■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
寂静廃址
- 1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 03:32:10.800 ID:ZUUAXJvS0.net
- 第一回 藤原町に巨人の屍を見たっ! その1
https://hkawa.exblog.jp/11111522/
- 2 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 03:32:31.941 ID:ZUUAXJvS0.net
- 白石鉱業・藤原鉱山
三重県員弁郡藤原町白石
アクセス方法
国道365号線、三重県の岐阜県との県境附近。白石公園向かいの道を入る。
滋賀県からは、多賀町の国道306号線を東に、鞍掛峠を超えて365を北上すぐ。
或いは、国道21号線で岐阜県関ヶ原へ、365に入り南下。
1999年6月5日 土曜日 晴れ時々くもり
- 3 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 03:33:15.735 ID:ZUUAXJvS0.net
- その日は、時々曇るものの、雨の心配の無い絶好の天気だった。我々h川口探検隊
総勢1名は、一人の脱落者を出す事もなく(当たり前っ)、目的地である白石公園に
到着した。
正面の道を入ると目的地へは一直線であるが、この道は道路工事中のように見受けら
れ、奥まで辿り着くのは困難のようだ。遠くから勇姿を眺める事は可能だが、でき得
る限り近付きたい。別ルートの探索にあたった。
国道365号線をほんの少し北上すると、左手に旧国道へのルートがある。侵入する
とすぐ三叉路があり、左方面は山中へと伸びている。
迷わず左手に進路をとると、廃屋が現れた。あるいは坑夫の住居であったのだろうか、
かなり良い感じに荒廃していたが、今回の目的はあくまでも廃坑である。涙を飲んで進む。
(っちゅうか、写真撮るの忘れてた)
すぐに道は未鋪装路となった。完全に山道である。ここからは、スクーターを諦め徒歩で
の行軍である。(ああ、オフロードバイクが欲しい・・・)ところが、いくらも歩か
ないうちに、探検隊は大きな障害にその行く手を阻まれたのである!
- 4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 03:35:30.917 ID:ZUUAXJvS0.net
- 突然現れたバリケードと密林
https://i.imgur.com/7GAxCXh.jpg
バリケード前に倒れていた立入禁止の看板には「落石多発」の文字が・・・
https://i.imgur.com/mb86FCD.jpg
- 5 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 03:36:21.044 ID:ZUUAXJvS0.net
- それまではまだ山道とはいえ、道は道として存在していた。だが、ここからは草木が
道を覆い、判別のつかない状態となっている。もし足を踏み外したら、片側は険しい
崖である。それに看板の「立入禁止」と「落石多発」の文字が・・・
隊長 「我々は法を犯す訳にはいかない。立ち入りが禁止されている以上、進む事はで
きないのだ。それに、私には君たち探検隊員の命に責任があるのだ。分かってくれ」
一同 「たいちょぉ〜」
隊長の言葉に、泣く泣く進行を断念するh川口探検隊であった。(実のところ臆病者
のh川口は、ほとんど躊躇することなく引き返す事を決めたんやけど。)
意気消沈でスクーターまで戻ったときである。撮影担当である隊員Bが、山間に茂る
木々の隙間から目的の物件を確認できる事を発見した。シャッターを切る。
- 6 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 03:38:53.293 ID:ZUUAXJvS0.net
- この道は、この建物の上部辺に通じてると踏んでいたのだが
https://i.imgur.com/HuA1vEk.jpg
400mm望遠でもここまでしか寄れない
内部は見えない
https://i.imgur.com/m0JnBJj.jpg
これは下の方にある部分
やっぱり、もうちょっと寄りたい
https://i.imgur.com/s5XvbUJ.jpg
別アングルから
どうやっても内部は見えない、残念
https://i.imgur.com/SLMu2Jj.jpg
- 7 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 03:39:28.603 ID:ZUUAXJvS0.net
- やけくそ気味でフィルム1本を使い切ったが、この事が後で後悔になるとは、
この時は思いもしない探検隊の面々であった。
その2につづく
- 8 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 03:42:21.914 ID:ZUUAXJvS0.net
- その2
さて、山際から回り込むルートが失敗に終わった訳であるから、ここは正面から攻める
しかなくなった。旧国道を出て、引き返す。
白石公園まで戻ると、正面の道を進行する。田植えの終わった田園の先に、山間に広
がる勇姿が見える。
https://i.imgur.com/hwldqQb.jpg
斜めからの撮影で、小さく纏まって見えるが、本当はもっと横に広がっている。
腕と撮影器材が悪いのです。(主に腕が)
ああ、広角レンズが欲しい。
- 9 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 03:45:53.655 ID:ZUUAXJvS0.net
- この道を奥に進めば、近付く事ができるかもしれない。しかし、案の定、道路工事の
器材が置いてあり、工事中の雰囲気である。
が、工事の音はしていない。通行止めのバリケードも横にどけてある。
工事は休みか?
