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ガヴリール「千咲ちゃん、地球外生命体と出会う」
- 1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:02:47.699 ID:F+iQ4OUV0.net
-
-住宅街-
黄色いタコ「……」ブルブル
タプリス「……ごくり」
タプリス(こ、これは……、いったい何者なんでしょうか)
タプリス(最初は、ぬいぐるみかと思って近づいてみましたが)
タプリス(小刻みに震えているようですし、どうやら生き物のようです)
タプリス(外見上は、少し大きなタコですかね。人の頭くらいはあります……)
タプリス(これはまさか……地球外生命体、というやつでしょうかっ)
タプリス「……あの」ジリッ
黄色いタコ「……」ビクッ
タプリス「あっ……」
タプリス(で、でも……だいぶ怯えているようですね……)
タプリス(それに少し、元気がないように見えます)
タプリス(ちょっと怖いですけど、よく見るとかわいいですし)
タプリス(このまま放っておくのも可哀想です)
- 2 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:05:56.420 ID:F+iQ4OUV0.net
-
タプリス「だ、大丈夫です。わたし、あなたの敵ではありませんから」
黄色いタコ「……」ガクガク
タプリス「あ、わたし、お菓子持ってるんです」
タプリス「よかったら、どうですか?」スッ
黄色いタコ「ッ……」パクパク
タプリス「あ、食べてくれました! お口に合ってよかったです」
タプリス「えっと……もしよかったら、わたしのお家へいきませんか?」
タプリス「あなたの力になりたいんです」
黄色いタコ「……」コクッ
タプリス「あ、ありがとうございます。それではちょっと失礼しますね」
ひょいっ
タプリス「よいっしょっと。あ、意外と軽いんですね」
タプリス「さ、いきましょうか」
黄色いタコ「……」コクッコクッ
タプリス「あ、でもその前に、天真先輩の家に行かないと……」
- 3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:08:15.091 ID:EJLgb0Wfp.net
- あ〜あ
嘘ついたー
- 4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:09:03.912 ID:F+iQ4OUV0.net
-
-ガヴリールの家-
ガヴリール「そうか。今日は、タコパか……」
黄色いタコ「……」ガクガクブルブル
タプリス「な、何を言ってるんですか、天真先輩!」
タプリス「この子、怯えちゃってるじゃないですか!」
ガヴリール「えっ、食べないの?」
タプリス「当たり前です! こんなかわいい子を食べるだなんて信じられません!」
ガヴリール「か、可愛いか?」
タプリス「だ、大丈夫ですよ、食べたりなんかしませんから」ナデナデ
黄色いタコ「……」ブルブル
ガヴリール「お前には随分、懐いてるみたいだな」
タプリス「そうでしょうか。そうだといいんですけど……」
ガヴリール「でも、久しぶりにタコ焼きが……」
黄色いタコ「……」ビクッ
タプリス「もう、そんなこと言う先輩なんて知りません!」
タプリス「今日はもう、掃除してあげませんから!」
ガヴリール「お、おい。ちょっと待てって」
タプリス「失礼しますね!」
バタンッ
- 5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:10:58.795 ID:6JpTgvTh0.net
- 支援
- 6 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:11:18.080 ID:buCa0QIv0.net
- 支援
- 7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:11:58.915 ID:F+iQ4OUV0.net
-
-下界のタプリスの家-
タプリス「天真先輩ったら、ほんとひどいです」
タプリス「あんなひどいこと、絶対にしませんからね」
黄色いタコ「……」スリスリ
タプリス「あはは、くすぐったいです」
くぅぅぅ
タプリス「あれ、もしかしてお腹の音?」
黄色いタコ「……」カァァ
タプリス「お腹すいてたんですね、ちょっと待っててください」
タプリス「何か食べられそうなものを……って、何を食べるんでしょう……」
タプリス「まぁ、わたしと同じごはんで、良いでしょうか」
- 8 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:13:39.188 ID:E7/S9LGPd.net
- かわいい
- 9 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:13:51.258 ID:buCa0QIv0.net
- ほ
- 10 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:13:52.128 ID:PeHI8UyGd.net
- ほ
- 11 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:13:56.577 ID:F+iQ4OUV0.net
-
黄色いタコ「……」ケフッ
タプリス「ごちそうさまでした」
タプリス「よかったです。美味しそうに食べてくれて」
タプリス「あ、お外に転がっていたせいでしょうか」
タプリス「少し体が汚れていますね」
黄色いタコ「……」カァァ
タプリス「そうだ、一緒にお風呂に入りましょうか」
黄色いタコ「……」パァァ
タプリス「ささ、いきましょう、いきましょう」
- 12 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:14:37.343 ID:t/8hMr8Dd.net
- 割りと表情豊かそう
- 13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:16:28.169 ID:F+iQ4OUV0.net
-
-お風呂場-
タプリス「わしゃわしゃわしゃー、あわあわあわー♪」
黄色いタコ「……」ムズムズ
タプリス「ふふっ、気持ちいいですか?」
タプリス「それじゃあ、流しちゃいますね」
ザバァ
黄色いタコ「……」ブルブルッ
タプリス「あははっ、くすぐったいです」
タプリス「湯船にも浸かりましょう、温まりますよ」
黄色いタコ「……」コクコクッ
- 14 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:19:55.154 ID:F+iQ4OUV0.net
-
-タプリスの部屋-
タプリス「ふわぁぁ。なんだか、もう眠くなってきました」
黄色いタコ「……」ウトウト
タプリス「あなたも、眠そうですね。それじゃ一緒に寝ましょうか」
黄色いタコ「……」コクッ
タプリス「枕、半分ずつ使いましょうね」
黄色いタコ「……」スリスリ
タプリス「ふふっ、くすぐったいですよぉ」
黄色いタコ「……」Zzz
タプリス「あれ、もう寝ちゃいましたか」
タプリス「それでは……わたしもおやすみなさい」
タプリス「……すぴー」
- 15 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:22:48.391 ID:F+iQ4OUV0.net
-
-翌朝-
ちゅんちゅん
タプリス「ん……あさぁ?」
金髪の少女「すぅ……すぅ……」
タプリス「え?」
金髪の少女「……すぅ……んっ」
タプリス「な、ななななななっ!?」
タプリス(こ、この子はいったい誰ですか!? なぜわたしのベッドに!?)
