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自分を見つめ直すために人生を振り返る

1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 11:22:07.646 ID:q8TP6gXE0.net
色々あって人生を振り返りたいと思ったから勝手に書いてく
色々とクズいこととかどうしようもないことも書いていくけど身バレしないようにある程度は気を付ける
まあ友達ほとんどいないし大丈夫だとは思うけどな

2 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 11:23:08.834 ID:YC1p1pVB0.net
>>1
君は何されてる方?

3 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 11:23:15.471 ID:mElKz/F40.net
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4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 11:28:39.788 ID:q8TP6gXE0.net
記憶に関しては今の自分が振り返ったものだから現実とは乖離があると思う
フロイトあたりがそんなことを言ってたと思う

まずは幼稚園時代
幼稚園が嫌いな子供だった
NHKであってたガンコちゃんを見たかったから行きたくなかったとかそういうことを言っていた気がする
でも家が幼稚園から近すぎてすぐに園長が引きずって俺を幼稚園に連れて行った
幼稚園に行くと大抵幼稚園に行く前から知っていた女子(Kとする)とばかり遊んでいた
初恋の女の子といえる。中学校までは同じ学校だった。まあそれは後で語る。
幼稚園の二年生の組(なんか花の名前だったと思う)になったとき二人新しい生徒が来た
MとUという二人の男だ
俺はこの二人と仲良くしていた。特にMとはよく遊んで64のゲームを貸しあったり一緒にしたりしていた。
俺はMとUとKとよく幼稚園を脱走していた
まあ具体的なことはほとんど覚えてないんだけど
そうやって仲良くなったMだったが、彼は幼稚園の卒業式で別の小学校に行ってしまった。
それが悲しくて俺は卒園式で泣いていた。隣にいたKが男の子は泣くなと言っていた。
幼稚園の思い出はせいぜいこんなところ
ある意味一番幸せな頃だったかもしれない。

5 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 11:28:59.893 ID:q8TP6gXE0.net
>>2
普通のサラリーマン

6 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 11:33:27.092 ID:q8TP6gXE0.net
小学校に関しては低学年の頃の記憶がほとんどない。
まあ記憶力がよくないだけだな。古い記憶は本当にどうしても覚えていない。
小学校に上がると幼稚園から一緒じゃない人が半分くらいいた。一学年三十人を切っているような過疎学校だった。
俺ははじめ知らない保育園やら幼稚園から上がってきた連中に腰が引けていたと思う。
ただ低学年の頃というのは不思議なもので、気づいたら全員友達みたいになっていた。
喧嘩はもちろん山のようにあったけれど、基本的には仲のいいクラスだった。
俺は喧嘩するとよく物理的に人にかみついて怒られていたことを覚えている。
そういえば低学年は高学年の生徒に面倒を見られるという制度があった。
六年生が一年生の世話をする、みたいなやつ。
そこで一緒になった生徒のことはよく覚えていないけれどよくしてもらった気はする。
たぶん、一番人から世話を焼いてもらった時期がこのころだと思う。

7 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 11:41:15.837 ID:q8TP6gXE0.net
小学校の中学年(ていうのかは知らん)
この辺りになるとクラスの中には少しずつ不和が生まれてくる。
恋愛沙汰はなかったけれど、明確に運動能力の差や学力の差が見えてくるころあいだ。
ちなみに担任の教師はそう言ったものを気にせず人の点数を読み上げるような人間だった。
それと給食を食べ終わるまで昼休みをくれない人で生徒から嫌われていた。
そういえば忘れ物をすると校庭を走って戻ってくるというペナルティを課していたけれど、生徒は楽しんでいたから意味はなかったな。
まあ何はともあれ、浮く生徒が出てきた。俺はこの時はまだ浮いていなかったと思いたい。
浮いていた生徒は鼻くそを人の前でほじる生徒や犬の毛をいつもつけている生徒、あとは鼻水で袖がぐしゃぐしゃな生徒だった。
きたねえ、とはしゃいだように言って鬼ごっこが始まるのを覚えている。
といっても中学年の頃はそんな風にしても少ししたら楽しく一緒に遊ぶことが多かった。明確に派閥が割れるようなことはなかった。
明確に派閥が生まれるのは高学年の頃だ。
さて、この頃の俺はサッカーをしたりドッチボールをしたりするのが好きな子供だった。
もっともサッカーはもっぱらディフェンスだった。パスとドリブルが下手だった。
ただ止める能力と取る能力は高く、幼少期からクラブに入っていた生徒にも抜かれることはほとんどなかった。
そんな俺は、小説を読む生徒を見てよくそんな文字ばっかの本を読めるよね、すごい! とか言っていた。
この時の俺は小説を読むことなんてないと思っていたわけである。

