2ちゃんねる スマホ用 ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50    

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ

1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:31:04.795 ID:OmtxTJ6s0.net
キンキンキンキン!
俺「ついていける!」
女剣士「嘘…!」

俺(この日の士官学校の決闘祭のために半年、彼女の剣の流派を研究した甲斐があった)

女剣士「こんな試合、お父様も失望する…」
女剣士「この私が、貧民の我流剣士なんかに負けるわけには…!」ブワッ

審判(これは殺す気の一撃だ…!)ゾクッ
俺(来る、炎刀流奥義・絶炎華!)
俺「我流奥義、絶炎返し!」カァンッ

女剣士「う、そ….こんな、ことは…」ドサッ

審判「しょっ、勝負あり! 決勝戦、俺選手の勝利です!」
観客「うおおおおおお!」

2 :ちゅうごくちゃ :2019/11/27(水) 03:32:13.723 ID:QiOZd/eH0.net
泣き出したのかと思った

3 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:32:32.373 ID:OmtxTJ6s0.net
二年後…
友「士官学校、最後の決闘祭も大詰めだね」
友「三年連続俺君の優勝かなあ」

俺「どうだろうな。イケメンの奴、今年は実家絡みでとんでもない師匠を見つけてたみたいだ」
俺「俺でも勝てるかどうか…」

クラスメイト「おい、準決勝戦でイケメンが敗れたぞ!」
俺「!」
友「は、はぁ!? 何かの間違いだろ!」

俺「相手は…」
クラスメイト「女剣士って奴だよ。去年、決闘祭はベスト8まで勝ち残ってなかったはずだけど…」

俺「女剣士…!?」
俺(馬鹿な、あいつは俺に敗北してから士官学校に来なくなったはずだ…)
俺(てっきりショックで学校を辞めさせてしまったのかと心配していたが…)

4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:33:19.194 ID:IKmlZUpiM.net
「ママぁ…」って言いながらおっぱいに顔を埋めたい

5 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:33:36.112 ID:OmtxTJ6s0.net
女剣士「ふ、ふふ…やっと、やっと貴方に再戦できる」ニヤ

俺「ど、どうしたんだ、その身体…」
俺(酷使しすぎてボロボロ…筋肉がむしろ貧相になっている。明らかなオーバーワークで身体を壊している!)

女剣士「二年間、貴方が、憎くて憎くて、仕方ありませんでした」

俺「あれは、正当な決闘で…!」

女剣士「私は父様の自慢の娘…貴族家の家督を継ぐはずだったのに!」
女剣士「決闘祭で我流の貧民相手に遅れを取って家の名に泥を塗ったと、家を追い出され…家名を失い…!」
女剣士「私の全てだった…人生そのものだった、炎刀流の使用さえ禁じられた!」

俺「そ、そこまで…!」

6 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:34:36 ID:OmtxTJ6s0.net
女剣士「それもこれも、全てっ! 貴方が、あのような節操のない、卑劣な手段で私を負かしたせいで!」

俺「ひ、卑劣な手段…?」

女剣士「貴方は、私の炎刀流の奥義を破るためだけの技を半年掛けて編み出して、切磋し続けていた…!」
女剣士「あんな、あんな技…! 実力では私が勝っていた! だというのに!」
女剣士「あまりに陰険…!」

俺「…相手の技に対応した返し技を使うのが、卑怯だと?」
女剣士「ここは戦場じゃない! 学生が他の学ぶべきことを蔑ろにして、あんな技を覚えるなんて…!」

俺「俺は、貴女をそれだけ警戒して…同時に、尊敬していた」
女剣士「!」
俺「貴女の家がそれ程厳しいとは知らなかった、申し訳ないことをしたとも思う」
俺「だが、それ以上世迷言を吐いて失望させないでくれ」

7 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:35:41 ID:OmtxTJ6s0.net
女剣士「…そうね、貴方と口論をしにしたわけじゃない」スッ
女剣士「始めましょうか」

俺「…そんな痛々しい身体で、試合なんてしていたら…取り返しのつかないことになるぞ」
女剣士「黙れ! 私は、とっくに引き返せないんだよ!」タァン
俺(以前より遥かに速い!)

キンキンキンキン!
キンキンキンキン!

俺「うぐっ…この立ち回りは!」
女剣士「どう? 決定打が、全く出せないでしょう?」ニマァ

女剣士「この二年間…ずっと、ずうっと貴方だけを観察し続けて、貴方だけを想い続けてきたの」
女剣士「今日この日の立ち合いのために」
女剣士「どれだけ、この日を恋い焦がれていたか…」ハァハァ
女剣士「まさか、卑怯とは言わないわよね?」ニコォ
俺「……」ゾクッ

8 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:36:45.141 ID:OmtxTJ6s0.net
俺(ダメだ…このままだと、相手の剣筋に破綻なんか作れるわけがない!)
俺(女剣士は、俺よりも俺の剣筋に詳しい)ゾォッ

女剣士「…右手を上げる、下げて掬い上げようとする」ブツブツ
俺「う、動きを完全に読まれた!?」

女剣士「魔禁流奥義・天道貫」ゴウッ
ドスッ
俺「うぐっ、太腿を…!」

俺「お、俺の負け…」
女剣士「何を言っているの? まだ戦えるでしょう?」
俺「は…?」

俺(確かに、足が動く…? 出血も、少ない…)
俺(いや、違う。きっちり重要な神経を削られてる)ゾクッ

俺(あいつは、ギリギリ決闘のストップが入らない外傷で抑えつつ、俺に後遺症を残して剣士生命を断つつもりだ!)