とりあえず、スクーターは置いておき、徒歩で進んでみよう。・・・やはり休みのよ
うだ。問題ない。
右手に広がる廃坑を横目に進むと、水道局の真新しい施設を越え、道は未鋪装路にな
る。だらりと垂れ下がった鎖が、我々の行く手を塞いでいた。(行く手を塞いでっち
ゅう程のもんでもないんやけどね。鎖は路上を這っているだけ)
隊長 「むむ、またしても立ち入り禁止かぁ?」
副隊長「さっきのと違い、草木が覆っている訳ではありません。大丈夫、進めますよ」
隊長 「ばかものっ!法を犯してはならないという我々の隊則を忘れたかっ!」
副隊長「しかし、ここまできて・・・」
隊員A「たいちょ〜、看板があります〜」
隊長 「なになに、風穴の調査・観察に来た人は、御自由にお通りください」
隊員A「どうしましょ〜」
隊長 「よしっ!我々は風穴の観察に来て、たまたま廃坑にでくわしたのだっ!」
隊員A「なるほど〜」
副隊長「それって、詭弁じゃぁ・・・」
隊長 「うるさいっ!ゆくぞっ!」
というやり取りがあったのか(ないって)、h川口探検隊は道を進む。
- 10 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 03:48:33.873 ID:ZUUAXJvS0.net
- 拍子抜けするほど簡単に、そこに辿り着いた。
川にかけてある橋を渡ると、立て板で侵入できないようにしてあるものの、
一番表に位置する建物だけは、内部を覗き込む事ができたのだ。
隊長 「隊員B、出番だぞ。」
隊員B「・・・」
隊長 「無口なやつ」
撮影担当の隊員B、冷静な彼も興奮を押さえきる事は出来ず、夢中でシャッターを
きるのであった。
- 11 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 03:55:53.503 ID:ZUUAXJvS0.net
- 通路用の小さな橋の上から撮影
右の建物の内部を覗くことが可能
https://i.imgur.com/fESSM6P.jpg
さっきの写真の左側
人工の滝(?)があり、いい感じ
https://i.imgur.com/9Jddj87.jpg
足下の開口部から中を覗く
換気用か?
https://i.imgur.com/FnaHZhM.jpg
- 12 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 03:57:36.159 ID:ZUUAXJvS0.net
- 静寂の中に佇む機械群
かつては、咆哮をあげて活躍していたのだろう
https://i.imgur.com/NBwWHX1.jpg
草木の侵食は緩やかに、但し確実に進み往き、やがて万物は土に還るのであろうか
https://i.imgur.com/howqR21.jpg
建物の左側には、廃材が山積みされていた
もとは建物だったのか?
