準拠ならザ・パッションという
どちらにしろ糞の役にも立たんスタンドが発現するはずだからワンチャン

749 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:11:36.833 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「DIO、もうそろそろ…」

DIO「…フフフ……いや、笑ったことを許してくれ…君は、ずいぶんと人間らしいな」

魔理沙「人間らしい?」

DIO「努力をして前に進もうとする姿勢だ……昨日と同じことを繰り返すのは獣だ、だが昨日より一歩先に進んだことを行う事こそが、人間の生き方なのだよ」

DIO「そういう意味では、君はその誰かよりも、よっぽど素晴らしい人間だと言える」

魔理沙「…でも、まだそいつには追いつけない」

DIO「追いつく必要などあるものか…天才と努力家というのは、全く持って違う極地にたどり着くものだからなぁ…」

魔理沙「…お前、変わったやつだぜ、ここの吸血鬼なんかよりよっぽど大人だ」

アリス「そうね…ねぇDIO、あなたっていくつなの?」

DIO「……今が何年か分からないから言えないがね、吸血鬼になったのは20頃だ」

アリス「20!?た、たったそんな年で…」

DIO「…俺からすれば、遅すぎたくらいだ……もっと、たくさんのことを知り、運命を超えるには…」

魔理沙「よく分からないけど、お前も努力してるんだな」

DIO「…あぁ…そろそろジョジョがあがるな、こんな話はしないでくれよ、幼馴染に聞かれるのは恥ずかしい」

魔理沙「あぁ、分かったよ」

750 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:12:00.848 ID:3HHuyr14x.net
まあDIOがなんかやろうとしたら霊夢とか八雲家が出張ってくるからへーきへーき

751 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:12:31.244 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「ねぇ、ディオ」

DIO「…なんだ、ジョジョ」

風呂に入り終わったジョナサンとDIOは、アリスが人形を作るところを観察していた

その人形自体に何か仕掛けがあるのだ、と思っていたのだが実際は違うようだ

どうも、普通の市販されている人形と変わらないらしい

DIO(…魔法とかいうので、無理やりに動かしているのか……?)

ジョナサン「……君は、明日にはここを出るのかい?」

DIO「そのつもりだ、いくらお前と旧知の仲だとは言っても、俺は馴れ合うつもりはないからな」

ジョナサン「ははは、君らしいな」

DIO「…お前は平気なのか?自分を殺した吸血鬼が、目の前にいるのに」

ジョナサン「確かに君は僕を殺した……だけど、君がいなければ僕は成長しなかった、それに僕は君に友情を感じたんだ」

DIO「…」

アリス「はぁ、ねえ二人とも?そんなにじーっと見ていないでよ、穴が開きそうなくらいに真剣じゃない」

752 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:13:10.484 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「中々慣れた手つきだな、人形売りでもやって生活したらどうだ?」

アリス「そんな生活、退屈じゃない」

DIO「退屈というのは、安心と繋がっているのだよ」

アリス「安心だから退屈なのよ」

DIO「…私には分からない考えだな」

ジョナサン「アリス、その人形……何か特別な力を込めて作っているのかい?」

アリス「いいえ、これ自体は特に」

DIO「じゃあどうやって動かしているんだ?」

アリス「作った後で魔法を込めるのよ、順序が逆ってこと」

DIO「ほほう……」

アリス「……ジョジョ、あなたはそろそろ寝たら?もう遅い時間よ、魔理沙なんかとっくに寝てるみたいだし」


寝室から魔理沙のいびきらしいものが聞こえてくる

753 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:13:19.358 ID:5rOWEpC+0.net
エンヤ婆のババア成分が足りない…!

754 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:13:35.291 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「…そうだね、明日もいろいろ探索してみたいし」

アリス「DIOは……吸血鬼って、この時間帯は眠くならないのかしら」

DIO「あぁ……」

アリス「そう、じゃあ……私の話し相手になってくれない?一人ってのは、結構暇なのよ」

DIO(…話し相手になる筋合いはないが、何か有利な情報が得られるかもしれないな…)

DIO「ジョジョ、魔理沙の鼻に何か詰めておけ…うるさくてアリスも集中できんだろうしな…」

ジョナサン「さすがにそれはかわいそうだよ…それじゃあ、おやすみ」

アリス「おやすみ」

755 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:14:07.164 ID:DkwjeIIR0.net
咲夜「ジョセフ…!!激しすぎよ!んっ…ああっ♡」ハァハァ
ジョセフ「中出ししてやるゼ!!」パンパン
咲夜「中はだめよ!!あんっ…イクっ♡」ドピュドピュ


お休み

756 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:15:09.571 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…」

アリス「ねぇDIO」

ジョナサンが寝室へ向かい、リビングには二人だけだった
アリスの人形を見ていたDIOが、その呼びかけに顔を上げる

DIO「…なんだ」
アリス「一つだけ聞いていい?あなたと、ジョジョのこと」

DIO「…」

アリス「あなたは、ジョジョを殺したのよね…別にそれを咎めるわけじゃあないわ、そうじゃなくて…」
DIO「一度殺すほど憎んだ相手とこうやって再会したのに、なぜまた殺し合いをしないのか…ということか?」

アリス「…えぇ」

DIO「…フフフ」

アリス「?なにか、おかしいかしら」
DIO「いや…別に私は、ジョジョが憎いから殺したのではない」

アリス「じゃあどうして?」

757 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:15:29.597 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「……俺は、ジョナサンの攻撃によって首だけになってしまった……それを君が知っているかどうかはわからないがね」

DIO「その時に、俺には誰かの体を奪う、という選択肢しかなかった…首だけでも生きられるが、しかし首だけで何ができる?そんな姿で送る一生に意味などないのでな」

DIO「そして……ふと考えたのだ、このDIOの体にふさわしい人間などいるのか、と」

楽しそうに語るDIOは、まるで子供のような目をしている

話している内容は残酷だが…しかし、アリスは興味を示していた

758 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:16:06.460 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…一人だけだったのだ、私が心から尊敬できたのはな……これは本当だ、殺し合いをしていく中で、ジョジョの成長という物を否が応でも見てきたのだ」

DIO「…そのジョジョの肉体を奪い……支配してこそ、私だと思ったのだよ」

DIO「結局は失敗に終わったが…だが、私はこうして自分の体を取り戻した、だったらジョジョを殺す意味ももはやない…」

DIO「そもそも、ジョジョが私と戦う理由はただ一つ、吸血鬼が悪だったからだ…もちろん、ジョジョにとってはな」

DIO「だがここには吸血鬼のような生き物なんてざらにいる、あいつも危険視はしないだろう」

DIO「だとすれば…私にも、戦う理由などない」

アリス「…なるほど、とても筋が通ってるわ」

DIO「不安か?私が、こうやって紳士的な態度を装い……本当はジョジョを殺そうとしているのではないのか、と」

アリス「…いえ、最初はそれもあったけど…今はもうないわ」

DIO「…」

アリス「…ねぇDIO、あなたから私に質問はない?借りを作るのはいやなのよ、あなたに一つ質問したんだから、あなたもしていいわよ」

759 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:16:19.248 ID:gLlYQ5J10.net
DIOの口から幼馴染みって言葉が出てくるのは不思議な気分だわ

760 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:16:51.135 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「フン……特に君に訊きたいことはない、役に立つような知識などないだろう」

アリス「あら失礼ね、これでも知識は豊富よ?」

DIO「…私に必要な知識は、もうすべて知っているのだ…」

アリス「?」

DIO「……そうだな、じゃあ…」





DIO「…君は、幻想郷の中で一番面白い能力を持つのは、誰だと思う?」

761 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:16:57.759 ID:aHXptCt80.net
>>753
紫がきっとそのうち出てくるからそれで我慢しとけ

762 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:19:09.209 ID:kMyPhLZX0.net
アリス「面白い?」

DIO「強い、なんていうのは決められないだろ?だから、面白い、だよ…フフフ、応用力があるとか、そういうのでいい」

アリス「そうね…」

しばし考えた後……アリスは答える

アリス「咲夜って知ってる?」
DIO「紅魔館のメイドだろう、知っているよ」

アリス「咲夜の、時間を操る能力かしら」

DIO「時間を操る?」

アリス「止めたり、早回しにしたりできるのよ」

DIO(!!!止めるだけではなかったのか……いや、だが加速など大した問題ではない、時間を止めれば同じことよ)

DIO「…メイドには便利そうだな」

アリス「でしょ?それに、人間が時を止めるなんて面白くない?そんなの、人間に許されるような領域じゃあないわ」

DIO「…君は、人間をいささか見下しすぎだな」

アリス「ち、違うわよ……ただ、人間は年を取って、すぐ死んでしまうわ…それなのに時を頻繁に止めていたら、自分だけ年を取ってしまうもの」

DIO「……」

アリス「…でも、どうしてそんなことを?」

763 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:19:37.480 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「いや…こういう質問が、私は好きでね」

アリス「…」

DIO「…私もそろそろ寝るよ、君の邪魔になるだろう」

アリス「あぁ、ベッドはもうないけど、布団なら…」

DIO「ここでいい」

アリス「?」


ソファーに寝転がったDIOが、すっと目を閉じる

アリス「そ、そこで寝るの?首が痛くならない?」

DIO「…」

アリス(…もう寝てるのかしら)

764 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:20:06.419 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(……)

DIO(…咲夜、か…ヤツは、やはり私の能力において…一番の敵と考えるべきだ)

DIO(だが、それは逆にとれば…ヤツを味方に付けることが非常に私に有益だということでもある)

DIO(…明日…もう一度紅魔館へ行く必要があるな)

DIO(…そして……できれば、レミリアの身体能力も試しておきたいところだ)

DIO(…面白い……この幻想郷は実にッ!面白い場所だ…フフフフフフハフハフハ!!!)

765 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:20:39.996 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…」

静かな朝の陽ざしが窓から差し込んでいる

美しい光にちらりと視線を送ってから、DIOはそっとドアを開けた

魔理沙もアリスもまだ寝ているらしい

時計がないので分からないが……おそらく、まだ午前の6時ほどだろう

起きるにはあまりに早い

DIO(…紅魔館には吸血鬼が住んでいるからなァ…朝早くとも問題はないだろう)

魔理沙とアリスに感謝を述べる必要などない、どうせそんなことを言わなくても笑って流すような連中だ

それに、むしろそうやって馴れ馴れしくもすることで、自分への警戒を薄めることが出来る

DIO(…ジョジョのヤツにはどうせ後で会うだろう)

眩しい陽ざしの間隔…どれほど懐かしいものだろうか

目覚めてすぐの陽ざしは眩しい、それに目を細め、今日も一日が始まるのだ、という実感が湧くのだ

もちろん、DIOはそんなことなど考えはしない

766 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:21:41.482 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…」



ジョナサン「ディオ、どこか行くのかい」


DIO「ヌゥ……?お前…起きていたのか」

ジョナサン「世話になっているから…せめて、魔理沙とアリスに朝ごはんくらいは作ってあげようと思ってね」

DIO「フン、料理なんてできるのか」

ジョナサン「…見よう見まねだよ」

DIO「…失敗するなよ、アリスはともかく魔理沙は口うるさそうだ」

ジョナサン「そうだね」

小さく笑ってから…ジョナサンは尋ねた

767 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:21:46.560 ID:1Okv2xqu0.net
フハフハフハで笑っちまった

768 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:22:07.714 ID:kMyPhLZX0.net
ジョナサン「ディオ、君の分はいるかな?」

DIO「いや…必要ない、紅魔館に行くのだ」

ジョナサン「紅魔館……ジョセフがいるところだ」

DIO「…ここに帰ってくるつもりはない……魔理沙にはそう伝えておけ」

ジョナサン「どこか泊まるあてがあるのかい?」

DIO「さぁな…フフフ」

ジョナサン(…やはりだ、何か…何か、ディオは僕と戦った時と雰囲気が変わっている)

ジョナサン(…まるで、長い年月を経て性格が変わったように…)


DIO「…」

魔法の森へと歩き出したDIOの背中を見て…ジョナサンは、何か背中に冷たいものが走るのを感じた

769 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:22:41.645 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「だからさーッ!!俺は!!やっぱり、女の子ってのは恥じらいを持ってるべきと思うのよーん!」

紅魔館

ジョセフの熱弁を、パチュリー、レミリア、咲夜の三人は軽く受け流していた

ジョセフ「おめーらだよッ!!レミリアもパチュリーも平気で人前で下着姿でうろつきやがってッ!!」

パチュリー「ここは私たちの館なんだし…ちょっと服がなかっただけじゃない、あなたが廊下歩いているなんて思わなかったのよ」

ジョセフ「オーノーッ!!ありえねー!!!」

レミリア「あらジョジョ、私たちの下着姿で欲情したの?」

ジョセフ「パチュリーはともかくおめーはねぇよ」ケラケラ

レミリア「……」ドドドドドドド

ジョセフ「さ、咲夜ァ!!助けてくれ!!!」

770 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:23:55.778 ID:7IhbBxn90.net
レミィとパチェの下着だと?

