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整数論のすべてを非専門家にも分かるように伝える
- 1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/07/04(土) 08:00:07.040 ID:zpypH6W3a.net
- まず、整数の全体の集合をZで書く
Z := { ..., -2, -1, 0, 1, 2, ...}
だZの元で作った分数を有理数という
有理数はQで書く
Q := { n/m | n, m∈Z, m≠ 0 }
有理数は足し算、引き算、掛け算、0以外による割り算が自由にできる
このような集合を体という
- 2 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/07/04(土) 08:02:58 ID:JpPDdEPI0.net
- 目次は?
- 3 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/07/04(土) 08:03:43 ID:C1Vvgb9J0.net
- 整数は割り算できないときあるけどなんていうのかな?
- 4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/07/04(土) 08:05:21 ID:JpPDdEPI0.net
- 整数環上で高速フーリエ変換できる?
- 5 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/07/04(土) 08:05:44 ID:zpypH6W3a.net
- fをQ係数の多項式、たとえばX^2 + 1とか、X^2 + X + 1とか、とする
Qにfの根を付け足した体を代数体という
Q(i) = { a + bi | i^2 = -1 }
Q(ω) = { a + bω | ω^2 = -ω - 1 }
などは代数体
整数論は代数体の性質を研究する分野だ
- 6 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/07/04(土) 08:06:14.442 ID:tJVhHH+R0.net
- つまんね
- 7 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/07/04(土) 08:09:40 ID:zpypH6W3a.net
- なぜ、有理数ではなく代数体を研究するのかと言えば、有理数の中での現象が実は代数体に由来していることがあるからだ
たとえば、pを3以上の素数として、pが整数x, yを用いて
p = x^2 + y^2
と書けるかどうかを考える
これはQの言葉だけでかかれているが、本質的にはQ(i)の問題だ
なぜなら
x^2 + y^2 = (x + yi)(x - yi)
と因数分解されるから、pが2つの平方数で表されるかは、
pがQ(i)の元として見たときにも素数でいられるかどうかということになるからだ
- 8 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/07/04(土) 08:10:12 ID:8Dkm0CWyr.net
- 来世でIQ500に生まれたら整数論やるわ
今生では勘弁な
- 9 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/07/04(土) 08:12:40 ID:JpPDdEPI0.net
- >>7
Q(i)の元って複素数でしょ?
それが素数かどうかってどういう意味なの?
- 10 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/07/04(土) 08:20:03 ID:zpypH6W3a.net
- Qの世界には素数があったが、代数体Kの世界には対応するものがあるとは限らない
(正確に言えば、代数体ではなく、代数体の整数環。つまりKの元のうちZ係数の多項式で最高次の係数が1であるものの根になるもの)
有名なFermatの最終定理は、コーシーが
x^p + y^p = (x + yζ)(x + yζ^2) ... (x + yζ^p)
(ζ = exp(2πi/p))
と因数分解して、素因数分解の一意性を用いて解こうとしたが、p = 23ではQ(ζ)の中では素因数分解の一意性が成り立たないことがクンマーに指摘されて頓挫
- 11 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/07/04(土) 08:21:40.291 ID:JpPDdEPI0.net
- なんでフェルマーはアルファベットで書くのにコーシーとクンマーはカタカナなの?
- 12 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/07/04(土) 08:31:50.051 ID:zpypH6W3a.net
- クンマーとデデキントはその代わりに、一般の代数体でもイデアルが素イデアルの積に一意的に分解されることを確認した
Qの素イデアル(正確にはZの素イデアル)は、素数pに対して
(p) := { pn | n∈ Z}
Q(i)の素イデアルも、Q(i)の素数pに対して
(p) := { pn | n∈ Z[i]}
素イデアルの積は
(p)(q) = { ab | a∈(p), b∈(q) } = (pq)
つまり、イデアルが1つの数で生成される代数体では、イデアルは実質的に数そのものだと思える
こういう代数体では素因数分解の一意性が成り立つ
一意分解性が成り立たない代数体では、イデアルは単項生成ではない
- 13 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/07/04(土) 08:46:24 ID:zpypH6W3a.net
- 一般の代数体で素因数分解の一意性が成り立たない理由は、イデアルが複雑すぎることにある
そこで、考えやすいように複雑なイデアルは潰す
つまり邪魔なイデアルを(1)=(整数環全体)にしてしまう
それをする方法は簡単で、分数を作って消したいイデアルの元を可逆にしてしまえばいい
これを局所化という
代数体の整数環の場合、局所化すれば必ず素因数分解の一意性が成り立つ
- 14 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/07/04(土) 08:54:29 ID:zpypH6W3a.net
- K: 代数体
O: 整数環
O_P: 素イデアルPに含まれないイデアルを潰したO
O⊂O_P⊂K
となっていて、Oの複雑性はO_Pで緩和されたが、Kの整数環は依然としてOのままなので、Kの複雑性はあまり緩和されてない
Kも、邪魔なイデアルは消してPだけに集中したいわけだが、実はそういうことができる
- 15 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/07/04(土) 09:10:18.935 ID:zpypH6W3a.net
- p∈Zを素数として、形式的な和
a_0 + a_1 p + a_2 p^2 + ...
(a_i = 0, 1, ..., p - 1)
を作る
この和は、p^n → 0 (n→∞)となる位相を入れることで正当化される
これは、pで割ったあまり、p^2で割ったあまり、...で、p^nで割ったあまりは、p^(n+1)で割ったあまりをp^nで割ったあまりに一致しているものに対応している
この和全体をp進整数環といって、Z_pと書く
Z_pの分数をp進数といって、その全体をQ_pと書く
KとO_Pに対しても、素イデアルP⊂O_Pに対して、Pで割ったあまり、P^2で割ったあまり、...で、上のような性質を満たすものを考えることで、P進整数が得られる
その分数をP進数といって、その全体をK_Pで表す
O_Pの環としての性質が簡単になったように、K_Pの体としての性質もKに比べれば簡単になる
K_Pのような体を局所体、Kのような体を大域体という
- 16 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/07/04(土) 09:27:33 ID:zpypH6W3a.net
- たとえば、
x^2 + y^2 = -1
を満たす実数解はないから、有理数解もないことが分かる
p進数は有理数を含んでいるから、同様にp進数解がなければ、有理数解もないことが分かる
たとえば、
x^2 - 3y^2 = -1
は3進数解を持たないことがすぐ分かるので、有理数解も持たないことがすぐ分かる
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