https://i.imgur.com/h7CDsfd.jpg
- 13 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 04:01:33.245 ID:ZUUAXJvS0.net
- 今来た通路を撮る
通路の先に見える建物もいい感じ
でも、立て板で塞がれているので、侵入はできない
https://i.imgur.com/zMpt1K6.jpg
寂びた機械はものを言わない
彼らの愚痴を聞いてみたい気もする
「俺も当時は最新鋭機種でよぉ、そりゃ皆から重宝されたもんよ」
なんて言うのだろうか。
https://i.imgur.com/BLpYWIA.jpg
通路から、川におりる階段
川と言っても、コンクリートで固められた浅いもの
https://i.imgur.com/2Ak0L7F.jpg
見上げると、山の中まで炭坑施設が続いている
この階段は、どんな所に通じているのだろう
昔は、どんな人が、どんな想いで登ったのだろう
夢は膨らむ
https://i.imgur.com/5JVlW1d.jpg
- 14 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 04:03:30.912 ID:ZUUAXJvS0.net
- 入り口から覗く
左に見えるのは、機械を監視する職人さんの待機場所だろうか
https://i.imgur.com/B9ScPT5.jpg
狭い待機所風の小部屋
とってもいい感じ
作業簿なんかが置いてあったら最高なのだが
https://i.imgur.com/ZZcUP04.jpg
通路用の小さな橋の正面
通路らしいが、立て板で塞いである(写真下部)
あぁ、入ってみたい
https://i.imgur.com/3X2B5iT.jpg
- 15 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 04:07:52.557 ID:ZUUAXJvS0.net
- ここで撮れそうな写真は撮り終わったのか、辺を見回す隊員B。(実は、このホーム
ページの編集中に、ぎょうさん撮り忘れている事に気付いたのだが、これは別の話)
隊員A「たいちょ〜、副隊長が握りこぶしくらいの蜂に追い掛け回されてます〜」
隊長 「放っておけ」
副隊長「たーすーけーてーーー・・・」
隊長 「そんな事より、写真は完全か、隊員B?」
隊員B「・・・」(首をかしげる隊員B)
隊長 「どうした、何か問題か?」
隊員A「フィルムが足らなくて、これ以上撮影したら後の分が無くなるそうです〜」
隊長 「なんだとぉ!どういう事だっ!」
副隊長「ぜー・・はー・・ぜー・・はー・・」(ようやく蜂から解放された副隊長)
隊長 「副隊長、物資調達は君の担当だったな。貴様、フィルム代をケチったなっ!」
隊員A「ガソリン代もですよ〜、僕ぁ、無事帰れるか心配だなぁ〜」
隊長 「どういう事だっ!まさか、浮いた資金を着服しているのではないだろうな」
副隊長「そんなぁ、隊長が今回はお金がないって・・・」
隊長 「言い訳無用だっ!へそくりがあっただろう、あれはどうした?」
隊員A「へそくりは、昨日隊長が山口紗弥加写真集を買うのに使ってました〜」
隊長 「そ、そ、そうだったかな。まぁ、ともかく、フィルムが足りないのなら仕方
ない。つぎの場所に移動だっ!」
隊員B「・・・」(肩を竦める隊員B)
その3につづく
- 16 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 04:10:31.135 ID:ZUUAXJvS0.net
- その3
この場所から伸びる通路は、正面と左、右の3本であるが、左の通路は既に撮影した。
残る2本の通路はいずれも立て板で遮られ、侵入する事はできないようになっている。
しかし、バリケード越しに垣間見る景色は、廃址心をくすぐる、非常に「いい感じ」
である。
隊長 「うーん、中を見てみたいぞっ!」
隊員A「どーも、無理っぽいですね〜」
隊長 「見たいったら、見たいんだいっ!」
隊員A「まるで駄々っ子ですね〜」
隊長 「副隊長、お前、ちょっとこの壁を乗り越えて行ってこいっ!」
副隊長「えぇっ!」
隊長 「大丈夫だ。不法侵入で見咎められた場合は、血気逸った副隊長の独断という
ことで我々は知らんぷりするから」
副隊長「そんなぁ、だめですよぅ。そもそも、隊員Bがいなければ写真が撮れないで
す」
隊長 「チッ、使えない奴め!」
仕方がないので、外側から撮影を開始する。
今回は道路からの撮影なので、じっくり三脚を据えて撮影を開始する隊員Bであった。
- 17 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 04:30:28.851 ID:ZUUAXJvS0.net
- 先程、山道側で撮影した建物
下からは、また違った雰囲気
https://i.imgur.com/EgJxwV7.jpg
山肌に張り付くように点在する施設たち
良いねー
https://i.imgur.com/GHxOYfM.jpg
木々に覆われ、遺跡と化していく
中央部にある階段、登ってみたい
https://i.imgur.com/ud1q287.jpg
結構、大規模な鉱山だったのだろう
https://i.imgur.com/8DFDErS.jpg
ちょっとズーム
石垣が立派
ああ、素晴らしいっ!