771 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:24:13.724 ID:gLlYQ5J10.net
おのれジョセフ

772 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:24:46.038 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「……」

ジョセフ「お、おい咲夜ちゃーん?聞いてるの?何外見てんだよー!!」

咲夜「DIO様……!」

ジョセフ「…なにぃ?」


咲夜の覗いていた窓を、ジョセフも覗き込む



美鈴の横を通り過ぎて、紅魔館の地を踏んできたのは…DIOだった

773 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:24:55.460 ID:oRpQwhZq0.net
こうなるとレクイエムで死にまくってるボスが流れついててもおかしくないわけだ…

774 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:25:20.088 ID:FiReEjEi0.net
おい門番

775 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:25:22.580 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「あ、あの野郎何しにきたんだ…?」

パチュリー「あら、また遊びに来いって言ったのは私達よ」

ジョセフ「おめーっ!!俺の話聞いてたのか!?あ、あいつは信用ならねぇッ!」

レミリア「……ジョジョ、まぁ私の意見を聞きなさい」

頬杖をつき、紅茶を一口飲んだレミリアがけだるそうにしゃべる

レミリア「あなたの言いたいことはわかるわ、確かに人間をやめて吸血鬼になるなんて、DIOは相当な野心の塊よ」

レミリア「でもねぇ、そんなこと言い出したら、そもそも私達も相当面倒事を起こした存在よ…それだけじゃあない、幻想郷の住人は、何かしら問題を抱えている者が多い」

ジョセフ「う……」

レミリア「咲夜、あなたもあなた……DIOを信用してやれ、とは言わないわ…ただね、彼の話は実際面白いし、今すぐ何かを起こすって感じじゃあないわ」

咲夜「…ですが…」

レミリア「どうしても不安なら、四六時中あなたが見張る?無理でしょ、少なくとも、私はDIOを悪いヤツとは思わないわ…面白いヤツよ」

776 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:25:54.253 ID:kMyPhLZX0.net
クスクスと笑うレミリアに……ジョセフは冷たい視線を浴びせる

ジョセフ「……レミリア、おめーは勘違いしてやがる、人間じゃあねぇお前には分からないだろうがな」

レミリア「あら…何?」

ジョセフ「吸血鬼なんかになり下がったDIOは……誇りを持っている存在なんかじゃあない、あいつは!絶対に危険なんだッ!!」

パチュリー「…ジョジョ、私はあなたの言う事を信じてるけど…でもね、DIOだって私たちにとっては敵とは思えないわ、今のところ」

レミリア「…少なくとも、彼が今日ここに来たことは歓迎するわよ、私とパチュリーは」

ジョセフ「くっ……」





ジョセフ(無理もねぇ……俺の勝手な憶測で、DIOが何かをしでかすなんて言っても…結局、証拠はねぇ!)

ジョセフ(それにだ…あの野郎はこの幻想郷で、どうも紳士的な振る舞いを努めているらしい…)

ジョセフ(くそッ!!!どうすりゃあーいーんだよ!!)

777 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:26:16.216 ID:kMyPhLZX0.net
レミリア「咲夜、お出迎えしてきなさい」

咲夜「分かりましたわ…」

ジョセフをチラリと見てから、咲夜が紅魔館の玄関へと向かう…






ジョセフ(…DIO…ッ!!!!)

778 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:26:40.564 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(ヌゥ?窓からジョセフのヤツが覗いているな…フフフ…)

DIO(どうせお前はここの住人に私は信用ならないヤツだと吹き込んでいるだろうが…)

DIO(そんなことは無駄よ…貴様の悪あがきなど、このDIOの前では道化に等しいッ!!!)





DIO(…人の心を支配するのは……圧倒的な存在なのだ)




DIO(…私が……いずれこの幻想郷を支配してやるッ!)

779 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:27:50.237 ID:oRpQwhZq0.net
人柄のジョナサン
情熱のジョセフ
カリスマのディオ

さて…

780 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:28:32.116 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜(…DIO様には警戒しろ……)

ジョセフの言葉を頭の中で繰り返しながら…咲夜は、玄関へと向かった

あの吸血鬼は、レミリアやフランドールとは全く違う

「自らの意志で」吸血鬼になった、元人間なのだ

それは、おおよそ咲夜には理解できないことだった

なぜ人間でいることをやめたのか…彼にとって、それが最善の策であったからだ、と言っていた

だが、もしも本当にそうだとすれば…彼は、何か吸血鬼にならざるをえない状況に追い込まれたのだろう

咲夜(…あのスタンドというの…ジョジョのとは全く違う、攻撃に特化しているわ…)

咲夜(吸血鬼である本体だけではなく……あんなに屈強な守護霊がいるんじゃあ、簡単にはここの住人でも倒せない…ッ!)


咲夜「…!!!」



重々しく、紅魔館の扉が開かれた

781 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:28:58.983 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…咲夜か……久しぶりというには早いだろうが…フフフ、とにかく久しぶりだな」

咲夜「DIO様……よくぞお越しいただきました」

DIO「…レミリアはいるか?彼女と話をしたくてなァ……」

咲夜(…お嬢様に?ジョジョを訪ねてきたのだと思ったわ…ジョジョとDIO様は……何かあるはずだわ)

咲夜(まるで…ジョジョは、DIO様のことをよく知っているように私たちに警戒するように言ってきたもの…)

DIO「…聞いているか」

咲夜「!は、はい、今テラスで紅茶を……」

DIO「…咲夜…君は私を警戒しているな」

咲夜「!」

背中に、ゾゾゾッと寒気が走ったッ!!

なぜ、たったこれだけの会話で警戒していることがわかるのか!!

782 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:29:19.715 ID:gLlYQ5J10.net
この場に承太郎が居ないということがディ・モールト良い

783 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:29:45.215 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「君のその態度…前に私に接した時とは違うな、私を怪しいと感じたのか……それともジョセフに吹き込まれたか」

咲夜「そ、そんなことはありません…」

DIO「…咲夜、君が私を恐れるのも無理はない……人間をやめた私は、君にとっては警戒するべき対象だものなァ…」

咲夜(う…動けないッ!!や、館を案内しようにも…か、体が動かないの…)

DIO「猫を前にしたネズミって感じだな…そんなに怯えなくてもいいじゃないか、何を恐れている?私の力か?それとも…『世界』か?」

咲夜「…DIO様……ひ、一つ尋ねたいことがあります」

DIO「ここの住人は質問するのが好きだな…まぁいい、なんだ」

咲夜「…あなたは……私達を、どう思っているのですか?友人と思っているのか…それとも、ただの虫のように思っているのか…」

DIO「…」

冷たい眼差しで…DIOは、咲夜を見下ろしている

いざとなれば時間を止める…咲夜には、それがあるのだ

咲夜(お、落ち着いて…平静を装うのよ)

784 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:30:01.252 ID:1OzDwmIjK.net
門番だけDIOの異質な空気に気付くとかだと格好いいけど安定のシエスタ

785 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:30:28.050 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「私は……君たちを友人だと思っているよ、少なくともな」

だが、DIOはその咲夜の恐怖に気づいているかのように……そっと、彼女の頬に手を当てたのだ

咲夜「!!!」

DIO「ここの連中は誰しもが何かを背負っている……私もその一人なのだ」

DIO「自分が一番強い、という考えも……さらなる強さや安心を求めたがる上昇志向も…すべて、私に通じるものがある」

DIO「外の世界では味わえなかった……フフフ、ずっとクラスで一番足の速かった男が…ある日、偶然にも自分と同じ速さの生徒を見つけたって時くらいうれしいぞ…」

DIO「分かるか?私は、ここの住人に友情というよりも、尊敬を覚えているのだ…」

DIO「もちろん君にもな…人間であり続けるという選択肢を取っている君は、人間としての強さを持っている」

咲夜「DIO…様……!!」

肩が震えた

このDIOは、決して安心して話をできる相手ではないのだ

なのに…スポンジに水が自然と吸い込まれるように、彼の声を聴くだけで安心してしまうのだ

まるで、レミリアに対してがそうであるように

786 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:31:04.999 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…安心しろよ…私はここに戦いに来たわけじゃあない、話をしに来たんだ」

咲夜の顎をそっと手で支え…まるでキスでもしようかというような雰囲気を漂わせる

咲夜「DIO様…わ、分かりましたわ…ご案内いたします」

DIO「…そうか」

口の端を三日月のように歪めてから、DIOが咲夜の後ろを歩き出す


咲夜(お…恐ろしい……な、なんていうカリスマッ!!なんていう荘厳たる雰囲気…!!)

咲夜(…信じずにはいられないと思う気持ちがあふれる…)

787 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:31:15.796 ID:gLlYQ5J10.net
完全に浮気じゃないすか咲夜さん

788 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:31:25.504 ID:kMyPhLZX0.net
DIO(…ジョセフのヤツが余計なことを吹き込んだようだが…フン、少なくともここで暴れるつもりはない、どうせレミリアや咲夜など取るに足りないからな)

DIO(…問題は、この幻想郷で最も強い相手だ…それを聞きに来たのだからな…)

DIO(…咲夜の信頼もある程度取り戻しただろうしな…フフフ)

789 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:32:24.631 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…」


DIO「久しぶりだな…邪魔するよ」

レミリア「いらっしゃい、待ってたわ」

テラスに現れたもう一人の吸血鬼に対して、レミリアが微笑みを返す

ジョセフ(…ちくしょーッ、こいつの目の前で、今すぐ化けの皮剥いでやりてぇなー!)

パチュリー「今日はどんな用?もしかして、また面白い話をしに来てくれたの?」

DIO「…君たちが聞きたいと言うのならそれでも構わないがね…」

レミリア「…その言い方だと、今回は明らかな目的があるのね」

DIO「…少しばかり、訊きたいことがあってな」

だがその前に…とDIOは続ける

DIO「あの空でプカプカ浮いているのはなんだ?遠くから見ると、カラスのように見える」

ジョセフ「!!あ、ありゃあ文じゃあねぇかッ!」

790 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:33:03.376 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「文?またあの子…」

DIO(…私の知らない相手か…この反応を見ると、だいぶジョセフとは親しいようだが)




文「飛んで呼ばれて射命丸ッ!!!ジョセフさん、こんにちは!!!」

ジョセフ「お、おめー……昨日来たばっかじゃねぇか…」

レミリア「あら、そんなにここが好きになった?」

文「いえいえ、本当は今日はここに来る予定はなかったのですが」

DIOをじっと見つめた文の目が、キラキラと輝く

文「見たことない方がいたのでつい!!レミリアさん、彼は誰なんですか!?」

レミリア「…なんでもない、私の友人よ…だからあなたは帰って…」

文「ジョセフさーん!!!この人のこと知ってますぅー?」

791 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:33:51.492 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…おめー、どうせまた記事にネタにするつもりなんだろ」

パチュリー「その通りよ…めんどくさい」

文「ふんっ!!ならいいですよ、初めましてッ!!私は射命丸文です!!」

DIO「……DIOだ」

文「DIOさんですか、話には聞いています…早速ですが質問してもよろしいでしょうか!」

DIO「…」

文「DIOさんは、ここの住人ではないんですよね?外から来たと噂で聞きましたよ」

咲夜「…そのとおりね」

DIO「…そういう君はなんなんだ?記事とか言っていたが、まさか新聞記者じゃああるまいな」

文「ご名答ッ!!!」

DIO(…ここにはそんなものまであるのか……)

文「さて、DIOさん!!まず、いくつかあなたの身の上話を…」

レミリア「ちょっと文、彼は私の客人よ…天狗如きが邪魔をしないで」

DIO「天狗だと?」

792 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:34:27.838 ID:kMyPhLZX0.net
パチュリー「彼女は天狗なのよ、DIO…」

咲夜「……私はもちろん、お嬢様さえも体力では凌ぎます」

文「もう、心外ですね…そんなこと言ったらDIOさんに怖がられちゃうじゃあないですか」

ジョセフ「お、おめーそんなに怪力だったのか?こえー!!」

文「…」

ジョセフ「じょ、冗談だよ……おめーが優しいヤツだってのは知ってるからさ」

文「それでDIOさん……あなたは、何か特別な力を持ってますか?ジョセフさんは波紋と、スタンドってのを持っているみたいですが」

DIO「…私は、吸血鬼なのだ」

文「それも一応聞きましたが…あの、本当に吸血鬼なんですか?本当に?」

走らせていたペンをそっと止め…文が怪訝そうな顔をする

DIO「外の世界に吸血鬼がいない、なんてわけはないだろう?現に私は吸血鬼なのだ」

文「外にも吸血鬼がいたなんて……!!これは、すごいネタになりますね!!」

793 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:35:18.028 ID:kMyPhLZX0.net
レミリア「…DIO、あまり彼女に身の上話をしないほうがいいわ、丸裸にされるわよ」

DIO「フン……それに、私はスタンドも持っている」

文「!!スタンドもッ!」

ジョセフ「……随分ペラペラしゃべるな」

咲夜「ちょ、ちょっとジョジョ…」

DIO「フフフ…隠す必要があるか?別にないだろう」

パチュリー(…DIOは本当にそう思っているのか、それとも私たちの警戒を解くためにわざと…?)