8 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 11:50:40.802 ID:q8TP6gXE0.net
高学年になると明確な派閥が出来上がっていた。
いつの間にかいつもサッカーをするアウトドア派と、教室で時間をつぶすインドア派が生まれるようになっていた。
俺は外でサッカーをする日もあれば教室で過ごすこともあった。
というのも、サッカーをする友達が嫌いになったり好きになったりふらふらしていたからだ。
サッカーをするのは楽しいが、多くの生徒はその後にミスした人やパスを出さなかった人を責めるような会話が多くなっていた。
陰口だ。
俺は潔癖だったのか、適応力が低かったのか、さっきまで楽しく遊んでいたのに陰口を叩く連中が嫌いだった。
うざいとか嫌いとか言いながら、楽しそうにサッカーを一緒にできる人が怖かった。俺はディフェンス以外はクソだったからそう言われていそうで怖かった。
だから呼ばれれば行くけど、そうでなければ行かないようになっていた。
インドア派の中心人物は女子だった。漫画を描く女子だ。今にして思えばさほど高くない画力だったが、彼女はクラスメイトをネタにして面白い物を描いていた。
漫画家になるのが夢だと語っていたことを覚えている。
今そうなれたのか、普通に諦めたのかは知らない。でもあれだけの行動力があったのだからなってほしいとは思う。
その漫画はクラスメイト全員に好評で、次は自分を出してとか早く続きを読ませてとかそういう会話がよく繰り広げられていた。
しかしインドア派とアウトドア派が対立する事件が起こる。
インドア派はみんなでその漫画のネタを考えるようになった。そしてそれに参加していない人に漫画を読ませないといったわけである。
アウトドア派は怒って喧嘩になり、担任の先生が喧嘩両成敗とした。
ただ、この一件でインドアとアウトドアは明確に対立して一緒に遊ぶことは減った。
まあそれでも、クラス全体が比較的中のいい学校だったと思う。
俺はどちらにも参加して、どちらにも加担しないでもまあまあ生きていけたし。
俺にとって問題なのは中学からだ。

9 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 11:58:59.758 ID:q8TP6gXE0.net
中学校は俺にとっては一番嫌いな時期だ。
まあ予想はつくだろうけど、俺はいじめられたわけだ。
当時を思い出すと今も胸の奥がざわつくし、重いため息が肺に溜まるような感覚になる。
きっかけは特にない。一年生の初日からなんとなく目をつけられた。俺に目を付けたのは野球部の男子生徒だった。
まあそれは最初であって、最終的にはほとんど全員敵だったけど。
内容に関してはまあきもいとかそういう感じのだ。俺が席に座ると女子が顔をしかめるような、そういうやつ。
だからと言って俺は不登校にはならなかった。理由としては隣の席の男子と仲が良かったこと、それとそんなことで不登校になったら負けた気がしたからだ。
ただ教室に居場所はなく、俺は自然と図書室に向かった。そこには小説がある。俺は小説なんて読んだことなかったけれど、暇つぶしに売れているのを読むようになった。
ちなみに一番に読んだのはリアル鬼ごっこだった。当時の流行りだった。
俺にとってそれは面白い物語で、だから次々に山田悠介の作品を読んだ。
そしてこの時期、俺はネットを扱えるようになってユーチューブでとある動画を見るようになった。
アニメである。
はじめて見たのはたぶんハルヒかひぐらしだった。これが俺をオタクの道に進ませることになる。
学校に行っては死にたい気分になり、逃避するようにアニメを見る毎日だった。
勉強はちゃんとした。嫌いな奴らに負けたくなかったから、成績を上げるために努力することだけは惜しまなかった。
もっとも勉強の才はなかったらしく、150人中17位くらいが最高だった。