女剣士「気づいたみたいですね。もっとも、降参やストップが入ってもその前に殺して差し上げますが…」
女剣士「このまま甚ぶられてくれるのなら、全身麻痺で許してあげましょう…ふふ、ふふふふ…」
女剣士「責任を取って、生涯介護して差し上げますよ。夢絶たれた貴方が無様に生き続ける様を、一生横で嘲笑ってあげます」
女剣士「さあ、次は左腕の膝をいただきましょうか」

9 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:37:35.465 ID:OmtxTJ6s0.net
俺(もう、降参しながら逃げて助けが入るのを期待するしか…)
俺(これ以上やられたら、俺の身体はもう一生戦場に立てなくなりかねない)

女剣士『決闘祭で我流の貧民相手に遅れを取って家の名に泥を塗ったと、家を追い出され…家名を失い…!』

俺(…いや、正面からやってやる)
俺(俺は悪いことをしたとは思っていない、だが…)
俺(それが、俺にできる償いだ)

女剣士「あなたの左腕、いただきます」ザシュッ

俺「うぐっ!」
俺(位置がわかっていたのに、対応できない!)
俺(これは、完全に俺を殺すための剣術だ!)

女剣士「次はどうしましょう? 右腕? 左足?」
女剣士「それとも、もう首の神経を削らせてもらいましょうか」ハァハァ

10 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:38:30.097 ID:OmtxTJ6s0.net
俺(守りに徹しろ! 相手の剣筋を見極めろ!)

キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン!

女剣士「まるで、二年前とは正反対の展開になりましたね!」
女剣士「貴方の剣術を探りながら迎え討とうとする私と、私の剣を研究してきた貴方!」
女剣士「結果もきっと、そうなるでしょうね!」

俺(落ち着け……奴の剣術に対して、俺の剣術が詰んでいるわけじゃあない)
俺(かといって、か細い隙を狙う余裕はない!)

俺「賭けに出させてもらうぞ!」バッ
俺「我流奥義・虎牙閃!」ギュンッ

女剣士「……」ニィッ
女剣士「前回の決着を忘れたようですね! 虎牙返し!」

11 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:39:26.377 ID:OmtxTJ6s0.net
女剣士(勝った…勝った…勝った! 私が、私が、あの剣士に勝った…!)ハァハァ
女剣士「フフ、フフフフ…!」

俺「…我流奥義・猫崩れ」シュッ
女剣士「えっ…」
ドスッ
女剣士「…どうして? どうして?」ガクン

俺「…お前なら、虎牙閃を破ってくると思っていた」
俺「猫崩れは、俺がずっと前に、虎牙閃の直線的で読まれやすい弱点を補うために考えた技だ」
俺「途中から動きを分岐する。虎牙閃のように荒々しくなく、ふわりと動いて間合いを詰める」

俺「もっとも…今日まで、使う機会はなかったがな」

女剣士「そんな…そんな、どうして、ここまでしたのに…どうして?」
俺「…戦術を、対策に絞り過ぎたからだ。だから動きを読まれる。俺は、弱みにはちゃんと補う術を用意している」

審判「しょ、勝利、俺! 士官学校決闘祭、三連覇だ!」

女剣士「どうして、どう、して…」ブツブツ

俺「……」

12 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:40:34.881 ID:OmtxTJ6s0.net
三年後…王都にて
俺「任務を終えました。騎士長様」

騎士長「うむ、ご苦労だった。思っていたより、ずっと早くに戻ってきてくれるね、キミは」ニイ
騎士長 「さすがは士官学校、決闘祭三年連続優勝の快挙を果たした男だ」
騎士長「私でも、優勝は二年時に一度だけだったよ」

俺「……」

騎士長「…ふうむ、キミは影があるね」
俺「すいません、決闘祭には苦い思い出があって」
騎士長「ほう?」

俺「…三年たった今でも、行方不明のままなんです。決勝戦の相手が」
騎士長「……」
騎士長「…そうか、キミがいつも探しているのはその女か」

13 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:41:13.444 ID:OmtxTJ6s0.net
俺「すいません、反応に困りますよね。こんな話」
騎士長「いや…優秀な部下の悩みだ。私も捜してみるさ」
俺「…ありがとうございます」

騎士長「と、ところで、その娘のことを気にかけているようだが…君のその、恋人か何かだったのかな?」
俺「え? いえ、特にそういうわけではありませんでしたが…」
騎士長「そ、そうかい」ゴホンッ
俺「……?」

騎士A「大変です騎士長様! 騎士Bが、死体で……例の殺人鬼に殺されたのかもしれません」バッ
騎士長「な、なんだと? まさか、あの騎士Bがやられるとは」

俺「何の話でしょうか?」
騎士長「お前が任務に出ている間に、王都に通り魔が現れたのだ…。被害は、既に十三人を超えている」
俺「なっ!」
騎士長「騎士Bまで殺されたとなれば…かなりのやり手だ。二人組でパトロールに当たった方が良さそうだな」

14 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:42:06.297 ID:OmtxTJ6s0.net
騎士長「こんな遅くに出歩くな! 早く戻れ!」
街人「す、すいません!」

俺「…出歩く人は減りませんね。本当に、危うい事態なのに」
騎士長「真剣に罰金でも課すべきだろうか」ハァ

ドサッ…

騎士長「…何の音だ?」
俺「俺が確認します」サッ
騎士長「馬鹿者、不用意に逸れるな!」

女剣士「禁魔流・羅刹」ガシュッ
騎士長「がっ!」

女剣士「あら…外れた。心臓を不意打ちで貫く技なのに」
女剣士「でも、その外傷じゃ無駄! 天道貫!」ザスッ
騎士長「あ、あ、あ…」ドサッ

女剣士「フ、フフ、首の神経を削ったわ。これで貴女ももう、動けないお人形さん」

15 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:42:43.685 ID:OmtxTJ6s0.net
女剣士「羅刹! 羅刹!」ガシュッ、ガシュッ

俺「そんな不意打ち前提の技が当たるか!」ガンッ、ガンッ
ザクッ
俺(防ぎきれなかった…横っ腹、持っていかれた…)ガハッ

女剣士「ああ、あら、ごめんなさい、貴方の身体に傷をつけるつもりはなかったのに」ペロッ
俺(俺の血を、美味そうに舐めてやがる…)ゾッ
女剣士「貴方、私が思っていた程強くはなかったのね」シュッ
女剣士「手足落としで達磨にして、ずぅっと、生涯愛してあげるわ」ハァハァ

俺(不意打ちとはいえ、騎士長に致命傷を与えた剣の腕は、明らかに俺より数段上だ!)
俺(こいつは狂ってるが、俺と覚悟が違う!)

