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中居芙奈子「名探偵フナチが殺人事件に遭遇ですと!?」 (決定稿)
- 1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 21:34:21.913 ID:vmp9516r0.net
- 以前書いたときは反応も薄く急ごしらえだったので改稿
最初の1レスくらいは流用できそうなのでそうする
http://vipper.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1445698765/1
- 2 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 21:35:40.745 ID:vmp9516r0.net
- 立野「通報を受けてまいりました。五丁目交番勤務・立野寿巳男巡査です」
立野 寿巳男(たての すみお) (27) 巡査
立野「あなたが第一発見者の方ですか」
中居「はい! 中居芙奈子と申します」
中居 芙奈子(なかい ふなこ) (22) 女子大生
中居「第一発見者ではなく、探偵のほうでも可」
中居「宜しければ“フナチ”とお呼びください!」
中居「ちなみに“フナチ”というのは某有名乙女ゲームの――」トマラナーイ
立野「と、とにかく! 早く事件の捜査に移ったほうがいいのでは? “探偵さん”」
- 3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 21:42:54.282 ID:vmp9516r0.net
- 立野「しかし……事件を起こすとは許せませんね」グッ
中居「ご安心ください! 名探偵フナチの名のもとに……必ずや!」
『うるせえ死ねェェ!』『キャー!』『危ない!』『バギューン!』
『グ……ッ!』『ど……どうして……』『お前は……生き……延び……ガクッ』
中居「――という感動の刑事物路線に持ち込んで見せますとも!」
立野「なんで私がやられてるんですか!」
立野「死ぬのは犯人に決まっているでしょう! 卑劣な犯人には問答無用で私が正義の裁きを……!」 目ギラギラ
中居「プロの警官がフナチと同レベルに落ちないでください」
- 4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 21:52:32.330 ID:vmp9516r0.net
- 立野「被害者は五島緑さん」
五島 緑(ごとう みどり) (39) 美容師
立野「近所で“緑美容室”を経営する美容師です。路上で何者かに首を絞められて殺害されたようですね」
中居「とにかく、事件現場を調べるといたしましょう!」
中居「ここが現場……フナチが事件に遭遇した場所ですね!」
立野「そうですね。被害者・五島さんの自宅近くの路上です」
中居「現場こそ全ての始まり。何か有りげなフラグが! ビンビンと!」
中居「己の脳内に自然発生したる妄想を事実に仕立て上げるのが探偵の仕事」
中居「はぁーフナチは何を妄想しましょうか……」 トローン
立野「ハハハ……元気な方ですね」
- 5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 22:00:57.173 ID:vmp9516r0.net
- 中居「証拠」ササッ
中居「証拠」チョコマカコロリン
中居「証拠」ジェットグォォーン
中居「……ありましたぁー!」
立野「これは……ハンガー、ですか?」
中居「ひどく歪んでいる……ということはこれが凶器!」
立野「そうでしょうね。ほかに首を絞められそうな物もありませんし」
立野「わざわざ凶器に選ぶ理由がわかりませんが」
立野「他に手がかりになりそうな物は見つかりませんね」
中居「関係者の話を伺うといたしましょう」
- 6 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 22:09:04.768 ID:vmp9516r0.net
- 中居「付近にて、とても怪しげな人物が約3名ほど発見されました」