10 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 12:03:09.780 ID:q8TP6gXE0.net
この時期、俺は縋るものを求めていた。
物語をはじめにして、次は音楽も聴くようになった。中学生御用達のバンドであるバンプにはまった。
くらいことを歌うあのバントが自分のことを歌ってくれている気がして、すべてのアルバムを借りて毎日聞いていた。
一番好きだったのは才悩人応援歌だった。歌詞にある「自分のために歌われた歌などない、もんだいないでしょう」というフレーズが最高だと思った。
自分のために歌われた歌なんて一つもない。それでも問題ない。自分がそう思えればいい。大体そんなことを考えていた。
中学一年はいじめられ、物語に縋り、音楽に救いを求めているだけで終わった。
環境が変わったのは中学二年生の頃、クラス替えで一部の生徒が別のクラスになったからだった。

11 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 12:14:01.816 ID:q8TP6gXE0.net
中学二年になると、俺は初恋の子であるKと同じクラスで、また一部のいじめっ子もいなくなったことで少しだけ状況が好転した。
クラス替えの神に感謝した。実際は当時の担任が気を利かせただけだと気づいたのは少ししてからだった。
二年生では一年の時に隣の席だった男子(Iとする)の友達であるSがいた。このSは短期でまあまあ嫌われていたけれど、力が強くかといっていじめをするわけでもない男子だった。
そんな奴と絡んでいたからか少しだけ攻撃は少なくなったわけである。
まあ女子はお構いなく俺の容姿を貶したから、女子と話すことはほとんどなかったけれど。
初恋の子であるKとも会話することはなかった。小学校までは普通に話せていたけれど、自分には話をする権利もないと思っていた。
二年生と言えば修学旅行がある。
その班決めのとき、俺は誰にも近寄らなかった。結果的に余りものとしてひとまとめにされた。
余りもの組は心地よかった。余りものになるだけあって全員どっかに問題があったし、俺もそこに上手く溶け込めたと思う。
というわけで心に余裕が生まれていた俺は、このころからギャルゲーに手を出すようになる。
CLANNADのアニメを見た後、原作のほうが面白いという話を聞いてやり始めたわけだ。あとはろまさかや11Eyesをした。
それらをした俺は、こんなふうに人を感動させる物語を作りたい、と思うようになった。
思ったから俺はネットで色々と調べるようになった。そしてCLANNADのシナリオライターである麻枝准がアニメを作るという話を聞いた。
Angel Beatsである。
当時の麻枝はブログや殺伐ラジオというものをしていた。俺はそこで麻枝准について知ろうとして、かつてラノベの佳作を取ったことや苦労した時代があったことを知った。
そして麻枝准は言った。やりたいなら飛び込んでみちゃえばいい。
俺の将来の夢は決まった。

