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【SS】死神の列が通る
- 1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 17:00:07.742 ID:Qoct1a1s0.net
- 自衛隊のトラックの車列が土煙をあげながら国道を進む
ある小さな街の駅前通りに乗り付けたトラックから
小銃を握る兵士たちがすばやく降車する
指揮官のまえにずらりと並んだ兵隊はいま準備を整えた
- 2 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 17:00:46.954 ID:CTokCl8U0.net
- 死神の列〜♪
- 3 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 17:01:07.424 ID:Qoct1a1s0.net
- 指揮官は号令を発した
「空き家から全てかたっぱしからぶち破り中を確認しろ!」
「アジトを見つけたら国賊共を全員検挙しろ!」
街に数人ずつに別れて兵士が散っていく
人気の少なくなったこの街に賑やかさが取り戻されていく
何ごとかと出てきた老婆が声をあげる
「なんだいあんたたち!」
兵士たちは有無を言わさず土足のまま民家に上がりこむ
兵士は声をあげた
「いたぞ!男とババアが住んでいるぞ!」
- 4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 17:02:07.553 ID:Qoct1a1s0.net
- 「なんだい!ここはわたしんちだよ!」
「なぜここに残っている!」
「ゲリラと関係しているんじゃないのか!調べさせてもらうぞ!」
「わ…わしわ…」
「とうちゃんがゲリラなもんか!指一本でも触れてみろ!」
兵士も老婆も恐ろしい形相で対峙して長い時間が両者に流れた
やがて街のいたるところで悲鳴や怒号が飛び交うようになった
- 5 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 17:02:15.182 ID:8+hjGdcRM.net
- なんか始またっぞ
- 6 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 17:02:44.892 ID:CTokCl8U0.net
- 死にゆく男たちは
守るべき女たちに
- 7 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 17:03:43.233 ID:Qoct1a1s0.net
- 駅前にあったランドマークのデパートにも兵士が侵入していく
この国で戦争が始まる前から既に閉店していたらしく
店内は荒れ果てていたが人の気配がいたるところに残されている
兵士は紙くずを拾い上げる
敵性の新聞とパンの包装用紙だった
いまでは新聞もかつて売られていたような加工食品も見かけない
- 8 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 17:05:22.776 ID:Qoct1a1s0.net
- 店内で一瞬影が動いたような気がして兵士は振り返った
兵士は小銃を構えるとゆっくりと奥へと進む
こんどは駆け出す音がする
姿は見えなかったが班長は笛をならしたあと大声で叫んだ
「ゲリラがいるぞ!!出口をふさげ!!!」
外からも大勢が駆けつけてくる
出口で一瞬姿を表したのはボロを着た若い女だった
兵士の姿を見るとバッ!と方向転換してまた店内へと走り出した
しかし止まったエスカレーターに近づいたところで
一人の兵士に服を掴まれてしまった
掴まれたところから酷い音を立てて洋服が半壊していく
- 9 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 17:07:41.500 ID:Qoct1a1s0.net
- 半裸になって尻もちをついた若い女を兵士が取り囲む
「ゲリラだな!」
「店内でパンと新聞を見たぞ!お前のじゃないか!」
「しっ…しらない…!」
「じゃあなんでお前がここにいるんだ!」
「お前新聞を読んだんだろう!」
「いいもん食いやがって…」
「これはお前らが郊外のゲリラから支援されてる証拠だ!」
「しらないよそんなの!!」
うずくまる女の手を兵士が掴んで引きずりだした
女は耐えていた涙腺から大量の涙を流して半狂乱になる
「いやだ!いやだいやだ!!わたし何も知らない!!!!」
ニヤつく兵士の顔が女の瞳に最後に映る
- 10 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 17:09:49.830 ID:Qoct1a1s0.net
- 住宅街に兵士の一団が迫ると物陰に隠れていた巡査が飛び出す
巡査はひどく怯えた表情だった
「お前は……我々を見てどう思った?……怖いのか?」
なにかを言おうとした巡査だったが
逆に言葉をかけられてついに何も言えなくなった
「怖いんだろう……!お前はなんだ……!」
「我々は指名達成のために戦っているんだっ……!!」
「我々をただの悪漢のように思ってるのかッッ!!!!!」
巡査の胸ぐらを掴んでいるのは指揮官だった
「わたしに言いたいことがあるなら…早く言えっ………!」
- 11 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 17:10:38.425 ID:Qoct1a1s0.net
- 銃声が2つ…3つ…隣の民家から聞こえてくる
はっとした巡査は震える唇からやっと言葉を絞り出した
「やめてください…!この街にはゲリラなどいません…!」
カッとなった指揮官は目に見えるほど激昂の表情になった
「それが治安を守るものの言葉かっ!!!馬鹿野郎ォッ!!!」
ビンタを食らった巡査は道端を転げ
アスファルトに空いた穴の水たまりに顔を半分突っ込んだ
巡査は苦悶の表情を浮かべる
- 12 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 17:11:31.962 ID:Qoct1a1s0.net
- そのとき銃声のした民家から幼い兄妹が出てきた
指揮官はゆっくりとピストルを向ける
巡査は気づくより早くピストルの方向を凝視した
乾いた音が2発、響いた
- 13 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 17:12:21.989 ID:Qoct1a1s0.net
- 巡査は痛みなど置き去りにしてなんとかすぐに立ち上がると
指揮官に掴みかかった
「何をするんだ!!まだ子供じゃないかっ………!!!」
「いいか…共産主義者の子供は共産主義者だ」
「お前らの言う共産主義者ってなんだ…!本当にそんな奴がいるのか…!」
「悪から生じたものは決して膳にはならないものだ……」
- 14 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 17:12:29.103 ID:AVAnAM4c0.net
- 自衛隊は兵士じゃないと思うんですけど
- 15 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 17:16:09.641 ID:Qoct1a1s0.net
- 巡査は途方にくれて座り込んだ
力なくうなだれる頭から警察帽が音もなくアスファルトに落ちた
「俺は共産主義者だ!!!!アナーキストだ!!!!」
巡査は目をギョッと見開いて別人のような大声を浴びせた
指揮官は少し驚いたが冷静に言った
「そんなはずはない、きみは治安を守る警察官だろう?」
指揮官は銃をしまうと葉巻を取り出して静かに火をつけた
「君にはこの地区の治安を改めて担ってもらう………」
一息ついて煙に巻く
「われわれに君が信用されたという事実が今後最も重要になる」
巡査に再び深い絶望の幕が降りた
- 16 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 17:16:18.918 ID:Qoct1a1s0.net
- おわり
- 17 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 17:22:51.577 ID:u5wWhFADd.net
- こういう対ゲリラ戦はすごくいい
- 18 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 17:39:46.014 ID:h2KXh9Ntd.net
- ゲリラ戦がどこにあった?
- 19 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/02/17(水) 18:00:41.406 ID:Qoct1a1s0.net
- よかった?
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