2ちゃんねる ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50    

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

麦わらの帽子の俺が

1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/01/03(日) 18:30:29.614 ID:I7mzIbll0.net
揺れた

2 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/01/03(日) 18:30:58.660 ID:XnPetZs70.net
金玉に

3 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/01/03(日) 18:31:21.107 ID:1fxVWRuC0.net
キス

4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/01/03(日) 18:46:00.835 ID:n80PPiQ70.net
母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?

ええ、夏、碓氷(うすい)から霧積(きりづみ)へゆくみちで、

谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ。



母さん、あれは好きな帽子でしたよ、

僕はあのときずいぶんくやしかった、

だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。



母さん、あのとき、向こうから若い薬売りが来ましたっけね、

紺の脚絆(きゃはん)に手甲(てこう)をした。

そして拾はうとして、ずいぶん骨折ってくれましたっけね。

けれど、とうとう駄目だった、

なにしろ深い谷で、それに草が

背たけぐらい伸びていたんですもの。



母さん、ほんとにあの帽子どうなったでせう?

そのとき傍らに咲いていた車百合の花は

もうとうに枯れちゃったでせうね、そして、

秋には、灰色の霧があの丘をこめ、

あの帽子の下で毎晩きりぎりすが啼いたかも知れませんよ。



母さん、そして、きっと今頃は、今夜あたりは、

あの谷間に、静かに雪がつもっているでせう、

昔、つやつや光った、あの伊太利麦(イタリーむぎ)の帽子と、

その裏に僕が書いた

Y.S という頭文字を

埋めるように、静かに、寂しく。

総レス数 4
2 KB
掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
read.cgi ver.24052200