12 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 12:22:40.975 ID:q8TP6gXE0.net
中三になるといじめはほとんどなかった。まあ女子は怖かったから依然として声を掛けることはなかったが。
進路を決めなければならない段になって、俺は実業高校を選んだ。特別努力もせずに入れるうえ、偏差値もそこまで低くなかったからだ。
あと卒業後に働くか大学に行くか両方選べるならそれでいいかと思っていた。
この時の俺はどうせ自分はシナリオライターになるんだからどうでもいいと思っていた。現実を知らない中学生らしい考え方だ。
三年生の頃の俺はもっぱら図書室に通っていた。図書室では大抵カウンターに同じ女子が二人いて、隅の席に一人男子がいた。
図書室にはあまり人が来なかったから、俺たちは自然と仲良くなって一緒に帰るようなことが多くなった。
俺にとって女子と一緒に帰る経験なんてこれが最初で最後だった。
女子二人のうち片方のことが好きだった。眼鏡が似合う女子で、気だるげで、世の中を斜に構えてみている冷めた目が好きだった。
まあ彼女は面食いだったので俺はそれを告げずに卒業したのだけれども。卒業後に会うこともなかったし。
帰り道の会話は何をしていたっけ。たぶんRADWIMPSの歌詞の解釈とか小説の話とかをしていたように思う。
この頃の俺は伊坂幸太郎と有川浩と東野圭吾をひたすらに読んでいた。
中学の記憶はこれくらいしかない。
何ともまあ薄い人生だ。

13 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 12:28:00.300 ID:AelkmECkr.net
長くて遅くてキモいな
がんばれ

14 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 12:30:03.652 ID:q8TP6gXE0.net
高校に上がると同じ中学の生徒はほとんどいなかった。
というか同じクラスには一人しかいなかった。
俺はそのつながりを理由にそいつとよくつるんでいた。彼も不安からか俺とよくつるんでいた。
ただ一学期の内は他校にいった中学の友達と遊ぶことも多かった。特にIとSはしょっちゅうあっていた。麻雀をしたりカラオケをしたりしていた。
そんなある日、俺は図書館にいた男子が高校でいじめられているらしいとSの口から聞いた。
Sはそれを笑い話のように言っていて、Iも同じような口調だったから、腹が立った記憶がある。
その後は自然と連絡を取る機会は少なくなった。俺は携帯を持っていなかったから図書館の男子がどうしているのかを聞くこともなかった。
考えないようにした。
ただそこに深い後悔はあって、それが原動力になって俺は小説を書き始めた。
もともとシナリオライターになるためにはライトノベルの佳作を取るくらいの実力が必要だと思っていた。
悩みをぶつけるような作品は、結局完成しなかった。
なぜ完成しないのかが分からなくて、市販の小説を読んで完結しない理由を考えた。
そして俺は西尾維新の化物語の書き方をパクってみた。徹頭徹尾パクったその作品はひどい出来だったがきちんと完結した。
高校二年の話である。
一年のクラスに関してはそれくらいしか言うことがないほど普通だった。
いじめとかもなかった、と思う。

15 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 12:39:07.094 ID:q8TP6gXE0.net
二年になるとクラス替えがあった。
三年にはないと事前に知っていたから、これが最後のクラス替えだった。
そのクラスはなかなかに強烈だった。授業中ずっと話し声が絶えないくそみたいなクラスだった。
授業なんて話半分にしか聞いてなかった俺がイライラするくらいだったから、真面目に受けている生徒はよっぽど腹が立っていたと思う。
ちなみに話半分だったのは授業中ずっと俺は小説を書いていたからだ。一作完結させたことで何かを掴んだのか、未完にしないで書けるようになっていた。
時折板書をして後はライトノベルをずっと書く。それでもその学校のテストは簡単だったから成績はよかった。実業系の科目があっていたのかもしれない。
少なくとも国語とプログラミングと簿記に関してはほとんど九十点を下回らなかった。
二年になっても同じ中学校から来た男子生徒は同じクラスだったからよくつるんでいた。
昼休みは一緒に弁当を食べたし、放課後は一緒に帰っていた。
その男子生徒は二年生の途中から自分の夢はライトノベル作家だというようになった。
実際に書いてPIXIVに投稿しているとも言っていたが、俺は読んでいないからその発言が本当かは分からない。
ただ授業中に小説を書いていたことと、それを誰かに読ませていたことは確かだった。
奇しくも同じ目標を持つ人間と出会った俺はといえば、特に何もしなかった。
俺もそれを目指しているなんて言わなかったし、書いているなんてことも当然言わなかった。
理由は今考えても分からない。笑われるのが嫌だったとかそういうのではないと思う。
ただ、たぶんあいつは俺のことが嫌いだったんじゃないかと思う。
強いて言うとそれが理由かもしれない。

