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( ^ω^)赤い石が紡いだ物語のようです

1 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:21:56.194 ID:RtTKhju+0.net
 
 
※あるホラーゲームを元に脚色したもの。
→結構聞かれたので元ネタ追記 https://www.youtube.com/watch?v=gLCVv31GJFU

※創作板に投下した作品の続編(元ネタの作品では続々編にあたる)
 但し一部の人名以外は設定が全く別なパラレルストーリー。

※これからプレイする人はネタバレ注意。
 原作重視の傾向にあるため、一部、原文をそのまま抜粋。
 
   

2 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:22:12.320 ID:RtTKhju+0.net
   
前スレ→http://vipper.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1454415434/

その1→http://vipper.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1450875608/

その2→http://vipper.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1452423497/

その3→http://vipper.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1454138696/

その4→http://vipper.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1454335768/

 

3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/02/03(水) 23:23:09.877 ID:xO5kv/Eka.net
おれ

4 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:26:24.852 ID:RtTKhju+0.net
 
前回のあらすじ

( ´∀`)と|゚ノ ^∀^)親子の魂を昇天させた( ^ω^)

|゚ノ ^∀^)を心配していた( ゚д゚ )も、( ^ω^)から一部始終を聞いて安堵し

仲間と共にここへ来た事、同じ年頃の娘がいることを語り昇天する

( ゚д゚ )の仲間も、ひいてはすべての魂を救う為…ξ゚听)ξと地球へ帰る為

( ^ω^)は施設の中を進んで行く
 

5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/02/03(水) 23:26:30.381 ID:FzPQ/Vxp0.net
ブーンとか懐かしいなおい

6 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:27:14.251 ID:RtTKhju+0.net
 

 …全ての映像を確認したところで、ブーンはモニターから離れた。
今いる101号室には、何かあるだろうか。
霧で見えなかった部分を、今度は丹念に調べていく。

( ^ω^)「洗面所、トイレ、バスに…洗濯機までついてるお。」

 キッチンが無いことを除けば、この室内は最低限、居住に必要な条件を満たしている。
 
(;^ω^)(…でも引っかかるお)

 数々の生活用品を見比べ、ブーンは首を傾げた。
『居住区』という名前の通り、作業員達はここで飲食や睡眠を摂っていたのだろう。
しかしそれにしては、どうも作業員用という感じがしないのだ。

 一歩外へ出れば月面…宇宙空間での危険な生活を、考慮した結果だとしても
この『居住区』自体が、作業員用としては何処か不自然な造りだ。
 
  

7 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:27:53.510 ID:RtTKhju+0.net
 

( ^ω^)(…考えてみれば、この施設…何のために作られたんだお?)

 何気なく聞き流していた、『月面施設』という存在自体、疑わしい。
民間が携わったことは「作業員月報」からも分かる。
本社と言うのは、地球にある指令本部のようなものだろう。

 だが、宇宙開発事業を掲げて築き上げたにしては、あまりに施設の規模が大きすぎる。
それに設備が古い…二十年前とはどういうことなのだろう。
観測調査の趣旨から見ても、実態はあまりにかけ離れていた。
 
 こんな施設、何処の企業が管理しているのだろう。


( ^ω^)「おっ…そうだおっ」
 
 思索する中、閃いたブーンは、手に入れたカードを取り出した。
霧を晴らすことに必死で、換気装置のキーとしてしか認証しておらず
持ち主の名前や所属が書かれていたのを、すっかり忘れていたのだ。
 
 

8 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:28:17.304 ID:RtTKhju+0.net
 
( ^ω^)「何処の誰なんだお、この人は…」

 これを見れば、何処の企業が関わっていたのか、分かるはずだ。
ブーンは、取り出したカードを見つめ…

 



(;^ω^)そ「ヒロユキマテリアル!?」



 
 その企業の名前に驚愕し、思わず声を上げた。
 
 

