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芥川龍之介「数学と体育ができない奴は小説家にはなれない」

1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/07(金) 08:01:30 ID:aS4ylKS60.net
文芸家たらんとする中学生、
須らく数学を学ぶ事勤勉なるべし。
然らずんばその頭脳常に理路を辿ること迂にして、
到底一人前の文芸家にならざるものと覚悟せよ。

文芸家たらんとする中学生は、
須らく体操を学ぶ事勤勉なるべし。
然らずんばその体格常に薄弱にして、
到底生涯の大業を成就せざると覚悟せよ。

2 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/07(金) 08:02:11 ID:e3rdR6t9p.net
あらゆる学問大事って言ったのは太宰だっけ

3 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/07(金) 08:03:03 ID:MvcARe9Pr.net
「特性のない男」の著者も同じ事を言ってた

4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/07(金) 08:07:48 ID:aS4ylKS60.net
なおメンタルが弱くて自殺した模様

5 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/07(金) 08:09:39 ID:NY6REQ+or.net
数学が大事っていうか論理的思考力が無いやつの文章は読む気になれない

6 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/07(金) 08:10:44 ID:dsWnC+Qsd.net
文学に生きる目的を見つけようとする人は、この現実世界の中で何かしら不満を持っている人である。
そして現実世界の不満を現実生活で解決せずに、もっと別世界に求めて、そこで解決の見込みがつくのではないかと思って、
生きる目的やあるいはモラルを文学の中に探そうとするのである。しかも、それにうまくこたえてくれる文学は二流品に決まっていて、
青年はこの二流品におかされているうちは罪もまだ軽いし害も少ない。作家の名は指さされないけれども、そういう文学はどんな時代にも用意されている。
しかし、ほんとうの文学とはこういうものではない。私が文弱の徒に最も警戒を与えたいと思うのは、ほんとうの文学の与える危険である。
ほんとうの文学は、人間というものがいかにおそろしい宿命に満ちたものであるかを、何ら歯に衣着せずにズバズバと見せてくれる。
しかしそれを遊園地のお化け屋敷の見せもののように、人をおどかすおそろしいトリックで教えるのではなしに、世にも美しい文章や、
心をとろかすような魅惑に満ちた描写を通して、この人生には何もなく人間性の底には救いがたい悪がひそんでいることを教えてくれるのである。
そして文学はよいものであればあるほど人間は救われないということを丹念にしつこく教えてくれるのである。
そして、もしその中に人生の目標を求めようとすれば、もう一つ先には宗教があるに違いないのに、その宗教の領域まで橋渡しをしてくれないで、
一番おそろしい崖っぷちへ連れていってくれて、そこで置きざりにしてくれるのが「よい文学」である。
したがって、さっき言ったような二流の人生小説に目ざめる人たちはまだしものこと、一流のおそろしい文学に触れて、
そこで断崖絶壁へ連れてゆかれた人たちは、自分が同じような才能の力でそういう文学をつくれればまだしものこと、そんな力もなく努力もせずに、
自分一人の力でその崖っぷちへ来たような錯覚に陥るのである。

7 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/07(金) 08:10:59 ID:dsWnC+Qsd.net
その錯覚からはさまざまなものが生れる。
自分は無力で、文弱の徒で、何の力もなく、この人生を変えることもできず、変革することもできないけれども、
自分の立っている位置はあらゆる人間を馬鹿にすることのできる位置である。あらゆる人間を笑うことのできる位置である。
それは文学のおかげで得たものだから、自分はたとえけんかをすればたちまちなぐられ、人からは軽蔑され、何ひとつ正義感は持たず、
電車の中でタバコ を吸っている人がいても注意することもできず、暗い道ばたで女の子をおどかしている男を見てもそれと戦うこともできず、
何ひとつ能力がないにもかかわらず、自分は人間の世界に対して、ある 「笑う権利」 を持っているのだという不思議な自信のとりこになってしまう。
そしてあらゆるものに シニカル な目を向け、あらゆる努力を笑い、何事か一所懸命にやっている人間のこっけいな欠点をすぐ探し出し、
真心や情熱を嘲笑し、人間を乗り越えるある美しいもの、人間精神の結晶であるようなある激しい純粋な行為に対する軽蔑の権利を我れ知らず身につけてしまうのである。
こういう態度はおのずから顔にもあらわれ、服装にもあらわれる。私はそういう考えを持っている青年を群衆の中からでも一目で見分けることができる。
そういう青年の目は一見澄み切っているけれども、奥底には光がなく、青年にとって一番大切なものである純粋な愚かしさ、
動物的な力を欠いている。彼らは隠花植物の一種になったのである。

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