ドドンパ「あ! あの、俺……」
立野「あなたは……お笑い芸人の!」
ドドンパ「はい! ドドンパ六助です!」
ドドンパ六助(――ろくすけ) (30) お笑い芸人
中居「……は? げいにん?」
立野「嘘つき漫談で最近ブレイクしている方ですよ」
(イメージ:ドドンパ「ドドンパ☆ドドンパ☆嘘つかな〜い!!」
――容疑者その1
立野「まずはあなたから話をお聞かせ願えますか」
ドドンパ「申し訳ありません!」 ドンッ
中居「え」
ドドンパ「お力添えできず……ですがこのドドンパ! 本件には一切関与いたしておりません!」
- 7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 22:19:06.665 ID:vmp9516r0.net
- 立野「そうおっしゃるのなら……アリバイを確認させていただけますか」
中居「あなたさまは……事件の起こったその瞬間。いったい何をされていたので?」
ドドンパ「事務所でテレビのドキュメンタリー番組を見ていたんだ」
中居「ドキュメンタリー?」
ドドンパ「そう! ドキュメンタリー番組。貧しい国の暮らしってホント厳しいらしいよ!」
ドドンパ「年端も行かない子供たちが病気や飢えでコロリ! もう何のために生まれてきたかわからないよねー!」
ドドンパ「信じられないでしょ? ホントですって皆さん! ドドンパ☆ドドンパ☆嘘つかな〜い!!」
立野「この芸人……人の命を何だと思っているんだか」
中居「まあ……裏も取れましたし、これにて鉄壁強固なるアリバイの成立ですね」
- 8 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 22:27:00.377 ID:vmp9516r0.net
- ――容疑者その2
亀倉「亀倉雄二。食堂で住み込みで働いています」
亀倉 雄二(かめくら ゆうじ) (28) 飲食店従業員
中居「絵に描いたようなザ・素朴。見た目通りの癒し担当か。あるいはギャップ狙いの腹黒キャラか……」
立野「では、事件について……」
亀倉「俺がやりました」
中居「素朴すぎるーーー!」
- 9 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 22:35:34.859 ID:vmp9516r0.net
- 中居「ち、ちちちちちちょっと! 何認めちゃってるのですか!」
中居「これより繰り広げられる予定の派手なアクションは? ハイレベルな心理戦は?」
亀倉「いや、俺気が弱くて。警察や探偵って怖いイメージだし」
亀倉「とりあえず、そっちの言うことに合わせといたほうがいいのかなって」
中居「事は殺人ですよ! 捕まったらそれこそ人生が完膚なきまでに崩壊いたします!」
亀倉「……気がつかなかった」
中居「なんですかそれー!」
- 10 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 22:43:13.469 ID:vmp9516r0.net
- 亀倉「ま、待ってくれよ。俺だってバカじゃない」
中居「と、いいますと?」
亀倉「証言じゃなくて証拠でもいいんだろ? だったらある。証拠なら」
中居「ほほう」
亀倉「以前盗んだ宝石を住み込み先の食堂に埋めていたんで、あの日はそれを掘り出していたんだ」
中居「…………」
立野「…………」
亀倉「食堂を捜索してくれればいいよ。その宝石が見つかれば俺のアリバイは成立さ」
中居「別件発覚ゥゥ! 平和を乱す憎むべき犯罪者を今まさに捕らえたり!」ズビシィィ!!
亀倉「え? え?」
立野「では、宝石窃盗については後ほど私が正義の裁きを下すということで」
- 11 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 22:51:31.833 ID:vmp9516r0.net
- ――容疑者その3
宇田川「宇田川克己。スーパーマーケット勤務です」
宇田川 克己(うだがわ かつみ) (41) スーパーマーケット売り場主任
立野「事件について……」
宇田川「事件……か。フン! まさか速攻でバレるとはな」
ボロォン!