タプリス(よく思い出してみましょう、たしか昨日の晩は……)
タプリス(そうです、黄色いタコさんをお家に招いて)
タプリス(それで一緒に寝て……)
タプリス「って、あれ? タコさんは……」
きょろきょろ
タプリス「ど、どこにもいない……もしかして、出ていってしまったんでしょうか」
- 16 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:24:59.477 ID:v7rxyj8X0.net
- ハニエル?
- 17 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:26:04.164 ID:F+iQ4OUV0.net
-
金髪の少女「んん、ふわぁぁ……」
タプリス「……」ビクッ
金髪の少女「あ……おはようっ」
ぎゅぅぅ
タプリス「えっ? えぇっ!?」
金髪の少女「あの姿でも、私のことを助けてくれたあなたなら」
金髪の少女「たぶん、お話しても大丈夫、だよね」
タプリス「えっと、それってどういう……」
金髪の少女「昨日はありがとう。ほんとに本当にありがとう!」
タプリス「あのっ、その……えっと……き、昨日?」
金髪の少女「うんっ。お腹が空いて動けなくなった私を助けてくれて」
金髪の少女「ごはんをごちそうしてくれたり、お風呂入れてくれたり」
金髪の少女「本当にうれしかった!」
タプリス「えっと……ま、まさか……」
タプリス「あなたが、黄色いタコさん?」
金髪の少女「うん」
- 18 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:28:40.587 ID:F+iQ4OUV0.net
-
金髪の少女「驚かせちゃって、ごめんなさい」
金髪の少女「あまりこのことは、他の人に言っちゃダメって」
金髪の少女「言われてるから……」
タプリス「そ、そうなんですか。こちらこそ、ごめんなさい」
タプリス「大事な秘密を知ってしまって」
金髪の少女「ううん、へーき。あなたになら、言ってもいいって思ったから」
タプリス「ですが、これでは不公平ですし」
タプリス「わたしも自分の秘密をお伝えします」
タプリス「じ、実はわたしは、天界から来た天使なんです!」
ファサッ
金髪の少女「わぁ、すごい綺麗な羽根……」
金髪の少女「本物の天使さんは、初めて見た!」
タプリス「といっても、まだ見習いなんですけどね」
金髪の少女「それでもすごい! 格好いい!」
タプリス「そ、そうですか? えへへ、ありがとうございます」
くぅぅぅ
金髪の少女「あっ……」カァァ
タプリス「お、お腹すきましたよね。わたしもすいちゃいました」
タプリス「とりあえず、朝ごはんにしましょうか」
- 19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:31:46.529 ID:F+iQ4OUV0.net
-
金髪の少女「おいしー」モグモグ
タプリス「そ、それにしても……」
タプリス「どうしてあなたは、あんなところに倒れていたんですか?」
金髪の少女「えっと、この街には仲間と、ある物を探しにきたんだけど」
金髪の少女「いつの間にか、みんなとはぐれちゃって」
金髪の少女「それでそのうち、お腹が空いて動けなくなって、あの姿に……」
タプリス「そうだったんですか……」
金髪の少女「でも、あなたのおかげで、お腹もいっぱいになったし」
金髪の少女「これで、探し物を再開できるよ」
タプリス「探し物って、何なんです?」
金髪の少女「えっと、手のひらにすっぽり収まるくらいの大きさで」
金髪の少女「ハート型をしたピンク色の石! とてもキラキラしてるの!」
タプリス「わぁ……なんだか素敵な石なんですね」
金髪の少女「それを仲間で集めてて、この街にもやって来たんだ」
- 20 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:34:42.869 ID:F+iQ4OUV0.net
-
金髪の少女「それじゃあ、私はそろそろ」
タプリス「……えっと、もしよければ」
金髪の少女「えっ」
タプリス「わたしにも、探し物の手伝いをさせてもらえませんか?」
金髪の少女「こ、ここまで色々してもらったのに……」
金髪の少女「探し物まで手伝ってもらうなんて、悪いから……」
タプリス「そんなこと気にしないでください」
タプリス「それに言ったじゃないですか。わたし、天使なんです」
タプリス「目の前に困った人がいたら、それを助けるのが天使のお仕事ですから」
金髪の少女「……で、でも」
タプリス「天使とかそんなこと抜きにしても、ですね」
タプリス「なんだか、その……あなたは他人な気がしないといいますか」
タプリス「わたし自身が、あなたを手伝いたいと思っているんです」
タプリス「ダメでしょうか」
金髪の少女「ううん、そんなことない。ほんとに嬉しい……」
金髪の少女「ありがとう。やっぱりあなた、本当にいい人」
タプリス「そんな……、でも、どういたしましてです」