9 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:28:31.089 ID:RtTKhju+0.net
 
 ヒロユキマテリアルと言えば、世界に名高い一流の日系企業だ。
手掛ける事業は実に広汎で、金属加工から、果ては不動産まで行っている。

 バブル崩壊やリーマンショック等の、経済不況の波を乗り越えた同社は
先述のように幅広い分野で活躍し、「日本のヒロユキ」から「世界のヒロユキ」に
なりつつあるとして、いまとても大きく注目されている企業だ。

 なるほど…と、ブーンは納得した。
そんな企業ならば、宇宙にまで手を出してもおかしくはない。
ただし、そんな大手の…それも日系企業が、こんな月面に乗り出したとなれば
それはもう大きなニュースになるはずなのだ。

(;^ω^)(…怪しいお)

 やはり裏に、何かあるのではないか…。
思ったブーンの胸中は重く、暗くなっていく。
ある一つの懸念事項が、ブーンの心中を重くする。
 

10 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:29:00.950 ID:RtTKhju+0.net
 
(;^ω^)「やめるおやめるお…考えてもキリが無いお」

 口に出して、自分に言い聞かせる。
気を紛らわすように、ブーンは101号室から外へ出た。

 …霧の無くなった通路は、変わらず静かだ。
反対側の104号室は、ドアが壊れていて開かない為
まだ完全に調べ終わっていない、105号室へ足を踏み入れる。


( ^ω^)「…お?」

 正気を取り戻したレモナに、映像を見せたあの部屋。
切なく、懐かしい音楽が流れていたはずだが、今は何の音も聞こえない。

 あの曲は何だったのだろうか…聞いたことがあるようにも思えたが
音楽のプレーヤーは既に壊れているのか、もう鳴らなくなってしまった。
 

11 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:29:41.540 ID:RtTKhju+0.net
  
(;^ω^)「まあ、いいお」

 あまり気に留めず、室内を探索することにした。

 壁に飾られているのは、地球での風景だろうか。
ツンの写真と同じ、自然の色だ…やはりこの宇宙空間に来ると
人は地球の自然が恋しくなるのかもしれない。

 デスクの上には、音の鳴らないプレーヤーと、何やら本が置かれている。
児童書と、大人向けの難しい小説、暇潰し用のペンとノートが
使用したままの状態で置かれていた。

 次に、映像ディスクの再生装置があった方へ注目する。
 

12 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:30:28.349 ID:RtTKhju+0.net
 
( ^ω^)「…絵…」

 それは、子供の絵だった…分かったのは、それが大人では出来ない絵の描き方だからだ。
特有のいびつな線と、まだ拙い塗り方。
笑顔を表す、黒い曲線の目に、大きく半月型に開いた赤い口と、薄橙の色。

 父親らしき人と、子供が笑っている。

( ^ω^)「…とっても上手だお」

 …今はいない少女に向けて言うと、ブーンは再び探索した。
が、105号室にはこれと言ったものはなく、101号室同様、生活用品が整っているのみ。


(;^ω^)ゞ「おー…こんなもんかお…」

 あらかた調べたが、もう他には何も無いようだ。
名残惜しみながら、ブーンは外へ出た。  
 

13 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:30:46.200 ID:RtTKhju+0.net
 

   



・ 
 

・ 
  
 

14 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:31:11.665 ID:RtTKhju+0.net
 
 …その後、102号室、103号室も回り、嫌な気配を醸し出していた106も回ったが
これといった収穫は、この『居住区』には特に無かった。


( ^ω^)「…となると、あとはもう進むだけだおね…」

(;^ω^)「正直、行きたくないお」

 エレベーターホール前のドアで、ブーンは立ち止まっていた。
霧を見てしまい、凄まじい苦痛に圧倒され、半ばトラウマのようになっているのだ。

(;^ω^)(…あんな思いはもうしたくないお…)