中居「……!」カァァァァ
中居「ギャーーー! 股間に直視し難き大量の毛が! 三次元コワイ! フナチはしばらく二次元に逃避します!」
立野「違いますって! ちょっとあなた! ヅラをパンツのように穿かないでくださいよ!」
宇田川「ほかに隠す手が思いつかなかったんだ」
中居「くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」」
- 12 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 22:59:18.003 ID:vmp9516r0.net
- 宇田川「お前ら若者に私の気持ちがわかるか!」
立野「若者関係なくあなた個人の問題じゃないかと……」
宇田川「年々私の頭が侵食される“事件”に対抗するため、ついにヅラに手を出そうとしたところ」
宇田川「職場仲間が絶妙なタイミングで入ってきやがるから……」
宇田川「買ったばかりのヅラにだって穴をあけるしかないでしょうや!」
立野「知りませんよ!」
宇田川「目出し帽なら元々ふたつの穴が開いてるのに! なんでヅラに限って!」
宇田川「……もういっそ目出し帽穿いちゃおう。どんな穿き心地なんだろう?」
中居「ウィッグ店に確認取れました。犯行時刻、確かにヅラを購入していたとのことで」
立野「この人のアリバイも成立ですね」
- 13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 23:08:22.113 ID:vmp9516r0.net
- ――事情聴取終了
中居「この世界は語るもおぞましき魔窟と成り果てました」 ズーン
立野「……はい?」
中居「容疑者さま三人ともアリバイは完璧。どなたかがファンタジイの如き異能の力で殺められたとしか!」
中居「異界からの襲来者……この世の終焉ですーーー!」ジタバタ
立野「お、落ち着いて!」
立野「しかし……確かに、このままでは真相は闇の中」
立野「クッ……私は誰に正義の裁きを下せばいいのですか!」 ググッ
- 14 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 23:15:29.853 ID:vmp9516r0.net
- 中居「……フナチ、負けません」
立野「えっ?」
中居「異能の力など、この現実にあってはならない」
中居「それを証明し……聖なる二次元を取り戻す!」
立野「フナチさん……」
立野「私も、同じです」
立野「一刻も早くこの事件の犯人を見つけ出し、犯罪に怯える人々を救わなければ!」
中居「立野様……」
中居「はい! 皆さまのアリバイ崩しと参りましょう!」
- 15 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 23:20:35.036 ID:vmp9516r0.net
- ――アリバイ検証
中居「ドドンパ様は事務所でテレビのドキュメンタリー番組を見ていらっしゃったとか」
立野「確かに犯行時刻、テレビではドキュメンタリー番組が放映されていました」
立野「その時間帯のドドンパさんの所在についても、近所の複数の住民が証言しています」
立野「事務所から、ドドンパさんともう一人の悲しみに泣き叫ぶ声を聞いたと」
中居「二人……ですか。それが本当ならば、アリバイはより強固になったと言えますが」
中居「もう一人は事務所の社長さまだったのでは?」
立野「数日前から遠方へ出張中だそうです」
中居「それでは、テレビの声だった……ということは?」
立野「その可能性はありますね……テレビ局に問い合わせてみましょう」
- 16 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 23:25:58.983 ID:vmp9516r0.net
- 立野「テレビ局からの提供で、ドキュメンタリー番組の詳細な内容が判明しました」
中居「ふむふむ……え。なんですかこれ?」
“業界の限界に挑戦! 世界で最も退屈なドキュメンタリー番組”
中居「とても泣き叫ぶ声が入っていそうなタイトルではありませんね」
中居「……と言うか!」
中居「終わったぁぁ!」 ズビシィィ!!
立野「な、なんですか!」
中居「番組の内容は、ドドンパ様がおっしゃったような貧しい国の暮らしの事ではなかった」
中居「早くも矛盾発覚です!」
立野「しかし……同時に、ドドンパさんが事務所にいたことも――」
中居「わずかな綻びが全体をも破綻させる」
中居「乙女ゲームだって選択一か所ミスったらバッドエンド直行なんてザラです!」 クワッ!
立野「お、おとめげーむ?」
中居「これでこの方のアリバイは崩壊ですね! さ、次に行きましょう立野様!」
- 17 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 23:30:19.699 ID:vmp9516r0.net
- 中居「続いて亀倉様……住み込み先で眠りつつ盗んだ宝石を掘り出していたそうで」
中居「証拠の宝石もバッチリです」
立野「その言い方だと夢遊病患者みたいですね」
立野「まあ掘り出すのは時間帯を問わずできますけど」
中居「えっ」
中居「もうアリバイ不成立ですか!? それは流石にイージーモードすぎるかと……」
中居「いや、イージーなほうが甘美なるストーリーに没入するには好都合なのではゴニョゴニョ」
立野「何の話ですか……次に行きますよフナチさん」
- 18 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 23:32:46.384 ID:vmp9516r0.net
- 中居「宇田川様。犯行時刻はウィッグ店でヅラを購入していた、と」
立野「あ、それは正確には少し違うんです」
中居「と、いいますと?」
立野「犯行時刻は、宇田川さんの退店より少し後なのです」
立野「わずかな時間差でウィッグ店と現場の移動は不可能と考え、アリバイ成立としたわけです」
中居「不可能? そのようなこと、当たって砕けねばわかりません!」
中居「恋は盲目で行ってまいります!」 ビューン
中居「ハァ……ハァ……絶対無理コレ……フナチ駄目な子……」 ゼェゼェ
立野「お疲れ様です!」
- 19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 23:34:01.885 ID:vmp9516r0.net
- 中居「はっ! 髪の毛による空気抵抗が少ない人間ならなんとか可能やも……」
立野「私たちでは実験できませんから何とも言えませんよ」
中居「何をおっしゃいます立野様! この世界は未だ解明されざる謎であふれているのです」 クワッ!