タプリス「それでは、行きましょうか」
- 21 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:34:50.182 ID:nf7kxGU30.net
- あく
- 22 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:36:46.925 ID:6JpTgvTh0.net
- ゆでタコにならなくて良かった。
- 23 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:37:46.701 ID:F+iQ4OUV0.net
-
金髪の少女「私の仲間もきっと、同じ物を探してると思うから」
タプリス「それを探していれば、いつかお仲間さんにも会える」
タプリス「そういうことですかね」
金髪の少女「うん、きっと」
タプリス「それでは何かその、他に手がかりとかってありますかね」
金髪の少女「……正直に言ってないの。この街にあるっていうのも」
金髪の少女「噂を聞いただけだから」
タプリス「そ、そうですか……舞天市中を探すとなると」
タプリス「結構大変そうですね……」
タプリス「ダメ元ですけど、まずはわたしの先輩のところに行って」
タプリス「情報収集をしてみましょうか」
金髪の少女「うん、わかった!」
- 24 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:40:35.748 ID:F+iQ4OUV0.net
-
-ガヴリールの家-
ガヴリール「ああ、知ってるぞ」
タプリス「……」パクパク
タプリス(ま、まさかの一発目で、どストライクだなんて!)
ガヴリール「たしか……そんなような石をヴィーネが持ってた」
タプリス「月乃瀬、先輩ですか?」
ガヴリール「ああ……ところで、その子は?」
金髪の少女「……」ガクガク
タプリス「ああ、えっと……この子はですね」
タプリス(タコさんのことは、二人の秘密ですし、誤魔化さないと……)
タプリス「わ、わたしの……そう! 親戚! 親戚の子です!」
ガヴリール「……そっか。たしかに、どことなく雰囲気がお前に似てるな」
ガヴリール「でもなんか、随分怯えてるみたいだけど」
タプリス「あははは、ちょっと人見知りで……」
タプリス(て、天真先輩が昨日、食べようとしたからじゃないですか!)
タプリス「と、とりあえず、情報ありがとうございました!」
タプリス「月乃瀬先輩のところへ行ってみようと思います!」
ガヴリール「おう、車には気をつけろよー」
- 25 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:42:01.183 ID:oYPEcpAN0.net
- 千咲ちゃんシリーズいつも家族と見てます
- 26 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:43:53.561 ID:F+iQ4OUV0.net
-
-住宅街-
タッタッタッ
タプリス「せっかく良い情報をもらいましたから、急ぎましょう」
金髪の少女「うん!」
タプリス「って……わっ、わわっ!」
ドテンッ
金髪の少女「えっ、大丈夫!? って、わわわっ!」
ドテンッ
タプリス「いてててっ」
金髪の少女「あいたたたっ」
ヴィーネ「えっと……大丈夫ですか? って、タプちゃん!?」
タプリス「あ、月乃瀬先輩! ちょうどよいところに!」
ヴィーネ「ちょっと待って。服、汚れちゃってるから、払ってあげる」
タプリス「あ、ありがとうございます……」
ヴィーネ「ほら、そっちの子も。ここに来て?」
金髪の少女「は、はい。ありがとう」
- 27 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:46:11.104 ID:F+iQ4OUV0.net
-
ヴィーネ「これでよしっと」
ヴィーネ「それで、私に何か用事があったの? あと、その子は……?」
タプリス「この子は、えと……わ、わたしの親戚の子です」
ヴィーネ「あ、たしかになんとなく雰囲気が似てるかも」
ヴィーネ「二人とも、とても可愛いところも、そっくりね」
タプリス「そ、そんなことは……」カァァ
金髪の少女「かわいいだなんて……」カァァ
タプリス「そ、それで話を戻しますと」
タプリス「二人で一緒に、探し物をしているんです」
ヴィーネ「探し物?」
タプリス「はい、ピンク色をしたハート型の石なんですが……」
ヴィーネ「あ、もしかして、これのこと?」
キランッ
- 28 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:47:19.600 ID:EJLgb0Wfp.net
- 思い出した
ローリングガールズだ
- 29 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:49:07.210 ID:F+iQ4OUV0.net
-
金髪の少女「そう、それ!」