 しかし、進まなければ始まらない…ツンの捜索も、ミルナとの約束も達成出来ない。
まだこの先にいるであろう、亡霊達を救うことも、施設の謎を解くことも出来ない。
 

15 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:31:33.587 ID:RtTKhju+0.net
 
(;^ω^)「…換気さえできればいいお…でも…」

 換気装置が、この先には無い。
おそらく別の区画から、遠隔操作で浄化するのだろう。
そこに到達し、霧を晴らすまでは、悪霊に出会っても逃げ切るしかない…。
 
(;^ω^)「…ツン」

 もう握り過ぎて、皺くちゃになっているであろう写真。
そこに映り込む、柔らかな微笑を湛える彼女を思い出す。
  
 

16 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:32:07.869 ID:RtTKhju+0.net
 

 

 
 
 
 
 
   ξ*゚ー゚)ξ
 
 
 
 
  

17 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:32:32.244 ID:RtTKhju+0.net
 
 
  

(  ω )



(;^ω^)
 

 ブーンは恐る恐る、一歩踏み出した。
 

18 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:33:51.770 ID:RtTKhju+0.net
 
 …入った瞬間、カメラで見た濃霧が、出入口からブーンを包むように現れた。
それまで澄んでいた視界が、一気に霧で覆われ、白に染まっていく。


( ´ω`)「おーん…見えないお…」


( つω⊂)""ゴシゴシ


( ^ω^)



(;^ω^)そ!?

19 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:34:17.003 ID:RtTKhju+0.net
 
 …視界を慣らそうとしたそのとき、ブーンは心臓の辺りに
冷たいものを感じて、背筋を震わせた。 

 この感覚は、つい先程、味わった痛みにも似ている…それでいて
締め付けられるよりは、刺される感覚の方が強い。

(; ω )(分かってることだお、こうなることは…)


――寒い…


(; ω )「い…行くお…」


 芯から熱を奪われていくような感覚に、ブーンは寒さを堪えきれず、早足で進む。
静寂の中に、無機質な足音だけが響いた。
 

20 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:36:17.301 ID:RtTKhju+0.net
 
(; ω )(か…風邪でもひいたかお…?

 肌を突き刺すような極寒に、ブーンは我が身を疑った。
思うも、風邪のせいではないと分かっている…ましてや、外気のせいでもない。


――寒い…痛い…


 寒さはやがて、痛みに変わる。
 

21 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:36:44.639 ID:RtTKhju+0.net
 
 まず感じたのは、バイザーに覆われたはずの顔面。

 耳が引き千切られそうに、鼻の頭や両頬が、何千本もの針で刺されるように痛んだ。



 正常に出来るはずの呼吸が、息苦しくて出来ない。

 唇が、震えていた。

 



(((; ω )))(なんだお…っこの寒さ…!)


 カナダの冬を、防寒具無しに体感しているような冷えに、ブーンは震えた。
  
 

22 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:37:21.384 ID:RtTKhju+0.net
 
 
 氷点下20℃…自分の吐息で眉睫に霜が付き、鼻腔の粘膜も、口腔内の唾液さえもが
凍り付いて、まともに息が出来ないあの世界を、彼の脳裏は描いた。



 降り積もった雪、溶けることの無い氷柱。

 物に触れた瞬間、皮膚が離れなくなるあの感覚。

 全て凍てつく故に、乾燥し、雪玉さえ作れないあの空気。
 
 全てが凍っていく極寒の地に、着の身着のままで、野晒しになっている…。
 



::(((; ω ))::
  
 
 
   

23 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:37:45.275 ID:RtTKhju+0.net
  
  
  

 雪山で孤立したような、追い詰められていく不安。

 飢餓の恐怖をも抱いて、それが錯覚だと気付く間もなく、
 
 
 
 

24 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:38:10.815 ID:RtTKhju+0.net
 

  
  
 
                  『……さんぞ…』

 
  
 
 