中居「わたくしたちに否定できない以上可能性はある!」
立野「まあ、それはそうですけど……」
中居「よろしいですね! この方もアリバイ不成立ということで!」
- 20 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 23:36:52.656 ID:vmp9516r0.net
- ――アリバイ検証終了
中居「全員のアリバイが崩れてしまいましたあ……」
中居「三人の中から一人選べだなんて……フナチは……フナチはどうすればあああ!」 ジタバタ
中居「って今の状況を作った原因フナチじゃないですかああ! どうしてこうなった!」
中居「……原因?」
- 21 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 23:37:46.390 ID:vmp9516r0.net
- 中居(そう。すべての物事には原因がある)
中居(では、あの人はなぜあんなことを?)
中居(……あの事について調べる必要がありそう)
中居「キラーン」
中居(……なるほど。そういうことか)
中居「……立野様。今すぐ容疑者さまたちをお呼びしてください」
立野「なんですって! わかったのですか? 事件の真相が!」
中居「はい」
- 22 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 23:43:47.841 ID:vmp9516r0.net
- ――推理
宇田川「なんなんだ急に呼び出して。早く帰って目出し帽を穿きたいのに」
ドドンパ「俺も最近売れてきたから忙しいんだよ。ドドンパ☆ドドンパ☆嘘つかな〜い! ってね」
亀倉「俺はどのみちバッテンタイホ? されるから別にいいよー」
中居「お揃いになったようですね」
中居「これより名探偵フナチがこの事件の真相をお伝えしたいと思います!」
立野「ようやく! 犯人に私の手で正義の裁きを下せるのですね!」 目ギラギラ
立野「裁きの対象がいなければただの真面目な警官ですからね私!」
- 23 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 23:46:01.764 ID:vmp9516r0.net
- 宇田川「それで、なんなんだ? 君が考える事件の真相というのは」
中居「最初に違和感を覚えたのは……ドドンパ様。あなたのアリバイ証言です」
ドドンパ「お、俺ぇ!?」
中居「あなたさまは事件当時、テレビのドキュメンタリー番組を見ていたとおっしゃいましたよね」
ドドンパ「ああ、そうだよ」
中居「しかしながら、番組の内容が供述と違っていたのです」
ドドンパ「あ……」
中居「まさしく明白な矛盾。実際には番組など見てないのでは?」
ドドンパ「それは! あの、その……」 アタフタ
中居「でも。問題にしたいのはそこではありません」
中居「アリバイに穴があるのはお三方とも同じでしたゆえ」
宇田川「チッ……」
亀倉「?」
- 24 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 23:48:21.620 ID:vmp9516r0.net
- 中居「罪を逃れるために嘘偽りを述べる。よくある話です」
中居「しかしながら……そもそもなぜ“貧しい国”などという言葉が出たのでしょうか」
中居「その“原因”が謎でした」
ドドンパ「で、出まかせ! ただの出まかせだよ。原因なんて……」
立野「フナチさんの発案で、貧しい国に関連する施設や団体を洗ったところ――」
立野「ドドンパさんは貧しい国に向けて多額の寄付をしていることがわかりました」
ドドンパ「!!」
宇田川「まさか……このお笑い芸人が?」
中居「おかげで、世界各地の貧しい国で“嘘つかないブーム”が巻き起こっているそうですよ」
中居「ざっと例を挙げると……“嘘つかない執事喫茶”や“嘘つかないコスチューム店”」
中居「“嘘つかない乙女ゲーム”の“嘘つかないAルート”“嘘つかないBルート”」
中居「さらにはパラメータとして“嘘つかない度”――」
ドドンパ「ち……違うーー! とにかく俺は……俺は寄付なんてしてないんだーー!」