タプリス「すごいです! こんな偶然があるだなんて!」
タプリス「ちなみに、先輩はこの石をどこで?」
ヴィーネ「昨日、道端で拾ったのよ。普通の石ころには見えなかったし」
ヴィーネ「誰かの落とし物だと思って、これから交番に届けようと思ってたんだけど」
ヴィーネ「これは、その子の物なのね?」
金髪の少女「あ……私のものでは、ないけど……」
タプリス「えと、この子は……その石をずっと探していて」
タプリス「あまりに熱心でしたから、できたら力になりたいと思ってわたしも」
タプリス「今まで手伝っていたんです」
- 30 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:51:08.165 ID:F+iQ4OUV0.net
-
ヴィーネ「そうだったの。じゃあ、これ、あなたにあげるわね」
金髪の少女「え、いいの?」
ヴィーネ「ええ、探してたってことは、誰の物でもないんだろうし」
ヴィーネ「タプちゃんの親戚の子なら」
ヴィーネ「私にとってもかわいい後輩だしね」ニコッ
金髪の少女「あ、ありがとう!」
タプリス「よかったですね! わたしからもありがとうございます、先輩!」
ヴィーネ「いえいえ、喜んでもらえて嬉しいわ」
ヴィーネ「それじゃあ、はい、これ――」
シュパッ
猫「にゃあっ!!」
- 31 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:53:29.225 ID:F+iQ4OUV0.net
-
ヴィーネ「えっ!?」
金髪の少女「あっ!」
タプリス「く、黒い猫さんが、石をくわえてっ!?」
スタターッ
タプリス「お、追いかけないと!」
金髪の少女「う、うんっ!」
タプリス「月乃瀬先輩、ありがとうございました!」
金髪の少女「ほんとにありがとう!」
ヴィーネ「えっ? あ、ちょ、ちょっと!」
- 32 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:55:09.275 ID:F+iQ4OUV0.net
-
タッタッタッ
タプリス「ぜぇ……ぜぇ、あっ! あの塀の上にいました!」
金髪の少女「はぁ……はぁ、あともう少し!」
タプリス「ここの角を曲がりましょう!」
金髪の少女「う、うん!」
タッタッタッ
ぼよんっ バタンッ
金髪の少女「あいたっ!」
タプリス「だ、大丈夫ですか!? って、白羽先輩!?」
ラフィエル「あら?」
- 33 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:57:13.397 ID:F+iQ4OUV0.net
-
金髪の少女「ぶつかっちゃって、ごめんなさい……」
ラフィエル「いいんですよ、それよりも怪我はありませんか?」
金髪の少女「だ、大丈夫! へーき!」
ラフィエル「そうですかそうですかぁ」
タプリス「それよりも白羽先輩! 黒い猫ちゃんを見ませんでしたか?」
ラフィエル「黒い猫ですか? それでしたら、先ほど私の目の前に現れて」
ラフィエル「こんな石を、置いていきましたけど」
キランッ
タプリス「よ、よかったぁ! 白羽先輩、ありがとうございます!」
金髪の少女「ありがとう!」
ラフィエル「えっと……詳しくお話を聞いてもいいですか?」
- 34 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 21:59:32.512 ID:F+iQ4OUV0.net
-
ラフィエル「なるほど。あなたは各地に存在するという」
ラフィエル「この石を集めているんですね」
金髪の少女「……」コクッ
ラフィエル「なんでしょう、この石。何か……不思議な感じがします」
ラフィエル「こんなもの、初めて見ました」
タプリス「白羽先輩でも、ご存知ないのですね」
ラフィエル「ええ。でもまぁそれよりも……」
ラフィエル「お二人が本当に良く似ていることの方が、驚きですが」
タプリス「あはは、今までも先輩たちに言われました」
金髪の少女「……」コクコクッ
ラフィエル「タプちゃんの親戚の子……ですか」
タプリス(うっ……、白羽先輩には、この嘘は厳しかったでしょうか)
ラフィエル「……たしかにそれも、納得です」ニコッ
タプリス(ほっ。バレなくて、よかったです)
ラフィエル「でしたら、この石を――」
シュパッ
犬「わんっ!!」
- 35 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:01:12.978 ID:F+iQ4OUV0.net
-
タプリス「ああっ、今度は犬がっ!」
金髪の少女「……」ズーン
ラフィエル「あらあら……動物は光り物が好きですからねぇ」
タプリス「こうしちゃいられません、追いかけましょう!」
金髪の少女「うんっ! 絶対、捕まえる!」
タプリス「白羽先輩、ありがとうございました!」
金髪の少女「ありがとうっ!」
タッタッタッ
ラフィエル「あの犬はたしか……」
ラフィエル「うふふ、なんだか面白いことになりそうです」