DIO「…えぇと…文だったかな、君に一つ尋ねたいが」

文「なんですか?」

DIO「この幻想郷で最も強いのは誰だ」

レミリア「!!」

咲夜「!」

DIO「…変なことを訊くと思うだろうが……フフフ、そういうことに興味を持つのが私なのだよ…吸血鬼の力を手に入れ、さらにはスタンドも身に着けた…そんな私が力を持つ者に興味を持つのはおかしいか?」

文「いえ、自然ですよ……えーっとですね、最強…は霊夢さんじゃあないでしょうか」

794 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:36:03.627 ID:ruQsLeup0.net
あーーー………………

795 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:36:04.614 ID:gLlYQ5J10.net
きたか

796 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:36:08.211 ID:svjngNC/0.net
しあん

797 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:36:20.584 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「あ、あいつってそんなに強いのか?」

文「えぇ、あとは…幽香さんとかですかね…でも、霊夢さんが一番であることは変わらないと思います」

DIO「…」

レミリア「DIO、それを知ってどうするつもり?」

DIO「…ここの住人で…私はほとんど、面識を持っている者はいない」

咲夜「…」

DIO「…できればだが…手っ取り早く、この幻想郷に私を馴染ませておきたいのでな」

パチュリー「…」

DIO「…変な顔をするなよ……ジョセフ、お前もだ……ここに来てから、お前はどれほどの住人と出会った?ほとんど面識などないだろう?」

ジョセフ「そ、それがなんだってんだよーッ!!さっさと要点だけ伝えろッ!!」

798 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:36:30.669 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…私は……この幻想郷の者と話をしたいのだ…ここには、私の知っている人間とは全く違った考え方の者が多い」

DIO「興味深いのだ……それらの話を聞き、そして吸収することで、さらなる高みにたどりつけるような気がするのだ」

レミリア(上昇志向……この男、まだ成長するつもりなのね…)

咲夜(…貪欲…というには、あまりに純粋な言葉ですね)

799 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:36:57.413 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…文、君に出来ればたくさんの住人を紹介してほしいのだが…しかし手間取るな」

文「あ、それならいい方法があるじゃあないですか」

レミリア「…!!ま、まさかあれを…」

文「そうですよ、早速新聞に書いてきます!!」

咲夜「ちょ、ちょっと!?」

文「料理の用意はお願いしますねッ!!!!」


最速の名は伊達ではない…文は、その言葉の次の瞬間にはもう消え去っていた

800 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:37:20.124 ID:kMyPhLZX0.net
パチュリー「…」

ジョセフ「な、なぁ?文の言っていたことは、なんなんだ?」

レミリア「…宴会よ」

DIO「宴会だと?」

レミリア「…面白いことになりそうね…ただジョジョ、あなたは宴会中も私か咲夜とずっと一緒にいなさい」

ジョセフ「な、なんで?」

レミリア「あなたたちの思っている宴会なんかとは全然違うのよ」




レミリア「…結構、力比べをしたがる馬鹿が多いから」

801 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:37:35.310 ID:kMyPhLZX0.net
二人のジョジョと吸血鬼

802 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:38:03.086 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…レミリア、一つ尋ねてもいいかな」

咲夜の淹れた紅茶に満足したのか、少しばかり柔らかい雰囲気になって、DIOがレミリアに話しかける

レミリア「なにかしら」

DIO「宴会というのはあの宴会だよなァ…?私は、文に強い相手を教えてくれと言ったのだ…なぜ宴会につながる?」

レミリア「それはね…ここの連中が、もれなく宴会好きだからよ」

DIO「…なに?」

レミリア「みんな宴会が好きなのよ…ぎゃーぎゃー騒いで、酒を飲んで…そのためだけに、幻想郷のほとんどの住人…もちろん、いわゆるあなたが言っている強者が集まるのよ」

DIO「…ほほう」

レミリア「だからこそ、幻想郷の強い連中と知り合うには、宴会が一番ってわけよ」

DIO「なるほどな…」

803 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:38:42.488 ID:kMyPhLZX0.net
レミリア「めんどうだと思うかもしれないけど、付き合ってちょうだい…たぶん今日の夜に開かれるわ」

DIO「今日の夜だと?宴会の話が出たのは先ほどだ…そんなにすぐに間に合う物なのか?」

レミリア「あら、ここの人々ののらりくらりを甘く見たらいけないわ…楽しそうなことがあれば、大切なことなんか放り出してやってくるわ」

DIO「…」

レミリア「とりあえずそういうわけよ…いい、DIO?めんどうな相手に絡まれたら挑発しないで受け流してちょうだい…全員が全員、あなたみたいに大人しければ大丈夫なのだけど」

DIO「フン…気に留めておく」

少し温くなった紅茶を口に運んでから……ふと、思い出したようにDIOが尋ねた




DIO「ところで…ジョセフはどうした?」

レミリア「…さぁ?」

804 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:39:55.721 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…なんで俺がこんなことしなくちゃあならねぇんだよーッ!!!」

咲夜の隣で、ジョセフはなぜだか料理を手伝わされている

野菜を切ったり、肉を焼いたりという簡単な作業しか任せられない辺り、咲夜がジョセフをどう見ているのかがわかる

咲夜「…本当は事前に準備できるでしょうけど…残念ながら、発案者があの文だったのが運の尽きね、彼女が新聞で言いふらせばすぐに他の連中は宴会だって喜びだすもの」

ジョセフ「…なぁ、まるで宴会の記事を新聞にして、今日のうちに配り終える、みたいな言い方だけどよ…」

咲夜「そんなものじゃあないわ、たぶんもう配り始めてる」

ジョセフ「にゃにぃ〜!?お、おい、それ本当かよ!?いくらなんでも速すぎないか!?」

咲夜「口よりも手を動かして、ジョジョ」

ジョセフ「きーっ……宴会がせめて明日ってーなら他に手伝ってくれそうなヤツを探すのによォー」

咲夜「…紅魔館以外に仲のいい知り合いがいるの?」

ジョセフ「…いません」

805 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:41:03.003 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「…あらかた準備は終わったけど…何せ、量が量ですものね…ここからが本番よ」

ジョセフ「本格的な調理に入るってわけか」

咲夜「ジョジョ、あなたはもういいわ…あとは私が」

ジョセフ「時間を止めるのはなしだぜ」

咲夜「!ど、どうして?」

ジョセフ「おめー、自分が時間を止めると、その間だけ自分は年を取るだろ?前も言ったけどさ、そりゃ残酷すぎるぜ」

咲夜「…そのため?」

ジョセフ「咲夜、お前の時間をどう使おうがお前の勝手だけどよ…ただ、俺はあんまり、そんなさみしい使い方はしてほしくないんだ…」

咲夜「…」

806 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:41:25.505 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「別に俺じゃなくてもいい、パチュリーとかフランとか美鈴とか……もちろん、お前の仕えるレミリアでもいい、とにかく一秒でも長くそういうヤツらと一緒にいてくれよ、それが一番幸せなんじゃないのか?」

ジョセフ「俺は宴会のためってんならこんな準備やる気出せないけどよ……でも、おめーのためだってなら、ちょぴーっとくらいは無理してもいいと思ってんのよーッ」

咲夜「ふふっ…ジョジョ、あなたって結構プレイボーイの素質があるわ」

ジョセフ「あれー?もしかして咲夜ちゃん、俺に惚れちゃった?残念だなーッ、俺にはスージー…」

咲夜「でもね、そういう甘い言葉ばかり振りまいていると…いつの日か大変なことになるわよ、女の子に勘違いさせるとか」

ジョセフ(オーノーッ…あ、当たってるゥ…)

807 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:41:51.932 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「…ジョジョは、人間であることを誇りに思う?」

料理の合間の暇つぶしなのだろう、咲夜がそんなことを言った

ジョセフ「あたりめーよ、人間ほど誇り高き生き物はいないと思うぜ」

咲夜「…そう?人間も、結局は動物と同じじゃない?」

ジョセフ「…本当にそう思ってんの?」

咲夜「…さぁ」

ジョセフ「…俺の友達にさ」

咲夜「?」

ジョセフ「シーザーってヤツがいた……俺のために、ある物を残して…死んでいった友達が」

808 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:43:40.227 ID:j7HAlN97d.net
追い付いた支援

809 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:44:23.151 ID:aanlm/320.net
シーザーはいないのか・・・ (´;ω;`)

>>753
BBAなんざ腐るほどいるから安心しな

810 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:44:48.045 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「俺は、人間は弱い生き物だと思ってる、兵器を持っていなけりゃあ、ゴリラはおろか、ただの猿にさえ勝てないらしいからな」

ジョセフ「だがな、人間が唯一やってのける、人間にしかできないことってのが一つあるんだ」

咲夜「…なに、それは?」

ジョセフ「未来へ何かを託すことだ」

811 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:44:57.592 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「未来……」

ジョセフ「人間の一生ってのは短い、もちろん虫や動物に比べると長い方だが…だがな、それでもたかだか80年ほどだ、地球の規模で考えたら、ちっぽけすぎる」

ジョセフ「でもな……自分の子供へ、またその子供へ…仲間へ、友達へ…何かを託すことが出来るんだ」

ジョセフ「人間の誇りは、未来に何かを残すことだ、どれだけのことを受け継ぎ、どれだけのことを次の世代に手渡すかだ」

ジョセフ「俺は…そんな人間の、不器用だけどまっすぐな生き方が大好きなんだ」

だから、と付け加える

ジョセフ「…悪いが、俺にはDIOの気持ちは分からない……あいつみてぇに、自分一人で生きてきてますって感じのヤツはムカつくんだよなー」

812 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:45:38.050 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「…驚いた、あなたって本当に見た目と中身が違うわね…というより、本質が、かしら」

ジョセフ「…そうか?」

咲夜「あ、ジョジョ」

ジョセフ「これだろ」

砂糖の入った瓶を手渡し…ジョセフがニカッと笑う

咲夜「よ、よく分かったわね…」

ジョセフ「俺の十八番は相手の五手先を読むことだぜ、お前が今砂糖を使った料理を作ろうとしてるってことくらいお見通しよ」

咲夜「そう、ありがとう」

そっと伸ばされた咲夜の細い指が、少しばかりジョセフの手に触れる

その妙な柔らかさに、少しだけジョセフはどきりとした

ジョセフ「…おめー、手綺麗だよな、料理とか掃除とかしてたら普通は荒れそうなのにな」

咲夜「いろいろと手入れをしてるのよ……あ、そろそろお嬢様の紅茶の時間ね」

ジョセフ「ま、またか…」

813 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:46:39.719 ID:kMyPhLZX0.net
咲夜「ついでにDIO様にも持って行って、に淹れてあるから」

