兵庫県の三田市が１２５ＣＣ以下のバイクに交付する「ご当地ナンバープレート」の評判が芳しくない。マスコットキャラをあしらったデザインに対し、主に男性から「自分のバイクに似合わない」「強制はおかしい」と不満が続出。
要望に押される形で、市は４月３日から通常のナンバープレートも選べるよう制度を変更した。
三田のご当地ナンバーは２０１１年１１月、まちのＰＲにつなげる狙いで導入。市は通常ナンバーとの選択制にせず、登録者には必ずご当地ナンバーを交付してきた。
市のマスコット「キッピー」や有馬富士、福島大池、千丈寺湖のイラストと「ＳＡＮＤＡ」の文字をデザイン。
排気量に応じ、白（５０ＣＣ以下）と黄（９０ＣＣ以下）、ピンク（１２５ＣＣ以下）の３色がある。製作コストは通常ナンバーの１枚９０円に対し、約１５０円と割高だという。
市税務課によると、昨年３月までに、白３８９０枚▽黄１８６枚▽ピンク１０５２枚−の計５１２８枚が交付された。
しかし市役所の窓口では、手続きに来た人から「デザインが恥ずかしい」「通常ナンバーは選べないのか」との要望があり、市議会でも「選択制にすべきだ」と問題視された。
市役所そばのバイク販売店によると、特に学生ら若い男性から不人気で、店主は「キッピーの部分をガムテープで隠して不正走行する人や、親戚名義で別の自治体に登録する人もいる」と話す。
市は「実数は把握できないが、通常ナンバーを望む人は少数」と強調。
あくまで「独自デザインの導入から約５年が過ぎ、市のＰＲに一定の成果を上げた」ことを選択制開始の理由としている。
同課によると、県内では神戸、姫路、芦屋、丹波市が選択制。赤穂、川西、篠山市が独自デザインのみ交付している。