16 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:44:01.207 ID:OmtxTJ6s0.net
女剣士「フフ、フフフフ、アハハハハ!」

俺「…ずっと、あれからお前のことを考えていた」

女剣士「あら、愛の告白? 嬉しいわねぇ」

俺「止めてやれなくて、悪かった」
俺「俺も、覚悟をする」
俺「被害者のためにも、騎士長ためにも、お前のためにも……ここで絶対に、お前を殺す!」

女剣士「その構え…」

俺「…我流奥義・虎牙閃」スッ

17 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:45:40 ID:OmtxTJ6s0.net
女剣士「わざわざその技を仕掛けて来るなんてね」
女剣士「愛している貴方のことなら…私、なんでも知っているのよ」ペロッ

女剣士(とはいえ、猫崩しへの変化は、見てからは対応できない)
女剣士(勝負するなら、二分の一に賭けることになる)
女剣士(技量で勝ってる私は、下がって守りに徹して、この剣技の相手をしないのが正解だけど…)

女剣士「アハ、いいわ、乗ってあげる! 貴方の覚悟、逃げずに受け止めてあげる! 貴方と私、賭けに負けた方が死ぬことになるわ!」

18 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:45:41 ID:9AOWtOUV0.net
なんか前も見た
これ定期なの?

19 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:46:27 ID:OmtxTJ6s0.net
女剣士(あの人の性格上……一度猫崩しを見せている以上、ここはそのまま虎牙閃で突っ込んでくるはず…!)

俺「……」シュッ

女剣士(ほら来た! ここまで来て姿勢を変えていないということは、猫崩しに変化する気がないということっ!)ググッ

女剣士(なぜなら、ここまで来てしまったら、私の剣を避けられないから!)
ザシュッ

女剣士「アハ、私の勝ち……このまま追撃で……!」スカッ
女剣士「え……?」

俺「……猫崩し」ザクッ

女剣士(確実に猫崩しを通すために、わざと私の攻撃を受けるまで引き付けてから変化した……?)

20 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:50:36.158 ID:0NLFS7jN0.net
キンキンキン

21 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:53:34 ID:OmtxTJ6s0.net
俺「…もう、剣を握れないだろう?」ゼェゼェ

女剣士「あ、ああ…」プルプル
女剣士「あが……」ドサッ

俺「決着が…着いたな…」ゼェゼェ
俺(この怪我…俺ももう、剣士をやってられないかもしれないな)

女剣士「勝てなかった…最後まで、勝てなかった…あれだけやったのに、全て、無意味に…」

俺「女剣士…」

女剣士「でもこれで! 貴方の心と身体に、一生消えない深い傷を残すことができた! ウフフ、アハハハ!」

俺「……」

22 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:56:21 ID:znNlKkFL0.net
キンッキンに冷えてやがる

23 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:58:12 ID:OmtxTJ6s0.net
女剣士「見なさい! この首飾りの、骨の欠片…これ全部、私が殺してやった人間なのよ!」
女剣士「貴方と! 私で! 殺した数なの!」

女剣士「そこの騎士長さんも、貴方が人生を奪ったようなものなのよ!」
女剣士「もう首から下が動かないの!」
女剣士「あの人…ずぅっと生き地獄を味わい続けるのよ! アハ、アハハハハ!」

俺「…そうだ、俺の罪だ。そして、ここで終わらせる」ジャキン

女剣士「…………」ポタ
女剣士「……早く、殺して。お願い、貴方の手で……」

俺「…………」

24 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 03:58:59 ID:OmtxTJ6s0.net
女剣士「ごめんね…全部、八つ当たりなの。わかってた」ポタポタ
女剣士「本当は初めて負けたあの日……あの日から、きっと貴方のことが好きだったんだと思う」

俺「……っ!」

女剣士「…私は家が厳しかったし、見合い結婚することが決まっていたからそういう感覚に疎かったし…何より初恋だったから、わからなかった」
女剣士「凄く家が厳しくって…でもあの頃はそれが普通だと思ってて」
女剣士「どこに矛先向けたらいいのかわからなくって…それで、ずっと貴方を目の敵にしていたけど…」
女剣士「本当は憧れたかったし、大好きになりたかったの」

25 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 04:03:01.223 ID:OmtxTJ6s0.net
女剣士「もっと、別の場所で会えたら…」

俺「…一年の頃、名家の天才剣士がいるって聞いて…ずっと憧れで、目標にしていたんだ」
俺「そうでもなったら…わざわざ奥義返しなんて、編み出すもんか…」

女剣士「…そっか、両想いだったんだ」ニコ
女剣士「…………」
女剣士「……お願い」

俺「……」シュッ

ザクッ

26 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 04:03:14.797 ID:k+rvP/4/0.net
グフッ

27 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 04:04:44.197 ID:0NLFS7jN0.net
キンキンキンキンキンくらいな

28 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 04:06:59.203 ID:a9NbEV/bp.net
女剣士「…………」

俺「…………」ハァハァ
俺(なんで、俺は外した……! 決めただろ、覚悟……!)ギュッ

騎士「騎士長様!」
騎士「奴が殺人鬼か! 大丈夫かっ! 俺!」

俺「うっ…」

女剣士「……臆病者」ボソッ
女剣士「…………」ガンッ

俺「ガハッ!」
俺(蹴飛ばされた……!)ゲホッ

29 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 04:09:00.303 ID:a9NbEV/bp.net
女剣士「……」ヨロ、ヨロ
女剣士「…………」チラッ