ジョセフ「!!!お、おめー!!!今時間止めただろ!!」

咲夜「い、一分だけよ…そんなに怒ることないじゃない」

ジョセフ「いいや、俺はその一分でも許しはしないねッ!!!」

咲夜「…どうして、そんなに私のことになると真剣になるのよ?」

咲夜の素朴な問いに、ジョセフもまた素朴な答えを返した

ジョセフ「友達だからだよ」

814 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:47:07.313 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…レミリア、君は私とは違う吸血鬼なのだよな…」

テラスで、レミリアとDIOは二人話していた

レミリア「えぇ、たしか…あなたの場合、人間の進化した、って感じだったかしら」

DIO「そうだな…だから、コウモリを従えるとか、十字架に弱いとか、そんなこともない」

レミリア「私達もそんなことはしないけど……でも、私は少なくとも、紫外線では死なないはずよ」

DIO「なに?」

レミリア「灰にはなるけどね…その灰が少しでも残っていれば、復活できるはずよ」

尤も、レミリアは今まで一度も灰になったことはないのだが

815 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:47:33.138 ID:kMyPhLZX0.net
レミリア「…たぶん、あなたより身体能力も高いはず」

DIO「フン…そうだろうな、所詮私は吸血鬼のまがい物なのだ」

レミリア「機嫌を悪くしないでちょうだい」

DIO「フフフ……冗談だ、君の可愛らしい顔が困るところを見てみたくてな…」

レミリア「まぁ、DIOったら意地悪ね」

クスクスと談笑する二人の内心は…互いに、表の顔とは全く違うものだった




DIO(…私よりも身体能力は高い……か、こいつは中々厄介な相手だが…)


レミリア(…彼のこの紳士的な態度は表向きな物か、それとも…)

816 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:48:07.746 ID:ruQsLeup0.net
カリスマVSカリスマ…………!?

817 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:49:00.186 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…そういえば…だが」
レミリア「なに?訊きたいことなら何でも言いなさい」

DIO「咲夜の能力は、時を操ることか?」

レミリア「あら、よく気づいたわね」

DIO「…いや、昔本で読んだことがあってな…時間を止める男の話を…」

レミリア「…でもね、咲夜は止めるだけじゃないのよ?紅茶を淹れた後、その紅茶の時間だけ早めて熟成させたりできるの」

DIO「…?紅茶の時間だけ、だと?」

レミリア「あの子は空間も操れるから」

818 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:49:30.771 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「ほう……メイドとしてはかなり優秀な部類じゃないか?私も昔は執事などに囲まれて暮らしていたが…そんなメイドがいるなら、一人で館も切り盛りできる」

レミリア「その褒め言葉は、直接言ってあげて頂戴」

DIO「フフフ……そうだな」

レミリア「…あら?ジョジョが来たわね」

DIO「なに?」

テラスの向こうから、ジョセフが歩いてくる

DIO(…ジョセフのことか……フフフ、私にとってジョジョとは…ジョナサンだからな)

DIO(…)

819 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:50:19.447 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「咲夜が紅茶を淹れたから届けに来てやったぜーっ」


レミリア「あら、咲夜の料理の手伝いは?」

ジョセフ「途中で追い出されたんだよ、どーせオレは不器用だよー!!」

DIO「……レミリア、今日の紅茶は何かね」

レミリア「たしか…ダージリンじゃなかったかしら」

DIO「ほう…」

レミリア「DIO、あなた紅茶には詳しいの?」

DIO「いや、詳しいわけではないが……人よりは知識はあるさ」

ジョセフ(ちぇーっ、なんなんだよこいつゥ〜〜……本性を曝け出してやりてーぜッ!!アイドルの素っ裸見たいのと同じように、こいつの本性をみんなの前で見せてやりてぇ!)

DIO「…何をしている、早く紅茶を置けよ」

ジョセフ「お、おめーっ!!人に物を頼む態度ってのは、そういうもんじゃあねぇぜッ!!」

820 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:51:02.122 ID:aanlm/320.net
>>816
片方はたまにカリスマ(笑)だからな・・・・

821 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:51:05.479 ID:kMyPhLZX0.net
レミリア「ジョジョ、その紅茶は咲夜が私に淹れたものでしょ?だったら、あなたの役目はうだうだ言葉を並べて、紅茶を冷ますことなの?」

DIO「フン、お前はイギリス人だったのではないのか?紳士的な態度をとれないようでは、まだまだ子供だな」

ジョセフ「はいはい、どーせオレは子供ですよーッだ!!いーっ!!!」

やや乱暴に紅茶をテーブルに置いたジョセフが、くるりと背を向ける

レミリア「あら、一緒に飲まないの?」

ジョセフ「ここにいたって、お前らに馬鹿にされるだけだからなッ!」

822 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:51:15.891 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…」

レミリア「そう、咲夜に伝えてくれない?そろそろお昼の時間だって」

ジョセフ「へーへー」

適当な返事をしたジョセフにレミリアは鋭い視線を送った…が、ジョセフはその時すでにテラスを後にしていた


DIO「…君の威厳は、いささかここでは薄れているのか?」

レミリア「そ、そんなことはないはずよ…」

823 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:53:07.079 ID:kMyPhLZX0.net
「時間」はすぐに過ぎ去っていく

紅魔館での昼食を終えたDIOとレミリアは、その後もしばらくの間語り合っていた

様々なことだ、今までの自分の生き方、強い者とは何か…そして、食の好みなどのくだらないことまで

二人の間におおよそ友情のようなものはなかったが…互いに、尊敬の念はあったのだろう

微笑ましい光景ではなかったが、隣り合う国の首相会議のような雰囲気が漂っていた



一方のジョセフは、咲夜の料理をつまみ食いしようとして計7回ほどナイフで刺されかけた

その度に「か、可愛い咲夜ちゃーん!許してちょーだいッ!」と謝ったのだが、効果はあまりなかった







気が付けば…空の太陽は沈み、やがて夜の訪れを感じさせる頃になっていた

824 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:53:08.303 ID:7IhbBxn90.net
既にカリスマ(笑)じゃったか

825 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:53:58.055 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…レミリア、宴会はどこで行われるのだ?」

レミリア「多分だけど…博麗神社の敷地だと思うわ、あそこ地味に広いもの」

DIO「博麗神社だと?」

レミリア「あぁ、あなたは行ったことないかしら……博麗霊夢が住んでいる神社よ」

DIO「!!」

レミリア「フフ…あなたも会ってみたいんじゃない?霊夢に…彼女は、この幻想郷で一番の実力を持っているわ…まぁ、それは彼女の力、というよりは博麗の力なんだけど」

DIO(…この幻想郷でも一番強いと言っていたな…霊夢…か)

826 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:54:36.453 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「その霊夢という巫女は…人間か?」

レミリア「えぇ、そうよ」

DIO「…そうだな、私も少しばかり興味がある」

レミリア「じゃあ行きましょう…咲夜とジョジョ、パチュリーも連れて」

DIO「美鈴は連れて行かないのか?彼女も、この紅魔館のメンバーなのだろう」

レミリア「…仕方ないわね、あなたが言ったから特別に許可するわ」

827 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:55:04.838 ID:kMyPhLZX0.net
ジョセフ「…なぁ、咲夜」

咲夜「なに、ジョジョ?」

ジョセフ「あのさぁ…フランを宴会に連れて行くってのは」

咲夜「ダメよ」

ジョセフ「な、なんでだよ!?あいつだって…」

咲夜「妹様は危険な性格ですもの……大丈夫、何も言わなければ…」

ジョセフ「…俺、そういうのイヤなんだよなァ…」

咲夜「いいから、いつものことよ……そうそう、料理を持っていくの、手伝ってよね」

ジョセフ「ま、待てって!!こんな量の料理をどうやって運ぶんだ!?まさかピーターパンみてぇに空飛ぶんじゃあねぇよなッ!?」

咲夜「その通りだって言ったらどうする?」

ジョセフ「お、おいマジかよ〜〜!!」

咲夜「まぁ、あなたが嫌なら私が時間を止めて運ぶけど」

ジョセフ「て、手伝うよ……チギジョー!!!」

咲夜(ホント、こういうところは優しいわね)

828 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:55:34.144 ID:kMyPhLZX0.net
霧雨魔理沙宅




魔理沙「ジョジョ、博麗神社で宴会があるらしいぜ」

ジョナサン「え、宴会?」


空から降ってきた新聞を見て、魔理沙が笑った

どうもその反応を見るからに、その宴会とやらはここでは日常茶飯事のようだ

またか、と言いたそうな顔をしているからだ


アリス「へぇ、宴会ね……文のヤツが考えたのかしら」

魔理沙「さぁな…紅魔館の客を歓迎するため、って書いてるな…」

ジョナサン「紅魔館…?そ、そうだ!!ジョセフがいるところじゃないか!」

アリス「へぇ……そういえば、DIOも紅魔館に行ったんじゃなかったかしら」

魔理沙「そうだな……行くに決まってるだろ?タダ飯なんてありがたいことこの上ないぜ」

ジョナサン「そ、そうだね…この宴会には、たくさんの人が集まるのかい?」

829 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:56:29.282 ID:kMyPhLZX0.net
魔理沙「人間はほとんど集まらないぜ」

アリス「妖怪から神まで、そういうのばっかりが集まるわ」

ジョナサン「か、神様までいるのか…すごいなぁ」

アリス「行きましょう、ジョジョ」

ジョナサン「そうだね……案内してもらえるかな?」

魔理沙「あぁ、それなら飛んで行けるぜ」

ジョナサン「と、飛んで?」

魔理沙「あぁ、ちょーっと怖いと思うけど」

ジョナサン「?」

アリス(ジョジョを乗せて箒で飛べるのかしら)

830 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:57:22.802 ID:1Okv2xqu0.net
DIOは飛べそうだけどな

831 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:57:23.994 ID:kMyPhLZX0.net
霊夢「…ど、どういうこと…ッ!?な、なんで勝手に宴会の話が進んでるのよッ!」

霊夢「い、いいや…宴会はいいわ、にぎやかだからッ!!でもね、なんで博麗神社!?」

霊夢「し、信じられない悪夢が待っているわ…みんなが酔っぱらって、結果的に片づけは私がすることになる…そんな未来が見える!!」

霊夢「あ、文のヤツね!!こんなバカみたいなことを考え付いたのは!」

文「馬鹿とは失礼ですねー」

霊夢「のわぁっ!?い、いつからいたのよ!?」

832 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:57:44.951 ID:kMyPhLZX0.net
文「今来ました、霊夢さんに宴会の承諾をもらおうと」

霊夢「ダ、ダメに決まってるでしょ!!却下!!」

文「よし、じゃあこれから準備しましょうか!不肖私も手伝いますので!!」

霊夢「ちょっと!アンタの耳腐ってるんじゃあないのッ!?鼓膜がクソになっているのかッ!?」

文「ジョセフさんも来ると思いますし、張り切りますよ!」

霊夢「…なーんか、ジョジョのことになると真剣ね」

文「そ、そんなことないですよ!」

霊夢「はぁ……まぁいいわ、仕方ないから…」

文「ささ、準備しましょう!!」

833 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:58:43.353 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…レミリア、幻想郷の住人は…どんな連中なのだ?私が知っているのは君たちと、あとは魔理沙とアリスくらいだからなァ…」

レミリア「そうね、結構面倒な連中も多いわよ」

博麗神社への道中、DIOとレミリアは二人並んで歩いていた

その後ろを、咲夜、ジョセフ、パチュリー、美鈴が歩いていた

ジョセフ(…DIOのヤツがもしも幻想郷の連中と親交を深めるためにこの宴会に参加するのなら…少なくとも、ヤツが仲間に引き込まないように俺が見張らなければならない)

パチュリー(…レミィって、ああやって見ると小さいわね)

咲夜(…DIO様は、何が目的でこの宴会に参加するのかしら?本当に、強い相手と出会いたいだけ?)