- 25 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 23:50:50.186 ID:vmp9516r0.net
- 中居「事件が起こったその時刻も、振り込みのため銀行に――」
ドドンパ「ハ……アハハ! 墓穴を掘ったね!」
中居「墓穴?」
ドドンパ「俺が事務所で騒いでいたのを、近所の人が聞いてるじゃないか。銀行なんか行けるわけない」
ドドンパ「だ・か・ら! 寄付の話も……まる〜っと嘘八百!」
中居「――留守番電話」
ドドンパ「!!」
中居「あらかじめ事務所の電話を留守電モードにし、スピーカーの音量も最大にしておく」
中居「そして、外出先から事務所に電話をかければ」
中居「いかに離れた場所でも事務所にいるフリができるというわけです」
- 26 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 23:54:23.459 ID:vmp9516r0.net
- ドドンパ「仮に俺が事務所にいなかったとして、だからって銀行にいたとは――」
立野「銀行員があなたのことをハッキリと憶えていました」
立野「銀行前の電話ボックスで女言葉で絶叫していたため、とても印象に残っていた、と」
(イメージ:ドドンパ(裏声)「まあ坊や! なんて可哀想なのかしらー!!」
ドドンパ「お……女……言葉……」
中居「一人でいたのではアリバイの信憑性に欠けると考え、“もう一人”の存在を作り上げた」
中居「“もう一人”の存在を確実に認識させるため、その人物を“女性”に設定した……」
中居「偽装工作がことごとく裏目に出ましたね」
中居「問題は……なぜそこまでして寄付のことを隠したがったのか」
中居「照れ隠しだったんでしょうねえ。クラスのお調子者が二人きりの時だけ見せる優しさ……」
中居「それはそれは隠したくもなりましょうーー!」 クネクネ
- 27 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 23:56:34.915 ID:vmp9516r0.net
- 立野「認めてください! あなたの本当のアリバイを。あなたの本当の考えを」
ドドンパ「…………」
ドドンパ「…………………………」
ドドンパ「芸人たるもの、どんな時もみんなを笑顔にしなければ……俺はそう思っている」
立野「ドドンパさん……?」
ドドンパ「飢餓が深刻な国への寄付となれば、暗い話題にも触れることは避けられない」
ドドンパ「寄付のことは誰にも話したくなかった!」
ドドンパ「だから俺は! 芸人としての義務を果たすがために! 嘘をついたばかりか」
ドドンパ「人命への冒涜とも取られかねない……発言を……!」
ドドンパ「申し訳……ありません……!」
中居「ドドンパ様……」
中居「アリバイ……成立ですね」
- 28 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/10/31(土) 23:58:53.027 ID:vmp9516r0.net
- 中居「…………さて」
中居「先ほどから、わたくしたちは貧しい国と連呼しておりますが、具体的にはどちらの国なのでしょうか?」
中居「答えは……まさしく! みなさまの目の前にあったのです」
中居「今まさに、“嘘つかないブーム”が巻き起こっている国」
中居「大地の枯渇による深刻な人口減を大々的に公表している――宇田川国が!」
宇田川「う、宇田川……」
立野「国?」
中居「そうです、宇田川様。あなたの頭は単なる中年オヤジのバーコード頭ではない」
中居「父なる大地。そしてそこへ根付く人々の営みだったのです!」
- 29 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:02:30.208 ID:rH2PojtZ0.net
- 宇田川「デタラメだ! 私の頭が一つの国だと? 何を根拠にそんな……」
中居「――目出し帽ですよ」
宇田川「!!」
中居「そのような寂しき頭をお持ちでありながら……なぜ目出し帽に心移りなさったのです?」
中居「どう考えてもヅラ一択でしょうに! そのような寂しき頭なら!」 ズビシ!