俺「…………」

騎士「逃げるぞ! 追えっ!」

女剣士「…………」バッ

俺(騎士長様……すいません……女剣士……ごめん……)ポタポタ

30 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 04:21:45.511 ID:a9NbEV/bp.net
―一週間後―
騎士A「あれが、犯罪者と前騎士長様の仇を逃がした奴か…」
騎士B「おい、止めろ」

俺「…………」

騎士A「事実だろうがっ! あいつはあの時、あのアマを殺せてた!」
騎士A「それを……!」

騎士A「お前、聞こえてるんだろ! 何とか言えよ!」ガッ

俺「…………」

騎士A「何か言ってみろよおっ!」ボロボロ
騎士A「知ってるんだろ? 騎士長様は今、ベッドに寝た切りで……」ウッ、ウウ

俺「…………」

騎士B「…怪我人相手だ、止めろ」

31 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 04:21:55.447 ID:a9NbEV/bp.net
―半年後―
騎士B「そろそろ復帰したらどうだ? 元天才騎士よ」

俺「…………」

騎士B「いい加減にしろ! 何もしないお前を庇っているのも、もううんざりなんだよ!」ドンッ

俺「もう……以前のように動かないんだ、俺の腕」
俺「天道貫に、ほとんどやられてる。左手の握力は未だに元の半分以下だよ」プランプラン

32 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 04:22:07.238 ID:a9NbEV/bp.net
騎士B「それを言い訳にしているだけだろうが!」ガッ

俺「…………」

騎士B「……お前、酒臭いぞ」

俺「いいだろ? どうせ何もしないんだから」

騎士B「なっ…!」

俺「もうクビにしてくれ」

俺「あの殺人鬼も、しばらくは暴れてたけど、もうすっかりなんだろ?」
俺(多分…俺が出てこなかったからだろうな)

騎士B「この、クズが!」ガンッ

俺「うぐっ!」

33 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 04:22:17.990 ID:a9NbEV/bp.net
―二年後・廃棄街の闘技場―
司会「さあ、賭けた賭けた!」
司会「今日の試合は無敗の剣士俺ェ! そして、正体不明の仮面男!」
司会「夢のドリームマッチだあああ!」

観衆「うおおおおお!」
観衆「当然、俺に賭けるぞお! あいつが負けるところは想像できねぇからなあ!」

俺「…………」フラフラッ

仮面男「テメェが、百連勝剣士か。近くで見るのは初めてだな」

34 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 04:22:29.762 ID:a9NbEV/bp.net
仮面男「おい、何か言ってみたら…」

俺「……騎士長、ですか?」

仮面男「はあ?」

俺「ごめんなさい、ごめんなさい…」
俺「俺のせいで、こんな…」

仮面男「おい、何言ってやがる。別人だ」

俺「違う、のか…?」

仮面男(なんだ、妙だぞ)

35 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 04:22:45.019 ID:a9NbEV/bp.net
俺「女剣士…? そうか、お前か」

仮面男「は?」

俺「会いたかった…ずっとだ。ごめんな、ごめん…」

仮面男「お前…ヤクやってやがんな」チッ
仮面男「命懸けの試合前にトリップかよ」
仮面男「こんなのが裏闘技場の無敗剣士? 悪い冗談…」

俺「今度こそ殺してやるからな、安心しろ」ギロッ

仮面男「!」ゾオッ

36 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 04:23:31.068 ID:a9NbEV/bp.net
仮面男(こいつはまずい! 俺の本能が訴えてやがる!)
仮面男(癪だが、守りに入る! 近づかれたら、下がりながら牽制して、まずは様子を見る!)

 ザンッ

仮面男「いつ、近付いて……あ……」

俺「…………」

司会「しょ、勝者! 俺!」

観衆「うおおおっ! マジで強すぎるだろアイツ!」
観衆「ヤベッ! 倍率低すぎwwwwま、確実に勝てるもんなwwww」
観衆「ここ数戦、明らかになんか鬼神がついてるよな。来たばっかりのときとは段違いだ」

?「…ふむ、噂に聞いていた以上だな」

37 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 04:25:28.310 ID:a9NbEV/bp.net
司会「さすが俺様です。貴方こそ、最強の剣士に相応しい」

俺「……それより、アレをくれ、報酬をくれ、なあ。残りが少ない」ガタガタ

司会「わかっていますよ。はい…ゴブリンパウダーです」ニヤッ

俺「…………」スースー

女勇者「薬漬けにして強引に戦わせるなんて…あまりに酷い」

司会「なっ! だ、誰だ」

女勇者「キミ達の行いは、ボクが許さないよ」ジャキン

司会「馬鹿な! 護衛の奴らがあれだけいたのに、たった一人に突破されたのか!?」

38 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 04:25:48.090 ID:a9NbEV/bp.net
司会「こ、こいつはうちのスターだ! 手放すわけには…!」

女勇者「なら、力づくでもらっていくよ。ボクも、その人の力が必要なんだ」

司会「う、うぐ…!」

俺「…止めてくれ」

女勇者「今のキミは、薬物に依存しているだけだ! 少し遠ざけて、聖水で毒抜きを続ければ…!」

俺「アレがないと、俺は駄目なんだ…。罪悪感に押し潰されて、何もできなくなる」ガタガタ
俺「もう、俺は何もしたくないんだ…」
俺「ゴブリンパウダーだけが、俺に全てを忘れさせてくれる…お願いだ、止めてくれ…帰ってくれ…」

39 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 04:34:09.652 ID:zSwALUwf0.net
正直好きだなんて言えない

40 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 04:53:03.245 ID:E7NuD1rq0.net
正直好き

41 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 04:59:04 ID:a9NbEV/bp.net
女勇者「…駄目だ、キミは連れていく。ボクがもらうよ」