834 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/21(火) 23:59:31.838 ID:kMyPhLZX0.net
DIO「…フフフ、面倒な連中というのは、裏を返せば面白いヤツらだ…私はそう思う」

レミリア「確かに面白いわよ、戦っていて飽きないもの」

DIO「…もう一つ訊きたいが…あの文とかいう天狗…いったいどうやって幻想郷に宴会の話を知らせるのだ?しかもこんなに早く…」

レミリア「さぁ?新聞でも配ったんじゃないの」

DIO「…たった数時間で、か」

レミリア「そういうありえない連中の集まりが幻想郷よ」

DIO(…思っていたよりも、厄介な連中が多そうだ…このDIO、負けることはないにしても…完全に支配することはできるのか…?)

835 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:00:38.498 ID:gpgbqe4F0.net
レミリア「…でも、たぶんあなたは注目の的になるだけよ、決して敵視はされないはず」

DIO「…なぜだ?」

レミリア「外の世界からの客、ってだけでもかなり興味深いけど…吸血鬼、しかもスタンドなんていう特別な能力を持っているからね」

DIO「…その程度の者など、ここでは埋もれてしまうのではないか」

レミリア「そうかしら……中々、あなたは強いと思うわ」

836 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:01:05.072 ID:gpgbqe4F0.net
咲夜「お嬢様達、何を話しているのかしら」

ジョセフ「さぁーね」

美鈴「…DIOさんって…なんだか、私は少し怖いです」

ジョセフ「だよなーッ!!見ろよあのハートマークだらけの服!!あんなの普通着るゥ!?」

パチュリー「ジョジョ、服装なんて個人の自由よ?それに、あなたのその服も大概よ」

ジョセフ「な、なにィーッ!?おめーの服もおばあちゃんみてーだけどなッ!!ハハハー!!」

パチュリー「お、おばあちゃんですって!?」

咲夜「二人ともケンカしないで……これから、せっかく楽しい宴会なのですから」

837 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:01:31.927 ID:gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…なぁ、お酒飲めるんだよな?咲夜も飲むんだろ?」

咲夜「あら、私は飲まないわよ……後片付けがあるもの」

ジョセフ「つまんねーッ!」

美鈴「大丈夫、私が代わりにたくさん飲みますから!!」

咲夜「いいけど、誰も連れて帰らないからね」

美鈴「ム、ムゴイーッ!!」

838 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:02:22.853 ID:dERdk4Cq0.net
スレ間に合うの?

839 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:03:00.014 ID:gpgbqe4F0.net
霊夢「…あら、誰か来たわね」


博麗神社の長い階段を上る、三つの人影があった

宴会の準備をちょうど終えた霊夢と文は、その人影のうち二つに見覚えがあった

文「あれは…魔理沙さんとアリスさんですね」

霊夢「…めんどくさいのがいきなり来たわね…もう一人は誰かしら?」

文「…あ、見えましたね」

霊夢「!なんだ、ジョジョじゃない?」

文「…違いますよ、あれはジョセフさんじゃないです」

霊夢「?」

840 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:03:29.402 ID:gpgbqe4F0.net
魔理沙「おーっす、霊夢」

霊夢「…魔理沙、早い到着ね…」

魔理沙「ただ飯が食えるならなんだってするさ」

アリス「文もいたのね……まぁ、あなたが宣伝したんだろうし」

文「今晩は…あの、魔理沙さん」

魔理沙「おう、訊きたいことはわかってる、こいつは…」

ジョナサン「初めまして、僕はジョナサン・ジョースター」

文「!!」

841 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:03:53.126 ID:gpgbqe4F0.net
霊夢「ジョースター……あなた、ジョセフの親戚か何か?」

ジョナサン「あぁ、ジョセフに会ったのか…僕は彼の祖父だよ」

文「?…祖父…ですか、噂には聞いていましたが」

ジョナサン「そう、僕はここに来るまでジョセフに会ったことはなかったけどね」

苦笑するジョナサンを見て、霊夢と文は首を捻った

ジョナサン「…アリス、この二人は?」

アリス「こっちが霊夢、それでこっちが文よ」

文「初めまして、射命丸文と言います!!清く正しい文々丸新聞!!どうぞご購読ください!」

ジョナサン「し、新聞か……考えておくよ」

霊夢「私は博麗霊夢、ここの巫女をやってるわ」

ジョナサン「霊夢……よろしく」

842 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:05:10.940 ID:FVCLW/KTa.net
>>838
800レスくらい書きためてるらしい
つまりは間に合わない

843 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:05:44.720 ID:gpgbqe4F0.net
アリス「他のみんなはまだ到着してないの?」

文「そうですね」




紫「あら、到着してるわよ」

魔理沙「どわあっ!?な、なんだ、紫いたのか……」

霊夢「い、いきなりスキマから現れるのはやめなさいよね…」

ジョナサン「な、なんだ…?空中に、まるでジッパーのように亀裂が現れているッ!」

紫「新鮮な反応ありがとう…それで?霊夢、この殿方は誰?」

霊夢「…ジョナサンよ、外からの来客」

紫「外から、へぇ……」

ジョナサン「初めまして、ジョナサン・ジョースター…君は?」

紫「八雲紫、こっちが藍、こっちが橙よ」

ジョナサン「?」

紫の指差した後ろから、二人が現れる

いや、それは人ではなかった

844 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:06:24.804 ID:gpgbqe4F0.net
ジョナサン「……き、君たちも人間じゃないのかい?」

藍「初めまして、八雲藍とお申します…紫様の式をしています」

ジョナサン「し、式?」

橙「同じく、藍様の式をしている橙です!!」

ジョナサン「…霊夢、その式っていうのはいったい…?」

霊夢「簡単に言えば使い魔みたいなものよ」

ジョナサン「つ、使い…?」

アリス「…まぁ、面倒だから後で追々話すわ……」

845 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:06:46.044 ID:pbU/Hwfu0.net
紫VSブチャラティ

846 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:06:49.432 ID:gpgbqe4F0.net
幽々子「あら、ずいぶんにぎやかじゃない」


霊夢「…幽々子…アンタも来たのね」

魔理沙「冥界にまで新聞ってのは届くのか?」

文「あれ、おかしいですね…そっちにまで届けましたっけ」

幽々子「違うわ、紫に教えてもらったのよ」

妖夢「…お邪魔します」


ジョナサン(ま、また増えた……)

魔理沙「ジョジョ、みんなの顔と名前を一気に覚えようなんてやめたほうがいい、こんなのまだ序の口だ」

ジョナサン「そ、そうなのか…」

アリス「ま、ノリでいいのよ…宴会なんだから」

847 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:07:11.129 ID:gpgbqe4F0.net
DIO「…ここが博麗神社、か」

階段を目の前にして…DIOは、不思議な気持ちに駆られていた

その階段を上ることに、なぜか抵抗があるのだ

別に、危険な物があるというわけではないだろう

だが、その先には何か神聖な物があるような気がするのだ……

レミリア「あぁ、あなたも感じる?ここは博麗の力によって守られているもの……私達みたいな、いわゆる化け物には少し怖い場所でもあるわ」

DIO「…いや、少し不思議な感覚を覚えただけだ」

848 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:07:44.433 ID:gpgbqe4F0.net
ジョセフ「霊夢は会ったことあるぜ、あいつ俺の話信じないんだよなー」

美鈴「霊夢は適当な性格ですもん」

咲夜「ジョジョ、彼女と出会ったの?」

ジョセフ「あぁ、文の紹介でな」

パチュリー「へぇ、文とずいぶん仲よくなったわね」

ジョセフ「そうだな…友達が増えるのは楽しいぜ」

咲夜「友達、ねぇ」

ジョセフ「?なんだよ、なーんか含みのある言い方だな」

咲夜「なんでもないわ…行きましょう」





ジョセフが博麗神社の地を踏んだ時には…すでに、ほとんどの住人が神社の庭に集まっていた

849 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:07:59.989 ID:NBLbJTLJ0.net
>>842
保守のレスが多すぎたか・・・

850 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:08:02.390 ID:PQwkCsoZ0.net
なるほど。スティッキーフィンガーズも見た目スキマだよな

851 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:08:13.566 ID:gpgbqe4F0.net
ジョセフ「な、なんだーッ!?この人数!!!」

咲夜「あら、結構集まったわね」





永琳「姫様、あまりはしゃぐと怪我をしますよ」

輝夜「ねぇジョナサン、あなたってイギリスにいたんでしょ?知ってるわよ、イギリスは紳士の国ね」

ジョナサン「え、えぇと…君は輝夜だったね」

小町「ジョジョー!!!映姫さまがお前と話したいってさー!」

ジョナサン「あ、ま、待っててくれないか!!」

文「ジョナサンさん、振り回されてますね」

ジョナサン「た、大変だね…なかなか」

852 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:08:52.229 ID:gpgbqe4F0.net
DIO「…随分とにぎやかだな…」

レミリア「そうね…とりあえず、霊夢に挨拶しに行きましょう」

DIO「…」



霊夢の前へとズカズカ進んでいくDIOを、数人が物珍しそうに見ている

だが、そんな視線など気にも留めない

レミリア「…DIO、あんまり酒を飲んだ連中とは絡まない方がいいわよ」

DIO「心得ているつもりだ…」




ジョセフ「おいおい、DIOのヤツ霊夢に挨拶でもするつもりか?」

パチュリー「そうでしょうね…ジョジョはもう霊夢と知り合いなんでしょ?だったら挨拶はいらないわ」

咲夜「それよりジョジョ、あなたのおじいさんってここに来ているの?ちょっと会ってみたいのよ」

ジョセフ「あぁ、えーっと……!!いたいた、おじいちゃーん!!!!」

853 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:09:17.524 ID:gpgbqe4F0.net
ジョナサン「ん?あぁ、ジョセフ…」

チルノ「あたいの話を聞けぇ!!」

ジョナサン「は、はい」

妹紅「ジョジョも大変だな…無視していいぞ、絡まれたら私たちが助けるからな」

慧音「おや、あれはジョセフじゃないか」

妹紅「ジョセフ?ジョジョとそっくりだな」

慧音「ジョナサンの孫だそうだ」

妹紅「ほう、どうりで似てるわけだ」

854 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:09:19.483 ID:rISdkHdw0.net
この顔ぶれ……
時系列的には花映塚終わった辺りかな

855 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:09:33.676 ID:gpgbqe4F0.net
ジョセフ「お、おじいちゃん…いきなりみんなとフレンドリーになってるなぁ」

美鈴「今は行かない方がいいですよ、絡んでる連中がめんどくさいのばっかりです」

ジョセフ「そうなのか?」

パチュリー「この中でまともなのは……そうね、強いて言えば幽々子達じゃない?」

咲夜「そうね、とりあえず彼女たちと杯を交わしましょう」

ジョセフ「と、とりあえずなのかよ…」

856 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:10:22.732 ID:gpgbqe4F0.net
DIO「…」
霊夢「…初めましてよね?あなた」

DIO「…君が霊夢、か」

文「DIOさん、こんばんは」

DIO「DIOだ…外から来た、幻想郷はいいところだな」

霊夢「初めまして、私は博麗霊夢…」

DIO「文もいたのか…フン、さすがに君は早く来ていたか」

文「霊夢さん、DIOさんは吸血鬼なんですよ」

霊夢「吸血鬼?レミリアと同じってこと?」

DIO「いや、私は人間から吸血鬼になったのだ…尤も、レミリア達とは違う吸血鬼だがね」

霊夢「へぇ…」

レミリア「あら、でもDIOはスタンドを持っているのよ…って霊夢、あなたスタンドは知っている?」

857 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:10:53.853 ID:gpgbqe4F0.net
霊夢「それなら知ってるわ、ジョジョに見せてもらったから」

レミリア「なんだ、ジョジョと知り合ってたのね」

文「DIOさん、とりあえずどこか適当に座ってもらっていいですか?これから私が宴会開始の挨拶をしますので」

DIO「…あぁ」

858 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:11:45.758 ID:f0OabMz7K.net
(初対面の人間を出会い頭に能力で即死させようとする程度に)まとも

859 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:11:56.952 ID:gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…」