25 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:38:26.954 ID:RtTKhju+0.net
  
 
 

(; ω )て 

 
 
 声が…地底を揺るがすかの如く、低くおぞましい声が、ブーンの脳髄に響いてくる。
 
 
 

26 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:39:02.962 ID:RtTKhju+0.net
 
 
 
 
 
 
 
                 『許さんぞ……』
 

 
 

 次第に近付いてくる、呪詛の声。
   
 
  

27 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:39:30.856 ID:RtTKhju+0.net
  
 
 

  
 (((; ω )))


 
 そのまま凍結していきそうな寒さで、震えるブーンの心に流れてくる、激しい憎悪。 
 
  
 

28 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:39:45.777 ID:RtTKhju+0.net
 
 
 
 
 
 
 
  
 
         (::,:"'<<||●||>><<||●||>>"',,)『私は許さんぞ…!!』
 
 
  
  
 

  
  

29 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:40:03.622 ID:RtTKhju+0.net
  
 

 ((;゚ω゚)))そて
 




 震えるブーンは、我に返り…戦慄した。

 目前に現れた、質素なローブを着た男。
 
 作業着の男の霊とも、レモナの霊とも違う、何処か異質な霊。

 流れ込んできたのは―――激しい憎悪と、明確な殺意の塊。


 

30 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:40:33.581 ID:RtTKhju+0.net
 
 
((;゚ω゚)))「――――――!!!」
 
 
 声にもならない悲鳴を上げて、ブーンはすぐさま背を向けた。
進行方向へ逃れようと、縺れる足を動かし、地に手を這わせる。
 
 

31 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:40:57.335 ID:RtTKhju+0.net
 
 
(((;゚ω゚))「―――え"ぐぉっ…お"お"お"お"お"っ!!」



 体が、凄まじい勢いで引き寄せられているのが分かった。
痛みのあまりに、悲鳴なのか絶叫なのか、呻きかも分からぬ声を上げる。
 

32 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:41:23.848 ID:RtTKhju+0.net
   
  
 
 
 
 (::,:"'<<||●||>><<||●||>>"',,)

 
 

  

33 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:41:45.000 ID:RtTKhju+0.net
  
 
 


      
「おおっ…おおおおっ」ΞΞ(((; ω ))ニつ
          



 

 引き寄せられていく感覚に、どうにか抗う。
 

34 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:42:01.054 ID:RtTKhju+0.net
   「おおおおおおおおっ!!!」ΞΞΞ⊂ニ(((;゚ω゚))ニつ




 勢いよく、駆け出した。



  向かって東にあるエレベーターへの距離が、ひどく長く感じられる。
 
 
 

35 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:42:13.759 ID:RtTKhju+0.net
 
 




 早く着け、早く――!!

     
 
 
 
   

36 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:42:24.397 ID:RtTKhju+0.net
 
  
  
  
  

 願うブーンの声が届いたのか、エレベーターのドアは、逃げるブーンを受け入れた。
 
  
  
  
 
   👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)


37 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:42:57.377 ID:RtTKhju+0.net
  
 
(;゚ω゚)「はあっ、はぁっ、はぁっ、はっ……」

(;゚ω゚)「っ、ひいっ、ひっ、はっ……」

(; ω )「げほっ…は…っ…ふう…」


 …逃げ込み、肩で荒く呼吸する。


(;゚ω゚)そて


(゚ω゚;)


 そこが、狭い密室であることに気付いて、慌てて振り向くも、もう霊の姿は無かった。

38 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:43:15.956 ID:RtTKhju+0.net
 
(;゚ω゚)

(;-ω-)=3

 エレベーターの中までは、追ってこないようだ…。
ほっと安堵に胸を撫でおろし、壁に凭れて、息を深く吐き出した。


(;^ω^)「…なん…なん、だお…あれ…」

 乱れた呼吸を整えながら、ブーンはぼやく。
グレーの質素なローブを着た、初老の男性…恰好はどこかの、宗教者のようだった。
その彼は確かに、はっきりとした敵意を、自分に向けてきた。

