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幼女「ふえぇ...迷路から出られないよ」
- 1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/08/24(月) 21:28:01.835 ID:MRAY2VqBM.net
- 幼女は歩いていた。
細長い通路は直線。それは、どれだけ歩いても変わり映えがしない。
ここがどこであるのか彼女は知らないし、わからない。
床は白のセラミックタイル。壁は白のセラミックタイル。天井は白のセラミックタイル。
そんな通路を歩いていた。
たまに直角に交わる通路がある。
外観は似たような通路。違うのは長さだけ。
直角と言っても2種類ある。
1つは、左右に直角。
1つは、上下に直角。
後者は一般的に吹き抜けと呼ばれるものだろうが……。
- 2 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/08/24(月) 21:31:41.115 ID:MRAY2VqBM.net
- 「だいたい1時間は彷徨っていることになるよぉ...」
言ってから、自分で後悔した。
数字は現実だ。
現実は過酷だ。
自分が異常な状態に置かれていることが、如実にわかってしまうのだから。
1時間歩いた。
1時間のうちにわかったことが3つある。
1つは、ここが迷路であること。
1つは、迷路が単純な構造であること。
最後の1つは、出口がないことだ。
いや、出口がないというのは言い過ぎた。
幼女はこれまで、水平方向のみに探索を行った。
通路の途中には、上下に貫く別の通路がいくつかあった。それらは調べていない。
何故なら、ようじょは飛べないからだ。壁を這って行くには、通路の幅が広かったのだ。
水平方向だけでは、出口が存在しない。
だが垂直方向はその限りではないだろう。
「3次元迷路」
幼女はそれを何と呼ぶか知っていた。
- 3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/08/24(月) 21:34:05.894 ID:MRAY2VqBM.net
- 幼女は、通路に空いた一つの穴を覗きこんだ。
穴の先も、垂直なだけで、同様な通路が伸びているのが見えた。 別な水平の通路が交わっているようでもあった。
「おい」
幼女を呼んだ声は、上から来たものだ。
見上げる。
そこには、作業着姿の男がいた。知らない顔だ。
垂直な通路の壁に、垂直に立つ男だ。
「そこで何をしている」
「みちにまよっちゃったよぉ...」
「そうか。奇遇だな。俺も同じだ」
幼女は、男を見上げている。真上にいる人間の顔を、時計回り90度回転した角度で見る経験は、あまりない。
「おじちゃんなんでさかさまなのぉ?」
「なんだ気付いてないのか? この壁は、壁じゃねえんだ」
- 4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/08/24(月) 21:35:20.686 ID:YWNVHqZy0.net
- CM入ります。
- 5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/08/24(月) 21:42:12.092 ID:MRAY2VqBM.net
- 男は壁のある面を歩き出し、そのまま別の面へと進んだ。幼女の立つ通路の天井に立ち、壁を歩いて、同じ床に立った。
「自分が立つ面に重力が働くんだ」
「へぇー」
幼女も真似して、壁の上に立った。
今、彼女の身体は、元の床の方向へと引かれない。
壁は床だった。
「これなら3次元迷路もこうりゃくできるね」
「そういうことになるかな」
「おじちゃんはどのくらいここにいるの?」
「5日と8時間」
- 6 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/08/24(月) 21:42:24.022 ID:XRAqpPGu0.net
- CM長いな
- 7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/08/24(月) 21:48:15.528 ID:MRAY2VqBM.net
- それから、男と別れて幼女は歩いた。
丸一日。
出口は見つからなかった。
彼女が再び男と出会ったとき、彼は6差路近くの通路で座り込んでいた。
「腹が空かないのは幸運か」
「ほんとだねぇよかったぁ...」
「なあ、あんたには、これが何かわかるか?」
「ふぇぇわかんないよぉ...でもすこしわかったこともあるよぉ」
この迷路では、全ての通路が直角に交わっている。
つまり、ここには最大でも6差路までしか存在しない。平面地図に起こすのも簡単だろう。
ただ、問題がある。
「交差点がへんなの」
「そうだな。十字路だと思ったのに、もう一度来た時には丁字路になっていたり、あるいはそれ以上になっていたりする」
「みちが変わっちゃうのかなぁ?」
「ただ、迷路自体はそこまで広くないみたいなんだな。道に印を打って調べたんだが」
それと、と男が続ける。
「他にも誰かいたようだな。ここにメッセージを残したみたいだ」
男が床を示す。そこには文字が刻まれている。
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