https://i.imgur.com/c0uTFIA.jpg
- 18 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 04:32:57.269 ID:ZUUAXJvS0.net
- 木造の建造物ってのは、以外と丈夫
歪んでも倒れず、それがまた「味」をだす
https://i.imgur.com/vn1jejZ.jpg
これは、トンネルなのかなぁ
ずっと地中まで伸びてるのかなぁ
廃址を前にした想像力は羽根を持つ
https://i.imgur.com/81V34Mq.jpg
4枚の写真を繋いでみたら、パノラマ風に広がりができた
もともと繋ぐつもりで撮影した訳ではないので、中途半端な写真なのは仕方ない
しかし、やっぱりいいなぁ、この廃址
https://i.imgur.com/QwcBcqs.jpg
- 19 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 04:36:13.358 ID:ZUUAXJvS0.net
- 住居であろうか
他とは一風違った建物である
もしかして、関係ない建物なら御勘弁を
https://i.imgur.com/DizS5Iu.jpg
窓から垣間見る内部の様子が、また色々な想像を掻き立てる
https://i.imgur.com/96j9TXg.jpg
うーん、いい朽ち具合
https://i.imgur.com/6DhPQdM.jpg
窓枠が落ちないで残っているのが、またいい味である
この状態は、いま、この瞬間でなければ見られないのだろうなぁ
https://i.imgur.com/1Kq1qHs.jpg
- 20 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/06/07(木) 04:39:03.272 ID:ZUUAXJvS0.net
- ここまで撮影し、とうとうフィルムが無くなってしまった。
隊長 「なんて事だ。まだ撮影しておきたい所は沢山あるっていうのに」
隊員B「・・・」(肩を竦めて首を振る隊員B)
隊員A「しかたないですね〜、また来ましょうよ〜」
隊長 「当然だっ!また来るぞ、来るともっ!」
隊員A「(それより、帰りのガソリンがぎりぎりなんですよね〜)」(小声で話す隊員A)
隊長 「(大丈夫なのか?)」
隊員A「(重量を減らせば、なんとか保ちます〜)」
隊長 「(よし、判った) おーい、副隊長!」
副隊長「なんですか、隊長」
隊長 「我々は、廃址がそのままで保たれる事を望んでいる。そうだな?」
副隊長「そうです」
隊長 「その為には、微力ながら我々にも、廃址を汚さない努力が必要だな?」
副隊長「当然です」
隊長 「では副隊長。その辺を見回って、我々がゴミをしていないか確認してくれ」
副隊長「了解です」(辺をキョロキョロ、駈けていく副隊長)
隊長 「・・・よし、帰るぞ。出発だ!」
隊員A「わかりました〜」
隊員B「・・・」(肩を竦める隊員B)
暮れなずむ夕日の中、真面目にゴミを拾う副隊長の陰が、いつまでも揺れていた・・・
おわり
総レス数 20
14 KB
掲示板に戻る
全部
前100
次100
最新50
read.cgi ver 2014.07.20.01.SC 2014/07/20 D ★