宇田川「な、なんだと……」
中居「あなたさまは宇田川国の大地として、無意識のうちに国民を思い遣っていたのです」
宇田川「どういう意味だ……」
中居「ヅラは毛髪の代わり。そんなものを着用すれば」
中居「ただでさえ寂しき頭の毛髪である国民は存在意義を完全に失うことになる」
立野「そうか! 目出し帽なら毛髪とは別の目的を持った道具。国民の存在意義は奪われない!」
中居「そう、まさしく! 目出し帽こそ! 寂しき頭のラブ・アンド・ピースを握る鍵だったのです!」
宇田川「さっきから寂しき頭と繰り返すなァァァ!」
- 30 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:05:02.664 ID:rH2PojtZ0.net
- 宇田川「そこまで言うなら認めようじゃないか。私の頭には国が広がっている」頭チカヅケ
中居「おお! かすかに聴こえます!」
中居「宇田川様の頭から『嘘つかな〜い』の大合唱が!」
宇田川「でも、ひとつ間違っているぞ」ウソツカナーイウソツカナーイ
中居「え?」
宇田川「私は……以前からずっと」ウソツカナーイウソツカナーイ
ボロォン!
宇田川「目出し帽ラブだ」ウソツカナーイウソツカナーイ
立野「ヅラの下に……」
中居「目出し帽を穿いている……!」
ドドンパ「ナーイス! 漫談のネタにさせてもらえませんか?」
ドドンパ「目出し帽で民を守る大地。笑いあり感動ありの最高傑作になりますって!」
- 31 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:07:16.540 ID:rH2PojtZ0.net
- 宇田川「私の頭に“事件”の兆しが見えた日、国民と目出し帽とともに生きていく決心をした」
宇田川「まあ、日常生活では目出し帽をかぶる機会はないからもっぱらズボンの下だが」
宇田川「おかげで我が国の貧困も周囲に筒抜けだよ」
立野「だからってパンツのように穿くことはないでしょう!」
宇田川「世間の目を気にしてヅラを着用することも考えたが、私には目出し帽しかないとわかった」
宇田川「一度も頭にかぶることなく穴をあけてズボンの下さ」
中居「その矢先の、本件の容疑者扱いだったのですね……」
宇田川「そうだ。ヅラ着用者のふりをしておいて目出し帽ラブとバレたら偽証扱いされると思った」
宇田川「それで、たった今心移りした風に装ったんだ」
立野「それは……すみません」
- 32 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:09:50.254 ID:rH2PojtZ0.net
- 立野「宇田川さんの目出し帽ラブを踏まえ、帽子屋に確認を取りました」
立野「たしかに目出し帽を購入しています。時刻はウィッグ店でヅラを購入した後ですね」
中居「宇田川様は帽子屋で目出し帽をじっくり品定めしたのち大量に購入」
中居「犯行時刻にも店の目出し帽を舐めるように見つめまわしていたとか」
中居「つまりは、宇田川様のアリバイも……成立!」
亀倉「あのー……俺暇なんでキッチン借りていいっすか? 元料理人だし腕には自信ありますよ」
中居「ダメです。あなたさまは今から忙しくなるのですから」
- 33 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:13:53.877 ID:rH2PojtZ0.net
- 中居「亀倉様……あなた宇田川国の人なのでは?」
亀倉「うん、そうだよ」
中居「ズコッ。だから、あっさり認めないでください!」
亀倉「ご、ごめん。じゃあ。『証拠を出してみろー』?」
中居「あなたさまのこれまでの言動を精査しましたところ……とても素朴な方とお見受けしました」
亀倉「え? いや。褒められると照れるなあ」
中居「類稀なる民思いの大地に育まれたこと。そして」
中居「昨今の“嘘つかないブーム”によるものに間違いないかと!」
- 34 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:14:59.290 ID:5v+JsIluM.net
- このスレ>>1以外誰一人としてレスしてないな
- 35 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:17:22.552 ID:rH2PojtZ0.net
- 中居「寝ていたといいながら、掘り出した宝石が証拠になるとおっしゃった」