俺「他にもいるだろ…腕が立つ奴くらい…放っておいてくれ…どうせ、使い物にならない…」
俺「俺が一番わかってるんだ…。魔王にも世界にも、興味なんてないんだ…」

司会「そ、そうだそうだ!」ドンッ

女勇者「キミは黙っていろ」ギロッ

司会「ひ、ひいっ!」

女勇者「…キミの想い人を、ボクが見つけたと言っても意見を変えないのかい?」

俺「!」

42 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:02:58.607 ID:a9NbEV/bp.net
女勇者「魔王の側近の暗黒騎士は、キミの捜している女剣士だよ」

俺「ほ、本当なのか!」

女勇者「…ようやく、人間らしい顔をしたね」ニコッ

女勇者「一度剣を交えたから間違いないよ」
女勇者「…もっとも、悪魔の心臓を移植して魔人化してるけどね」

俺「お、女剣士…」

女勇者「あんな化け物と魔王の連戦じゃ、さすがのボクでも分が悪すぎる」
女勇者「いいかな? 今度こそ、キミがあの娘を止めるんだ」

43 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:03:33.600 ID:a9NbEV/bp.net
司会「ま、待ってくれ! キミにここを出ていかれたら、私はお終いだ…!」
司会「残ってくれ…! お願いだ!」
司会「キミと奇妙な友情を感じていたのは、私だけなのだろうか…?」

俺「…司会さん」

女勇者「別にボクは、王国にチクって今すぐここを終わりにしてもいいんだけど」

司会「ど、どうぞ、お好きに連れて行ってください勇者様!」バッ

女勇者「クズが…」チッ

44 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:03:45.658 ID:a9NbEV/bp.net
女勇者「ゴブリンパウダーを持ってきてくれ。できるだけたくさんだ」

司会「ゆ、勇者様が、そんなものを…?」

女勇者「そんなわけがないだろう。この人用だ」
女勇者「すぐに使用量をゼロにすることはできない」

司会「そのう…しかしこれは、高価なブツでして…ね?」
司会「勇者様に余裕があるのなら、少しばかり恵んでいただけるとこちらもスムーズに出せるといいますか…」

女勇者「……」ブンッ

司会「ひいっ!」

女勇者「早くしてくれないか」

司会「わ、わかりました。ただちに…」

俺(この人…口調こそ穏やかだけれど、怖いな)

45 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:03:55.863 ID:a9NbEV/bp.net
女勇者「自己紹介は必要かい?」

俺「いえ…勇者様のことは、存じ上げております」

女勇者「楽にしてくれ。元より、ボクが無理を言ってキミについてきてもらっているんだ」

俺(魔王に対抗する人間として神に選ばれた、神紋を持って生まれた少女…)
俺(生まれ落ちたそのときに、最強の人間であることを決定づけられた存在)

46 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:04:08.469 ID:a9NbEV/bp.net
俺「なぜ、俺を…?」

女勇者「話した通りだ。側近と魔王を同時に相手取れないから、どうしても仲間が必要になったのさ。あの戦いを見て、確信したよ。キミはこの国で、ボクの次に強いよ」

女勇者「自惚れみたいな言い方になっちゃったね…ごめんね」タハハ

俺「いえ…」

女勇者(ずっとぼうっとしてるな…ゴブリンパウダーのせいか)ジッ

47 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:06:33.972 ID:zSwALUwf0.net
はよ

48 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:08:21.458 ID:a9NbEV/bp.net
女勇者「キミの事情は遠巻きには知っているけれど、深くは知らないんだ」
女勇者「だけど…キミが話さないのなら、根堀り葉掘りは訊かないよ」

俺「……ありがとうございます」

女勇者(話してはくれない、か)
女勇者(初めて肩を並べて戦える仲間だから、もっと親交を深めたかったのだけれど)
女勇者(彼は、ボクに関心がないらしい)ハァ

女勇者「ちょっと寂しいな…」

49 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:08:34.750 ID:a9NbEV/bp.net
女勇者(ふう…旅続きは疲れる)チャプン
女勇者(ボクも歳頃の女の子なのだから、こんな異郷の湖ではなく、もっと綺麗なところで身体を洗いたいのだけれど…)

女勇者「仕方がない、か。魔王城の近くなのだから」

女勇者(あの人は色恋に関心がなさそうだから、そういう意味では仲間として安心できるのかな)
女勇者(ちょっと複雑だけれど…)

俺「……」スッ

女勇者「き、きゃあっ! お、俺さん、そういうのは…!」

俺「……悪い、ヤクでぼうっとしていたらしい」スッ

女勇者「…………」
女勇者「可哀想な人」ボソッ

50 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:08:46.932 ID:a9NbEV/bp.net
俺「頼む…寝る前に、頼む…」ガリガリ

女勇者「もう少し、量を減らさないと…」
女勇者「食事を増やして気を紛らわせるとか…」

俺「食べても食べても、気持ち悪いだけなんだ!」

女勇者「…ゴブリンパウダーさえなければ、キミは本当に最高の仲間なのだけれどね」

俺「お前にはわからねぇだろうなあ!」
俺「頭痛が酷くて、頭がイライラして、寒くて、寂しくて…」ガタガタ

女勇者「…わかったよ。使うといい」ハア

51 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:08:58.895 ID:a9NbEV/bp.net
ガサコソ

女勇者「……」ウツラウツラ
女勇者「キミ……まだ、起きているのかい?」

俺「……」ガバッ

女勇者「きっ、きゃあっ!」ドサッ

俺「暴れないでくれ…」ハァハァ

女勇者「キミがそういう人だとは思わなかった! 心底軽蔑したよ!」
女勇者「今なら、なかったことにする。早くボクの上から降りてくれ……!」

俺「…………」ハアハア

女勇者「降りろ! このっ、下衆が! 本当にボクは、キミに失望した!」

52 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:13:47 ID:a9NbEV/bp.net
女勇者「この…ヘンタイがっ!」ドカッ
女勇者「信用していたのに…サイテイだよ!」ツゥッ
女勇者「こ、今後、ボクの三メートル以内に近づかないでくれ!」