DIO「隣をいいか」
ジョセフ「なんでわざわざ俺のほうに来るんだよ」

DIO「何を言っている…紅魔館の面々がいるから来ただけだ」

幽々子「あら、あなたも初めましてね?」
DIO「…君は?」

幽々子「西行寺幽々子…この子は魂魄妖夢」

妖夢「初めまして」

DIO「私はDIOだ……」

860 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:12:15.198 ID:gpgbqe4F0.net
幽々子「ジョセフから少しの話は聞いたわ、吸血鬼だってことも…」

DIO「…」

幽々子「面白いわね……外の世界で、よく吸血鬼になろうと思ったわね」

DIO「フフ…そうだな、それは…」




文「みなさん!!今日はお集まりいただき、ありがとうございます!!」




DIO「…挨拶が始まったな、話の続きは始まってからでもよかろう」

幽々子「えぇ、そうね」

861 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:12:43.054 ID:gpgbqe4F0.net
文「今日の宴会は、外からのお客様である、ジョナサン・ジョースター、ジョセフ・ジョースター、並びにDIOさんを歓迎するものです!!」

文「とりあえず、じゃんじゃん飲んで、みなさん仲よくなりましょう!!以上!!!」






文「それでは、乾杯!!!!」

一同「イェーッ!!!!!」








宴会が始まった…

それは、二人のジョジョにとっては友情を深める場であり





そして、DIOにとっては信用を得るための場であった

862 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:12:53.895 ID:iWPQEVfmx.net
DIOは幻想郷内だと中の上ぐらいか

863 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:13:07.223 ID:gpgbqe4F0.net
DIO「…」

レミリア「DIO、あなたも飲む?」

レミリアがすっと差し出したワイングラスに、DIOの険しい表情が写っている

DIO「…レミリア、ここの住人はこんなにも数が多いのか?驚いたな…」

レミリア「そうね……まだマシなほうよ、天界から来てないし」

DIO(…どうやら、この幻想郷にはいくつかの『層』が存在しているようだ…地球に、陸と海、空が存在しているように…)

レミリア「DIO、乾杯しましょう」

DIO「…あぁ」

チリン、と小さな音を立てたグラスに、DIOは一口唇を付けた

DIO「…」

864 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:13:29.015 ID:gpgbqe4F0.net
紫「…初めまして」

DIO「ム……?」

突然話しかけてきたのは…金色の髪をした、美しい女性だった

妖艶な雰囲気を漂わせているが、すでに頬が少しばかり赤くなっている

DIO「…君は?」

紫「八雲紫……よろしく」

DIO「DIOだ…もう飲んでいるみたいだな…」

紫「えぇ、あなたも遠慮しないでじゃんじゃん飲んでいいのよ」

DIO「…」

865 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:14:04.954 ID:rISdkHdw0.net
天子が出てこない…………だと………………?

866 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:14:47.392 ID:gpgbqe4F0.net
DIO(…この女はどの程度の実力者なのだ…?見た感じでは、あまり強そうな雰囲気ではないが…)

レミリア「…紫、あまり飲みすぎないでよね、あなたの能力で悪酔いされたら、いたずらがただ事じゃすまないもの」

DIO「…そんなに恐ろしい力の持ち主なのか?」

紫「スキマを操る程度の能力」

DIO「…なに?」

紫「そんなところだと思っていて…それよりあなた、幻想郷の外からのお客様なんでしょ?外はいいわよね、私もたまに行くんだけど…」

馴れ馴れしく近づいてくる紫に、厳しい視線を送る

867 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:14:50.952 ID:pbU/Hwfu0.net
やばいにわかの俺にはそろそろ知らないキャラが出てきそうだ

868 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:15:01.128 ID:gpgbqe4F0.net
紫「まぁ、もしかして私…嫌われたのかしら」

DIO「…いや、気にしないでくれ……あまり、初対面からそう親しくするのは、少し性に合わなくてな」

紫「そうなの、じゃあせめてお酌くらいしてもいいかしら」

DIO「あぁ…構わない」

869 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:15:08.635 ID:Y+Laf02P0.net
地底勢が来たらDIO一瞬で警戒されそう

870 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:15:42.819 ID:gpgbqe4F0.net
ジョナサン「ジョセフ、君も来たんだね」

ジョセフ「おーっ!!おじいちゃん!」

紅魔館のメンバーと飲んでいたジョセフに、ジョナサンが話しかける

彼の手にはワイングラスがあったのだが、他の幻想郷の連中と違い…それが、あくまで「貴族の嗜み」という感じに見える

ジョセフ「あぁおじいちゃん!紹介するよ、こいつらが紅魔館の…」

パチュリー「…初めまして、パチュリー・ノーレッジよ」

美鈴「紅美鈴です!」

咲夜「十六夜咲夜と申します…初めまして」

ジョナサン「初めまして、僕はジョナサン・ジョースター…ジョセフの祖父だ、ジョセフがお世話になっています」

871 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:15:56.023 ID:gpgbqe4F0.net
パチュリー「いいのよ、ジョジョが来てから、結構面白いから」

ジョナサン「ははは…それはよかった、迷惑をかけてるんじゃないかと心配だったんだ」

ジョセフ「お、おじいちゃん…」

ジョナサン「ジョセフ、お世話になっている館の人たちを、『こいつら』なんて言ったらいけないよ」

ジョセフ「ウヒョーッ!!エ、エリナおばあちゃんとおんなじくらい厳しいぜーッ!!!」

872 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:16:15.025 ID:VAxsPA3U0.net
キョンシー出てきたあたり以降は俺もさっぱりだわ

873 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:16:17.355 ID:gpgbqe4F0.net
咲夜「ジョジョと大違いね、ジョナサンさんは…」

ジョナサン「そうかな?」

パチュリー「えぇ、大人の男性って感じね…」

美鈴「なんていうか、ジョジョさんと違って話していて朗らかな気持ちになります」

ジョセフ「だ、だから…さんはいらないんだよーッ!!」

874 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:16:42.430 ID:gpgbqe4F0.net
文「…ほうほう、つまりDIOさんは石仮面というものをかぶって吸血鬼になったと…」

DIO「……文、なぜ君がここに来ているんだ」

文「おやおや、ジョセフさんとジョナサンさんがいて、さらにはDIOさんもいる!この場所に、面白そうなネタがあるのは当たり前ですッ!!」

DIO「…私は今、紫と酒を飲んでいるのだが…」

文「いいですよね、紫さん?」

紫「えぇ、いいわよー」

DIO(…酔い始めているな……フン、酔いつぶれた女は面倒だからな…)

875 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:17:07.498 ID:gpgbqe4F0.net
文「それでDIOさん、話の続きをお願いしますッ!!」

紫「私も続きを聞きたいわ」

DIO「…それ以上に話すことはない……そこにいるジョジョと戦い、互いに命を落としたと言うだけだ…」

文「ほうほう…」

DIO「……」



妖夢「DIO殿、少しよろしいでしょうか?幽々子様があなたと話をしたい、とのことです」

876 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:17:30.747 ID:gpgbqe4F0.net
DIO「…君は……なんだったっけな、えーと…」

妖夢「魂魄妖夢です…やはり、漢字の名前を覚えるのは難しいのですか?」

DIO「私は生まれも育ちもイギリスだからな…そもそも漢字なんて、触れ合う機会がなかった」

妖夢「そうですか…」

DIO「…幽々子とは…君の主人だったな……構わない、案内してくれ」

紫「ちょっと妖夢ー、DIOは今、私と話してるのよ?」

妖夢「紫様、ここはしばし我慢なさってください」

DIO「……」

877 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:18:38.284 ID:gpgbqe4F0.net
幽々子「あら妖夢…連れてきてくれたのね」

DIO「…初めましてと言うべきかな……」

幽々子「えぇ、さっきちらっと挨拶しただけですものね…フフフ」

DIO「…隣に座ってもいいかな」

幽々子「どうぞ」

幽々子の隣に、どかっとあぐらをかいてDIOが座る

紳士的ではないのだが、しかしDIOにはそれさえも似合っている

妖夢「…幽々子様、DIO様と話をされたい方は他にもいらっしゃいますゆえ、手短にお願いします」

幽々子「もう、妖夢ったらせっかちね…」

DIO「…そうだな、時間はたっぷりある…どうせ一晩中飲み明かすつもりなのだろう?」
妖夢「そ、そうですが…」
DIO「ならば構わないだろう……」

878 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:19:31.339 ID:gpgbqe4F0.net
幽々子「さて…それじゃあ早速だけど…あなた、外の世界にいたにも関わらず」

DIO「吸血鬼のことか…フン、ここの住人はいつもその話ばかりだな、それほど珍しいことなのか?」

幽々子「えぇ、そうよ…外の世界で吸血鬼として生きるのなんて大変だったでしょう?」

DIO「人生とは、楽しむのも苦しむのもその者次第だと思うぞ…」

幽々子「確かにそのとおりね…」

879 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:20:09.487 ID:gpgbqe4F0.net
DIO「…私も一ついいだろうか、君は紫と仲が良いのか?妖夢と紫は、仲がよさそうだったが」

幽々子「えぇ、彼女とは昔からの友人よ…それこそ、あなたが生まれる前からの」

DIO「…」

幽々子「それと、妖夢のことだけど…この子は、別に紫と大して仲が良いってわけではないわ、私を通じてのつながりがあるだけ」

妖夢「幽々子様、私は紫様のことも尊敬しておりますが」

幽々子「あらあら、本当かしら…」

880 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:21:00.585 ID:gpgbqe4F0.net
DIO「……妖夢は…幽々子の従者ということか」

妖夢「はい、幽々子様に長らく仕えております」

DIO「…銀髪といい、咲夜と似ているなァ…フフフ」

幽々子「あら、紅魔館のメイドにはこの子も敵わないわ」

妖夢「そ、そんなことはありません!!彼女にも、負けはしません!!!」

881 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:21:12.466 ID:LmHMWyrgd.net
ふがし

882 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:21:40.608 ID:lgVcPMsS0.net
寝るから次スレあったら終わっても保守しといてくれなお前ら

883 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:21:47.302 ID:gpgbqe4F0.net
DIO「…その差しているのは…刀だな、君もやはり弾幕ごっこというのを行うのだな」

妖夢「はい…日々鍛錬に励んでいます」

DIO「素晴らしいことじゃあないか……人間は成長する生き物だからな」

妖夢「!!ありがとうございます!!」

幽々子「あら、珍しい…妖夢の努力の話を聞いたら、てっきり馬鹿にするかとばかり思っていたわ」

DIO「…幽々子、私はむしろ…ここのほとんどの住人に共通している、今の安寧の上にあぐらをかいている姿勢にこそ軽蔑を抱くのだ」

884 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:22:40.707 ID:gpgbqe4F0.net
幽々子「…」

DIO「…完全なる安心を得ているのならばまだしも……不完全な安心の上にあぐらをかくなど、ライオンのいる檻の中で寝袋使って寝るようなものだ、いつ恐ろしいことが起きるのか分からないのだ…」

幽々子「フフフ…やっぱり、あなたは人間だったのね」

DIO「…………」

885 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:22:56.551 ID:gpgbqe4F0.net
幽々子「ごめんなさいね、こんな言い方をして」

DIO「いや……そうだな、私もやはり、そういうところでは人間なのかもしれないな…」

幽々子「…DIO、今日の宴会…楽しんでちょうだい、あなたが他の誰かと仲良くなろうと、一人で飲もうと自由だけれど」

DIO「…互いにな」

立ちあがったDIOの体を見て、幽々子はちょっとだけ微笑んだ



幽々子(若いっていいわねぇ)

886 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:23:37.204 ID:rISdkHdw0.net
承太郎ーーー!!
早く来てくれーーーっ!!