ラフィエル「こっそり、追いかけましょうか」
- 36 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:03:17.024 ID:F+iQ4OUV0.net
-
タッタッタッ
タプリス(うぅ、本当は空を飛んでいきたいですが)
タプリス(人目がありますし、無理ですね……)
金髪の少女「ぜぇ……ぜぇ……」
タプリス(この子も、わたしと同じで、そんなに体力はなさそうですし)
タプリス「はぁ……はぁ……、だ、大丈夫ですか?」
金髪の少女「だ、大丈夫。まだ走れる……」
金髪の少女「それに、せっかく見つけたのに、諦められないから」
タプリス(あの石はこの子にとって、本当に大事なものなんですね……)
タプリス(だったらわたしも、がんばらないと)
タプリス「そ、そうですね! もう少しがんばりましょう!」
金髪の少女「うんっ!」
金髪の少女「あっ! あそこ! 工事してるところに入ってった!」
タプリス「いきましょう!」
- 37 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:05:19.014 ID:F+iQ4OUV0.net
-
-工事現場-
金髪の少女「犬、見つけた!」
タプリス「って、胡桃沢先輩!?」
サターニャ「ん? タプリスじゃない、どうしたのよ」
タプリス「えっと、そのワンちゃんはまさか……」
サターニャ「ええ、私の使い魔よ」
タプリス「あの、そのワンちゃん、口に石を咥えてませんでしたか?」
サターニャ「ああ、これのこと?」
キランッ
タプリス「そ、それです! よかったぁ、なくなっていなくて」
サターニャ「私の使い魔にふさわしい、いい仕事ぶりね」
サターニャ「大悪魔である私に、ぴったりの輝き、気に入ったわ」
タプリス「あ、えと……それはですね」
タプリス「この子が、ずっと探していた物でして……」
金髪の少女「……」コクッ
- 38 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:07:27.744 ID:F+iQ4OUV0.net
-
サターニャ「なに、その子の物なの? これは」
金髪の少女「そういうわけじゃないけど……」
サターニャ「だったら、これは私の物ね」
タプリス「えっ!? な、何を言って……」
サターニャ「そりゃそうでしょ、私の使い魔が持ってきたんだから」
タプリス「でも、そのワンちゃんがわたしたちから、その石を奪って……」
サターニャ「そんなの知らないわ。私はこれが気に入ったの」
サターニャ「だからこれは、私の物よ!」
タプリス「く、胡桃沢先輩の分からず屋! この悪魔!」
サターニャ「なはっ、最高の褒め言葉だわ!」
金髪の少女「せっかく、見つけたのに……」
タプリス「うぅ……どうしたら」
ラフィエル「でしたら、その石の所有権を賭けて」
ラフィエル「勝負で決着をつけるのはどうでしょうか!」
- 39 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:09:20.222 ID:F+iQ4OUV0.net
-
サターニャ「なっ、あんた、どこから湧いてきたのよ」
タプリス「白羽先輩!? ど、どうしてここに……」
ラフィエル「まあ細かいことは良いじゃないですか」
ラフィエル「サターニャさん。その石は、私がこの子たちにあげたんです」
サターニャ「そ、そう。それがどうしたってのよ」
ラフィエル「だから半分は、この子達にも」
ラフィエル「その石を受け取る権利があるのかなぁと思いまして」
ラフィエル「ですので、ここは勝負できっちり力の差を見せつけた方が」
ラフィエル「石の所有者であると、自信を持って言えると思うんです」
サターニャ「……なるほど、一理あるわね」
タプリス「じゃ、じゃあ……」
サターニャ「そうね、その勝負受けて立つわ!」
サターニャ「あんた達みたいな、ちんちくりん」
サターニャ「二人まとめてかかってきなさい!」
- 40 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:10:48.318 ID:lsaFmg/l0.net
- そうですかそうですかぁ、好き
支援
- 41 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:11:24.342 ID:F+iQ4OUV0.net
-
サターニャ「で、何で勝負するのよ?」
ラフィエル「そうですね……では、綱引きなんてどうでしょうか」
ラフィエル「ルールは簡単です。合図と同時に綱を引っ張りあって」
ラフィエル「綱の中心が、自分のスタート地点まで到達した方の勝ちとします」
サターニャ「なるほどね。力の差を見せつけるのに、これ以上の種目はないわ」
サターニャ「ふふっ、一瞬で終わらせてあげる」
タプリス(綱引き……ですか)
タプリス(わたし一人なら、絶対、胡桃沢先輩には勝てませんが……)
タプリス(この子と二人でなら……勝機はあります!)