俺「お、俺を、見捨てるのか…」ポロポロ

女勇者「な、何も、泣くこと…!」

俺「寂しいんだ、苦しいんだ」ガタガタ

女勇者「……」

俺「お願いだ…俺を、俺を受け入れてくれ」

女勇者「…………」
女勇者「……わかった、よ。元よりボクが、強引に手伝わせている、命懸けの旅路だ」

53 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:22:19.307 ID:a9NbEV/bp.net
女勇者「ああっ、うぐ、ああ……んはぁ……」ハァハァ
女勇者「ボ、ボク……初めてだったのに、こんな、激しく……本当に、酷いよ……キミは」ギュッ

俺「……」ギュウッ

女勇者「キ、キミ……」

俺「もう、もう離さないからな…」

女勇者「そ、そんな恥ずかしいこと言わないでくれよ。ボ、ボクはあくまで、その……」

俺「女剣士……もう、離さないからなあ……ごめんなあ……」ボロボロ

女勇者「…………」
女勇者「……ああ、そういうことか」ボソッ

54 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:31:06.710 ID:zSwALUwf0.net
続けて

55 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:31:28.835 ID:i0Rx5y/50.net
再放送はえーよ

56 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:33:36.104 ID:a9NbEV/bp.net
俺「……悪い、女勇者さん。どう謝ったらいいのか……」

女勇者「いいよ」

俺「ゴブリンパウダーを使い過ぎた後に……たまに、ああなっちまうんだ」

女勇者「いいよ」

俺「……そんなあっさり許せるわけ」

女勇者「ボクは自分のことは、女だと思ったことはない。ただの魔王を倒すための、王国の武器だと思っている」
女勇者「だから、いいよ。全く気にしていないから、好きに扱ってくれ」
女勇者「それでキミが旅に専念できるなら結構なことだ」

俺「…………」

57 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:36:59.453 ID:a9NbEV/bp.net
俺「…………」ガリガリ

女勇者「どうしたんだい、キミ。そんなに辛いなら、アレをそろそろ使った方が……」

俺「いい……」
俺「もう、いい……」ガリガリ

女勇者「……そうかい」
女勇者「寝る度に騒がれても迷惑なのだけれどね」

俺「わかってる…善処する…」ガリガリ

女勇者「…………」

58 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:40:40.261 ID:a9NbEV/bp.net
女勇者「動かないでくれよ……」
女勇者「はい、巻き終わったよ」

俺「悪い…ドラゴンなんか、鈍い奴の爪を受けるなんてな」ゼェゼェ

女勇者「戦いに集中できていないからだ」
女勇者「今のキミは、足手まといだよ」

俺「そこまで……」
女勇者「そこまでだよ」

女勇者「使いなよ、ゴブリンパウダー」ギロッ

俺「それは、できない……」

59 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:40:55.140 ID:a9NbEV/bp.net
俺(そろそろ抜けて来たんだ……)
俺(もうちょっと我慢すれば、剣の腕だって……!)

俺「発作を抑えるためには、とにかく聖水を呑めば!」ゴクゴク
俺(余計に渇く……なんだ、これは!)ハアハア
俺「うう、ううう……」ボロボロ

女勇者「聖水に入れておいたんだ、ゴブリンパウダー」

俺「は、はぁ!?」

60 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:44:06.146 ID:Kb8ldVaU0.net
キメセクにハマってしまったか

61 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:44:58.269 ID:DZ97leVP0.net
続き気になってきた

62 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:47:33.579 ID:a9NbEV/bp.net
女勇者「いいかい、キミの剣の腕は、ゴブリンパウダーありきのものなんだよ」
女勇者「気が付いていなかったわけがない」
女勇者「あの超人的な集中力は、ゴブリンパウダーの副産物なんだ」

俺「そ、そんな……」

女勇者「だから、抜けたら剣の腕が戻るなんて幻想だよ。キミには、魔王討伐が終わるまではゴブリンパウダーを服用してもらう」

俺「う、うう、ううう……」ヨロッ

63 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:52:26.803 ID:a9NbEV/bp.net
俺「女剣士、女剣士、女剣士!」ハァハァ
パンッ、パンッ、パンッ
女勇者「んぐっ、はぁ! ああ、そうだよ! ボクが、ボクが、キミの女剣士だよ」ハァハァ

女勇者「大丈夫、だよ…んっ! ボクは、いなくならないからっ! キミの前から!」
女勇者「キミのすべてを受け止めてあげるよ、ボクだけが!」

俺「愛してるぞ、女剣士……女剣士……」ギュウッ
女勇者「ああ、ボクも、ボクも、愛してるよ……俺……」ギュウッ
女勇者「キミが誰を見ていても……ボクだけは、キミを見ているからね……」

64 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:53:33.878 ID:SDGvu/SD0.net
なんだこれ

65 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 05:58:48.580 ID:zjQunJu30.net
        />
ドッキング //
     /ミノ
   _/@)ツ
  /@/ ̄
 /ミシ   にぼし
_//


66 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 06:04:39.618 ID:a9NbEV/bp.net
女勇者「ほら、早く使っておくれよ、キミ」ドサッ

俺「だ、大丈夫だ……ここまで服用しなくても……」

女勇者「魔王との戦いで、キミに足を引っ張られたくないんだ。わからないかな?」ギロッ

俺「そ、そんな……だが……」

女勇者「……」イラッ

女勇者「早く使えよ! 散々ボクを身勝手に犯しておいて、今更自分の身が可愛いから使いたくないのかキミは!」

俺「…………」

67 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 06:12:52.129 ID:a9NbEV/bp.net
女勇者「また魔王城まで戻ってこられたよ」
女勇者「やっぱり仲間がいると、ペースが全然違うよ。キミがいてくれてよかったよ」ギュウ