中居「この亀倉様の供述の矛盾も、宇田川国人と考えれば……解決!」
宇田川「失礼な! 私の国の民は嘘つきだというのか!」
中居「そうではありません。というか……ずっと申し上げようと思っていたのですが」
中居「いいかげん、その目出し帽はお隠しになったほうが宜しいかと。みっともないですよ」
亀倉「本当にみっともないですよ」
- 36 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:19:26.379 ID:rH2PojtZ0.net
- 中居「とにかく! 事件当日、亀倉様の住み込み先のご家族は全員外出なさっていた」
中居「それをよいことに、ご同郷の難民を招き入れたのでは?」
亀倉「うんうん」
中居「宝石を掘り出すのはご同郷の方々がなさったのでは? ご自分は供述通り寝ていた」
中居「あなたさまご自身がおっしゃった通り、寝ていてはどんな罪も犯せはしない」
中居「またしてもアリバイ成立です!」
亀倉「へぇー、全部当たりだよ。やっぱり探偵ってすごいんだな」
中居「うう……どうにもこの方はイージーモードの模様……」
- 37 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:21:21.510 ID:rH2PojtZ0.net
- 宇田川「どういうことだ! 全員に確かなアリバイがあるじゃないか」目出し帽ボロー
ドドンパ「じゃあ事件は未解決? 悲しいなあ。何時も芸人であろうとした俺の想いが無意味に踏みにじられたなんて」
亀倉「え? 俺アリバイ証明してたの? やった、これでようやく帰れるぞ」
立野「どうなんですかフナチさん! 三人のうち、誰かのアリバイに穴があるとでも?」
中居「いいえ。今まで証明してきた通り、三人のアリバイは互いに密接な関係にあるもの」
中居「これを個別に崩そうとすることは無意味と申せましょう」
立野「じゃ、じゃあつまり犯人は……」
中居「そう。この犯行が可能だったのは、ただ一人」
中居「被害者・五島緑様ご本人です!」
- 38 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:25:12.083 ID:rH2PojtZ0.net
- 立野「自殺!? どうして路上でそんなことを!」
中居「被害者に話を聞けない以上、断定はいたしかねますが」
中居「凶器がハンガーであることからして……こんな感じなのでは?」
五島様は自宅の庭の不安定な位置にハンガーを放置したまま外出。
そのハンガーが風に飛ばされて外にいた五島様を直撃。
カッとなった五島様は、原因である自分自身の首を衝動的に……!
立野「そんな人いるわけないでしょう!」
立野「ハンガーが当たったからって! そんなくだらない理由で……」
中居「まあ……渡る世間には色々な人がいらっしゃるということで何卒」
立野「納得できません! ……あ、電話だ」
- 39 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:27:20.941 ID:rH2PojtZ0.net
- 立野「病院から連絡です」
立野「五島さんが一命をとりとめた……というより元々命に別状はなかったそうです」
立野「本人の供述によると、犯行に至った経緯はフナチさんの推理と同じ。あとは……」
ハンガー当てた自分に殺意
↓
ちょっと苦しくなった時点でやめる
↓
自分を襲った自分に殺意
↓
以上繰り返し
↓
そのうち疲れて眠ってしまう
中居「…………………………」
立野「…………………………」
- 40 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:30:16.233 ID:rH2PojtZ0.net
- 中居「……本当に世間には色々な人がいるんですね」
立野「まあ、この事件を通じて皆さんと関わった後なら……納得できますね」 チラッ
ドドンパ「ドドンパ☆ドドンパ☆嘘つかな〜い!!」
亀倉「ごめんなさい」 手首差し出し
宇田川「他に隠す手が思いつかなかったんだ」 目出し帽ボロー
おしまい
- 41 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/11/01(日) 00:36:21.191 ID:fhpDQcRa0.net
- >>31
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