タプリス「手強い相手ですが……が、がんばりましょう!」
金髪の少女「うん、がんばろー!」
ラフィエル(うふふ、盛り上がってきました)
- 42 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:13:43.470 ID:F+iQ4OUV0.net
-
ラフィエル「それでは、準備はいいですか」
サターニャ「ええ! いつでもいいわ!」
タプリス「はい!」
金髪の少女「おっけー!」
ラフィエル「それでは、レディ……ゴー!!」
グイッ
タプリス「ぐぅぅぅぅっ!!」
金髪の少女「な、なにこれ! すごい力っ!」
サターニャ「なーはっはっはっ! 二人がかりで、そんなもんなの!?」
サターニャ「相手にならないわね!!」グイッ
タプリス「な、なんて馬鹿力なんですかぁぁぁ!」
サターニャ「あ、今あんた馬鹿って言ったわね!?」グイッ
タプリス「ぐえっ、火に油をそそいでしまいましたぁ!」
- 43 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:16:07.409 ID:F+iQ4OUV0.net
-
グイッ グイッ
タプリス「うぅ……このままじゃ、負けちゃう!」
金髪の少女「……諦めない!」
タプリス「えっ!?」
金髪の少女「絶対、諦めない!!」
タプリス「……」
サターニャ「なはっ! その根性だけは褒めてあげるわ!」
サターニャ「でも、これでおしまいよ!!」グイッ
金髪の少女「負けないぃぃぃ!! まだ負けてないもんん!!」グイッ
タプリス「……そうですよね!! 諦めたら……」
タプリス「諦めたら、そこで終わりですよね!!」グイッ
タプリス(力で勝てないなら……別の何かで……)
タプリス(考えるんです……考えないと!)
タプリス(……)
タプリス(そうだ! これです!)
- 44 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:19:15.382 ID:F+iQ4OUV0.net
-
タプリス「マフラーよ! 伸びて!!」
シュイイイイン
サターニャ「なはっ、苦し紛れで何をするかと思ったら」
サターニャ「そんなあさっての方向に飛ばして、私に攻撃したつもり?」
タプリス「違います! わたしが攻撃したのは……あのパイプです!」
ガゴンッ プシュゥゥゥゥ
サターニャ「な、何よこれ! 煙たっ!?」
サターニャ「ふぇ、ふぇ……ぶえっくしゅん!!」
サターニャ「ずるっ……な、涙と鼻水がとまら……へっくしゅん!!」
サターニャ「ぐぬぬ、こんな小細工をして……」
サターニャ「で、でも、これだけ煙が蔓延してたら、向こうだって……」
グイッ グイッ
サターニャ「なっ!? 全然、あっちの力が弱まらない!?」
サターニャ「ど、どうして!?」
タプリス『しゅこー、しゅこー』
金髪の少女『しゅこー、しゅこー』
サターニャ「ガ、ガスマスクですって!?」
- 45 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:22:13.490 ID:F+iQ4OUV0.net
-
タプリス『胡桃沢先輩が弱っている、今がチャンスです!』
金髪の少女『こっから逆転するっ!』
タプリス・金髪の少女『おーえす! おーえす!!』グイッ
サターニャ「こ、こんなの卑怯よ! 審判、とめなさい!」
ラフィエル『しゅこー、……セーフ!』
サターニャ「あ、あんたまでぇぇ!」
サターニャ「このぉ……大悪魔のサタニキア様がぁ!」
サターニャ「ぶえっくしゅん! たかが、煙くらいで!!」グイッ
タプリス『ぐっ、あんな状態でもまだ、これだけの力をっ!?』
タプリス『なんて化物ですか!?』グイッ
金髪の少女『一緒に歌おう』
タプリス『えっ?』
金髪の少女『1、2、3、ハイッ……』
金髪の少女『栄光に向って走るぅ!』グイッ
タプリス(ま、まさか、これは……)
金髪の少女『あの列車に乗って行こうぅ!』グイッ
タプリス(わたしの大好きな……、わ、わかりました!)