887 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:23:53.562 ID:iWPQEVfmx.net
凄くいいんだけど
ぶっちゃけ、幻想郷の住人と絡めてどうしたいのかわからん

要は戦闘シーンがなさすぎってことよ

888 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:24:13.017 ID:1JovJybp0.net
俺もそろそろ寝る
次スレも保守頼む

889 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:25:01.980 ID:koJ8Uu1J0.net
ゆゆことゆかりは鋭い

890 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:25:45.423 ID:ujezd2aO0.net
http://i.imgur.com/WWEajMv.jpg
最終的にはこんな感じなんだろ?知ってるよ

891 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:25:48.907 ID:gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…おじいちゃん、そろそろ他のヤツらと話に行かない?ここでばっかり飲んでても飽きるしさー」

ジョナサン「そうかな?僕はもう少し、ここの人たちと話していたいな」

紅魔館の面々と杯を交わすジョナサンは、どこか楽しそうだ

咲夜という人間がいる、というだけでもだいぶ気が楽なのだろう

他にいる人間は、霊夢や魔理沙くらいだ

ジョセフ「…じゃあ、俺は少し他のところに行ってくるよ」

892 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:25:59.600 ID:bBWOOTzf0.net
おいついたしえん

893 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:26:03.419 ID:gpgbqe4F0.net
立ち上がったジョセフが、そっと咲夜に耳打ちする

ジョセフ「おじいちゃんはスタンドを知らないんだ…知る必要もない、できればその話は避けてくれ」

咲夜「…えぇ、分かったわ」


ジョセフ「じゃあ咲夜、おじいちゃんを頼んだぜ」

咲夜「楽しんで来てね、ジョジョ」

894 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:26:37.737 ID:uDuBS5Hh0.net
支援

895 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:27:20.066 ID:gpgbqe4F0.net
ジョセフ「えっと……だ、誰と話せばいいんだ?こんなに人数が多いと、ちょっと困るよな…」

文「ジョセフさんジョセフさん!!!」
ジョセフ「ん?文じゃねーか、どうした」

文「今、時間ありますか?よければ、私と同じ天狗である椛とはたてに…」
ジョセフ「ま、またおめーと飲むのかッ!?酔っぱらったおめーはめんどくさいんだよ!!」

文「まぁまぁ、いいじゃないですか、こっち来てくださいよ!」
ガッシリとジョセフの腕を掴む腕力は……彼ではどうすることもできなかった


ジョセフ「オーマイガーッ!!!な、なんて理不尽なんだー!!!」

文「はいはい、ついてきてくださいね」

896 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:27:44.179 ID:gpgbqe4F0.net
ジョセフ「…は、初めましてー!!よろピくね〜〜!!」

犬のような耳のついた少女と、ツインテールのような少女の前で、ジョセフは勢いよくボケをかました

しかし、その言葉を華麗にスルーした二人は、文のほうを見てこんなことを尋ねた

はたて「文……こいつ誰?」

文「ジョセフさんですよ、外からの来客の一人です」

897 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:29:23.414 ID:gpgbqe4F0.net
はたて「あのね、そんなことはわかってんの、問題は、なんでアンタがわざわざ私たちに紹介したのかってことよ」
椛「えっと…」

ジョセフ「お、俺はジョセフ・ジョースター!ジョジョって呼んでくれよな!」

椛「ジョセフさん、文さんとはどんな関係なんですか?個人的にはあまり興味のないことですけど…」

文「た、ただの友人ですよ!ねッ!?」

ジョセフ「おーっ!!知ってるぜこれ、携帯電話って言うんだろーッ!!俺、それほしかったけどスージーが使い方わからないだろって言って買ってくれなかったんだよなーッ!!」

はたての手に持っている携帯のような物を指差しながら、ジョセフが叫ぶ

898 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:29:49.192 ID:gpgbqe4F0.net
文「む、無視しないでくださいよ…」

はたて「へぇ、知ってるんだ?外の世界も進んでるわけね」

ジョセフ「あれ?でも、ここって電話とかあったか?」

はたて「電話?あぁ、違う違う…これは、私の念写のための道具よ」

ジョセフ「ね………念写だと!?」

椛「ど、どうしたんですか?」

ジョセフ「お、俺の能力と同じだ…」

899 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:31:47.153 ID:i3ZAENeu0.net
東方は知らんが、好きな作品同士gdgdさせるのも悪くねーんじゃねーか
今時珍しいスレだしな

900 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:34:04.393 ID:gpgbqe4F0.net
はたて「能力?アンタも能力を持ってるの?」

文「ジョセフさんのは、『隠者の紫』と言って、念写を行えるんですよ」

ジョセフ「これだよこれッ!!これ使って念写できるわけよーン!」

ジョセフの手から現れた「隠者の紫」を見たはたては、気持ち悪いナメクジを見た女子のような顔をしていた

はたて「な、何これ…気持ち悪い」

ジョセフ「ひ、ひでーッ!!」

901 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:34:11.141 ID:bBWOOTzf0.net
寝たか?

902 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:36:41.977 ID:Lqd+mffV0.net
寝るには早いぞ

903 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:37:07.498 ID:gpgbqe4F0.net
椛「あの、これでどうやって念写するんですか?まさか、これにペンを握らせて、とか?」

ジョセフ「いやいや、そういうのじゃないんだぜ」

地面の砂に「隠者の紫」を滑らせる…すると、文の顔が砂によって描かれた

文「お、おぉっ!!実際にジョセフさんの能力を見るのは初めてですッ!」

はたて「へぇ…アンタの念写はこんなのなんだ、私のとちょっと違うけど…便利そうね、その蔦による攻撃はできるの?」

904 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:37:16.168 ID:8zaK6XiQ0.net
おいついた
朝まで付き合うぜ

905 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:37:25.612 ID:uDuBS5Hh0.net
すぐにバンバン戦闘しまくるよりもこういう会話シーンとか絡み多めの方が好き

906 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:38:03.814 ID:gpgbqe4F0.net
ジョセフ「一応な…ただ、俺のスタンドは攻撃向きではないんだよ」

椛「スタンド?なんですか、それは」

ジョセフ「俺のこれみたいな能力を持った人間が、結構外にもいるんだぜ」

907 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:38:41.873 ID:gpgbqe4F0.net
文「面白そうですね…ジョセフさん、他にどんな能力を見たことがありますか?」

ジョセフ「そうだな…殴った物を治す能力とか、炎を操る能力とか…いろいろあったな」

椛「へぇ…なんだか興味深いですね、もう少し話を聞かせてもらえませんか?」

はたて「そうだ、ちょうど美味しい日本酒があるのよ、酒の肴に、だめかしら」

ジョセフ「おー、いいねッ!!」

908 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:38:48.180 ID:gpgbqe4F0.net
文「ちょ、ちょっとジョセフさん!!!私に対する態度と全然違うじゃないですかッ!」

ジョセフ「おめーは酔ったらめんどくさいからだよ!」

文「くーっ!!!」

はたて「ほらほら、飲んで飲んで」

ジョセフ「あぁ、サンキュッ」

909 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:39:14.489 ID:gpgbqe4F0.net
咲夜「なるほど……DIO様と相打ち…ですか」

ジョナサンから、過去の話を聞いた咲夜は…ジョセフの言っていたことの信ぴょう性が増すのを感じた

パチュリー「DIOも、なんだかんだ吸血鬼なのね…」

咲夜「…今の彼からは想像もできませんわ」

ジョナサン「そうだね…僕も違和感を覚えているけど、それと同時に…彼が変わったのかもしれないと思い始めている」

レミリア「変わった?」

910 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:39:34.872 ID:gpgbqe4F0.net
ジョナサン「…海の底で孤独にいた時に…きっと、何かを感じ取ったんじゃないかな…」

美鈴「そう簡単に、人は変われますかね?」

ジョナサン「どうだろう…あんなディオは、見たことないよ」

レミリア「…演技だったりして」

ジョナサン「あはは、そっちのほうがよっぽどディオらしいな」

レミリア「…あなたは、DIOを恨んではいないの?」

ジョナサン「彼と僕は友人だ…殺しあった仲だとしても、それは変わらないよ」

911 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:39:52.990 ID:gpgbqe4F0.net
咲夜(紳士…この言葉は、ジョナサンさんのためにあるような物ね…ジョジョとは大違い)

パチュリー(…この人が紅魔館に来てくれたらよかったのに)

912 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:40:14.405 ID:gpgbqe4F0.net
霊夢「ハーイ、楽しんでる?」

レミリア「あら、霊夢」

紅魔館の面々の元に、霊夢と魔理沙、アリスがやってきた

ジョナサン「魔理沙、アリス、君たちも飲んでいるのかい?」

魔理沙「あぁ、もちろんだぜ」

アリス「…ジョジョも飲んでるみたいね、どう?楽しめそう?」

ジョナサン「あぁ、楽しめそうだ……ここの人たちは優しいね、みんな僕に積極的に話しかけてきてくれるし、親切だよ」

霊夢「それは、あなたが紳士的に接してるからじゃない?ジョセフは結構適当に扱われてるわよ」

ジョナサン「そうなのかい?」

913 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:40:47.284 ID:NBLbJTLJ0.net
あとは頼んだ 
保守たのむくぁ

914 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:40:52.111 ID:gpgbqe4F0.net
魔理沙「ま、ジョジョはそんなことないと思うぜ」

アリス「ジョジョ、一緒に飲んでもいいかしら」

ジョナサン「もちろん!」

レミリア「へぇ、あなたも人気なのね」

ジョナサン「?どういうことだい?」

レミリア「ジョジョも……咲夜と文に気に入られているし」

咲夜「お嬢様、私と文の気に入り方は、少し違いますわ」

915 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:41:50.032 ID:gpgbqe4F0.net
ジョナサン「……えっと、とりあえず…ジョセフも、ここになじんできているんだね?」

魔理沙「あいつもいいヤツだぜ、ジョジョといい、ジョースターの人間ってのは好かれやすいのかもな」

ジョナサン「どうだろうね……そうかもしれないな」

ニコニコと笑う人懐っこいそのジョナサンを見て、一同はほっとした気持ちになる

916 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:42:10.829 ID:gpgbqe4F0.net
早苗「あ、いましたいました!!」


霊夢「ん?げぇ…」

ジョナサン「あれ?霊夢と同じ格好をしているね…彼女」

霊夢「ジョナサン!あ、あいつとは関わらない方がいいわよ!!」

ジョナサン「?危険な人物なのかい?」

魔理沙「別にそういうわけじゃないぜ、ちょっと面倒事を起こしやすい質だけどな」

917 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:42:28.724 ID:gpgbqe4F0.net
早苗「あなたがジョナサンさんですね!?初めまして、私、東風谷早苗と申します!!」

ジョナサン「早苗…か、よろしく、僕はジョナサン・ジョースター…」

早苗「外からの来客と聞いてすっ飛んできましたッ!!ジョナサンさん、あなたは信仰している神様はいますか!?」

ジョナサン「え、えぇと…いないけど

918 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:42:55.218 ID:rISdkHdw0.net
なんだ風神録も通過済みか

919 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:43:12.391 ID:+8Gi/lDz0.net
早苗ならジョジョ知ってそう

920 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:43:18.842 ID:8zaK6XiQ0.net
保守は任せとけ

921 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:44:19.569 ID:pbU/Hwfu0.net
あーそろそろついていけなくなってきた
早苗知らんのよ

922 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:44:22.996 ID:gpgbqe4F0.net
レミリア「まーた始まったわ、守矢の勧誘が」

咲夜「ジョナサンさんが面倒事に巻き込まれるのを黙って見過ごすのですか?」

パチュリー「…ジョジョだったらいいけど、彼は…」

美鈴「ちょっと早苗さん!!!ジョナサンさんを困らせないでください!!」


早苗「そ、そんな…私はただ…」

923 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:45:02.844 ID:gpgbqe4F0.net
霊夢「残念だけど、アンタのところの神社になんか信仰しないわよ、だって私の神社に信仰させる予定ですもの!!」

早苗「な、なんですって!?」

ジョナサン「ふ、二人とも落ち着いて…君も巫女なのかい?」

早苗「はい!!」

ジョナサン「そうか…ごめんね、僕はあまり宗教には興味がないんだ」

早苗「そ、そうですか…」

924 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:45:55.903 ID:gpgbqe4F0.net
ジョナサン「でも、ここで暮らす以上、友人を増やしたいと思ってるよ、君とも話してみたいんだ」

早苗「!で、ではちょっと待っていてください!神奈子様と諏訪子様も連れてきますので!!」

走り去っていく早苗の背中を見て、ジョナサンは首を捻った

925 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:46:25.821 ID:gpgbqe4F0.net
ジョナサン「彼女の上司か何かかな?」

霊夢「そんな生易しいものじゃないわ…」

アリス「ジョジョ、面倒なことになるわよ」

ジョナサン「?」

926 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:46:42.313 ID:gpgbqe4F0.net
DIO「…少しいいかね」