俺「…………」

女勇者「奥の王の間に、魔王と……女剣士さんがいるよ」
女勇者「ボクは魔王を殺す」

女勇者「その間に、キミは、女剣士さんを殺すんだ。いいね?」ズイッ

俺「……わかっている」

女勇者「余計な気は起こさないでくれよ。彼女は、魔人になってから既に千人以上を殺してるんだ」

俺「……勿論だ」

68 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 06:20:48 ID:a9NbEV/bp.net
女勇者「…………」
女勇者「キ、キミ、さ……その、この戦いが終わったら……ボクと結婚しなよ」カアッ

俺「え……」

女勇者「キミみたいな末期の中毒者の傍で支えてあげられる理解者は、ボクくらいしかいないよ」
女勇者「キミはボクがいなかったら生きていけない。そう思うだろう?」

俺「だが、だが、俺は……」

69 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 06:24:44 ID:pERfJf6+0.net
おせーよ

70 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 06:28:39.714 ID:rEFgO/Eu0.net
どーせSSまとめから盗んで承認欲求満たすために貼ってるだけのくせして何もったいつけてんだ

71 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 06:28:58.147 ID:zjQunJu30.net
はやくして

72 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 06:31:24.480 ID:zSwALUwf0.net
キメセクにハマってるじゃねーか

73 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 06:36:20 ID:a9NbEV/bp.net
女勇者「ボクがわざわざキミのゴブリンパウダーの使用量を調整して……それも、なるべく使用量が少なく済む様に、こうしてキミを抱きしめてあげているんだよ」ギュッ
女勇者「少量でもしっかりと、夜に眠れるようにね」

俺「だが、俺なんかで……」

女勇者「い、言っておくけれど、魔王討伐のために今は付き合ってあげているけれど、それが終わったら……わざわざボクは、他人のためにそんなことはしてあげないからね」
女勇者「しっかり……その、自分の今後も考慮しておくれよ」
女勇者「まさか、また廃棄街の剣闘士になるつもりじゃあないんだろう?」

俺「…………」

74 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 06:54:06.928 ID:a9NbEV/bp.net
俺「少し、考えさせてほしい」
俺「その……魔王討伐が、終わるまで……」

女勇者「まさか、キミは、これだけボクを傷物にしておいて、さようならするつもりなのかい? ねえ?」ギロッ

俺「……わかった」
俺「魔王討伐が終わったら、結婚しよう。女勇者」

女勇者「……ありがとう。ごめんね、脅すような言い方をしてしまって」ギュッ

女勇者(大丈夫だよ……。キミは、ボクが、絶対に人並みの幸せを送れるようにしてあげるからね)グッ
女勇者(そのためにも、キミには女剣士を殺してもらう)

75 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 06:57:40 ID:Gz2m4JM4F.net
長い

76 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 07:02:56 ID:c1k0IHZJ0.net
遅い

77 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 07:10:45.850 ID:a9NbEV/bp.net
―魔王城―

魔王「……ふむ、また来たのか」

魔王「まさかこの魔物の王たる我が、たった一人の人間を警戒せねばならんとはな」
魔王「おのれ、神紋の女神め……」チッ

俺(あれが、魔王……)ゴクリ
俺(千年に渡り、魔物を生み出し続けてきた怪人)

俺(かつて万の兵が魔王を倒すべく送られたというが、道中の魔物に滅ぼされ、一人として魔王の元まで辿り着くことができなかったという)
俺(俺は、そいつの前まで来たというのか)

魔王「なんだ……? 神紋を持たぬ、ただの人間が紛れているではないか」
魔王「神紋なくば、我が魔法も、闇の衣も退けることが叶わぬぞ」ハンッ

魔王「場違いな虫けらめ。まずは貴様から消してやろう」

俺(こんな奴相手に、本当に俺なんかの剣が通用するのか……?)ゾッ

女勇者「わかっているだろう? キミは、あいつの相手をしなくていいよ」

78 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 07:11:14.285 ID:a9NbEV/bp.net
魔王「クク……勇者とて、所詮は人間か。一人が寂しく、情夫を雇ったとはな!」カカカ

女勇者「彼は、必要な人材だった。それだけだ」

魔王「建前に過ぎぬな。我が魔眼は、嘘を見抜くぞ」
魔王「貴様ら……通じておるな」ククッ

女勇者「なっ!」

魔王「女神も人選を誤ったものよ。如何に強大な力を持とうと、人間であることが枷となる」
魔王「やはりその男から消し飛ばしてくれるわ!」

79 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 07:12:34 ID:a9NbEV/bp.net
魔王「何発避けられるか見物だな!」シュウウウン

俺「あの光は……!」
女勇者「く、来る! 魔弾だ! 一か所に留まるな!」

スッ

女剣士「…………」

俺「お、女剣士……!」
俺(顔は青色になって、髪は白くなっている……)
俺(背には禍々しい翼があり、獣のような爪と牙……)

俺(本当に……人間を辞めてしまったのか)グッ

80 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 07:18:07.659 ID:a9NbEV/bp.net
魔王「そこに立つな、魔法の邪魔だ」
女剣士「……あの男の相手は、私に任せてください」

魔王「あんな雑魚はどうでもよかろう。それより、勇者の方を……」

シュンッ
ガッ

魔王「……その剣では、闇の衣のある我は斬れぬぞ」
女剣士「魔力が尽きるまで斬ってもいいのですが」

魔王「チッ、好きにするがいい。そいつが因縁の男か。早く終わらせるのだぞ」

俺(今の剣……全く見えなかった。人間の頃とは段違いだ)
俺(だが、やるしかない)
俺(俺は……今度こそ、もう逃げない!)シュッ

81 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 07:23:57 ID:a9NbEV/bp.net
キィンッ キィンッ
ガッ

女勇者「剣の方はあまり得意じゃないみたいだね」
女勇者「速いけど、技術自体はボクの俺さんとどっこいどっこいってところか」

魔王「黙れ小娘が!」シュウウウ

タンッ

女勇者「剣士の目の前で魔法なんて、間に合うわけないだろ?」
魔王「うぐっ!」

ズパッ

魔王「ガハッ! こ、小娘がァ!」

女勇者「どうしたんだい?」
女勇者「あの子達より、ボク達の方が先に決着が着きそうだよ」

魔王「女神め……勇者め……!」ゼェゼェ

82 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 07:46:26.518 ID:NdJ5yqaY0.net
寝ちゃった?