- 46 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:25:21.653 ID:F+iQ4OUV0.net
-
タプリス『はだしのままで飛び出してぇ!』グイッ
タプリス『あの列車に乗って行こうぅ!』グイッ
サターニャ「な、なに!? なんの歌よ!?」グイッ
ラフィエル『これは……あの伝説の……』
金髪の少女『見えない自由がほしくてぇ!!』グイッ
タプリス『見えない銃を撃ちまくるぅ!!』グイッ
タプリス・金髪の少女『本当の声を聞かせておくれよぉ!!!』グイッグイッ
サターニャ「ぐぬぅぅぅぅっっ!!」グイッグイッ
金髪の少女『トレイン! トレイン! 走って行け!!』グイッグイッ
タプリス『トレイン! トレイン! どこまでも!!』グイッグイッ
サターニャ「わ、私はぁぁぁぁぁっ!!」グイッグイッ
金髪の少女『トレイン! トレイン! 走って行け!!』グイッグイッ
サターニャ「負けないぃぃぃぃっ!!」グイッグイッ
タプリス『トレイン! トレイン――』グイッグイッ
タプリス・金髪の少女『どこぉぉまぁぁでもぉぉぉ!!!!』グイッグイッグイッ
サターニャ「ぐあぁぁぁぁぁぁっ!!」
- 47 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:28:27.656 ID:F+iQ4OUV0.net
-
ラフィエル『勝者、タプちゃんチーム!』
サターニャ「そ、そんな……私が負けるなんて……」
タプリス『やったぁ!! やりましたよぉ!!』
金髪の少女『私たちの勝ち!!』
ガシッ ぎゅぅぅ
タプリス『わたしたち、やったんです!! うわーん!!』
金髪の少女『二人で一緒に、勝てたぁ!! うぇーん!!』
ラフィエル『あらあら、なんだか私まで泣けてきちゃいます』
サターニャ「みんなガスマスクだらけで、怖いだけよ!」
サターニャ「……でもまあ、一対一なら負けなかったけど」
サターニャ「一対ニだったから、仕方ないわね。この石はあんたたちにあげるわ」
- 48 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:29:58.370 ID:rBIwnAUk0.net
- 熱い
- 49 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:30:38.438 ID:F+iQ4OUV0.net
-
ラフィエル「うふふ、素晴らしい負け惜しみですね」
サターニャ「うっさいわね! あげるって言ってるんだから、それでいいでしょ!」
タプリス「あ、ありがとうございます! 胡桃沢先輩!」
サターニャ「ふんっ。でもまぁ、あんたたち二人のチームワークは」
サターニャ「それほど悪くなかったわ」
サターニャ「ほら、受け取りなさい」
金髪の少女「あ、ありがと――」
シュパッ
カラス「カァカァカァ」
サターニャ「あ」
タプリス「あ」
金髪の少女「あ」
ラフィエル「あらあら」
- 50 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:33:14.388 ID:F+iQ4OUV0.net
-
-夕方 河川敷の草むら-
ガサガサ
タプリス「たしかこっちの方に飛んでいったはずなんですけど……」
金髪の少女「もう随分探してるけど、見つからない……」
タプリス「そうですね、そろそろ日も暮れそうですが」
タプリス「でも、がんばりましょう! まだ探すことはできますから!」
金髪の少女「……もういいよ」
タプリス「えっ」
金髪の少女「もう十分、探したから」
タプリス「……」
金髪の少女「ここまで一緒に探してくれて……」
金髪の少女「ほんとに本当にありがとう」
- 51 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:35:34.002 ID:F+iQ4OUV0.net
-
タプリス「……駄目です」
金髪の少女「えっ?」
タプリス「だってあの石は、あなたにとって大切な物なんですよね?」
タプリス「だったらまだ、諦めちゃダメです! 探しましょう!」
金髪の少女「どうして……」
タプリス「……」
金髪の少女「どうして、そこまでしてくれるの?」
金髪の少女「私たち、昨日会ったばかりなのに。本当にいろいろ……」
金髪の少女「たくさん、私のためにしてくれて」
金髪の少女「ねえ、どうして?」
タプリス「……そんなの、決まってるじゃないですか」
タプリス「あなたのこと……友達だと思ってるからですよ」
金髪の少女「……ッ」
- 52 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:37:46.261 ID:F+iQ4OUV0.net
-
タプリス「わたしが天使だって、今朝言いましたよね」
タプリス「実はまだ、この下界に来て日も浅くて」
タプリス「今日お会いした先輩たち以外で……あなたが」
タプリス「初めてできた……わたしのお友達だからです」
タプリス「だからわたしは……あなたの、あなたの力になりたい」
タプリス「それが答えじゃ、ダメですか?」
金髪の少女「……私なんかのこと、友達だって思ってくれてるの?」
タプリス「当然じゃないですか」
金髪の少女「あんな変な姿になっちゃうような体なんだよ?」
タプリス「そんなこと言ったら、わたしは天使です」
金髪の少女「で、でも……」
タプリス「……今日一日、あなたと過ごして、ですね」
タプリス「本当に、楽しかったんです」
金髪の少女「……」
- 53 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:40:24.989 ID:F+iQ4OUV0.net
-
タプリス「あなたは、どうでしたか?」
タプリス「わたしと過ごして、どうだったでしょうか?」
金髪の少女「……私だって」
タプリス「……」
金髪の少女「私だって、ほんとに本当に楽しかった!」
金髪の少女「私だって……あなたと友達になりたい!」
タプリス「一緒に過ごして、楽しいと思える人なら」
タプリス「それはもう、友達だとわたしは思うんです」
タプリス「……わたしの尊敬する人の言葉の、受け売りですが」
金髪の少女「そ、それじゃあ……」
タプリス「順序が逆になってしまいましたね。えっと……」
タプリス「わたしと……友達になってくれませんか?」
金髪の少女「……うんっ」
- 54 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:42:40.472 ID:RwVe8P3Cd.net
- ローリングガールズクロスとか珍しすぎない
- 55 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:42:41.227 ID:F+iQ4OUV0.net