 殺意をむき出しにされたのは、ブーンにとって初めてのことであり
亡霊に見え隠れしていた、悲哀の情が見られない…それが、ブーンの恐怖心を増していく。

 追ってはこないようだが、もう二度と出会いたくはない…。
出会わないように霧を晴らそうと、心に固く誓って、ブーンはエレベーターを改めて見た。
 

39 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:43:30.523 ID:RtTKhju+0.net
 
( ^ω^)「おっ…?」
 
 右手側についている、エレベーターのボタンに注目する。
現在の階層は1Fだが、その上は無いようだ…他は下の階層に行けるようになっていて
ボタンを見る限りでは、B2Fまであるらしい。

(;^ω^)「…でも、僕のカードキーで行けるのは、B1Fまでだお」

 そのうち、進めるようになるだろう。
そう信じて、手元にある…ミルナに渡されたカードキーを、ボタンの上にあるスロットへ挿入する。

『…確認しました、ロックを解除します…』

 アナウンスと共に、それまでグレーだったエレベーターのボタンが、ぱちりと点灯する。
これでB1Fと1Fの行き来は、出来るようになった。

40 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:43:43.100 ID:RtTKhju+0.net
 
 
( ^ω^)つ

 ボタンを押して、ブーンは地下へと降りて行った。
 
 

41 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:43:57.542 ID:RtTKhju+0.net
 
  

 
 










 

42 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:44:16.928 ID:RtTKhju+0.net
 
(;^ω^)「…お?お?」

 エレベーターで降りている途中、ブーンは覚えのある圧迫感に
思わず辺りをきょろきょろと見回した。


(^ω^ )


( ^ω^)


(;^ω^)「…??」


 しかし、エレベーターの風景に変わりはない。
動きも変わらず、緩やかに、地下へと降りているようだ。
 
 

43 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:44:29.605 ID:RtTKhju+0.net
 
 …少し経つと、エレベーターはB1Fに到着した。
何処となく腑に落ちないまま、ブーンはエレベーターから降りた。

 降りた先も、霧に包まれているのでは…と、身構えて踏み出すも
どうやらこの先は、そうでもないようだ。

 
(;^ω^)「なんだったんだお、あれ…」

 
――神経質になっているのだろうか?

 近くに亡霊がいる…そう思ったブーンの勘は
実は外れていないのだが、今の彼には知る由も無い。

 気のせいだと思うことにして、ブーンは先を目指した。
 

44 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:44:46.456 ID:RtTKhju+0.net
 
 廊下は変わらず薄暗い…サーチライトの光は、このまま変えない方がよさそうだ。
左右に分かれている道の、左手に行こうとしたブーンは、ふと立ち止まる。

(;^ω^)「Lv.1…ということは、またカードキーが必要だおね」

 見覚えのある表記とセキュリティの形状から、今のカードキーは使えないと判断した。
新しく手に入れるまで、後回しにすることにして、くるりと右手に向かう。

( ^ω^)「…?」

 右手のドア付近で、立ち止まる。
 

45 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:45:35.981 ID:RtTKhju+0.net
 
 
( ^ω^)「…子供の笑い声…?」

 聞こえてきた音に、思い当たるものが無く、ブーンは逡巡した。
レモナはもう、天に昇ったはず…ではまだ他にも、別の子供がいるのだろうか。
 
  
(  ω )「…君達、もう眠っていいんだお…」


 …子供が犠牲になったと言う現実が、今更ながら重く圧し掛かる。
ブーンは独り言ちながら、開いたドアに足を踏み入れた。
 

46 : ◆noe7UUkd3A :2016/02/03(水) 23:46:31.589 ID:RtTKhju+0.net
 
喘息でしにかけてるからとりあえずここまでざくっと投下

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