83 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 07:49:41.985 ID:lFVIHLEDd.net
女勇者とセックスするところがピーク

84 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 07:51:09.952 ID:rVt/gePw0.net
キンキンキンキン!キンキンキンキン!キンキンキンキン!キンキンキンキン!キンキンキンキン!キンタマキンキン!キンキンキンキン!キンキンキンキン!

85 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 08:04:19.921 ID:zQXXKF/gp.net
俺「……ずっと、会いたかった」
俺「ごめんな……あの日、とどめを刺してやれなくて」

女剣士「…………」
女剣士「……今度こそ、殺してくれるの?」

俺「ああ」
俺「愛してるよ、女剣士」

女剣士「…………」

俺「人生最高の試合にしよう」シュッ

86 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 08:09:09.032 ID:zQXXKF/gp.net
シュッ、シュンッ
シュッ

ドガッ!

俺(防戦一方……!)キィン
俺(女勇者が、魔王と同時に相手取れないと判断したわけだ)
俺(女剣士と魔王に前衛と後衛を分けられたら、如何にあの子でも手数が足りなすぎる)

女剣士「どうしたの? 私を殺すんじゃなかったの?」
女剣士「ねぇ、早く殺してよ」
女剣士「貴方の剣で、私を突き刺してよ」シュンッ

俺「ぐっ!」カァン

87 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 08:12:43.899 ID:zQXXKF/gp.net
女剣士「早く早く早く早く」

キンキンキンキンンキンッ

俺(剣が、速すぎる……!)

女剣士「早く早く早く早く早く早く早く早く」

俺(人間の限界を、二回りは超えている!)

女剣士「早く早く早く早く早く早く早く早く」
女剣士「早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く」

キンキンキンキンンキンッ
キンキンキンキンンキンッ

ザシュッ

女剣士「あ、がはっ!」

俺「言われなくてもだ!」ゼェゼェ

女剣士「アハ……痛い。血が流れてる。まともな傷を負ったのなんて、もう随分と久し振りみたい」
女剣士「痛いのが、すっごく気持ちいい」ペロ

88 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 08:39:34 ID:zQXXKF/gp.net
魔王「我が、我が滅びるわけがない!」ゼェゼェ
魔王「我は千年生き続けた魔物の王なり!」
魔王「滅びるのは貴様ら人族だ!」

女勇者「長く生き続けただけあって、さすがにしぶといね」ゼェゼェ
女勇者「でも、すぐに楽にしてあげるよ」
女勇者「闇の衣も、随分と薄くなったじゃないか」
女勇者「その光が、お前の命の灯火なんだろう?」

魔王「な、なにをしておるのだ女剣士! そんなただの人間、すぐに捻り殺してしまえ!」
魔王「早く我の、補佐をしろぉっ!」

女勇者「急かさないであげてくれよ」
女勇者「俺さんには、しっかりあの子との件に決着をつけてもらわないといけないからね」
女勇者「これから俺さんと人生を歩むのは、あの子じゃなくてボクなんだから」

女勇者(きっちりとケジメをつけて、ゴブリンパウダーを断って……それからようやく、ボクのことをちゃんと見てもらえるようになるんだ)

89 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 08:40:19 ID:ftxkhEPk0.net
キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン

90 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 08:43:01.802 ID:6wA+oDxWd.net
魔王弱すぎww

91 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 08:47:36.663 ID:zQXXKF/gp.net
俺「うおおおおっ!」ザシュッ

女剣士「アハ、アハハハハ……」ドクドク

俺(胸部をかなり深く斬った)
俺(魔人の身体とはいえ、さすがに……!)

女剣士「斬られる度に、貴方の愛を感じる……」
俺「!」
女剣士「私の愛も、受け取ってぇっ!」

ズシュッ
ザシュッ

俺(左耳と、左肩が……!)

キンキンキィン

俺(あっさり斬らせてくれたわけだ。魔人の身体が、予想以上にタフ過ぎる)ゼェゼェ
俺(ゴブリンパウダーで痛覚が麻痺してなかったら、追撃でまず殺されてた……)

女剣士「アハァッ!」

92 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 08:52:35 ID:PFL7phWJ0.net
浜崎順平が書いてそうな頭悪い文章

93 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 08:54:12 ID:7J7K16xb0.net
ここまでに「キン」って文字117個

94 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/11/27(水) 09:10:31.647 ID:OmtxTJ6s0.net
俺(頼む……)
俺(この戦いで、死んだっていい)
俺(だから……この試合だけは勝たせてくれ!)

シュンッ
ズシュッ

女剣士「凄い、凄い、凄い……今の私が、貴方の剣に追いつけない」
女剣士「やっぱり貴方は、本物の天才だった」

俺「ゴブリンパウダーを、減らさなくてよかった」ボソッ

俺(女勇者の言う通りだ。地下闘技場に落ちてから、俺を支えていた強さの一端は間違いなくゴブリンパウダーだった)
俺(今の俺は……ゴブリンパウダーと脳内麻薬の興奮作用と痛み止めが、ぐちゃぐちゃに混ざってるみたいだ)
俺(全身どころか、まるで辺り一帯の空間中が俺の目になったみたいだ)

総レス数 94
42 KB
掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
read.cgi ver 2014.07.20.01.SC 2014/07/20 D ★