-
パァァァッ
タプリス「えっ、空から光が……」
金髪の少女「これは、もしかして……」
コトッ キランッ
タプリス「嘘!? これ、あの石ですよ!?」
タプリス「カラスさんが空から落としてくれたんでしょうか!?」
金髪の少女「……」
タプリス「何にしてもよかったぁ……これで目標達成ですね!」
金髪の少女「……う、うんっ!」
タプリス「本当に、本当によかったです」ニコッ
金髪の少女「……ッ」
タプリス「どうしました?」
金髪の少女「ううん、今あなたが……」
金髪の少女「私の仲間の笑顔にそっくりだった」
タプリス「そ、そうなんですか?」
- 56 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:45:27.944 ID:F+iQ4OUV0.net
-
金髪の少女「今まで、すごい力を持つ人たちをたくさん見てきたけど」
金髪の少女「その子は、そんな特別な力は全然なくて」
金髪の少女「でもその代わり、人一倍、誰かのために……いつも一生懸命で」
金髪の少女「いつもいつも、元気をもらってた」
タプリス「そうですか……」
タプリス「わたしもいつか、そんな人になりたいですね」
金髪の少女「……大丈夫、もうなれてるよ」ボソッ
タプリス「……? 何か言いましたか?」
金髪の少女「なんでもなーいっ」
ブロロロロロッ
女の子1「あっ! あそこにいるの、そうじゃない!?」
女の子2「ほんとだ! もう、心配かけさせやがって!」
金髪の少女「あ! みんな! 来てくれたんだ!!」
タプリス「……みんな?」
金髪の少女「うんっ! 私と一緒に旅をしている仲間!」
タプリス「あの方たちが……、って、バイクで旅していたんですね、すごいです」
タプリス「でも、それじゃあ。もしかして……」
金髪の少女「そうだね……もう、この街とはお別れしないと」
- 57 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:48:32.036 ID:F+iQ4OUV0.net
-
女の子3「すみません、この子がお世話になりました」
タプリス「い、いえ、そんな……わたしの方こそ」
女の子1「準備はできた?」
金髪の少女「うん。あ、ちょっとだけ待って」
――
タプリス「どうしました?」
金髪の少女「……これ、あなたにあげる」
タプリス「これは……なっ!? た、大切な石じゃないですか!?」
タプリス「もらえないです、これは!」
金髪の少女「これたぶんだけど、あの時、カラスに取られたのじゃなくて」
金髪の少女「さっき空から新しく降ってきたやつだから」
タプリス「えっ? どういうことです?」
金髪の少女「理由はわからないけど……きっと、あなたのところに降りてきた石」
金髪の少女「だから、あなたに受け取って欲しい」
タプリス「で、でも……」
金髪の少女「友達の証」ニコッ
タプリス「……ッ」
- 58 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:49:50.385 ID:jliQdY4Va.net
- 千咲ちゃんシリーズすこ
- 59 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:52:21.580 ID:F+iQ4OUV0.net
-
金髪の少女「どんなに離れてても……、これがあればずっと」
金髪の少女「あなたと私は、友達でいられるから」
タプリス「……わ、わかりました」
タプリス「あ、ありがとうございます、本当に」
タプリス「ずっとずっと、ぐすっ……大事にしますね」
金髪の少女「……泣かないで、またきっと会えるから」
タプリス「はいっ、また遊びに来てくださいね」
金髪の少女「うんっ、約束」
タプリス「はい、約束です」
タプリス「そうだ、最後に……ごめんなさい、色々バタバタしていて」
タプリス「一番大切なこと、聞くのを忘れていました」
金髪の少女「あははっ、そうだね。私もずっと忘れてた」
タプリス「わたし、千咲=タプリス=シュガーベルっていいます」
タプリス「あなたのお名前を、教えてくれませんか」
金髪の少女「はいっ、私の名前は――」
- 60 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:55:08.335 ID:F+iQ4OUV0.net
-
ブロロロロロッ
タプリス「……行ってしまいましたね」
タプリス「わたしも、いつかあんな風に」
タプリス「仲間と一緒に旅とか、してみたいです」
キランッ
タプリス「ほんとに綺麗な石」ギュッ
タプリス「……わたしずっと、待ってますから」
- 61 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 22:57:10.598 ID:F+iQ4OUV0.net
-
女の子1「……少しくらい、この街に留まってもよかったんだよ?」
金髪の少女「ううん、いいの」
金髪の少女「だってあの子は、これからもずっと……」
金髪の少女「私の友達だからっ」
女の子1「そっか」ニコッ
ブロロロロロッ
金髪の少女「……」
金髪の少女「素敵な思い出をありがとう」
金髪の少女「バイバイ、舞天市。そして……」
『バイバイ、もう一人のちーちゃん』
おしまい
- 62 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 23:00:10.149 ID:rBIwnAUk0.net
- 乙
- 63 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 23:00:30.698 ID:7WtmzAb60.net
- 乙
- 64 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 23:01:02.414 ID:jUwfYSg60.net
- 綺麗な話だった
- 65 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 23:01:49.474 ID:F+iQ4OUV0.net
- タプリスと千綾は生きがい
- 66 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/01(月) 23:02:28.778 ID:EJLgb0Wfp.net
- 乙
- 67 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/05/02(火) 00:44:49.197 ID:mKMJwAaY0.net
- 乙乙
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