16 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 12:44:39.107 ID:q8TP6gXE0.net
ライトノベル作家を目指す友人は話の節々が嘘くさかった。
森の中で仮面ライダーオーズのベルトを巻いている人を見つけたところ「気のせい、僕は森の精」と言われただとか
トイレで大をしていた友人がケツを拭いている最中にくしゃみをして、慌ててケツを拭いた紙で鼻を噛んでしまっただとか
ライトノベルのネタだったのだろうが、なぜか彼は本当のことのようにそれを話した。
だから俺は彼の発言のほとんどを信じていなかった。
新人賞に応募して一次審査に受かったとか、PIXIVでランキングに乗ったとかそういうのを信じなかったわけである。
そりゃあ嫌われるか。
二年生はそんな友人と学校で過ごして、帰ってからはライトノベルを書く日々だった。
投稿できるクオリティではなかったから一度も投稿はしなかった。
俺が初めて投稿するのは高校三年生の頃である。

17 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 12:53:08.518 ID:q8TP6gXE0.net
高校三年生、進路を決める時期になって俺はモラトリアムを求めた。
小説は完結させられるようになった。
ただプロになれるようなクオリティもなければ、挑戦する価値があると思えるほどの熱量もなかった。
だから大学生になって書いてやろうと思ったのである。
大学生でデビューするプロは多いから、大学生になれば賞が取れるようなものが書けると安易に考えたわけだ。
ただその前に本当に才能があるのかを確かめるべく、とある雑誌の小さな賞に送った。たしか一番上の賞でも五万くらいしか出ない掌編の賞だった。
俺はそこの最終選考で落ちた。これが一番の失敗だったのかもしれない。
最終選考まで残ったことは、俺に才能や適性があると勘違いさせた。
ネットに作品が掲載され、それがとても嬉しくて俺はさらにライトノベルに傾倒するようになる。
ちなみに性格の悪いことに、俺はそこの賞に例の友人が投稿するように勧めた。どちらが上かをはっきりさせたかったわけだ。
まあ彼は投稿する気がなかったし、仮にやる気があっても賞が廃止されたので力比べなんてできなかったわけだが。
大学には推薦入試で行った。普段から文章を書いていたおかげか、小論文はさほどの苦も無く面接も練習を重ねれば手ごたえはあった。
そして面接の練習で俺は友人Yと出会う。
Yは顔立ちが整っており、ギターを弾ける男でありながら彼女がいない不思議な奴だった。
そんな彼と俺は大学時代の大半を一緒に過ごすことになる。

18 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 13:01:48.393 ID:q8TP6gXE0.net
大学生になると俺はバイトを始めた。
スーパーのバイトだ。狭い道の先にあるスーパーだから暇だろうと応募したら意外に忙しかったから後悔した。
スーパーのバイトは週五日毎回五時間という結構なハードさだったが、友達も少ない俺は別に気にならなかった。
大学ではYと一緒に過ごせれば少なくとも一人飯や講義は回避できたから、それ以上交友関係を広げる気もなかった。
というか、広げるのは怖かった。俺は今でも自分には価値がないと思っているし、みんなニュートラルな状態なら自分を嫌っていると思っている。
だから他人に積極的にかかわりたくないとずっと思っている。
大学一年の頃、俺は世の中の妹ものラノベのアンチテーゼを込めた作品を賞に登校した。
結果は二次審査落選だったが、一発目で一次に受かったことは自信につながった。
大学の授業を聞き流してノートに小説を書き続け、ただひたすらにバイトをする毎日はきつかったが充実していた。
特にバイトはいい原動力になった。ラノベ作家になれたらやめてやる、とばかり思っていた。
バイト先の環境はいいところ半分、悪いところ半分だった。
いいところ半分は、先輩のバイトが優しかったこと、社員の一人が優しかったこと、そして店の敷地で商売をしていた移動販売車の持ち主がよかったことだ。
悪いところは忙しさと店長と客である。
そんなバイト先の先輩の大半は男とおばちゃんだったが、一人若い女性がいた。
その人は誰とでも分け隔てなく接することができるうえ、レジをしているだけで連絡先をもらうような顔立ちの女性だった。