永琳「あら?あなたは…」

永遠亭のメンバーが座っている木の下に、DIOが近づいていく

DIO「…DIOだ、君たちはあまり他の連中と話していないが……」

永琳「そうね、一応ジョナサン・ジョースターとは話したけれど」

DIO「…なぜそれを私に言うのかね」

927 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:47:03.146 ID:gpgbqe4F0.net
永琳「…あなたと彼、何か深い関係にあるんでしょう?さっきから…あなた、ちらちらとジョナサンのほうを確認しているわ…そうね、気になる宿敵のようにね…」

DIO「…」

永琳「自己紹介が遅れました…私は八意永琳」

輝夜「蓬莱山輝夜」

DIO「…よろしく…少し、一緒に飲んでもいいかね」

永琳「えぇ、どうぞ」

DIO「…」

永琳と輝夜の間に陣取るように、DIOはあぐらをかいた

永琳(あら…随分と度胸のある子ね)

928 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:47:24.130 ID:n193HwW50.net
こうみてると段々DIOが大したことないうに見えてくる…

929 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:47:42.089 ID:gpgbqe4F0.net
DIO「…ところで永琳、そこで酒を飲んでいるのは誰だ?動物の耳のような物が生えているが…」

永琳「あぁ、鈴仙とてゐ?彼女たちはほっといていいわ…絡むと面倒よ」

DIO「…そうか」

永琳「…さて、あなたの話は少しだけ聞いたわ…吸血鬼なんですってね」

930 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:48:43.114 ID:VAxsPA3U0.net
実際能力も性格も比較的だけど大したことないからな

931 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:48:44.611 ID:rISdkHdw0.net
所詮DIOもBBA共に手も足も出なそうだな

932 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:48:46.648 ID:gpgbqe4F0.net
DIO「あぁそうだ……」

永琳「…不老不死、でいいのかしら?あなたも」

DIO「私…も、だと?」

永琳「こう見えて…私も、輝夜様も不老不死なのよ」

DIO「…この幻想郷には、そういう者が多いな」

永琳「そうね、そこまで珍しくもないわ」

933 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:49:10.525 ID:gpgbqe4F0.net
DIO「………」

永琳「不思議に感じるかしら?外の世界で不老不死なんて、それはもう雲の上のような存在だったのに、と」

DIO「ここは雲の上の世界だったと言うだけだ…別に驚きはしない」

永琳「へぇ……あなた、中々度胸があるのね…いえ、あなただけではないわ、あのジョースター二人もそう」

DIO「…」

永琳「ねぇ、ジョナサンと知り合いなんでしょ?どういう関係なのか、話してくれないかしら」

DIO「同じ家で育ち…ヤツは、吸血鬼になった私と戦ったのだ、それだけだ…」

934 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:49:46.123 ID:gpgbqe4F0.net
永琳「…なるほど、悪の道を貫いたあなたと、正義の道を貫いたジョナサン、ってところかしら」

DIO「君は……神の存在を信じるか?」

永琳「…なに?」

DIO「神の存在というのはあやふやだ、信じる者からすれば絶対にいるし、信じないものからすれば絶対にいない…」

935 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:49:47.234 ID:bBWOOTzf0.net
そろそろ次スレに移行すんの?

936 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:49:53.949 ID:gpgbqe4F0.net
DIO「善悪の区別もそんなものだ、神と同じ…話題に上がることはあれど、決して誰もその正体を見たことはない」

DIO「…君が、善悪の区別をつけたがるだけの馬鹿だと言うなら納得だが…フフフ、あいにくと君からは知的な雰囲気が漂っているのでね」

永琳「もちろん、私はあなたが『世間一般でいう』悪とは思わないわ…ただ、便宜的にそう言っただけ」

937 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:50:16.452 ID:gpgbqe4F0.net
DIO「…」

永琳「それに…生き物として、もっと強い存在になりたいと思うのはむしろ正しい行動だと思うわ」

DIO「君は生物学者か何かか?」

永琳「惜しいわね、私は医者をやっているの…ここでは、ね」

DIO「…ほう」

永琳「あなたも体調が悪くなったら私のところに来て頂戴」

DIO「残念だが…この体では、体調不良になっても自然に治るのだ」

938 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:50:38.503 ID:gpgbqe4F0.net
永琳「あら、そうだったわね」

クスクスと笑う永琳は、DIOが幻想郷で出会った中では一番知的な雰囲気だった

咲夜やレミリアとは違う……長い間生きてきた、熟練した賢さがあるのだ

DIO「…」

永琳「それよりあなた……ずいぶんと体が大きいわね、吸血鬼になったからそんなになったの?」

DIO「身長と筋肉の付き方は人間だったころとほとんど変わらないさ…」

永琳「元から恵まれてた体格だったの……」

939 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:50:54.744 ID:gpgbqe4F0.net
DIO「…」

永琳「ふふふ……そろそろ私との話にも飽きたんじゃない?」

DIO「君とは話していても疲れないな…ここの連中は、腹の中に楽しさを求めている感じがありすぎるからな、会話の一つ一つにどこか主婦が道端で話し込んでいるような雰囲気がある」

DIO「君は違うがね…フフフ」

永琳「そう?嬉しいわね」

DIO「いや、だが…さすがに君とばかり話し込んでいると、交友を広げられないな…」

940 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:51:11.494 ID:gpgbqe4F0.net
永琳「そうね、他に話したい相手はいない?私が紹介してあげるわよ」

DIO「…」

DIOが辺りをぐるりと見回す…どうも幻想郷の住人は、宴会をただの飲みの席だと思っているらしい

外から来たDIO達を歓迎するためではなく、あくまで酒を飲むことに集中している

中には、すでに酔っぱらっている者もいるようだ

941 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:51:30.556 ID:gpgbqe4F0.net
チルノ「おーおー!!!あたいは最強のチルノよ!!」

レティ「チルノ、飲みすぎだよー…」




DIO(ああいう連中とは話したくもないな…フン)

942 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:53:23.415 ID:YeJyb1I90.net
hau

943 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:53:55.791 ID:uDuBS5Hh0.net
しえん

944 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:54:52.346 ID:nmdbaotrd.net
輝夜とDIO様全然話してなくてワロタ

945 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:55:07.398 ID:e7f0Z8lG0.net
やっと追いついた・・・

946 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:55:51.937 ID:gpgbqe4F0.net
ジョセフ「いい飲みっぷりじゃねーか!!ささ、もう一杯!!」

椛「ありがとうございますジョセフさん」

はたて「悪いわね、さっきからお酌ばっかりしてもらって」

ジョセフ「いや、俺はそんなに強いほうじゃねーからさ」

天狗の三人と飲んでいたジョセフは、もっぱら話を聞く側に回っていた

自分から話をするだけでは友情は生まれない

自分を知ってもらうよりも、相手を知ることの方が友人関係には必要なのだ

947 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 00:59:50.426 ID:Lqd+mffV0.net
そろそろ次スレか?

948 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:00:11.183 ID:MTVJ0Rvd0.net
寝た?

949 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:00:37.625 ID:uDuBS5Hh0.net
おや?

950 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:01:16.823 ID:U4S3J/BY0.net
ジョジョ勢の屈強なタッチと東方勢の華奢なタッチを一緒に置くと何かもういかがわしいわ

951 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:03:07.867 ID:p+i/LEsq0.net
支援

952 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:04:39.643 ID:ujezd2aO0.net
力尽きたか

953 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:05:10.273 ID:dlhcm1/Np.net
ここに来て燃え尽きるとか勘弁してくれ

954 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:05:39.225 ID:uDuBS5Hh0.net
たぶん風呂にでも入ってるんだろう…きっとそうさ

955 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:06:10.288 ID:h5TIix440.net
続きはまだかね?

956 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:06:11.321 ID:p+i/LEsq0.net
支援

957 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:07:08.356 ID:rISdkHdw0.net
おや?

958 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:09:31.684 ID:50dHYGk50.net
支援する

959 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:11:06.775 ID:K+yxcJOY0.net
紫煙

960 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:11:47.408 ID:a5YJX8TSd.net
久しぶりの良SS
完結してくれ

961 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:12:07.970 ID:M/QNxOT1r.net
ここで寝落ちとか次スレもないしどうすんだ…

962 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:12:26.927 ID:tSax959a0.net
超書きためてあるそうだし
起きたら立てるだろ

963 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:12:52.727 ID:rISdkHdw0.net
せめていつ立てるか教えてほしい……

964 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:14:11.060 ID:alosWDFJ0.net
十分頑張ったからどうぞ寝て欲しいんだが次スレをいつ建てるかだけでもだな

965 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:14:38.796 ID:tSax959a0.net
まあこれだけ人が見てるならいつ立ってもそうそう落ちないだろうし
「ジョ」とかで検索すりゃいいんじゃね

966 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:17:07.956 ID:MppUic9fr.net
>>820
双方だろ

967 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:18:06.353 ID:U4S3J/BY0.net
DIOがだんだん東方のメンツに押されて丸くなってきてるのが面白い

968 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:21:06.224 ID:PA6vLc/mx.net
途中離席したけど立ててから12時間か
さすがに寝たかな

969 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:21:10.017 ID:rISdkHdw0.net
仕方ねえ今日の所はもう寝るか
起きたら速攻検索かけよう

970 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:22:23.025 ID:K+yxcJOY0.net
とりあえず来なかった天界組が承太郎を連れて来ると予想

971 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:27:39.529 ID:XzAlOxKxr.net
被ってたらやりにくいだろうから予想とかやめたげたらどうだろ

972 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:29:37.900 ID:+8Gi/lDz0.net
敵がDIO一人で成り立ってるのがさすがとしか
というか主人公DIOだなこれ

973 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:34:22.067 ID:af4kQptk0.net
東方のキャラ知らんからアフィるなら画像も載せてくれ

974 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:37:30.622 ID:U4S3J/BY0.net
>>972
ジョセフ(ジョナサン)とDIOがギスってるだけで東方組は今んとこマクガフィンだから

975 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:39:35.706 ID:iWPQEVfmx.net
東方知らないの??

じゃあ8部の画像持ってきてあげて

976 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:40:33.310 ID:6ItdLmV5a.net
と……東方仗助

977 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:41:34.710 ID:e7f0Z8lG0.net
http://blog-imgs-46.fc2.com/t/e/n/ten10s/blog444.jpg

978 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:45:26.863 ID:Y+Laf02P0.net
捕手

979 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 01:55:16.598 ID:uDuBS5Hh0.net


980 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 02:05:33.524 ID:3kWtRRmxa.net


981 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 02:05:38.218 ID:dlhcm1/Np.net


982 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 02:15:22.504 ID:fwvvarfe0.net


983 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 02:23:04.939 ID:u5K7PADw0.net
続き気になるssは初めて

984 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 02:24:12.610 ID:koJ8Uu1J0.net
保守

985 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 02:29:49.641 ID:iOzsCW6n0.net
捕手

986 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 02:31:01.256 ID:B4pG2J960.net
うめ

987 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 02:52:20.725 ID:bq4WJmDg0.net


988 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 03:02:02.240 ID:fwvvarfe0.net


989 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 03:12:33.559 ID:mRxse/WM0.net
 スピリチュアル
http://live.fc2.com/79752690/

990 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 03:27:02.114 ID:wVV4PCwb0.net


991 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 03:34:20.475 ID:pFSNeonI0.net


992 :以下、VIPがお送りします:2015/07/22(水) 03:42:14.98 ID:vyenRLCPa


993 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 03:43:44.785 ID:gSzK42EiK.net
文や咲夜さんみたいな好きなキャラが簡単に落とされてもムカつかないのはジョセフだからかな

994 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 03:50:13.791 ID:cz7MlUHt0.net


995 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 04:00:34.153 ID:e7f0Z8lG0.net


996 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 04:05:11.320 ID:F7bIE1vl0.net


997 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 04:06:22.695 ID:kbhHh3ao0.net
もう無理だな

998 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 04:15:26.796 ID:fwvvarfe0.net
希望はある

999 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 04:16:11.027 ID:cz7MlUHt0.net
うめ

1000 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 04:16:34.454 ID:cz7MlUHt0.net
999

1001 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/22(水) 04:16:50.730 ID:fwvvarfe0.net
1000

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