19 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 13:07:05.232 ID:q8TP6gXE0.net
女性は俺にも分け隔てなく接したし、優しくしてくれた。童貞の俺はあっさり惚れた。
惚れたが、別に思いを告げるわけでもなかった。勝ち目がないことは分かっていた。
ただ、相手がバイトをやめるという話になったとき、俺はふられるために告白をすることにした。
万が一はないことを知っていた。分かっていて、それでも告白をしたのは自分の気持ちに区切りをつけるためだった。
そうして見事に告白をして、ふられて、俺は最低なことをしたなあと感じた。
断るときの申し訳なさそうな顔も、その時の必死に絞り出された文言も覚えている。
俺は自己満足のために相手に負荷をかけてしまったわけである。
そしてその時の感情とその情景を書いて小説にして賞に投稿して二次審査でまたしても落ちた。
そうして大学二年は終わった。

20 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 13:13:33.005 ID:q8TP6gXE0.net
三年生になるとゼミへの配属が決まった。それに伴い学校は忙しくなった。
俺はプログラミングに関するゼミに入り、そこでゲームを作成していた。途中からはVRも使った。
それが楽しかった。
楽しくて、ライトノベルを書く時間は減っていった。ただそれでも夢はあくまで変わらなかった。
ライトノベルで実力をつけて、シナリオライターになる。
それだけを目標にして俺は小説を書いた。
目についた賞に投稿しては一次に受かるかどうかを続けていた。
小説を書く時間が減ると、自然と完結させられなくなった。
時間があくと本当にそれが面白いのかが分からなくなった。
あらばかりが目立って、新規性のない部分ばかりが目に付いて、だから完結しなくなる。
それでもどうにか完成した作品を、まったく期待していなかったが賞に応募した。
自信はまるでない作品だったが、それは初めて二次審査を突破した。
あとは三次を突破すれば出版は決まったようなものだった。
俺はそこで期待して、毎日結果発表を待って、当たり前のように落ちた。
そして長編が書けなくなった。
そこの評価シートの片方がまるで読んでいないような内容だったことに腹が立ったこと。
期待も何もしていなかった、自分が飽きていた作品が一番いいところまで行ってしまったこと。
その二つが面白さを分からなくした。

21 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 13:18:29.466 ID:q8TP6gXE0.net
そして四年生になり、俺は就活を始めた。
すぐに内定をもらったが、そこを断って、結局俺は就職しないことを選んだ。
その理由の一つははじめから失敗している人生なら、もう失敗しないからだった。
ただそれ以上に大きな理由があった。俺はプログラミングや簿記ができるがそれを仕事にしている自分がイメージできなかった。
友人のYはゲーム会社に応募して、最終選考まで行って落ちた。
その友人は院に行くことを決意して、実際に大学院に進学した。
あいつはきっと行きたいところに行けるだろうと思う。
でも俺はどこにもいけないままだろうと思う。
中途入社した会社で仕事をしているが、そこには何の楽しさも見いだせていない。
最近、信号のない横断歩道を見るとノンストップで横断するようになった。
あそこで轢かれれば基本的に責任は10-0で死ねるし、交通事故だし、恨む相手もできるから残された人にも優しいんじゃないかと思う。

こうやって振り返ってみたけど、特に得るものはなかったなあ。

22 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 13:32:16.158 ID:HOIV6YB6a.net
おつ

23 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/04/14(日) 13:33:29.388 ID:HOIV6YB6a.net
これからもう新しく作品を書こうとは思わない?

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